(1) 業績
当連結会計年度における海外経済は、米国では個人消費の増加と雇用・所得の拡大などに支えられて緩やかな景気の回復基調が継続しました。欧州では主要国で個人消費を中心に内需が拡大するなど景気に持ち直しの動きが見られるものの、英国のEU離脱問題などに伴い先行き不透明感が高まりました。また、中国をはじめとする新興国では成長が鈍化するなど、厳しい経済状況が続きました。わが国経済は、底堅い個人消費や雇用情勢の持ち直しなどにより、景気は緩やかに回復しましたが先行きに不透明感が見られます。
当社グループは2014年度を起点とする3ヶ年計画「中期経営計画'14」の最終年度の目標を達成させるため、成長・収益市場への事業拡大、供給能力のスピーディーな増強、販売力とブランド戦略の強化、差別化技術の構築などに取り組みました。
当連結会計年度の当社グループの売上高は3,816億35百万円(前年度比261億53百万円減、6.4%減)、営業利益は493億15百万円(前年度比140億66百万円減、22.2%減)、経常利益は441億2百万円(前年度比127億11百万円減、22.4%減)となりましたが、製品補償対策費及び製品補償引当金繰入額を特別損失として計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は122億60百万円(前年度は16億74百万円の利益)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
① タイヤ事業
タイヤ事業の売上高は3,038億78百万円(前年度比216億60百万円減、6.7%減)となり、営業利益は454億5百万円(前年度比125億98百万円減、21.7%減)となりました。
(新車用タイヤ)
国内自動車生産が低調に推移する中、当社品装着車種の販売が好調に推移したことなどにより、国内販売は、販売量、売上高ともに前年度を上回りました。また、海外市場においても、新規に獲得した車種の販売が好調に推移し、販売量、売上高ともに前年度を上回りました。この結果、新車用タイヤ全体では、販売量、売上高ともに前年度を上回りました。
(国内市販用タイヤ)
国内市場においては、業界全体の販売が低調に推移する中、商品ラインの拡充による拡販に努めたことで、夏タイヤ及び冬タイヤの販売が好調に推移し、販売量は前年度を上回りましたが、売上高は前年度並みとなりました。
(海外市販用タイヤ)
海外市販用タイヤにおいては、米国市場において、市場競争が激化する中、TOYOブランドのライトトラック用主力ブランドである「OPEN COUNTRY(オープンカントリー)」シリーズに「OPEN COUNTRY C/T(シーティー)」及び「OPEN COUNTRY Q/T(キューティー)」のラインアップを追加したこと、またライトトラック用タイヤの主力商品「OPEN COUNTRY A/TⅡ(エーティーツー)」や当社が強みとするオフロードカテゴリーの高インチサイズをラインナップしたNITTOブランドの新商品「RIDGE GRAPPLER(リッジグラップラー)」及びライトトラック用タイヤの主力商品「TERRA GRAPPLER G2(テラグラップラージーツー)」の販売が好調に推移したことなどにより、販売量は前年度を上回りました。欧州市場においては、販売チャネルの整備・拡大を積極的に行うことで、販売量は好調に拡大しました。この結果、海外市場全体の販売量は前年度を上回りましたが、為替の円高基調などにより、売上高は前年度を下回りました。
② ダイバーテック事業
ダイバーテック事業の売上高は775億3百万円(前年度比45億34百万円減、5.5%減)となり、営業利益は37億79百万円(前年度比1億76百万円減、4.5%減)となりました。
(輸送機器分野)
自動車用シートクッションでは、新規受注品が好調に推移しましたが、自動車用防振ゴムでは、当社品装着車種の販売減少や年央に為替が円高基調に振れた影響を受け、全体の売上高は前年度を下回りました。鉄道車両用空気バネ及び鉄道車両用防振ゴムでは、国内新車市場及び海外新車市場向けへの販売は好調でしたが、国内補修市場向けへの販売が低調だったため、売上高は前年度を下回りました。
(断熱・防水資材分野)
断熱資材分野については、農畜舎向け資材において大型物件の販売が減少したことなどにより、売上高は前年度を下回りました。防水資材分野については、主力のゴムシート防水材の需要が低調だったこともあり、売上高は前年度を下回りました。
(産業・建築資材分野)
産業・建築資材分野については、標準防振ゴムなどの販売が好調でしたが、道路資材において公共事業での受注が低調だったため、売上高は前年度を下回りました。
