当社グループを取り巻く事業環境は、国際関係・政治・経済・環境問題・技術革新といったあらゆる面で変化のスピードが加速し、変化が常態化しています。COVID-19の影響に加え、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した国際情勢の変化や原材料・エネルギー価格の変動、急激な物価上昇など、様々な変化が続き、世界経済や人々の生活に大きな影響を与えています。また、気候変動対策をはじめとしたサステナビリティへの取り組みは、より一層、グローバルでその重要性が高まっています。それらはモビリティ業界において、EV化、デジタル化の加速など、CASE(ケース)、MaaS(マース)の動きへもつながり、タイヤに求められる価値も大きく変化し続けています。
このような、予測困難な時代を生き抜くため、当社グループは2030年に実現したい姿を設定し、その道筋とする、「2030年 長期戦略アスピレーション(実現したい姿)」を発表いたしました。創立100周年となる2031年を見据えて、常態化する変化に動ぜず、ゴムのように強靭でしなやかに、変化をチャンスに変えるレジリアントな“エクセレント”ブリヂストンへの変革を加速してまいります。
その起点となる2023年は、変化に対応できる強いブリヂストンを目標とした中期事業計画(2021-2023:売上収益3兆3,000億円レベル、調整後営業利益4,500億円レベル、調整後営業利益率13%レベル、ROIC10%レベル、ROE12%レベル)の最終年として、実現したい姿に向けた成長の基盤を構築する重要な年であり、3つの軸を持って、課題に取り組んでまいります。その1つ目は、「過去の課題に正面から向き合い、先送りしない」、2つ目は、「足元をしっかり、実行と結果に拘る」、3つ目は2030年をマイルストンとした「将来への布石を打つ」であります。
「過去の課題」については、2022年までに中期事業計画(2021-2023)で計画した事業・生産拠点再編をほぼ完了しております。固定費の効率化など経費・コスト構造改革を継続して推進し、稼ぐ力の再構築の第一ステップを終了する計画です。前期より、企業カルチャーチェンジ・人財育成分野の課題解決に向けても本格的に着手いたしました。人財投資を強化し、付加価値を上げ、価値創造の好循環を生む人的創造性向上を、2023年中に具体化し、中期事業計画(2024-2026)からグローバル経営指標として設定する予定です。
「足元の課題」については、2022年の激動の事業環境を乗り越える過程で、PDCAサイクル(計画、実行、評価、改善サイクル)を迅速に回し、実行と結果に拘る意識・姿勢を全社に浸透させております。プレミアムタイヤ事業においては、より一層、プレミアムタイヤ領域にフォーカスし、乗用車用高インチタイヤや、鉱山車両用タイヤなどプレミアム商品の更なる販売拡大、シェアアップに加え、厳しい事業環境下においてもお客様に商品・サービスの価値を認めていただくことを基本とした戦略的価格マネジメントを強化し、ビジネスの質の向上に努めてまいります。
そして、「将来への布石を打つ」については、「2030年 長期戦略アスピレーション(実現したい姿)」を道筋として、サステナビリティを経営の中核に据え、経営体制強化と、プレミアムタイヤ事業、ソリューション事業、化工品・多角化及び探索事業における戦略的成長投資を実行してまいります。プレミアムタイヤ事業では、プレミアム領域強化へ向け、グローバルでプレミアム商品に対応する生産能力増強など「創って売る」体制を強化してまいります。さらに、乗用車用、トラック・バス用タイヤそれぞれにおいて、革新的タイヤ基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」をビジネス戦略として、商品、ビジネスモデルに価値を拡大することや、鉱山車両用タイヤの断トツ商品「Bridgestone MASTERCORE(ブリヂストン マスターコア)」と鉱山ソリューションを連動させた新たな価値提供などを通じ、社会価値、顧客価値の創出を両立し、当社グループ独自の「新たなプレミアム」の創造に注力してまいります。「新たなプレミアム」の創造においては、当社グループが培ってきた強みである、素材・タイヤ開発における「ゴムを極める」、「接地を極める」、サステナビリティへの取り組みも含めたグリーン&スマート工場化推進を含めた「モノづくりを極める」の3つの「極める」を軸に、技術イノベーションも加速してまいります。成長事業であるソリューション事業については、リトレッドや当社グループ独自のリアル×デジタルプラットフォームを基盤として、お客様がタイヤを「使う」段階において、安心安全と生産性・経済価値を最大化し、断トツ商品の価値を増幅してまいります。また、モビリティ成熟市場である欧米を中心に成長へ向けた体制を構築し、各ソリューションにおけるプレミアムタイヤ事業とのシナジーや成長性、収益性などの見極めを行い、見極めた事業へリソースを投入し拡充を進めてまいります。化工品・多角化事業については、引き続きシャープにコアコンピタンスが活きる領域にフォーカスしてまいります。探索事業については共創をベースにリサイクル事業、ソフトロボティクス事業、グアユール事業の事業化を推進してまいります。
これらの施策の実行に向けて、各地域事業基盤や、モビリティ成熟度・市場特性に合わせた経営体制として「新グローカル・ポートフォリオ経営」の基盤を構築してまいります。その一環として、Joint Global COO体制を採用し、歴史のあるホームマーケットである日本・アジア事業を管轄するブリヂストンEASTシナジーエリアと、モビリティ成熟度の高い欧米事業他を管轄するブリヂストンWESTシナジーエリアに分け、それぞれの事業環境、ビジネスオペレーションに則した技術開発、サプライチェーン、管理機能、ソリューション事業組織などの連携・統合を推進し、これまで築いたグローカル経営の進化にも取り組んでまいります。
経営の中核であるサステナビリティについては、商品を「創って売る」「使う」、原材料に「戻す」という、バリューチェーン全体でカーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミーの実現を推進する取り組みとビジネスモデルを連動する当社グループ独自のサステナビリティビジネスモデルの確立を進めております。特に環境面は、2050年を見据えた環境長期目標を2012年に策定し、これを達成するために2030年を目標とした環境中期目標「マイルストン2030」を設定しております。
カーボンニュートラル化へ向けては、2030年にCO2の総量(Scope1、2)(注)1を2011年対比50%削減、2050年にカーボンニュートラル化という明確なターゲットを掲げ、2022年は約29%の削減を見込んでおり、2023年は、2011年対比30%削減を目標としております。その目標達成のため、グローバル各工場における太陽光発電パネル設置などを推進すると共に、外部から購入する電力を再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えることを進めております。
これらを通じ、当社グループの再生可能エネルギー(電力)比率の目標である2023年に50%、2030年に100%の達成へ向け取り組みを進めてまいります。バリューチェーン全体のCO2排出量(Scope3)(注)1については、2030年までに、商品・サービス・ソリューションのライフサイクルを通じて、Scope1、2における排出量の5倍以上のCO2削減に貢献(基準年:2020年)することを目標とし、活動を進めてまいります。サーキュラーエコノミーの実現に向けては、2030年までに再生資源・再生可能資源比率を40%に向上、2050年までにサステナブルマテリアル化を目標としております。再生資源・再生可能資源比率について、2022年は約37%を達成する見込みであり、2023年は再生資源・再生可能資源比率37%以上を目指しております。サステナブルマテリアル化へ向けて、ENLITENビジネス戦略、リトレッドを含む商品戦略を進化させると共に、リサイクル事業、天然ゴム事業、グアユール事業など再生可能資源の活用を推進してまいります。
