第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

富士石油グループとして、以下の企業理念およびグループ経営方針を定めています。

① 企業理念

 エネルギーの安定供給

 安全の確保と地球環境の保全

 ステークホルダーとの共存共栄

 活力に満ちた働きがいのある職場

 

② グループ経営方針

 ステークホルダー価値の最大化

グループ企業が一体となって、ステークホルダーにとっての企業価値最大化を図る
● 経営の透明性の向上

コーポレート・ガバナンスを強化するとともに、リスクマネジメントおよびコンプライアンスの徹底、正確かつ適切な情報開示に努める

 安定的な経営・収益基盤の維持

袖ケ浦製油所の持つ立地優位性・高度な設備能力と、強固な顧客基盤を背景とする安定的な収益構造を盤石なものとし維持する

 株主への利益還元

中・長期的な事業発展のための内部留保の充実に留意しつつ、業績および資金バランス等を勘案の上、安定的な配当の維持に努める

 持続的な成長への挑戦

事業環境の変化を先取りした中期的経営戦略を立案し、これを着実に遂行することで、グループの持続可能な成長を実現する

 

(2) 経営戦略および対処すべき課題

当期終盤における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により全世界的に経済活動が停滞する中、石油需要は急激かつ大幅に減少し、原油価格も急落後、歴史的低位で推移しております。石油需要は新興国の経済成長に牽引され中長期的には拡大傾向が継続すると予測されているものの、COVID-19の収束時期が見通せない現時点においては、グループ従業員の感染予防・感染拡大防止に万全を期し、袖ケ浦製油所等の安全・安定操業の継続を最優先に取り組むことで、国民生活や経済産業活動に必須である石油製品の安定供給を始め、グループ各社が担っている社会的使命を果たしてまいります。

現在の状況を踏まえれば、COVID-19の影響による国内外石油需給環境の悪化と石油市況の乱高下は当面継続するものと想定されます。石油精製事業におきましては、市場動向を見極めながら顧客との連携を密に保ち、常に最適な生産規模を維持してまいります。また、コスト管理や原油等の原材料及び製品の在庫管理等を徹底し、事業キャッシュ・フローの健全性の維持に努めてまいります。

今後、COVID-19の動向が収束に向かい次第、グループ各社とも迅速に業績の回復・拡大に全力で取り組んでまいります。
 

<中長期的な経営戦略・取り組むべき課題>

上記の当面の経営課題に優先的に対処しつつ、同時に第二次中期事業計画の最終年度に当たる2020年度においては、同計画に掲げた取り組むべき課題の達成に向け注力し、国内石油市場の縮小と国際市場での競争環境が激化する中で、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。

 

 
(中期的経営課題)

 袖ケ浦製油所の稼働信頼性の維持・強化

 高付加価値化・コスト競争力強化

 輸出対応力強化

 新規事業展開の検討

 

また、当社の企業理念で掲げる「エネルギーの安定供給」、「安全の確保と地球環境の保全」、「ステークホルダーとの共存共栄」、「活力に満ちた働きがいのある職場」の実現にも注力してまいります。具体的には、

 

①石油連盟が策定した2030年度を目標年次とする低炭素社会実行計画に沿った当社省エネルギー目標値については、先行して達成が見込まれておりますが、更なる省エネルギー投資や省エネルギー活動を推進してまいります。

 

②2019年度に策定した「人財育成方針」に基づき、従業員に求められる役割・能力あるいは個々の状況等に応じたよりきめ細やかな教育・研修を実施してまいります。

 

③2021年度を開始年度とする次期中期事業計画において、低炭素・循環型社会の実現に資する新規事業展開を推進してまいります。

 

(3)目標とする経営指標等

 第二次中期事業計画(2017年5月策定)において目標として掲げた経営指標は以下の通りです。

①利益計画  2020年度の営業利益 105億円、経常利益 85億円

②資金計画・投資計画

2017年度から2020年度の4年間のキャッシュ・イン  475億円(うち税引後純利益205億円、減価償却費270億円)

2017年度から2020年度の4年間のキャッシュ・アウト 230億円(設備投資)

2017年度から2020年度の4年間のフリー・キャッシュ・フロー 245億円(財務改善、株主還元、追加設備投資に充当)

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業において、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は、以下のとおりです。

なお、以下の事項には将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、また、事業等のリスクはこれらの事項に限られるものではありません。

 

