第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当社は、平成28年3月25日開催の取締役会において、Alliance Tire Group各社の持株会社であるAlliance Tire Group B.V.(本社所在地オランダ、子会社を併せて以下Alliance Tire GroupまたはATG)の全株式を取得すること(以下本件取引)を決議し、同日付で同社の株式を保有するグローバル投資会社であるKKR及びその他の株主と株式譲渡契約を締結しました。

 

(1)株式の取得の理由

現在、当社は中期経営計画「GD100」のフェーズⅣ(2015年~2017年)に取り組んでおり、タイヤ事業戦略の柱のひとつとして「生産財タイヤ事業の拡大に向けた戦略」を掲げ、鉱山・建設車両用超大型ラジアルタイヤの開発や拡販に取り組んでおります。

Alliance Tire Group は、農業機械用タイヤ、産業機械用タイヤ、建設機械用タイヤ、林業機械用タイヤの製造・販売に特化した事業を展開しており、各々のラジアルタイヤ、バイアスタイヤを欧州、北米を中心に世界約120カ国以上に販売しています。

今回、Alliance Tire Groupを買収することで、横浜ゴムの生産財タイヤのラインナップに農業機械用タイヤ、産業機械用タイヤ、林業機械用タイヤが新たに加わります。特に、農業機械用タイヤは、世界的な人口増加による食料需要増や農業効率向上に向けて農業機械の需要増加が予測されることから、これに伴い需要の増加も見込まれています。

今回の Alliance Tire Group買収により、生産財タイヤ事業をいっそう拡大させ、グローバル展開を加速させていきます。

 

(2)株式取得の相手の名称

KKR AT Dutch B.V.、Yogesh Agencies and Investments Private Limited、International Finance Corporation、Mr.Zubin Dubash

 

(3)買収する会社の名称、事業内容、規模

① 名称

Alliance Tire Group B.V.

② 所在地

オランダ王国アムステルダム市Prins Bernhardplein 200 (1097JB)
(Prins Bernhardplein 200 (1097JB) Amsterdam, the Netherlands)

③ 代表者の役職・氏名

Dirk Peter Stolp, managing director
Linda Kuiters, managing director
Lillian Yuen Ming Leong, managing director
Alain Vourch, managing director
Gert Jan Rietberg, managing director

④ 事業内容

農業機械用タイヤ、産業機械用タイヤ、建設機械用タイヤ、林業機械用タイヤ等の製造・販売事業を行う子会社の株式保有

⑤ 資本金

665千ユーロ

⑥ 設立年月日

平成18年11月17日

⑦ 大株主及び持株比率

KKR AT Dutch B.V. 87.48%
Yogesh Agencies and Investments Private Limited 10.01%
International Finance Corporation 2.25%
Mr.Zubin Dubash 0.26%

 

 

(4)株式取得の時期

平成28年7月1日(予定)

(注)本件取引の実行は、米国その他必要な各国の競争法に関する手続きの完了後となります。

 

(5)取得する株式の数、取得価額及び取得後の持分比率

① 異動前の所有株式数

0株
(議決権の数:0個 、議決権所有割合:0.0%)

② 取得株式数

132,923株
(議決権の数:1,329,230個)

③ 取得価額

Alliance Tire Group B.V.の株式  1,179百万USドル(予定)
アドバイザリー費用等(概算額)   15億円
合計(概算額)1,371億円(取得対価の換算レート 1USドル:115円)

④ 異動後の所有株式数

132,923株
(議決権の数:1,329,230個)
(議決権所有割合:100%)

 

(注)Alliance Tire Group B.V.株式の取得価額は、株式取得後に株式譲渡契約所定の方法で調整される予定です。

 

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 業績の状況

当第1四半期連結累計期間(平成28年1月1日~平成28年3月31日)における当社グループをとり巻く環境は、国内では、株価及び個人消費の低迷、輸出の停滞や円高など経営環境が振るわない中、一部に改善要因はあったものの、景気は低調に推移しました。

一方、海外においては、米国では消費活動が底堅く、回復基調が継続しましたが、中国では景気減速が続き、新興国も世界的な資源需要鈍化から輸出回復が遅れるなど、不透明な状況が継続しています。

国内のタイヤ業界では、新車用タイヤは、自動車生産が低調に推移していることから前年を下回りましたが、市販用タイヤでは、前年並みの推移となりました。

こうした状況の中、当社グループは、引き続き内部改善努力と営業体制の強化・効率化に取り組んでいます。

当第1四半期連結累計期間の連結売上高は1,293億44百万円(前年同期比 6.8%減)、連結営業利益は68億68百万円(前年同期比 42.0%減)、連結経常利益は56億29百万円(前年同期比 39.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は36億21百万円(前年同期比 37.9%減)となりました。