また、事業環境が常に変化していく中、変化に動じないグローバル経営リスク管理を強化してまいります。各地域事業のトップマネジメントで構成されるグローバル経営リスクコミッティにおいて、経営リスクについての幅広い議論を実施し、3つの重点管理アイテムを設定しております。1つ目は、地政学リスクであります。リスク発生時のビジネス影響の分析と、その最小化に向けた対策の検討、取り組みを開始しております。2つ目は、TRWP(Tire Road Wear Particle(タイヤ ロード ウエア パーティクル))についての対応であります。TRWPは、タイヤが路面と摩擦することによって発生する粉塵で、タイヤの表面であるトレッドと道路舗装材の混合物です。TRWPは業界全体の課題であり、当社グループは業界のリーダーとして、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)傘下のタイヤ産業プロジェクトや、各地域業界団体での取り組みをリードし、他の業界関係者や学術機関などとも連携しながら、タイヤのライフサイクルにおける環境や健康への影響を調査しています。今後、ロングライフ商品などの訴求やソリューション事業との連携を含め、継続的なアプローチを進めてまいります。3つ目は、サイバー攻撃への対応です。当社グループでは2022年第1四半期に米国子会社においてサイバー攻撃が発生し、各地域においても緊急対策を実施致しました。
今後も、このような事態への対応を強化すべく、グローバルでサイバーセキュリティー対応チームを立ち上げ、抜本的な対策を進めてまいります。
当社グループは、「Bridgestone E8 Commitment(ブリヂストン イーエイト コミットメント)」(注)2を未来からの信任を得ながら経営を進める軸及びベクトルとして、サステナビリティとビジネスの成長を両立し、社会・パートナー・お客様といった様々なステークホルダーと共に価値を創出することで、持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。
当社グループの人財戦略については、事業戦略と連動した人財戦略の推進に向けて、事業戦略と連動した付加価値創造により、企業価値向上を図ると共に個人の成功・自信の波及を通じて、多様な人財が輝ける様になることを軸としております。レジリアントな“エクセレント”ブリヂストンへ変革するためには、その原動力である「人財」一人ひとりの「人的創造性」の向上が不可欠であります。人財投資を強化し、付加価値を上げる、この価値創造の好循環を生むことが必要であり、そのための取り組みを進めてまいります。
・当社グループにおける人財育成方針
当社グループは事業戦略と連動した人財戦略に基づく人財育成を推進しております。「2030年 長期戦略アスピレーション(実現したい姿)」で掲げている「常態化する変化に動ぜず、ゴムのように強靭でしなやかに、変化をチャンスに変えるレジリアントな“エクセレント”ブリヂストン」への変革には、当社のDNAである「品質へのこだわり」、「現物現場」、「お客様の困りごとに寄り添う」、「挑戦」が不可欠であると考えております。会社の成長と従業員一人ひとりの成長の実現が両輪をなすものであるよう、成長を支える様々な取り組みを加速させております。
「品質へのこだわり」は当社グループ共通の強みとして表れており、今後も当社の事業戦略の基盤として更に伸長させていきたいと考えております。「現物現場」に関しては、特に日本において、各業務における現場での挑戦を後押しする「現場100日チャレンジプログラム」を通じ、意識と行動変革を進めております。また、当社グループの「断トツ」商品とソリューション事業との連携を深化させ、「創って売る」「使う」バリューチェーン全体でタイヤの価値を増幅させるためには、「お客様の困りごとに寄り添う」ことがより求められ、多様化する社会やお客様のニーズへ対応するため、多様な人財が輝けるよう、DE&Iの推進にも積極的に取り組んでおります。具体的には、多様な価値観を尊重し、組織としての意思決定の多様化を進めるべく、女性リーダーの育成・登用促進にますます注力するとともに、日本では高度な専門性を有した人財の中途採用およびリテンションの強化などを進めております。「挑戦」に関しては、特に探索事業において、他社とのアライアンスに加え、新たに社内ベンチャー「ソフトロボティクス ベンチャーズ」を立ち上げ、新しい事業をゼロから創り出したいという起業家精神を持った多様な人財が集結、早期の事業化に「挑戦」しております。デジタル領域に関しては、グローバルで高度デジタル人財の育成・獲得を図るとともに、日本では幅広いレベルをカバーした「デジタル100日研修」を導入しております。経営人財の育成に関しては、次世代経営リーダー育成を目的とした「Bridgestone NEXT100」を通じて、グローバルで毎年約100人を選抜し、各経営報告会議体への参画、海外ビジネススクール研修への参加などを通じた重点育成も進めております。
・当社グループの人財に関する社内環境整備方針
当社グループは、多様な人財の活躍こそが「Bridgestone E8 Commitment」に表される価値の創出につながるという考えの下、従業員一人ひとりが活躍できる職場環境を整備しております。「Bridgestone E8 Commitment」と連動したグローバルカルチャーチェンジを推進するうえで、従業員エンゲージメントの向上を重要課題のひとつと位置付け、エンゲージメントサーベイによりモニタリングを行い、各地域の事例を共有し合う取り組みも始めております。具体的には、日本において、新任基幹職研修や入社時研修において創業の地である久留米へ訪問するプログラムを導入し、創業者の想いやDNA、企業理念を一層体感できるような機会を提供していることが挙げられます。また、同じく日本では、多様な人財の活躍基盤を整備するため、全管理職を対象としたDE&Iマネジメントワークショップの実施や、女性特有の健康課題をテクノロジーを活用し解決するフェムテック活用支援など、ブリヂストンらしい取り組みを様々な形で進めております。生産現場においても、現場最前線の声を反映した即効性のある投資を実施し、福利厚生の充実化、職場環境改善、労働負荷軽減策に取り組んでおります。
(注)1 Scope1は企業が直接排出するCO2(自社工場のボイラーなどからの排出)、Scope2はエネルギー起源間接排出(電力など他社から供給され、自社で消費したエネルギーに伴うCO2排出)、Scope3はライフサイクルにおける原材料調達、流通、顧客の使用と廃棄・リサイクル段階のCO2排出量等を指します。
(注)2 ブリヂストングループは、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンの実現に向けて、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」を制定しました。これを未来からの信任を得ながら経営を進める軸とし、ブリヂストンらしい「E」で始まる8つの価値(Energy、Ecology、Efficiency、Extension、Economy、Emotion、Ease、Empowerment)を、ブリヂストンらしい目的と手段で、従業員・社会・パートナー・お客様と共に創出し、持続可能な社会を支えることにコミットしていきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、当該リスク発生の回避、及び発生した場合の対応に努めております。
