第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク (11) 災害等の影響」について、下記の追加すべき事項が生じております。

現下のウクライナ情勢により、ロシアの乗用車用タイヤ生産会社の生産について状況を注視しながら判断する方針ですが、進展状況や対応によっては今後当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 業績の状況

 

前第2四半期
連結累計期間

当第2四半期
連結累計期間

増減率

 

百万円

百万円

売上収益

303,888

391,483

28.8

 

タイヤ

259,249

341,221

31.6

 

MB

40,238

45,148

12.2

 

その他

4,402

5,113

16.2

事業利益

26,322

27,730

5.3

 

タイヤ

23,427

26,393

12.7

 

MB

2,110

1,003

△52.4

 

その他

754

311

△58.7

 

調整額

32

22

営業利益

48,649

26,944

△44.6

税引前四半期利益

50,406

34,037

△32.5

親会社の所有者に

帰属する四半期利益

36,933

23,307

△36.9

 

(注)1.事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。

2.前第2四半期連結累計期間の売上収益、事業利益、営業利益、税引前四半期利益に関しましては、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しております。

 

当第2四半期連結累計期間(2022年1月1日~2022年6月30日)における当社グループをとり巻く環境は、国内では、資源価格の上昇に伴う原材料コストの増加に加え、中国のゼロコロナ政策によるサプライチェーンの停滞などにより、景況感が下押ししているものの、世界経済の回復を背景に、持ち直しの動きがみられます。

一方、海外においては、米国はウクライナ危機の影響で食品・エネルギー価格が上昇したことに加えて、サービス価格の上昇を主因としたインフレが続いており、製造業に弱含みの兆しが見られます。中国は6月に入ってから上海市をはじめ多くの都市で工場の操業が再開し、景気は最悪期を脱しつつあります。欧州は対ロシア貿易取引の縮小や原油・天然ガス価格の高止まりなどが経済を下押しし、景気回復ペースは緩やかとなっております。

こうした状況の中、当社グループは、既存事業における強みの「深化」と、大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進し、次世代の成長に向けた「変革」を図ることを位置づけた、中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」に取り組んでおり、当第2四半期連結累計期間の連結売上収益は3,914億83百万円前年同期比28.8%増)、利益面では、連結事業利益は277億30百万円前年同期比5.3%増)、連結営業利益は269億44百万円前年同期比44.6%減)、また、親会社の所有者に帰属する四半期利益は233億7百万円前年同期比36.9%減)となりました。

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

なお、前連結会計年度において、タイヤ生産財戦略の一環として当社のオフハイウェイタイヤ(OHT)事業とグループ会社であるATG(アライアンスタイヤグループ)を対象とし、「Yokohama Off-Highway Tires」(YOHT)を冠する新組織を立ち上げ、新たな経営管理体制での運営を開始しました。

 今後の更なる事業拡大を図るにあたり、顧客及び製品特性の類似性等を勘案した結果、第1四半期連結累計期間より、従来、事業セグメントとしていた「タイヤ」「MB」「ATG」のうち、「ATG」につきまして名称を「YOHT」に変更するとともに、「タイヤ」に集約しております。これにより、報告セグメントにつきましては「タイヤ」「MB」に変更しております。

 

① タイヤ

売上収益は3,412億21百万円前年同期比31.6%増)で、当社グループの連結売上収益の87.2%を占めており、事業利益は263億93百万円前年同期比12.7%増)となりました。

新車用タイヤは、世界的な半導体不足による生産調整の影響を受けたほか、中国でのロックダウンの影響を受けたものの、北米、中国などで新規車種を獲得したほか、為替円安の影響も寄与し、売上収益は前年同期を上回りました。

市販用タイヤは、国内での降雪による冬用タイヤの好調や、海外における高付加価値商品の拡販や、旺盛な需要への生産対応に努め、北米や中国・インドなどアジア地域での販売も伸ばし、売上収益は前年同期を上回りました。