①法的規制等の変更リスク

 当社グループの事業は、国内外の法律や諸規則、環境規制等に従って進められており、将来においてこれらの変更が当社グループの事業や業績に影響を与える可能性があります。

 

②為替レートの変動リスク

 当社グループは、資産・負債の一部を米国ドル建てで保有しています。また、当社は、原材料の多くを米国ドル建てで購入しており、為替ヘッジ取引により為替レートの変動による影響の緩和に努めておりますが、為替変動リスクを完全に排除することは難しく、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

③市況変動リスク

 原油をはじめとする原材料価格が下落した場合、在庫影響(総平均法及び簿価切下げによるたな卸資産の評価が売上原価に与える影響)によるたな卸資産評価損が発生し売上原価を押し上げることになります。また、石油製品市況は需給や原油価格の動向といった外部要因によって大きく変動します。かかる市況変動リスクに対しては、原材料並びに生産製品の在庫管理を徹底するとともに、主に海外市況に左右され市場リスクに曝される取引においてヘッジ対応を適切に行い、その抑制に努めておりますが、市況変動リスクを完全に排除することは難しく、当社の業績に影響が生じます。また、タンカー市況が変動した場合にも、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

④金利変動リスク

 当社グループでは、長期・短期の有利子負債を有しており、金利が上昇した場合は営業外費用の増加要因となります。長期の有利子負債については金利の変動による影響を緩和すべく、金利スワップ取引等により金利の固定化を図っておりますが、金利が変動した場合には、当社グループの金融収支に影響が生じる可能性があります。

 

災害、事故等による操業リスク

 当社グループは、国内において生産設備、事務所を、また、海外において事務所を有していますが、自然災害や事故等により生産設備、情報システム等に障害が発生した場合には、生産活動の抑制または停止をせざるを得なくなる可能性があります。かかる状況に対処すべく、当社は事業継続計画(BCP)を策定しており、事業の継続・早期復旧を図るための体制を整備しておりますが、事業活動の抑制・停止が長期化した場合には当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

⑥感染症によるリスク

 COVID-19をはじめとする感染症の流行が発生した場合においても、当社は国民生活・国民経済の安定確保に不可欠な重要インフラ事業者として、石油製品の供給継続に努めることを基本方針としておりますが、当社役職員に感染が確認された場合などにおいては、感染の拡大防止を図るべく出社人員の抑制等の措置をとる必要があることから事業規模の縮小を迫られる可能性があります。

 また、COVID-19の拡大により全世界的に経済活動が停滞する中で、石油需要も急激かつ大幅に減少しておりますが、影響が長期化した場合、当社グループの業績に深刻な影響が生じる可能性があります。

 

⑦原材料の調達リスク

 当社グループは、原油の多くを中東地域から調達している一方で、中東以外の地域からの原油調達も行っており、リスクの分散に努めておりますが、国際的な政治情勢の変動等により、原油調達に支障が生じた場合には、当社グループの事業や業績に影響が生じる可能性があります。

 

 

⑧競争環境に関するリスク

 国内の石油製品需要は少子高齢化の進行や低燃費車の普及等によって構造的な内需減少傾向が続いており、国内の石油需要に対し精製設備能力が過剰となることで、国内需要を巡り激しい競争環境に曝される可能性があります。当社は中長期的な経営戦略として、袖ケ浦製油所の競争力強化を図るとともに、石油需要の成長が見込める海外における事業機会を確実に捉えていくため、設備・体制面での輸出対応力強化を進めておりますが、中国、インド、中東といった地域で最新鋭の輸出型製油所の建設が進んでおり、国際市場でも需要を巡る競争が激化しております。これらの石油需要を巡る競争の激化により、当社グループの事業および業績に影響が生じる可能性があります。

 

⑨気候変動に関するリスク

 先進国を中心に地球温暖化ガスの削減、省エネ等地球環境に配慮した低炭素化・脱炭素化の動きが進展しています。当社グループは中長期的な経営戦略として、低炭素・循環型社会の実現に資する新規事業展開の検討を重ねておりますが、今後低炭素化・脱炭素化の動きの急激な進展により、想定を上回る速さで石油製品需要が減少した場合、当社グループの事業及び業績に影響が生じる可能性があります。

 

当社グループでは、重大な影響を及ぼすリスクの顕在化を未然に防止するとともに、経営危機に適切に対応し、経営危機発生に伴うグループの損失を最小化するために、平常時のリスク管理及び経営危機発生時の対応について体制並びに行動要領を定めた「リスク管理規程」を整備しております。

