【連結財務諸表注記】

1.報告企業

JX金属株式会社(以下、「当社」という。)は、日本に所在する企業です。当社の連結財務諸表は、当社及び子会社(以下、「当社グループ」という。)並びに関連会社及び共同支配企業に対する持分により構成されています。当社グループの主な事業内容は、注記7.「セグメント情報」に記載しています。

当連結財務諸表は、2025年2月10日に代表取締役社長 林 陽一によって承認されています。

 

2.作成の基礎

(1) IFRSに準拠している旨及び初度適用に関する記載

当社の連結財務諸表はIFRSに準拠して作成しています。当社は連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同規則第93条の規定を適用しています。

当社グループは2024年3月31日に終了する連結会計年度からIFRSを初めて適用しており、IFRSへの移行日(以下、「移行日」という。)は2022年4月1日となります。

IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」(以下、「IFRS第1号」という。)の規定により認められた免除規定を除き、当社グループの会計方針は2024年3月31日において有効なIFRSに準拠しております。なお、適用した免除規定については、注記36.「初度適用」に記載しております。

 

(2) 機能通貨及び表示通貨

連結財務諸表の表示通貨は、当社の機能通貨である日本円であり、特段の記載がない限り、百万円未満を四捨五入しています。

 

(3) 新基準書の早期適用

該当事項はありません。

 

3.重要性のある会計方針

(1) 連結の基礎

① 子会社

子会社とは、当社が支配している企業をいいます。当社は、企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、企業に対するパワー(関連性のある活動を指図する現在の能力を与える現在の権利)により当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、企業を支配していると判断しています。

子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの間、当社の連結財務諸表に含まれています。また、当社の会計方針と整合するよう、必要に応じて子会社の財務諸表を修正しています。

支配の喪失を伴わない子会社に対する親会社持分の変動取引は、資本取引として会計処理しています。

 

② 関連会社・共同支配企業

関連会社とは、当社がその経営及び財務の方針に関する経営管理上の意思決定に対して、重要な影響力を有するが、支配又は共同支配を有していない企業をいいます。重要な影響力とは、企業の財務及び営業の方針決定に参加するパワーのことを指します。

共同支配企業とは、契約上の取決めにより、関連性のある活動に係る意思決定について、支配を共有している当社を含む当事者の全員一致の合意を必要とする企業で、各当事者が当該企業の純資産に対する権利を有している場合の企業をいいます。

関連会社・共同支配企業に対する持分の投資は、持分法により会計処理しています。持分法では、持分の投資は当初取得原価で認識され、関連会社・共同支配企業の経営成績に対する当社の持分は、当社の会計方針と整合するように修正され、連結損益計算書において持分法による投資損益として認識しています。

 

 

(2) 企業結合

当社は、企業結合の会計処理として取得法を適用しています。企業結合において取得した識別可能資産及び引き受けた識別可能負債と偶発負債は、当初取得日における公正価値で測定します。取得に関連して発生した費用は、発生時に費用として認識します。当社は、非支配持分を公正価値若しくは被取得企業の識別可能純資産に対する非支配持分の比例持分で測定するかについて取引ごとに決定します。

のれんは、移転された企業結合の対価、被取得企業の非支配持分の金額及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計額が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額として測定します。

割安購入により、当該合計金額が取得した識別可能資産及び負債の正味価額を下回る場合、差額は直ちに連結損益計算書に純損益として認識されます。

 

(3) 外貨換算

① 機能通貨及び表示通貨

当社グループ各社は、営業活動を行う主たる経済環境の通貨である機能通貨を判定し、当該機能通貨により個別財務諸表を作成しています。当社の連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しています。

 

② 外貨建取引及び残高

外貨建取引は、取引日における為替レートで当社グループ各社の機能通貨に換算します。期末日における外貨建の貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算し、また公正価値で測定する外貨建の非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算します。この結果生じる為替換算差額は原則として純損益に認識します。ただし、その他の包括利益を通じて測定する金融資産として指定した資本性金融商品及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる為替換算差額については、その他の包括利益に認識します。取得原価で測定する外貨建の非貨幣性資産及び負債は、取引日の為替レートで換算します。

 

③ 在外営業活動体

在外営業活動体の資産及び負債は期末日の為替レート、収益及び費用は報告期間中の為替レートが著しく変動していない限り、その期間の平均為替レートを用いて日本円に換算します。

在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、「在外営業活動体の為替換算差額」としてその他の包括利益に認識します。在外営業活動体の処分等に伴い、当該累積換算差額は、処分損益の一部として純損益に振り替えます。

なお、支配の喪失を伴わない子会社に対する親会社持分の変動取引については、当該子会社の為替換算差額を親会社の所有者に帰属する持分と非支配持分との間で、資本を通じて再配分しています。

 

(4) 現金及び現金同等物

連結財務諸表における現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から概ね3か月以内に償還期限の到来する短期投資からなっています。

 

(5) 金融商品

① 金融資産

(ア)当初認識及び測定

当社グループは金融資産を、金融商品の契約上の当事者になった時点で当初認識しています。ただし、通常の方法による金融資産の購入については、取引日に当初認識しています。

金融資産は、当初認識時に、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類します。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については公正価値で測定し、それ以外の金融資産は、公正価値に、取得に直接起因する取引費用を加算した金額で測定します。金融資産は以下の条件に従い、分類、事後測定をしています。

 

 

償却原価で測定する金融資産

金融資産は、以下の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類します。

・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、金融資産が保有されている。

・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。

当初認識後は実効金利法を用いた償却原価で測定し、また、減損の評価を行っています。

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は公正価値により測定します。そのうち、売買目的以外で保有する資本性金融商品については、当初認識時にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定するか否かを、個々の資本性金融商品ごとに決定しています。

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定した金融資産は、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益に認識しています。

その他の包括利益に認識した金額は、事後的に純損益に振り替えることはできないものの、資本の中で振り替えることができます。関連する金融資産の認識を中止した場合、あるいは公正価値が著しく下落した場合には、その他の包括利益に認識した当該金額を利益剰余金に振り替えています。なお、当該金融資産からの配当金は純損益に認識します。

支配の喪失を伴わない子会社に対する親会社持分の変動取引については、当該子会社のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の累計額を、親会社の所有者に帰属する持分と非支配持分との間で、資本を通じて再配分しています。

 

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

償却原価で測定する金融資産以外の金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定しなかった金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類します。

当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益に認識します。

 

(イ)認識の中止

金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は、金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんど全てが移転した場合に認識を中止します。

 

(ウ)金融資産の減損

当社グループは報告期間の末日ごとに、金融資産の信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かを、外部信用格付け、期日経過の情報等に基づき評価します。

金融資産の信用リスクが、当初認識以降に著しく増大したと判断した場合、金融資産の予想残存期間の全期間に係る予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を測定します。金融資産の信用リスクが、当初認識以降に著しく増大していないと判断した場合、報告期間の末日後12か月以内に生じる予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を測定します。ただし、営業債権については、延滞日数別の過去の貸倒実績に経済状況等を踏まえて調整した実績率に基づき、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を測定します。

なお、債務者の財務状況の著しい悪化、債務者による支払不履行又は延滞等の契約違反等、金融資産が信用減損している証拠がある場合、算定した貸倒引当金を控除後の償却原価に対して、実効金利法を適用します。

予想信用損失の金額は、契約にしたがって支払われる金融資産のキャッシュ・フローの総額と、金融資産の受取見積将来キャッシュ・フローとの差額を、当初の実効金利で割り引いた現在価値を発生確率で加重平均して見積ります。貸倒引当金の変動は、純損益に認識します。

 

 

② 金融負債

(ア)当初認識及び測定

当社グループは金融負債を、金融商品の契約上の当事者になった時点で当初認識しています。金融負債は、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債を除き、償却原価で測定する金融負債に分類します。純損益を通じて公正価値で測定する金融負債については公正価値で測定し、それ以外の金融負債は、公正価値から発行に直接起因する取引費用を控除した金額で測定します。

金融負債は以下の分類ごとに、それぞれ事後測定をしています。

 

償却原価で測定する金融負債

当初認識後は実効金利法を用いた償却原価で測定します。

 

純損益を通じて公正価値で測定する金融負債

当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益に認識します。

 

(イ)認識の中止

金融負債は、契約上の義務が免責、取消又は失効となった場合に認識を中止します。

 

③ デリバティブ及びヘッジ会計

当社グループは、為替変動リスク、金利変動リスク及び商品価格変動リスクをヘッジするために、先物為替予約、金利スワップ、商品先渡契約等のデリバティブ取引を行っています。取引開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係並びに種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的及び戦略について文書化します。また、ヘッジ取引に指定したデリバティブがヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するに際しヘッジ会計の要件を満たすかどうかについて、ヘッジ開始時及びその後も継続的に評価しています。

デリバティブは公正価値で当初認識しています。ヘッジ会計の要件を満たさない一部のデリバティブは、公正価値の事後的な変動を純損益に認識しています。ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブは、その公正価値の変動を以下のように会計処理します。

 

(ア)公正価値ヘッジ

公正価値ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすデリバティブの公正価値の変動は、ヘッジされたリスクに対応するヘッジ対象資産又は負債の公正価値の変動とともに、純損益に認識します。

 

(イ)キャッシュ・フロー・ヘッジ

キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすデリバティブの公正価値の変動は、その他の包括利益に認識します。ただし、デリバティブの公正価値の変動のうち、ヘッジの非有効部分は純損益に認識します。

その他の包括利益に累積された金額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与える期に、純損益に組み替えます。しかしながら、ヘッジ対象である予定取引が非金融資産若しくは負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益に累積された金額は、当該資産若しくは負債の測定額に含めます。

 

なお、公正価値ヘッジ、キャッシュ・フロー・ヘッジとも、ヘッジがヘッジ会計の要件を満たさなくなった場合、ヘッジ手段が失効、売却、終了又は行使された場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しています。

 

 

(6) 棚卸資産

棚卸資産の取得原価には、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他の全ての原価を含みます。

棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で計上します。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における予想販売価額から完成までに要する見積原価及び見積販売コストを控除した額です。取得原価は主として先入先出法を用いて算定します。

 

(7) 有形固定資産(使用権資産を除く)

有形固定資産の認識後の測定には原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示します。

取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、撤去及び原状回復費用並びに長期プロジェクトのための借入コストで資産計上の要件を満たすものが含まれます。

取得後に追加的に発生した支出については、その支出により将来の経済的便益が当社グループに流入する可能性が高く、かつ金額を信頼性をもって測定することができる場合にのみ、当該取得資産の帳簿価額に算入するか個別の資産として認識するかのいずれかにより会計処理します。取得原価に算入しない追加的な支出は、発生時に純損益で認識します。

大規模な保守や修繕に係る支出には、再取得資産や資産の一部の取替えに係る費用、調査費用及びオーバーホール(詳細検査)の費用が含まれます。当該支出のうち、有形固定資産の認識基準が満たされるものについては資産計上され、次の調査までの期間にわたり減価償却されます。

土地以外の有形固定資産の減価償却は、取得原価から残存価額を控除した償却可能価額について、有形固定資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、主として定額法に基づいて行います。

主な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりです。

・建物及び構築物    2年~50年

・機械装置及び運搬具  2年~20年

有形固定資産の減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度の末日ごとに見直しを行います。

 

(8) のれん及び無形資産

① のれん

のれんは償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しております。のれんは企業結合のシナジーからの便益を得ることが期待される個々の資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、毎期又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。のれんの減損損失は連結損益計算書において純損益として認識され、その後の戻入れは行っていません。

持分法で会計処理されている投資の帳簿価額に含まれる関連会社・共同支配企業に係るのれんは、当該投資とは区別せずに減損テストを行います。

なお、当初認識時におけるのれんの測定は、注記3.「重要性のある会計方針(2)企業結合」に記載しています。

 

② 無形資産

無形資産の認識後の測定には原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示します。

個別に取得した無形資産は、当初認識に際し取得原価で測定し、企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日時点における公正価値で測定します。なお、自己創設の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用を除き、その支出額は全て発生した期の費用として計上します。

無形資産は、資産の取得原価から残存価額を控除した額について、見積耐用年数にわたり、主として定額法で償却します。主な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりです。

・ソフトウエア 5年

・顧客関連資産 10年~25年

無形資産の償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度の末日ごとに見直しを行います。

 

 

(9) リース

リース負債は、リース開始日現在の残存リース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在価値で当初認識します。認識時に実務上容易にリースの計算利子率を算定できない場合は、当社グループの追加借入利子率を用いています。

使用権資産は、リース負債の測定額に、当初直接コストや前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務の費用を加算した金額で認識しており、リース期間にわたり規則的に減価償却を行います。また使用権資産は連結財政状態計算書において「有形固定資産」に含めて表示しています。

 

(10) 非金融資産の減損

当社グループは各報告期間において、各資産についての減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候が存在する場合、又は、耐用年数を確定できない無形資産等毎年減損テストが要求されている場合には、その資産の回収可能価額を見積ります。個々の資産の回収可能価額を見積ることができない場合には、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を見積ります。

回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のうちいずれか高い方の金額で算定します。処分コスト控除後の公正価値の算定に当たっては、利用可能な公正価値指標及び取引に裏付けられた適切な評価モデルを使用します。また、使用価値の評価における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価及び当該資産に固有のリスク等を反映した税引前割引率を使用して、現在価値まで割り引きます。

資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合は、その資産について減損損失を認識し、回収可能価額まで評価減します。

のれん以外の資産に関しては、過去の報告期間に認識された減損損失について、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかの評価を行います。そのような兆候が存在する場合は、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産又は資金生成単位の帳簿価額を超える場合、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として、減損損失を戻し入れます。

 

(11) 金属資源の探鉱・評価・開発費

金属資源について生じる探査及び評価に係る支出は、発生時に費用として認識します。それぞれのプロジェクトが、経済的に実行可能であると判断された時点から生産開始前の間に発生する支出のうち、開発活動に直接起因するものは全て資産に計上しています。当該鉱物資産の減価償却は確定埋蔵量及び推定埋蔵量の合計に占める当報告期間中の採掘量の割合にて、生産高比例法で償却しています。一方、生産開始後に生じる支出は、剥土活動及び追加開発に係る支出を除き、発生時に棚卸資産として会計処理します。

 

(12) 剥土コスト

露天掘りプロジェクトの開発及び生産段階では廃物の除去支出(剥土コスト)が生じます。開発段階の剥土コストは鉱物資源へのアクセスを目的としているため、資産に計上しています。生産段階の剥土コストについては、棚卸資産の生産に係るものと将来の鉱物資源へのアクセスの改善に係るものが含まれています。このため、棚卸資産の生産に係る剥土コストについては、その棚卸資産の一部を構成し、将来の鉱物資源へのアクセス改善に係る剥土コストについては、一定の基準を満たす場合に剥土活動資産として、構成要素別に資産に計上しています。当該資産計上された剥土活動資産は、関連する構成要素の埋蔵量等を用いて生産高比例法により償却されます。

 

(13) 鉱石埋蔵量の見積りの決定

減価償却、減損の検討、閉鎖・原状回復コストや浄化コストの支払時期の予測のために使用する鉱石埋蔵量は、適格な専門家によって作成された情報に基づき見積りを行います。当該見積りの詳細は、注記4.「重要な会計上の見積り及び判断 (2) 鉱石埋蔵量の見積り」に記載しています。

 

 

(14) 売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ及び非継続事業

非流動資産又は処分グループについては、継続的な使用ではなく、主として売却取引により回収が見込まれるものであり、1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ、現在の状態で即時に売却可能で、経営者が売却を確約している場合には、売却目的で保有する非流動資産又は処分グループとして分類します。