各事業の業績を示すと、次のとおりであります。

① タイヤ事業

売上高は1,008億13百万円(前年同期比 6.9%減)で、当社の総売上高の77.9%を占めております。

国内新車用タイヤの販売は、自動車生産台数の減少や価格下落により低調に推移しましたが、国内市販用タイヤは、高付加価値品であるグローバル・フラッグシップブランド「ADVAN(アドバン)」と低燃費タイヤブランド「BluEarth(ブルーアース)」の両ブランドを中心に販売を強化した結果、販売量、売上高共に前年同期を上回りました。

海外の販売については、円高の影響や価格競争の激化により減収となりましたが、北米におけるSUV系タイヤの販売量増加によるMIXの良化をはじめ、欧州では昨年の冬用タイヤの販売好調が夏用タイヤの販売にも継続しており、市販用が好調に推移しました。また、中国でも新車用が好調だったこともあり、全体では販売量が増加しました。

 

② MB事業(MB:マルチプル・ビジネスの略)

売上高は、271億11百万円(前年同期比 6.9%減)で、当社の総売上高の21.0%を占めております。

ホース配管事業は、自動車用ホースの需要減少に加え、資源開発の鈍化、中国インフラ投資の減速等、市場環境も厳しく低調に推移しました。

工業資材事業は、国内粗鋼生産の低迷や原油価格下落等の影響を受け、低調に推移しました。

ハマタイト・電材事業は、建築用シーリング材は建設需要の落ち込み等がありましたが、海外向け自動車用接着剤が好調に推移し、ほぼ前年並みの売上となりました。

航空部品事業は、官需向けが好調で、前年同期を上回りました。

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。

 

 

(3) 研究開発活動

当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ事業、MB事業及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。

当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、35億98百万円であります。

当社研究本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。
 研究開発費の金額は、3億20百万円であります。

 

当第1四半期連結累計期間におけるセグメントごとの研究開発活動の重要な変更は、次のとおりであります。

1)タイヤ事業

タイヤ事業においては、グローバル市場における独自の存在感の確立及び高付加価値商品のグローバル展開を目標とし、以下のような活動をいたしました。

当第1四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、24億96百万円であります。

①「東京オートサロン2016」に出展

平成28年1月に幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催されたカスタムカーの祭典「東京オートサロン2016」に出展しました。タイヤブースとホイールブースを展開し、グローバル・フラッグシップブランド「ADVAN(アドバン)」の全15種をフルラインアップで展示し、未発表のスポーツラジアルタイヤのプロトタイプも参考出品したほか、平成27年7月からパートナーシップ契約を開始したバークレイズ・プレミアリーグ「チェルシーFC」コーナーも設置しました。
 タイヤブースでは平成28年から「ADVAN」レーシングタイヤをワンメイク供給する国内最高峰のフォーミュラレースである全日本スーパーフォーミュラ選手権のマシンとSUPER GTの参戦マシンを展示し、“ADVAN=走り”を強力に印象づける「ADVAN Sport V105(アドバン・スポーツ・ブイ・イチマルゴ)」の高い技術力と走行性能をアピールしました。

 

②北海道旭川市の冬用タイヤテストコース開所

平成28年1月に北海道旭川市の冬用タイヤテストコース「北海道タイヤテストセンター(Tire Test Center of Hokkaido=TTCH)」で開所式が執り行われました。 同テストコースは、敷地面積は東京ドームの19倍強に当る906,462㎡あり、直線距離が約1キロにおよぶ圧雪路のほか、氷盤路、登坂路、雪上・氷上旋回路、ハンドリング路を備えています。乗用車で時速100キロメートル以上のテスト走行ができるほか、トラックやバスについても登坂など様々な路面状況での制動・発進・加速テストを行うことができます。
 氷点下の気温が安定的に続く12月末から翌年2月末までの厳冬期に冬用タイヤのテストを行い、春から秋にかけては夏用タイヤのテストにも活用する計画です。

 

③インド最大のモーターショー「オートエキスポ2016」に出展

インドの現地法人であるヨコハマ・インディア PVT. LTD. は、平成28年2月にインド最大のモーターショーである「第13回 オートエキスポ2016」に出展しました。同モーターショーは隔年開催で、ヨコハマ・インディアPVT. LTD. は平成20年から5回連続で出展しています。
 メイン商品として、グローバル・フラッグシップブランド「ADVAN(アドバン)」やSUV用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」、インド専用の「YOKOHAMA Earth-1(ヨコハマ・アースワン)」やスポーツタイヤ「S.drive(エス・ドライブ)」を展示しました。
 さらに、日本で販売している低燃費タイヤブランド「BluEarth(ブルーアース)」から低燃費フラッグシップタイヤ「BluEarth-1 EF20(ブルーアース・ワン・イーエフ・ニーマル)」を参考出品し、環境問題への意識が高まっているインド国内のユーザーにヨコハマタイヤの優れた環境技術を訴求しました。

