第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

 

 

前第1四半期
連結累計期間

当第1四半期
連結累計期間

増減率

 

百万円

百万円

売上収益

145,789

149,157

2.3

 

タイヤ

103,228

104,195

0.9

 

MB

25,968

26,301

1.3

 

ATG

14,898

16,896

13.4

 

その他

1,696

1,764

4.0

事業利益

10,802

11,694

8.3

 

タイヤ

7,532

8,040

6.7

 

MB

1,352

1,655

22.4

 

ATG

1,745

1,908

9.4

 

その他

200

81

△59.2

 

調整額

△26

9

営業利益

11,034

14,066

27.5

税引前四半期利益

10,738

12,929

20.4

親会社の所有者に

帰属する四半期利益

7,909

9,335

18.0

 

(注)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。

 

当第1四半期連結累計期間(2018年1月1日~2018年3月31日)における当社グループをとり巻く環境は、国内では、雇用所得環境及び個人消費の改善等により景気は緩やかに回復しました。

また、海外においては、米国の通商政策に端を発した世界的な貿易摩擦リスクが懸念されるものの、米国では良好な雇用・所得環境を背景に景気回復が継続しており、欧州、中国でも景気は底堅く推移しました。

一方、国内のタイヤ業界においては、新車用タイヤは前年を下回りましたが、市販用タイヤは、前年を上回りました。

こうした状況の中、当社グループは、中期経営計画GD2020に基づいた成長戦略と経営基盤強化に取り組んだ結果、当第1四半期連結累計期間の連結売上収益は過去最高の1,491億57百万円前年同期比2.3%増)となり、利益面では、連結事業利益が116億94百万円前年同期比8.3%増)、連結営業利益が140億66百万円前年同期比27.5%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は93億35百万円前年同期比18.0%増)となりました。

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

① タイヤ

売上収益は1,041億95百万円前年同期比0.9%増)で、当社の総売上収益の69.9%を占めております。

新車用タイヤの販売は、中国を含めアジアが好調で、売上収益は前年同期を上回りました。

また、市販用タイヤの販売は、国内では、冬季の降雪が多かったこともあり、今冬販売したスタッドレスタイヤの新商品「iceGUARD 6(アイスガード シックス)」を中心に冬用タイヤが好調でしたが、海外においては、一部地域において比較対象となる前年同期に値上げ実施前の一時的な販売増加があったこともあり、売上収益は前年同期を下回りました。

 

 

② MB(マルチプル・ビジネスの略)

売上収益は263億1百万円前年同期比1.3%増)で、当社の総売上収益の17.6%を占めております。

ホース配管事業は、国内外の建機需要が旺盛だったことに加え、自動車用ホース配管事業が好調だったことにより、売上収益は前年同期を上回りました。
 工業資材事業では、国内外でコンベヤベルトの販売が好調だったほか、海洋商品が回復傾向であったことから、売上収益は前年同期を上回りました。
 一方、ハマタイト・電材事業及び航空部品事業では、売上収益は前年同期を下回りました。

 

③ ATG

売上収益は168億96百万円前年同期比13.4%増)で、当社の総売上収益の11.3%を占めております。

農業機械用・産業車両用タイヤを始めとするオフハイウェイタイヤは、農業機械の需要が回復傾向にあることから、新車用タイヤの販売が好調で、売上収益が前年同期を上回りました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、473億64百万円となり、前連結会計年度末に比べて109億41百万円の減少となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加は138億25百万円(前年同期比155億91百万円の収入増加)となりました。

これは、主として売上債権の回収や、税引前四半期利益の計上によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は83億62百万円(前年同期比17億84百万円の支出減少)となりました。
 これは、主として有形固定資産の取得によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間における財務活動による資金の減少は145億11百万円(前年同期比195億35百万円の支出増加)となりました。
 これは、主として長期借入金の返済や、配当金の支払によるものです。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。

 

 

(4) 研究開発活動

当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB、ATG及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。

