第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループを取り巻く事業環境は、国際関係・政治・経済・環境問題・技術革新といったあらゆる面で、変化のスピードが加速しています。特に、2020年から続くCOVID-19感染拡大は、グローバルで経済や生活に大きな影響を与え続けています。また、気候変動対策へも、グローバルで注目が高まっております。それらはモビリティ業界において、EV化の加速など、CASE、MaaSの動きへもつながっています。モビリティ業界のプレーヤーが多様化し、業界構造の変化が起こると共に、タイヤ業界においても構造変化が進み、業界全体の利益額が減少傾向にありました。2021年は回復基調となったものの、事業環境の変化はますます加速しています。変化に対応し、強くなければ生き残れません。

こうした中、当社グループは、中期事業計画(2021-2023)に沿って、環境変化に対応できる、強いブリヂストンへの変革を推し進めています。収益の低下傾向にあった2015年から2019年を振り返り、「過去の課題に正面から向き合い、先送りしない」、事業環境の変化に素早く対応し、「足元をしっかり、実行と結果に拘る」、2030年をマイルストンとして「将来への布石を打つ」という3つの軸で取り組んでおります。また、これらの変革の推進のため、ROIC(投下資本利益率)を経営の最重要指標に設定し、ポートフォリオ経営も強化しております。中期事業計画(2021-2023)の経営指標として、2023年に、売上収益33,000億円レベル、調整後営業利益4,500億円レベル、調整後営業利益率13%レベル、ROIC10%レベル、ROE12%レベルを計画しています。

過去の課題については、当社グループの収益低下に向き合い、稼ぐ力の再構築を推進しております。中長期的なスパンでタイヤ事業、化工品・多角化事業、内製事業など全ての事業領域において、生産拠点再編・事業再編を着実に行い、固定費の削減など経費・コスト構造改革を推進しております。

足元の課題については、グローバルですばやく事業環境・タイヤ需要の変化に対応し供給・販売機会を最大化するサプライチェーンマネジメントを「フレキシブル・アジャイルマネジメント」として推進してまいりました。また、高インチ乗用車用タイヤ、新たなプレミアム商品として環境性能と運動性能を両立する革新的なタイヤ基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」を搭載するタイヤ、鉱山車両用タイヤの「Bridgestone MASTERCORE(ブリヂストン マスターコア)」など高付加価値商品の拡販を推進し、プレミアムビジネス戦略の強化とビジネスの質の向上を徹底的に進めてまいりました。

そして、中長期的な成長を見据え戦略的成長投資を実行し、将来への布石を打ってまいります。コア事業においては中長期的な生産拠点・供給体制の再構築や、「ENLITEN」の拡大へ取り組んでまいります。「ENLITEN」は、EVへの装着に最適な革新的タイヤ基盤技術として開発を強化していますが、今後は、ENLITENビジネス戦略として、商品、ビジネスモデルに価値を拡大してまいります。環境負荷を低減すると共にビジネス成長を実現、お客様一人ひとりに合わせたタイヤ性能のカスタマイズと、生産から販売といったバリューチェーン全体の効率化による生産性の向上、コスト最適化など、二律背反の価値を同時に創出する、EV時代の新たなプレミアム戦略として構築してまいります。成長事業においては、ソリューションのグローバル展開に向けて戦略的成長投資を各地域で継続して実行してまいります。М&Aによるモビリティソリューションの拡充、当社グループのグローバル小売ネットワークを基盤とした小売サービス事業の強化など、ソリューション事業の拡大に向けて取り組んでまいります。

これらの施策や投資の全体最適を担保するために、個々の投資活動に対する投下資本とリターンを厳しく評価しながら迅速な意思決定をサポートすると共に、意思決定後の進捗も厳格にモニタリングし状況に応じてフレキシブルに改善を提案するグローバルコントローラー機能の強化など、財務戦略基盤を整えました。

加えて、当社グループの強み・コアコンピタンスの活きる領域において探索事業を開始しました。リサイクル、ソフトロボティクス、グアユール事業における探索を開始し、ヒト・モノの移動と動きを支え続けるため、共創をベースとして、事業化に向けて技術、ビジネスモデルの探索を続けてまいります。

これら中期事業計画の実行を支える人事・組織体制として、ブリヂストン流のHRX(Human Resource Transformation)も継続して推進しております。リーンな組織体制を徹底しつつ、多様な人財の最適な配置、活躍を可能にするため、ジョブ型や、個人がスキル・経験を登録し、それを活かせるポジションに配置するジョブマッチング制度の導入などの施策を強化しております。