前年度(平成27年12月期)において、出荷していた製品の一部が国土交通大臣認定の性能評価基準に適合していないとの事実及び建築用免震積層ゴムの国土交通大臣認定取得に際し、その一部に技術的根拠のない申請があった事実が判明しました。当年度決算において、当該事象に係る製品補償対策費及び製品補償引当金繰入額を特別損失として計上しておりますが、それらの内容は次のとおりであります。
(単位:百万円)
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第1四半期 |
第2四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
第4四半期 |
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① 製品補償対策費 |
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55棟(平成27年3月13日公表分) |
16 |
1,092 |
1,108 |
1,217 |
2,326 |
847 |
3,173 |
|
99棟(平成27年4月21日公表分) |
― |
85 |
85 |
173 |
258 |
675 |
934 |
|
諸費用 |
1,004 |
1,240 |
2,244 |
1,230 |
3,474 |
1,610 |
5,085 |
|
補償費用等 |
1,013 |
721 |
1,734 |
591 |
2,326 |
449 |
2,775 |
|
小計 |
2,033 |
3,139 |
5,173 |
3,212 |
8,385 |
3,583 |
11,969 |
|
② 製品補償引当金繰入額 |
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55棟(平成27年3月13日公表分) |
5,552 |
1,700 |
7,253 |
△276 |
6,976 |
6,883 |
13,860 |
|
99棟(平成27年4月21日公表分) |
107 |
2,462 |
2,570 |
1,968 |
4,539 |
29,595 |
34,134 |
|
諸費用 |
999 |
323 |
1,323 |
△80 |
1,243 |
4,089 |
5,332 |
|
補償費用等 |
525 |
86 |
612 |
267 |
879 |
604 |
1,484 |
|
小計 |
7,185 |
4,574 |
11,759 |
1,879 |
13,639 |
41,172 |
54,812 |
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③ 合計(①+②) |
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|
|
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|
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55棟(平成27年3月13日公表分) |
5,568 |
2,793 |
8,361 |
940 |
9,302 |
7,731 |
17,034 |
|
99棟(平成27年4月21日公表分) |
107 |
2,548 |
2,655 |
2,142 |
4,798 |
30,270 |
35,068 |
|
諸費用 |
2,003 |
1,564 |
3,568 |
1,150 |
4,718 |
5,699 |
10,418 |
|
補償費用等 |
1,539 |
807 |
2,347 |
858 |
3,206 |
1,054 |
4,260 |
|
合計 |
9,218 |
7,714 |
16,933 |
5,091 |
22,025 |
44,756 |
66,781 |
上表の第4四半期(D) ③ 合計(①+②)に記載のとおり、状況が進捗し算定可能となったことにより、55棟における交換用の免震製品代金や改修工事費用 77億31百万円、99棟における交換用の免震製品代金や改修工事費用 302億70百万円、補償費用等 10億54百万円、諸費用 56億99百万円(主として、構造再計算費用 約21億円、免震ゴムの交換用設備に係る費用等 約18億円、自社品での交換に係る免震製品試作費用 約5億円、免震ゴム対策本部人件費等 約5億円)等を計上した結果、667億81百万円(製品補償対策費119億69百万円、製品補償引当金繰入額548億12百万円)を特別損失として計上しております。なお、前年度(平成27年12月期)において、一般産業用防振ゴム部品の一部において、納入先様に交付している製品検査成績書への不実記載が行われていた事実が判明しましたが、当年度決算において、当該事象に係る費用4億13百万円(製品補償対策費1億27百万円、製品補償引当金繰入額2億85百万円)を特別損失として計上しており、上述の免震ゴム問題に係る費用と合わせ、671億95百万円(製品補償対策費120億98百万円、製品補償引当金繰入額550億97百万円)を特別損失に計上しております。
