第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1)業績

 期初1バレル36ドル台で始まったドバイ原油価格は、OPECにおける減産合意の可能性を探る展開の中で徐々に上昇傾向を辿りました。そして、11月末のOPEC総会で減産が正式に合意され、非OPEC産油国もこれに協調する動きを示したことから12月には50ドルを超えました。その後、減産が概ね遵守されていることが確認された2月には、期中最高値となる55ドルを付けましたが、3月に入ると、シェールオイルの生産拡大により、米国の原油在庫が記録的な水準まで増加したことから下落に転じ、3月末は約50ドルとなりました。この結果、期中平均では前期を1.4ドル上回る約47ドルになりました。

 一方、期初1ドル112円台で始まった外国為替相場は、110円前後のレンジ相場が続いた後、6月には英国のEU離脱及び米国の景気悪化懸念等からリスク回避的に円が買われ、円高が進みました。その後しばらくは概ね100円から105円台の間で推移しましたが、11月に米国大統領選挙でトランプ候補が勝利すると、その経済政策への期待から日米金利差が拡大したことでドル高が進み、一時118円を超える水準となりました。しかし、その後はトランプ政権の政策実現能力に対して懐疑的な見方が台頭したこともあり、3月末には112円台となりました。この結果、期中平均では前期より約12円の円高となる約108円となりました。

 石油製品の国内需要につきましては、ガソリンは小売価格の下落やゴールデンウィークの行楽需要が好調といった好要因はあったものの、乗用車の燃費改善等による構造的な需要減退が続いていること、また軽油は物流合理化に伴う貨物輸送量減少の影響等から、ともに前期を若干下回りました。一方で、灯油は暖冬であった前期と比較し気温が低く推移したことから前期を上回りました。電力用C重油は発電用燃料の石炭・LNGへの転換が進んだことから前期を下回り、燃料油総量では前期比98.0%の需要となりました。

 

 このような事業環境のもと、当期の連結業績につきましては、売上高は、小規模定期修理を実施した前期に比べ販売数量の増加があったものの、原油価格(円貨)の下落を受け販売価格が下落したことなどにより、前期を59億円下回る4,195億円となりました。

 損益につきましては、在庫影響(総平均法及び簿価切下げによるたな卸資産の評価が売上原価に与える影響)が75億円の原価押し下げ要因(前期は130億円の原価押し上げ要因)となり、また、前期の小規模定期修理の影響の解消等により、営業損益は前期と比較して277億円改善し、189億円の利益となりました。経常損益は、前期と比較して276億円改善し、181億円の利益となりました。

 この結果、親会社株主に帰属する当期純損益は、前期と比較して249億円改善し、155億円の利益となりました。

 なお、当期の在庫影響を除いた実質ベースの損益は、アスファルトピッチの採算改善や発電設備新設によるコスト削減効果、更には前期の小規模定期修理の影響の解消等により、営業利益相当額は113億円(前期比70億円増加)、経常利益相当額は105億円(前期比69億円増加)となりました。

 

 なお、当社グループは、石油精製/販売事業のみの単一セグメント・単一事業部門であるため、セグメント別の記載を省略しています。 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

                                   (単位:百万円)

区    分

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

38,033

△9,620

投資活動によるキャッシュ・フロー

△6,568

△15,996

財務活動によるキャッシュ・フロー

△30,379

23,996

現金及び現金同等物に係る換算差額

△5

△116

現金及び現金同等物の増加額または減少額(△)

1,079

△1,736

現金及び現金同等物の期首残高

14,249

15,329

現金及び現金同等物の期末残高

15,329

13,592

 

 

当期末における現金及び現金同等物は、前期末に比して17億36百万円減少し、135億92百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

前期においては、たな卸資産の減少322億2百万円、売上債権の減少226億48百万円等による収入が仕入債務の減少113億40百万円等による支出を上回ったことにより、キャッシュ・フローは380億33百万円の収入となりました。一方、当期においては、たな卸資産の増加280億62百万円、売上債権の増加123億43百万円等による支出が、税金等調整前当期純利益179億45百万円、仕入債務の増加120億43百万円等による収入を上回ったことにより、キャッシュ・フローは96億20百万円の支出となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

前期においては、有形固定資産の取得86億99百万円等により、キャッシュ・フローは65億68百万円の支出となりました。一方、当期においても、有形固定資産の取得166億72百万円等により、キャッシュ・フローは159億96百万円の支出となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

前期においては、短期借入金の純減少451億68百万円等による支出が、長期借入金の純増加151億11百万円等による収入を上回ったことにより、キャッシュ・フローは303億79百万円の支出となりました。一方、当期においては、短期借入金の純増加163億80百万円、長期借入金の純増加76億81百万円等による収入により、キャッシュ・フローは239億96百万円の収入となりました。

