当社グループを取り巻く事業環境は、国際関係・政治・経済・環境問題・技術革新といったあらゆる面で大転換期にあり、社会構造や消費者意識も大きく変化していると認識しております。
こうした中、当社グループは、「最高の品質で社会に貢献」という「使命」を果たすため、「誠実協調」「進取独創」「現物現場」「熟慮断行」という4つの「心構え」から構成される企業理念に、安全宣言、品質宣言、環境宣言を加えた企業理念体系とグローバルCSR体系「Our Way to Serve」を基本軸とし、さらにこれを支えるグローバル方針類として、「グローバルサステナブル調達ポリシー」、「グローバル人権方針」、及び「行動規範」を新たに整備し、経営の最終目標である「真のグローバル企業」「業界において全てに『断トツ』」の達成を目指しております。
この目標を達成するため、「Lean & Strategic」「グループ・グローバル最適」という基本姿勢を堅持して、すなわち、短期的にはLean(無駄のない)に、中長期的にはStrategic(戦略的)に、短期及び中長期の施策のバランスをとりながら、グループ・グローバル最適を最優先に経営改革を継続し、継続的に確保すべき目標である「成長:業界平均を上回る」「全体:ROA 6%、OP 10%、ROE 12%」「各SBU:それぞれOP 10%」の達成に向けて取り組んでまいります。
これにあたっては、「SBU(戦略的事業ユニット)組織体制」及び「中期経営計画」をツールとし、「グローバル企業文化の育成」「グローバル経営人材の育成」「グローバル経営体制の整備」という3つの重点課題に引き続き注力することで、経営改革の質とスピードを向上させてまいります。
重点課題の1点目である「グローバル企業文化の育成」につきましては、グループ・グローバルでの全体整合性を確保し、かつ、統合されたマーケティング戦略の一部としてブランド戦略を継続してまいります。ワールドワイドオリンピックパートナーに加えて、2018年10月からはワールドワイドパラリンピックパートナーとしても、ブリヂストンのグローバルメッセージである「CHASE YOUR DREAM」をテーマとした「Team Bridgestone」を地域や国ごとに結成し、特に2018年は平昌冬季オリンピックを通じてグローバルで一層のブランド強化を図ってまいりました。さらに組織においてもオリンピック・パラリンピック及びサイクル・スポーツ事業を2018年10月に統合し、オリンピック・パラリンピック、AHL(Active and Healthy Lifestyle)領域への取組強化を通じて、一層のブランド強化を図ってまいります。
また、事業を取り巻く環境が大きく変化する中で、ICTの活用や全社バリューチェーンを通じたイノベーションを加速してまいります。グローバル研究開発体制の最適化等、技術・ビジネスモデルの両面においてイノベーションを推進する体制の更なる整備を図り、グローバルで高い競争力を持つ商品・サービスの拡充やソリューションビジネスの強化・展開を進めてまいります。さらに、経営の全ての面において継続的改善に取り組んでまいります。これらにより、顧客価値・社会価値を創造し、当社グループの更なる競争優位性を確保してまいります。
2点目の「グローバル経営人材の育成」につきましては、グローバルリーダー創出に向けたプログラム等の施策を展開してまいります。また、当社グループでは、グローバルでの業務執行に関する最高位の会議体であるGlobal EXCO(グローバル経営執行会議体)を始めとしたグローバル会議体における英語の公用化を進める等、多様な人材が一層活躍できる環境と体制の整備を更に進めてまいります。
3点目の「グローバル経営体制の整備」につきましては、「ガバナンス体制の整備」及び「多角化事業の拡充」を中心に進めてまいります。
「ガバナンス体制の整備」では、内部統制のより一層の強化と執行の更なるスピードアップをともに実現していくため、当社は2016年3月に指名委員会等設置会社へ移行しました。経営と執行における効率と効果の両面での進化を目指し、引き続き、権限・責任の明確化と意思決定権限配分の最適化、SBU組織体制の見直し等、Global EXCOを中心としたグローバル経営体制の整備を進めてまいります。
「多角化事業の拡充」では、化工品事業について、「化工品」の組織名称のもとで、一体となった事業活動を開始してから50年の節目となる2021年に向けて、抜本的な事業再構築を進めております。加えて、海外の多角化事業や、組織再編を実施したスポーツ・サイクル・AHL関連事業についても、経営改革を進めております。
2018年に当社グループは、経営の近代化に大きく舵を切るきっかけとなった社是制定とデミング賞受賞から50年、グローバル化へ大きな一歩を踏み出したファイアストン買収から30年という節目を迎え、これまで目指してきた経営改革が着実に進んでいると認識しております。
この経営改革を次のステージへと進めるため、2019年1月、①経営改革の促進、②世代交代、③東京2020オリンピック・パラリンピックに向けての準備体制の強化の3点を目的として、これまでのチーム経営を一層深化させた新経営体制に移行しました。新体制の下、経営の最終目標である「真のグローバル企業」「業界において全てに『断トツ』」の達成を目指して、引き続き経営改革を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、当該リスク発生の回避、及び発生した場合の対応に努めております。