経営の中核であるサステナビリティについては、ブリヂストンらしい8つの価値を、ブリヂストンらしい目的と手段で創出していくことにコミットする「Bridgestone E8 Commitment(ブリヂストン イーエイト コミットメント)」を未来からの信任を得ながら経営を進める軸として、取り組みを進めます。カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーの実現のための取り組みとビジネスモデルを連動する当社グループ独自のサステナビリティビジネスモデルの実現を目指してまいります。これまで、2050年を見据えた環境長期目標を2012年に策定し、これを達成するために、2030年を目標とした環境中期目標「マイルストン2030」を設定しました。CO2排出量削減について、2030年にCO2の総量(Scope 1、2)(注)を2011年対比50%削減、2050年に向けてカーボンニュートラルへ、という明確なターゲットを掲げております。2021年のCO2排出量(Scope1、2)は、再生可能エネルギーの導入など更なる削減を図っており、ターゲットの達成に向け順調に進捗しております。バリューチェーン全体のCO2排出量(Scope3)(注)の削減については、2030年までにソリューションの提供により、商品・サービスのライフサイクルを通じて、Scope1、2の排出量の5倍以上のCO2削減に貢献(基準年:2020年)することを目標とし、活動を進めてまいります。また、サーキュラーエコノミーへの貢献を促進していくために、使用する原材料に占める再生資源又は再生可能資源の割合を、2030年までに40%に向上することを目指してまいります。

当社グループは、今後も、サステナビリティを経営の中核に据え、社会価値と顧客価値の創造を両立させ、競争優位を獲得することで、社会・パートナー・お客様と共に持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。

 

(注)Scope1は企業が直接排出するCO2(自社工場のボイラーなどからの排出)、Scope2はエネルギー起源間接排出(電力など他社から供給され、自社で消費したエネルギーに伴うCO2排出)、Scope3はライフサイクルにおける原材料調達、流通、顧客の使用と廃棄・リサイクル段階のCO2排出量等を指します。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、当該リスク発生の回避、及び発生した場合の対応に努めております。

ただし、記載された事項以外にも予見することが困難なリスクが存在し、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、文中に含まれる将来に関する記載は、有価証券報告書提出日(2022年3月23日)現在で判断したものであります。

 

(リスクの管理・評価プロセス)

当社グループでは、毎年各地域及びグループ全体で直面する可能性のあるリスクを影響度と発生可能性の観点から評価及び特定し、そのリスクに対してグループ全体だけではなく、事業・SBU(戦略的事業ユニット)・部門単位での責任者を明確にし、自律的かつ継続的にリスク管理を行うとともに、経営上重大なリスクに関しては、

Global CEOの直接の指揮の下で対応する体制をとっております。

 

(1) 事業を取り巻く経済環境、及び需要動向に関するリスク

当社グループは、開発・調達・生産・流通・販売などの事業活動をグローバルに展開しており、当社グループの業績及び財政状態は、事業活動を行っているそれぞれの国や地域における金利、為替、株式相場の変動などの経済環境や需要動向の変化により、さまざまな形で影響を受けております。当期の当社グループの地域ごとの売上収益比率は、米州が46%、欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカが23%、日本が17%、中国・アジア・大洋州が14%の構成となっており、これらの地域の経済環境が悪化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に特に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループのビジネスは自動車産業と密接に関連していることから、当社グループの業績及び財政状態は、グローバルな自動車産業の景況による影響を受けております。自動車産業の動向以外にも、タイヤ市販用市場では各国の消費動向や自動車燃料価格の変動などによる影響を受けており、これらの要因によりタイヤ需要が減少する、あるいは予想している需要増加が減速する場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの建設・鉱山車両用大型・超大型ラジアルタイヤや油圧ホース等一部の商品につきましては、資源産業及び土木・建築産業の景況による影響を受けており、これらの要因により需要が減少する、あるいは予想している需要増加が減速する場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

さらに、当社グループは、日本、欧州、北米などさまざまな地域で冬用タイヤを販売しておりますが、これらの地域における降雪が少なく需要が減少する場合には、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。

 

(2) 法律・規制・訴訟に関するリスク

当社グループは、事業活動を行っている各国において、投資、貿易、為替管理、移転価格を含む税制、独占禁止、環境保護、個人情報保護など、関連する法律や規制の適用を受けております。当社グループの事業活動に影響を及ぼすものとして、例えば、国内外においてタイヤ性能に関する表示制度・規制や化学物質規制などが制定・導入されております。したがって、将来においても、新たな法律や規制により、事業活動の制約やコストの上昇など当社グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

これらの他、当社グループは、国内外の事業活動に関連して、訴訟や各国当局による捜査・調査の対象となる可能性があります。重要な訴訟が提起された場合や、各国当局による捜査・調査が開始された場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 事業活動中断のリスク

