期初1バレル53ドル台で始まったドバイ原油価格は、5月には米国シェールオイルの減産見通しに加え、中東における地政学リスクの高まりを受け、当期最高値となる66ドル台まで上昇しました。しかし、中国経済の成長鈍化による世界経済の減速懸念から石油需要の減少が見込まれたことに加え、12月のOPEC総会で協調減産が見送られたことで原油の供給過剰感が高まり、1月には当期最安値となる22ドル台まで下落しました。その後は主要産油国による増産凍結合意への期待から上昇に転じ、期末には34ドル台となりました。この結果、期中平均では前期を約38ドル下回る約45ドルとなりました。
一方、期初1ドル119円台で始まった外国為替相場は、米国における利上げ観測などを受け5月下旬以降円安が進み、6月には一時125円を超える水準となりました。しかし、8月中旬以降は世界経済の先行きへの懸念に加え、原油価格の下落によるリスク回避の円買い、さらに、2月以降、米国の追加利上げペースの鈍化予測などから、期末には112円台となりました。この結果、期中平均では前期より約10円の円安となる約120円となりました。
石油製品の国内需要につきましては、ガソリンは低燃費車の普及などによる構造的な需要減退が続いているものの、小売価格の下落やドライブシーズンの好天により前期を若干上回りました。一方で、軽油は物流合理化の影響等により需要はほぼ横ばいとなっており、灯油は暖房用熱源の多様化や暖冬の影響、さらに、電力用C重油は発電用燃料の石炭・LNGへの代替の進行に加え暖冬の影響からいずれも前期を下回り、燃料油総量では前期比98.9%の需要となりました。
このような事業環境のもと、当期の連結業績につきましては、売上高は、小規模定期修理を実施したことにより製品生産・販売数量が減少したことに加え、原油価格の下落を受けて販売価格が下落したことなどにより、前期を2,406億円下回る4,255億円となりました。
営業損益は、期中における原油価格の下落に伴い、在庫影響(総平均法及び簿価切下げによるたな卸資産の評価が売上原価に与える影響)が130億円の原価押し上げ要因(前期は250億円の原価押し上げ要因)となり、前期と比較して115億円改善したものの、87億円の損失となりました。
経常損益は、円高の進展に伴う保有外貨建資産の為替差損発生、持分法による投資利益の増加などから、前期と比較して90億円改善したものの、95億円の損失となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純損益は、前期と比較して86億円改善したものの、94億円の損失となりました。
なお、当期の在庫影響を除いた実質ベースの損益は、前期に比べ原油価格が大幅に下落したことによるアスファルトピッチ(石油ピッチ)の採算改善に加え自家燃料費の低減などはあったものの、小規模定期修理の影響等もあり、営業利益相当額は42億円(前期比4億円減少)、経常利益相当額は35億円(前期比29億円減少)の黒字となりました。
なお、当社グループは、石油精製/販売事業のみの単一セグメント・単一事業部門であるため、セグメント別の記載を省略しています。
(単位:百万円)
区 分 | 前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 64,589 | 38,033 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △2,995 | △6,568 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △60,668 | △30,379 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 622 | △5 |
現金及び現金同等物の増加額または減少額(△) | 1,547 | 1,079 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 12,701 | 14,249 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 14,249 | 15,329 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比して10億79百万円増加し、153億
29百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度においては、たな卸資産の減少503億88百万円、売上債権の減少276億75百万円等による収入が仕入債務の減少256億51百万円等による支出を上回ったことにより、キャッシュ・フローは645億89百万円の収入となりました。一方、当連結会計年度においては、たな卸資産の減少322億2百万円、売上債権の減少226億48百万円等による収入が、仕入債務の減少113億40百万円等による支出を上回ったことにより、キャッシュ・フローは380億33百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度においては、有形固定資産の取得24億50百万円等により、キャッシュ・フローは29億95百万円の支出となりました。一方、当連結会計年度においても、有形固定資産の取得86億99百万円等により、キャッシュ・フローは65億68百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度においては、短期借入金の純減少が562億24百万円、長期借入金の純減少39億40百万円等により、キャッシュ・フローは606億68百万円の支出となりました。一方、当連結会計年度においても、短期借入金の純減少451億68百万円等による支出が、長期借入金の純増加151億11百万円等による収入を上回ったことにより、キャッシュ・フローは303億79百万円の支出となりました。
当社グループは石油精製/販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は次のとおりです。