売却目的で保有する非流動資産又は処分グループは、減価償却又は償却は行わず、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定します。

既に処分された又は売却目的で保有する非流動資産又は処分グループが、独立の主要な事業分野又は営業地域を示す場合、独立の主要な事業分野又は営業地域を処分する統一された計画の一部である場合、転売のみを目的に取得した子会社である場合のいずれかに該当した場合、非継続事業として認識します。

 

(15) 従業員給付

当社グループでは確定給付制度と確定拠出制度を採用しています。確定給付制度に関連して連結財政状態計算書で認識される負債は、報告期間の末日現在の確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を差し引いた額です。確定給付制度債務は、予測単位積増方式を用いて毎年算定します。割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定します。

退職給付費用のうち、勤務費用、確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額については純損益で認識し、見積りと実績との差異及び数理計算上の仮定の変更から生じた数理計算上の差異を含む再測定は、発生した期間にその他の包括利益として認識します。当該金額は、純損益へ振り替えることはできないものの、資本の中での振り替えが認められていることから、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えます。過去勤務費用は、発生した期間に純損益で認識します。

確定拠出制度に係る退職給付費用は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識し、未払拠出額を債務として認識しています。

確定給付制度債務は、予測単位積増方式を用いて毎年算定しています。計算の結果、当社グループに資産が生じる可能性がある場合、制度からの将来の現金の返還又は制度への将来掛金の減額の形で享受可能な経済的便益の現在価値を限度として資産を認識しています。経済的便益の現在価値の算定に際しては、該当する最低積立要件を考慮しています。

数理計算上の差異、制度資産に係る収益(利息を除く)及び資産上限額の影響(該当ある場合は、利息を除く)から構成される確定給付負債の純額の再測定は、即時にその他の包括利益に計上しています。

 

(16) 引当金及び偶発負債

引当金は、過去の事象の結果として現在の債務(法的又は推定的義務)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、その金額を信頼性をもって見積ることができる場合に認識します。

引当金は、債務の決済に必要とされると見込まれる支出に、貨幣の時間価値の現在の市場評価と当該債務に特有なリスクを反映した税引前の割引率を用いて、現在価値で測定します。時間の経過による引当金の増加は利息費用として認識します。

資産除去債務については、施設若しくは設備を解体、撤去し、その場所を原状に復帰させる義務を負う場合で、なおかつその債務の金額を合理的に見積ることができる場合に認識します。

報告期間の末日現在において発生可能性のある債務を有しているが、それが報告期間の末日現在の債務であるか否か確認ができないもの、又は引当金の認識基準を満たさないものについては、注記30.「偶発負債」に記載します。

 

 

(17) 収益認識

当社グループは、IFRS第9号「金融商品」(以下、「IFRS第9号」という。)に基づく利息及び配当収益等を除き、次の5つのステップを適用することにより収益を認識しています。

ステップ1:顧客との契約を識別する

ステップ2:契約における履行義務を識別する

ステップ3:取引価格を算定する

ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する

ステップ5:履行義務が充足されたときに(又は充足するにつれて)収益を認識する

 

当社グループでは、半導体用スパッタリングターゲット、圧延銅箔、電気銅等の非鉄金属製品、銅精鉱等の原料鉱石の販売を行っています。これらの販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受ける権利を得るため、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後概ね3か月以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。

販売契約の一部には仮価格条項が含まれており、詳細は注記23.「売上収益」に記載しています。

 

(18) 金融収益及び金融費用

金融収益は、受取利息、受取配当金、為替差益、デリバティブ利益(その他の包括利益で認識されるヘッジ手段に係る利益を除く)等から構成されております。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。受取配当金は、当社グループの受領権が確定した時点で認識しております。

金融費用は、支払利息、為替差損、デリバティブ損失(その他の包括利益で認識されるヘッジ手段に係る損失を除く)等から構成されております。支払利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。

 

(19) 法人所得税費用

法人所得税費用は当期税金及び繰延税金から構成されます。

これらは、企業結合に関連するもの及び直接資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しています。

当期法人所得税は、期末日時点において施行又は実質的に施行される税率を乗じて算定する当期の課税所得又は損失に係る納税見込額あるいは還付見込額の見積りに、前年までの納税見込額あるいは還付見込額の調整額を加えて算定しています。

繰延税金は、報告期間の末日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務基準額との一時差異に対して認識しています。繰延税金の算定には、報告期間の末日までに施行又は実質的に施行されており、関連する繰延税金資産が実現する期又は繰延税金負債が決済される期において適用されると予想される税率を使用します。

繰延税金資産は、企業結合以外の取引で、かつ会計上又は税務上のいずれの損益にも影響を及ぼさない取引における資産又は負債の当初認識に係る差異を除く、未使用の税務上の欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。繰延税金資産は毎期末日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しています。

繰延税金負債は、企業結合以外の取引で、かつ会計上又は税務上のいずれの損益にも影響を及ぼさない取引における資産又は負債の当初認識に係る差異及びのれんの当初認識において生じる将来加算一時差異を除く全ての将来加算一時差異について認識します。

繰延税金資産及び負債は、それぞれ非流動資産及び非流動負債として表示しています。

繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合又は異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産及び負債を純額ベースで決済することを意図している場合、若しくはこれらの税金資産の実現と税金負債の決済を同時に行うことを意図している場合に相殺しています。また、単一の取引から資産と負債の両方を同額で認識する特定の取引については、認識される資産に係る将来加算一時差異に対し繰延税金負債を、認識される負債に関する将来減算一時差異に対し繰延税金資産を、それぞれ認識しています。

 

当社及び国内の100%出資子会社は、ENEOSホールディングスを通算親法人とするグループ通算制度を適用しています。

 

(20) 1株当たり当期利益

基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。

希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有する全ての潜在的普通株式による影響を調整して算定しております。

 

(21) 借入コスト

意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を要する資産に関して、その資産の取得、建設又は生産に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化しております。その他の借入コストは全て、発生した期間に費用として認識しております。

 

 

4.重要な会計上の見積り及び判断

当社の連結財務諸表は、経営者の見積り及び判断を含みます。これらの見積り及び判断は過去の実績及び報告期間の末日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の見積りに基づきますが、将来に生じる結果は、これらの見積り及び判断とは異なる可能性があります。

当社の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある、主な見積り及び判断は以下のとおりです。

 

(1) 非金融資産の減損

当社グループでは有形固定資産、のれん及び無形資産について、注記3.「重要性のある会計方針」にしたがって、減損テストを実施します。減損テストにおける回収可能価額を算定するに当たり、将来キャッシュ・フローの見積りや割引率等を決定します。将来キャッシュ・フローは経営者が承認した事業計画を基礎として、経営者の最善の見積りと判断により決定しますが、将来キャッシュ・フローに含まれる販売数量や商品価格、外国為替相場等の不確実な要素の変動によって影響を受けるため、これらの見積りや回収可能価額の見直しが必要となった場合に、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

当項目は、注記13.「非金融資産の減損」、及び注記26.「その他の収益及び費用」に関連します。

 

(2) 鉱石埋蔵量の見積り

金属資源に係る資産は生産単位ごとに、確定埋蔵量及び推定埋蔵量の合計に占める報告期間中の採掘量の割合にて生産高比例法により償却計算を行います。当該埋蔵量の見積りには品位、商品価格、外国為替相場、生産費用、将来の資本的支出等多くの不確実な仮定が含まれます。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定します。

この埋蔵量の見積りは、移行日に計上した有形固定資産のうち、カセロネス銅鉱山を運営するMLCCが計上した有形固定資産及び無形資産の一部に関連します。また、(1) 「非金融資産の減損」における減損テストにも影響します。なお、前連結会計年度末において、MLCCの資産は注記14.「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」に記載のとおり、売却目的保有の処分グループに分類しています。

埋蔵量の見積に使用する仮定は、将来の不確実な経済状況の変化によって影響を受けることから、見直しが必要となった場合には、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

当項目は、注記10.「有形固定資産」、注記11.「のれん及び無形資産」、注記13.「非金融資産の減損」に関連します。

 

(3) 法人所得税費用

当社グループは、複数の租税区域の法人所得税の影響を受けます。世界各地における法人所得税の見積額を決定する際には、重要な判断が必要です。

当連結会計年度、法人所得税費用として計上した金額は△36,173百万円です。

取引及び計算方法によっては、最終的な税額に不確実性を含むものも多くあります。追加徴収が求められるかどうかの見積りに基づいて、予想される税務調査上の問題について負債を認識します。これらの問題に係る最終税額が当初に認識した金額と異なる場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

また、繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で金額を算定します。将来の課税所得の生じる時期及び金額は、販売数量や商品価格、外国為替相場等の仮定を含めた、経営者が承認した事業計画に基づいて見積ります。

これにより、当連結会計年度末、繰延税金資産として計上した金額は35,494百万円です。

課税所得が生じる時期及び金額は、将来の不確実な経済状況の変化によって影響を受けることから、実際に生じた時期及び金額が見積りと異なった場合は、それに伴い利用可能な繰延税金資産の金額も変動し、その結果、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

当項目は、注記19.「法人所得税」に関連します。

 

 

(4) 棚卸資産の評価

棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で計上します。報告期間末日において正味実現可能価額が取得原価より下落している場合には、棚卸資産を当該正味実現可能価額で測定し、取得原価との差額(評価減)を売上原価に計上します。

これにより、当連結会計年度末、棚卸資産として計上した金額は254,957百万円です。

将来、市場環境が大きく変化し、正味実現可能価額が著しく下落した場合には、売上原価に多額の差額(評価減)が発生し、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

当項目は、注記9.「棚卸資産」に関連します。

 

(5) 従業員給付

当社グループは確定給付制度を含む退職給付制度を有しています。確定給付制度債務の現在価値及び関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定されます。数理計算上の仮定には、割引率等、様々な変数についての見積り及び判断が求められます。

これにより、当連結会計年度末、退職給付に係る負債として計上した金額は27,367百万円です。

様々な変数を含む数理計算上の仮定の適切性について、経営者の最善の見積りと判断により決定しますが、将来の不確実な経済状況の変化によって影響を受けることから、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

当項目は、注記18.「従業員給付」に関連します。

 

(6) 引当金及び偶発負債

当社グループは資産除去債務等、種々の引当金を連結財政状態計算書に計上しています。これらの引当金は、報告期間の末日における債務に関するリスク及び不確実性を考慮に入れた、債務の決済に要する支出の最善の見積りに基づいて計上されます。

これにより、当連結会計年度末、引当金として計上した金額は25,030百万円です。

債務の決済に要する支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しますが、予想しえない事象の発生や状況の変化によって影響を受ける可能性があり、実際の支払額が見積りと異なった場合、翌報告期間以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。

また、偶発負債については、報告期間の末日における全ての利用可能な証拠を勘案し、その発生可能性及び金額的影響を考慮したうえで、将来の事業に重要な影響を及ぼしうる項目を開示します。

当項目は、注記17.「引当金」、注記30.「偶発負債」に関連します。

 

 

5.未適用の公表済み基準書及び解釈指針

連結財務諸表の承認日までに、主に以下の基準書及び解釈指針の新設又は改訂が公表されていますが、2024年3月期以前に強制適用されるものではなく、当社グループでは早期適用しておりません。新しいIFRS適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積もることはできません。

IFRS

強制適用時期

(以降開始年度)

当社適用予定時期

(以降開始年度)

新設・改訂内容

IFRS第18号

財務諸表における表示及び開示

2027年1月1日

2027年4月1日

財務諸表における表示及び開示に関する現行の会計基準であるIAS第1号を置き換える新基準

 

 

6.企業結合

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

(個々には軽微であるが全体としては重要となる企業結合)

前連結会計年度に行われた企業結合については、個々には重要性はないものの、全体としては重要性がある企業結合を合算して記載しております。

(1) 取得対価及びその内訳

 

(単位:百万円)

現金

15,868

取得日直前に保有していた資本持分の公正価値

1,060

条件付対価等

-

合計

16,928

 

 

(2) 取得関連費用

企業結合に係る取得関連費用として596百万円が前連結会計年度における連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上されております。

 

(3) 取得資産及び引受負債の公正価値、非支配持分及びのれん

 

(単位:百万円)

支払対価の公正価値

16,928

流動資産

4,993

非流動資産

15,057

流動負債

3,811

非流動負債

4,076

純資産

12,163

非支配持分

△2,435

のれん

7,200

 

 

 

流動資産には、取得日時点で被取得企業が保有していた「現金及び現金同等物」2,772百万円が含まれております。非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産の認識金額に対する非支配株主の持分割合で測定しております。のれんは、主に超過収益力及び既存事業とのシナジー効果を反映しており、前連結会計年度におけるのれんの取得額には、基礎材料セグメントにおけるリサイクル原料の長期的・安定的な調達を目的に取得したeCycle Solutions Inc.の取得に関するのれん6,149百万円が含まれております。これらの取得は取得法を適用して会計処理し、取得価額は取得資産及び引受負債の見積公正価値に基づいて配分しております。前連結会計年度末においては、一部の被取得企業において取得価額の取得した資産及び負債への配分が確定しておらず、暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度において確定しております。なお、暫定的な会計処理の確定に伴う影響額に重要性はありません。

 

(4) 段階取得に係る差益

当社グループが取得日以前に保有していた被取得企業の資本持分を取得日の公正価値で再測定した結果、企業結合による段階取得に係る差益356百万円を連結損益計算書の「その他の収益」に計上しております。

 

(5) 当社グループの業績に与える影響

取得日以降に生じた損益情報、及び企業結合が期首に実施されたと仮定した場合の損益情報(プロフォーマ情報)は、連結財務諸表に与える影響額に重要性がないため開示しておりません。なお、当該プロフォーマ情報は監査を受けておりません。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

重要な企業結合がないため、記載を省略しております。

 

7.セグメント情報

(1) 報告セグメントの概要

当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象です。

当社グループでは、当社において設置された製品・サービス別の事業セグメントが、取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

したがって、当社グループは、製品・サービス別の事業セグメントから構成されておりますが、製品・サービスの特性及び販売市場の類似性に基づき、複数の事業セグメントを集約したうえで、「半導体材料」、「情報通信材料」及び「基礎材料」の3つを報告セグメントとし、他の事業セグメントを「その他」としております。

各報告セグメント区分の主な製品・サービス又は事業内容は、次のとおりです。

 

半導体材料

半導体用スパッタリングターゲット、化合物半導体・結晶材料、塩化物等の製造・販売

情報通信材料

圧延銅箔、チタン銅、超微粉ニッケル、電磁波シールドフィルム、電線等の製造・販売

基礎材料

電気銅、型銅、貴金属、硫酸等の製造・販売

 

 

(2) 報告セグメントごとの売上高、損益、資産及びその他の項目

移行日(2022年4月1日)

(単位:百万円)

 

半導体

材料

情報通信

材料

基礎

材料

報告セグメント合計

その他

調整額

(注1)

連結財務諸表計上額

セグメント資産

199,096

247,423

1,130,877

1,577,396

13,852

33,911

1,625,159

 

(注) 1.セグメント資産の調整額33,911百万円には、セグメント間の債権の相殺消去額△21,136百万円、各報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない全社資産55,047百万円が含まれています。

 

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

(単位:百万円)

 

半導体

材料

情報通信

材料

基礎

材料

報告セグメント合計

その他

調整額

(注6)

連結財務諸表計上額

売上高

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高(注2)

147,246

219,445

1,268,704

1,635,395

3,089

-

1,638,484

セグメント間の内部売上高又は振替高(注3)

