第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった事項は次のとおりです。

また、以下の見出しに付された番号は、前連結会計年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応したものであり、文中の下線部分が変更箇所です。

 

(3) 事業活動中断のリスク

・災害、戦争・テロ・暴動、社会的・政治的混乱など

当社グループは、開発・生産・流通・販売・調達などの事業活動をグローバルに展開しており、さまざまな国や地域における大規模な地震や風水害などの自然災害や、戦争・テロ・暴動、ボイコット、感染症、エネルギー供給障害、交通機能障害を含む社会的・政治的混乱などのリスクにさらされています。さらに、国内外における政治的・経済的条件の急激かつ大幅な変動などの要因により、当社グループの事業活動の継続に支障をきたす可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの事業活動の中核として重要な拠点が多数所在している日本における地震災害リスクに対しては、当社グループは耐震診断の結果に基づき優先順位をつけて耐震補強工事を計画的に進めております。さらに、地震災害が発生した場合の迅速な初期対応の推進及び業務を早期に復旧継続させることを目的とした事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定など、具体的に進めております。また、新型インフルエンザや新型コロナウイルスなどの未知なる病原体が引き起こす感染症の拡大に対しても、従業員・家族・関係者の生命と安全の確保を最優先しながら事業損失の最小化を図るための事業継続計画の策定を進めております。しかしながら、実際に発生した場合には、操業の中断・縮小、施設等の損害、多額の復旧費用などにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの特定商品や特定原材料を集中的に生産している拠点で事業活動の継続に支障をきたすような事態が生じた場合は、供給義務を果たせないことによる顧客からの信頼の喪失や賠償責任の追及につながる可能性もあり、その場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社グループは、第1四半期連結会計期間よりIFRSを適用しており、前第3四半期連結累計期間及び前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っております。また、文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において、判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

 第1四半期連結会計期間から、セグメント区分を変更しております。また、前年同期の数値について新たなセグメント区分に組み替えたうえで、前年同期比の数値を計算しております。

 

① 業績全般

 

当第3四半期

連結累計期間

前第3四半期

連結累計期間

増減

金額

比率

 

億円

億円

億円

売上収益

21,489

26,237

△4,748

△18

調整後営業利益

1,184

2,572

△1,388

△54

営業利益

434

2,791

△2,356

△84

税引前四半期利益

102

2,631

△2,529

△96

親会社の所有者に帰属する四半期利益

又は損失(△)

△241

1,886

△2,127

 

 当第3四半期連結累計期間(2020年1月1日から2020年9月30日)の当社グループを取り巻く環境は、第1~2四半期における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によるグローバルでのタイヤ需要低迷後、第3四半期に入りヒト・モノの移動制限緩和、経済活動再開などの動きが見られましたが、依然、COVID-19拡大前の水準までの回復には至らず、前年に対し悪化しました。

 第3四半期はグローバルのタイヤ需要回復に伴い、生産・販売ともに大きく改善しましたが、対前年では未だ厳しい事業環境が継続しており、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上収益は21,489億円(前年同期比18%減)、調整後営業利益は1,184億円(前年同期比54%減)、営業利益は434億円(前年同期比84%減)、税引前四半期利益は102億円(前年同期比96%減)、親会社の所有者に帰属する四半期損益は241億円の損失(前年同期は1,886億円の利益)となりました。

 このような状況の下、当社はお客さま・従業員・関係者の生命と安全を最優先とした組織対応を継続しながらも、各地域でのタイヤ需要回復を捉えるべく生産・販売活動を本格的に再開しており、第2四半期に一時休業を実施した工場についても全拠点で既に操業再開の上、稼働率を段階的に引き上げております。加えて、財務面では引き続き、キャッシュオリエンテッド経営に基づく徹底した経費・コストコントロールを継続しております。

 また、当社は、この危機を中長期視点での改革の機会と捉えつつ、新たな経営体制での本質的競争力強化に着手しております。第3四半期には「稼ぐ力の再構築」に向けた経費・コスト構造改革を強力に推進し、フランス・ベチューン工場の閉鎖協議を9月に開始、また、南アフリカ・ポートエリザベス工場の11月での閉鎖を発表しました。さらに、中長期事業戦略の実行体制構築を見据えた独自のHRX計画を策定しており、今後、経営執行体制・人事制度の刷新に取り組んでまいります。

 

セグメント別業績

 

 

当第3四半期

連結累計期間

前第3四半期

連結累計期間

増減

金額

比率

 

日本

 

億円

億円

億円

売上収益

5,268

6,668

△1,401

△21

調整後営業利益

263

758

△495

△65

米州

売上収益

10,367

12,542

△2,175

△17

調整後営業利益

875

1,407

△532

△38

欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ

売上収益

4,055

4,818

△763

△16

調整後営業利益又は

損失(△)

△99

145

△245

中国・アジア・大洋州

売上収益

2,868

3,528

△660

△19

調整後営業利益

165

304

△138

△45

その他

売上収益

876

1,375

△499

△36

調整後営業損失(△)