 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループは石油精製/販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は次のとおりです。

 

セグメントの名称

生産数量(千KL)

前期比(%)

石油精製/販売事業

8,132

5.6

合計

8,132

5.6

 

 

(2) 受注状況

当連結会計年度は、受注生産を行っていません。

 

(3) 販売実績

当社グループは石油精製/販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は次のとおりです。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

石油精製/販売事業

419,530

△1.4

合計

419,530

△1.4

 

(注) 1  上記の金額には、消費税等は含まれていません。

2  上記の金額には、揮発油税及び地方道路税を含めています。

3  最近事業年度の主要相手先別販売実績は、次のとおりです。

 

相手先

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

昭和シェル石油㈱

263,709

62.0

257,352

61.3

JXエネルギー㈱

55,787

13.1

52,324

12.5

 

  (注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当社は、平成29年5月に、平成29~32年度の4年間を対象とする第二次中期事業計画を発表しました。

石油製品の内需減少傾向が継続するなど、石油産業を取り巻く事業環境はより一層厳しさを増しており、また、平成32年には船舶燃料油の硫黄分規制が強化されるなど需要構造の不確実性も高まっています。
 こうした事業環境認識のもと、当社としては、アスファルトピッチ焚きボイラー・タービン発電設備(ASP-BTG)や分解装置の能力増強により、原油価格等の市況変動及び需要構造変化に対し、従来以上に対応力を高めた袖ケ浦製油所を、柔軟且つ機動的に運営することにより、一段の競争力強化を図ってまいります。

その上で、国内のみならずアジア新興諸国をはじめ海外における事業機会を確実に捉えていくことなどにより、収益の安定拡大及び企業価値向上を目指します。

 

かかる基本方針のもと、第二次中期事業計画においては、以下に掲げた経営課題に対し積極的な取り組みを図ってまいります。

(1) 袖ケ浦製油所の稼働信頼性の維持・強化
・ 安全・安定操業を前提とした運転管理・設備保全の一段の効率化、高稼働維持
・ 技術の伝承・向上、高度な技術力・保安力を有する人財の育成
・ IoT等先進技術を活用した取り組みの強化
(2) 高付加価値化・コスト競争力強化
・ 超重質原油の受入・貯蔵設備の拡充等による原料油の更なる低廉化
・ 分解能力の増強、化成品等高付加価値製品の増産・多様化による付加価値の最大化
・ ASP-BTGの最適・最大運用による大幅な精製コストの低減とエネルギー効率の改善
・ 省エネルギー諸施策実施、総経費の合理化等による一層のコスト削減と環境負荷低減
(3) 輸出対応力強化
・ 国内屈指の大型桟橋を中核とした輸出設備の能力増強・機動性の強化
・ 海外拠点の体制強化、海外で活躍できる人財の育成
(4) 新規事業展開の検討
・ 袖ケ浦製油所の事業基盤を活用した新事業展開の検討
・ 事業ポートフォリオの多角化に向けた検討

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は、以下のとおりです。

なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応については最大限努力する所存です。

以下の事項には将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は当期末現在において判断したものであり、また、事業等のリスクはこれらの事項に限られるものではありません。

 

①法的規制等の変更

 当社グループの事業は、現時点の国内外の法律や諸規則に従って進められており、将来においてこれらの変更が当社グループの事業や業績に影響を与える可能性があります。

②為替レートの変動

 当社グループは、資産・負債の一部を米国ドル建てで保有しています。また、当社は、原材料の多くを米国ドル建てで購入しています。このため、米国ドル為替レートが変動した場合には、円換算後の業績に影響が生じます。

③市況変動の影響

 原油・石油製品の市況が変動した場合、原材料コストの価格転嫁や在庫評価との関連から、当社の業績に影響が生じる可能性があり、また、タンカー市況が変動した場合にも、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

④金利変動の影響

 当社グループでは、預金等の資産及び長期・短期の有利子負債を有しており、金利の変動が生じた場合には、当社グループの金融収支に影響が生じます。

⑤災害や事故等による影響

 当社グループは、国内において生産設備、事務所を、また、海外において事務所を有していますが、自然災害や事故等により生産設備、情報システム等に障害が発生した場合には、生産活動をはじめとする当社グループの事業の継続に支障を来し、業績に影響が生じる可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