ただし、記載された事項以外にも予見することが困難なリスクが存在し、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中に含まれる将来に関する記載は、有価証券報告書提出日(2019年3月22日)現在で判断したものであります。
(1) 事業を取り巻く経済環境、及び需要動向に関するリスク
当社グループは、開発・生産・流通・販売・調達などの事業活動をグローバルに展開しており、当社グループの業績及び財政状態は、事業活動を行っているそれぞれの国や地域における金利、為替、株式相場の変動などの経済環境や需要動向の変化により、さまざまな形で影響を受けております。当期の当社グループの地域ごとの売上高比率は、米州が47%、日本が19%、欧州・ロシア・中近東・アフリカが18%、中国・アジア大洋州が16%の構成となっており、これらの地域の経済環境が悪化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に特に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業別売上高は、タイヤ部門が連結売上高の83%を占めていること、多角化部門でも多くの商品が自動車産業に関連していることから、当社グループの業績及び財政状態は、グローバルな自動車産業の景況による影響を受けております。自動車産業の動向以外にも、タイヤ市販用市場では各国の消費動向や自動車燃料価格の変動などによる影響を受けており、これらの要因によりタイヤ需要が減少する、あるいは予想している需要増加が減速する場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの鉱山・産業・建機ソリューション事業の核である建設・鉱山車両用大型・超大型ラジアルタイヤやコンベヤベルト等一部の商品につきましては、資源産業及び土木・建築産業の景況による影響を受けており、これらの要因により需要が減少する、あるいは予想している需要増加が減速する場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社グループは、日本、欧州、北米などさまざまな地域で冬用タイヤを販売しておりますが、これらの地域における降雪が少なく需要が減少する場合には、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。
(2) 法律・規制・訴訟に関するリスク
当社グループは、事業活動を行っている各国において、投資、貿易、為替管理、独占禁止、環境保護、個人情報保護など、関連する法律や規制の適用を受けております。当社グループの事業活動に影響を及ぼすものとして、例えば、国内外においてタイヤ性能に関する表示制度・規制や化学物質規制などが制定・導入されております。したがって、将来においても、新たな法律や規制により、事業活動の制約やコストの上昇など当社グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
また、当社グループの事業展開において、国内外における予期せぬ法律や規制の変更などにより、当社グループの投資計画や事業計画が大きな変更を余儀なくされ、その結果、当社グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
これらの他、当社グループは、国内外の事業活動に関連して、訴訟や各国当局による捜査・調査の対象となる可能性があります。重要な訴訟が提起された場合や、各国当局による捜査・調査が開始された場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 事業活動中断のリスク
・災害、戦争・テロ・暴動、社会的・政治的混乱など
当社グループは、開発・生産・流通・販売・調達などの事業活動をグローバルに展開しており、さまざまな国や地域における大規模な地震や風水害などの自然災害や、戦争・テロ・暴動、ボイコット、感染症、エネルギー供給障害、交通機能障害を含む社会的・政治的混乱などのリスクにさらされています。さらに、国内外における政治的・経済的条件の急激かつ大幅な変動などの要因により、当社グループの事業活動の継続に支障をきたす可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動の中核として重要な拠点が多数所在している日本における地震災害リスクに対しては、当社グループは耐震診断の結果に基づき優先順位をつけて耐震補強工事を計画的に進めております。さらに、地震災害が発生した場合の迅速な初期対応の推進及び業務を早期に復旧継続させることを目的とした事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定など、具体的に進めております。また、新型インフルエンザの流行など感染症の拡大に対しても、感染予防対策の実施や事業継続計画の策定を進めております。しかしながら、実際に発生した場合には、操業の中断・縮小、施設等の損害、多額の復旧費用などにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの特定商品や特定原材料を集中的に生産している拠点で事業活動の継続に支障をきたすような事態が生じた場合は、供給義務を果たせないことによる顧客からの信頼の喪失や賠償責任の追及につながる可能性もあり、その場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・情報システム障害