当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、37億2百万円であります。

当社研究本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。
 研究開発費の金額は、2億63百万円であります。

 

当第1四半期連結累計期間におけるセグメントごとの研究開発活動の重要な変更は、次のとおりであります。

1)タイヤ

グローバル市場における独自の存在感の確立及び高付加価値商品のグローバル展開を目標とし、以下のような活動をしました。

当第1四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、26億81百万円であります。

①JAF指定のレーシングカート用タイヤ「ADVAN SLJ」を発売

2018年1月から、JAF(日本自動車連盟)指定タイヤ規則に適合したレーシングカート用タイヤ「ADVAN SLJ(アドバン・エスエルジェイ)(名称:ADJ)」を発売しました。「ADJ」はカデットクラス向けドライタイヤで、従来品の「ADVAN SLJ(名称:AAJ)」をベースに寸法の見直しなどを行い、2017年に施行された新たなJAF指定タイヤ規則の摩耗基準をクリアする耐久性と優れた操縦安定性を実現しました。

 

②世界トップクラスのプレミアムカーメーカーの技術承認を取得

グローバル・フラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V105(アドバン・スポーツ・ブイイチマルゴ)」が独・BMW社の新型「X3」に新車装着されました。「ADVAN Sport V105」は世界有数のハイパフォーマンスカーに数多く新車装着されておりますが、当社がBMW社へ新車向けタイヤを納入するのは今回が初めてとなります。
 「ADVAN Sport V105」は、横浜ゴムのハイパワー・プレミアムカー向け高性能タイヤで、高いドライビングパフォーマンスを発揮するとともに、優れた快適性や安全性を高次元でバランスさせており、今回新車装着されたタイヤはBMW社と共同開発したもので、タイヤサイドには同社の承認を示す★印(スターマーク)が刻印されています。
 また、世界トップレベルのレースへ参戦するBMW社に対し、高性能レーシングタイヤを供給しておりますが、世界ツーリングカー選手権の初代チャンピオン(1987年)、欧州ツーリングカー選手権チャンピオン(1988年)のほか、世界的耐久レースであるニュルブルクリンク24時間とスパ・フランコルシャン24時間において計5回の優勝を獲得するなどの輝かしい戦績を残しています。
 国内では、全日本ツーリングカー選手権クラス3の初代チャンピオン(1985年)、2011年のSUPER GTのGT300クラスにおいてシリーズチャンピオンを獲得しています。

 

③耐摩耗性能重視型トラック・バス用オールシーズンタイヤ「710R」新発売

2018年3月、耐摩耗性能重視型トラック・バス用オールシーズンタイヤの新商品「710R(ナナイチマル・アール)」を発売しました。「710R」は、耐摩耗性能と耐偏摩耗性能を大幅に向上させることによって、輸送業経営者の求める経済性を追求しつつ、多くのドライバーが不安を抱える空荷時の安全性の改善を目指して開発されました。新開発の専用パターンを採用したワイドトレッドデザインにより耐摩耗性能を向上し、互い違いにブロックを配置した千鳥ブロックレイアウトや「Z」型のブロックを交差配置したセンター「Z」ブロックが偏摩耗を抑制します。さらに、ワイドセンターブロックとワイドセンターグルーブが空荷時のグリップ力と排水性の向上に貢献します。

 

また、コンパウンドには耐摩耗性能に優れるポリマーとウェット性能に貢献するシリカを配合し、さらに新C’ROLL製法(C’ROLLはCOLD&ROLLの略。従来、高温下で行われていたゴムのミキシングを、低温でさらにロールを使用して丹念に練ることで、ゴムの分子切断を抑制し、補強剤であるカーボンをより均一に分散できる製法)を採用することにより従来品の「ZEN 701ZE(ゼン・ナナマルイチ・ゼットイー)」)に比べ耐摩耗性能を20%以上(※)向上、空荷時ウェット発進スリップ性能を57%(※)改善したほか、ウェット制動性能や雪上性能も従来品同等レベル以上を確保しています。
 ※性能データについてはタイヤ公正取引協議会に届け出てあります。