セグメントの名称 | 生産数量(千KL) | 前期比(%) | |
石油精製/販売事業 | 7,701 | △7.5 | |
合計 | 7,701 | △7.5 | |
当連結会計年度は、受注生産を行っていません。
当社グループは石油精製/販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は次のとおりです。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
石油精製/販売事業 | 425,522 | △36.1 |
合計 | 425,522 | △36.1 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2 上記の金額には、揮発油税及び地方道路税を含めています。
3 最近事業年度の主要相手先別販売実績は、次のとおりです。
相手先 | 前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
昭和シェル石油㈱ | 431,503 | 64.8 | 263,709 | 62.0 |
JXエネルギー㈱ | 74,661 | 11.2 | 55,787 | 13.1 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
国内石油製品需要の減少が継続する中、石油元売各社が相次いで経営統合に向けた基本合意を発表するなど、石油業界を取り巻く事業環境は大きく変動しつつあります。このような中、当社としましては、いかなる事業環境下においても企業理念のトップに掲げる「エネルギーの安定供給」という社会的使命を果たすために、袖ケ浦製油所の立地、強固な顧客基盤など、当社の強みを最大限に活かし、独自の存在価値を維持しつつ、新たな事業機会を確実にとらえることで更なる企業価値の向上を目指してまいります。
具体的には、中期事業計画に掲げた経営課題に引き続き取り組んでまいります。まず、袖ケ浦製油所における無事故・無災害を継続し安定操業・高稼働を維持しつつ、設備の耐震補強工事を進め、更なる安全性の向上と安定供給の確保に努めてまいります。また、超重質原油をはじめとする低廉な原料油から付加価値の高い製品や環境に優しい製品を生み出すなど、高度化した精製設備を十分に活用するとともに、省エネルギー関連投資を継続することで、国内トップクラスのコスト競争力を堅持します。そして、平成29年7月の運転開始を目指して工事を進めているアスファルトピッチ焚きボイラー・タービン発電設備(ASP-BTG)の導入により、大幅な用役コスト削減とアスファルトピッチの付加価値向上を実現し、収益基盤をより一層改善します。
また、「エネルギー供給構造高度化法」に基づく新たな判断基準(いわゆる第2次高度化法)に沿って、石油各社は、平成28年度末までに残油処理装置の装備率の更なる向上が必要とされており、当社も、装置能力の調整並びに他社との連携など、あらゆる方策の検討を進めております。
当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は、以下のとおりです。
なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応については最大限努力する所存です。
以下の事項には将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は当期末現在において判断したものであり、また、事業等のリスクはこれらの事項に限られるものではありません。
①法的規制等の変更
当社グループの事業は、現時点の国内外の法律や諸規則に従って進められており、将来においてこれらの変更が当社グループの事業や業績に影響を与える可能性があります。
②為替レートの変動
当社グループは、資産・負債の一部を米国ドル建てで保有しています。また、当社は、原材料の多くを米国ドル建てで購入しています。このため、米国ドル為替レートが変動した場合には、円換算後の業績に影響が生じます。
③市況変動の影響
原油・石油製品の市況が変動した場合、原材料コストの価格転嫁や在庫評価との関連から、当社の業績に影響が生じる可能性があり、また、タンカー市況が変動した場合にも、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
④金利変動の影響
当社グループでは、預金等の資産及び長期・短期の有利子負債を有しており、金利の変動が生じた場合には、当社グループの金融収支に影響が生じます。
⑤災害や事故等による影響
当社グループは、国内において生産設備、事務所を、また、海外において事務所を有していますが、自然災害や事故等により生産設備、情報システム等に障害が発生した場合には、生産活動をはじめとする当社グループの事業の継続に支障を来し、業績に影響が生じる可能性があります。
(1)石油製品取引契約
当社は、東京電力㈱(平成28年4月1日付で東京電力ホールディングス㈱に商号変更)、住友化学㈱、昭和シェル石油㈱、日本航空㈱及びJXエネルギー㈱と石油製品取引に関する契約を締結しています。
(2)特定融資契約
当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行と特定融資契約を締結しています。
該当事項はありません。
当期の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は下記のとおりですが、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、実際に生じる結果とは大きく変わる可能性があります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。
この連結財務諸表作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