・災害、戦争・テロ・暴動、社会的・政治的混乱など

当社グループは、開発・調達・生産・流通・販売などの事業活動をグローバルに展開しており、さまざまな国や地域における大規模な地震や風水害などの自然災害や、戦争・テロ・暴動、ボイコット、感染症、エネルギー供給障害、交通機能障害を含む社会的・政治的混乱などのリスクにさらされております。さらに、国内外における政治的・経済的条件の急激かつ大幅な変動などの要因により、当社グループの事業活動の継続に支障をきたす可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの事業活動の中核として重要な拠点が多数所在している日本における地震災害リスクに対しては、当社グループは耐震診断の結果に基づき優先順位をつけて耐震補強工事を計画的に進めております。さらに、地震災害が発生した場合の迅速な初期対応の推進及び業務を早期に復旧継続させることを目的とした事業継続計画(Business Continuity Plan、以下BCP)を策定し、その運用を振り返ることで内容を継続的に改善しております。また、新型インフルエンザや新型コロナウイルスなどの未知なる病原体が引き起こす感染症の拡大に対しても、従業員・家族・関係者の生命と安全の確保を最優先しながら事業損失の最小化を図るためのBCPを策定し、その運用を通じて内容を拡充しております。しかしながら、実際に発生した場合には、操業の中断・縮小、施設等の損害、多額の復旧費用などにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの特定商品や特定原材料を集中的に生産している拠点で事業活動の継続に支障をきたすような事態が生じた場合は、供給義務を果たせないことによる顧客からの信頼の喪失や賠償責任の追及につながる可能性もあり、その場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

・情報システム障害

当社グループの事業活動における情報システムの重要性は非常に高まっており、セキュリティの高度化などシステムやデータの保護に努めておりますが、それにもかかわらず、災害やサイバー攻撃など外的要因や人為的要因などにより情報システムに障害が生じた場合、重要な業務やサービスの停止、機密情報・データや個人情報の盗取や漏洩などのインシデントを引き起こし、事業活動の継続に支障をきたす可能性があります。その結果、当社グループのブランドイメージや社会的信用の低下、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

・ストライキ

当社グループは、円滑な労使関係の構築に努めておりますが、労使間の交渉が不調に終わり、長期間に及ぶストライキなどが発生した場合、事業活動の継続に支障をきたす可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 気候変動に関するリスク

気候変動への対応に世界的な関心が高まり、パリ協定に代表される脱炭素社会への動きが加速する中で、当社グループは気候変動によるリスク及び機会を認識し、事業戦略への反映を進めております。主なリスクとしては、「気候変動による物理的リスク」及び「脱炭素社会への移行リスク」を認識しております。「気候変動による物理的リスク」には、台風の大型化、洪水や渇水の発生頻度の増加による事業活動中断のリスク、降雨パターンの変化に伴う天然ゴムの収穫不良による原材料調達に関するリスク、降雪量の減少により冬タイヤの需要が減少するリスクがあります。「脱炭素社会への移行リスク」には、気候変動のために、国内外において、炭素税やCO2排出削減義務・排出量取引制度、タイヤの低燃費性能等に関する制度・規制、使用済みタイヤのリサイクルに関する制度・規制などの導入が進む際に、社会や顧客の急速なニーズ変化に対して研究開発費を十分な事業成果に結びつけることができない場合は、事業活動の制約やコストの上昇など当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。反面、これらの社会や顧客のニーズ変化を新たな成長機会とも捉えております。

「脱炭素社会への移行リスク」及び機会への認識を踏まえ、当社は、2050年を見据えた長期目標「カーボンニュートラル化」、2030年目標「①2030年までに私たちが排出するCO2の総量(Scope1、2)を50%削減する(2011年比)、②2030年までにソリューションの提供により、商品・サービスのライフサイクル、バリューチェーン全体(Scope3)を通じて、私たちの生産活動により排出するCO2排出量(Scope1、2)の5倍以上のCO2削減に貢献していく(2020年比)」を設定し、CO2削減に貢献する新技術の開発、当社グループの生産拠点におけるCO2排出量の削減、低燃費タイヤの開発・販売、リトレッドタイヤビジネスの拡大など目標の達成へ向けた活動を進めております。投資の判断においても「脱炭素社会への移行リスク」及び機会が評価できるように、社内カーボンプライシングによるCO2排出コストと削減効果を加味した投資判断を行っております。また、使用済みタイヤを原材料などに「戻す」リサイクル事業の構築に向けた取り組みを通じて、バリューチェーン全体でのCO2排出量の削減にも取り組んでおります。

「気候変動による物理的リスク」及び機会に対しては、BCPを策定して事業の継続または再開に向けて適切な危機対応や支援が行えるように体制を整えるとともに、乾燥地帯で育つ「ゴムをつくる植物」グアユールの事業化に向けた取り組みを通じて、天然ゴム供給源の多様化に取り組んでおります。

 

(5) 企業イメージに関するリスク

当社グループは、事業活動を通じて企業イメージ・ブランドイメージの維持向上に努める一方、法令遵守や企業倫理に基づく事業活動、及び火災や労働災害などの企業災害の防止・対策活動に努めておりますが、それにもかかわらず、社会的な信用を失墜させるような企業不祥事や企業災害が発生した場合には、顧客からの信頼喪失や株価の下落を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 為替変動に関するリスク

当社グループは、開発・調達・生産・流通・販売などの事業活動をグローバルに展開しており、原材料の調達や販売活動などにおいて、多種の通貨による取引を行っております。外貨建ての営業債権債務に対しては為替予約取引など、また、外貨建ての貸付金及び借入金に対しては通貨スワップ取引などを行うことにより、短期的な為替相場の変動影響を最小限にする努力をしておりますが、世界各地で国際間取引を行っていることから、為替相場の変動は、当社グループの業績に影響を及ぼすことになります。また、海外での売上収益、費用、資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算されることから、為替相場の変動による影響を受けることになります。一般に、他国通貨に対する円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安は当社グループの業績に好影響をもたらします。