 

 

④「ジュネーブモーターショー2016」に出展

平成28年3月にスイスで開催された「第86回ジュネーブモーターショー2016」に出展しました。
 タイヤ周辺の空気の流れをコントロールすることで、車の燃費と安定性の向上に貢献する新形状エアロダイナミクスタイヤや最新の軽量化技術を織り込んだコンセプトモデルを展示し、YOKOHAMAの先進技術を訴求しました。
 また、世界有数のハイパフォーマンスカーに新車装着されているフラッグシップモデル「ADVAN Sport V105(アドバン・スポーツ・ブイイチマルゴ)」を紹介するほか、平成27年7月からパートナーシップ契約を開始したバークレイズ・プレミアリーグ「チェルシーFC」のロゴを刻印した「BluEarth-A CHELSEA FC EDITION(ブルーアース・エース・チェルシー・エフシー・エディション)」なども展示しました。

 

⑤新型クライスラー「パシフィカ」に新車装着

平成28年2月からクライスラーブランドの車両を生産する FCA US LLC. (Fiat Chrysler Automobiles)の新型ミニバンであるクライスラー「パシフィカ」の新車装着用(OE)タイヤとして、「AVID S34(エイビッド・エスサンヨン)」の納入を開始しました。
 「AVID S34」は、北米市場で販売している乗用車用オールシーズンタイヤである「AVID」に「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした横浜ゴムのグローバルタイヤブランド「BluEarth」の基盤設計や材料技術を投入して開発しており、優れた走行性能と安全性能を実現しながら低燃費性能も高めております。

 

2)MB事業

MB事業においては、お客様の満足と環境への貢献を念頭に置いて、幅広い産業分野での高機能新商品の開発と、新規事業を目指した技術開発を積極的に行っており、以下のような活動をしました。

当第1四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、7億4百万円であります。

①ホース配管事業

環境貢献商品の開発における取り組みとして、将来の燃料電池車の普及に備えた水素ステーション機器用の高圧水素用樹脂ホースを水素ステーションに継続的に納入しており、市場実績の積み上げと共に水素社会の普及に貢献していきます。
 実用化に向けた昇圧仕様の82MPa及び87.5MPa用についても、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託業務を継続しており、耐久性向上に向けた開発を進めております。

 

②工業資材事業

・イタリアのマリンホース生産販売子会社が国際規格の認証を取得し「Seaflex」の生産・販売を開始

工業資材事業の主力商品の一つであるマリンホース「Seaflex(シーフレックス)」は、その品質と信頼性が市場から高く評価され、55 年以上にわたり原油荷役で主要な役割を担っています。当社では市場でより確固たる地位を確立するため、平成26年12月、アメリカ石油協会(API)が発行する規格「API Specification Q1 9th Edition」(=API Spec Q1)の認証を取得しました。同規格は歴史が古く、石油業界における世界的権威となっており、石油、石油化学、天然ガスに関わる産業で事業を行う組織の品質マネジメントシステム(生産現場におけるリスクアセスメントや変更管理など)に関し厳しく定められているものです。
 また、当社のマリンホース生産・販売を行うヨコハマ工業品イタリア(Yokohama Industrial Products Italy S.r.l.)が、「Seaflex(シーフレックス)」ブランドのマリンホースにて石油会社国際海事評議会(OCIMF)が制定する「GMPHOM2009」の型式認定を取得し、平成28年上期より生産・販売を開始する予定です。これにより、為替変動リスクが低減され競争力が高まるため、アフリカ・中東地域での販売強化が図れます。
 当社は、これらの認証取得を契機に積極的な営業活動を展開し、マリンホースのトップメーカーとしてのブランド力強化及びシェア向上を図ります。

 

 

・新型道路ジョイント「YHT-N」型が首都高速1号羽田線で採用

当社の道路橋用伸縮装置(道路ジョイント)は、全てのタイプにおいて内部の伸縮止水ゴムと側板を一体化させる加硫接着構造を採用しているため、長期にわたり信頼性の高い止水性能を維持することができるのが特徴です。
 また、「YHT-N(ワイ・エッチ・ティー・エヌ)」タイプは、伸縮止水用ゴム部分の厚みをさらに増すことで機械的損傷への耐性を強化するとともに、道路ジョイント装置内部を全てゴムで覆う被覆構造とし、鋼材部の露出を極力なくすことで本体内部の腐食を防ぎ、より長期にわたって性能確保することが可能です(特許出願済)。
 今般、首都高速道路株式会社の採用条件となる騒音・振動試験を当社のタイヤテストコース「D-PARC」にて実施し、その結果首都高速道路株式会社から認定され、首都高速1号羽田線での採用に至りました。

 

上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品にかかる研究開発費が 77百万円あります。