第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある以下の事項が発生しております。
 なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
 

(ヨコハマタイヤ フィリピン INC. における火災事故)

平成29年5月14日に当社の連結子会社である「ヨコハマタイヤ フィリピン INC.(YOKOHAMA TIRE PHILIPPINES, INC.)」において火災事故が発生しました。当社は今後、当該海外生産拠点の早期復旧を目指してまいりますが、復旧におけるコストが想定以上に増加した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を受ける可能性があります。
 

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
 

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 業績の状況

海外生産拠点である「ヨコハマタイヤ フィリピン INC.(YOKOHAMA TIRE PHILIPPINES, INC.)」において、平成29年5月14日に発生した火災につきましては、地域の皆様をはじめ、お客様、行政及び関係各方面に多大なるご迷惑、ご心配をおかけいたしましたことをあらためて深くお詫び申しあげます。
 早期の復旧に向けて、全社一丸となって真摯に取り組んでまいります。

 

当第2四半期連結累計期間(平成29年1月1日~平成29年6月30日)における当社グループをとり巻く環境は、国内では、個人消費の回復及び輸出の増加など企業活動の持ち直しが続き、景気は緩やかに回復しました。
 一方、海外においても、米国では引き続き良好な個人消費等による景気回復が持続しており、また、欧州でも英国に先行き不透明感が残るものの、総じて緩やかな回復が継続しました。
 加えて、中国でも、昨年からの経済対策等により景気は底堅く推移しています。
 国内のタイヤ業界においては、新車用タイヤ、市販用タイヤ共に前年を上回るなど好調に推移しました。

こうした状況の中、当社グループは、販売力の強化、業務の効率化、コスト削減、タイヤのメーカー出荷価格改定などに取り組み、当第2四半期連結累計期間の連結売上高は3,108億37百万円(前年同期比15.9%増)となりました。
 また、連結営業利益は、183億51百万円(前年同期比16.8%増)となり、連結経常利益は189億80百万円(前年同期比53.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は114億22百万円(前年同期比38.7%増)となりました。
 なお、火災による固定資産やたな卸資産の滅失損失及び異常操業損失等の損失金額は、当第2四半期連結累計期間(平成29年1月1日から平成29年6月30日まで)においては特別損失に22億円を計上しており、通期の連結業績においては50億円程度を見込んでおります。
 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

① タイヤ

売上高は、2,214億58百万円(前年同期比6.4%増)で、当社の総売上高の71.2%を占めております。

新車用タイヤの販売は堅調で、特に、北米、中国において、好調に推移しました。
 市販用タイヤの販売では、国内においては、グローバル・フラッグシップブランド「ADVAN(アドバン)」シリーズのハイパフォーマンス・スポーティー・タイヤ「ADVAN FLEVA V701(アドバン・フレバ・ブイナナマルイチ)」、ミニバン専用タイヤ「BluEarth RV-02(ブルーアース・アールブイ・ゼロツー)」の新サイズ追加など、高付加価値商品の販売を中心に好調で、販売量、売上高ともに前年を上回りました。
 また、海外でも、北米、欧州、ロシアを中心に好調に推移しました。

 

② MB(マルチプル・ビジネスの略)

売上高は、550億47百万円(前年同期比2.3%減)で、当社の総売上高の17.7%を占めております。

ホース配管事業は、中国及び国内での建機市場の回復等により、売上高は前年同期を上回りました。
 工業資材事業では、海外でのコンベヤベルトの販売は好調でしたが、海洋商品が低調で、売上高は前年を下回りました。
 ハマタイト・電材事業は、海外における自動車用接着剤等の販売が好調で、売上高は前年同期を上回りました。
 航空部品事業では、民間航空機向けが低調で、売上高は前年同期を下回りました。

 

③ ATG

売上高は、303億46百万円で、当社の総売上高の9.8%を占めております。

農業機械用・産業車両用タイヤを始めとするオフハイウェイタイヤは、穀物価格の下落等による農業用機械の需要低迷が続いているものの、一部に回復の兆しも見られ、新車用タイヤ、市販用タイヤの売上高は、想定どおりに推移しました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、461億91百万円となり、前連結会計年度末に比べて85億93百万円の減少となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加は192億33百万円(前年同期比153億75百万円の収入減少)となりました。

これは、主として税金等調整前四半期純利益の計上や、売上債権の回収によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は185億72百万円(前年同期比30億85百万円の支出増加)となりました。
 これは、主として有形固定資産の取得に係わる支出によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金の減少は89億89百万円(前年同期比138億86百万円の収入増加)となりました。
 これは、主として長期借入金の減少によるものです。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。

 

 

(4) 研究開発活動

当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB、ATG及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。

当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、75億87百万円であります。

当社研究本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。
 研究本部の当第2四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、6億29百万円であります。

 