具体的には、取締役会で定めたリスク管理の基本方針に従い、平常時におけるグループのリスク管理全般を行うとともに、経営危機発生時においては社長の指揮のもと事案の処理に当たることとしています。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(業績等の概要)

期初1バレルあたり68ドル台で始まったドバイ原油価格は、4月下旬には74ドル台まで上昇しました。その後はサウジアラビアの石油施設への攻撃による供給リスクの高まりから一時高騰する場面もありましたが、米中貿易摩擦による世界経済減速懸念等を背景に、概ね50ドル台後半から60ドル台前半で推移しました。年末から1月にかけては、米中通商協議での第一段階合意や、米国とイランの関係悪化等を背景に再度60ドル台後半まで上昇しましたが、その後はCOVID-19の世界的な拡大に伴うエネルギー需要の減少に加え、3月上旬のOPECプラスにおける協調減産交渉の決裂等を受け急落し、3月末には23ドル台となりました。この結果、期中平均では前期を9ドル下回る約60ドルとなりました。

一方、期初1ドル111円台前半で始まった外国為替相場は、堅調な米国景気を背景に4月下旬には112円台前半まで円安が進みましたが、その後は米政策金利の引き下げ観測等を背景に円高が進行し、8月には米中の報復関税の応酬等から一時104円台半ばを記録しました。9月以降は米中通商協議の進展への期待や米国株式市場の上昇等を受けて再び円安基調となり、2月下旬には112円台前半まで円安が進行しましたが、その後はCOVID-19の世界的な拡大を背景に為替市場も大きく混乱し、101円台前半から111円台半ばまで激しく動く展開となり、3月末は108円台後半で終了しました。この結果、期中平均は前期より約2円の円高となる約109円となりました。

石油製品の国内需要につきましては、ガソリンは低燃費車の普及進展に加え、台風等の自然災害による影響もあり前期比97.0%、灯油は昨年度を上回る暖冬の影響を受け前期比93.7%となり、いずれも前期を下回りました。軽油は貨物輸送を中心に底堅い需要があったことから、他の油種よりも減少幅が小さい前期比99.6%にとどまりました。C重油は、発電用燃料の石炭・LNGへの転換が進んだことに加え、冷夏・暖冬の影響等により、前期比83.7%となりました。この結果、燃料油総量としては、前期比96.3%の需要となりました。

 

このような事業環境のもと、当期の連結業績につきましては、売上高は、小規模定期修理を実施したことにより製品生産・販売数量が減少したことに加え、原油価格の下落を受けて販売価格が下落したことなどにより、前期を792億円下回る4,623億円となりました。

 損益につきましては、小規模定期修理の影響に加え、第4四半期中の石油製品市況の急激な下落により販売マージンが悪化したこと、並びに、3月の原油価格暴落に伴い在庫影響(総平均法及び簿価切下げによるたな卸資産の評価が売上原価に与える影響)による203億円もの多額の原価押し上げ要因が発生したこと(前期は23億円の原価押し下げ要因)により、営業損益は前期と比較して335億円減益となる286億円の損失となりました。経常損益は、持分法による投資損益の改善等により、前期と比較して323億円減益となる287億円の損失となりました。

 親会社株主に帰属する当期純損益は、前期と比較して319億円減益となる290億円の損失となりました。

  なお、当期の在庫影響を除いた実質ベースの損益については、営業損失相当額は83億円(前期比109億円減少)、経常損失相当額は84億円(前期比97億円減少)となりました。

 

なお、当社グループは、石油精製/販売事業のみの単一セグメント・単一事業部門であるため、セグメント別の記載を省略しています。 

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当社グループは石油精製/販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は次のとおりです。

 

セグメントの名称

生産数量(千KL)

前期比(%)

石油精製/販売事業

7,339

△10.5

合計

7,339

△10.5

 

 

(2) 受注状況

当連結会計年度は、受注生産を行っていません。

 

(3) 販売実績

当社グループは石油精製/販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は次のとおりです。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

石油精製/販売事業

462,364

△14.6

合計

462,364

△14.6

 

(注) 1  上記の金額には、消費税等は含まれていません。

2  上記の金額には、揮発油税及び地方道路税を含めています。

3  最近事業年度の主要相手先別販売実績は、次のとおりです。

 

