【要約中間連結財務諸表注記】
1.報告企業
横浜ゴム株式会社(以下「当社」という。)は、日本に所在する株式会社であります。当社の要約中間連結財務諸表は、当社及び連結子会社(以下「当社グループ」という。)から構成されており、2025年6月30日に終了する中間期の要約中間連結財務諸表は、2025年8月12日に取締役会によって承認されております。当社グループの主な事業内容は、「注記5.セグメント情報」に記載しております。
2.作成の基礎
当社グループの要約中間連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2第2号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、同第312条の規定により、IAS第34号に準拠して作成しております。
要約中間連結財務諸表は、連結会計年度の連結財務諸表で要求されるすべての情報が含まれていないため、2024年12月31日に終了した前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものであります。
要約中間連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満の端数は四捨五入して表示しております。
3.重要性のある会計方針
要約中間連結財務諸表において適用する重要性のある会計方針は、前連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同一であります。
なお、当中間連結会計期間の法人所得税費用は、見積平均年次実効税率を基に算定しております。
4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定
当社グループは、要約中間連結財務諸表の作成において、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定を用いております。見積り及び仮定は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいております。実際の結果は、その性質上、これらの見積り及び仮定と異なる場合があります。
なお、これらの見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。これらの見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した期間及びその影響を受ける将来の期間において認識されます。
現下のウクライナ情勢及びパレスチナ問題に関しましては、未だ収束時期は不透明なものの、当社グループの経営環境に重大な影響はないものと仮定しております。
また、米国輸入関税につきましては、販売価格の見直しや販売数量増、その他コストダウンなどの内部改善による関税影響の吸収を見込んでおり、こちらも当社グループの経営環境に重大な影響はないものと仮定しております。
しかしながら、見積りに用いた上記の仮定は不確定要素が多く、経営環境への影響が変化した場合には、その見積り及び仮定に影響を及ぼす可能性があります。
5.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、製品・サービス別の事業部を置き、各事業部は取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の総合的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
各報告セグメントに属する主要な製品
(2) セグメント収益及び業績に関する情報
報告されているセグメントの会計処理の方法は、「注記3.重要性のある会計方針」における記載と同一であります。
報告セグメントの数値は事業利益ベースの数値であります。セグメント間の売上収益は市場実勢価格に基づいております。
前中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
(注) 1.「その他」の区分に含まれる事業は、スポーツ事業等であります。
2.セグメント利益(事業利益)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
3.セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去等によるものであります。
当中間連結会計期間(自 2025年1月1日 至 2025年6月30日)
(注) 1.「その他」の区分に含まれる事業は、スポーツ事業等であります。
2.セグメント利益(事業利益)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
3.セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去等によるものであります。
6.収益
分解した収益とセグメント収益の関連は、以下のとおりであります。
前中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
(注)売上収益は顧客の所在地を基礎とし、セグメント間の内部取引控除後の金額を表示しております。
なお、北米は主に米国(150,132百万円)であります。