604

3,376

36,984

40,964

2,994

43,958

-

147,850

222,821

1,305,688

1,676,359

6,083

43,958

1,638,484

セグメント利益又は損失(△)

(注4)

34,253

21,412

29,077

84,742

677

11,140

72,925

金融収益

 

2,088

金融費用

 

11,686

税引前利益

63,327

 

 

 

 

 

 

 

 

セグメント資産

241,353

270,865

1,249,503

1,761,721

21,101

48,735

1,831,557

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

8,206

14,016

40,188

62,410

147

4,078

66,635

持分法による投資損益

-

578

42,047

42,625

293

-

42,332

持分法で会計処理されている投資

-

17,897

170,183

188,080

8,033

-

196,113

有形固定資産及び無形資産の資本的支出(注5)

26,995

16,645

36,891

80,531

121

7,482

88,134

 

(注) 1.報告セグメントの会計方針は、連結財務諸表作成における会計方針と同一です。

2.外部顧客への売上高には、顧客との契約から生じた収益及びその他の源泉から生じた収益が含まれています。詳細については、注記23.「売上収益」に記載しています。

3.報告セグメント間の内部売上高又は振替高は市場実勢価格に基づいています。

4.セグメント利益又は損失は、連結損益計算書における営業利益で表示しています。

5.資本的支出には、使用権資産の新規取得を含めています。

6.調整額は以下のとおりです。

① セグメント利益又は損失の調整額△11,140百万円には、各報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない全社収益・全社費用の純額△10,566百万円が含まれています。

② セグメント資産の調整額48,735百万円には、セグメント間の債権の相殺消去額△32,077百万円、各報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない全社資産80,812百万円が含まれています。

7.各報告セグメントの非金融資産の減損損失の金額及び内容については、注記13.「非金融資産の減損」に記載しています。

 

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

半導体

材料

情報通信

材料

基礎

材料

報告セグメント合計

その他

調整額

(注6)

連結財務諸表計上額

売上高

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高(注2)

122,582

186,279

1,201,109

1,509,970

2,375

1,512,345

セグメント間の内部売上高又は振替高(注3)

569

1,793

25,893

28,255

5,424

33,679

123,151

188,072

1,227,002

1,538,225

7,799

33,679

1,512,345

セグメント利益又は損失(△)

(注4)

26,410

933

77,240

104,583

2,376

16,035

86,172

金融収益

 

3,135

金融費用

 

10,593

税引前利益

78,714

 

 

 

 

 

 

 

 

セグメント資産

260,642

291,822

618,218

1,170,682

24,361

130,844

1,325,887

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

9,164

14,849

10,755

34,768

170

4,160

39,098

持分法による投資損益

446

55,018

55,464

353

55,111

持分法で会計処理されている投資 

18,607

348,284

366,891

7,914

374,805

有形固定資産及び無形資産の資本的支出(注5)

28,244

29,904

16,619

74,767

538

3,771

79,076

 

(注) 1.報告セグメントの会計方針は、連結財務諸表作成における会計方針と同一です。

2.外部顧客への売上高には、顧客との契約から生じた収益及びその他の源泉から生じた収益が含まれています。詳細については、注記23.「売上収益」に記載しています。

3.報告セグメント間の内部売上高又は振替高は市場実勢価格に基づいています。

4.セグメント利益又は損失は、連結損益計算書における営業利益で表示しています。

5.資本的支出には、使用権資産の新規取得を含めています。 

6.調整額は以下のとおりです。

① セグメント利益又は損失の調整額△16,035百万円には、各報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない全社収益・全社費用の純額△17,335百万円が含まれています。

② セグメント資産の調整額130,844百万円には、セグメント間の債権の相殺消去額△15,510百万円、各報告セグメント及び「その他」の区分に配分していない全社資産146,354百万円が含まれています。

7.各報告セグメントの非金融資産の減損損失の金額及び内容については、注記13.「非金融資産の減損」に記載しています。

 

(3) 製品及びサービスに関する情報

「(1) 報告セグメントの概要」における事業セグメントごとの製品及びサービスについて、「(2) 報告セグメントごとの売上高、損益、資産及びその他の項目」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。

 

(4) 地域別に関する情報

① 売上高

売上高の地域別内訳については、注記23.「売上収益」に記載しております。

 

 

② 非流動資産

非流動資産の地域別内訳については、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

日本

232,467

258,637

277,191

チリ

253,354

3

2

その他

46,961

65,798

84,719

合計

532,782

324,438

361,912

 

(注) 1.非流動資産は金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産等を含んでいません。

2.前連結会計年度末における主な減少は、基礎材料セグメントに属するMLCCの譲渡決定に伴い、売却目的保有の処分グループに振り替えたことによるものです。

 

(5) 主要な顧客に関する情報

当社グループの収益の10%を超える外部顧客がないため、記載を省略しています。

 

8.営業債権及びその他の債権

営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

売掛金

147,104

177,124

90,876

受取手形

7,435

6,126

5,935

未収入金

8,391

14,708

12,926

貸倒引当金

△423

△754

△770

営業債権及びその他の債権合計

162,507

197,204

108,967

 

 

9.棚卸資産

棚卸資産の内訳は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

商品及び製品

114,620

120,718

69,226

仕掛品

73,637

68,449

78,638

原材料及び貯蔵品

372,376

423,313

107,093

合計

560,633

612,480

254,957

 

期中に費用として認識された棚卸資産の金額は注記24.「費用の性質別内訳」に記載しています。前連結会計年度及び当連結会計年度における棚卸資産の評価減の金額(△は戻入金額)はそれぞれ、1,337百万円及び△495百万円です。なお、当連結会計年度における戻入は、主に金属価格の上昇により正味実現可能価額が増加したことによるものです。

 

 

10.有形固定資産

有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は、以下のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

取得原価

建物

及び
構築物

機械装置

及び
運搬具

土地

建設仮勘定

その他

合計

移行日

(2022年4月1日)

711,064

716,402

59,014

50,720

29,555

1,566,755

取得(注1)

1,776

7,540

9

75,903

379

85,607

企業結合による取得
(注2)

1,980

2,853

3,459

43

109

8,444

処分(注1)

△466

△6,226

△6

△261

△755

△7,714

建設仮勘定からの振替

27,449

42,475

4,059

△76,255

2,272

売却目的保有資産への振替(注3)

△594,640

△325,014

△5,842

△10,053

△11,070

△946,619

為替換算差額

49,728

29,046

743

2,404

1,192

83,113

その他の増減

1,492

3,210

△27

△427

△454

3,794

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

198,383

470,286

61,409

42,074

21,228

793,380

取得(注1)

710

1,863

167

74,046

244

77,030

処分(注1)

△966

△10,679

△13

△39

△942

△12,639

建設仮勘定からの振替

24,957

21,883

118

△48,487

1,529

-

売却目的保有資産への振替(注3)

△6,803

△12,894

△1,756

△674

△2,192

△24,319

為替換算差額

2,346

4,286

480

795

246

8,153

その他

615

△455

35

△201

478

472

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

219,242

474,290

60,440

67,514

20,591

842,077

 

(注) 1.取得には使用権資産の増加を含めています。また、処分にはリース解約に伴う使用権資産の減少を含めています。

2.企業結合による取得の詳細は、注記6.「企業結合」に記載しています。

3.売却目的保有資産の詳細は、注記14.「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」に記載しています。

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

減価償却累計額及び

減損損失累計額

建物

及び
構築物

機械装置

及び
運搬具

土地

建設仮勘定

その他

合計

移行日

(2022年4月1日)

473,861

545,878

13,576

982

23,448

1,057,745

減価償却費(注1)

22,669

38,153

598

1,705

63,125

減損損失

101

556

15

53

725

処分

△362

△5,954

△37

△740

△7,093

売却目的保有資産への振替(注2)

△425,283

△232,303

△3,691

△2

△8,886

△670,165

為替換算差額

34,769

21,239

337

△823

943

56,465

その他

2,108

△1,094

△10

△2

△62

940

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

107,863

366,475

10,825

118

16,461

501,742

減価償却費

7,667

25,325

579

-

1,629

35,200

減損損失

2

347

4

-

65

418

処分

△804

△9,831

-

-

△894

△11,529

売却目的保有資産への振替(注2)

△4,719

△8,885

△655

-

△1,858

△16,117

為替換算差額

1,038

2,836

53

-

188

4,115

その他

396

△966

269

-

304

3

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

111,443

375,301

11,075

118

15,895

513,832

 

(注) 1.減価償却費のうち、生産高比例法により償却計算を行う資産は基礎材料セグメントのカセロネス銅鉱山に係る資産の一部です。詳細は、注記4.「重要な会計上の見積り及び判断 (2)鉱石埋蔵量の見積り」に記載しています。

2.売却目的保有資産の詳細は、注記14.「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」に記載しています。

 

有形固定資産の帳簿価額は、以下のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

帳簿価額

建物

及び
構築物

機械装置

及び
運搬具

土地

建設仮勘定

その他

合計

移行日

(2022年4月1日)

237,203

170,524

45,438

49,738

6,107

509,010

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

90,520

103,811

50,584

41,956

4,767

291,638

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

107,799

98,989

49,365

67,396

4,696

328,245

 

 

 

11.のれん及び無形資産

(1)増減表

のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減は、以下のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

取得原価

のれん

鉱業権

ソフト
ウエア

顧客関連
資産

その他

合計

移行日

(2022年4月1日)

20,697

67,264

20,350

7,674

18,801

134,786

取得

-

215

2,336

-

-

2,551

企業結合による取得
(注1)

7,427

-

-

6,094

1,010

14,531

処分

-

-

△824

-

△1

△825

売却目的保有資産への振替

-

△16,091

△1,435

-

△12,987

△30,513

為替換算差額

1,227

6,469

154

188

1,515

9,553

その他

-

-

105

-

△46

59

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

29,351

57,857

20,686

13,956

8,292

130,142

取得

-

204

1,842

-

-

2,046

処分

-

-

△248

-

△491

△739

売却目的保有資産への振替

-

△16,456

△2,481

-

△3

△18,940

為替換算差額

2,895

5,900

64

1,463

625

10,947

その他

223

-

232

104

△8

551

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

32,469

47,505

20,095

15,523

8,415

124,007

 

(注) 1.企業結合による取得の詳細は、注記6.「企業結合」に記載しています。

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

償却累計額及び

減損損失累計額

のれん

鉱業権

ソフト
ウエア

顧客関連
資産

その他

合計

移行日

(2022年4月1日)

14,461

63,223

15,661

2,686

15,384

111,415

償却費(注1、2)

-

417

1,763

917

413

3,510

減損損失

2,209

208

6

-

-

2,423

処分

-

-

△781

-

-

△781

売却目的保有資産への振替

-

△14,888

△1,006

-

△12,129

△28,023

為替換算差額

1,268

6,103

120

242

1,226

8,959

その他

-

-

△1

-

1

-

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

17,938

55,063

15,762

3,845

4,895

97,503

償却費(注1)

-

432

1,923

1,161

382

3,898

減損損失

-

204

-

-

-

204

処分

-

-

△237

-

△491

△728

売却目的保有資産への振替

-

△16,456

△2,295

-

△3

△18,754

為替換算差額

1,985

5,547

52

462

477

8,523

その他

-

△1

△90

-

-

△91

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

19,923

44,789

15,115

5,468

5,260

90,555

 

(注) 1.無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めて表示しています。また耐用年数は、注記3.「重要性のある会計方針(8)のれん及び無形資産」に記載しております。

2.償却費のうち、生産高比例法により償却計算を行う無形資産は、基礎材料セグメントのカセロネス銅鉱山に係る資産の一部です。詳細は、注記4.「重要な会計上の見積り及び判断 (2) 鉱石埋蔵量の見積り」に記載しています。

 

のれん及び無形資産の帳簿価額は、以下のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

帳簿価額

のれん

鉱業権

ソフト
ウエア

顧客関連
資産

その他

合計

移行日

(2022年4月1日)

6,236

4,041

4,689

4,988

3,417

23,371

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

11,413

2,794

4,924

10,111

3,397

32,639

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

12,546

2,716

4,980

10,055

3,155

33,452

 

 

12.リース

当社グループでは、借手として、工場・事業所用の定期借地(土地)、原材料や商品の運搬のための定期傭船(機械装置及び運搬具)、オフィス(建物及び構築物)等をリースしています。

 

前連結会計年度及び当連結会計年度における、リースに関連する費用は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

使用権資産の減価償却費

 

 

建物及び構築物

3,125

2,292

機械装置及び運搬具

6,583

948

土地

598

579

その他

4

7

合計

10,310

3,826

リース負債に係る金利費用

2,997

973

短期リース費用

64

137

少額資産リース費用

38

26

 

使用権資産の減価償却費、短期リース費用、少額資産リース費用は、連結損益計算書上の「売上原価」又は「販売費及び一般管理費」、「その他の費用」に含めています。リース負債に係る金利費用は「金融費用(支払利息)」に含めています。

 

使用権資産の帳簿価額は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

建物及び構築物

22,141

12,037

10,861

機械装置及び運搬具

16,904

5,270

2,512

土地

7,782

7,317

6,924

その他

9

4

3

合計

46,836

24,628

20,300

 

前連結会計年度末における主な減少は、MLCCの譲渡決定に伴い、売却目的保有の処分グループに振り替えたことによるものです。株式の譲渡に関する詳細は注記14.「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」に記載しています。

 

 

使用権資産の増加額は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

建物及び構築物

833

479

機械装置及び運搬具

6,441

765

土地

9

94

その他

-

17

合計

7,283

1,355

 

 

前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、それぞれ14,455百万円及び7,199百万円です。

 

移行日、前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるリース負債の満期分析は、注記20.「金融商品」に記載のとおりです。

 

 

13.非金融資産の減損

(1) 減損損失

各報告セグメント及びその他の減損損失の金額は、以下のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度
(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

 半導体材料

 

2,424

117

情報通信材料

 

-

5,315

基礎材料

 

80,851

26,942

その他

 

15

247

 

合計

83,290

32,621

 

減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に含まれています。

 

半導体材料

前連結会計年度において、のれんの減損テストを行った結果、TANIOBIS GmbH(以下、「TANIOBIS」という。)の資金生成単位グループにおいて回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから、減損損失2,209百万円を計上しました。なお、当連結会計年度において、重要な減損損失は認識しておりません。

 

情報通信材料

当第2四半期において、JXPTの資産及び負債の全額を売却目的保有の処分グループとして分類しました。当該分類時に、売却コスト控除後の公正価値(2,822百万円)で測定した結果、減損損失5,315百万円を計上しています。公正価値ヒエラルキーはレベル3に分類されます。

 

基礎材料

基礎材料セグメントにおける減損損失の内訳は、以下のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度
(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

LS-Nikko Copper Inc.