現時点で合理的に金額を見積もることが困難なもので、今後発生する費用(主として、営業補償や遅延損害金等の賠償金、追加で判明する改修工事費用の金額が既引当額を超過する場合の費用等)がある場合には、翌年度以降の対処進行状況等によって、追加で製品補償引当金を計上する可能性があります。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動による収入が388億65百万円となり、投資活動による支出が137億85百万円となったため、純現金収支(フリー・キャッシュ・フロー)は250億80百万円のプラスとなりました。財務活動においては313億17百万円の支出となりました。以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、これら収支に為替換算差額の減少額を合わせ376億39百万円となり、前年度末と比べて67億92百万円減少しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、製品補償関連の支払等の減少要因があったものの、製品補償引当金繰入額や減価償却費等の増加要因により、388億65百万円の収入(前年度比24億40百万円減、5.9%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入等があったものの、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出等があり、137億85百万円の支出(前年度比322億24百万円減、70.0%減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や社債の償還等があり、313億17百万円の支出(前年度は190億51百万円の収入)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産金額(百万円) |
前年度比(%) |
|
タイヤ事業 |
306,328 |
△15.1 |
|
ダイバーテック事業 |
58,107 |
△4.1 |
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合計 |
364,435 |
△13.6 |
(注) 1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは製品の性質上、原則として需要見込生産方式を採っております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売金額(百万円) |
前年度比(%) |
|
タイヤ事業 |
303,874 |
△6.7 |
|
ダイバーテック事業 |
77,489 |
△5.5 |
|
その他 |
271 |
22.5 |
|
合計 |
381,635 |
△6.4 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、今後予想される事業環境の動向を前提に2020年の先を見据え、持続的な成長を実現するために、その礎となる中期的なシナリオとして、2017年を起点として取り組む4ヵ年の中期経営計画を策定しました。
グループ全社がワンチームとなって独自ポートフォリオの強みを発揮することにより、お客様の期待や満足を超える感動や驚きを生み出し、豊かな社会づくりに貢献できる企業を目指してまいります。
「中計'17」経営目標
|
(2020年12月期) |
連結 |
タイヤ事業 |
ダイバーテック事業 |
|
売上高 |
4,800億円 |
4,000億円 |
800億円 |
|
営業利益 |
600億円 |
560億円 |
40億円 |
|
営業利益率 |
12.5% |
14.0% |
5.0% |
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設備投資 |
1,280億円 |
1,120億円 |
160億円 |
■タイヤ事業戦略
事業方針
利益極大化に向けた事業基盤の強化
・北米市場の商品力強化と増販に向けた体制強化
・市場動向に応じた商品ミックス最適化
・驚きのある商品を提供する開発力・技術力の進化
・ブランド力の向上と効率的な供給体制の構築
■ダイバーテック事業戦略
事業方針
高機能商品へ注力しつつ、グローバルサプライヤーとしてのポジションを確立
・自社技術の優位性を活かした高機能商品の進化と製造原価低減の両立
・顧客密着戦略によるグローバル供給体制を整備
・新たな組織体制で新規顧客を獲得
■コーポレート基盤強化