当中間連結会計期間(自 2025年1月1日 至 2025年6月30日)
(注)売上収益は顧客の所在地を基礎とし、セグメント間の内部取引控除後の金額を表示しております。
なお、北米は主に米国(151,642百万円)であります。
当社グループは、タイヤ、MB及びその他の事業を有する製造業であり、タイヤ事業を中心に複数のビジネスを行っております。これらのビジネスでは、当社グループ自体が顧客との契約主体となります。
タイヤ、MBいずれの事業においても、主要な顧客である自動車メーカー、小売業者、その他の事業者に対して計上される収益の履行義務は、当社グループの製品が顧客へ納品された時点で充足されるものであり、この時点で収益を計上しております。これは当社グループの製品が納品された時点で、顧客は自己の意思で製品を使用、売却することができるようになり、そこから生じる便益を得ることができることから、製品の支配が移転したと考えられるためです。
顧客への納品後、主として1年以内に支払いを受けているため、約束した対価の金額に重要な金融要素は含まれておりません。
当社グループは、タイヤ、MBいずれの事業においても、各顧客との取引開始時点で製品の取引価格を決定しております。取引には数ヵ月から1年までの一定期間の取引数量等に応じた割戻しや販売手数料を支給するものがあり、これらの変動対価の金額は契約条件等に基づき見積り取引価格を調整しており、この調整に係る返金負債は、その他の金融負債に含まれております。顧客に支払う変動対価の金額は合理的に見積り可能であることから、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じることはなく、変動対価の見積りが制限されることはないと判断しております。
タイヤ、MBいずれの事業においても、製品保証は、販売時に存在していた欠陥を修理する以上のサービスを提供する等のサービス型の製品保証は提供していないため、製品保証を独立した履行義務として区別せず、取引価格の一部を製品保証に配分しておりません。
タイヤ事業において、主として日本で販売する冬季用タイヤ製品は、冬から春にかけて返品を受けるなど収益の戻入れが生じるため、将来、返品が見込まれる部分を見積もって収益を減額し、返品される製品を回収する権利について返品資産を認識し「その他の流動資産」に計上しております。
7.配当金
前中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
1.配当金支払額
2.基準日が当中間連結会計期間に属する配当のうち、配当の効力発生日が当中間連結会計期間の末日後となるもの
当中間連結会計期間(自 2025年1月1日 至 2025年6月30日)
1.配当金支払額
2.基準日が当中間連結会計期間に属する配当のうち、配当の効力発生日が当中間連結会計期間の末日後となるもの
8.その他の収益
その他の収益の内訳は、以下のとおりであります。
9.その他の費用
その他の費用の内訳は、以下のとおりであります。
(注)当中間連結会計期間において、現在の市場環境とタイヤ業界の生産拠点の構造変化を勘案し、OHT事業の持続的な収益性と長期に渡る将来性を確保するため、既に発表しているAlliance Tire Company Limited(イスラエル)のハデラ工場、Yokohama TWS Czech Republic a.s.(チェコ共和国)のプラハ工場の閉鎖に加えて、Yokohama TWS North America Inc.(米国)のスパルタンブルグ工場を閉鎖し、その生産能力を他拠点に統合することを決定しました。その結果、当中間連結会計期間においてハデラ工場閉鎖に伴う減損損失1,095百万円及び関連損失1,043百万円、プラハ工場閉鎖に伴う関連損失587百万円、スパルタンブルグ工場閉鎖に伴う減損損失1,818百万円及び関連損失1,302百万円を計上したものが含まれております。
10.1株当たり利益
11.金融商品
(1) 金融商品の帳簿価額及び公正価値
金融商品の帳簿価額及び公正価値は、以下のとおりであります。
なお、社債及び長期借入金以外の金融資産及び金融負債の公正価値は帳簿価額と近似しているため、含めておりません。
(注) 1年内に返済又は償還予定の残高を含んでおります。
(2) 金融商品の公正価値ヒエラルキー
当初認識後に経常的に公正価値で測定する金融商品は、測定に使用したインプットの観察可能性及び重要性に応じて、公正価値ヒエラルキーを以下の3つのレベルに分類しております。
公正価値のヒエラルキーは以下のように定義しております。
レベル1:活発な市場における公表価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1以外の直接または間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3:観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
公正価値の測定に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値の測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定しております。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各報告期間の期首時点で発生したものとして認識しております。