 

④ラリー・ダートトライアル用ラジアルタイヤ「ADVAN A053」に新サイズを追加

2018年3月、ラリー・ダートトライアル用ラジアルタイヤ「ADVAN A053(アドバン・エイ・ゼロゴーサン)」に新サイズを追加し、全4サイズとなりました。同商品は左輪用と右輪用で異なるパターンを採用しており、硬く締まった路面から柔らかい土質まで様々に変化するグラベルステージに対応すると共に、ハイスピードな道はもちろん、低中速コーナーでも高いトラクション性能を発揮します。
 同商品は日本のラリー、ダートトライアルの最高峰である全日本ラリー選手権のグラベル路面や、全日本ダートトライアル選手権でも使用されており、2016年の全日本ラリー選手権ではJN5とJN2でシリーズチャンピオンに、2017年にはJN2クラスで2連覇を達成したほか、全日本ダートトライアル選手権では2016年に4クラス、2017年に3クラスでシリーズチャンピオンを獲得しております。 

 

2)MB

お客様の満足と環境への貢献を念頭に置いて、幅広い産業分野での高機能新商品の開発と、新規事業を目指した技術開発を積極的に行っており、以下のような活動をしました。

当第1四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、6億7百万円であります。

①工業資材事業

・超大型防舷材

空気式防舷材は、船舶の接岸または接舷時における船体及び岸壁の損傷防止を目的として、船と船、船と岸壁の間に浮かせて使用する空気を内包したゴム製の緩衝材で、1958年に世界で初めて生産販売を開始した空気式防舷材は、洋上で原油やLPGなどを移送する2船体間荷役において欠かせない製品となっております。
 2017年12月、当社は、世界最大となる直径6mの超大型防舷材を開発いたしました。同商品は洋上にてLNG(液化天然ガス)の液化・貯蔵・出荷を行うLNG-FPSO(Floating Production, Storage and Off-loading system:浮体式生産貯蔵積出設備)からLNGタンカーへの荷役の際に使用され、LNG-FPSOは、近年のLNG需要の高まりを受けて増加が見込まれております。LNG-FPSOでは約-160℃のLNGをLNGタンカーへ安全かつ効率的に荷役しなければならず、今回開発した超大型防舷材は、従来の防舷材に比べLNG荷役中にLNG-FPSO とLNGタンカーの距離を広く保つことができるため、より安全な荷役を実現できます。また、大型海洋構造物など海洋工事分野での活用も期待されております。

・縦型空気式防舷材新型口金具

空気式防舷材は、船舶の接岸または接舷時における船体及び岸壁の損傷防止を目的として、船と船、船と岸壁の間に浮かせて使用する空気を内包したゴム製の緩衝材で、縦型空気式防舷材は、海中に船体やその一部が深く沈み込んでいる艦船で使用されます。2018年1月、弊社は、縦型空気式防舷材に取り付けたままの状態で安全弁の検査が行える新型口金具を開発、販売を開始いたしました。
 空気式防舷材には、過剰に圧縮された際に内圧の上昇による破裂を防ぐため内部の空気を放出する安全弁が取り付けられております。従来、安全弁の検査は空気式防舷材をクレーンなどで陸揚げし、空気を抜くなどした後、口金具ごと安全弁を取り外して行う必要があり、多大なコストがかかる問題を有していました。これに対し、新開発の口金具は、安全弁検査用の圧力容器を口金具背面に設置し、手動バルブを閉じることで防舷材本体と口金具の間の空気の通り道を遮断し、防舷材本体を密閉状態にできる構造といたしました。これにより防舷材を陸揚げすることなく安全弁の検査が可能となり、メンテナンスコストの大幅削減につなげることができます。

 