当社グループの事業活動における情報システムの重要性は非常に高まっており、セキュリティの高度化などシステムやデータの保護に努めておりますが、それにもかかわらず、災害やサイバー攻撃など外的要因や人為的要因などにより情報システムに障害が生じた場合、事業活動の継続に支障をきたす可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・ストライキ
当社グループは、円滑な労使関係の構築に努めておりますが、労使間の交渉が不調に終わり、長期間に及ぶストライキなどが発生した場合、事業活動の継続に支障をきたす可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 企業イメージに関するリスク
当社グループは、事業活動を通じて企業イメージ・ブランドイメージの維持向上に努める一方、法令遵守や企業倫理に基づく事業活動、及び火災や労働災害などの企業災害の防止・対策活動に努めておりますが、それにもかかわらず、社会的な信用を失墜させるような企業不祥事や企業災害が発生した場合には、顧客からの信頼喪失や株価の下落を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 為替変動に関するリスク
当社グループは、開発・生産・流通・販売・調達などの事業活動をグローバルに展開しており、原材料の調達や販売活動などにおいて、多種の通貨による取引を行っております。米ドル、ユーロなどの主要通貨については、為替予約などにより短期的な影響を最小限にする努力をしておりますが、世界各地で国際間取引を行っていることから、為替相場の変動は、当社グループの業績に影響を及ぼすことになります。また、海外での売上高、費用、資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算されることから、為替相場の変動による影響を受けることになります。一般に、他国通貨に対する円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安は当社グループの業績に好影響をもたらします。
(6) 競争激化に関するリスク
当社グループは、タイヤ事業・多角化事業共に、それぞれの市場で多数の企業と競合しているため、価格競争が発生しております。また、企業向け取引では、顧客から価格低減の要請を受けることがあります。このような事業環境に対し、当社グループは、原価の低減や効率性の追求、顧客や市場への新しい商品価値の提案などによる内部努力を継続しておりますが、それらの努力で価格低下を吸収できない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、製造業者として技術力を核とした戦略を重視しており、新技術を搭載した製品の市場投入を積極的に進めております。これらの技術開発のための投資や費用は、最終的に高い商品価値を顧客に認めていただくために投入しているものですが、競合他社との激しい競争において、事業として十分な成果に結びつけることができない場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 製品の欠陥に関するリスク
当社グループは、製造業者として販売する製品の品質に万全を期すことに努めております。特に、タイヤなど人命にかかわる商品を主に扱っているという認識に立ち、製品品質の確保、市場情報の収集や品質に関する早期警報システムの構築など、品質保証体制の充実に努めておりますが、予測できない原因により製品に欠陥が生じた場合や、顧客の安全・安心を最優先に確保するという観点から大規模なリコールなどを実施する可能性は皆無ではありません。そのような事態が発生した場合には、回収費用、社会的な信用の毀損、顧客への補償や訴訟費用・賠償費用などにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に米国の製造物賠償責任訴訟や集団訴訟は、より重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 原材料調達に関するリスク
当社グループは、タイヤなどゴム製品の原材料として天然ゴムを使用しておりますが、天然ゴムの主要生産地である東南アジア諸国における災害、戦争・テロ・暴動、社会的・政治的混乱、ストライキ、あるいは収穫不良などにより、天然ゴムの安定供給に支障が生じた場合、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難になり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、天然ゴム以外の主要原材料調達においても、原料需給の逼迫や供給能力の制約により、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難になる場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社グループは、いくつかの主要原材料の調達について、グループ内の原材料生産拠点、又は一部のグループ外供給元に依存しております。このため、特定の原材料供給元の操業が停止するなどにより、必要な原材料の調達ができない状況が発生した場合は、当該原材料に依存している当社又はグループ会社の生産に著しい悪影響を及ぼし、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