経営基盤の強化
経営基盤の強化を図るため機能別組織へ
企業風土の改革
成長の源泉となる働く基盤の変革と充実
新たな理念を制定
当社は、当社の株式の大量取得を目的とする買付者(以下、買付者という。)としては、当社の企業価値及び株主共同の利益に資する者が望ましいと考えております。また、買付者の提案を許容するか否かは、最終的には株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。しかしながら、株式の買付や提案の中には、企業価値及び株主共同の利益に資さないものが存在する可能性もあり、そのような買付や提案は不適切なものであると考えております。
現在のところ、買付者が出現した場合の具体的な取組みをあらかじめ定めるものではありませんが、このような場合には直ちに当社として最も適切と考えられる措置をとり得る体制を整えております。
具体的には、社外の専門家を含めて株式の買付や提案の検討・評価や買付者との交渉を行い、当該買付や提案及び買付者が当社の企業価値及び株主共同の利益に資するか否かを慎重に判断し、これに資さない場合には最も適切と考えられる措置を講じていきます。
① 免震積層ゴムの大臣認定不適合等について
当社は、平成27年3月13日に、当社又は当社の子会社である東洋ゴム化工品株式会社が製造・販売した建築用免震積層ゴムの一部(高減衰ゴム系積層ゴム支承SHRB-E4及びSHRB-E6、納入物件数全55件)及び平成27年4月21日には、平成27年3月公表以外の建築用免震積層ゴムの一部(高減衰ゴム系積層ゴム支承HRB-G35、天然ゴム系積層ゴム支承及び弾性すべり支承、納入物件数全99件)において、建築基準法第37条第2号の国土交通大臣認定の性能評価基準に適合していないこと及び当社が過去に取得した免震積層ゴムの国土交通大臣認定の一部については、技術的根拠のない申請を行うことにより、国土交通大臣認定を受けていた事実があったことを公表しました。
当社グループは、本件問題の対策を経営の最優先課題と位置づけ、免震ゴム対策統括本部を設置し、不適合な免震積層ゴムが設置された建築物の改修工事を進めるとともに、本件問題によりご迷惑をおかけした関係者の方々への対応を進めております。なお、平成27年4月公表の高減衰ゴム系積層ゴム支承HRB-G35については、平成28年8月に第三者機関により国土交通大臣の認定項目全ての性能を満たしていることの確認がなされ、この結果、生産を再開し、改修工事の促進を図っています。また、既に公表していますとおり、154棟全ての建築物については、震度6強から震度7程度の地震に対して倒壊するおそれはないことを確認しております。
また、当社グループとして、二度と同じ過ちを繰り返さないために、事業基盤の総点検と再整備に関する緊急対策及び経営基盤の再構築と確立に関する徹底対策を策定し、再発防止に向け全社を挙げて取り組んでおります。
なお、本件問題に関して、捜査機関に不正競争防止法違反による告発がなされ、捜査機関による捜査が継続しておりますが、当社グループとしては、捜査に全面的に協力しております。
また、当社は、個人株主1名から、平成28年5月17日付で当社の現在の取締役及び平成19年から平成27年までの間に取締役であった者のうち合計19名に対し、免震積層ゴムの製造、出荷等に関して善管注意義務違反があると当社が調査に基づき判断した場合は、これにより当社に生じた損害466億74百万円及び遅延損害金の支払いを求める責任追及等の訴え提起を請求する書面を受領しました。
これに対し、当社監査役会は、当該株主からの請求の適否を判断するため、書面に記載された取締役の責任について調査・検討を進めた結果、監査役全員一致の意見として、上記請求について現時点において当社取締役19名に対し責任又は義務違反があるとして提訴はしないことを決定し、会社法第847条4項に基づき当該株主に対し通知書を送付した旨、平成28年7月14日付で当社監査役会から取締役会に通知がありました。
その後、当社は、平成28年8月11日に、同株主から、当社元取締役16名に対し、損害賠償を請求する株主代表訴訟を提起した旨の訴訟告知書を受領しました。平成28年8月26日、当社としては、本件代表訴訟に関し、現時点において、原告又は被告のいずれに対しても補助参加することはない旨、決定しております。
② 産業用ゴム製品(シートリング)に関する問題行為について
当社及び当社の子会社である東洋ゴム化工品株式会社が製造・販売している産業用ゴム製品(シートリング)に関し、納入先様に提示している回数(頻度)の製品検査を実施せず、また、未測定であるにもかかわらず、検査成績表の項目欄に過去の合格データを転記するという行為が行われていた事実が判明し、平成29年2月7日に公表しました。