ただし、記載された事項以外にも予見することが困難なリスクが存在し、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中に含まれる将来に関する記載は、有価証券報告書提出日(2023年3月28日)現在で判断したものであります。
(リスクの管理・評価プロセス)
当社グループでは、毎年各地域及びグループ全体で直面する可能性のあるリスクを影響度と発生可能性の観点から評価及び特定し、そのリスクに対してグループ全体だけではなく、事業・SBU(戦略的事業ユニット)・部門単位での責任者を明確にし、自律的かつ継続的にリスク管理を行うとともに、経営上重大なリスクに関しては、
Global CEOの直接の指揮の下で対応する体制をとっております。
(1) 事業を取り巻く経済環境、及び需要動向に関するリスク
当社グループは、開発・調達・生産・流通・販売などの事業活動をグローバルに展開しており、当社グループの業績及び財政状態は、事業活動を行っているそれぞれの国や地域における金利、為替、株式相場の変動などの経済環境や需要動向の変化により、さまざまな形で影響を受けております。当連結会計年度の当社グループの地域ごとの売上収益比率は、米州が51%、欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカが22%、日本が14%、中国・アジア・大洋州が13%の構成となっており、これらの地域の経済環境が悪化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に特に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループのビジネスは自動車産業と密接に関連していることから、当社グループの業績及び財政状態は、グローバルな自動車産業の景況による影響を受けております。自動車産業の動向以外にも、タイヤ市販用市場では各国の消費動向や自動車燃料価格の変動などによる影響を受けており、これらの要因によりタイヤ需要が減少する、あるいは予想している需要増加が減速する場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの鉱山・建設車両用大型・超大型ラジアルタイヤや油圧ホース等一部の商品につきましては、資源産業及び土木・建築産業の景況による影響を受けており、これらの要因により需要が減少する、あるいは予想している需要増加が減速する場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社グループは、日本、欧州、北米などさまざまな地域で冬用タイヤを販売しておりますが、これらの地域における降雪が少なく需要が減少する場合には、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。
(2) 法律・規制・訴訟に関するリスク
当社グループは、事業活動を行っている各国において、投資、貿易、為替管理、移転価格を含む税制、独占禁止、環境保護、個人情報保護など、関連する法律や規制の適用を受けております。当社グループの事業活動に影響を及ぼすものとして、例えば、国内外においてタイヤ性能に関する表示制度・規制や化学物質規制などが制定・導入されております。したがって、将来においても、新たな法律や規制により、事業活動の制約やコストの上昇など当社グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
これらの他、当社グループは、国内外の事業活動に関連して、訴訟や各国当局による捜査・調査の対象となる可能性があります。重要な訴訟が提起された場合や、各国当局による捜査・調査が開始された場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 事業活動中断のリスク
・災害、戦争・テロ・暴動、社会的・政治的混乱など
当社グループは、開発・調達・生産・流通・販売などの事業活動をグローバルに展開しており、さまざまな国や地域における大規模な地震や風水害などの自然災害や、戦争・テロ・暴動、ボイコット、感染症、エネルギー供給障害、交通機能障害を含む社会的・政治的混乱などのリスクにさらされております。さらに、国内外における政治的・経済的条件の急激かつ大幅な変動などの要因により、当社グループの事業活動の継続に支障をきたす可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動の中核として重要な拠点が多数所在している日本における地震災害リスクに対しては、当社グループは耐震診断の結果に基づき優先順位をつけて耐震補強工事を計画的に進めております。さらに、地震災害が発生した場合の迅速な初期対応の推進及び業務を早期に復旧継続させることを目的とした事業継続計画(Business Continuity Plan、以下BCP)を策定し、その運用を振り返ることで内容を継続的に改善しております。また、新型インフルエンザや新型コロナウイルスなどの未知なる病原体が引き起こす感染症の拡大に対しても、従業員・家族・関係者の生命と安全の確保を最優先しながら事業損失の最小化を図るためのBCPを策定し、その運用を通じて内容を拡充しております。しかしながら、実際に発生した場合には、操業の中断・縮小、施設等の損害、多額の復旧費用などにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの特定商品や特定原材料を集中的に生産している拠点で事業活動の継続に支障をきたすような事態が生じた場合は、供給義務を果たせないことによる顧客からの信頼の喪失や賠償責任の追及につながる可能性もあり、その場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・情報システム障害
当社グループの事業活動における情報システムの重要性は非常に高まっており、セキュリティの高度化などシステムやデータの保護に努めておりますが、それにもかかわらず、災害やサイバー攻撃など外的要因や人為的要因などにより情報システムに障害が生じた場合、重要な業務やサービスの停止、機密情報・データや個人情報の盗取や漏洩などのインシデントを引き起こし、事業活動の継続に支障をきたす可能性があります。その結果、当社グループのブランドイメージや社会的信用の低下、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・ストライキ
当社グループは、円滑な労使関係の構築に努めておりますが、労使間の交渉が不調に終わり、長期間に及ぶストライキなどが発生した場合、事業活動の継続に支障をきたす可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 気候変動及び自然資本損失に関するリスク