 

5,936

-

SCM Minera Lumina Copper Chile

 

74,206

11,819

パンパシフィック・カッパー株式会社

 

-

14,865

その他

 

709

258

 

合計

80,851

26,942

 

 

前第1四半期において、持分法適用会社であるLS-Nikkoを持分法で会計処理されている投資から売却目的保有の処分グループに分類しました。当該分類時に、売却コスト控除後の公正価値(97,099百万円)で測定した結果、減損損失5,936百万円を計上しています。公正価値ヒエラルキーはレベル3に分類されます。

 

 

前連結会計年度において、MLCCの資産及び負債の全額を売却目的保有の処分グループに分類しました。当該分類以降、契約上の売却価額や、同社の事業計画に基づく将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引き、マイノリティ・ディスカウント等を勘案した残存持分をもって、売却コスト控除後の公正価値を算定しています。将来キャッシュ・フローの現在価値の見積りに当たっては、過去の経験及び外部からの情報等に基づき、銅価、生産販売計画数量及び割引率といった主要な仮定を用いています。当該処分グループを売却コスト控除後の公正価値(前連結会計年度211,543百万円、当連結会計年度231,053百万円)で再測定したことにより、減損損失を前連結会計年度に74,206百万円、当連結会計年度に11,819百万円を計上しています。公正価値ヒエラルキーはレベル3に分類されます。なお、同社株式の持分譲渡契約に基づき、チリ共和国における新鉱業ロイヤルティの導入、及び税制改正等による損失について、一定の範囲で持分の譲渡先への補償に充てるため、今後発生すると見込まれる同社損失について合理的に見積もられる金額を計上しています。株式売却完了時に、補償損失額を株式譲渡補償引当金として計上しております。詳細は注記17.「引当金」に記載しています。

 

当第3四半期において、PPCの資産及び負債の全額を売却目的保有の処分グループとして分類しました。当該分類時に、売却コスト控除後の公正価値(49,159百万円)で測定した結果、減損損失14,865百万円を計上しています。公正価値ヒエラルキーはレベル3に分類されます。

 

株式の譲渡に関する詳細は注記14.「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」に記載しています。

 

 

(2) のれんの減損テスト

JX金属グループにおける主なのれんの帳簿価額は以下のとおりです。

 

報告

セグメント

資金生成単位

又は

資金生成単位

グループ

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

半導体材料

TANIOBIS

5,828

4,055

4,503

基礎材料

eCycle Solutions Inc.

-

5,899

6,584

 

減損テストにおいては、原則として各社を資金生成単位としています。

 

資金生成単位の回収可能価額は使用価値に基づいており、使用価値は、経営者が承認した事業計画(5年)及び継続価値算定のため一定の成長率に基づいた将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定しています。将来キャッシュ・フローの現在価値の見積りに当たっては、過去の経験及び外部からの情報を反映し、成長率及び割引率といった主要な仮定を用いています。移行日、前連結会計年度末日、及び当連結会計年度末日において、回収可能額の算定に利用している重要な仮定は以下のとおりです。

報告

セグメント

資金生成単位

又は

資金生成単位

グループ

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

継続価値を

算定するのに

使用した

成長率

割引率

継続価値を

算定するのに

使用した

成長率

割引率

継続価値を

算定するのに

使用した

成長率

割引率

半導体材料

TANIOBIS

1.0%

8.7%

1.3%

10.1%

1.3%

9.9%

基礎材料

eCycle

Solutions Inc.

-

-

3.0%

10.3%

3.0%

9.9%

 

 

なお、前連結会計年度末日において、TANIOBISののれんについて、主に割引率の上昇により回収可能価額(61,992百万円)がのれんを含む資金生成単位の帳簿価額を下回ったため、減損損失2,209百万円を認識しました。移行日及び当連結会計年度の減損テストにおいて、資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を上回っている金額及び将来キャッシュ・フローの金額(割引前)が変化しないと仮定した場合に、合理的に考え得る変動により、各資金生成単位の回収可能価額がのれんの帳簿価額を下回る割引率の変動値(%)は以下のとおりです。

 

回収可能価額が帳簿価額を

上回っている金額(百万円)

割引率の変動値

(%)

移行日

(2022年4月1日)

6,539

+0.83

前連結会計年度

(2023年3月31日)

-

-

当連結会計年度

(2024年3月31日)

1,854

+0.25

 

 

eCycle Solutions Inc.ののれんについては、回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っており、減損テストに用いた主要な仮定が合理的な範囲で変更されたとしても、当該資金生成単位において重要な減損が発生する可能性は低いと判断しています。

 

 

14.売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ

LS-Nikko Copper Inc.

前第1四半期において、当社は、ベース事業の強靭化に向けて、徹底的な競争力強化や資産ポートフォリオの適時の見直しなどを行うなかで、様々な観点から検討を重ねた結果、基礎材料セグメントに属する持分法適用会社であるLS-Nikkoの株式を売却し、重要な領域に経営資源を集中させることが望ましいとの判断に至り、2022年5月17日の当社取締役会において、当社の子会社である日韓共同製錬株式会社(以下、「JKJS」という。)が49.9%を保有するLS-Nikkoの全株式について、同社株式の50.1%を保有するLSC社へ売却することを決定しました。これに伴い、JKJSとLSC社で売却に関する契約を締結したことに基づき、当該株式を持分法で会計処理されている投資から売却目的保有の処分グループに分類していましたが、前第2四半期において、当該株式の売却が完了したことから、当該株式の認識を中止するとともに、LS-Nikkoは持分法適用会社から除外されましたなお、売却目的保有の処分グループへの分類時に、売却コスト控除後の公正価値で測定したことによる減損損失5,936百万円を、売却完了時に関係会社株式売却益3,189百万円を、それぞれ連結損益計算書の「その他の費用」「その他の収益」に計上しています。

 

SCM Minera Lumina Copper Chile

前第4四半期において、当社は、先端素材を中心とする成長分野へ経営資源をさらに集中していくとともに、資源事業におけるボラティリティの抑制と長期的な収益基盤の強化を図ることを目的として、当社グループが100%を保有していたMLCCの株式の51%について、Lundin社に売却することを、2023年3月24日の当社取締役会において決定しました。これに伴い、当社とLundin社で売却に関する契約を締結したことに基づき、売却対象のMLCCの資産及び負債の全額を売却目的保有の処分グループに分類していましたが、当第2四半期において、当該株式の売却が完了したことから、関連資産及び負債の認識を中止するとともに、MLCCは連結子会社から除外され、持分法適用会社となりました。また、売却目的保有の処分グループへ分類して以降、売却コスト控除後の公正価値で測定したことによる減損損失を前連結会計年度に74,206百万円、当連結会計年度に11,819百万円、及び売却完了時に関係会社株式売却損2,157百万円を、連結損益計算書の「その他の費用」に計上しています。なお、当社とLundin社との契約では、今後、当社が保有するMLCC株式の19%をLundin社又は第三者へ譲渡することとしており、これに関連して、当社は、Lundin社へ付与した売建コール・オプション及びLundin社に対して有する買建プット・オプションを認識しています。当該オプションについては、注記20.金融商品 (3)金融商品の分類」をご参照ください。

 

JX金属プレシジョンテクノロジー

当第2四半期において、当社が100%を保有していた、情報通信材料セグメントに属する子会社であるJXPTの株式の過半について、株式会社マーキュリアインベストメント(以下、「MIC社」という。)が無限責任組合員を務めるマーキュリア日本産業成長支援2号投資事業有限責任組合に売却することを、2023年9月25日の当社取締役会において決定しました。これに伴い、当社とMIC社で売却に関する契約を締結したことに基づき、売却対象のJXPTの資産及び負債の全額を売却目的保有の処分グループとして分類していましたが、当第4四半期において、当該株式の売却が完了したことから、関連資産及び負債の認識を中止するとともに、JXPTは連結子会社から除外され、持分法適用会社となりましたなお、売却目的保有の処分グループへの分類時に、売却コスト控除後の公正価値で測定したことによる減損損失5,315百万円、売却完了時に関係会社株式売却益188百万円を、それぞれ連結損益計算書の「その他の費用」「その他の収益」に計上しています。

 

 

パンパシフィック・カッパー

当第3四半期において、当社は、ベース事業の競争力強化を目的として、2023年12月22日に当社が67.8%を保有していた、基礎材料セグメントに属する子会社であるPPCの株式の20%について、丸紅株式会社と売却に関する契約を締結しました。これに伴い売却対象のPPCの資産及び負債の全額を売却目的保有の処分グループとして分類していましたが、当第4四半期において、当該株式の売却が完了したことから、関連資産及び負債の認識を中止するとともに、PPCは連結子会社から除外され、持分法適用会社となりました。なお、売却目的保有の処分グループへの分類時に、売却コスト控除後の公正価値で測定したことによる減損損失14,865百万円、売却完了時に関係会社株式売却益1,437百万円を、それぞれ連結損益計算書の「その他の費用」「その他の収益」に計上しています。

 

移行日、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、売却目的保有の処分グループに分類した資産及び負債は以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

資産

 

 

 

現金及び現金同等物

3,249

営業債権及びその他の債権

5,332

棚卸資産

35,050

その他の流動資産

6,718

有形固定資産(建物及び構築物)

124,303

有形固定資産(機械装置及び運搬具)

68,048

有形固定資産(土地)

1,579

有形固定資産(建設仮勘定)

7,377

有形固定資産(その他)

1,603

無形資産

1,828

その他の金融資産(非流動)

12,517

合計

267,604

負債

 

 

 

営業債務及びその他の債務

18,219

未払法人所得税

12,445

リース負債(流動)

5,982

引当金(流動)

901

その他の流動負債

758

退職給付に係る負債

111

リース負債(非流動)

29,383

引当金(非流動)

19,820

合計

87,619

 

 

前連結会計年度末において、売却目的保有の処分グループに分類した資産及び負債に関するその他の資本の構成要素は△11,060百万円です。

 

 

15.営業債務及びその他の債務、その他の流動負債

営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

買掛金

134,657

172,758

40,114

支払手形

811

-

-

未払金

13,144

15,287

17,973

未払費用

34,641

32,105

12,688

合計

183,253

220,150

70,775

 

 

その他の流動負債

その他の流動負債には、未払消費税等及び預り金が含まれています。

 

16.借入金

(1) 借入金の内訳は、以下のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

平均利率(注1)

返済期限(注2)

流動負債

 

 

 

 

 

短期借入金

376,414

445,714

192,570

0.78

-

1年内返済予定の

長期借入金

28,214

34,925

30,461

0.76

-

流動負債合計

404,628

480,639

223,031

-

-

非流動負債

 

 

 

 

 

長期借入金

(1年内返済予定を除く)

183,402

212,974

145,119

1.88

2025年~

 2032年

非流動負債合計

183,402

212,974

145,119

-

-

合計

588,030

693,613

368,150

-

-

 

(注) 1.平均利率は、当連結会計年度末の残高に対する加重平均利率を記載しています。

2.返済期限は、当連結会計年度末の残高に係る返済期限を記載しています。

 

(2) 担保に供している資産は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

担保資産

 

 

 

建物及び構築物

17,937

19,468

25,903

機械装置及び運搬具

29,443

30,878

30,758

土地

3,160

3,160

3,160

有形固定資産(その他)

1,285

1,404

1,587

その他の金融資産

15,614

15,986

3,495

担保資産合計

67,439

70,896

64,903

 

(注) 1.主に関税法・消費税法に基づき、輸入取引に係る関税・消費税の納期限延長制度を利用する際の担保です。また、上記の他に取引保証を行っており、移行日、前連結会計年度末、及び当連結会計年度末の取引保証残高はそれぞれ895百万円、872百万円、及び1,002百万円になります。

2.移行日、前連結会計年度末、及び当連結会計年度末において、根抵当権(極度額8,701百万円)を設定しておりますが、対応する債務はありません。

 

 

17.引当金

引当金の増減は、以下のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

資産除去債務

環境対策

引当金

株式譲渡

補償引当金

その他

合計

移行日
(2022年4月1日)

15,647

10,624

-

1,298

27,569

期中増加額

18

1,290

-

2,896

4,204

企業結合による増加

39

-

-

-

39

時の経過による調整額

351

68

-

-

419

減少額(目的使用)

-

△2,639

-

△435

△3,074

減少額(戻入)

-

△18

-

△42

△60

売却目的保有資産に直接関連する負債への振替

△19,820

-

-

△901

△20,721

為替換算差額

1,154

447

-

119

1,720

その他増減

5,614

-

-

1

5,615

前連結会計年度末
(2023年3月31日)

3,003

9,772

-

2,936

15,711

期中増加額

-

1,772

9,673

1,635

13,080

時の経過による調整額

39

144

430

-

613

減少額(目的使用)

△65

△1,906

-

△1,623

△3,594

減少額(戻入)

-

△13

-

△81

△94

売却目的保有資産に直接関連する負債への振替

-

-

-

△1,335

△1,335

為替換算差額

7

233

128

31

399

その他増減

-

-

250

-

250

当連結会計年度末
(2024年3月31日)

2,984

10,002

10,481

1,563

25,030

 

 

(1) 資産除去債務

資産除去債務は、資源開発関連設備の生産終了後の撤去義務、及び当社グループが使用する工場設備・敷地等に対する原状回復義務等に対するものです。当該債務を履行するまでの見積期間は、資源開発関連設備については採掘可能年数であり、工場設備・敷地等については使用見込み期間です。なお、計算に用いた割引率は0.7%から2.2%です。

前連結会計年度における、資産除去債務のその他増減は、主に資源開発関連設備に関する見積りの変更による増加です。

前連結会計年度における、資産除去債務の売却目的保有資産に直接関連する負債への振替は、資源開発関連設備を保有するMLCCの譲渡決定に伴い、売却目的保有の処分グループに振り替えたことによるものです。詳細は注記14. 「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」をご参照ください。

 

 

(2) 環境対策引当金

環境対策引当金は、環境法令等に基づく、水質、土壌等の改善義務に対するものです。当該引当金には、米国子会社グールド・エレクトロニクス社(以下、グールド社)の過去の事業及び当社グループが管理する休廃止鉱山に係る環境対策費用が含まれており、将来支払うと見込まれる金額を環境対策引当金として認識しております。これらの費用は主に1年以上経過した後に支払われることが見込まれております。

グールド社においては、同社の前身会社が事業を展開していた一部の米国内指定サイトに関して、米国のスーパーファンド法及びその他の環境法規制の下で、修復及びその他のコストを求める複数の訴訟の対象となっております。加えて、過去にグールド社が販売した製品が原因でアスベスト等による健康被害を被ったとして個人から賠償を求められている訴訟にも継続的に対応しております。

グールド社は、修復作業が進行している米国内の複数のサイトのうち、責任があるものについて修復作業に関連するコストの一部を継続的に負担しており、その将来の負担額について環境対策引当金を計上しております。環境法規制における責任の有無につき係属中の訴訟に関しては不確実性を伴うことからその帰結を合理的に予測することは困難であり、また責任が認められた場合の将来の負担額についてはサイト指定の原因となった物質の量と性質、他の潜在的に責任のある当事者の総数、責任の配分と当事者の財政状態、環境是正作業の方法と技術、関連する環境法及び規則の修正を含む多くの要因に左右されるため、これらの訴訟の結果によっては当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは長年の事業活動の結果、全国各地に休廃止鉱山を所有しております。鉱山保安法に基づき、それらの休廃止鉱山の坑廃水処理などの活動を実施しており、その将来の負担額について環境対策引当金を計上しています。関連法令の改正や自然災害等が発生した場合には、休廃止鉱山の管理に要する費用が変更となる可能性があります。

 

(3) 株式譲渡補償引当金

株式譲渡補償引当金は、MLCCの株式の持分譲渡契約に基づき、チリ共和国における新鉱業ロイヤルティの導入、及び税制改正等による損失について、一定の範囲で持分の譲渡先に補償を行うものです。これらの損失補償は、主に1年以上経過した後に支払われることが見込まれておりますが、金額や支払時期の見積りは、チリ共和国の税制改正、及びMLCCの事業計画等により変動する可能性があります。

 

 

18.従業員給付

(1) 採用している退職給付制度の概要

当社及び国内子会社は、確定給付制度として確定給付企業年金制度、退職一時金制度、社内年金制度を設けているほか、確定拠出制度としてDC企業型年金制度を設けています。確定給付企業年金制度では、主としてポイント制を採用しています。さらに、従業員の退職等に際して割増退職金を支払う場合があります。一部の海外子会社においても、確定給付制度及び確定拠出制度を設けています。

