文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該企業会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における経済環境は、米国では良好な雇用・所得環境を背景に個人消費が堅調に推移し景気回復が持続しました。欧州では英国のEU離脱問題による混乱や政情不安等により景気の減速が続きました。わが国では、景気は緩やかな回復基調にあるものの、輸出・生産面に海外経済の減速の影響がみられるなど先行き不透明な状況が続きました。
このような状況のもと、当社グループは、2017年を起点とする4ヵ年の中期経営計画「中計'17」の目標達成に向けて、北米市場の商品力強化と増販に向けた体制強化、商品ミックスの最適化、開発力・技術力の進化、ブランド力の向上と効率的な供給体制の構築などに取り組みました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,776億46百万円(前年同期比74億2百万円減、2.6%減)、営業利益は264億66百万円(前年同期比42億66百万円減、13.9%減)、経常利益は235億93百万円(前年同期比50億69百万円減、17.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は142億32百万円(前年同期比29億68百万円増、26.4%増)となりました。
なお、売上高の前年同期比には、昨年末に実施した自動車部品事業セグメントの軟質ウレタン事業(バンパーの販売事業を除く)の譲渡による影響額43億99百万円が含まれております。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① タイヤ事業
北米市場における市販用タイヤについては、乗用車用タイヤの販売が前年を下回ったものの、当社が強みとするライトトラック用タイヤ及びトラックバス用タイヤの販売が堅調に推移したことにより、販売量、売上高ともに前年同期並みとなりました。欧州市場における市販用タイヤについては、販売量が前年を下回ったことに加え、円高の影響もあり、販売量、売上高ともに前年同期を下回りました。
新車用タイヤについては、国内市場において当社製品装着車種の販売減少の影響がありましたが、海外市場における新規ビジネス獲得により、販売量は前年同期を上回り、売上高は前年同期並みとなりました。
国内市販用タイヤについては、消費税増税前の駆込み需要の発生もあって、夏用タイヤ、冬用タイヤとも出荷が好調に推移したことにより、販売量、売上高ともに前年同期を上回りました。
その結果、タイヤ事業の売上高は2,438億46百万円(前年同期比29億55百万円減、1.2%減)となり、営業利益は281億11百万円(前年同期比57億47百万円減、17.0%減)となりました。
自動車用部品において防振ゴムの売上高は、ほぼ前年同期並みとなりましたが、軟質ウレタン事業(バンパーの販売事業を除く)の事業譲渡により、自動車部品事業の売上高は337億47百万円(前年同期比44億54百万円減、11.7%減、事業譲渡による影響額43億99百万円減を含む)と前年同期を下回り、営業損失は16億16百万円(前年同期は31億75百万円の損失)となりました。
2015年12月期において、出荷していた製品の一部が国土交通大臣認定の性能評価基準に適合していない等の事実が判明いたしました。
当第3四半期決算において、状況が進捗し算定可能となったことにより、補償費用等64百万円、諸費用7億14百万円(主として、免震ゴム対策統括本部人件費等)を計上した結果、31億10百万円(製品補償対策費29億15百万円、製品補償引当金繰入額1億95百万円)を特別損失として計上しております。
現時点で合理的に金額を見積もることが困難なもので、今後発生する費用(主として、営業補償や遅延損害金等の賠償金、追加で判明する改修工事費用の金額が既引当額を超過する場合の費用等)がある場合には、翌四半期連結会計期間以降の対処進行状況等によって、追加で製品補償引当金を計上する可能性があります。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は4,754億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ60億63百万円増加しました。これは、主として、有形固定資産が増加したことによるものです。
また、負債は2,630億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ490億55百万円減少しました。これは、主として、免震問題に係る対応の進捗により製品補償引当金が減少したことに加え、未払金、仕入債務等が減少したことによります。なお、有利子負債は1,331億28百万円となり、前連結会計年度末に比べ41億99百万円減少しました。
当第3四半期連結会計期間末の純資産は2,123億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ551億19百万円増加しました。これは、主として、2019年2月12日に三菱商事株式会社を割当先とする第三者割当増資を実施したことに加え、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により利益剰余金が増加したことによります。
この結果、自己資本比率は43.7%となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に重要な変更及び新たに定めたものはありません。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
当社は、当社の株式の大量取得を目的とする買付者(以下、買付者という。)としては、当社の企業価値及び株主共同の利益に資する者が望ましいと考えております。また、買付者の提案を許容するか否かは、最終的には株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。しかしながら、株式の買付や提案の中には、企業価値及び株主共同の利益に資さないものが存在する可能性もあり、そのような買付や提案は不適切なものであると考えております。
現在のところ、買付者が出現した場合の具体的な取組みをあらかじめ定めるものではありませんが、このような場合には直ちに当社として最も適切と考えられる措置をとり得る体制を整えております。
具体的には、社外の専門家を含めて株式の買付や提案の検討・評価や買付者との交渉を行い、当該買付や提案及び買付者が当社の企業価値及び株主共同の利益に資するか否かを慎重に判断し、これに資さない場合には最も適切と考えられる措置を講じていきます。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は80億27百万円であります。
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の重要な変更は、次のとおりであります。
未来の変化を視野に入れ、社会から求められるものを具現化するべく、「人の感覚や感性に働きかけるテクノロジー」や「未来モビリティをデザインするテクノロジー」など、当社独自のユニークな技術アプローチにて、研究、開発を続けております。
高効率・高精度な新タイヤ開発プラットフォーム「T-MODE」のプレスリリースを行いました。タイヤは路面と接する唯一のパーツとして、自動車に求められるさまざまな性能を満たす上で大きな役割を担っています。EV化や自動運転など、次世代モビリティへの技術革新競争が産業界に席捲し始めているなか、タイヤには、「モビリティの進化」を支える明確な性能や機能をスピーディーに実現していくことが求められており、今後、設計の高精度化・高速化がカギを握ります。
当社はSPDM(Simulation Process and Data Management)を活用し、従来のT-mode(独自の各種シミュレーション基盤技術)に、AI技術を用いた設計支援技術を組み込み、新たに「T-MODE」としてタイヤ開発プロセスをより高度に進化させました。これまでの約20年間に蓄積してきた知見と新しいシステムによって、知的にデータを科学することで、短期間に高性能タイヤを開発できるプロセスを新たに構築しました。
新タイヤ開発プラットフォームにより、設計データ、実験データ、シミュレーションデータを一元管理することが可能となり、データの付加価値が高まりました。今後はこのデータを機械学習に活用することで、さらなるタイヤ設計の高効率化、高性能化が期待できます。