気候変動及び自然資本損失への対応に世界的な関心が高まり、パリ協定に代表される脱炭素社会への動き、並びに、昆明・モントリオール生物多様性枠組として採択された、生態系や自然資本の損失を止め、反転させ、回復軌道に乗せることを目指すネイチャーポジティブの達成に向けた動きが加速する中で、当社グループは気候変動及び自然資本損失によるリスクと機会を統合的に認識し、事業戦略への反映を進めております。主なリスクとしては、脱炭素社会や自然と共生する社会への転換に伴う「移行リスク」並びに気候変動及び自然資本損失による「物理的リスク」を認識しております。「移行リスク」には、気候変動や自然資本損失のために、国内外において、炭素税やCO2排出削減義務・排出量取引制度、タイヤの低燃費性能等に関する制度・規制、使用済タイヤのリサイクルに関する制度・規制、取水に関する制度・規制、持続可能な天然ゴムに関する制度・規制などの導入が進む際に、社会や顧客の急速なニーズ変化に対して研究開発費を十分な事業成果に結びつけることができない場合は、事業活動の制約やコストの上昇など当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。「物理的リスク」には、台風の大型化、洪水や渇水の発生頻度の増加による事業活動中断のリスク、降雨パターンの変化に伴う天然ゴムの収穫不良による原材料調達に関するリスク、降雪量の減少により冬タイヤの需要が減少するリスクがあります。反面、これらの社会や顧客のニーズ変化を新たな成長機会とも捉えております。
「移行リスク」及び機会への認識を踏まえ、当社グループは、2050年を見据えた長期目標として「カーボンニュートラル化」「100%サステナブルマテリアル化」「生物多様性ノーネットロス」、2030年目標として「私たちが排出するCO2の総量(Scope1、2)を50%削減する(2011年比)」「ソリューションの提供により、商品・サービスのライフサイクル、バリューチェーン全体(Scope3)を通じて、私たちの生産活動により排出するCO2排出量(Scope1、2)の5倍以上のCO2削減に貢献していく(2020年比)」「再生資源または再生可能資源に由来する原材料の比率を40%に向上する」「水ストレス地域における生産拠点において、水リスク低減に向けたウォータースチュワードシッププランを推進する」を設定し、CO2削減に貢献する新技術の開発、当社グループの生産拠点におけるCO2排出や水ストレス地域での取水などによる自然資本への影響の低減、低燃費タイヤの開発・販売、リトレッドタイヤビジネスの拡大、取引先との協働によるサプライチェーンのCO2排出量及び自然資本への影響の低減など目標の達成へ向けた活動を進めております。投資の判断においても「移行リスク」及び機会が評価できるように、社内カーボンプライシングによるCO2排出コストと削減効果を加味した投資判断を行っております。また、使用済タイヤを原材料などに「戻す」リサイクル事業の構築、天然ゴム事業における生産性向上に向けた取り組みを通じて、バリューチェーン全体でのCO2排出量及び各種環境負荷による自然資本への影響の低減にも取り組んでおります。
「物理的リスク」及び機会に対しては、BCPを策定して事業の継続または再開に向けて適切な危機対応や支援が行えるように体制を整えるとともに、乾燥地帯で育つ「ゴムをつくる植物」グアユールの事業化に向けた取り組みを通じて、天然ゴム供給源の多様化に取り組んでおります。
(5) 企業イメージに関するリスク
当社グループは、事業活動を通じて企業イメージ・ブランドイメージの維持向上に努める一方、法令遵守や企業倫理に基づく事業活動、及び火災や労働災害などの企業災害の防止・対策活動に努めておりますが、それにもかかわらず、社会的な信用を失墜させるような企業不祥事や企業災害が発生した場合には、顧客からの信頼喪失や株価の下落を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 為替変動に関するリスク
当社グループは、開発・調達・生産・流通・販売などの事業活動をグローバルに展開しており、原材料の調達や販売活動などにおいて、多種の通貨による取引を行っております。外貨建ての営業債権債務に対しては為替予約取引など、また、外貨建ての貸付金及び借入金に対しては通貨スワップ取引などを行うことにより、短期的な為替相場の変動影響を最小限にする努力をしておりますが、世界各地で国際間取引を行っていることから、為替相場の変動は、当社グループの業績に影響を及ぼすことになります。また、海外での売上収益、費用、資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算されることから、為替相場の変動による影響を受けることになります。一般に、他国通貨に対する円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安は当社グループの業績に好影響をもたらします。
(7) 競争激化に関するリスク
当社グループは、それぞれの市場で多数の企業と競合しているため、価格競争が発生しております。また、企業向け取引では、顧客から価格低減の要請を受けることがあります。このような事業環境に対し、当社グループは、原価の低減や効率性の追求、顧客や市場への新しい商品価値の提案などによる内部努力を継続しておりますが、それらの努力で価格低下を吸収できない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、製造業者として技術力を核とした戦略を重視しており、新技術を搭載した製品の市場投入を積極的に進めております。これらの技術開発のための投資や費用は、最終的に高い商品価値を顧客に認めていただくために投入しているものですが、競合他社との激しい競争において、事業として十分な成果に結びつけることができない場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 製品の欠陥に関するリスク
当社グループは、製造業者として販売する製品の品質に万全を期すことに努めております。特に、タイヤなど人命にかかわる商品を主に扱っているという認識に立ち、製品品質の確保、市場情報の収集や品質に関する早期警報システムの構築など、品質保証体制の充実に努めておりますが、予測できない原因により製品に欠陥が生じた場合や、顧客の安全・安心を最優先に確保するという観点から大規模なリコールなどを実施する可能性は皆無ではありません。そのような事態が発生した場合には、回収費用、社会的な信用の毀損、顧客への補償や訴訟費用・賠償費用などにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に米国の製造物責任訴訟や集団訴訟は、より重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 原材料調達に関するリスク
当社グループは、タイヤなどゴム製品の原材料として天然ゴムを使用しておりますが、天然ゴムの主要生産地である東南アジア諸国における災害、戦争・テロ・暴動、社会的・政治的混乱、ストライキ、あるいは収穫不良などにより、天然ゴムの安定供給に支障が生じた場合、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難になり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、天然ゴム以外の主要原材料調達においても、原料需給の逼迫や供給能力の制約により、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難になる場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社グループは、いくつかの主要原材料の調達について、グループ内の原材料生産拠点、又は一部のグループ外供給元に依存しております。このため、特定の原材料供給元の操業が停止するなどにより、必要な原材料の調達ができない状況が発生した場合は、当該原材料に依存している当社又はグループ会社の生産に著しい悪影響を及ぼし、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
加えて、需給の逼迫や投機目的の売買などにより、当社グループが調達している原材料の価格が高騰し、生産性向上などの内部努力や価格への転嫁などにより吸収できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 退職給付費用及び債務に関するリスク