 

(2) 確定給付制度

当社グループでは、確定給付型の退職給付制度を設けています。給付額は勤続年数、職能・職務等級、役職などの評価要素に基づき決定されます。

 

① 確定給付制度に関するリスク

確定給付制度は様々なリスクにさらされており、主なリスクは以下のとおりです。なお、制度資産に関して重大な集中リスクにはさらされていません。

制度資産の変動:資本性金融商品への投資は、価格変動リスクにさらされています。

社債利率の変動:市場の社債利回りの低下は、確定給付制度債務を増加させます。

 

② 連結財政状態計算書上の認識額

確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

確定給付制度債務の現在価値

34,709

30,399

32,898

制度資産の公正価値

5,915

5,613

6,369

純額

28,794

24,786

26,529

 

 

退職給付に係る負債及び資産の連結財政状態計算書上の認識額は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

退職給付に係る負債

29,215

25,237

27,367

退職給付に係る資産(注)

421

451

838

連結財政状態計算書に計上した負債及び資産の純額

28,794

24,786

26,529

 

(注) 退職給付に係る資産は、連結財政状態計算書上「その他の非流動資産」に含まれています。

 

 

③ 確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値の調整

確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値の調整表は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

確定給付制度債務の現在価値に関する変動:

 

 

期首残高

34,709

30,399

当期勤務費用

1,895

1,986

利息費用

198

478

再測定

 

 

-人口統計上の仮定の変更により生じた
数理計算上の差異

△45

△5

-財務上の仮定の変更により生じた
数理計算上の差異

△3,602

153

給付支払額

△2,182

△1,083

その他

△574

970

期末残高

30,399

32,898

制度資産の公正価値に関する変動:

 

 

期首残高

5,915

5,613

利息収益

87

113

再測定

△197

680

事業主拠出額

245

265

給付支払額

△454

△332

その他

17

30

期末残高

5,613

6,369

連結財政状態計算書に計上した負債及び資産の純額

24,786

26,529

 

 

④ 制度資産の内訳

制度資産の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

 

活発な市場価格が
あるもの

活発な市場価格が
ないもの

合計

活発な市場価格が
あるもの

活発な市場価格が
ないもの

合計

活発な市場価格が
あるもの

活発な市場価格が
ないもの

合計

株式(国内)

942

942

864

864

792

792

株式(海外)

1,458

1,458

1,236

1,236

882

882

債券(国内)

1,693

1,693

1,605

1,605

1,970

1,970

債券(海外)

756

756

780

780

1,401

1,401

一般勘定
(生命保険会社)

423

423

408

408

その他

434

632

1,066

492

213

705

710

206

916

制度資産合計

5,283

632

5,915

4,977

636

5,613

5,755

614

6,369

 

(注) その他には現金同等物及び不動産投資信託等が含まれています。

 

⑤ 数理計算上の仮定

数理計算のために使用した主要な仮定は、以下のとおりです。

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

割引率(%)

0.3

1.2

1.5

 

 

 

⑥ 感応度分析

数理計算上の仮定が変動した場合の確定給付制度債務への影響は、以下のとおりです。

なお、本分析においては、その他全ての仮定は一定であることを前提としていますが、実際には他の数理計算上の仮定の変化が感応度分析に影響する可能性があります。

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

割引率が0.5%上昇

1,992百万円の減少

2,113百万円の減少

2,302百万円の減少

割引率が0.5%低下

1,955百万円の増加

1,890百万円の増加

2,011百万円の増加

 

 

⑦ 将来キャッシュ・フローに関連する情報

前連結会計年度及び当連結会計年度における確定給付制度への翌年度の予想拠出額はそれぞれ231百万円及び268百万円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度における確定給付制度債務の加重平均残存期間はそれぞれ13年及び12年です。

 

(3) 確定拠出制度

確定拠出制度に係る退職給付費用は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識し、未払拠出額を債務として認識しています。

確定拠出制度に係る退職給付費用は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

確定拠出制度に係る退職給付費用

4,043

4,549

 

 

 

19.法人所得税

(1) 法人所得税費用

法人所得税費用の主要な内訳は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

当期税金費用

74,444

△40,010

繰延税金費用

△61,423

3,837

法人所得税費用合計

13,021

△36,173

 

当社グループは、経済開発協力機構(OECD)が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税制により生じる法人所得税に対するエクスポージャーの評価を実施しています。ただし、当連結会計年度末時点において、当社グループは、ENEOSホールディングスの傘下にあり、第2の柱モデルルールの法人所得税の被課税主体では基本的にありません。エクスポージャーの有無はENEOSホールディングスに当該法人所得税の当社グループに帰属する金額を精算する意思があるかどうかに依拠していますが、ENEOSホールディングスに請求の意思があると仮定した場合も、第2の柱モデルルールの法人所得税に対する重要性があるエクスポージャーを想定しておりません。

グローバル・ミニマム課税制度から生じる法人所得税については、IAS第12号で定められる例外措置を適用しており、これに関する繰延税金資産及び負債は認識しておりません。

 

(2) 法定実効税率と実際負担税率の調整表

法定実効税率と実際負担税率との調整は、以下のとおりです。

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

法定実効税率

30.6%

30.6%

(調整)

 

 

交際費等永久に損金に算入されない項目

4.5

2.0

受取配当金等永久に益金に算入されない項目

△3.1

△0.7

持分法適用会社による影響

△20.5

△21.4

繰延税金資産の回収可能性の判断の変更

△9.8

42.3

子会社の適用税率との差異

2.4

0.3

税額控除

△3.8

△0.6

外国税額

19.8

17.5

組織再編による影響

-

△115.5

その他

0.5

△0.5

実際負担税率

20.6%

△46.0%

 

当社グループは、主に法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した前連結会計年度及び当連結会計年度の法定実効税率は30.6%となっています。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されています。

 

 

(3) 繰延税金資産及び負債の変動内訳

繰延税金資産及び繰延税金負債の変動の内訳は以下のとおりです。  

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2022年4月1日

純損益で認識した額

その他の包括利益で
認識した額

その他の

増減

(注3)

2023年3月31日

繰延税金資産

 

 

 

 

 

有形固定資産及び無形資産

94,887

△330

△91,720

2,837

退職給付に係る負債

8,718

△534

△1,000

446

7,630

繰越欠損金

3,341

△1,643

466

2,164

資産除去債務

1,368

234

△1,312

290

リース負債

15,479

△686

△10,098

4,695

その他(注1)

22,270

40,509

1,988

△6,889

57,878

小計

146,063

37,550

988

△109,107

75,494

繰延税金負債

 

 

 

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

428

△1

5

432

有形固定資産及び無形資産

107,863

△1,713

△93,542

12,608

在外子会社等留保利益

44,013

△22,510

21,503

その他(注2)

27,792

350

△5,460

22,682

小計

180,096

△23,873

△1

△98,997

57,225

純額

△34,033

61,423

989

△10,110

18,269

 

(注) 1.主たる増加要因は、基礎材料セグメントのMLCC Finance Netherlands B.V.(以下、「MFN」という。)の株式評価損等に係る繰延税金資産40,146百万円を計上したことによるものです。

2.主に、基礎材料セグメントのカセロネス銅鉱山の権益取得に伴う債務消滅益に関連するものです。

3.主な内容は、MLCCの繰延税金資産及び負債を売却目的保有の処分グループとして分類したことによる減少です。その他の内容は、為替換算差額等です。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2023年4月1日

純損益で認識した額

その他の包括利益で
認識した額

その他の

増減

2024年3月31日

繰延税金資産

 

 

 

 

 

有形固定資産及び無形資産

2,837

△700

△164

1,973

退職給付に係る負債

7,630

△77

△87

△159

7,307

繰越欠損金

2,164

5,503

68

7,735

資産除去債務

290

8

298

リース負債

4,695

△939

△666

3,090

その他(注1)

57,878

△30,833

9,533

△9,739

26,839

小計

75,494

△27,038

9,446

△10,660

47,242

繰延税金負債

 

 

 

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

432

△119

75

388

有形固定資産及び無形資産

12,608

△4,696

996

8,908

在外子会社等留保利益

21,503

2,294

△216

23,581

その他(注2)

22,682

△20,799

△882

1,001

小計

57,225

△23,201

△119

△27

33,878

純額

18,269

△3,837

9,565

△10,633

13,364

 

(注) 1.主たる減少要因は、前連結会計年度に計上した基礎材料セグメントのMFNの株式評価損等に係る繰延税金資産40,146百万円が同社の清算に伴い取り崩されたことによるものです。

2.主たる減少要因は、基礎材料セグメントのカセロネス銅鉱山の権益取得に伴う債務消滅益に関連するものです。

 

前連結会計年度又は当連結会計年度に損失が生じている納税主体について、各納税主体における繰越欠損金の失効期限等を勘案し、将来課税所得の発生可能性に基づき回収可能性を検討した結果、繰延税金資産をそれぞれ29,872百万円及び744百万円認識しています。

なお、当社及び国内の100%出資子会社は、ENEOSホールディングスを通算親法人とするグループ通算制度を適用しております。グループ通算全体については、グループ通算制度に加入している各社の将来事業計画等により金額及びその発生時期を見積もっています。

 

(4) 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金

繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の金額は以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末
(2024年3月31日)

将来減算一時差異

211,621

45,664

75,408

繰越欠損金

642,857

72,825

81,055

合計(注)

854,478

118,489

156,463

 

(注)  前連結会計年度末における移行日からの大幅な減少はMLCCの株式の51%について、Lundin社に売却することを受けて、売却対象であるMLCCの資産及び負債の全額を売却目的保有の処分グループに分類したことに伴うものです。

 

繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の繰越期限は以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

1年目

5,571

2,464

2,569

2年目

2,096

2,528

4,421

3年目

2,199

4,134

10,681

4年目

3,585

9,991

9,646

5年目以降

33,450

26,312

23,559

失効期限なし

595,956

27,396

30,179

合計

642,857

72,825

81,055

 

 

(5) 未収法人所得税

前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結財政状態計算書上の「その他の流動資産」に含まれている未収法人所得税は、それぞれ5,737百万円及び14,381百万円です。

 

 

20.金融商品

(1) 資本管理

当社グループは、中長期のグループ戦略及び企業価値の最大化を達成するために、最適な資本構成の実現・維持に努めています。当社が資本管理で重視する指標は、ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)(※)です。当該指標は、継続的に経営者に報告され、モニタリングされています。

(※)ネットD/Eレシオ=(有利子負債-現金及び現金同等物)/資本合計(親会社の所有者に帰属する持分合計)

なお、有利子負債にはリース負債を含めていません。また、ENEOSグループ金融短期貸付金を有利子負債から控除しております。

前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるネットD/Eレシオは、それぞれ、1.12倍及び0.52倍となっています。

なお、当社が適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。

 

(2) 財務リスク管理

当社グループは、信用リスク、流動性リスク、市場リスク(為替リスク、金利リスク、商品価格変動リスク及び株価変動リスク)などの様々なリスクにさらされていますが、以下のとおりリスク管理を実施しています。

 

① 信用リスク

当社グループは、保有する金融資産の相手先の債務が不履行になることにより、金融資産が回収不能になるリスク、すなわち信用リスクにさらされています。当該リスクに対応するために、与信管理規程等に基づき取引先ごとに与信限度額を設けたうえで、取引先の財務状況等について定期的にモニタリングし、債権の期日及び残高を取引先ごとに適切に管理することにより、回収懸念の早期把握を図っています。さらに、必要に応じて担保設定・ファクタリング等を利用することによって保全措置を図っています。

また、商品相場や為替相場の変動に係るリスクを軽減するために、金融機関等とデリバティブ金融商品の取引を行っていますが、デリバティブ金融商品の取引については、信用力の高い金融機関を相手方として行うことが基本となっており、信用リスクに及ぼす影響は限定的です。

保有している債権は、広範囲の産業や地域に広がる多数の取引先に対する債権であり、特定の取引先について重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を要する信用リスクの過度の集中はありません。

返済期日を大幅に超過している場合など債務不履行と認識される場合には、信用減損金融資産と判断しております。当社グループは、営業債権の全部又は一部が回収不能と評価され、信用調査の結果、償却することが適切であると判断した場合、当該営業債権の帳簿価額を直接償却しております。

保証及び連結財務諸表に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額は、獲得した担保の評価額を考慮に入れない、当社の金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値です。

 

 

(ア)貸倒引当金の増減分析

営業債権については、延滞日数別の過去の貸倒実績に将来の経済状況等の予測を加味して調整した実績率に基づき、金融資産の予想残存期間の全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を測定しています。

一般債権については、報告期間の末日後12か月以内に生じる予想信用損失と等しい金額で、また、滞留債権については、予想残存期間の全期間の予想信用損失と等しい金額で、貸倒引当金をそれぞれ測定しています。

設定対象ごとの、前連結会計年度及び当連結会計年度における貸倒引当金の残高の推移は以下のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

 

営業債権

営業債権以外の債権

営業債権

営業債権以外の債権

期首残高

158

666

143

736

期中増加額(繰入額)

73

156

113

35

期中減少(戻入)

△92

△86

△69

△80

その他

4

-

6

△31

期末残高

143

736

193

660

 

 

営業債権以外の債権に係る貸倒引当金は主に、当初認識時以降、重要な信用リスクの増加が生じていないその他の債権に対して測定されています。

貸倒引当金は、連結財政状態計算書上、流動資産及び非流動資産に含まれています。

 

(イ)信用度別の金融資産の総額

前連結会計年度及び当連結会計年度における、営業債権(売掛金及び受取手形)の延滞日数別の帳簿価額の総額及び貸付金等の社内管理区分ごとの帳簿価額の総額はそれぞれ以下のとおりです。

 

営業債権(売掛金及び受取手形)

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

30日以内(含む未経過)

154,473

183,123

96,599

30日超90日以内

65

90

152

90日超

1

37

60

合計

154,539

183,250

96,811

 

 

営業債権以外の債権

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

一般債権

34,226

113,061

49,492

滞留債権

598

289

485

合計

34,824

113,350

49,977

 

 

 

② 流動性リスク

当社グループは、金融機関等からの借入により、運転資金や設備投資資金の調達を行っていますが、これらの債務の履行が困難となるリスク、すなわち流動性リスクにさらされています。

事業を遂行するに当たって必要最小限の手元資金を確保するために、親会社の金融子会社よりキャッシュ・マネジメント・システムを通じて、適宜借入を行っております。

また、グループ各社の資金需要を適宜把握したうえで、資金計画を作成し、キャッシュ・フローの実績と比較する方法でモニタリングを行い、流動性リスクを管理しています。

非デリバティブ金融負債及びデリバティブ金融負債の残存契約満期期間ごとの金額は、以下のとおりです。

 

移行日(2022年4月1日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

1年以内

1年超5年以内

5年超

非デリバティブ金融負債

 

 

 

営業債務及びその他の債務

183,253

-

-

借入金

404,628

115,723

67,679

リース負債

9,549

23,830

25,373

非支配株主に付与した売建プット・オプション(注)

-

12,915

-

合計

597,430

152,468

93,052

デリバティブ金融負債

 

 

 

為替デリバティブ

21,678

-

-

金利デリバティブ

-

-

-

商品デリバティブ

19,465

-

-

合計

41,143

-

-

 

 

前連結会計年度(2023年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

1年以内

1年超5年以内

5年超

非デリバティブ金融負債

 

 