相手先

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

出光興産㈱

355,090

65.6

321,662

69.6

JXTGエネルギー㈱

59,628

11.0

44,963

9.7

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

2 出光興産㈱は2019年4月に昭和シェル石油㈱と経営統合しました。

 

(財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析)

当期の財政状態及びキャッシュ・フローの分析は下記のとおりですが、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、実際に生じる結果とは大きく変わる可能性があります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。

この連結財務諸表作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。

なお、決算日における資産及び負債の貸借対照表上の金額及び当連結会計年度における収益及び費用の損益計算書上の金額の算定には、将来に関する判断、また見積りを行う必要があり、過去の実績等を勘案し、合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

当社及び連結子会社の財政状態または経営成績に対して重大な影響を及ぼしうる会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。 

 

① 修繕引当金・特別修繕引当金の見積り

 定期修理を要する機械装置の定期修理費用、及び消防法により定期開放点検が義務づけられている油槽に係る

点検修理費用について、将来の支出見込額のうち、当連結会計年度に負担すべき額をそれぞれ修繕引当金・特別

修繕引当金として計上しています。

 

② 固定資産の減損

  石油精製設備等の償却資産及び事業用土地等固定資産について、減損の認識の要否の判定にあたり、事業から

得られると見込まれる将来キャッシュ・フローを用いて、対象となる固定資産の帳簿価額と比較しています。C

OVID-19の世界的な拡大を背景とする需要減少の影響を受け一定の装置稼働制約を受けると仮定しても、中

長期的には稼働は回復し、相応のキャッシュ・フローが見込まれることから、減損の認識は不要であると判断し

ています。

                                                  ③ 繰延税金資産の回収可能性

 繰延税金資産の回収可能性の判断にあたり、将来1年間の課税所得見積額に基づき回収可能と判断した繰延税

金資産を計上しています。COVID-19の世界的な拡大を背景とする需要減少の影響を受け一定の装置稼働制

約を受けると仮定し、当期及び過年度の業績に照らし一定のストレスをかけた課税所得見積額としています。

 

(2)財政状態の分析

(流動資産)

流動資産は、前連結会計年度末と比べ505億円減少の1,253億円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金の減少165億円、たな卸資産の減少222億円であります。

  (固定資産)

固定資産は、前連結会計年度末と比べ31億円減少の1,201億円となりました。主な要因は、建物及び構築物の増加23億円、機械装置及び運搬具の減少14億円、建設仮勘定の減少41億円であります。

  (流動負債)

流動負債は、前連結会計年度末と比べ286億円減少の1,517億円となりました。主な要因は、買掛金の減少175億円、1年内返済予定の長期借入金の減少100億円であります。

  (固定負債)

固定負債は、前連結会計年度末と比べ52億円増加の524億円となりました。主な要因は、長期借入金の増加42億円であります。

  (純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末と比べ302億円減少の412億円となりました。主な要因は、利益剰余金の減少298億円であります。

 

 

2017年3月期

2020年3月期

備考

自己資本比率

(自己資本/総資産)

21.8%

16.8%

5.0ポイント悪化

ネット・デット・エクイティ・レシオ

((有利子負債-現預金)/純資産)

1.81倍

2.77倍

0.96ポイント悪化

純資産

 

628億円

412億円

216億円減少

長期借入金残高

 

656億円

430億円

226億円減少

 

 

前述のとおり小規模定期修理の影響と第4四半期中の石油製品市況の急激な下落によるマージン悪化及び3月の原油市況暴落に伴う在庫影響(総平均法及び簿価切下げによるたな卸資産の評価が売上原価に与える影響)による多額の原価押し上げ要因が発生したことを主因として当期の親会社株主に帰属する当期純損失が多額となったことから、現行の中期事業計画の基準となる2017年3月末に比して、純資産が大幅に減少しており、前期までの業績においては一定の改善が見られていたものの、関連する自己資本比率、ネット・デット・エクイティ・レシオ等の財務指標が悪化しております。一方で長期借入金残高の指標については、子会社が保有していた外貨建債権の回収が進み、それを返済に充当したことから減少しております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

 

区    分

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

△8,037百万円

4,917百万円

投資活動によるキャッシュ・フロー

2,597百万円

241百万円

財務活動によるキャッシュ・フロー

1,464百万円

△4,011百万円

現金及び現金同等物に係る換算差額

△74百万円

△57百万円

現金及び現金同等物の増加額または減少額(△)