当社グループの退職給付費用及び債務は、数理計算上の割引率などの前提条件に基づいて算出しております。しかしながら、年金資産等の制度資産の公正価値、金利の変動等により、これらの前提条件に大きな変動があった場合、あるいは前提条件の変更が必要になった場合には、退職給付費用や債務が増加し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) 知的財産侵害に関するリスク
当社グループでは、知的財産を企業の競争力を高めるための重要な経営資源と位置づけ、第三者の知的財産権に対する侵害の予防、及び保有している多数の知的財産権の保護に努めております。それにもかかわらず、当社グループの認識又は見解との相違から、第三者から知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、当社グループとして製造販売中止、あるいは損害賠償などが必要になった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、第三者による知的財産権侵害を当社グループが主張したにもかかわらず、侵害があったと認められない場合には、当社グループの製品差別化や競争優位性が確保されず、結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、前連結会計年度末に、防振ゴム事業、化成品ソリューション事業の資産及び負債を売却目的で保有する資産及び直接関連する負債に分類し、当該事業を非継続事業に分類しております。
これにより、当連結会計年度においても、防振ゴム事業、化成品ソリューション事業を非継続事業に分類しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント」に記載のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において、判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.業績全般
|
|
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減 |
|
|
金額 |
比率 |
|||
|
|
億円 |
億円 |
億円 |
% |
|
売上収益 |
41,101 |
32,461 |
+8,640 |
+27 |
|
調整後営業利益 |
4,826 |
3,943 |
+883 |
+22 |
|
営業利益 |
4,413 |
3,768 |
+645 |
+17 |
|
税引前当期利益 |
4,235 |
3,776 |
+459 |
+12 |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
3,004 |
3,940 |
△937 |
△24 |
当社グループは、企業理念の「使命」として掲げる「最高の品質で社会に貢献」の下、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンの実現に向け、2021年2月に発表した「中期事業計画(2021-2023)」をベースに活動しております。また、使命、ビジョンの下に、「Bridgestone E8 Commitment」を企業活動の軸およびベクトルとし、当社創立100周年となる2031年へ向けて実現したい姿を描いた「2030年 長期アスピレーション」を道筋として、歩みを進めております。
当連結会計年度の当社グループを取り巻く環境は、COVID-19を起因とする経済活動制限が多くの国で緩和される一方、長期化するウクライナ情勢や中国でのロックダウンなどを背景とした原材料価格高騰やサプライチェーンの混乱が進行し、インフレが加速したことで、世界経済の先行き不透明感が強まりました。市販用タイヤに関しては、米欧を中心とした景気減速が徐々に顕在化し、第4四半期にタイヤ需要も大きく減速する一方、乗用車及び小型トラック用タイヤは高インチタイヤ(18インチ以上)、トラック・バス用タイヤは北米のプレミアムブランドなどの領域での需要が相対的に堅調に推移しました。また、新車用タイヤに関しては、当年前半は半導体不足に伴う車両減産影響による需要減少が続きましたが、後半に入り車両生産が回復に転じたことにより、低迷していた需要に回復の傾向が見られました。また、コスト面では、地政学リスクを反映した原油価格の急騰に加え、海上運賃単価やエネルギーコスト、労務費などについても高騰が続き、当社グループの収益性を圧迫する要因となりました。
そのような環境下、当社グループは、未曾有の原材料価格高騰とインフレ進行に迅速に対応すべく、各地域における「戦略的価格マネジメント」、「プレミアムビジネス戦略」をより一層強化すると共に、当社グループの強みであるグローバル生産体制を基盤としたフレキシブルな供給マネジメントによりタイヤ需要の変動に機動的に対応し、収益性確保と販売拡大の両立に取り組みました。
それらの結果、当社グループの当連結会計年度の売上収益は41,101億円(前連結会計年度比27%増)、調整後営業利益は4,826億円(前連結会計年度比22%増)、営業利益は4,413億円(前連結会計年度比17%増)、税引前当期利益は4,235億円(前連結会計年度比12%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,004億円(前連結会計年度比24%減)となりました。
なお、親会社の所有者に帰属する当期利益が前連結会計年度比減少しておりますのは、前連結会計年度において、米国建築資材事業の譲渡に伴う売却益が計上されたことによるものであります。
b.セグメント別業績
|
|
|
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減 |
|
|
金額 |
比率 |
||||
|
日本 |
|
億円 |
億円 |
億円 |
% |
|
売上収益 |
10,363 |
8,730 |
+1,633 |
+19 |
|
|
調整後営業利益 |
1,403 |
1,170 |
+233 |
+20 |
|
|
米州 |
売上収益 |
19,880 |
14,546 |
+5,334 |
+37 |
|
調整後営業利益 |
2,512 |
1,906 |
+605 |
+32 |
|
|
欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ |
売上収益 |
8,700 |
6,939 |
+1,761 |
+25 |
|
調整後営業利益 |
664 |
421 |
+242 |
+58 |
|
|
中国・アジア・大洋州 |
売上収益 |
4,570 |
3,869 |
+702 |
+18 |
|
調整後営業利益 |
399 |
420 |
△21 |
△5 |
|
|
その他 |
売上収益 |
805 |
664 |
+140 |
+21 |
|
調整後営業利益 |
73 |
51 |
+22 |
+44 |
|
|
連結 合計 |
売上収益 |
41,101 |
32,461 |
+8,640 |
+27 |
|
調整後営業利益 |
4,826 |
3,943 |
+883 |
+22 |
|
当連結会計年度の各セグメントにおける業績は、市販用タイヤに関しては、米欧を中心とした景気減速が徐々に顕在化し、第4四半期にタイヤ需要も大きく減速する一方、乗用車及び小型トラック用タイヤは高インチタイヤ(18インチ以上)、トラック・バス用タイヤは北米のプレミアムブランドなどの領域での需要が相対的に堅調に推移しました。また、新車用タイヤに関しては、当年前半は半導体不足に伴う車両減産影響による需要減少が続きましたが、後半に入り車両生産が回復に転じたことにより、低迷していた需要に回復の傾向が見られた結果、以下のとおりとなりました。