 

(7) 競争激化に関するリスク

当社グループは、それぞれの市場で多数の企業と競合しているため、価格競争が発生しております。また、企業向け取引では、顧客から価格低減の要請を受けることがあります。このような事業環境に対し、当社グループは、原価の低減や効率性の追求、顧客や市場への新しい商品価値の提案などによる内部努力を継続しておりますが、それらの努力で価格低下を吸収できない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、製造業者として技術力を核とした戦略を重視しており、新技術を搭載した製品の市場投入を積極的に進めております。これらの技術開発のための投資や費用は、最終的に高い商品価値を顧客に認めていただくために投入しているものですが、競合他社との激しい競争において、事業として十分な成果に結びつけることができない場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 製品の欠陥に関するリスク

当社グループは、製造業者として販売する製品の品質に万全を期すことに努めております。特に、タイヤなど人命にかかわる商品を主に扱っているという認識に立ち、製品品質の確保、市場情報の収集や品質に関する早期警報システムの構築など、品質保証体制の充実に努めておりますが、予測できない原因により製品に欠陥が生じた場合や、顧客の安全・安心を最優先に確保するという観点から大規模なリコールなどを実施する可能性は皆無ではありません。そのような事態が発生した場合には、回収費用、社会的な信用の毀損、顧客への補償や訴訟費用・賠償費用などにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に米国の製造物賠償責任訴訟や集団訴訟は、より重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 原材料調達に関するリスク

当社グループは、タイヤなどゴム製品の原材料として天然ゴムを使用しておりますが、天然ゴムの主要生産地である東南アジア諸国における災害、戦争・テロ・暴動、社会的・政治的混乱、ストライキ、あるいは収穫不良などにより、天然ゴムの安定供給に支障が生じた場合、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難になり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、天然ゴム以外の主要原材料調達においても、原料需給の逼迫や供給能力の制約により、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難になる場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

さらに、当社グループは、いくつかの主要原材料の調達について、グループ内の原材料生産拠点、又は一部のグループ外供給元に依存しております。このため、特定の原材料供給元の操業が停止するなどにより、必要な原材料の調達ができない状況が発生した場合は、当該原材料に依存している当社又はグループ会社の生産に著しい悪影響を及ぼし、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

加えて、需給の逼迫や投機目的の売買などにより、当社グループが調達している原材料の価格が高騰し、生産性向上などの内部努力や価格への転嫁などにより吸収できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 退職給付費用及び債務に関するリスク

当社グループの退職給付費用及び債務は、数理計算上の割引率などの前提条件に基づいて算出しております。しかしながら、年金資産等の制度資産の公正価値、金利の変動等により、これらの前提条件に大きな変動があった場合、あるいは前提条件の変更が必要になった場合には、退職給付費用や債務が増加し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 知的財産侵害に関するリスク

当社グループでは、知的財産を企業の競争力を高めるための重要な経営資源と位置づけ、第三者の知的財産権に対する侵害の予防、及び保有している多数の知的財産権の保護に努めております。それにもかかわらず、当社グループの認識又は見解との相違から、第三者から知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、当社グループとして製造販売中止、あるいは損害賠償などが必要になった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、第三者による知的財産権侵害を当社グループが主張したにもかかわらず、侵害があったと認められない場合には、当社グループの製品差別化や競争優位性が確保されず、結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社の米国子会社であるBRIDGESTONE AMERICAS, INC.は、2021年1月6日(現地時間)に、同社の子会社であり米州セグメントに属するFSBPを、スイスの建設資材メーカーであるLafargeHolcim Ltdの米国子会社であるHolcim Participations (US) Inc.に売却することについて、同社と合意し、2021年3月31日に売却が完了いたしました。

当社は、2021年12月10日に、当社の防振ゴム事業を、吸収分割により当社が新たに設立する完全子会社に対して承継させ、当該完全子会社に当社グループの防振ゴム事業を集約した後、当該完全子会社の株式の全てを、AZ社に譲渡することを決定いたしました。

当社は、2021年12月10日に、当社の化成品ソリューション事業を、吸収分割により当社が新たに設立する完全子会社に対して承継させ、当該完全子会社に当社グループの化成品ソリューション事業を集約した後、当該完全子会社の株式の全てを、EU社が組成・管理・運営するEU投資組合に譲渡することを決定いたしました。

これらにより、当連結会計年度より、米国建築資材事業、防振ゴム事業、化成品ソリューション事業を非継続事業に分類するとともに、前期についても、組み替えて表示しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント」に記載のとおりであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

 当期における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 第1四半期連結会計期間から、セグメント区分を変更しております。また、前期の数値について新たなセグメント区分に組み替えたうえで、前期比の数値を計算しております。

 

a.業績全般

 

当期

前期

増減

金額

比率

 

