(注) 1.2022年4月1日を移行日として、第22期より国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しています。また、第21期のIFRSに基づいた連結経営指標等もあわせて記載しています。
2.第21期から第23期のIFRSに基づく連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人による監査を受けています。
3.第21期及び第22期の希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため、基本的1株当たり当期利益と同額としています。
4.第21期及び第22期の株価収益率は当社株式が非上場であるため記載していません。
5.従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(アルバイト及びパートタイマーを含み、派遣社員を除く。)は、年間平均雇用人数を( )外数で記載しています。
(注) 1.主要な経営指標等のうち、第19期及び第20期については会社計算規則(2006年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査を受けていません。
2.第21期から第23期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人による監査を受けています。
3.第19期から第22期の数値は、各期の定時株主総会において承認された数値について、誤謬の訂正による修正再表示を反映しています。
4.第21期の当期純損失は、多額の関係会社株式評価損及び貸倒引当金繰入の計上等によるものです。
5.第23期の1株当たり配当額109円55銭のうち、期末配当額18円00銭については、2025年6月27日開催予定の定時株主総会の決議事項になっています。
6.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
7.第19期から第22期の株価収益率は当社株式が非上場であるため記載していません。
8.第21期の配当性向については、当期純損失のため記載していません。第22期の配当性向については、配当を実施していないため記載していません。
9.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第20期の期首から適用しており、第20期からの主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
10.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(アルバイト及びパートタイマーを含み、派遣社員を除く。)は、年間平均雇用人数を( )外数で記載しています。
11.当社は、2025年3月19日付で東京証券取引所プライム市場に上場したため、第19期から第23期までの株主総利回り及び比較指標については記載しておりません。
12.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所プライム市場におけるものです。ただし、当社は、2025年3月19日付で東京証券取引所プライム市場に上場したため、それ以前の株価については記載しておりません。
〔前史〕
〔提出会社設立以降〕
当社グループは、半導体・情報通信分野に欠かせない銅やレアメタルを原料とする先端素材の開発・製造・販売を主な内容としてグローバルな事業活動を行っており、半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔を主力製品としています。これらに加えて、銅やレアメタルの資源開発や、製錬・リサイクル事業を手掛けており、上流から下流までをつなぐ強固なサプライチェーンを有することにより、安定的に先端素材をマーケットに供給し、持続可能な経済・社会の発展に貢献しています。
当社グループは、半導体材料セグメント、情報通信材料セグメント、基礎材料セグメントの3つの報告セグメントにて構成されています。成長戦略のコアである半導体材料セグメントと情報通信材料セグメントをフォーカス事業と位置づけ、先端素材分野での技術の差別化や市場創造を通じて、市場成長以上の利益成長を目指しています。一方、基礎材料セグメントをベース事業と位置づけ、銅・レアメタルの安定供給を通じてフォーカス事業を支える役割を担っています。各報告セグメントの主要製品、主要会社は以下のとおりです。
以下の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記7.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であり、各事業を構成する主要な関係会社の状況については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しています。
