第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 会社の経営の基本方針

 当社グループは2017年1月1日付で「社是」「私たちの使命」「私たちのありたい姿」「私たちの持つべき価値観」を新たに理念体系として整備し、全役員・全従業員がこれらの理念を実践、体現することを基本的な経営姿勢としております。

 当社グループは、理念に掲げた使命を果たし、ありたい姿を実現していくために、経営基盤の強化、よき企業風土の醸成、また、企業価値を高める事業戦略を打ち立て、その確かな遂行に努めていくことを経営の基本方針としております。

 

(理 念)

 社 是

昨日より今日はより良くより安く、需要者の為に各自の職場で最善を

 私たちの使命

 (ミッション)

お客さまの期待や満足を超える感動や驚きを生み出し、

豊かな社会づくりに貢献します。

 私たちの

 ありたい姿

 (めざす企業像)

一.  私たちは、たゆまぬ技術革新によって、一歩先の未来を創る企業をめざします。

一.  私たちは、挑戦心と独創的な発想にあふれた闊達な風土を持つ企業をめざします。

一.  私たちは、企業活動に関わるすべての人びとと喜びを分かち合う企業をめざします。

 私たちの

 持つべき価値観

 (TOYO WAY)

公正さ 社会に正しく役立つことを旨として、私心のない公明正大な行動をとる。

誇  り 会社と仕事、自分自身に高い誇りを持ち、最後まであきらめない。

主体性 何事にも、自らが主体となって受け止め、自らが主体となって取り組む。

感 謝 人と社会に思いやりと感謝の心を持ち、誠意を込めて力を尽くす。

結束力 仲間とともに知恵と力を結集し、常に創意工夫と改良改善を続ける。

 

② 目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略

a.中期経営計画の推進

 当社グループは、取り巻く事業環境が大きな変革期にある中においても、持続的な成長を実現していくことを企図し、2021年を起点とした5ヵ年の中期経営計画「中計’21」を策定しました。

 タイヤと自動車部品を事業の中核に据え、これまで得意分野で培ってきた独自性、研鑽してきた機能別組織機能、変革・強化を図ってきたガバナンスやコンプライアンス体制をベースに置きながら、変化の激しい環境にも迅速、かつ柔軟に適応する力を当社グループ全体で強化することで、企業ステージのさらなる向上と掲げた経営指標(下表)の実現をめざしてまいります。

経営指標

目標数値

達成時期等

連結営業利益率

14%超

2025年度

重点商品販売構成比率

55%超

2025年度

連結営業利益

600億円

2025年度

ROE

12%以上

中計’21期間中

設備投資

1,940億円

中計’21期間(5ヵ年)累計

株主還元

配当性向30%以上

中計’21期間中

 中計’21の詳細につきましては、当社ホームページIR情報(https://www.toyotires.co.jp/ir/)に掲載の『中期経営計画「中計’21」』をご参照ください。

 

 

b.サステナビリティの推進

 当社グループは、「中計’21」において、持続的な成長を支える経営基盤を構築するための「重要な柱の一つ」としてサステナビリティの推進を位置づけ、取締役会で決定したサステナビリティ方針に基づき、取組みを進めています。2021年は、サステナビリティ経営を強化・推進していくとの宣言のもと、サステナビリティ委員会(委員長:社長)を設置し、7つの重要課題(マテリアリティ)を特定しました。

 マテリアリティに紐づく活動テーマを明確化し、それぞれの戦略の実行に向け、各テーマを担う社内横断的なタスクフォースが方針、目標、活動計画(施策)の策定を指揮します。サステナビリティ委員会では、取組み内容や進捗状況を定期的に検証、審議し、適宜指示・助言を行い、すべての活動をブラッシュアップしてまいります。