YOHTは、農業機械用・産業車両用タイヤをはじめとするオフハイウェイタイヤはともに好調でした。

 

② MB(マルチプル・ビジネスの略)

売上収益は451億48百万円前年同期比12.2%増)で、当社グループの連結売上収益の11.5%を占めており、事業利益は原材料価格の高騰や米国での労働需給逼迫による影響などにより、10億3百万円前年同期比52.4%減)となりました。

ホース配管事業は、国内外での建機向け油圧ホース販売が好調で、売上収益は前年同期を上回りました。

工業資材事業は、コンベヤベルトの国内販売が好調に推移したほか、航空部品も民間航空機向けの補用品需要回復により、売上収益は前年同期を上回りました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、717億55百万円となり、前連結会計年度末に比べて292億32百万円の増加となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加は82億60百万円(前年同期比243億50百万円の収入減少)となりました。

これは、主として棚卸資産の増加及び法人税等の支払額の増加によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は248億26百万円(前年同期比289億3百万円の支出増加)となりました。
 これは、主として有形固定資産の取得による支出の増加及び有形固定資産の売却による収入の減少によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金の増加は365億26百万円(前年同期比700億30百万円の収入増加)となりました。
 これは、主として有利子負債の増加によるものです。

 

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究先行開発本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。

当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、79億96百万円であります。

 

当社研究先行開発本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。
  研究先行開発本部の当第2四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、4億73百万円であります。

 

・炭素資源循環型の合成ゴム基幹化学品製造技術の開発がNEDOグリーンイノベーション基金事業に採択

当社と日本ゼオン㈱が実施する「炭素資源循環型の合成ゴム基幹化学品製造技術の開発」が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」として採択されました。

グリーンイノベーション基金事業は、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という国が掲げた目標の達成に向けて、エネルギー・産業部門の構造転換や、大胆な投資によるイノベーションの加速を目指して、経済産業省により設置された制度です。この目標に経営課題として取り組む企業等に対して、10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援するものです。

本実証事業では、使用済タイヤやバイオマスなどの再生可能炭素資源から、炭素資源循環型の合成ゴム基幹化学品であるブタジエン、イソプレンを高い収率で製造する、2つの高度な技術を確立し、2030年代に社会実装することを目指します。これにより、タイヤ・ゴム産業における資源循環性の向上、カーボンニュートラル化に貢献していきます

 

・タクシー事業者向けタイヤソリューションサービスの実証実験を開始

2022年5月より、当社とタイヤ販売子会社である㈱ヨコハマタイヤジャパンは京都タクシー㈱、興進タクシー㈱の協力を得て、タイヤソリューションサービスとして当社が開発したタイヤ空気圧の遠隔監視システム(Tire air Pressure Remote access System=TPRS)の実証実験を開始しました。

「TPRS」はタイヤ内面貼り付け型空気圧センサーが検知したタイヤの空気圧や温度、車両の位置情報を車両管理者やタイヤサービススタッフがリモートで把握することができるシステムで、タイヤ空気圧の始業前点検の大幅な省力化および空気圧情報の記録化、タイヤの空気が徐々に抜けるスローパンクチャーの早期発見、タイヤメンテナンスの適切な実施、点検のバラツキ防止、リアルタイム異常検知による事故防止、適正空気圧維持による燃費向上などに貢献します。

「TPRS」の実証実験はカンパニーカー向けやカーシェアリング事業者向けとして行ってきましたが、今回同じく厳しいタイヤ管理を求められるタクシー事業者向けの実証実験を行うことにより、安全性や経済性の向上に貢献するビジネスモデルの確立を目指します。

 