 

営業債務及びその他の債務

220,150

-

-

借入金

480,639

179,609

33,365

リース負債

4,098

13,602

7,711

非支配株主に付与した売建プット・オプション(注)

-

13,919

-

合計

704,887

207,130

41,076

デリバティブ金融負債

 

 

 

為替デリバティブ

4,445

-

-

金利デリバティブ

-

-

-

商品デリバティブ

8,494

-

-

合計

12,939

-

-

 

 

 

当連結会計年度(2024年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

1年以内

1年超5年以内

5年超

非デリバティブ金融負債

 

 

 

営業債務及びその他の債務

70,775

-

-

借入金

223,031

116,772

28,347

リース負債

3,730

10,274

6,475

非支配株主に付与した売建プット・オプション(注)

-

15,764

-

合計

297,536

142,810

34,822

デリバティブ金融負債

 

 

 

為替デリバティブ

661

-

-

金利デリバティブ

-

-

-

商品デリバティブ

4,664

-

-

合計

5,325

-

-

 

(注) 契約上、相手方が権利行使可能な最も早い日に行使されると仮定しています。

 

③ 市場リスク

当社グループは、市場リスクをヘッジするために、先物為替予約、金利スワップ、商品先渡取引等のデリバティブ金融商品を利用しています。デリバティブ取引の執行・管理については、取引権限を定めた社内規程にしたがっており、デリバティブ金融商品を利用した投機的な取引は行わない方針です。

(ア)為替リスク

当社グループはグローバルに事業展開を行っており、一部の原材料の調達及び製品の販売を外貨建取引で実施していることから、当該取引より発生する外貨建の債権債務について、為替リスクにさらされています。為替リスクは主に米ドルの為替変動により発生しています。当社グループは、将来発生が予定される取引や外貨建の債権債務について、それらから発生する為替リスクが将来的に相殺されることも考慮のうえ、先物為替予約等を付すことにより、当該為替リスクをヘッジしています。

当社グループは、為替予約の重要な契約条件をヘッジ対象の条件と整合させる方針を有しています。その結果、ヘッジ比率は1:1となっております。

当社グループは、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係性を、関連するキャッシュ・フローの通貨、金額及び発生時期に基づいて判断しています。当社グループは、それぞれのヘッジ関係において指定したデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を有効に相殺し、今後も有効に相殺する見通しか否かを、定量的に評価しています。

これらのヘッジ関係におけるヘッジ非有効部分の主な発生原因は、以下のとおりです。

‒ ヘッジされた取引の発生のタイミングの変化

‒ 為替予約の直先差額の変動

 

前連結会計年度末及び当連結会計年度末における主な為替リスクエクスポージャー(純額)は、以下のとおりです。(△:債務)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

(百万円)

(千米ドル)

(百万円)

(千米ドル)

(百万円)

(千米ドル)

米ドル

△36,300

△296,596

△70,584

△528,597

△9,575

△63,236

 

 

期末に保有している外貨建の金融商品に関して、為替が1%円高又は円安に変動した場合に連結損益計算書の税引前利益に与える影響は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ706百万円及び96百万円です。なお、本分析では、その他全ての変数は一定のものと仮定しています。

 

(イ)金利リスク

当社グループは、事業活動を進めるうえで、運転資金及び設備投資等に必要となる資金を調達することに伴い発生する利息を支払っていますが、変動金利での借入を行っている場合には、利息の金額は市場金利の変動に影響を受けることから、利息の将来キャッシュ・フローが変動する金利リスクにさらされています。資金使途を設備投資等の目的としている長期借入金のうち、変動金利の借入については、金利の上昇による利息の支払額の増加を抑えるために、必要に応じて利息の受取額を変動金利、利息の支払額を固定金利としてその差額を授受する金利スワップ契約を金融機関と締結しています。その結果、長期の借入金の利率を実質的に固定化することによって、利息の将来キャッシュ・フローの安定化が図られ、金利リスクをヘッジすることが可能となっています。

 

(ウ)商品価格変動リスク

当社グループは、金属製品等の販売及びそれらの原料となる銅鉱石等の鉱物の購入を行っていますが、これらの販売価格及び購入価格は商品市場価格の変動によって影響を受けることから、商品価格変動リスクにさらされています。売買数量の調節・売買時期のマッチングや商品先渡契約等のデリバティブ取引を行うことにより、商品価格リスクをヘッジしています。

商品先渡契約等のデリバティブ取引は、商品価格の変動によるリスクを有していますが、対象となる現物に係る商品価格の変動によるリスクと相殺されるため、前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結損益計算書の税引前利益に与える影響は限定的です。

当社グループは、商品デリバティブの重要な契約条件をヘッジ対象の条件と整合させる方針を有しています。

これらのヘッジ関係におけるヘッジ非有効部分の主な発生原因は、以下のとおりです。

‒ ヘッジ手段が参照する商品価格と、ヘッジ対象となる商品の相違による価格差

‒ ヘッジされた取引の発生のタイミングの変化

‒ 現物価格と先物価格の差の変動リスク

 

(エ)株価変動リスク

当社グループは、事業活動の円滑な推進を目的として業務上の関係を有する会社の株式を保有しているため、株価変動リスクにさらされていますが、定期的に公正価値や取引先企業の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。

なお、これらの株式は全てその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に指定しており、株価の変動が純損益へ与える影響はありません。

 

 

(3) 金融商品の分類

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

金融資産

 

 

 

 

 

 

償却原価で測定する金融資産

 

 

 

 

 

 

現金及び現金同等物

 

39,563

 

54,775

 

36,779

営業債権及びその他の債権

 

158,958

 

193,630

 

98,796

その他の金融資産

 

27,019

 

100,208

 

39,290

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

 

 

営業債権及びその他の債権

 

3,549

 

3,574

 

10,171

その他の金融資産(デリバティブ)

(注1)

2,058

(注1)

4,610

(注1)

13,641

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

 

 

その他の金融資産(株式)

 

2,955

 

5,694

 

7,898

合計

 

234,102

 

362,491

 

206,575

金融負債

 

 

 

 

 

 

償却原価で測定する金融負債

 

 

 

 

 

 

営業債務及びその他の債務

 

183,253

 

220,150

 

70,775

借入金

 

588,030

 

693,613

 

368,150

リース負債

 

58,592

 

25,303

 

20,380

その他の金融負債

(注2)

12,973

(注2)

14,541

(注2)

16,138

純損益を通じて公正価値で測定する金融負債

 

 

 

 

 

 

その他の金融負債(デリバティブ)

 

41,143

 

12,939

(注3)

17,954

合計

 

883,991

 

966,546

 

493,397

 

(注) 1.非支配株主に対して有する買建コール・オプションが、移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ820百万円、874百万円及び979百万円含まれています。また、持分法適用会社であるMLCCの支配株主に対して有する買建プット・オプションが、当連結会計年度において12,411百万円含まれています。当該オプションの発生経緯については、注記14.「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」に記載しています。

2.子会社であるTANIOBISの非支配株主へ付与した売建プット・オプションが、移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ12,915百万円、13,919百万円及び15,764百万円含まれています。

3.持分法適用会社であるMLCCの支配株主へ付与した売建コール・オプション12,629百万円が含まれています。当該オプションの発生経緯については、注記14.「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」に記載しています。

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

当社グループは、投資先との取引関係の維持、強化による収益基盤の拡大を目的として保有している株式について、その保有目的に鑑み、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。

主な銘柄の公正価値は以下のとおりです。

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

銘柄名

金額(百万円)

銘柄名

金額(百万円)

銘柄名

金額(百万円)

-

-

SWCC㈱

1,855

SWCC㈱

3,799

-

-

松田産業㈱

483

松田産業㈱

533

-

-

日鉄鉱業㈱

439

日鉄鉱業㈱

607

 

 

 

 

 

 

 

移行日においては開示すべき重要なその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産はありません。

 

また、当社以外の子会社において個別に保有する主な銘柄の公正価値は、以下のとおりです。

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

銘柄名

金額(百万円)

銘柄名

金額(百万円)

銘柄名

金額(百万円)

多木化学㈱

495

多木化学㈱

449

旭化成㈱

343

旭化成㈱

306

旭化成㈱

276

アフラック生命保険㈱

305

アフラック生命保険㈱

185

アフラック生命保険㈱

202

三菱商事㈱

228

三菱商事㈱

100

三菱商事㈱

104

 

 

 

 

活発な市場における公表価格がないその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度における帳簿価額は、それぞれ746百万円、694百万円及び1,079百万円です。

 

期中に処分したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、以下のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

処分日時点の

公正価値

累積利得又は

損失(△)

受取配当金

処分日時点の

公正価値

累積利得又は

損失(△)

受取配当金

6

3

-

133

78

-

 

 

これらは主に、取引関係の見直しにより売却したものです。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、その他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えた累積利得(税引後)は、それぞれ684百万円、△239百万円です。

 

(4) 金融商品の公正価値

① 償却原価で測定する金融商品の帳簿価額及び公正価値

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

帳簿価額

公正価値

帳簿価額

公正価値

帳簿価額

公正価値

償却原価で測定する金融負債

 

 

 

 

 

 

借入金

588,030

588,623

693,613

693,711

368,150

367,571

 

 

公正価値の算定方法は以下のとおりです。

 

現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務

これらは満期又は決済までの期間が短期であるため、帳簿価額と公正価値はほぼ同額です。

 

借入金

当社グループの借入金の公正価値は、類似した負債を当社グループが新たに借入れる場合に適用される利率を用いて、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより見積っています。当該見積りは観測可能なインプットの利用により、レベル2に分類しています。

 

非支配株主に付与した売建プット・オプション

売建プット・オプションは償還金額の現在価値で計上しています。償還金額は、引き換えに受領する株式の公正価値に基づき算定しており、帳簿価額とほぼ同額です。

 

 

② 公正価値で測定される金融商品

当社グループは、公正価値の測定に使用されるインプットの市場における観察可能性に応じて、公正価値のヒエラルキーを以下の3つのレベルに区分しています。

レベル1:活発な市場における同一資産又は同一負債の無調整の公表価格

レベル2:レベル1に属さない、直接的又は間接的に観察可能なインプット

レベル3:観察不能なインプット

 

経常的に公正価値で測定している資産及び負債は以下のとおりです。

 

移行日(2022年4月1日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

経常的な公正価値測定

 

 

 

 

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

営業債権及びその他の債権

-

3,549

-

3,549

その他の金融資産(デリバティブ)

-

1,238

820

2,058

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

その他の金融資産(株式)

2,209

-

746

2,955

純損益を通じて公正価値で測定する金融負債

 

 

 

 

その他の金融負債(デリバティブ)

-

41,143

-

41,143

 

 

前連結会計年度(2023年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

経常的な公正価値測定

 

 

 

 

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

営業債権及びその他の債権

-

3,574

-

3,574

その他の金融資産(デリバティブ)

-

3,736

874

4,610

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

その他の金融資産(株式)

5,000

-

694

5,694

純損益を通じて公正価値で測定する金融負債

 

 

 

 

その他の金融負債(デリバティブ)

-

12,939

-

12,939

 

 

当連結会計年度(2024年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

経常的な公正価値測定

 

 

 

 

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

営業債権及びその他の債権

-

10,171

-

10,171

その他の金融資産(デリバティブ)

-

251

13,390

13,641

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

その他の金融資産(株式)

6,819

-

1,079

7,898

純損益を通じて公正価値で測定する金融負債

 

 

 

 

その他の金融負債(デリバティブ)

-

5,325

12,629

17,954

 

 

 

当社グループは、振替の原因となった事象又は状況の変化が認められた時点で、公正価値ヒエラルキーのレベル間振替を行っています。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1、2間の重要な振替はありません。

 

公正価値の算定方法は以下のとおりです。

 

営業債権及びその他の債権

組込デリバティブを一体として処理している営業債権及びその他の債権については、将来の一定期間のLME銅価格に基づき公正価値を算定しており、これらはレベル2に区分しています。

 

その他の金融資産(デリバティブ)、その他の金融負債(デリバティブ)

デリバティブのうち、為替予約については、期末日の先物為替相場に基づき公正価値を算定しています。商品デリバティブは、一般に公表されている期末指標価格等に基づき公正価値を算定しています。これらのデリバティブは全てレベル2に区分しています。なお、非支配株主に対して有する買建コール・オプションの公正価値、持分法適用会社の支配株主に対して有する買建プット・オプションの公正価値と持分法適用会社の支配株主へ付与した売建コール・オプションの公正価値は対象となる株式の公正価値や満期までの期間、ボラティリティ等のインプットを用いて、二項モデルに基づき算定しており、レベル3に区分しています。

 

その他の金融資産(株式)

上場株式は、期末日の市場の終値に基づく無調整の相場価格を用いて評価しており、レベル1に区分しています。非上場株式については、割引将来キャッシュ・フローに基づく評価技法等、適切な評価技法を用いて公正価値を算定しており、レベル3に区分しています。

 

 

③ レベル3に分類された金融商品

レベル3に分類されたその他の金融資産(デリバティブ)の増減は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

期首残高

820

874

純損益に含まれている利得及び損失

-

(注)12,411

その他増減

54

105

期末残高

874

13,390

 

(注)持分法適用会社であるMLCCの支配株主に対して有する買建プット・オプションです。当該金額は、同株主へ付与した売建コール・オプションから生じた純損益に含まれる利得及び損失との正味の金額で、連結損益計算書の「その他の費用」に含まれています。

 

レベル3に分類されたその他の金融資産(株式)の増減は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

期首残高

746

694

その他の包括利益に含まれている利得及び損失

△187

△8

購入

147

425

売却

△6

△32

償還・清算

△6

-

期末残高

694

1,079

 

 

その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に含まれています。

 

レベル3に分類されたその他の金融負債(デリバティブ)の増減は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

期首残高

-

-

純損益に含まれている利得及び損失

-

(注)12,629

その他増減

-

-

期末残高

-

12,629

 

(注)持分法適用会社の支配株主に対して有する売建コール・オプションです。当該金額は、同株主に対して有する買建プット・オプションから生じた純損益に含まれる利得及び損失との正味の金額で、連結損益計算書の「その他の費用」に含まれています。

 

当社の方針に基づき、レベル3に区分した非上場株式の公正価値は、当該株式を直接保有するグループ各社において測定しています。公正価値の算定に当たっては、当社が策定し更新した評価方針、評価モデルに基づき、個々の評価対象先の事業内容等を定期的にモニタリングすることにより、その妥当性を継続的に検証しています。

 

(5) デリバティブ及びヘッジ会計

当社グループは為替、金利及び商品価格の変動による将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するために、先物為替予約、金利スワップ、商品先渡取引等のデリバティブ金融商品を利用しています。

 

ヘッジ会計が適用されているデリバティブ金融商品による、その他の包括利益の増減は以下のとおりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

 

期首

当期

増減額

純損益

への振替

非金融

資産への

振替

期末

期首

当期

増減額

純損益

への振替

非金融

資産への

振替

期末

通貨デリバティブ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

為替予約取引

△4,849

△8,983

1,821

11,150

△861

△861

△10,954

△556

12,426

55

商品デリバティブ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

商品先渡取引

△8,649

△4,592

9,644

308

△3,289

△3,289

△14,785

14,875

14

△3,185

合計

△13,498

△13,575

11,465

11,458

△4,150

△4,150

△25,739

14,319

12,440

△3,130

 

上表の残高は、ヘッジ会計の適用が継続しているデリバティブ金融商品です。

通貨デリバティブは主に米ドルの為替変動リスクをヘッジするため、為替予約取引を行っております。

商品デリバティブは主に金属(主として金、銅)の価格リスクをヘッジするため、商品先渡契約を行っております。

 