高純度化や組成・組織制御などの当社のコア技術を駆使し、半導体や磁性材料向けのスパッタリングターゲットをはじめ、各種高機能デバイス、最先端IT機器、医療機器、電気自動車に用いられる製品をグローバルに展開しています。中でも、ロジックやメモリに用いられる半導体用スパッタリングターゲットが主力製品であり、市場規模1,462億円のマーケットにおいて世界シェアは64%(注1)です。当社は様々な素材の半導体用スパッタリングターゲットを取り扱っており、半導体の主要配線層に用いられる銅や銅合金、そのバリア層に用いられるタンタルに加えて、半導体の回路形成やトランジスタ部分等に用いられるチタン、コバルト及びタングステンの製品で世界シェアNo.1です(注2)。
半導体はシリコンウエハ上に数百回以上にわたり回路を形成して製造されますが、半導体用スパッタリングターゲットは回路形成に必要となる素材の層をつくる工程(成膜工程)の材料として用いられます。成膜に当たっては、真空状態の装置内でスパッタリングターゲットにアルゴンイオンを衝突させ、放出したターゲット原子を基板(シリコンウエハ等)上に付着させることによって薄膜を形成します。半導体が目的とする機能を発揮するためには様々な種類の高純度素材による回路形成が必要となりますが、当社の強みである高純度化技術や、多種多様な元素・合金を取り扱う技術により、様々な材料ニーズを満たしたスパッタリングターゲットの製造が可能です。
電解精製にて製造された高純度の電気銅を溶解してインゴットにし、そのインゴットを適切な幅に切断したのち、鍛造・圧延を施して必要な直径を持った円盤状の板(ターゲット材)に加工します。その後、熱処理によって結晶組織を均一化したターゲット材を、スパッタリング装置へ固定する役割を果たすバッキングプレートと接合(ボンディング)し、顧客から求められる特性に応じて表面の粗化から鏡面仕上げ等の加工を行い、品質や機能の分析評価を経て製品化されます。この一連の加工の中で、以下に記載する当社の複数のコア技術が活かされており、多数の金属品種において高品質な製品の安定的な供給を実現しています。
電解精製工程において、創業以来培ってきた高純度化技術により9N(99.9999999%)の銅の製造を実現しています。当技術により高純度銅スパッタリングターゲットに要求される6Nの銅を安定的に生産しています。
ターゲット材の結晶組織がスパッタリングに適した大きさや向きとなるように制御・管理しています。これにより、成膜時の組成・組織が均一となり半導体の欠陥を引き起こす不純物であるパーティクル(発塵)の発生を抑えることに寄与しています。
・表面制御技術
バッキングプレートとターゲット材との接合状態が不均一な場合、スパッタリング時にターゲット材の表面温度が不均一になり様々な障害が生じます。そこで、ろう材による接合や異種材料間の拡散接合など、それぞれの材料に適した技術により、均一で強固な接合を実現しています。また、異種材料接合技術の応用により、銅箔と樹脂の複合材など、新しい材料の開発を進めています。
また、スパッタリングターゲットなどの材料は、その組成や純度だけでなく、表面状態も顧客のプロセスにおける製造効率に影響します。そのため、出荷前の最終工程において、エッチングによる表面の粗化から鏡面仕上げまで、求められる特性に応じた最終加工を行っています。
当社で製造したスパッタリングターゲットは、材料として顧客のスパッタリング装置に組み込まれて使用されます。当社は自前のスパッタリング装置を所有しており、顧客が使用する条件下で評価を行うことによって最終形態で期待される機能や特性の実現、性能改善を図っています。
当社は半導体製造装置メーカーから受ける素材提案を通じて品質技術情報を獲得し、その情報を基に半導体製造装置メーカーに対して材料提案や先行開発を継続して実施してきました。長年にわたるこれらの活動の結果、当社製品の多くが半導体製造装置メーカーから標準材料として指定されており、それにより当半導体製造装置メーカーの製造装置を使用する半導体メーカーからの安定的な受注獲得につながっていると考えています。
事実として、当社は大手半導体メーカーと長年にわたり取引を継続してきた実績を有しています。加えて、高品質な製品の安定的供給が顧客から高く評価されており、当社顧客であるIntel社が設定しているEPIC Distinguished Supplier Award(注3)を2021年から2024年まで4年連続で受賞しているほか、TSMC社が設定しているExcellent Performance Awardを2024年に受賞しています。
③ 半導体メーカー拠点との地理的優位性を有する生産体制
当社は、半導体の世界的生産地である米国、台湾、韓国において、スパッタリングターゲット製造の下工程(注4)である機械加工拠点を有し、一定の在庫を保有することで、安定的かつ素早い製品供給体制を構築しています。なお、2025年3月期の当社の半導体用スパッタリングターゲットの販売比率は、台湾向けが約36%、韓国向けが約17%、米国向けが約11%、日本向けが約11%、中国向けが約12%、その他地域向けが約13%となっています。