△4,049百万円

1,090百万円

現金及び現金同等物の期首残高

13,433百万円

9,383百万円

現金及び現金同等物の期末残高

9,383百万円

10,474百万円

 

 

  当期末における現金及び現金同等物は、前期末に比して10億円増加し、104億円となりました。

  営業活動の結果、前期においては、たな卸資産の増加88億円、売上債権の増加58億円等による支出が、減価償却費65億円、未払消費税等の増加40億円等による収入を上回ったことにより、キャッシュ・フローは80億円の支出となりました。一方、当期においては、たな卸資産の減少222億円、売上債権の減少165億円等による収入が、税金等調整前当期純損失283億円等による支出を上回ったことにより、キャッシュ・フローは49億円の収入となりました。

 投資活動の結果、前期においては、投資有価証券の売却による収入53億円等により、キャッシュ・フローは25億円の収入となりました。一方、当期においても、投資有価証券の売却による収入54億円等により、キャッシュ・フローは2億円の収入となりました。

 財務活動の結果、前期においては、原油価格上昇に伴う在庫資金の増加による短期借入金の純増加157億円等の収入が、返済が進んだことによる長期借入金の純減少126億円等による支出を上回ったことにより、キャッシュ・フローは14億円の収入となりました。一方、当期においては、返済が進んだことによる長期借入金の純減少57億円等による支出が、短期借入金の純増加36億円等の収入を上回ったことにより、キャッシュ・フローは40億円の支出となりました。

 なお、当社の2017年度から2020年度の4年間の資金計画に対する進捗状況は、(5)目標とする経営指標等の進捗状況において記載のとおりです。

 資本の財源及び資金の流動性に関連して、当社グループの資金需要の主なものは、当社における重要な経営課題のひとつである袖ケ浦製油所の稼働信頼性の維持・強化を目的とした同製油所における機器等の更新工事や安全対策に係る設備投資等であります。また、これらに充当する資金については、収益状況等に留意しつつ、金融機関からの借入金及び自己資金等で賄っていく予定としています。

 

 

(4)財務指標

キャッシュ・フロー関連指標の推移は次の通りです。

 

2018年3月

2019年3月

2020年3月

自己資本比率
(自己資本/総資産)

23.9%

23.8%

16.8%

時価ベースの自己資本比率
(株式時価総額/総資産)

11.1%

6.5%

5.9%

キャッシュ・フロー対有利子負債比率
(有利子負債/営業キャッシュ・フロー)

17.1年

25.8年

インタレスト・カバレッジ・レシオ
(営業キャッシュ・フロー/利息支払額)

3.1倍

1.9倍

 

 

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象と
    しています。

 

 

 

(5)目標とする経営指標等の進捗状況

第二次中期事業計画(2017年5月策定)において目標として掲げた2017年度から2020年度の4年間の資金計画に対する進捗状況は以下の通りです。

項    目

2017~2020年度累計

2017~2019年度実績

実績進捗率(%)

キャッシュ・イン

475億円

176億円

37%

 

 税引後純利益

205億円

△182億円

△89%

 

 減価償却費

270億円

190億円

70%

 

 長期債権回収(注)

-

168億円

-

キャッシュ・アウト(設備投資)

230億円

181億円

79%

フリー・キャッシュ・フロー

245億円

△5億円

△2%

 

(注)子会社が保有していた外貨建て長期債権の回収金

 

 前半2年間、すなわち2017年度及び2018年度が経過した時点でのキャッシュ・インは2年間合計で、343億円となっており、順調に推移しておりました。

 しかしながら、当年度の状況は小規模定期修理を実施したことや、原油価格急落による一時的なマージンの悪化の影響等で当期純損益は290億円の赤字を計上するに至り、2019年度までの累計キャッシュ・インは176億円と大きく後退しました。

 中期事業計画最終年である2020年度の経常利益計画は計画策定当初は85億円としておりましたが、COVID-19の影響や原油価格動向等、事業環境が計画策定当初と著しく変化しており、当社業績の合理的な見通しが立たないことなどから、業績見通しを未定としております。当社といたしましては、まずはこれらの影響を冷静に見極め、合理的な前提のもとでの業績見通しを策定したうえで、計画値に近づけるよう不断の経営努力を図ってまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

    (1)石油製品取引契約

   当社は、住友化学㈱、出光興産㈱、日本航空㈱及びJXTGエネルギー㈱と石油製品等の取引に関する契約を締結しています。

(2)特定融資契約

   当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行と特定融資契約を締結しています。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。