ヘッジ会計が適用されているデリバティブ及びヘッジ会計が適用されていないデリバティブの公正価値及び想定元本は、以下のとおりです。なお、連結財政状態計算書上、デリバティブ金融商品はその他の金融資産又はその他の金融負債に含めて表示しています。

 

ヘッジ会計が適用されているデリバティブ

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

想定元本

公正価値

想定元本

公正価値

想定元本

公正価値

資産

負債

資産

負債

資産

負債

通貨デリバティブ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

為替予約取引

193,495

1,861

8,627

205,637

521

3,511

7,915

1

156

商品デリバティブ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

商品先渡取引

317,576

11,776

26,529

288,631

2,302

7,765

63,717

250

4,664

合計

511,071

13,637

35,156

494,268

2,823

11,276

71,632

251

4,820

 

商品デリバティブの想定元本は、契約上の数量と価格の積を示しています。

 

為替予約取引は主として1年以内の契約であり、移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度における為替予約取引の平均レートは、それぞれ116.08円/米ドル、130.92円/米ドル、及び145.13円/米ドルです。

商品先渡取引は主として1年以内の契約であり、移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度における商品先渡取引の平均価格は、金についてはそれぞれ219千円/toz、250千円/toz、及び302千円/tozであり、銅についてはそれぞれ1,159千円/T、1,153千円/T、及び1,269千円/Tです。

 

ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

想定元本

公正価値

想定元本

公正価値

想定元本

公正価値

資産

負債

資産

負債

資産

負債

通貨デリバティブ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

為替予約取引

211,113

449

14,895

182,244

628

1,378

17,816

-

505

商品デリバティブ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

商品先渡取引

51,262

-

3,940

-

-

-

-

-

-

合計

262,375

449

18,835

182,244

628

1,378

17,816

-

505

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

商品デリバティブの想定元本は、契約上の数量と価格の積を示しています。

 

 

21.資本及びその他の資本項目

(1) 資本金

授権株式数及び発行済株式数の増減は、以下のとおりです。

 

授権株式数

(千株)

発行済株式数

(千株)

移行日 (2022年4月1日 )

3,000,000

928,463

増減

前連結会計年度末(2023年3月31日)

3,000,000

928,463

増減

当連結会計年度末(2024年3月31日)

3,000,000

928,463

 

(注) 1.当社の発行する株式は、無額面普通株式です。

2.発行済株式は、全額払込済です。

3.発行済株式は、1株当たり1つの議決権及び配当請求権を有しています。

 

(2) 資本剰余金及び利益剰余金

資本剰余金は、資本準備金及びその他資本剰余金から構成されています。また、利益剰余金は利益準備金及びその他利益剰余金から構成されています。会社法の規定上、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることとされています。

 

(3) 非支配株主との資本取引等

当連結会計年度において、非支配株主との資本取引等によって生じた資本剰余金16,673百万円のうち、主なものは、関連会社Minera Los Pelambresの25%の持分を保有する子会社Nippon LP Resources B.V.の株式の13.06%を丸紅株式会社に譲渡した際に生じたものです。なお、上記の株式譲渡取引は連結範囲の変更を伴わない子会社に対する所有持分の変動が生じる資本取引であるため、当該取引に伴いその他の資本の構成要素を親会社の所有者に帰属する持分と非支配持分の間で、資本を通じて再配分した結果、在外営業活動体の為替換算差額が5,169百万円減少しました。

 

(4) 非支配株主へ付与した売建プット・オプション

当社グループでは非支配株主へ付与した売建プット・オプションの償還金額の現在価値を金融負債として認識するとともに、プット・オプションの対象である非支配持分の認識を中止し、それらの差額を資本剰余金に含めています。前連結会計年度及び当連結会計年度において資本剰余金に含めた金額は、それぞれ△1,728百万円及び△3,486百万円です。

 

(5) その他の資本の構成要素

① その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の評価差額です。

② キャッシュ・フロー・ヘッジ

当社グループは将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジを行っており、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動額のうち有効と認められる部分です。

③ 在外営業活動体の為替換算差額

外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額です。

④ 確定給付制度の再測定

確定給付制度に関する、期首における数理計算上の仮定と実際の結果との差異による影響額及び数理計算上の仮定の変更による影響額です。

 

 

22.配当金

各年度における配当金支払額は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

決議

株式の種類

配当の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

基準日

効力発生日

2022年6月28日

定時株主総会

普通株式

28,400

30.59

2022年3月31日

2022年6月28日

 

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

該当事項はありません。

 

基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌年度となるものはございません。

 

 

23.売上収益

(1) 収益の分解

当社グループは売上高を顧客の所在地を基礎とした地域別に分解しています。分解した地域別の売上高と報告セグメントとの関係は以下のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

地域

半導体

材料

情報通信

材料

基礎

材料

その他

合計

日本

23,479

105,689

617,585

2,695

749,448

アジア

中国

9,499

28,532

306,893

391

345,315

台湾

40,090

18,896

49,774

1

108,761

他アジア

23,238

34,479

249,746

2

307,465

アメリカ

32,719

23,674

5,701

62,094

その他

18,221

8,175

39,005

65,401

合計

147,246

219,445

1,268,704

3,089

1,638,484

 

(注) グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

地域

半導体

材料

情報通信

材料

基礎

材料

その他

合計

日本

17,768

91,346

642,818

1,857

753,789

アジア

中国

9,616

20,168

238,922

485

269,191

台湾

31,608

13,695

37,979

83,282

他アジア

22,444

24,849

252,584

33

299,910

アメリカ

24,019

27,234

2,526

53,779

その他

17,127

8,987

26,280

52,394

合計

122,582

186,279

1,201,109

2,375

1,512,345

 

(注) グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。

 

 

① 半導体材料

半導体材料セグメントにおいては、半導体用スパッタリングターゲットや化合物半導体・結晶材料等の半導体材料の販売を行っています。これらの販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受け取る権利を得るために、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後概ね3か月以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。

 

② 情報通信材料

情報通信材料セグメントにおいては、圧延銅箔、チタン銅、超微粉ニッケル、電磁波シールドフィルム、電線等の情報通信材料の販売を行っています。これらの販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受け取る権利を得るために、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後概ね3か月以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。

 

③ 基礎材料

基礎材料セグメントにおいては、電気銅、型銅、貴金属、硫酸等の販売を行っています。これらの販売は、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち製品を顧客へ引き渡した時点で、製品の法的所有権、物的占有権、製品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が移転し、顧客から製品の対価を受け取る権利を得るために、その時点で収益を認識します。また収益は、顧客との契約による取引価格に基づき認識しており、取引の対価は製品の引き渡し後概ね3か月以内に受け取るため、重大な金融要素を含んでいません。

なお、銅精鉱の販売契約には一般的に出荷時の仮価格条項が含まれており、最終的な価格は将来の一定期間のロンドン金属取引所(LME)の銅価格の月平均市場価格に基づき決定されます。このような仮価格販売は、価格決定月を限月とした商品先渡の性質を有する販売契約と考えられ、主契約を銅精鉱の販売とする組込デリバティブを含んでいます。出荷後の価格精算過程に関連した当該組込デリバティブは、主契約の対象が金融資産のため、IFRS第9号に従い、主契約から分離することなく、一体のものとして会計処理します。仮価格販売に係る収益は、受取対価の公正価値を出荷時の市場価格に基づき見積ったうえで認識し、報告期間の末日において再見積りを行います。出荷時点と報告期間の末日における公正価値の差額は収益の調整額として認識し、製錬業者及び工場へ売却され加工される銅精鉱の収益は、顧客により支払われる金属の市場価値から加工料(T/C(溶錬費)・R/C(精製費)等)を控除した金額で認識します。

 

(2) 顧客との契約から生じた債権、契約負債

顧客との契約により生じた債権、契約負債の内訳は以下のとおりです。

なお、連結財政状態計算書において、営業債権は営業債権及びその他の債権に、契約負債はその他の流動負債にそれぞれ含まれています。

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

営業債権(売掛金及び受取手形)

143,555

179,676

86,640

契約負債

566

725

2,736

 

 

契約負債は契約に基づく履行に先だち受領した対価であり、当社が契約に基づき履行するにつれて(若しくは履行した時点で)収益に振り替えられます。

前連結会計年度及び当連結会計年度の期首現在の契約負債残高は、概ね当該会計年度中の収益として認識しており、繰り越された金額に重要性はありません。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額についても重要性はありません。

 

 

(3) 残存履行義務に配分した取引価格

残存履行義務に配分した取引価格及び収益の認識が見込まれる期間は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

1年内

24,376

29,931

1年超~2年内

12,027

10,909

2年超

21,038

12,946

合計

57,441

53,786

 

(注) スポンジチタンの長期販売契約によるものです。

 

(4) 契約コスト

当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。また、実務上の便法を適用し、償却期間が1年以内である場合には、契約コストを発生時に費用として認識しています。

 

 

24.費用の性質別内訳

売上原価、販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりです。

 

 

単位:百万円

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

材料費及び商品等払出原価

1,116,001

1,128,615

人件費

66,124

71,761

減価償却費及び償却費

66,635

39,098

修繕費

32,648

20,120

運賃諸掛

32,676

24,764

研究開発費

13,573

15,939

その他

191,062

144,036

売上原価、販売費及び一般管理費の合計

1,518,719

1,444,333

 

 

25.金融収益及び金融費用

金融収益及び金融費用の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

受取利息

 

 

償却原価で測定する金融資産

2,086

3,135

デリバティブ収益

2

-

金融収益合計

2,088

3,135

支払利息

 

 

償却原価で測定する金融負債

10,249

7,698

デリバティブ費用

1,020

2,414

為替差損

367

351

その他

50

130

金融費用合計

11,686

10,593

 

 

 

26.その他の収益及び費用

(1) その他の収益

その他の収益の内訳は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

関係会社株式売却益(注)

3,189

1,625

受取配当金

183

228

固定資産売却益

154

87

為替差益

188

22,074

その他

2,090

3,769

その他の収益合計

5,804

27,783

 

(注) 関係会社株式売却益の詳細は、注記.14「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」に記載しています。

 

(2) その他の費用

その他の費用の内訳は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

減損損失(注1)

83,290

32,621

関係会社株式売却損(注2)

-

2,157

関係会社清算損(注3)

-

10,550

事業構造改革費用

-

6,645

環境対策費用

3,449

5,516

固定資産除売却損

2,035

2,006

その他

6,202

5,239

その他の費用合計

94,976

64,734

 

(注) 1.減損損失の詳細は、注記.13「非金融資産の減損」に記載しています。

2.関係会社株式売却損の詳細は、注記.14「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」に記載しています。

3.関係会社清算損については、当社子会社Caserones Finance Netherlands B.V.及びMLCC Finance Netherlands B.V.を清算したことに伴う損失が含まれております。

 

 

27.その他の包括利益

その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

 

当期発生額

△61

1,956

税効果調整前

△61

1,956

税効果額

△1

△119

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

△62

1,837

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

当期発生額

△27,919

△59,705

組替調整額

21,735

32,226

税効果調整前

△6,184

△27,479

税効果額

1,988

9,533

キャッシュ・フロー・ヘッジ

△4,196

△17,946

在外営業活動体の為替換算差額

 

 

当期発生額

13,623

19,802

組替調整額

△3,943

8,165

税効果調整前

9,680

27,967

税効果額

在外営業活動体の為替換算差額

9,680

27,967

確定給付制度の再測定

 

 

当期発生額

3,450

532

税効果調整前

3,450

532

税効果額

△1,000

△87

確定給付制度の再測定

2,450

445

持分法適用会社におけるその他の包括利益

 

 

当期発生額

211

389

組替調整額

税効果調整前

211

389

税効果額

持分法適用会社におけるその他の包括利益

211

389

その他の包括利益合計

8,083

12,692

 

 

 

28.1株当たり当期利益

親会社の所有者に帰属する1株当たり当期利益は次の情報に基づき計算しています。

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)

36,930

102,624

期中平均普通株式数(千株)

928,463

928,463

1株当たり当期利益(円):

 

 

基本的1株当たり当期利益(円)

39.78

110.53

希薄化後1株当たり当期利益(円)

39.78

110.53

 

(注) 希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため、基本的1株当たり当期利益と同額としております。

 

29.キャッシュ・フロー情報

(1) 財務活動に係る負債の変動

財務活動に係る負債の変動は以下のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2022年

4月1日

キャッシュ

・フローを

伴う変動

キャッシュ・フローを伴わない変動

2023年

3月31日

企業結合

による引受

在外営業活動

体の換算差額

新規リース

その他

短期借入金

376,414

68,115

-

1,185

-

 

-

445,714

長期借入金

211,616

30,458

-

5,825

-

 

-

247,899

リース負債

58,592

△11,356

1,448

4,643

7,332

(注)

△35,356

25,303

合計

646,622

87,217

1,448

11,653

7,332

 

△35,356

718,916

 

(注) 基礎材料セグメントのMLCCの譲渡決定に伴い、売却目的保有の処分グループに振り替えたことから生じた減少額が主なものです。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2023年

4月1日

キャッシュ

・フローを

伴う変動

キャッシュ・フローを伴わない変動

2024年

3月31日

企業結合

による引受

在外営業活動

体の換算差額

新規リース

その他

短期借入金

445,714

△70,437

-

2,199

-

(注)

△184,906

192,570

長期借入金

247,899

△77,012

-

4,410

-

 

283

175,580

リース負債

25,303

△6,063

-

1,166

1,486

 

△1,512

20,380

合計

718,916

△153,512

-

7,775

1,486

 

△186,135

388,530

 

(注) 基礎材料セグメントのPPCの株式譲渡に伴い、連結子会社から除外し、持分法適用会社としたことによる減少額が主なものです。

 

 

(2) 支配の喪失

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

(SCM Minera Lumina Copper Chileの株式譲渡)

① 取引の概要

当社は、当社グループが株式の100%を保有していたカセロネス銅鉱山の運営会社であるMLCC株式の51%を2023年7月にLundin社へ譲渡したことにより、同社に対する支配を喪失しました。同社の支配喪失時の資産及び負債の内訳並びに受取対価と売却による収支の関係は以下のとおりです。

 

② 支配の喪失を伴う資産及び負債

(単位:百万円)

 

金額

現金及び現金同等物

21,896

その他流動資産

56,294

非流動資産

231,611

資産合計

309,801

流動負債

39,297

非流動負債

53,108

負債合計

92,405

 

 

③ 支配の喪失を伴うキャッシュ・フロー

(単位:百万円)

 

金額

受取対価

126,396

うち未収入金

△20,029

支配喪失した子会社における現金及び現金同等物

△21,896

連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入

84,471

 

 

 

(パンパシフィック・カッパー株式会社の株式譲渡)

① 取引の概要

当社は、当社グループが株式の67.8%を保有していた銅製錬事業の原料調達・販売機能を担うPPCの20%を2024年3月に丸紅株式会社へ譲渡したことにより、同社に対する支配を喪失しました。同社の支配喪失時の資産及び負債の内訳並びに受取対価と売却による収支の関係は以下のとおりです。

 

② 支配の喪失を伴う資産及び負債

(単位:百万円)

 

金額

現金及び現金同等物

1

その他流動資産

493,369

非流動資産

2,398

資産合計

495,768

流動負債

408,017

非流動負債

288

負債合計

408,305

 

 

③ 支配の喪失を伴うキャッシュ・フロー

(単位:百万円)

 

金額

受取対価

14,500

うち未収入金

△4,350

支配喪失した子会社における現金及び現金同等物

△1

連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入

10,149

 

 

(3) 現金及び現金同等物

連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物に含まれるものは、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

連結財政状態計算書における現金及び現金同等物

54,775

36,779

売却目的で保有する資産に含まれる現金及び現金同等物 (注)

3,249

-

連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物

58,024

36,779

 

(注) 売却目的で保有する資産に含まれる現金及び現金同等物の詳細は注記14.「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」に記載しています。

 

 

30.偶発負債

保証債務

子会社以外の会社の金融機関からの借入等に対し、債務保証を行っています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末の保証債務等の残高はそれぞれ1,469百万円、58,501百万円になります。

当連結会計年度末の保証債務等の残高58,501百万円にはPPCに対する保証債務47,840百万円が含まれております。

保証債務の残高は、前連結会計年度に子会社であったMLCC及びPPCが当連結会計年度末時点で持分法適用会社になったことにより増加しております。MLCC及びPPCの株式譲渡については、注記14.「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」に記載しています。

 

31.コミットメント

期末日時点において契約済みで、連結財政状態計算書上に認識していない、有形固定資産の購入に係る契約債務額は以下のとおりです。なお購入には、使用権資産の新規取得に係る契約も含みます。

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

有形固定資産の購入に係る契約債務

11,242

25,255

12,952

 

 

 

32.関連当事者との取引

当社グループの親会社は、当社株式の100%を保有するENEOSホールディングスです。

 

(1) 関連当事者との取引

当社グループと関連当事者との間で行われた重要な取引の内容は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

(単位:百万円)

種類

名称

取引の内容

取引金額

科目

期末残高

親会社

ENEOSホールディングス㈱

債務被保証(注1)

80,371

-

-

同一の親会社を持つ会社

ENEOSファイナンス㈱

資金の借入

257,753

短期借入金

261,193

資金の借入

54,030

長期借入金

166,250

借入金の返済

23,665

利息の支払

1,125

-

-

資金の貸付

56,205

短期貸付金

85,273

利息の受取

30

-

-

JX Nippon Finance Netherlands B.V.