[日本]
乗用車及び小型トラック用タイヤ、並びにトラック・バス用タイヤの販売本数は前年を上回り堅調に推移しました。さらに、鉱山・建設タイヤビジネスの堅調さにも支えられた結果、売上収益は10,363億円(前連結会計年度比19%増)となり、調整後営業利益は1,403億円(前連結会計年度比20%増)となりました。
[米州]
北米タイヤ事業において、乗用車及び小型トラック用タイヤ、並びにトラック・バス用タイヤの販売本数は前年を上回り堅調に推移しました。この結果、売上収益は19,880億円(前連結会計年度比37%増)となり、調整後営業利益は2,512億円(前連結会計年度比32%増)となりました。
[欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ]
欧州では、乗用車及び小型トラック用タイヤの販売本数は前年を上回り順調に推移し、トラック・バス用タイヤの販売本数は前年を上回り好調に推移しました。この結果、売上収益は8,700億円(前連結会計年度比25%増)となり、調整後営業利益は664億円(前連結会計年度比58%増)となりました。
[中国・アジア・大洋州]
乗用車及び小型トラック用タイヤ、並びにトラック・バス用タイヤの販売本数は前年を下回りました。一方で、各国での値上げによる売値上昇や円安の進行により売上収益が押し上げられた結果、売上収益は4,570億円(前連結会計年度比18%増)となり、調整後営業利益は399億円(前連結会計年度比5%減)となりました。
(注) セグメント別の金額はセグメント間の取引を含んでおり、連結合計の金額はそれらを消去した後の数値であります。
c.財政状態
(流動資産)
流動資産は、現金及び現金同等物が2,686億円減少したものの、営業債権及びその他の債権が2,050億円、棚卸資産が2,552億円増加したことなどから、前連結会計年度末比2,198億円増加(同10%増)し、25,127億円となりました。
(非流動資産)
非流動資産は、その他の金融資産が359億円減少したものの、有形固定資産が1,288億円、無形資産が235億円増加したことなどから、前連結会計年度末比1,671億円増加(同7%増)し、24,492億円となりました。
(流動負債)
流動負債は、社債及び借入金が421億円、売却目的で保有する資産に直接関連する負債が329億円減少したものの、営業債務及びその他の債務が905億円、その他の流動負債が219億円増加したことなどから、前連結会計年度末比624億円増加(同6%増)し、10,858億円となりました。
(非流動負債)
非流動負債は、引当金が118億円増加したものの、社債及び借入金が111億円、退職給付に係る負債が169億円減少したことなどから、前連結会計年度末比126億円減少(同1%減)し、8,636億円となりました。
なお、流動負債及び非流動負債に計上された有利子負債(注)の合計は、前連結会計年度末比440億円減少(同5%減)し、7,672億円となりました。
(注) 有利子負債には社債及び借入金、リース負債を含んでおります。
(資本)
資本合計は、配当金(親会社の所有者)により1,190億円減少したものの、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により3,004億円増加したことなどから、前連結会計年度末比3,371億円増加(同13%増)し、30,125億円となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて3,869億円増加(同8%増)し、49,618億円となりました。また、当連結会計年度の親会社所有者帰属持分比率は59.8%となり、前連結会計年度末比2.3ポイントの上昇となりました。
② キャッシュ・フローの状況
|
|
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減 |
|
金額 |
|||
|
|
億円 |
億円 |
億円 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
2,685 |
2,815 |
△131 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△3,380 |
1,317 |
△4,697 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△3,641 |
△3,793 |
+152 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
652 |
484 |
+168 |
|
現金及び現金同等物の増減額 |
△3,685 |
823 |
△4,507 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
7,875 |
8,105 |
△230 |
|
売却目的で保有する資産に含まれる現金及び現金同等物の増減額 |
998 |
△1,053 |
+2,051 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
5,189 |
7,875 |
△2,686 |
当連結会計年度における当社グループの現金及び現金同等物(以下「資金」)は、全体で2,686億円減少(前連結会計年度は230億円の減少)し、当連結会計年度末には5,189億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、2,685億円の収入(前連結会計年度比131億円の収入減)となりました。これは、営業債権及びその他の債権の増加額1,396億円(前連結会計年度は699億円)や、棚卸資産の増加額1,954億円(前連結会計年度は1,402億円)、法人所得税の支払額862億円(前連結会計年度は1,477億円)などがあったものの、税引前当期利益4,235億円(前連結会計年度は3,776億円)や、減価償却費及び償却費2,821億円(前連結会計年度は2,504億円)などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、3,380億円の支出(前連結会計年度は1,317億円の収入)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出2,213億円(前連結会計年度は1,610億円)などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は3,641億円の支出(前連結会計年度比152億円の支出減)となりました。これは、短期借入れによる収入2,041億円(前連結会計年度は947億円)などがあったものの、短期借入金の返済による支出1,825億円(前連結会計年度は2,203億円)や、長期借入金の返済による支出541億円(前連結会計年度は1,091億円)、社債の償還による支出400億円(前連結会計年度は支出なし)、自己株式の取得による支出1,000億円(前連結会計年度は10百万円)、配当金の支払額(親会社の所有者)1,190億円(前連結会計年度は1,021億円)などによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
日本 |
768,040 |
+16.5 |
|
米州 |
1,641,896 |
+38.6 |
|
欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ |
777,383 |
+27.3 |