    (1)石油製品取引契約

   当社は、東京電力フュエル&パワー㈱、住友化学㈱、昭和シェル石油㈱、日本航空㈱及びJXTGエネルギー㈱と石油製品取引に関する契約を締結しています。

(2)特定融資契約

   当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行と特定融資契約を締結しています。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当期の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は下記のとおりですが、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、実際に生じる結果とは大きく変わる可能性があります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。

この連結財務諸表作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。

なお、決算日における資産及び負債の貸借対照表上の金額及び当連結会計年度における収益及び費用の損益計算書上の金額の算定には、将来に関する判断、また見積りを行う必要があり、過去の実績等を勘案し、合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

 

(2)経営成績の分析

当連結会計年度における業績は、売上高4,195億30百万円(前期比1.4%減)、営業利益は189億40百万円(前期は営業損失87億99百万円)、経常利益は181億2百万円(前期は経常損失95億46百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は155億3百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失94億9百万円)となりました。

当社グループにおける主要事業である石油精製/販売事業での売上高は、小規模定期修理を実施した前期に比べ販売数量の増加があったものの、原油価格(円貨)の下落を受け販売価格が下落したこと等により、前期比59億92百万円減収の4,195億30百万円となりました。

損益につきましては、在庫影響(総平均法および簿価切下げによるたな卸資産の評価が売上原価に与える影響)が75億円の原価押し下げ要因(前年同期は130億円の原価押し上げ要因)となり、また前期の小規模定期修理の影響の解消等により、営業利益は前期比277億39百万円改善の189億40百万円となりました。経常利益は前期比276億49百万円改善の181億2百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前期比249億13百万円改善の155億3百万円となりました。

なお、当期の在庫影響を除いた実質ベースの損益は、アスファルトピッチの採算改善や発電設備新設によるコスト削減効果、更には前期の小規模定期修理の影響の解消等により、営業利益相当額は113億円(前期比70億円増加)、経常利益相当額は105億円(前期比69億円増加)となりました。

 

(3)財務状態の分析

(流動資産)

 流動資産は、前期末と比べ433億99百万円増加の1,498億79百万円となりました。主な要因は、たな卸資産の増加280億62百万円、受取手形及び売掛金の増加123億43百万円であります。

(固定資産)

 固定資産は、前期末と比べ121億29百万円増加の1,385億38百万円となりました。主な要因は、建設仮勘定の増加152億55百万円、機械装置及び運搬具の減少32億69百万円であります。

(流動負債)

 流動負債は、前期末と比べ348億73百万円増加の1,555億83百万円となりました。主な要因は、短期借入金の増加162億88百万円、買掛金の増加120億43百万円、未払金の増加63億70百万円であります。

(固定負債)

 固定負債は、前期末と比べ53億21百万円増加の700億18百万円となりました。主な要因は、長期借入金の増加38億31百万円、修繕引当金の増加23億75百万円であります。

(純資産)

 純資産合計は、前期末と比べ153億34百万円増加の628億16百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加265億67百万円、資本剰余金の減少110億72百万円であります。

 

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

 当期末における現金及び現金同等物は、前期末に比して17億36百万円減少し、135億92百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 前期においては、たな卸資産の減少322億2百万円、売上債権の減少226億48百万円等による収入が、仕入債務の減少113億40百万円等による支出を上回ったことにより、キャッシュ・フローは380億33百万円の収入となりました。一方、当期においては、たな卸資産の増加280億62百万円、売上債権の増加123億43百万円等による支出が、税金等調整前当期純利益179億45百万円、仕入債務の増加120億43百万円等による収入を上回ったことにより、キャッシュ・フローは96億20百万円の支出となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 前期においては、有形固定資産の取得86億99百万円等により、キャッシュ・フローは65億68百万円の支出となりました。一方、当期においても、有形固定資産の取得166億72百万円等により、キャッシュ・フローは159億96百万円の支出となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 前期においては、短期借入金の純減少451億68百万円等による支出が、長期借入金の純増加151億11百万円等による収入を上回ったことにより、キャッシュ・フローは303億79百万円の支出となりました。一方、当期においては、短期借入金の純増加163億80百万円、長期借入金の純増加76億81百万円等による収入により、キャッシュ・フローは239億96百万円の収入となりました。

 

(5)財務指標

キャッシュ・フロー関連指標の推移は次の通りです。

 

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

自己資本比率
(自己資本/総資産)

20.2%

20.3%

21.7%

時価ベースの自己資本比率
(株式時価総額/総資産)

10.4%

10.3%

10.0%

キャッシュ・フロー対有利子負債比率
(有利子負債/営業キャッシュ・フロー)

2.1年

2.7年

インタレスト・カバレッジ・レシオ
(営業キャッシュ・フロー/利息支払額)

23.2倍

18.7倍

 

 

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象と
    しています。