なお、前連結会計年度及び当中間連結会計期間において、レベル1とレベル2及びレベル3の間における振替はありません。
経常的に公正価値で測定している金融商品は、以下のとおりです。
前連結会計年度(2024年12月31日)
当中間連結会計期間(2025年6月30日)
株式のうち活発な市場が存在する銘柄の公正価値は、市場価格に基づいて算定しているため、レベル1に分類しております。また、活発な市場が存在しない銘柄のうち、公正価値を重要な観察不能なインプットを用いて、類似会社比較法等で算定した金額で測定した銘柄についてレベル3に分類しております。
デリバティブ資産及びデリバティブ負債のうち為替予約、金利スワップ等の公正価値は、活発な市場で取引されていないため、入手可能な範囲で観察可能な市場データを最大限に利用し、企業独自の見積りには可能な限り依存しておりません。すべての重要なインプットが観察可能な場合には、レベル2に分類しております。
レベル3に分類した非デリバティブ金融資産の公正価値評価に際しては、類似会社比較法における株価純資産倍率を採用しております。
当社グループで定めた公正価値測定の評価方針及び手続に従い、財務部門が対象となる金融商品の評価方法を決定し、公正価値を測定しております。
また、公正価値の測定結果については適切な責任者が承認しております。
レベル3に分類された経常的に公正価値で測定する金融商品の増減は、以下のとおりであります。
(注) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、「その他の包括利
益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動」に含まれております。
12.企業結合
<事業の譲受>
当社は、2024年7月22日付でThe Goodyear Tire & Rubber Company(以下「グッドイヤー」)と締結したグッドイヤーの鉱山・建設車両用タイヤ(OTR=オフザロードタイヤ)事業の譲受契約について、2025年2月4日付で本事業譲受を完了いたしました。
(1) 事業譲受の概要
① 譲受対象事業
グッドイヤーが運営する鉱山・建設車両用タイヤ等の製造・販売等を行うOTR事業(株式取得対象会社を含む)
② 株式取得対象会社
Goodyear Earthmover Pty Ltd(所在地:オーストラリア)、日本ジャイアントタイヤ株式会社(所在地:日本)
(注)買収完了に伴い、Goodyear Earthmover Pty LtdはYokohama Earthmover Pty Ltdへと商号を変更しております。
③ 譲受対象資産
棚卸資産、タイヤ製造設備等
④ 譲受者
横浜ゴム株式会社及び米国・オーストラリア・ルクセンブルク 他に所在する海外子会社
⑤ 事業譲受日
2025年2月4日
⑥ 事業譲受の主な理由
現在、当社グループは、2024年度から2026年度までの新中期経営計画「Yokohama Transformation 2026 (YX2026)」に取り組んでおります。
タイヤ生産財に関しては、安定的に高い収益が見込めるOHT事業の成長戦略の一つとして「Programmatic M&A」戦略を掲げており、本事業譲受によりこれまで課題となっていた鉱山・建設車両用タイヤを強化し、グローバル展開を加速させていきます。
(2) 事業譲受日現在における取得対価の公正価値
現金 141,707百万円(910百万USドル)
なお、事業譲受後における価格調整が完了しておらず、当中間連結会計期間末において取得の対価は確定しておりません。
(3) 事業譲受日における取得資産、引受負債の公正価値及びのれん
(単位:百万円)
取得日において、発生したのれんの金額、企業結合日に受け入れた資産及び引き受けた負債の金額等については暫定的な会計処理を行っておりました。当中間連結会計期間末においても企業結合日における識別可能資産及び負債の特定を精査中であり、取得価額の配分が完了していないため、暫定的な会計処理を行っております。なお、当中間連結会計期間末において一部の資産及び負債の公正価値の見直し及び価格調整見込み額の見直しによる修正を行っております。
取得した債権については、回収不能と見積もられる重要なものはありません。無形資産の内容は、顧客関係資産24,951百万円、技術関連資産17,440百万円、商標権12,867百万円、契約関連資産5,606百万円、その他67百万円になります。のれんは、今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力から発生したものであります。なお、認識したのれんは、主な部分は税務上損金算入可能と見込んでおります。
(4) 取得関連費用
当中間連結会計期間において、事業譲受に係る取得関連費用は1,555百万円を「販売費及び一般管理費」に計上しております。
(5) 当社グループの業績に与える影響
当該事業譲受に係る事業譲受日以降に生じた売上収益及び事業利益はそれぞれ36,976百万円及び4,423百万円であります。また、当該事業譲受が期首に行われたと仮定した場合の当中間連結会計期間の売上収益及び事業利益はそれぞれ44,372百万円、5,307百万円(プロフォーマ情報)であります。
なお、当該プロフォーマ情報は期中レビューを受けておりません。
(6) 資金調達
13.重要な後発事象
該当する事項はありません。