当第2四半期連結累計期間におけるセグメントごとの研究開発活動の重要な変更は、次のとおりであります。

1)タイヤ

グローバル市場における独自の存在感の確立及び高付加価値商品のグローバル展開を目標とし、以下のような活動をしました。

当第2四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、53億51百万円であります。

①新型「トヨタ ヴィッツ」、「SUBARU XV」及び「マツダ CX-5」に新車装着

・平成29年1月からトヨタ自動車株式会社が発売し、日本、オーストラリア及びニュージーランドで販売の新型「ヴィッツ」の新車装着用(OE)タイヤとして「YOKOHAMA dB E70(ヨコハマ・デシベル・イーナナマル)」、「BluEarth E70(ブルーアース・イーナナマル)」及び「S73(エスナナサン)」を納入開始しました。

 また、平成29年5月に株式会社SUBARUが国内で発売した新型「SUBARU XV」の新車装着(OE)用タイヤとして「BluEarth E70」を納入開始しました。

 「YOKOHAMA dB E70」は、静粛性にプライオリティを置いて開発しており、ハイレベルな静粛性に加え、優れた走行安定性、高い剛性、快適な乗心地を実現させたほか、低燃費性能も追求しています。
「BluEarth E70」及び「S73」は、「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした横浜ゴムのグローバルタイヤブランド「BluEarth」の基盤設計や材料技術 を採用し、低燃費性能を高めながら安全性能と快適性能をバランスさせた乗用車用サマータイヤです。

・平成29年2月にマツダ株式会社が発売したクロスオーバーSUVの新型「マツダ CX-5」の新車装着(OE)用タイヤとして「GEOLANDAR G98(ジオランダー・ジー・キューハチ)」」の納入を開始しました。
「GEOLANDAR G98」は、SUV用タイヤ「GEOLANDAR」に「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした横浜ゴムのグローバルタイヤブランド「BluEarth」の基盤設計や材料技術を採用し、低燃費性能を高めながら、高級SUVに相応しい走行性能や安全性能、快適性能をバランスさせたタイヤです。

 

②ハイパフォーマンス・スポーティー・タイヤ「ADVAN FLEVA V701」に15サイズを追加

平成29年3月、「楽しいハンドリング」をテーマに開発された「ADVAN」の新たなハイパフォーマンス・スポーティー・タイヤ「ADVAN FLEVA V701(アドバン・フレバ・ブイナナマルイチ)」に15の新サイズを追加拡充し、スポーツカーをはじめ、コンパクトカーからミドルセダン、インチアップユーザーからのニーズに幅広く対応する全39サイズの商品となりました。
 「ADVAN」の“走る歓び”をより多くのドライバーに提供することを開発のコンセプトとして、通常の市街地での街乗りやワインディングロード、高速道路などの様々なシーンでスポーティーなハンドリングをドライバーに提供します。
 さらに、全39サイズについて、国内タイヤラベリング制度におけるウェットグリップ性能で最高グレード「a」を獲得しており、雨の日のドライビングでの安心感を確保しています。

 

③ハイト系コンパクトカー・軽自動車向けタイヤ「BluEarth RV-02CK」を発売

平成29年3月、ハイト系コンパクトカー及び軽自動車向け専用商品となる「BluEarth RV-02CK(ブルーアース・アールブイ・ゼロツー・シーケー)」を日本で発売しました。
 ハイト系のコンパクトカーや軽自動車は、装備などの充実化にともない、従来より車高は高く、重量は重くなってきており、タイヤの「しっかり感」を求めるお客様が増えています。
 「BluEarth RV-02CK」は、「低燃費で雨に強い」をコンセプトに「背の高い車や重量の重い車で起こりがちなふらつきと偏摩耗の抑制」と「優れた静粛性」を発揮するミニバン専用タイヤ「BluEarth RV02(ブルーアース・アールブイ・ゼロツー)」をベースに開発し、パターンデザインの最適化などにより、お客様のニーズに対応しているほか、国内タイヤラベリング制度では、転がり抵抗性能は「A」を獲得。またウェットグリップ性能は「b」にランクされます。
 また、「BluEarth RV-02」は、3月から発売するクロスオーバーSUV向けの新サイズを含めると、全35サイズの商品となり、Lクラスミニバンからハイト系軽自動車までを幅広くカバーします。

 

④タクシー用タイヤ「TAXI TOURING 898」を発売

平成29年4月からタクシー用タイヤの新商品「TAXI TOURING 898(タクシー・ツーリング・ハチキューハチ)」を発売しました。
 「TAXI TOURING 898」は、タクシー用タイヤに求められる耐摩耗性能とグリップ性能を両立させる新しいトレッドパターンと専用コンパウンドを採用しました。さらに、アーチ型の断面形状を持つ「マウンド・プロファイル」を搭載し、ブロックの接地圧をきめ細かくコントロールすることで偏摩耗を抑制し、低燃費性能にも配慮しています。

 