当社は、この事態を重く受け止め、今後、然るべき対処を真摯に行ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項は、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済環境及び需要動向の影響について
当社グループの売上高は、タイヤ及び自動車部品などの自動車関連事業で全体の90%以上を占めており、世界的な景気減速による自動車販売の落ち込みは、連結業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループはグローバルな事業展開を進めており、特に北米・欧州・アジアなどの主要市場の経済状況は連結業績に影響を及ぼす可能性があります。国内需要については、景気の動向や暖冬による冬用タイヤ需要の減少に左右され、連結業績にも影響を及ぼす可能性があります。
(2) 海外投資等に関わる影響について
当社グループは、グローバルな需要に対応する柔軟な供給体制確立のため、海外生産拠点への投資を行っております。適正な投資運用を行っておりますが、世界的な景気の変動などにより、計画とは異なる成果となることで、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 外国為替変動の影響について
当社グループの海外売上高比率は、平成25年12月期 61.7%、平成26年12月期 64.1%、平成27年12月期 67.1%、平成28年12月期 65.1%となっており、海外売上高が連結売上高の半分以上を占めております。このため為替予約などによるリスクヘッジを行っておりますが、為替変動が、連結業績に影響を与える可能性があります。
(4) 主要原材料価格変動の影響について
当社製品の主要原材料は天然ゴム、合成ゴム及びその他石油化学品であります。これらの仕入価格は、原油、ナフサ及び天然ゴムの国際市況によって大きく影響を受けます。また、天然ゴムをはじめとし輸入品も多く為替変動の影響も受けます。これらが連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 株価変動の影響について
当社グループは市場性のある株式を保有しております。このため全般的かつ大幅な株価下落が続いた場合、保有有価証券に減損又は評価損が発生し、連結業績に影響を与える可能性があります。
(6) 金利変動の影響について
当社グループは、キャッシュ・プーリング・システムの導入等により子会社の資金調達並びに資金管理の一元化を図るなど金融収支を改善するとともに、資金調達手段の多様化や長期借入金比率を高めることにより金利変動リスクのヘッジを行っております。これら取り組みを行っておりますが、金融環境が急速に悪化した場合や金利が中長期的に上昇した場合には資金調達コストが上昇し、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)災害等の影響等について
当社グループは、災害等(地震・火災・風水害・疾病・戦争・テロ等)による影響を最小限にするため、設備の定期的点検の実施、有事の際の対応策の設定・訓練などの取り組みを行っております。しかしながら、大規模な災害等の発生や生産拠点及び原材料の仕入先並びに製品の納入先で災害等が発生した場合、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 製品の品質による影響について
当社グループは、品質管理を経営の最重要課題とし、品質管理体制に万全を期しておりますが、製品の欠陥や不良が発生しない保証はありません。大規模なリコールや欠陥に起因する多額の損害賠償が起きた場合には、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 知的財産権について
当社グループは、技術ノウハウの蓄積と知的財産権の保護に努めておりますが、第三者の知的財産権の侵害を効果的に防止できないことがあります。また、当社グループの製品又は技術が、第三者から知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、それが認められた場合には、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 法律・規制について
当社グループは、経営の基本としてコンプライアンス体制の強化、内部統制機能の充実に努めております。それにもかかわらず、法律・規制を遵守できなかった場合、活動の制限やコストの増加につながり、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、国内外の事業活動に関連して、訴訟や各国当局による捜査・調査の対象となる可能性があり、重要な訴訟が提起された場合や、各国当局による捜査・調査が開始された場合には、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 退職給付債務について