・サステナブル資源を用いたゴム材料の研究開発で日本ゴム協会賞を受賞

2022年6月、サステナブル資源を用いたゴム材料の研究開発において、一般社団法人日本ゴム協会の「第34回日本ゴム協会賞」を受賞しました。

本研究開発は国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)との共同研究であり、タイヤ用ゴムをサステナブル資源化するため、トウモロコシやサトウキビなどから作られるバイオエタノール(生物資源)を合成ゴムの材料であるブタジエンに変換する世界最高レベルの高性能な金属酸化物触媒を開発したものです。さらに、同触媒で生成したブタジエンから重合したブタジエンゴムをタイヤのキャップトレッドやサイドウォールに適用したタイヤ試作に成功しました。

なお、今回受賞の対象となった業績は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務として参画した「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」における6年間の研究成果です。

 

当第2四半期連結累計期間におけるセグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。

 

1)タイヤ

既存事業における強みの「深化」と、大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進し「YX2023」の次世代の成長に向けた「変革」を図ることを目標とし以下のような活動をしました。

当第2四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、65億84百万円であります。

 

①ミニバン専用低燃費タイヤ「BluEarth-RV RV03」、コンパクトミニバン・軽ハイトワゴン専用低燃費タイヤ「BluEarth-RV RV03CK」を新発売

2022年2月より低燃費タイヤブランド「BluEarth(ブルーアース)」のミニバン専用タイヤ「BluEarth-RV RV03(ブルーアース・アールブイ・アールブイゼロスリー)」を日本およびアジアにて発売しました。また、コンパクトミニバン・軽ハイトワゴン専用タイヤ「BluEarth-RV RV03CK(ブルーアース・アールブイ・アールブイゼロスリー・シーケー)」を2022年2月より日本で発売しました。

「BluEarth-RV RV03」はミニバン専用の低燃費タイヤで、当社のミニバン専用タイヤとしては7年ぶりの新商品となります。従来品「BluEarth RV-02」から高い評価を得ている国内タイヤラベリング制度のウェットグリップ性能最高グレード「a」と転がり抵抗性能「A」※に加え、優れた耐ふらつき性能や耐偏摩耗性能を踏襲しつつ、新たな付加価値として「さらに長持ち、ますます快適なミニバン専用タイヤ」をコンセプトに耐摩耗性能と静粛性を一段と高めました。

「BluEarth-RV RV03CK」はコンパクトミニバン・軽ハイトワゴン専用の低燃費タイヤで、従来品「BluEarth RV-02CK」の発売から5年ぶりの新商品となります。「BluEarth-RV RV03」同様の性能を追求しつつ、全サイズにおいて従来品のウェットグリップ性能「b」を「a」にグレードアップしました。転がり抵抗性能は「A」を獲得しています。

※:全29サイズ中、7サイズは転がり抵抗性能「AA」を獲得しています。

 

②高性能ストリートスポーツタイヤ「ADVAN NEOVA AD09」を新発売

2022年2月よりストリートスポーツタイヤの新商品「ADVAN NEOVA AD09(アドバン・ネオバ・エイディゼロキュウ)」を日本、アジア、北米地域で発売しました。

「ADVAN NEOVA AD09」は従来品「ADVAN NEOVA AD08R」の後継モデルとして9年ぶりとなる新商品です。「ADVAN NEOVA」シリーズの特長である“一番速く、一番楽しい”を継承しながら、当社商品中最強のストリートタイヤに相応しいドライグリップ、コントロール性、耐摩耗性能のさらなる進化を追求しました。部材から見直し再設計した新構造や強さとしなやかさを追求した新プロファイルにより、YOKOHAMA史上最高レベル※のケーシング剛性を実現しています。また、緻密に最適化した専用の非対称トレッドパターンと粘弾性のバランスを追求した新コンパウンドを採用。これらにより、ラップタイムの短縮が期待できるドライグリップに加え、アマチュアドライバーを助ける優れたコントロール性、サーキット走行でも長く使用できる耐摩耗性能を実現しています。

※ 市販向け夏用タイヤにおける比較です。

 

③グローバルフラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V107」を新発売

2022年3月よりグローバルフラッグシップタイヤの新商品として、ウルトラハイパフォーマンスタイヤ「ADVAN Sport V107(アドバン・スポーツ・ブイイチマルナナ)」を全世界で発売しました。

「ADVAN Sport V107」は「ADVAN Sport V105」の後継モデルとなるグローバルフラッグシップ・ウルトラハイパフォーマンスタイヤです。「プレミアムハイパフォーマンスカー」、「プレミアムハイパフォーマンスSUV」、そして「プレミアムEV」の3つのプレミアムカーカテゴリーをターゲットとし、プレミアムカーメーカーとの共同開発や世界一過酷なテストコースと言われるニュルブルクリンクでのテストで鍛え上げ、すでに昨年よりメルセデスAMGやBMW Mなどのプレミアムカーでもさらに特別なモデルを中心に納入を開始しています。今回この新車用「ADVAN Sport V107」をベースに、市販向けサイズを開発しフルラインアップ化します。

 

④タイヤ内のセンシング波形から摩耗状態を推定する技術を開発

2022年4月、アルプスアルパイン㈱と共同開発中のタイヤ内面貼り付け型センサーから得られるセンシング波形を独自の信号処理技術を用いて解析することで、乗用車用タイヤの摩耗状況を検知する技術を開発しました。

今回、タイヤ内面に貼り付けられたセンサーを通じて、走行中のタイヤの繰り返し変形に応じたセンシング波形を取得し、独自の解析手法を用いることで新品と摩耗品の判別が可能となりました。これにより、タイヤ寿命を伸ばす効果のあるタイヤローテーションや、すり減ったタイヤの交換時期をドライバーや車両管理者に通知することで、経済的・環境的負荷の低減や安全性を考慮したタイヤメンテナンスが可能になります。また、自動運転車両では、タイヤの摩耗状態をドライバーや車両管理者が目視で確認する機会が減ってしまうため、摩耗状態をクラウド経由で見える化することで、モビリティサービスの安全かつ持続的な運行に寄与することができます。

 

<YOHT>

①各種展示会への出展

2022年1月から3月にかけては、世界最大級の屋外農機展であるWORLD AG EXPO(ワールドアグエキスポ)や米国における主要な屋内農機展の一つであるIOWA AG EXPO(アイオワアグエキスポ)への出展、その他各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、製品およびサービスを理解していただく場を設けました。

2022年4月から6月にかけては、メキシコで行われる主要な国際工作機械展Expomaq 2022(エキスポマク2022)への出展、その他各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、製品およびサービスを理解していただく場を設けました。

②新商品の発売

多くの商品を市場に投入し販売拡大に努めており、商品のサイズラインナップ拡充を行いました。

 

2)MB

「成長性・安定性の高いポートフォリオへの変革」をテーマに掲げ、安定収益の確保を目指した技術開発を積極的に行いました。

当第2四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、7億85百万円であります。

 

①工業資材製品へ実装するセンシングシステムのフィールド実証テストを開始

2022年5月、国内外ユーザーの協力を得て、RFID※を内蔵したマリンホースとコンベヤベルトのフィールド実証テストを開始しました。マリンホースでは、内部損傷による内圧変化などを検出可能なRFIDタグを内蔵し、そのタグの情報を外部からスキャンして読み取ることで異常を検知することにより、マリンホースの異常を早期に発見し、損傷を予知することでオイル漏れを予防するシステムの実現を目指します。

コンベヤベルトでは摩耗、損傷、温度変化などを検知可能なRFIDタグを内蔵し、そのタグの情報を周囲に設置したアンテナによって自動で読み取り異常を検知し、これらのデータを分析することで、コンベヤベルトの損傷や火災を予知する技術の確立を目指します。

※RFID(Radio Frequency Identification)=電波を用いて情報を非接触で読み書きする自動認識技術

 

 

上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品にかかる研究開発費が1億54百万円あります。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。