億円

億円

億円

売上収益

32,461

26,952

+5,508

+20

調整後営業利益

3,943

2,074

+1,869

+90

営業利益

3,768

625

+3,143

+503

税引前当期利益

3,776

274

+3,502

親会社の所有者に帰属する当期利益

又は損失(△)

3,940

△233

+4,173

 

 当社グループは、企業理念の「使命」として掲げる「最高の品質で社会に貢献」の下、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンの実現に向け、2021年2月に「中期事業計画(2021-2023)」を発表し、実行しております。

 当期の当社グループを取り巻く環境は、世界各国でCOVID-19への感染対策と経済活動の両立が進むとともに、ワクチン接種が大きく進展したことで、世界経済の回復が進みました。グローバルのタイヤ需要に関しては、第3四半期以降に新車用タイヤにおいて半導体不足による車両減産の影響を受けたものの、市販用タイヤにおいては、各国での経済活動回復に加え、新車不足に伴う中古車市場の活況もあり、需要が堅調に推移しました。また、コスト面では、2020年からの世界経済の持ち直しと連動する形で天然ゴム・原油が高値圏で推移するとともに、海上運賃単価やエネルギーコスト、労務費などの高騰が続き、当社グループの収益性を圧迫する要因となりました。さらに、北米では、堅調な市販用タイヤ需要に対し、市場全体で労働力不足に伴うタイヤ供給の逼迫が発生し、供給対策が課題となりました。

 そのような環境下、当社グループは、「稼ぐ力の再構築」に向け、「経費・コスト構造改革」、「プレミアムビジネス戦略強化」を柱とした収益性向上への取組みをスピード感を持って推進するとともに、当社グループの強みであるグローバル生産体制を基盤としたフレキシブルな供給マネジメントにより市販用タイヤ需要の増加に機動的に対応し、販売拡大に繋げました。

 それらの結果、当社グループの当期の売上収益は32,461億円(前期比20%増)、調整後営業利益は3,943億円(前期比90%増)、営業利益は3,768億円(前期比503%増)、税引前当期利益は3,776億円(前期は274億円の利益)、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,940億円(前期は233億円の損失)となりました。

 また、当社グループは「稼ぐ力の再構築」の一環として「事業・生産拠点再編」を推進しており、当期においては、1月の米国建築資材事業の売却発表をはじめ、タイヤ・多角化・内製の全ての事業において中長期的な視点で再編を進めました。

 

b.セグメント別業績

 

 

当期

前期

増減

金額

比率

 

日本

 

億円

億円

億円

売上収益

8,730

7,763

+967

+12

調整後営業利益

1,170

910

+259

+29

米州

売上収益

14,546

11,639

+2,908

+25

調整後営業利益

1,906

1,096

+811

+74

欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ

売上収益

6,939

5,504

+1,435

+26

調整後営業利益又は

損失(△)

421

△209

+630

中国・アジア・大洋州

売上収益

3,869

3,236

+632

+20

調整後営業利益

420

249

+171

+68

その他

売上収益

664

515

+150

+29

調整後営業利益

51

+46

+981

連結 合計

売上収益

32,461

26,952

+5,508

+20

調整後営業利益

3,943

2,074

+1,869

+90

 

 当期の各セグメントにおける業績は、新車用タイヤにおいて半導体不足による車両減産のマイナス影響を受けた一方、市販用タイヤでは、各国の経済活動回復や中古車市場の活況により需要が堅調に推移した結果、以下のとおりとなりました。

[日本]

 乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数は前年を上回り順調に推移し、トラック・バス用タイヤの販売本数は前年を大幅に上回りました。この結果、売上収益は8,730億円(前期比12%増)となり、調整後営業利益は1,170億円(前期比29%増)となりました。

[米州]

 北米タイヤ事業において、乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数は前年を上回り好調に推移し、トラック・バス用タイヤの販売本数は前年を大幅に上回りました。この結果、売上収益は14,546億円(前期比25%増)となり、調整後営業利益は1,906億円(前期比74%増)となりました。

[欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ]

 欧州では、乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数は前年を上回り堅調に推移し、トラック・バス用タイヤの販売本数は前年を大幅に上回りました。この結果、売上収益は6,939億円(前期比26%増)となり、調整後営業利益は421億円(前期は209億円の損失)となりました。

[中国・アジア・大洋州]

 乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数は前年を上回り順調に推移し、並びにトラック・バス用タイヤの販売本数は前年を大幅に上回りました。この結果、売上収益は3,869億円(前期比20%増)となり、調整後営業利益は420億円(前期比68%増)となりました。

 

(注) セグメント別の金額はセグメント間の取引を含んでおり、連結合計の金額はそれらを消去した後の数値であります。

 

c.財政状態

(流動資産)

 流動資産は、現金及び現金同等物が230億円減少したものの、営業債権及びその他の債権が739億円、棚卸資産が1,389億円増加したことなどから、前期末比2,383億円増加(同12%増)し、22,929億円となりました。

(非流動資産)