|
中国・アジア・大洋州 |
350,181 |
+12.3 |
|
合計 |
3,537,500 |
+27.9 |
(注) 金額は、販売価格によっております。
b.受注実績
当社グループは、少数の特殊製品(特殊ホース等)について受注生産を行うほかは、すべて見込生産であります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
日本 |
889,692 |
+16.0 |
|
米州 |
1,970,276 |
+36.5 |
|
欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ |
856,443 |
+24.8 |
|
中国・アジア・大洋州 |
376,713 |
+14.6 |
|
その他 |
16,907 |
△16.2 |
|
全社又は消去 |
40 |
+39.9 |
|
合計 |
4,110,070 |
+26.6 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年3月28日)現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因や当該事項への対応については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(売上収益、調整後営業利益及び営業利益)
売上収益は、戦略的価格マネジメントや為替円安による影響などで前連結会計年度比8,640億円増加(同27%増)し、41,101億円となりました。
調整後営業利益は、戦略的価格マネジメントや為替円安による影響などで前連結会計年度比883億円増加(同22%増)し、4,826億円となりました。また、営業利益は、上記による影響などで前連結会計年度比645億円増加(同17%増)し、4,413億円となりました。
この結果、調整後営業利益率は11.7%となり、前連結会計年度比0.4ポイントの低下となりました。
なお、セグメント別の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比937億円減少(同24%減)し、3,004億円となりました。これは、営業利益が645億円増益したものの、非継続事業からの当期利益又は損失の計上が913億円減益、税金費用が492億円、金融費用が257億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
③ 資本の財源及び資金の流動性
現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比2,686億円減少し、5,189億円となりました。なお、活動区分ごとのキャッシュ・フローについては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
資金調達にあたっては、金融機関からの借入れに加え、引き続き、国内普通社債やコマーシャル・ペーパーなどの直接金融手段や、売上債権の証券化、リースの活用など、リスク分散や金利コストの抑制に向けその多様化を図ってまいります。
資金使途につきましては、サステナビリティを経営の中核に据え、経営体制強化と、プレミアムタイヤ事業、ソリューション事業、化工品・多角化及び探索事業における戦略的成長投資などに活用しつつ、適正な財務体質の維持と株主還元に活用してまいります。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、「2030年 長期戦略アスピレーション(実現したい姿)」の起点となる2023年は、変化に対応できる強いブリヂストンを目標とした中期事業計画(2021-2023: 売上収益3兆3,000億円レベル、調整後営業利益4,500億円レベル、調整後営業利益率13%レベル、ROIC10%レベル、ROE12%レベル)の最終年として、実現したい姿に向けた成長の基盤を構築する重要な年としております。
当連結会計年度においては、売上収益41,101億円(前連結会計年度比8,640億円増加)、調整後営業利益4,826億円(前連結会計年度比883億円増加)、調整後営業利益率11.7%(前連結会計年度比0.4ポイント低下)、ROIC9.4%(前連結会計年度比0.4ポイント上昇)、ROE10.9%(前連結会計年度比2.0ポイント低下)となりました。
(注) ROEにつきましては、親会社の所有者に帰属する当期利益のうち継続事業に係る金額に基づいて算出しております。
該当事項はありません。
当社グループは「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンの下、「2030年 長期戦略アスピレーション(実現したい姿)」を道筋として、プレミアムタイヤ事業をコア事業としてソリューション事業との連携を深めることで、断トツ商品の価値を増幅することに挑戦し、化工品・多角化事業、探索事業においても、社会価値、顧客価値を創出するための様々な活動を推進しております。「2030年 長期戦略アスピレーション(実現したい姿)」を実現するにあたって、当社の強みとして新たなコアコンピタンスとなるのが、技術イノベーションです。当社グループの技術イノベーションは、「ゴムを極める」「接地を極める」「モノづくりを極める」の3つの「極める」を軸に推進しております。この3つの「極める」を軸に、研究開発活動に取り組み、当社グループが現物現場で長年培ってきた強い「リアル」に「デジタル」を組み合わせて、イノベーションを加速させ、「断トツ商品」や「断トツソリューション」の開発につなげてまいります。
技術イノベーションを推進するため、技術開発拠点である東京・小平地区を再開発し、グローバルなイノベーション拠点として「Bridgestone Innovation Park(ブリヂストン イノベーション パーク)」を構築しております。2022年4月には様々なパートナーと新たな価値を創造しビジネスにつなげる“共創”の場であるイノベーションセンター「B-Innovation(ビーイノベーション)」とプロトタイプを実車ですぐに体感・検証できるテストコース「B-Mobility(ビーモビリティ)」の稼働を開始しております。様々なステークホルダーとの共創を通じてイノベーションから生まれる価値を最大化していくために、共創の場の整備を継続するとともに、従業員一人ひとりが自分自身で多様な働き方を自由にデザインできるABW(Activity Based Working(アクティビティ ベースド ワーキング))の考え方を取り入れた働き方変革など自主性を尊重する組織風土の変革にも取り組んでまいります。また、「B-Innovation(ビーイノベーション)」は2022年7月に、建築や都市環境の国際的な環境性能評価システムであるLEED(リード)(Leadership in Energy(リーダーシップ イン エナジー) & Environmental Design(エンバイロメンタル デザイン))においてGOLD(ゴールド)認証を取得しております。引き続き、持続可能な社会を実現し支えるための取り組みも継続して進めてまいります。
この「Bridgestone Innovation Park(ブリヂストン イノベーション パーク)」を中核として、欧州「Digital Garage(デジタル ガレージ)」、米国「Mobility Lab(モビリティ ラボ)」といった当社グループのイノベーション拠点それぞれが強みを活かして連携し、イノベーションを加速してまいります。
プレミアムタイヤ事業では、当社グループ独自の「新たなプレミアム」の創造を推進し、サステナビリティ、モビリティの進化等を見据えた「断トツ商品」を支える革新的なタイヤ基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」と「MASTERCORE(マスターコア)」を開発しております。