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて計算を行っております。このため、実際の金利水準の変動や年金資産の運用利回りが悪化した場合には、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 財務制限条項による影響について
当社グループが締結している借入金契約には、財務制限条項が付されているものがあり、この条項に抵触し、一括返済を求められた場合には、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、本件対応を経営の最優先課題と位置づけ、迅速かつ誠意をもってこの対策を進めております。平成27年3月13日に発表した国土交通大臣認定の性能評価基準に適合していない製品等については、所有者様、使用者様、施主様、建築会社様等の関係者様のご意向に反しない限り、原則として、当該免震ゴム全基(納入物件数55物件、全2,052基)について、当初の設計段階において求められた性能評価基準に適合する製品へと取り替える方針です。また、平成27年3月13日に公表した以外の製品においても、国土交通大臣認定の性能評価基準に適合していなかった製品の存在が判明し、調査結果として平成27年4月21日に発表した、国土交通大臣認定の不適合が判明した建築物(納入物件数90物件、全678基)及び国土交通大臣認定への適合性が判断できない建築物(納入物件数9物件、全177基)についても、構造安全性の検証を踏まえたうえで、必要なものについては、本来求められていた性能評価基準を満たした製品への交換・改修を進める方針です。これらに関連して発生する当該製品の交換及び交換に付随する費用、訴訟による損害賠償金の負担、信用低下による他製品の売上減少などが、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの連結子会社である東洋ゴム化工品株式会社が製造・販売している産業用ゴム製品(シートリング)に関し、納入先様に提示している回数(頻度)の製品検査を実施せず、検査成績表の項目欄に過去の合格データを転記するという行為が行われていた事実が判明しております。本件に関連して、今後発生する可能性のある当該製品の交換等及びそれに付随する費用が、当社の連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 現在、当社が締結している合弁事業契約の主なものは、次のとおりであります。
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契約締結日 |
相手先 |
契約の内容 |
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昭和61年12月24日 |
正新橡膠工業股份有限公司 |
中華民国における自動車用防振ゴム製造会社として、洋新工業股份有限公司を合弁にて設立し運営する旨の契約であります。 当社 50 %
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契約締結日 |
相手先 |
契約の内容 |
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平成11年9月29日 |
鬼怒川ゴム工業株式会社 |
自動車用防振ゴム製品について、開発・販売部門を当社へ統合するほか、生産・調達・物流分野において広範な業務提携を実施するものであります。
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平成20年5月16日 |
株式会社ブリヂストン |
世界のタイヤ・ゴム産業における需要構造、競争構造、収益構造その他の経営環境の変化に対応して更なる企業価値の向上を図るため、それぞれの事業運営の独立性を維持しつつ、業務及び資本について緩やかな提携を図るものであります。
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契約締結日 |
相手先 |
契約の内容 |
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平成28年3月11日 |
株式会社VGホールディングス |
当社保有の鬼怒川ゴム工業株式会社の全株式800万株について、株式会社VGホールディングス第一号が実施する公開買付け(買付価格は1株につき金780円)に応募することに合意する旨の契約であります。
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当社グループの研究開発活動は、「GO BEYOND~いまを超えていく」をスローガンに、2014年度からの3ヶ年計画「中期経営計画'14」に沿って進めております。