・インドネシアの海洋商品生産販売子会社がマリンホースの国際型式認証を取得

海洋商品の生産を行う当社の子会社、横浜工業品製造インドネシア(PT Yokohama Industrial Products
Manufacturing Indonesia)は、原油・石油製品の海上移送に使用する「Seaflex(シーフレックス)」ブランドのマリンホースに関し、石油会社国際海事評議会(OCIMF)が制定する「GMPHOM2009」の型式認証を2017年8月、全モデルで取得しております。マリンホースの「GMPHOM2009」の型式認証は、すでに日本の平塚製造所、イタリアのヨコハマ工業品イタリア(Yokohama Industrial Products Italy S.r.l.)で取得しており、今回、横浜工業品製造インドネシアが認証を取得したことで、横浜ゴム海洋商品の全生産拠点で国際型式認証を取得したことになります。

 

②ハマタイト・電材事業

・土間目地用2成分形ポリサルファイド系シーリング材「Hamatite SC-DM2」

「Hamatite SC-DM2」は、従来の2成分形ポリサルファイド系シーリング材よりも硬化が速く、工期の短縮を可能にするとともに、歩行者の安全性に配慮し、ハイヒールなどが目地に刺さることがないよう硬度を高めたほか、当社独自の配合技術を用いることで耐候性や耐油・耐薬品性にも優れた商品となりました。
 また、ホルムアルデヒド放散等級の最高等級であるF☆☆☆☆認定を取得し、安全と環境にも配慮しています。さらに、シーリング材を着色するカラーマスターを「Hamatite SC-MS2NB/SUPERⅡ」、「Hamatite SC-PS2」と共通化することにより、製品在庫管理を容易にするとともに、主剤の包装容器にテーパー缶を採用し、使用後に積み重ねることで省スペース化を考慮した仕様にしております。今回新たに土間目地用商品をラインアップしたことでさらなる販売強化を図ります。

 

3)ATG

革新、技術、低コスト生産により、商品のライフサイクルを通じて最も安いコストで最高の価値をお客様に提供するべく以下のような活動をしました。

当第1四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、66百万円であります。

①各種農機具展示会への出展

2018年1月から3月にかけては、世界最大級の屋外農業機械展示イベントであるWorld Ag Expo(ワールド アグ エクスポ)や南欧における主要な農業機械展示イベントであるFIMA(フィマ)などの展示会へ出展しました。

 

②新商品の発売

多くの商品を市場に投入し、販売拡大に努めております。当第1四半期に発売した商品は主に次のものとなります。

[ALLIANCEブランド]

・Super Soft 802(スーパー ソフト 802):

様々な農業機械や産業車両において優れたパフォーマンスを提供し、特に牽引タイプのインプルメントに最適なバイアスタイヤ (2018年2月発売)

・Trailer 448(トレイラー 448):

非方向性パターン、広い接地面積、耐磨耗性コンパウンドにより優れた操作性、安定性ならびに抜群の耐久性を発揮すると同時に、転がり抵抗を低減しつつ高いトラクション性を実現することによって全世界のユーザーの生産性改善に寄与するトレイラー用バイアスタイヤ(2018年2月発売)

 

 

[GALAXYブランド]

・YM SDS(ワイエム エスディーエス):

特別に開発した構造やコンパウンドによって、倉庫や店舗の厳しい使用条件における耐久性を向上させたソリッド(プレスオンバンド)タイヤで、当商品の発売により、ATGのフォークリフト用タイヤのフルラインナップ化が完了しました。 (2018年1月発売)

※プレスオンバンドタイヤ:ソリッドタイヤは、金属製のベースバンドにゴムないしはウレタンを加硫接着したタイヤで、主としてリーチ式フォークリフトに装着されます。

・Flotation(フローテーション):

特殊な構造により、高負荷かつ過酷な使用条件に耐え、低い空気圧によってオン&オフ問わず土壌接地圧及び転がり抵抗を低減し、独自のトレッドパターンでセルフクリーニング性にも優れたバイアスフローテーションタイヤ(2018年1月発売)

 

上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品にかかる研究開発費が85百万円あります。