資金の借入

81,909

短期借入金

84,245

利息の支払

2,877

-

-

資金の貸付

334

短期貸付金

252

利息の受取

8

-

-

関連会社

Minera Los Pelambres

配当金の受取

6,774

-

-

ジェコ㈱

配当金の受取

5,040

-

-

 

(注) 1.当社のJX Nippon Finance Netherlands B.V.からの借入債務につき、債務保証を受けています。なお、取引金額には、債務被保証の期末残高を記載しています。

2.資金の借入及び貸付の取引金額については、短期借入金及び短期貸付金の平均残高を記載しています。利率については、市場金利を勘案して合理的に決定しております。担保・保証取引はなく、また、債権には貸倒引当金は設定しておりません。

 

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(単位:百万円)

種類

名称

取引の内容

取引金額

科目

期末残高

親会社

ENEOSホールディングス㈱

グループ通算制度に伴う

通算税効果額の支払

2,604

未払金

2,604

グループ通算制度に伴う

通算税効果額の受取

61,218

未収入金

61,218

同一の親会社を持つ会社

ENEOSファイナンス㈱

資金の借入

270,459

短期借入金

103,662

資金の借入

15,605

長期借入金

97,009

借入金の返済

84,402

利息の支払

1,029

-

-

資金の貸付

32,770

短期貸付金

-

利息の受取

15

-

-

JX Nippon Finance Netherlands B.V.

資金の借入

39,495

短期借入金

8,598

利息の支払

2,336

-

-

資金の貸付

4,057

短期貸付金

20,026

利息の受取

106

-

-

関連会社

Minera Los Pelambres

配当金の受取

35,070

-

-

パンパシフィック・カッパー㈱

資金の借入

23,544

短期借入金

23,544

 

(注) 資金の借入及び貸付の取引金額については、短期借入金及び短期貸付金の平均残高を記載しています。利率については、市場金利を勘案して合理的に決定しております。担保・保証取引はなく、また、債権には貸倒引当金は設定しておりません。

 

(2) 主要な経営幹部に対する報酬

当社の経営幹部に対する報酬は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

報酬及び賞与

323

428

株式報酬

49

41

合計

372

469

 

(注) 株式報酬は親会社であるENEOSホールディングスの制度を使用しております。

 

 

33.主要な子会社

当連結会計年度末における主要な子会社の状況は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。

 

34.持分法で会計処理する投資

(1) 当連結会計年度末における主要な持分法適用会社の状況は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。

 

(2) 持分法適用会社に対する投資、持分法による投資損益及び持分法によるその他の包括利益

持分法で会計処理する投資の帳簿価額の内訳は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

関連会社

148,218

194,116

372,596

共同支配企業

106,505

1,997

2,209

合計

254,723

196,113

374,805

 

 

持分法による投資損益の内訳は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

関連会社

38,302

54,728

共同支配企業

4,030

383

合計

42,332

55,111

 

 

持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分相当額の内訳は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

関連会社

△168

389

共同支配企業

379

0

合計

211

389

 

 

持分法で会計処理する投資の包括利益に対する持分相当額の内訳は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

関連会社

38,134

55,117

共同支配企業

4,409

383

合計

42,543

55,500

 

 

 

(3) 重要な関連会社

当社グループにとって重要性のある関連会社は、以下のとおりです。

名称

主要な事業

の内容

所在地

議決権の所有割合

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

Minera Los Pelambres

銅鉱の採掘

Santiago, Chile

25.0%

25.0%

25.0%

SCM Minera Lumina Copper Chile

銅・モリブデン

鉱石の生産・販売

Santiago, Chile

―(注)

―(注)

49.0%

パンパシフィック・カッパー㈱

非鉄金属製品の製造・販売

東京都

港区

―(注)

―(注)

47.8%

 

(注) 移行日及び前連結会計年度末時点では、MLCC及びPPCを子会社に区分していました。

 

当該関連会社の要約財務諸表と、当該関連会社に対する当社グループの関与の帳簿価額との調整表は以下のとおりです。なお、当該要約財務諸表は、当社グループの会計方針に基づき、当該関連会社の財務諸表にIFRSで要求される調整を加え、作成しております。

 

(Minera Los Pelambres)

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日

(2022年4月1日)

前連結会計年度末

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

流動資産

220,894

246,114

163,987

非流動資産

585,823

744,740

933,468

流動負債

143,863

179,392

131,489

非流動負債

270,388

293,583

404,195

資本

392,466

517,879

561,771

資本の当社グループの持分

98,117

129,471

140,444

公正価値修正

投資の帳簿価額

98,117

129,471

140,444

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

売上高

373,095

396,241

当期純利益

118,710

115,505

その他の包括利益

29,634

61,984

当期包括利益

148,344

177,489

当社グループの持分:

 

 

当期純利益

29,678

28,876

その他の包括利益

7,408

15,496

当期包括利益

37,086

44,372

当社グループが受け取った配当金

6,773

35,071

 

 

 

(SCM Minera Lumina Copper Chile)

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日(注1)

(2022年4月1日)

前連結会計年度末(注1)

(2023年3月31日)

当連結会計年度末

(2024年3月31日)

流動資産

109,575

非流動資産

264,228

流動負債

40,922

非流動負債

38,738

資本

294,143

資本の当社グループの持分

144,130

公正価値修正

△20,630

投資の帳簿価額

123,500

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度(注1)

(自 2022年4月1日 

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度(注2)

(自 2023年4月1日 

 至 2024年3月31日)

売上高

150,565

当期純利益

32,045

その他の包括利益

11,980

当期包括利益

44,025

当社グループの持分:

 

当期純利益

15,702

その他の包括利益

5,870

当期包括利益

21,572

当社グループが受け取った配当金

6,352

 

(注) 1.移行日及び前連結会計年度末時点では、MLCCの議決権を100%所有していたため、子会社に区分していました。

2.当連結会計年度の金額は、MLCCの持分51%を売却したことにより、関連会社となった2023年7月13日以降の金額を記載しています。

 

 

パンパシフィック・カッパー株式会社

 

 

 

(単位:百万円)

 

移行日(注1)

(2022年4月1日)

前連結会計年度末(注1)

(2023年3月31日)

当連結会計年度末(注2)

(2024年3月31日)

流動資産

493,370

非流動資産

2,398

流動負債

408,017

非流動負債

286

資本

87,463

資本の当社グループの持分

41,807

公正価値修正

△7,153

投資の帳簿価額

34,654

 

(注) 1.移行日及び前連結会計年度末時点では、PPCの議決権を67.8%所有していたため、子会社に区分していました。

2.PPCの持分20%を売却したことにより、当連結会計年度末に関連会社となったため、売上高等の開示を省略しております。

 

(4) 重要な共同支配企業

当社グループにとって重要性のある共同支配企業はございません。

 

 

35.後発事象

SCM Minera Lumina Copper Chileの持分追加売却

当社は、注記14.「売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ」に記載のとおり、当第2四半期において、当社グループが100%を保有していたMLCCの株式の51%について、Lundin社に売却しましたが、当該事業構造変革を加速するため、当社グループが引き続き保有していたMLCC株式の19%について、Lundin社の完全子会社であるLMC Caserones SpAへと追加売却することを2024年6月6日の当社取締役会において決定し、2024年7月13日付で当該株式の売却が完了しています。なお、当社は持分追加売却後もMLCC株式の30%を保有しており、これらは継続して持分法で会計処理されている投資に区分しています。また、売却完了時に関係会社株式売却益7,136百万円を計上しています。

 

タツタ電線株式会社の追加取得に伴う子会社化

当社は、情報通信材料セグメントに属する持分法適用会社であったタツタ電線株式会社(以下、「タツタ電線」という。)を当社の完全子会社化するための取引の一環として、タツタ電線に対する公開買付を実施し、2024年8月26日に議決権の50.61%を取得した結果、既保有持分と合わせて議決権の87.64%を保有することとなり、タツタ電線及びその子会社は当社の子会社となりました。その後、タツタ電線を当社の完全子会社化するための手続により、同社は2024年11月11日に当社の完全子会社となりました。

 

(1) 企業結合の概要

① 被取得企業の名称及び事業の内容

被取得企業の名称

タツタ電線株式会社

事業の内容

 

インフラ電線事業、産業機器電線事業、機能性フィルム事業、機能性ペースト事業、ファインワイヤ事業、センサー&メディカル事業、環境分析事業

 

② 企業結合を行った主な理由

当社が掲げる「2040年 JX金属グループ長期ビジョン」を達成するためには、「フォーカス事業」の成長と「ベース事業」の安定化が不可欠であるところ、タツタ電線の有する電子材料事業及びケーブル事業の両方が大きな力になると考えております。

当社は、タツタ電線を経営資源の相互活用に制約を排除し一体とすることができる完全子会社とすることで、(a)両社の経営資源の効率的活用、(b)重要技術における更なる連携、(c)電子材料事業における事業競争力の更なる強化、(d)タツタ電線 電線・ケーブル事業及び当社金属事業の事業基盤の強化、のようなシナジーを享受し、両社の企業価値の更なる向上を図ることを目的としております。

③ 取得日           2024年8月26日

④ 被取得企業の支配の獲得方法 現金を対価とする企業結合

⑤ 取得した議決権付資本持分の比率

取得日直前に所有していた議決権比率

37.03%

取得日に追加取得した議決権比率

50.61%

取得後の議決権比率

87.64%

 

 

(2) 取得対価及びその内訳

 

(単位:百万円)

現金

24,389

取得日直前に保有していた資本持分の公正価値

17,843

合計

42,232

 

 

(3) 取得関連費用

取得日において、企業結合に係る取得関連費用として累計して498百万円を認識しております。

 

(4) 取得資産及び引受負債の公正価値、非支配持分及びのれん

 

(単位:百万円)

支払対価の公正価値

42,232

現金及び現金同等物

2,101

営業債権及びその他の債権

22,917

棚卸資産

15,474

その他の金融資産

4,281

その他の流動資産

295

 流動資産合計

45,068

有形固定資産(土地以外)

13,543

有形固定資産(土地)

8,641

無形資産

95

その他の金融資産

1,405

その他の非流動資産

117

繰延税金資産

806

 非流動資産合計

24,607

営業債務及びその他の債務

7,021

借入金

973

未払法人所得税

329

その他の金融負債

12

リース負債

76

引当金

26

その他の流動負債

1,958

 流動負債合計

10,395

借入金

30

リース負債

1,548

引当金

80

その他の非流動負債

657

繰延税金負債

1,623

 非流動負債合計

3,938

取得資産及び引受負債の公正価値(純額)

55,342

非支配持分

△6,841

負ののれん

△6,269

 

 

非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産の認識金額に対する非支配株主の持分割合で測定しております。取得した資産の公正価値測定に当たり、主に有形固定資産における土地の評価益を認識したこと等を理由として、取得した純資産の公正価値が取得対価を上回ったため、取得日において負ののれん発生益を認識しております。

 

(5) 段階取得に係る差損

当社グループが取得日以前に保有していたタツタ電線の資本持分を取得日の公正価値で再測定した結果、取得日において企業結合による段階取得に係る差損44百万円を計上しております。

 

(6) 当社グループの業績に与える影響

取得日以降に生じた損益情報、及び企業結合が期首に実施されたと仮定した場合の損益情報(プロフォーマ情報)は、連結財務諸表に与える影響額に重要性がないため開示しておりません。なお、当該プロフォーマ情報はレビューを受けておりません。

 

36.初度適用

当社は、当連結会計年度からIFRSに準拠した連結財務諸表を開示しております。IFRSへの移行日は2022年4月1日です。なお、当社はこれまで、日本基準に準拠して連結財務諸表を作成しておりませんでした。そのため、日本基準に準拠して公表された直近の連結財務諸表はありません。

 

(1) IFRS第1号の免除規定

IFRSでは、IFRSを初めて適用する会社に対して、原則的にIFRSで要求される基準を遡及して適用することを求めております。ただし、IFRS第1号はIFRSで要求される基準の一部について、任意に免除規定を適用することができるものと、遡及適用を禁止する強制的な例外規定を定めております。これらの規定の適用に基づく影響は、移行日において利益剰余金又はその他の資本の構成要素において調整しております。

当社が適用した主な任意の免除規定は以下のとおりです。

なお、当社は、IFRSの初度適用に当たりIFRS第1号D16項(a)の規定を適用し、親会社のIFRS移行日に基づいて、連結手続及び親会社が当社グループを取得した企業結合の影響について何の修正もなかったとした場合に、親会社の連結財務諸表に含められていたであろう帳簿価額により資産及び負債を測定しております。親会社のIFRSへの移行日は2014年4月1日です。

 

・企業結合

当社グループは選択適用が可能であるIFRS第1号の免除規定を適用し、親会社のIFRS移行日前の企業結合から生じたのれんの額については、IFRS第3号「企業結合」を遡及適用せず、日本基準に基づいた帳簿価額のまま調整しておりません。なお、当該のれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず移行日時点で減損テストを実施しております。

 

・在外営業活動体の換算差額

当社グループは選択適用が可能であるIFRS第1号の免除規定を適用し、親会社のIFRS移行日現在で在外営業活動体の換算差額累計額を零とみなし、利益剰余金で認識しております。

 

(2) IFRS第1号の遡及適用に対する強制的な例外規定

IFRS第1号では、「見積り」、「金融資産及び金融負債の認識の中止」、「ヘッジ会計」、「非支配持分」及び「金融資産の区分及び測定」等について、IFRSの遡及適用を禁止しております。当社はこれらの項目について親会社の移行日より将来に向かって適用しております。