「ENLITEN(エンライトン)」技術を搭載したタイヤは、軽量化、転がり抵抗低減、摩耗ライフ向上などにより省資源化や環境負荷低減に貢献するとともに、従来はそれとトレードオフの関係にあった運動性能や耐久性などの諸性能との両立を可能にしております。「ENLITEN(エンライトン)」技術搭載商品は、乗用車用タイヤにおいてはEVの航続距離の延長などに寄与するため「EV時代の新たなプレミアム」として、トラック・バス用タイヤにおいてはリトレッドまで見据えた商品戦略・ソリューションと組み合わせ「循環ビジネス時代の新たなプレミアム」として、技術から商品、ビジネスモデルへと価値を拡大してまいります。また、鉱山車両用タイヤに適用される「MASTERCORE(マスターコア)」は、内製スチールコードをはじめとした素材・構造・製造技術を含む、当社独自の新技術を結集することにより、断トツの高耐久性能を実現すると共に、他性能を犠牲にせず、耐久性や車両スピード、許容荷重など、お客様の使用状況、鉱山レイアウトに合わせてカスタマイズした性能の向上を実現しております。
「ENLITEN(エンライトン)」と「MASTERCORE(マスターコア)」を「新たなプレミアム」の中核として、環境負荷の低減とビジネス成長といった二律背反の価値を同時に創出し、社会価値、顧客価値を両立することに取り組んでまいります。
さらに、「新たなプレミアム」を支える基盤技術であるBCMA(Bridgestone Commonality Modularity Architecture(ブリヂストン コモナリティ モジュラリティ アーキテクチャ))は、開発・生産過程において、タイヤの骨組みであるカーカス、補強帯のベルト、表面のトレッドの3つのモジュールに分け、モジュール1(カーカス)、モジュール2(ベルト)を異なる商品間で共有し、開発から生産・販売のバリューチェーンをシンプル化すると共に、モジュール3(トレッド)で性能をカスタマイズし商品を差別化するものです。お客様の使用条件に合わせた性能のカスタマイズを実現すると共に、開発や製造工程の効率化による生産性の向上とコスト最適化を実現してまいります。さらに、モジュールを共有することで各地域の市場環境や販売戦略に合わせたフレキシブルなタイヤ生産が可能となり、販売機会が最大化できると共に、在庫管理や物流費の効率化も可能となります。BCMAを推進することでバリューチェーン全体で収益に貢献し、顧客価値を最大化できるビジネスモデルを構築してまいります。
また、モノづくりにおいては、プレミアムタイヤを持続的かつ安定的に供給できるモノづくりへと進化させ、その実現にむけて工場のグリーン&スマート化を計画的に推進してまいります。開発・製造工程の効率化を含めてバリューチェーン全体で環境負荷を低減しつつ顧客価値の最大化を図ってまいります。
成長事業であるソリューション事業においては、トラック・バス用タイヤの「タイヤセントリックソリューション」向け技術の開発を推進しております。無線通信を用いて情報を非接触で読み書きする自動認識技術であるRFID(Radio Frequency Identification(ラジオ フリークエンシー アイデンティフィケーション))を利用した、新品タイヤからリトレッド、メンテナンスまでライフサイクルを通じた個体管理を欧州からグローバルに拡大するとともに、トッパンフォームズ株式会社との共創により、通信性能を最大化するタイヤ用次世代 RFIDの開発を開始しております。また、お客様に最適な状態でタイヤをお使いいただけるようデジタルタイヤモニタリングツール「Tirematics(タイヤマティクス)」を活用した「リアルタイムモニタリング」などのサービスを組み合わせ、さらなる安全運行とオペレーションコストの最適化に貢献するソリューションを提供してまいります。
スペシャリティタイヤ系事業においては、鉱山車両用タイヤの断トツ商品「Bridgestone MASTERCORE(ブリヂストン マスターコア)」と、車両とタイヤをモニタリングするデジタルツールを組み合わせ、鉱山事業者のオペレーションを最適化する鉱山ソリューションの開発へ力を入れております。
また、安心・安全な自動運転車両の開発及び運営に必要となるソリューションを提供する株式会社ティアフォーとの共創を通じて、自動運転の研究開発や実用化などモビリティの進化に貢献してまいります。
化工品・多角化、探索事業としては、リサイクル事業として、タイヤのリサイクルへ向けた共創を呼びかける「EVERTIRE INITIATIVE(エバータイヤ イニシアチブ)」を掲げ、日本・米国を中心に活動を推進しております。日本においては、「使用済タイヤのケミカルリサイクル」技術の社会実装に向けたENEOS株式会社との共同プロジェクトを開始しております。本プロジェクトでは、経済産業省により設置された「グリーンイノベーション基金事業」の支援を受け、企業とアカデミアの持つ知見や技術力を結集、共創により、タイヤ・ゴム産業および石油化学産業のバリューチェーンにおける資源循環性の向上とカーボンニュートラル化への貢献を目指しております。
また、ソフトロボティクス事業の事業化へ向けて、ソフトロボットハンドを用いた物流現場でのピースピッキング(品物を一つひとつ運び出す作業)の実証実験を開始しております。今後様々なパートナーとの共創により、ソフトロボティクス事業として次期中期事業計画(2024-2026)での小規模事業化を目指しております。
天然ゴムの持続可能な安定供給・生産性向上に向けては、高収量のゴム農園の実現に貢献することを目的に、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構統計数理研究所の学術指導を経て、ビッグデータを活用した「パラゴムノキ」の植林計画最適化システムを開発し、農園の作地面積を増やさずに天然ゴムの生産性を安定的に向上させる取り組みを進めております。また、天然ゴム供給源の多様化に向けて、乾燥した地域で栽培可能な植物「グアユール」由来の天然ゴム実用化にも取り組んでおります。米国においては、グアユール研究農園や研究施設を設立し、地域社会と共に、事業化へ向けた研究開発活動及び投資を実行してまいります。日本においても、キリンホールディングス株式会社との共同研究では、グアユールの優良品種の苗を効率的かつ安定的に増やすための技術開発に成功するなど、様々なパートナーとの共創により実用化へ向けて活動を推進してまいります。
共創をベースとして、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にも力を入れております。高度なAIやアルゴリズムの分析や開発を担当するデータサイエンティストなどのデジタル人財の育成、採用も進めております。国立大学法人東北大学の構内に「ブリヂストン×東北大学共創ラボ」を設置するなど、デジタル分野における幅広い交流を通じてデジタル人財を育成し、新たなパートナーとの連携も深めブリヂストン流のDXを推進してまいります。
さらに、米国のTeledyne Brown Engineering, Inc.との協業では、アメリカ航空宇宙局(NASA)が主導するアルテミス計画における有人月面探査車向けのタイヤ開発を推進しており、人類の夢を背負って過酷な月面環境に挑戦する国際宇宙探査ミッションに貢献してまいります。
なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
(注) 当社グループの研究開発活動には、特定のセグメントに紐づかないものがあり、またその成果はセグメント横断的に効果があるため、セグメント別の状況及び金額の記載を省略しております。