また、米国・台湾においては技術サービス拠点としての役割も担い、顧客への迅速な品質対応も行っています。当社の高い技術レベルと各拠点での速やかな技術対応を組み合わせることにより、高い顧客満足度を実現しています。
注1.当該市場規模及び世界シェアは、富士経済「2024年 半導体材料市場の現状と将来展望」(2023年実績、アルミニウム系を除く半導体用スパッタリングターゲット市場における市場規模及び当社のシェア、販売金額ベース)より引用。市場規模について、為替レートは2023年末時点(141円/米ドル)で円換算。
2.富士経済「2024年 半導体材料市場の現状と将来展望」(2023年実績、アルミニウム系を除く半導体用スパッタリングターゲット市場における当社のシェア、販売金額ベース)に記載の銅、タンタル、チタン、コバルト及びタングステンを素材とする半導体用スパッタリングターゲットの市場規模及びシェアを参照。
3.全ての評価基準にわたって優れたパフォーマンスを発揮したサプライヤーをIntel社が表彰するものです。 全世界で数千社に及ぶ同社のサプライヤーのうち、わずか数百社のみが当プログラムへの参加資格を有しています。2024年の受賞者は同社のサプライチェーン全体で27社のみでした。
4.下工程は、半導体用スパッタリングターゲット製造プロセスにおける加工・ボンディング工程を指します。
(タンタル・ニオブ事業部)
当社グループのTANIOBISは、世界各地に製造・販売拠点を有する世界有数のタンタルとニオブの材料メーカーであり、主要製品は半導体用スパッタリングターゲットやコンデンサ用のタンタル粉・ニオブ粉、SAWデバイスや光学レンズ用のタンタル酸化物・ニオブ酸化物、半導体用のタンタルやニオブ等の塩化物、その他の高機能粉末材料です。半導体用スパッタリングターゲット用のタンタル粉については、2022年に買収した東京電解株式会社(以下、「東京電解」という。)にてインゴット状に加工のうえ当社薄膜材料事業部に供給し、スパッタリングターゲットの材料として使用されています。
2023年にはブラジルのMibra鉱山におけるタンタル原料生産事業に参画し、これまで以上に安全や人権に配慮した倫理的かつ持続可能な「責任ある調達」を推進するとともに、TANIOBISの年間調達量の約2割のタンタル鉱石を安定的に調達する体制を整備いたしました。東京電解の買収及びMibra鉱山の原料事業参画によって、当社グループとして半導体用タンタルスパッタリングターゲットを上流から下流まで一気通貫で安定的に供給する体制を確立しています。
機能材料事業部では、主力製品である圧延銅箔に加えて、AIサーバ向け等の高機能コネクタなどに使われるチタン銅、コネクタやリードフレームに使われるコルソン合金などの銅合金を取り扱っています。圧延銅箔は、スマートフォンやウェアラブル端末、モビリティ(xEV/ADAS)の分野で使用されるハイエンドなフレキシブル回路基板(FPC)に用いられており、屈曲性や耐久性における技術優位性や市場開発型アプローチの確立により、1stベンダーとしての地位を確保することで、市場規模405億円のマーケットにおいて、78%の世界シェア(注1)を誇っています。銅合金は、銅に様々な元素を添加して製造した製品で、AIサーバやスマートフォン、パソコンなどの電子機器のコネクタ端子や半導体リードフレームなどに使用され、近年の情報化社会には無くてはならない金属材料です。当社ではTi(チタン)を主な副成分とするチタン銅や、Ni(ニッケル)・Si(ケイ素)を主な副成分とするコルソン合金を中心に、顧客ニーズに合わせた多様な特性の製品を幅広く取り揃えています。
圧延銅箔は、電気銅やリサイクル原料を溶解・鋳造して製造されたインゴットを熱間圧延・冷間圧延により必要な厚さにまで薄くして製造します。その後、結晶組織を均一にするための焼鈍や、顧客の要求するスペックにするための仕上げ圧延、表面に微細な凹凸を形成してプリント基板の樹脂との密着性を高めるための表面処理、幅分割等の工程を経て最終的に製品化がなされます。
圧延銅箔の主要用途であるFPCは、導電性金属である圧延銅箔と絶縁性を持った薄く柔らかいベースフィルム(ポリイミド等)とを貼り合わせた基材(FCCL)に電気回路を形成した基板です。僅かな隙間や繰り返し屈曲する可動部に用いられることから、圧延銅箔には優れた屈曲性や耐久性が求められます。当社は、FPC向けにHA箔を生産していますが、当該製品は結晶粒・結晶方位を調整することにより屈曲性・耐久性を飛躍的に向上させており、疲労寿命を迎えるまでに類似品である特殊電解銅箔対比で約3倍の屈曲に耐える(注2)品質の高さを有しています。また、当社は独自のノウハウにより高品質な薄箔の製造を実現しており、FPC用途において6μm(髪の毛の約100分の1)の薄さまで製造可能です。
当社は、FPC向け圧延銅箔のエンドユーザーであるスマートフォンメーカー、ウェアラブル端末メーカー及びモビリティメーカーと20年以上にわたる強固な関係を構築しており、これらのエンドユーザーとの対話を通じて、早期の開発ニーズの把握や、ニーズに基づく材料提案を行ってきました。当社製品がエンドユーザーから材料指定を受けることにより、エンドユーザーに製品供給を行うCCL及びFPCメーカーからの安定的な受注を実現しています。