研究課題においては、次世代タイヤ技術構築に向けて、環境負荷低減・性能向上・新システム確立のため、大学や公共研究機関との連携を強化し、構造設計・材料設計・解析技術・製造技術などを中心に研究開発を推進しております。
基盤技術センターでは、事業を支える各種素材の先端的研究や基礎技術力の強化を研究活動の中心とし、他方面では新しい成長戦略分野での新事業や新技術の創出を目指し、コア技術であるゴム材料やウレタン材料を核にして、「環境/エネルギー」「ライフイノベーション」「交通/モビリティ」「園芸/アグリカルチャー」などの新たな成長分野への展開に向けた取り組みも行って参りました。
また、2014年度より実施した研究活動活性化のための「新しい価値を創造する技術人材の育成」プログラムは2016年度も継続し、「プレゼン能力向上」と「課題への対応強化」を目的に中堅・若手研究者の教育を展開いたしました。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は104億74百万円であります。うち、基盤技術センターで行っている各事業部門に配分できない基礎研究の費用は10億94百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。
(1) タイヤ事業
国内市販用タイヤにおいては、ミドルクラスミニバンをターゲットとしたミニバン専用タイヤ「TRANPATH(トランパス)」シリーズの新商品「TRANPATH ML(エムエル)」を発売いたしました。
同シリーズの22年間にわたる技術蓄積を踏襲、進化させ、ミドルクラスミニバンに相応しいパターンデザインとタイヤ性能を備えております。使用されるゴム材料開発には、当社独自の材料設計基盤技術「Nano Balance Technology(ナノバランステクノロジー)」を駆使し、ナノレベルで素材設計と加工の最適化を行い、ロングライフを実現する耐摩耗性能は確保しながら、国内タイヤラベリング制度における転がり抵抗性能「AA」グレード、ウェットグリップ性能「b」グレードを獲得しております。トレッドデザインは、力強い外装を持つミドルクラスミニバンにマッチする、鋭角的でシャープなデザインとし、タイヤの一部だけが摩耗する、偏摩耗の抑制に寄与する非対称パターンデザインを採用しております。重心が高く車重のあるミニバンを支えるしっかり感を追求するため、パターン設計と構造設計の最適化で横方向への剛性を確保し、国内タイヤラベリング制度では上記グレードを獲得しながらも、フラつきを軽減させた安定感ある走行を実現いたしました。
また、クロスカントリー・ビークル(SUV/CUV)タイプの軽自動車専用タイヤの提案型新商品として「OPEN COUNTRY R/T(オープンカントリーアールティー)」を発売いたしました。軽自動車の車両特長を踏まえた“遊び心”のある専用タイヤとして、オフロードにおけるトラクション性能と、オンロード走行に求められる耐摩耗性能や走行安定性を高い次元で両立させております。当社では、泥濘地や雪道などオフロードでの走破性を重視するユーザーには、地面にパワーを伝える能力(トラクション性能)に優れた「Mud Terrain(M/T:マッド・テレイン、泥濘地用)タイプ」のタイヤを、また、オンロード中心でありながらオフロードとのバランスも重視するユーザーには、「All Terrain(A/T:オール・テレイン、全天候型)タイプ」のタイヤを提案しておりますが、当商品は、Mud TerrainタイプとAll Terrainタイプとの中間を充足する全く新しいジャンルのタイヤといえます。タイヤのショルダー(両端)部は、アグレッシブなパターンデザインによってオフロード性能を確保し、トレッドのセンター部にはオンロード走行を考慮したパターンデザインを採用し、それぞれの特性を発揮する「ハイブリッドデザイン」が特長となっており、軽自動車の小型の躯体でも存在感ある独特の商品デザインは、アウトドア派のアクティブなカーユーザーの趣向をも満たすものであります。
なお、「TRANPATH ML」と「OPEN COUNTRY R/T」の2商品は、「2016年度グッドデザイン賞」(公益財団法人日本デザイン振興会主催)を受賞いたしました。
また、走りを追求したモータースポーツ用タイヤ「PROXES R888R(プロクセスアールハチハチハチアール)」を発売いたしました。サーキットでのレースやジムカーナ等のモータースポーツ競技では、正確なステアリング操作のみならず、状況に適したアクセル・ブレーキコントロールが要求され、車両を構成する部品の中で唯一、地面と接するタイヤは、競技者が車両を正確にコントロールするうえで重要な役割を担っておりますが、当商品はサーキット走行等で高い次元のハンドリング、グリップ性能とコントロール性を発揮させることを目的としたトレッド配合と構造を採用し、トレッドパターンはグリップ性能の向上を図る非対称パターンとなっております。