加えて、需給の逼迫や投機目的の売買などにより、当社グループが調達している原材料の価格が高騰し、生産性向上などの内部努力や価格への転嫁などにより吸収できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 退職給付費用に関するリスク
当社グループの退職給付費用及び債務は、数理計算上の割引率や、年金資産の長期期待運用収益率などの前提条件に基づいて算出しております。しかしながら、運用環境の悪化などにより、実際の結果がこれらの前提条件と異なった場合、あるいは前提条件の変更が必要になった場合には、退職給付費用や債務が増加し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 知的財産侵害に関するリスク
当社グループでは、知的財産を企業の競争力を高めるための重要な経営資源と位置づけ、第三者の知的財産権に対する侵害の予防、及び保有している多数の知的財産権の保護に努めております。それにもかかわらず、当社グループの認識又は見解との相違から、第三者から知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、当社グループとして製造販売中止、あるいは損害賠償などが必要になった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、第三者による知的財産権侵害を当社グループが主張したにもかかわらず、侵害があったと認められない場合には、当社グループの製品差別化や競争優位性が確保されず、結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当期における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.業績全般
|
|
当期 |
前期 |
増減 |
|
|
金額 |
比率 |
|||
|
|
億円 |
億円 |
億円 |
% |
|
売上高 |
36,501 |
36,434 |
+66 |
- |
|
営業利益 |
4,027 |
4,190 |
△163 |
△4 |
|
経常利益 |
3,811 |
4,005 |
△194 |
△5 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
2,916 |
2,882 |
+33 |
+1 |
当期の当社グループを取り巻く環境は、国内においては、景気は緩やかに回復しているものの、海外経済の不確実性などにより不透明感のある中で推移しました。海外においては、政治・経済面において不安定な状況が継続する中で、景気は緩やかな回復が続きました。米国では着実に回復が続き、欧州においては緩やかな回復が続きました。アジアでは、中国において持ち直しの動きに足踏みが見られました。また、鉱物価格の回復に伴う鉱山でのタイヤ需要の増加も見られました。
このような状況のもとで、経営の最終目標である「真のグローバル企業」、「業界において全てに『断トツ』」の達成に向け、3つの重点課題に取り組んでまいりました。その1点目である「グローバル企業文化の育成」につきましては、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた協賛・支援活動等のブランド戦略を推進するとともに、グローバルで高い競争力を持つ商品・サービスの拡充や、既存事業の枠を超えて顧客価値・社会価値を提供するソリューションビジネスの構築・拡大を図るなど、技術・ビジネスモデル・デザインのイノベーションを促進してまいりました。また2点目、3点目の「グローバル経営人材の育成」、「グローバル経営体制の整備」についても、多様な人材の育成やガバナンス体制の改革などの様々な施策を、適切な費用を投下しながら実施してまいりました。
この結果、当社グループの当期の売上高は36,501億円(前期並)、営業利益は4,027億円(前期比4%減)、経常利益は3,811億円(前期比5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,916億円(前期比1%増)となりました。
b.セグメント別業績
|
|
|
当期 |
前期 |
増減 |
|
|
金額 |
比率 |
||||
|
タイヤ部門 |
|
億円 |
億円 |
億円 |
% |
|
売上高 |
30,514 |
30,311 |
+202 |
+1 |
|
|
営業利益 |
3,939 |
3,871 |
+67 |
+2 |
|
|
多角化部門 |
売上高 |
6,187 |
6,278 |
△90 |
△1 |
|
営業利益 |
89 |