△84

△48

△36

連結 合計

売上収益

21,489

26,237

△4,748

△18

調整後営業利益

1,184

2,572

△1,388

△54

 

 当第3四半期連結累計期間(2020年1月1日から2020年9月30日)の各セグメントにおける業績は、第1四半期~第2四半期にかけてのCOVID-19によるグローバルでのタイヤ需要低迷後、第3四半期に入り一定の市況回復が見られましたが、対前年では未だ厳しい事業環境が継続し、以下のとおりとなりました。

 

[日本]

 乗用車及び小型トラック用タイヤ並びにトラック・バス用タイヤの販売本数は前年同期を大幅に下回りました。この結果、売上収益は5,268億円(前年同期比21%減)となり、調整後営業利益は263億円(前年同期比65%減)となりました。

 

[米州]

 北米タイヤ事業において、乗用車及び小型トラック用タイヤ、並びにトラック・バス用タイヤの販売本数は前年同期を大幅に下回りました。この結果、売上収益は10,367億円(前年同期比17%減)となり、調整後営業利益は875億円(前年同期比38%減)となりました。

 

[欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ]

 欧州では、乗用車及び小型トラック用タイヤ、並びにトラック・バス用タイヤの販売本数は前年同期を大幅に下回りました。この結果、売上収益は4,055億円(前年同期比16%減)となり、調整後営業損益は99億円の損失(前年同期は145億円の利益)となりました。

 

[中国・アジア・大洋州]

 乗用車及び小型トラック用タイヤ、並びにトラック・バス用タイヤの販売本数は前年同期を大幅に下回りました。この結果、売上収益は2,868億円(前年同期比19%減)となり、調整後営業利益は165億円(前年同期比45%減)となりました。

 

(注) セグメント別の金額はセグメント間の取引を含んでおり、連結合計の金額はそれらを消去した後の数値であります。

 

(2) 財政状態の状況

 当第3四半期連結会計期間末における財政状態の状況は以下のとおりであります。

 

(資産)

 資産合計は、現金及び現金同等物が2,282億円増加したものの、営業債権及びその他の債権が818億円、棚卸資産が1,140億円、有形固定資産が1,321億円、それぞれ減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ1,655億円減少し、41,116億円となりました。

 

(負債)

 負債合計は、営業債務及びその他の債務が1,193億円、未払法人所得税等が200億円、それぞれ減少したものの、流動負債の社債及び借入金が1,938億円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ614億円増加し、19,360億円となりました。

 

(資本)

 資本合計は、その他の資本の構成要素が994億円、配当金(親会社の所有者)により915億円、親会社の所有者に帰属する四半期損失の計上により241億円、それぞれ減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ2,269億円減少し、21,756億円となりました。

 その結果、親会社所有者帰属持分比率は、51.8%となり、前連結会計年度末に比べ3.1ポイントの減少となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 

 

当第3四半期

連結累計期間

前第3四半期

連結累計期間

増減

金額

 

億円

億円

億円

営業活動によるキャッシュ・フロー

3,150

2,969

+181

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,417

△2,570

+1,154

財務活動によるキャッシュ・フロー

707

△1,733

+2,439

現金及び現金同等物に係る換算差額

△159

△88

△70

現金及び現金同等物の増減額

2,282

△1,422

+3,704

現金及び現金同等物の期首残高

4,329

4,339

△10

売却目的で保有する資産に含まれる現金及び現金同等物

△23

23

現金及び現金同等物の第3四半期末残高

6,611

2,894

+3,717

 

 当第3四半期連結累計期間における当社グループの現金及び現金同等物(以下「資金」)は、全体で2,282億円増加(前年同期は1,445億円の減少)し、当第3四半期連結累計期間末には6,611億円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金収支は、3,150億円の収入(前年同期比181億円の収入増)となりました。これは、営業債務及びその他の債務の減少額672億円(前年同期は627億円の減少)や、法人所得税の支払額611億円(前年同期は694億円)などがあったものの、税引前四半期利益102億円(前年同期は2,631億円)や、減価償却費及び償却費1,995億円(前年同期は2,014億円)、営業債権及びその他の債権の減少額524億円(前年同期は228億円の増加)、棚卸資産の減少額1,017億円(前年同期は216億円の増加)などがあったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金収支は、1,417億円の支出(前年同期比1,154億円の支出減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出1,493億円(前年同期は2,018億円)などによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金収支は707億円の収入(前年同期は1,733億円の支出)となりました。これは、短期借入金の返済による支出2,072億円(前年同期は177億円)や、リース負債の返済による支出423億円(前年同期は404億円)、配当金の支払額(親会社の所有者)914億円(前年同期は1,176億円)などがあったものの、短期借入れによる収入3,027億円(前年同期は1,050億円)や、長期借入れによる収入1,167億円(前年同期は4億円)などによるものです。

 

(4) 経営方針・経営戦略等並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループを取り巻く事業環境は、国際関係・政治・経済・環境問題・技術革新といったあらゆる面で大転換期にあり、また頻発する自然災害や感染症問題により、社会構造や消費者意識も大きく変化していると認識しております。