海外市販用タイヤでは、米国市場においては、NITTOブランドのライトトラック用タイヤの主力商品「GRAPPLER(グラップラー)」シリーズの次世代商品「RIDGE GRAPPLER(リッジ)」を発売いたしました。「Mud Terrain」と「All Terrain」の両方のベストを提供するために、特徴的でダイナミックなハイブリッドトレッドパターンと、深く・アグレッシブなサイドウォールにより、オフロード性能を備えながら、静粛性と快適性を実現いたしました。
欧州市場においては、プレミアム・ハイパフォーマンスカーをターゲットとしたウィンタータイヤ「SNOWPROX S954(スノープロックスエスキュウゴウヨン)」を発売いたしました。非対称トレッドパターンと配合設計技術により、WET及びSNOW路面におけるブレーキ・グリップ性能を高めることで、典型的な欧州の冬道における安全性と正確なハンドリング性能を実現いたしました。
また、年間を通して様々な気象変化がある中で、タイヤ交換することなく快適性と安全性を提供する新ブランド「TOYO CELSIUS(トーヨーセルシウス)」を発売いたしました。非対称トレッドパターンと配合設計技術により、WETやSNOW路面等の様々な路面状況変化においても多用途な性能を兼ね備えております。
当事業に係る研究開発費は68億34百万円であります。
(2) ダイバーテック事業
〔輸送機器〕
カーメーカーから高級車種向けとして、エンジンマウントなど高機能部品を多く受注し、順調に立ち上げたことで客先からの高い評価を得ております。先行技術開発においては、環境対応車向けの新商品の開発を行い、市場展開を目指しております。
環境問題に対しては、6価クロムフリーの製品開発を実施し、製造工程、製品からVOC(揮発性有機化合物)及び産業廃棄物を削減するため、新たな素材への切り替えを進めております。また、車の燃費向上のために部品の軽量化及び性能向上を目指し、アルミや樹脂材料の採用と新工法・新材料の開発も進めております。解析技術においては、振動解析技術や金具性能及び加工の解析技術により、最適設計に取り組んでおります。
また、鉄道車両用空気バネについては、技術の横展開と顧客ニーズに適応した開発を進め、さらなるグローバルでの拡販を図っております。
〔産業・建築資材〕
産業・建築資材では、生コン圧送用ゴムホースの需要が高まっており市場ニーズに対応するため、高耐久構造の開発を進めております。
〔断熱・防水資材〕
硬質ウレタン商品分野では、環境・安全に関する課題を中心とした技術開発に取り組んでおり、独自技術による脱フロン化技術開発を進めております。同分野ではノンフロンシステムの高性能化を図り、さらに地球温暖化に影響がなくノンフロンシステムより断熱性能が高い発泡剤を使用した新たなシステムを開発・量産化し脱フロンを推進しております。
また、防水資材でも、さらなる環境・安全対応として、2成分ウレタン塗膜防水材「ソフランシール141」における脱VOCや脱特定化学物質を行っております。また、市場ニーズにより高強度ウレタン防水材の製品開発にも取り組んでおり、引続き、環境・安全に配慮した商品を中心に開発中であります。
当事業に係る研究開発費は25億45百万円であります。
(1) 財政状態の分析
① 総資産及び純資産
当連結会計年度末の総資産は4,910億88百万円となり、前年度末に比べ318億48百万円減少しました。これは、主として、投資有価証券や現金及び預金等が減少したことに加え、円高による影響で、為替換算後の有形固定資産等の残高が減少したことによります。
また、負債は3,454億66百万円となり、前年度末に比べ21億6百万円減少しました。これは、主として、製品補償引当金等が増加した一方、長期借入金や繰延税金負債、社債等が減少したことによります。なお、有利子負債は1,329億30百万円となり、前年度末に比べ291億5百万円減少しました。
当連結会計年度末の純資産は1,456億21百万円となり、前年度末に比べ297億42百万円減少しました。これは、主として、利益剰余金やその他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定等が減少したことによります。
この結果、自己資本比率は前年度末に比べて4.1%減少し、28.8%となりました。
② キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」の項に記載しております。
(2) 経営成績の分析
経営成績の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」の項に記載しております。