 非流動資産は、有形固定資産が358億円、のれんが277億円、繰延税金資産が274億円増加したことなどから、前期末比1,472億円増加(同7%増)し、22,820億円となりました。

(流動負債)

 流動負債は、営業債務及びその他の債務が969億円、売却目的で保有する資産に直接関連する負債が345億円増加したものの、社債及び借入金が1,440億円減少したことなどから、前期末比183億円減少(同2%減)し、10,234億円となりました。

(非流動負債)

 非流動負債は、繰延税金負債が153億円増加したものの、社債及び借入金が554億円、退職給付に係る負債が197億円減少したことなどから、前期末比762億円減少(同8%減)し、8,761億円となりました。

 なお、流動負債及び非流動負債に計上された有利子負債(注)の合計は、前期末比1,951億円減少(同19%減)し、8,111億円となりました。

(注) 有利子負債には社債及び借入金、リース負債を含んでおります。

(資本)

 資本合計は、配当金(親会社の所有者)により1,021億円減少したものの、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により3,940億円増加したことなどから、前期末比4,801億円増加(同22%増)し、26,754億円となりました。

 

 これらの結果、当期末の資産合計は、前期末に比べて3,856億円増加(同9%増)し、45,749億円となりました。また、当期の親会社所有者帰属持分比率は57.5%となり、前期末比6.2ポイントの上昇となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 

当期

前期

増減

金額

 

億円

億円

億円

営業活動によるキャッシュ・フロー

2,815

5,269

△2,454

投資活動によるキャッシュ・フロー

1,317

△1,554

+2,871

財務活動によるキャッシュ・フロー

△3,793

181

△3,974

現金及び現金同等物に係る換算差額

484

△120

+604

現金及び現金同等物の増減額

823

3,776

△2,954

現金及び現金同等物の期首残高

8,105

4,329

+3,776

売却目的で保有する資産に含まれる現金及び現金同等物

△1,053

△1,053

現金及び現金同等物の期末残高

7,875

8,105

△230

 

 当期における当社グループの現金及び現金同等物(以下「資金」)は、全体で230億円減少(前期は3,776億円の増加)し、当期末には7,875億円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金収支は、2,815億円の収入(前期比2,454億円の収入減)となりました。これは、営業債権及びその他の債権の増加額699億円(前期は営業債権及びその他の債権の減少額569億円)や、棚卸資産の増加額1,402億円(前期は棚卸資産の減少額1,288億円)、法人所得税の支払額1,477億円(前期は717億円)などがあったものの、税引前当期利益3,776億円(前期は274億円)や、減価償却費及び償却費2,504億円(前期は2,675億円)などがあったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金収支は、1,317億円の収入(前期は1,554億円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出1,610億円(前期は2,007億円)や、無形資産の取得による支出240億円(前期は174億円)などがあったものの、非継続事業の売却による収入3,638億円(前期は収入なし)などによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金収支は3,793億円の支出(前期は181億円の収入)となりました。これは、短期借入れによる収入947億円(前期は3,094億円)などがあったものの、短期借入金の返済による支出2,203億円(前期は2,484億円)や、長期借入金の返済による支出1,091億円(前期は34億円)、リース負債の返済による支出597億円(前期は571億円)、配当金の支払額(親会社の所有者)1,021億円(前期は915億円)などによるものです。

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当期における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

日本

659,448

+15.6

米州

1,185,037

+41.2

欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ

610,490

+43.3

中国・アジア・大洋州

311,842

+27.6

合計

2,766,817

+33.0

  (注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当社グループは、少数の特殊製品(特殊ホース等)について受注生産を行うほかは、すべて見込生産であります。

 

c.販売実績

 当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

日本

767,138

+10.2

米州

1,443,758

+24.7

欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ

686,140

+25.5

中国・アジア・大洋州

328,817

+16.4

その他

20,175

+67.8

全社又は消去

28

△10.3

合計

3,246,057

+20.4

  (注) 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年3月23日)現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。

 

② 当期の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当期の経営成績等は、次のとおりであります。

 なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因や当該事項への対応については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 (売上収益、調整後営業利益及び営業利益)

 売上収益は、世界各国での経済活動回復によるタイヤ需要増の影響などで前期比5,508億円増加(同20%増)し、32,461億円となりました。

 調整後営業利益は、世界各国での経済活動回復によるタイヤ需要増の影響などで前期比1,869億円増加(同90%増)し、3,943億円となりました。また、営業利益は、上記に加え減損損失が733億円、事業・工場再編費用が291億円減少したなどにより前期比3,143億円増加(同503%増)し、3,768億円となりました。

 この結果、調整後営業利益率は12.1%となり、前期比4.5ポイントの上昇となりました。

 なお、セグメント別の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 (親会社の所有者に帰属する当期損益)

 親会社の所有者に帰属する当期損益は、3,940億円の利益(前期は233億円の損失)となりました。これは、営業利益が3,143億円の増益となったことなどによるものです。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