注1.富士キメラ総研「2024エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」(2023年実績、FPC向けのみ、出荷数量ベース)
2.米国のプリント回路業界団体であるIPCが定める規格及びJIS規格に準拠したFPCの耐屈曲性の標準的な試験方法であるIPC屈曲試験(試験方法No.:IPC-TM650 2.4.3E)における疲労寿命までの屈曲回数を比較しています(破断寿命回数HA:約53万回、特殊電解銅箔:約17万回)。
チタンは、軽量・高強度・高耐食という特性を持つ金属であり、航空機や海水淡水化プラント、発電プラントなど幅広い分野で利用されています。当社グループの東邦チタニウム株式会社では、金属チタン事業・触媒事業・化学品事業を軸とした事業展開を行っています。金属・チタン事業では、航空機材料用、医療用、産業設備用と幅広い分野で使用されているスポンジチタンやスポンジチタンを溶解・鋳造したチタンインゴットなどを製造しています。触媒事業では、ポリオレフィン製造用触媒などを製造しています。化学品事業では、積層セラミックコンデンサ等に使用される超微粉ニッケルや高純度酸化チタンなどを製造しています。
電線・ケーブル製造で培った技術を多様な製品や事業に発展させており、電子材料事業、電線・ケーブル事業、その他事業を軸とした事業展開を行っています。電子材料事業では、モバイル端末等に使われる機能性フィルム、半導体分野で需要が高まる機能性ペーストなどを扱っています。電線・ケーブル事業では、ビルや住宅で使用される電力ケーブルからロボット用ケーブル、鉄道やプラントで使われる産業用ケーブルまで幅広く対応しています。
資源事業は当社の祖業であり、1905年に日立鉱山を開業して以来、国内外の鉱山を対象として、探鉱から開発、操業、休廃止鉱山の管理に至るまでをステークホルダーと協業しながら行ってきました。長年の現場経験を通じて培った鉱床評価技術、低品位銅鉱石から効率的に銅を分離・回収する技術、低環境負荷技術等を活用し、現在は海外の銅鉱山やレアメタル鉱山への参画や国内の含金珪酸鉱鉱山の操業を行っています。
銅鉱山については、カセロネス銅鉱山(チリ)、ロス・ペランブレス銅鉱山(チリ)及びエスコンディーダ銅鉱山(チリ)の権益を保有しており、当社銅製錬事業の原料となる銅精鉱の安定確保を図るとともに、投資リターンを得ています。このうち、エスコンディーダ銅鉱山は世界最大の生産量であり、ロス・ペランブレス銅鉱山も世界有数の生産規模となっています(出所:International Copper Study Group 「The World Copper Factbook 2024」)。カセロネス銅鉱山については、2024年3月期にLundin社を経営パートナーとして迎え、同社の豊富な知見や高い鉱山運営能力を活かして、生産性向上やコスト競争力の強化を進めています。
レアメタルについては、当社グループ内の事業シナジーを高めるべく、2023年3月期にブラジルのMibra鉱山におけるタンタル原料生産事業に参画したことに引き続き、タンタル鉱山やチタン鉱山の調査・開発等にも積極的に取り組んでいます。また、当社グループ会社である鹿児島県の春日鉱山株式会社においては含金珪酸鉱の生産を行っており、銅製錬の副原料(溶剤)としてJX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所などに供給しています。
金属・リサイクル事業部は、金属製錬とリサイクルの一体的な事業運営を推進しています。銅精鉱と使用済み家電製品・電子機器などのリサイクル原料から、高効率な製錬プロセスを通じて純度99.99%以上の銅地金を生産するとともに、銅を製錬する過程の副産物として、貴金属やレアメタル、硫酸などの生産を行っています。当社グループの主要な製錬拠点であるJX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所は、世界有数の生産能力を持つ製錬所となっています(出所:International Copper Study Group「The World Copper Factbook 2024」)。今後、銅の需要はますます伸びていくことが予想されており、この需要拡大を支えるには銅精鉱に加えてリサイクル原料の活用拡大が必要不可欠であることから、当社グループはリサイクル原料の受入・処理能力を拡大し、リサイクル原料処理比率の向上を図っています。
JX金属製錬株式会社 佐賀関製錬所では、リサイクル原料の増処理を進めるに当たり、銅精鉱が自ら発する酸化反応熱を最大限に活用し、化石燃料使用量をミニマイズするグリーンハイブリッド製錬を推進しています。これにより生産された銅は、拡大する需要を支える安定供給体制の構築と脱炭素や資源循環等のサステナビリティを重視した生産と供給という2つの使命を果たすために最適なサステナブルな銅であると考えています。2040年に銅製錬時のリサイクル原料処理比率を50%まで高めることを目標に、技術開発やリサイクル原料の増集荷・増処理体制の構築を進めています。