318 |
△229 |
△72 |
|
|
連結 合計 |
売上高 |
36,501 |
36,434 |
+66 |
- |
|
営業利益 |
4,027 |
4,190 |
△163 |
△4 |
|
タイヤ部門では、グローバルにおいて魅力ある商品・サービスの投入や、将来に向けた競争優位性と差別化の強化を進めるとともに、地域ごとの需要変動にも迅速に対応してまいりました。
日本では、乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数は前年を上回り堅調に推移し、トラック・バス用タイヤの販売本数は前年並に推移しました。米州では、北米タイヤ事業において、乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数は前年並に推移し、トラック・バス用タイヤの販売本数は前年を上回り好調に推移しました。欧州では、乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数は前年を上回り堅調に推移し、トラック・バス用タイヤの販売本数は前年を上回り好調に推移しました。中国・アジア・大洋州では、乗用車及び小型トラック用タイヤ、並びにトラック・バス用タイヤの販売本数は前年を下回りました。特殊タイヤについては、建設・鉱山車両用ラジアルタイヤの販売量は前年を大幅に上回りました。
この結果、売上高は30,514億円(前期比1%増)となり、営業利益は3,939億円(前期比2%増)となりました。
また、多角化部門では、化工品事業について、「化工品」の組織名称のもとで、一体となった事業活動を開始してから50年の節目となる2021年に向けて、抜本的な事業再構築を進めております。加えて、海外の多角化事業や、組織再編を実施したスポーツ・サイクル・AHL関連事業についても、経営改革を進めてまいりました。
この結果、売上高は6,187億円(前期比1%減)となり、営業利益は国内事業やBSAM多角化における利益減少の影響により89億円(前期比72%減)となりました。
(注) セグメント別の金額はセグメント間の取引を含んでおり、連結合計の金額はそれらを消去した後の数値であります。
c.財政状態
(流動資産)
流動資産は、受取手形及び売掛金が980億円、原材料及び貯蔵品が155億円増加したものの、現金及び現金同等物が678億円、有価証券が678億円減少したことなどから、前期末比186億円減少(同1%減)し、19,684億円となりました。
(固定資産)
固定資産は、設備投資2,684億円が減価償却費2,004億円を上回ったものの、円高による為替換算の影響(前期末連結決算日直物相場対比)により有形及び無形固定資産が627億円減少したことや、投資有価証券が588億円減少したことなどから、前期末比767億円減少(同4%減)し、18,952億円となりました。
(流動負債)
流動負債は、1年内償還予定の社債等の有利子負債(注)が345億円増加したものの、未払法人税等が513億円減少したことなどから、前期末比195億円減少(同2%減)し、8,910億円となりました。
(固定負債)
固定負債は、社債等の有利子負債(注)が850億円減少したことなどから、前期末比1,092億円減少(同17%減)し、5,365億円となりました。
なお、流動負債及び固定負債に計上された有利子負債(注)の合計は、前期末比505億円減少(同11%減)し、4,084億円となりました。
(注)有利子負債には短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債、長期借入金及びリース債務を含んでおります。
(純資産)
純資産は、配当金の支払いにより1,202億円、その他有価証券評価差額金が677億円、為替換算調整勘定が813億円と、いずれも減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により2,916億円増加したことなどから、前期末比334億円増加(同1%増)し、24,361億円となりました。
これらの結果、当期末の総資産は、前期末に比べて953億円減少(同2%減)し、38,636億円となりました。また、当期の自己資本比率は61.6%となり、前期末比2.4ポイントの上昇となりました。
② キャッシュ・フローの状況
|
|
|
当期 |
前期 |
増減 |
|
金額 |
||||
|
|
|
億円 |
億円 |
億円 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
3,609 |
4,181 |
△571 |
|
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△2,430 |
△2,007 |
△422 |
|
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△1,590 |
△1,900 |
+309 |
|
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
△266 |
27 |
△294 |
|
|
現金及び現金同等物の増減額 |
△678 |
300 |
△979 |
|