なお、決算日における資産及び負債の貸借対照表上の金額及び当連結会計年度における収益及び費用の損益計算書上の金額の算定には、将来に関する判断、また見積もりを行う必要があり、過去の実績等を勘案し、合理的に判断していますが、見積もり特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
(2)経営成績の分析
当連結会計年度における業績は、売上高4,255億22百万円(前期比36.1%減)、営業損失は87億99百万円(前期は営業損失203億27百万円)、経常損失は95億46百万円(前期は経常損失186億24百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は94億9百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失181億9百万円)となりました。
当社グループにおける主要事業である石油精製/販売事業での売上高は、小規模定期修理を実施したことにより製品生産・販売数量が減少したことに加え、原油価格の下落を受けて販売価格が下落したことなどにより、前期を2,406億円下回る4,255億円となりました。
営業損益は、期中における原油価格の下落に伴い、在庫影響(総平均法及び簿価切下げによるたな卸資産の評価が売上原価に与える影響)が130億円の原価押し上げ要因(前期は250億円の原価押し上げ要因)となり、前期と比較して115億円改善したものの、87億円の損失となりました。
経常損益は、円高の進展に伴う保有外貨建資産の為替差損発生、持分法による投資利益の増加などから、前期と比較して90億円改善したものの、95億円の損失となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純損益は、前期と比較して86億円改善したものの、94億円の損失となりました。
なお、当期の在庫影響を除いた実質ベースの損益は、前期に比べ原油価格が大幅に下落したことによるアスファルトピッチ(石油ピッチ)の採算改善に加え自家燃料費の低減などはあったものの、小規模定期修理の影響等もあり、営業利益相当額は42億円(前期比4億円減少)、経常利益相当額は35億円(前期比29億円減少)の黒字となりました。
(3)財務状態の分析
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度末と比べ561億53百万円減少の1,064億80百万円となりました。主な要因は、たな卸資産の減少322億2百万円、受取手形及び売掛金の減少226億50百万円であります。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度末と比べ11億54百万円増加の1,264億9百万円となりました。主な要因は、投資有価証券の増加22億55百万円、建設仮勘定の増加22億22百万円、機械装置及び運搬具の減少30億44百万円であります。
(流動負債)
流動負債は、前連結会計年度末と比べ542億45百万円減少の1,207億9百万円となりました。主な要因は、短期借入金の減少452億35百万円、買掛金の減少113億42百万円であります。
(固定負債)
固定負債は、前連結会計年度末と比べ101億14百万円増加の646億97百万円となりました。主な要因は、長期借入金の増加94億82百万円であります。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末と比べ108億69百万円減少の474億82百万円となりました。主な要因は、資本剰余金の減少157億46百万円、利益剰余金の増加61億2百万円であります。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比して10億79百万円増加し、153億29百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度においては、たな卸資産の減少503億88百万円、売上債権の減少276億75百万円等による収入が仕入債務の減少256億51百万円等による支出を上回ったことにより、キャッシュ・フローは645億89百万円の収入となりました。一方、当連結会計年度においては、たな卸資産の減少322億2百万円、売上債権の減少226億48百万円等による収入が、仕入債務の減少113億40百万円等による支出を上回ったことにより、キャッシュ・フローは380億33百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度においては、有形固定資産の取得24億50百万円等により、キャッシュ・フローは29億95百万円の支出となりました。一方、当連結会計年度においても、有形固定資産の取得86億99百万円等により、キャッシュ・フローは65億68百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度においては、短期借入金の純減少が562億24百万円、長期借入金の純減少39億40百万円等により、キャッシュ・フローは606億68百万円の支出となりました。一方、当連結会計年度においても、短期借入金の純減少451億68百万円等による支出が、長期借入金の純増加151億11百万円等による収入を上回ったことにより、キャッシュ・フローは303億79百万円の支出となりました。
(5)財務指標
キャッシュ・フロー関連指標の推移は次の通りです。
| 平成26年3月期 | 平成27年3月期 | 平成28年3月期 |
自己資本比率 | 19.8% | 20.2% | 20.3% |
時価ベースの自己資本比率 | 5.5% | 10.4% | 10.3% |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | - | 2.1年 | 2.7年 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ | - | 23.2倍 | 18.7倍 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象と
しています。