 現金及び現金同等物は、前期末比230億円減少し、7,875億円となりました。なお、活動区分ごとのキャッシュ・フローについては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 資金調達にあたっては、金融機関からの借入れに加え、引き続き、国内普通社債やコマーシャル・ペーパーなどの直接金融手段や、売上債権の証券化、リースの活用など、リスク分散や金利コストの抑制に向けその多様化を図ってまいります。

 資金使途につきましては、主にコア事業における稼ぐ力の再構築、成長事業であるソリューション事業拡大のための戦略的成長投資、探索事業への戦略的成長投資などに活用しつつ、適正な財務体質の維持と株主還元に活用してまいります。

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、中期事業計画(2021-2023)の経営指標として、2023年に、売上収益33,000億円レベル、調整後営業利益4,500億円レベル、調整後営業利益率13%レベル、ROIC10%レベル、ROE12%レベルを計画しています。

 当期においては、売上収益32,461億円(前期比5,508億円増加)、調整後営業利益3,943億円(前期比1,869億円増加)、調整後営業利益率12.1%(前期比4.5ポイント上昇)、ROIC9.0%(前期比3.9ポイント上昇)、ROE12.9%(前期は△0.9%)でした。

(注) ROEにつきましては、親会社の所有者に帰属する当期利益のうち継続事業に係る金額に基づいて算出しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(米国建築資材事業)

 当社の米国子会社であるBRIDGESTONE AMERICAS, INC.は、2021年1月6日(現地時間)に、同社の子会社であり米州セグメントに属するFSBPを、スイスの建設資材メーカーであるLafargeHolcim Ltdの米国子会社であるHolcim Participations (US) Inc.に売却することについて、同社と合意し、2021年3月31日に売却が完了いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 31.非継続事業」及び「37.子会社及び関連会社等 (2) 子会社に対する支配の喪失」に記載のとおりであります。

 

(防振ゴム事業)

 当社は、2021年12月10日に、当社の防振ゴム事業(以下、対象事業)を、吸収分割(以下、本会社分割)により当社が新たに設立する完全子会社(以下、新会社)に対して承継させ、新会社に当社グループの対象事業を集約した後、その新会社の株式の全てを、AZ社に譲渡すること(以下、「本株式譲渡」といい、本会社分割及び本株式譲渡を「本件取引」といいます。)を決定いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 31.非継続事業」に記載のとおりであります。

 本件取引の概要は、以下のとおりであります。

①本会社分割の方式

 当社を吸収分割会社とし、新会社を吸収分割承継会社とする吸収分割です。

 

②本件取引の日程

本株式譲渡契約日

2021年12月10日

本会社分割契約締結日

2022年4月(予定)

本会社分割効力発生日

2022年7月(予定)

本株式譲渡実行日

2022年7月(予定)

 

③分割する資産、負債の項目及び帳簿価額

項目

帳簿価額

資産合計

14,648百万円

負債合計

11,834百万円

 上記は2021年12月末時点のものであり、実際に分割する資産及び負債の金額は上記金額に効力発生日までの増減が調整されたうえで確定いたします。

 

④本会社分割に係る割当ての内容

 新会社は、本会社分割に際し、当社に対して金銭等の対価を交付しません。

 

⑤本会社分割に係る割当ての内容の算定根拠

 承継する事業の評価については、分割期日後に確定作業等を経た帳簿価額で算定する予定です。

 

⑥本会社分割の吸収分割承継会社の概要(2021年12月末時点)

名称

未定

所在地

未定

代表者の役職・氏名

未定

事業内容

未定

資本金

未定

 

(化成品ソリューション事業)

 当社は、2021年12月10日に、当社の化成品ソリューション事業(以下、対象事業)を、吸収分割(以下、本会社分割)により当社が新たに設立する完全子会社(以下、新会社)に対して承継させ、新会社に当社グループの対象事業を集約した後、その新会社の株式の全てを、EU社が組成・管理・運営するEU投資組合に譲渡すること(以下、「本株式譲渡」といい、本会社分割及び本株式譲渡を「本件取引」といいます。)を決定いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 31.非継続事業」に記載のとおりであります。

 本件取引の概要は、以下のとおりであります。

①本会社分割の方式

 当社を吸収分割会社とし、新会社を吸収分割承継会社とする吸収分割です。

 

②本件取引の日程

本株式譲渡契約日

2021年12月10日

本会社分割契約締結日

2022年5月(予定)

本会社分割効力発生日

2022年8月(予定)

本株式譲渡実行日

2022年8月(予定)

 

③分割する資産、負債の項目及び帳簿価額

項目

帳簿価額

資産合計

14,128百万円

負債合計

10,657百万円

 上記は2021年12月末時点のものであり、実際に分割する資産及び負債の金額は上記金額に効力発生日までの増減が調整されたうえで確定いたします。

 

④本会社分割に係る割当ての内容

 新会社は、本会社分割に際し、当社に対して普通株式100株を交付します。

 

⑤本会社分割に係る割当ての内容の算定根拠

 承継する事業の評価については、分割期日後に確定作業等を経た帳簿価額で算定する予定です。

 

⑥本会社分割の吸収分割承継会社の概要(2021年12月末時点)