領域

マテリアリティ

領域(1)価値創出

 顧客・社会へ創出するユニークな価値

1.持続可能なモビリティ社会の実現に寄与する

2.豊かなモビリティライフを支え、創造する

領域(2)価値創出を支える基盤

 ユニークな価値の創出を支える基盤

3.多様な人財の挑戦と働きがいを創出する

4.次世代モビリティの技術革新を続ける

領域(3)リスクマネジメント

 創出する価値を最大化するためのリスク対応

5.全企業活動における脱炭素を追求する

6.サプライチェーンのサステナビリティを促進する

7.モノづくりの根幹(品質と安全性)を守り抜く

 サステナビリティに関する取組み及び目標設定の詳細については、当社ホームページのサステナビリティサイト(https://www.toyotires.co.jp/csr/)をご参照ください。

 

(2)その他

 免震ゴムの交換・改修工事の遂行

 当社及び当社子会社(東洋ゴム化工品株式会社)が製造・販売していた建築用免震積層ゴムの一部が国土交通大臣認定の性能評価基準に適合しておらず、また、国土交通大臣認定取得に際して一部に技術的根拠のない申請が行われていた問題が2015年に判明しました。

 以後、当該製品の交換改修対応を経営の最優先課題と位置づけ、グループを挙げて取り組んでいます。2021年12月末時点において、対象物件全154棟のうち151棟の工事に着手し、このうち149棟で交換改修を完了しています。引き続き、工事の安全確保を最優先に全ての対象建築物で交換改修を遂行してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項は、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経済環境及び需要動向の影響について

 当社グループの売上高は、タイヤ事業及び自動車部品事業により構成されており、世界的な景気減速による自動車販売の落ち込みなどの自動車産業の景況は、連結業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループはグローバルな事業展開を進めており、特に北米・欧州・アジアなどの主要市場の経済状況は連結業績に影響を及ぼす可能性があります。国内需要については、景気の動向や暖冬による冬用タイヤ需要の減少に左右され、連結業績にも影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)海外投資等に関わる影響について

 当社グループは、グローバルな需要に対応する柔軟な供給体制確立のため、海外生産拠点への投資を行っております。適正な投資運用を行っておりますが、世界的な景気の変動などにより、計画とは異なる成果となることで、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

(3)外国為替変動の影響について

 当社グループの海外売上高比率は、2018年12月期71.5%、2019年12月期72.3%、2020年12月期72.9%、2021年12月期75.8%となっており、海外売上高が連結売上高の半分以上を占めております。このため為替予約などによるリスクヘッジを行っておりますが、為替変動が、連結業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)主要原材料価格変動の影響について

 当社製品の主要原材料は天然ゴム、合成ゴム及びその他石油化学品であります。これらの仕入価格は、原油、ナフサ及び天然ゴムの国際市況によって大きく影響を受けます。また、天然ゴムをはじめとし輸入品も多く為替変動の影響も受けます。これらが連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)株価変動の影響について

 当社グループは市場性のある株式を保有しております。このため全般的かつ大幅な株価下落が続いた場合、保有有価証券に減損又は評価損が発生し、連結業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)金利変動の影響について

 当社グループは、キャッシュ・プーリング・システムの導入等により子会社の資金調達並びに資金管理の一元化を図るなど金融収支を改善するとともに、資金調達手段の多様化や長期借入金比率を高めることにより金利変動リスクのヘッジを行っております。これらの取り組みを行っておりますが、金融環境が急速に悪化した場合や金利が中長期的に上昇した場合には資金調達コストが上昇し、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)災害等の影響等について

 当社グループは、災害等(地震・火災・風水害・疾病・戦争・テロ等)による影響を最小限にするため、設備の定期的点検の実施、有事の際の対応策の設定・訓練などの取り組みを行っております。しかしながら、大規模な災害等の発生や生産拠点及び原材料の仕入先並びに製品の納入先で災害等が発生した場合、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)製品の品質による影響について

 当社グループは、品質管理を経営の最重要課題とし、品質管理体制に万全を期しておりますが、製品の欠陥や不良が発生しない保証はありません。大規模なリコールや欠陥に起因する多額の損害賠償が起きた場合には、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)知的財産権について

 当社グループは、技術ノウハウの蓄積と知的財産権の保護に努めておりますが、第三者による当社知的財産権の侵害を効果的に防止できないことがあります。また、第三者から、当社グループの製品又は技術が第三者の知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、その訴えが認められた場合には、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)法律・規制について