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
5,017 |
4,717 |
+300 |
|
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
4,339 |
5,017 |
△678 |
|
当期における当社グループの現金及び現金同等物(以下「資金」)は、全体で678億円減少(前期は300億円の増加)し、当期末には4,339億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、3,609億円の収入(前年同期比571億円の収入減)となりました。これは、法人税等の支払額1,437億円(前期は672億円)などがあったものの、税金等調整前当期純利益4,277億円(前期は4,204億円)や、減価償却費2,004億円(前期は2,003億円)などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、2,430億円の支出(前期比422億円の支出増)となりました。これは、投資有価証券の売却による収入205億円(前期は318億円)などがあったものの、有形固定資産の取得による支出2,575億円(前年同期は1,982億円)などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は1,590億円の支出(前年同期比309億円の支出減)となりました。これは、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増加額243億円(前期は256億円の増加)や、長期借入れによる収入158億円(前期は371億円)などがあったものの、長期借入金の返済による支出449億円(前期は1,318億円)や、社債の償還による支出200億円(前期は支出なし)、配当金の支払額1,202億円(前期は1,086億円)などがあったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当期における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
タイヤ |
2,533,943 |
+1.2 |
|
多角化 |
557,601 |
△0.3 |
|
合計 |
3,091,545 |
+0.9 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは、少数の特殊製品(特殊ホース等)について受注生産を行うほかは、すべて見込生産であります。
c.販売実績
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
タイヤ |
3,041,099 |
+0.7 |
|
多角化 |
609,011 |
△2.2 |
|
合計 |
3,650,111 |
+0.2 |
(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年3月22日)現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
貸倒引当金、返品調整引当金、開発・生産拠点再構築関連引当金及び訴訟等の偶発事象などに関する引当や退職給付に係る会計処理については、過去の実績や当該事象の状況に照らして合理的と考えられる見積り及び判断を行い、また価値の下落した固定資産及び投資有価証券の評価や繰延税金資産の計上については、将来の回復可能性や回収可能性などを考慮し実施しておりますが、これらの見積りや判断における前提や状況が変化した場合には、最終的な結果が異なるものとなる可能性があります。
上記のほかに当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性のある事象につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② 当期の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当期の経営成績等は、次のとおりであります。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因や当該事項への対応については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(売上高と営業利益)
売上高は、為替円高影響あるも、タイヤ販売数量の増加の影響などで前期並の、36,501億円となりました。
営業利益は、多角化部門における利益減少の影響などで前期比163億円減少(同4%減)し、4,027億円となりました。
この結果、営業利益の売上高比率は11.0%となり、前期比0.5ポイントの低下となりました。
なお、セグメント別の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(営業外損益と経常利益)
営業外損益は、受取和解金38億円等を計上したものの、金融収支において29億円収益が減少したことや、雑損失が49億円増加したことなどから、前期比31億円損失が増加し216億円の損失となりました。
この結果、経常利益は前期比194億円減少(同5%減)し、3,811億円となりました。