⑤世界初、ゴムとスチールコードの接着劣化を3次元で解析する技術を開発。

東北大学多元物質科学研究所内の陣内研究室と株式会社日立ハイテクノロジーズが共同で、タイヤ内のゴムとスチールコードの接着劣化を3次元で解析する技術を世界で初めて開発しました。同技術により、接着劣化しにくい材料配合や新素材などの研究が可能となり、耐久性を大幅に高めた高品質タイヤの開発などを期待することができます。
 タイヤの補強材として使用されるスチールベルトは、ゴムとスチールコードを接着してベルト状にしたもので、ゴムとスチールコードの接着保持力は、タイヤの耐久性において極めて重要となります。これまでも接着界面を解析する研究が行われてきましたが、2次元の解析では、タイヤが劣化した後の接着界面の正確な把握が困難だったため、タイヤの開発には十分に活かされていませんでした。
 今般、集束イオンビーム(FIB)による数ナノメートル単位での接着界面の断面作製と走査型電子顕微鏡(SEM)による断面画像収集を自動で繰り返し、接着界面の3次元構造を構築できる株式会社日立ハイテクノロジーズの最新のリアルタイム3DアナリティカルFIB-SEM複合装置「NX9000」を活用し、これに陣内研究室が開発した画像処理技術を組み合わせることにより、劣化した接着界面の正確な把握と劣化によって発生する元素レベルでの組成変化を解析することに成功し、平成29年5月に開催された日本ゴム協会の「2017年年次大会」及び「第66回高分子学会年次大会」で発表しました。
 今後はさらに研究を進め、乗用車用タイヤはもちろん、より過酷な条件下で使用されるトラック・バス用タイヤやOR(オフ・ザ・ロード)タイヤの開発でも同技術を活用していくほか、ゴムとスチールコードの接着部材を使用しているタイヤ以外の商品(コンベヤベルトなど)への応用も検討していきます。

 

⑥ADVANレーシングタイヤ装着車が「SUPER GT 2017開幕戦 GT300クラス」で優勝

平成29年4月、岡山国際サーキット(岡山県)で開催された「SUPER GT 2017シリーズ開幕戦 GT300クラス」で「ADVAN」レーシングタイヤを装着した「グッドスマイル 初音ミクAMG」が優勝しました。
 「ADVAN」レーシングタイヤ装着車は、昨シリーズのGT300クラスでシリーズチャンピオンを獲得しており、2年連続チャンピオンに向けて好スタートを切りました。

 

2)MB

お客様の満足と環境への貢献を念頭に置いて、幅広い産業分野での高機能新商品の開発と、新規事業を目指した技術開発を積極的に行っており、以下のような活動をしました。

当第2四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、13億21百万円であります。

①ホース配管事業

高圧ホースは、建設機械、産業機械、船舶や港湾設備向けの油圧機器用に幅広く使用されております。このうち、船舶や港湾設備で使用される高圧ホースは、各国または国際的な船級協会の認証を取得する必要があります。このため、すでに米国のSAE規格あるいは欧州のEN規格適合品として建設機械、産業機械向けを中心に海外販売を行っている「SAE100R1S」及び「SAE100R2S」について、さらなる市場拡大を狙い、DNV GL(ノルウェー・ドイツ船級協会)の船級認証を取得しました。
 また、海外販売を開始した高圧ホース「Versatran(バーサトラン)」についても、近くDNV GLの船級認証の取得を計画しており、海外販売をより一層強化します。

 

3)ATG

革新、技術、低コスト生産により、商品のライフサイクルを通じて最も安いコストで最高の価値をお客様に提供するべく以下のような活動をしました。

当第2四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、1億22百万円であります。

①各種農機具展示会への出展

平成29年2月から3月にかけては、欧州最大級の農業機械展示イベントであるSIMA(シマ)、世界最大規模の建設機械展示イベントであるCONEXPO(コネクスポ)などの展示会へ出展しました。
 また、平成29年5月から6月にかけては、中近東最大の国際自動車アフターマーケット展示会であるAUTOMECHANIKA Dubai(オートメカニカ ドバイ)、世界最大級の林業機械展であるElmia Wood(エルミア・ウッド)など、様々な農業機械、建設機械、林業機械の展示会へ出展し、ATG製品を理解していただく場を設けました。

 

②新商品の発売

多くの商品を市場に投入し、販売拡大に努めております。当第2四半期連結累計期間において発売した商品は主に次のものとなります。

[ALLIANCEブランド]

・337 DEEP LUG(337 ディープ ラグ):

水田等走行時に求められるトラクション性能およびセルフクリーニング性能を兼ね備え、オン&オフ問わず乗り心地も快適なトラクター用バイアスタイヤ(平成29年2月発売)

・374 AGRI-STAR(374 アグリ スター):

段状のラグにより、水田やサトウキビ畑等にて求められるトラクション、グリップ性能を実現し、セルフクリーニング性能にも優れるトラクター用ラジアルタイヤ(平成29年3月発売)

・AGRIFLEX+ 389(アグリフレックスプラス 389):

一般的なフローテーションタイヤと比べて空気圧が30%低い状態での走行を可能にしたことにより、接地面を拡げ、土壌への接地圧を低減した農業トレーラー用VFフローテーションラジアルタイヤ(平成29年5月発売)

[GALAXYブランド]

・MIGHTY MOW - TS(マイティー モウ - ティーエス):

接地面積を最適化したトレッドパターンにより、芝生へのダメージを軽減すると同時に高い磨耗性能を実現した芝刈り機用バイアスタイヤ(平成29年4月発売)

 

上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品にかかる研究開発費が1億61百万円あります。