当社は、2022年に策定したサステナブルカッパー・ビジョンの実現に向け、国内商社との戦略的パートナーシップを活用しながらリサイクル原料の増集荷・増処理体制の構築を進めています。
例えば、当社は2022年8月にカナダのリサイクラーであるeCycle Solutions Inc.の株式を取得いたしましたが、ITAD事業に知見を有する双日株式会社の資本参加を受入れ2023年4月から協業を開始しています。
また、2024年4月には三菱商事株式会社(以下、「三菱商事」という。)とともに、廃家電や廃電子機器、廃車載用リチウムイオン電池等の再利用を推進する目的でJX金属サーキュラーソリューションズ株式会社を新設し、同年7月に事業を開始しました。三菱商事の持つ産業横断型のグローバルなネットワークや知見を活用することで、リサイクル原料集荷やサプライチェーン全体の連携を強化し、銅やレアメタル等の非鉄金属資源のリサイクルの拡大を目指します。採掘された資源を廃棄せずに再利用し続けるサーキュラーエコノミーの実現に向け、貢献してまいります。
事業の系統図は以下のとおりです。

(注) 1.特定子会社です。
2.有価証券報告書提出会社です。
3.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
4.2024年5月に、JX Metals USA, Inc.から現在の商号に変更しました。
5.2025年1月に、JX Metals Singapore Pte. Ltd.から現在の商号に変更しました。
6.2025年1月に、JX Metals Korea Co., Ltd.から現在の商号に変更しました。
7.当社が実施した株式公開買い付けにより、2024年8月に持分法適用会社から子会社となりました。その後、当社の完全子会社化するための手続により、2024年11月に当社の完全子会社となりました。
8.2024年4月に新規に設立、2024年7月に三菱商事㈱に株式を一部譲渡し、同社との合弁会社となりました。
(注) 1.有価証券報告書提出会社です。なお、上表のその他13社に含まれる有価証券報告書提出会社は、株式会社丸運です。
2.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
3.持分法適用会社等には、共同支配事業及び共同支配企業を含みます。
4.2024年7月に保有する株式の19%を売却し、現時点での議決権の所有割合は30%です。
(注) 1.有価証券報告書の提出会社です。
2.ENEOSホールディングス株式会社は、当社株式の全てを保有する当社の親会社でしたが、2025年3月19日付の当社株式の東京証券取引所プライム市場への新規上場に伴う所有株式の売出し及びオーバーアロットメントによる売出しにより、同社の当社株式の保有割合が42.38%となり、当社の議決権の過半数を有しないこととなったため、同社は、同日付で当社の親会社ではなくなりました。
3.当社は、「ENEOSグループの経営管理に関する契約」に基づき経営指導料を支払っておりましたが、2024年10月に当該契約を解消し、経営指導料の支払いを終了いたしました。
4.ENEOSホールディングス株式会社の子会社であるJX Nippon Finance Netherlandsからの借入金に対する債務保証を受けておりましたが、2024年9月に保証契約を解消したことに伴い、該当債務も解消されております。
(注) 1.従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)です。
2.従業員数の( )内は、臨時従業員数です。(外数)
臨時従業員は、主にパートタイマー、アルバイト等の従業員であり、派遣社員は含みません。
(注) 1.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)です。
2.従業員数の( )内は、臨時従業員数です。(外数)
臨時従業員は、主にパートタイマー、アルバイト等の従業員であり、派遣社員は含みません。
3.社外からの出向者については、当社での出向受入日から起算しており、出向元での勤続年数を通算していません。
当社の労働組合はJX金属労働組合と称し、2025年3月31日現在の組合員数は3,466人です。一部連結子会社においても労働組合が組織されていますが、当社を含めて労使関係は円満に推移しており、組合と会社との間に特記すべき事項はありません。
当連結会計年度の当社及び主要な事業会社の多様性に関する指標は、以下のとおりです。
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号。以下、「育児介護休業法」という。)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。