(特別損益)
特別損益は、投資有価証券売却益162億円や、共同支配企業設立に係る差益303億円を計上したことにより、466億円の利益となりました。
なお、前期においては投資有価証券売却益等による利益392億円の計上や減損損失等による損失193億円を計上していたことから、当期の特別損益は前期比267億円の利益増加となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、2,916億円となり、前期比33億円の増益(同1%増)となりました。これは、経常利益が194億円の減益となったことや、税金費用が50億円増加したものの、特別損益が267億円増加したことなどによるものです。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益の売上高比率は8.0%となり、前期比0.1ポイントの上昇となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
現金及び現金同等物は、前期末比678億円減少し、4,339億円となりました。なお、活動区分毎のキャッシュ・フローについては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
資金調達にあたっては、金融機関からの借入れに加え、引き続き、国内普通社債やコマーシャル・ペーパーなどの直接金融手段や、売上債権の証券化、リースの活用など、リスク分散や金利コストの抑制に向けその多様化を図ってまいります。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、継続的に確保すべき目標としてROA6%、OP10%、ROE12%の達成に向けて取り組んでおります。
当期においては、ROA7.5%(前期並)、OP11.0%(前期比0.5ポイント低下)、ROE12.4%(前期比0.1ポイント低下)でした。
該当事項はありません。
当社グループは、企業理念の使命である「最高の品質で社会に貢献」を全うし、技術及びビジネスモデルのイノベーション、また企業活動と社会・お客様を創造的に繋ぐデザイン力の強化を通して、グローバルでの強力な競争力を持つビジネスを展開すべく、中期経営計画に沿って研究開発活動に取り組んでおります。また、その実効性を更に高めるべく、研究開発体制のグローバルでの最適化や社外との積極的な連携を推進しております。
タイヤ部門では、すべてに対する「安全・安心」を開発理念として、常に環境に配慮し、安全性・快適性を追求することで新しい付加価値の創造に取り組んでおります。
軽量で高耐久、長寿命で低燃費という従来の常識を覆す新しいタイヤの可能性にも繋がる、しなやかさと強靭さを兼ね備えた世界初のポリマー「High Strength Rubber(ハイ ストレングス ラバー)」を開発しました。当社独自の新合成技術を用いてゴムと樹脂を分子レベルで結び付けたもので、天然ゴムを凌駕する性能を有しており、環境にも配慮した製品の実現につながると考えております。また、バリューチェーンのデジタル化において、当社独自のICTを活用した解析・予測、高精度加工、センシング技術開発を多岐の領域で進めており、更に迅速、高品質かつ効率的にタイヤをお客様へ提供する「スマートファクトリー構想」の実現を目指しております。
多角化部門では、タイヤの空気充填を不要とする技術「エアフリーコンセプト」を採用した自転車用次世代タイヤの実用化に向けて開発を進めております。また、建物の水回りの配置の自由度を向上させる排水システム「スマートサイホン」や、巻き癖が少なくなり施工現場の作業性が向上すると共に耐傷性に優れた樹脂管「らく楽コルゲートパイプ」の実用化など、絶えず変化するニーズに的確にこたえ、お客様に満足いただける商品の提供や社会インフラを支える事業に関連する研究開発活動に取り組んでおります。
社外との連携では、既存技術の枠を超えた強靭な材料の開発を目指し、内閣府の革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」にも参画し、タイヤをより薄く・軽くできる低燃費性と高強度を両立したゴム複合体を開発しております。また、従来から進めている天然ゴム資源多様化に関しても、イタリアのベルサリス社と提携し、「グアユール」 由来の天然ゴムを使ったタイヤの商用化に向けた研究開発を推進しております。
さらに、当社グループは、タイヤ及び多角化事業領域の技術をICTと組み合わせ、新しいサービスとして提供する等、既存事業の枠を超えて顧客価値・社会価値を提供するソリューションビジネスの競争力強化のための研究開発活動に取り組んでおります。運送ソリューションでは、欧州で展開していたトラック・バス用の空気圧・温度の遠隔監視システム「Tirematics(タイヤマティックス)」を刷新し、アジア・大洋州地域でも展開を始めました。また、タイヤ情報を管理する当社のデジタルツール「Toolbox(ツールボックス)」と連動して運用することで、タイヤライフサイクル全体の管理・分析も可能となり、生産性向上・資産価値向上・コスト最適化等を通じてお客様の事業に貢献しております。
なお、当期におけるグループ全体の研究開発費は1,035億円であります。部門別には、タイヤ部門では867億円、多角化部門では168億円であります。