 当社グループは、経営の基本としてコンプライアンス体制の強化、内部統制機能の充実に努めております。それにもかかわらず、法律・規制を遵守できなかった場合、活動の制限やコストの増加につながり、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、国内外の事業活動に関連して、訴訟や各国当局による捜査・調査の対象となる可能性があり、重要な訴訟が提起された場合や、各国当局による捜査・調査が開始された場合には、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)退職給付債務について

 当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて計算を行っております。このため、実際の金利水準の変動や年金資産の運用利回りが悪化した場合には、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

(12)免震積層ゴムの大臣認定不適合等の影響について

 当社グループは、本件対応を経営の最優先課題と位置づけ、迅速かつ誠意をもってこの対策を進めております。国土交通大臣認定の性能評価基準に適合していない製品等については、当該免震ゴム(納入物件数154物件)について、本来求められた性能評価基準に適合する製品への交換を進めています。2021年12月31日現在で、計154物件中、151物件について着工し、このうち149物件について交換が完了しています。

 2022年度以降についても、現時点で合理的に金額を見積もることが困難なもので、今後発生する費用がある場合は、追加的に費用計上がされる可能性があるほか、これらに関連して発生する当該製品の交換及び交換に付随する費用、訴訟による損害賠償金の負担、信用低下による他製品の売上減少などが、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響

①経営成績への影響

 新型コロナウイルス感染症の長期化、それに伴う各国政府の規制の継続等により、消費者の購入や企業の経済活動が停滞する状況が続くことが予想され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 引き続き今後の動向に注視してまいります。

②従業員・取引先への感染拡大防止への対策措置

 当社グループは、従業員及び取引先関係者の健康と安全の確保を最優先事項と位置づけ、感染拡大の防止に向けた各種対策措置を講じております。社内に設置した緊急対策本部が常に社内外の情報収集に努め、政府並びに各自治体のガイドラインを参照しながらタイムリーに必要な対策の検討と決定を行い、適時社内へ通達、対処徹底を図っております。

 ・情勢に応じた在宅勤務(出社制限)の徹底

 ・利用交通機関の混雑回避のための時差出勤の奨励、不要不急の出張自粛

 ・集合型各種行事・会議の制限、各種オンラインツールの積極活用とデジタル就業環境の整備

 ・出社時の施設内での対策徹底(マスク着用、手洗い・消毒・うがい、三密防止対策)等

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年1月1日から2021年12月31日まで)における経済環境は、米国では、新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けたワクチン接種により、経済活動は持ち直しがみられております。欧州では、新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けたワクチン接種により、経済活動は持ち直しがみられていたものの、経済活動再開に伴う回復が一巡し消費者マインドが横ばい基調に変わりつつあります。わが国では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止策を講じ、ワクチン接種を促進する中で持ち直しの動きがみられます。しかしながら足元では、世界的に新型コロナウイルス感染症の変異株が拡大しており、経済活動に与える影響について引き続き注視する必要があります。

 このような状況のもと、当社グループは2021年を起点とした5ヵ年の中期計画「中計’21」を策定し、その中で掲げた各種経営指標を実現するため、これまで培ってきた得意分野や独自性、研鑽してきた機能別組織機能、変革・強化を図ってきたガバナンスやコンプライアンス体制をベースに置きながら、取り巻く変化に迅速、かつ柔軟に適応する力を当社グループ全体で強化することに取り組みました。

 その結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は393,647百万円(前年度比49,883百万円増、14.5%増)となり、営業利益は53,080百万円(前年度比16,752百万円増、46.1%増)、経常利益は55,909百万円(前年度比25,021百万円増、81.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は41,350百万円(前年度比29,667百万円増、254.0%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(イ)タイヤ事業