 こうした中、当社グループは、2020年からを第三の創業(Bridgestone 3.0)と位置づけ、新たなチャプターへと踏み出しております。創業者の経営理念である「最高の品質で社会に貢献」という変わらぬ「使命」を果たすため、「2050年にサステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社であり続ける」ことをビジョンとし、それを実現するための中長期事業戦略に沿って経営を進めております。

 当社グループは、サステナビリティを経営の中核に据え、社会・お客様・パートナーの皆様と新たな価値の共創に取り組んでおります。当社グループの「強みと特性(コアコンピタンス)」を活かしたイノベーションでソリューションを提供し、お客様の困りごとの解決や人々の生活の質(Quality of life)の向上に貢献することで新たな価値を創造するとともに、地域社会や地球との共生に向けて、社会課題の解決やSDGsの達成に積極的に貢献してまいります。このように、当社グループ独自のソリューション活動を通じて社会価値と顧客価値を両立させながら創造し、それを拡大していくことで競争優位性の獲得にもつなげ、社会・お客様・パートナーの皆様と共に持続的な成長を目指していくのが、当社の描くサステナビリティを中核とした新たな成長戦略です。

 この事業戦略の中核となる当社グループ独自のソリューションのプラットフォーム「Bridgestone T&DPaaS(Bridgestone Tire and Diversified Products as a Solution)」を本格的に推進し、タイヤ・ゴム事業をさらに強化して確固たる地位を築きながらソリューション事業を推進拡大することによって、モビリティシステム全体を支えてまいります。

 また、COVID-19の拡大に対しては、当社グループは、お客様・お取引先様、従業員やその家族、地域社会の安全・安心を最優先に、関係機関と連携して感染拡大の抑止に努めてまいります。また、自社で生産する簡易マスクを生産拠点のある各地域へ提供する等、当社グループの資産や技術を活用した取り組みを通じて社会・地域に積極的に貢献してまいります。

 最後に、当社グループのブリヂストンサイクル株式会社において、同社が2003年9月から2015年5月に製造しましたハンドルロック「一発二錠」を搭載した自転車・電動アシスト自転車について、ハンドルロックケースの破損などが原因で錠が誤作動し、走行時にハンドル操作が出来なくなることによる事故が発生しています。対象製品については、2019年6月より無償点検・改修を実施しております。当社グループは今回の件を真摯に受け止め、引き続き安心・安全をお客様にご提供してまいります。

 

(注) 「一発二錠」とは、ハンドルロック(前錠)と後輪錠(サークロック)を組み合わせた錠前システムで、後輪錠(サークロック)の施錠・開錠と連動してハンドルロック(前錠)も施錠・開錠します。

 

(5) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は712億円であります。

 また、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の重要な変更は次のとおりであります。

 

(研究成果)

① 鉱山の生産性向上に貢献する建設・鉱山車両用タイヤ「Bridgestone MASTERCORE(マスターコア)」を開発

 内製スチールコードをはじめとした素材、構造、製造技術を含む当社独自の新技術を結集し、断トツの高耐久性能を実現させた強靭なタイヤ「Bridgestone MASTERCORE」を開発しました。お客様ごとに異なる鉱山現場やオペレーション計画に合わせて「カスタマイズ」することで、最適な性能を提供し、車両稼働時間の最大化や車両運搬効率の向上といったお客様の生産性向上に貢献できると考えています。

 

② 車両走行中の安全性を高めるタイヤモニタリングシステムをマイクロソフトコーポレーションと協働で開発

 より安全なクルマ社会の実現に向けて、Microsoft Connected Vehicle Platformを活用し、走行中のタイヤトラブルをリアルタイムで検出することで、ドライバーに危険を知らせることができる世界初のモニタリングシステムを開発しました。当システムはドライバーへ危険を認知させるだけでなく、道路管理者等に道路のくぼみやその他危険要因の存在を通知することができます。また、道路トラブル情報を近隣車両とクラウド上で共有することによりタイヤトラブルを未然に回避するなど、将来の自動運転化に貢献できると考えています。

 

(6) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

 当第3四半期連結累計期間における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

362,790

△14.7

米州

757,126

△24.3

欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ

315,339

△27.0

中国・アジア・大洋州

214,817

△25.2

その他

33,391

△4.3

合計

1,683,463

△22.8

  (注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

 当社グループは、少数の特殊製品(特殊ホース等)について受注生産を行うほかは、すべて見込生産であります。

 

③ 販売実績

 当第3四半期連結累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

405,970

△21.4

米州

1,032,431

△17.2

欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ

399,990

△15.8

中国・アジア・大洋州

250,291

△18.0

その他

60,228

△24.4

全社又は消去

32

8.0

合計

2,148,941

△18.1

  (注) 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(7) 主要な設備

設備の新設、除却等の計画

 当第3四半期連結累計期間において、「欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ」セグメントにおけるBRIDGESTONE FRANCE S.A.S.は、2020年9月に同社が保有するべチューン工場の閉鎖に向けて関係者と協議を開始しております。

 

3【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。