名称

未定

所在地

未定

代表者の役職・氏名

未定

事業内容

未定

資本金

未定

 

5【研究開発活動】

当社グループは、ビジョンの実現に向けて、コア事業であるタイヤ事業を更に強化し、その強みを活かし成長事業であるソリューション事業をグローバルで拡充、タイヤを原材料に戻し再利用するリサイクル事業や天然ゴム供給源の多様化を図るグアユール事業などを探索事業として取り組みを進めています。それぞれの事業を強化するのみならず、創出された価値をバリューチェーン全体へ循環させ、増幅していくことを目指しております。その取り組みの基盤となるのが、技術イノベーションです。技術イノベーションを軸に、研究開発活動に取り組み、当社グループが現物現場で長年培ってきた強い「リアル」に「デジタル」を組み合わせて、イノベーションを加速させ、「断トツ商品」や「断トツソリューション」の開発につなげてまいります。

タイヤ事業では、EV(電気自動車)への装着に最適な革新的なタイヤ基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」を開発しました。省資源・低燃費化によるCO2排出量削減と資源生産性の向上、高い運動性能による安心・安全の向上、電気自動車においては航続距離の延長にも寄与します。「ENLITEN」を搭載したタイヤは、電気自動車をはじめとする国内・海外の主要新車メーカーに採用されると共に、新興メーカーへも納入し、新たなパートナーとの価値共創へも取り組んでまいります。

さらに、タイヤを構成する部材であるケースとベルトの組み合わせを異なる商品間で共有、シンプル化するとともにタイヤ表面のトレッド性能をお客様の使用条件に合わせカスタマイズすることで差別化を実現するコモナリティ・モジュラリティ技術の開発も進めております。開発・製造工程の効率化を含めてバリューチェーン全体で環境負荷を低減しつつ、顧客価値の最大化を図ってまいります。

成長事業であるソリューション事業については、欧州のデジタルフリート(運送)ソリューションプロバイダーであるWEBFLEET SOLUTIONSを中核としてモビリティソリューションの開発、拡充を推進しております。2021年9月には、米国のAZUGA HOLDINGS, INC.の買収を完了し、モビリティソリューションの開発強化に向け、連携を進めてまいります。また、鉱山ソリューションにおいては、鉱山車両用タイヤの断トツ商品「Bridgestone MASTERCORE(ブリヂストン マスターコア)」と、車両とタイヤをモニタリングするデジタルツールを組み合わせ、鉱山事業者のオペレーションを最適化する鉱山ソリューションの開発へ力を入れております。

天然ゴムの持続可能な安定供給・生産性向上に向けては、高収量のゴム農園実現に貢献することを目的に、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構統計数理研究所の学術指導を経て、ビッグデータを活用した「パラゴムノキ」の植林計画最適化システムを開発しました。農園の作地面積を増やさずに天然ゴムの生産性を安定的に向上させる取り組みを進めております。さらに、天然ゴム供給源の多様化に向けて、乾燥した地域で栽培可能な植物「グアユール」由来の天然ゴム実用化にも取り組んでおります。キリンホールディングス株式会社との共同研究では、グアユールの優良品種の苗を効率的かつ安定的に増やすための技術開発に成功するなど、さまざまなパートナーとの共創により、実用化へ向けた技術と、ビジネスモデルの構築を進めております。

「リアル」と「デジタル」を組み合わせたタイヤ、ソリューション、技術の開発のために重要なDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するため、高度なAIやアルゴリズムの分析、開発を担当するデータサイエンティストなどのデジタル人財の育成、採用も進めております。東北大学の構内に「ブリヂストン×東北大学共創ラボ」を設置するなど、デジタル分野における社外との連携も深めてまいります。

さらに、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、トヨタ自動車株式会社と共に、人類の夢を背負って過酷な月面環境に挑戦する国際宇宙探査ミッションへ参画し、有人月面探査車「ルナ・クルーザー」向けのタイヤ開発を進めております。

これらの技術イノベーションを推進するため、技術開発拠点である小平地区を再開発し、グローバルなイノベーション拠点として「Bridgestone Innovation Park(ブリヂストン イノベーション パーク)」を構築しました。2021年12月には社外パートナーとの共創を通じてアイデアを具現化するイノベーションセンター「B-Innovation(ビーイノベーション)」、更には具現化した技術をエンジニア自ら体感することができるミニテストコース「B-Mobility(ビーモビリティ)」が竣工しております。2022年上期に開所式の実施を予定しており、より多くのパートナーの皆様と共感から共創へつながる活動を広めてまいります。

「Bridgestone Innovation Park」を中核として、欧州「Digital Garage(デジタル ガレージ)」、米国「Mobility Lab(モビリティ ラボ)」といった当社グループのイノベーション拠点それぞれが強みを活かして連携し、イノベーションを加速してまいります。

なお、当期におけるグループ全体の研究開発費は955億円であります。

 

(注) 当社グループの研究開発活動には、特定のセグメントに紐づかないものがあり、またその成果はセグメント横断的に効果があるため、セグメント別の状況及び金額の記載を省略しております。