 北米市場における市販用タイヤについては、OPEN COUNTRY A/TⅢ(オープンカントリー・エーティー・スリー)やNITTO Ridge Grappler(ニットー リッジグラップラー)など当社が強みとしている大口径ライトトラック用タイヤやSUV用タイヤを中心に全カテゴリーの販売が好調であり、販売量は前年度を大きく上回りました。また、値上げや重点商品の拡販による商品ミックスの改善により、売上高は販売量以上に前年度を大きく上回りました。

 欧州市場における市販用タイヤについては、採算性を意識した供給戦略の継続、並びに物流遅延等の影響により、販売量は前年度を下回りましたが、需要が回復傾向にある中で値上げや商品ミックス改善等の施策により、売上高は前年度を上回りました。

 国内市場における市販用タイヤについては、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの前年度より需要が回復傾向にある中で、冬タイヤの重点商品や当社が強みとしているSUV用タイヤの販売に注力したことにより、販売量、売上高ともに前年度を上回りました。

 新車用タイヤについては、新型コロナウイルス感染症や半導体不足による自動車メーカーの減産の影響を受けたものの、販売量は前年度を上回りました。一方、車種ミックスや市場ミックスの影響を受け、売上高は前年度並みとなりました。

 その結果、タイヤ事業の売上高は354,641百万円(前年度比48,032百万円増、15.7%増)、営業利益は55,089百万円(前年度比16,746百万円増、43.7%増)となりました。

 

(ロ)自動車部品事業

 自動車部品事業については、半導体不足による自動車メーカーの減産の影響を受けたものの、車種ミックスの改善が進み、売上高は38,979百万円(前年度比1,868百万円増、5.0%増)と前年度を上回り、営業損失は2,008百万円(前年度は2,020百万円の営業損失)となりました。

 

(ハ)当社免震ゴム問題に係る製品補償対策費及び製品補償引当金繰入額の状況

 2015年12月期において、出荷していた製品の一部が国土交通大臣認定の性能評価基準に適合していない等の事実が判明いたしました。

 2021年度第4四半期決算において、製品補償対策費1,083百万円(主として、免震ゴム対策統括本部人件費等)を特別損失として計上しております。

 現時点で合理的に金額を見積もることが困難なもので、今後発生する費用(主として、営業補償や遅延損害金等の賠償金、追加で判明する改修工事費用の金額が既引当額を超過する場合の費用等)がある場合には、翌年度以降の対処進行状況等によって、追加で製品補償引当金を計上する可能性があります。

② 財政状態の状況

 当連結会計年度末の総資産は531,229百万円となり、前年度末に比べ85,650百万円増加しました。これは、主として、現金及び預金、たな卸資産及び有形固定資産が増加したことによります。

 また、負債は251,073百万円となり、前年度末に比べ28,188百万円増加しました。これは、主として、長期借入金の返済や免震問題に係る対応の進捗により製品補償引当金が減少した一方、コマーシャル・ペーパーの増加や社債の発行により社債が増加したことによります。なお、有利子負債は128,784百万円となり、前年度末に比べ18,205百万円増加しました。

 当連結会計年度末の純資産は280,155百万円となり、前年度末に比べ57,461百万円増加しました。これは、主として、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金、円安の影響により為替換算調整勘定が増加したことによります。

 この結果、自己資本比率は52.7%となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動による収入が34,465百万円となり、投資活動による支出が37,538百万円となったため、純現金収支(フリー・キャッシュ・フロー)は3,073百万円のマイナスとなりました。財務活動においては11,697百万円の収入となりました。以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、これら収支に為替換算差額の増加額、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額を合わせ53,592百万円となり、前年度末と比べて17,289百万円増加しました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の増加や製品補償関連の支払い等の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上等の増加要因により、34,465百万円の収入(前年度比19,330百万円減、35.9%減)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入等があったものの、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出等により、37,538百万円の支出(前年度比9,681百万円増、34.8%増)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払や借入金の返済等があったものの、社債の発行による収入等により、11,697百万円の収入(前年度は12,638百万円の支出)となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

(イ)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産金額(百万円)

前年度比(%)

タイヤ事業

349,077

35.3

自動車部品事業

33,728

5.9

合計

382,805

32.0

(注)1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(ロ)受注状況

 当社グループは製品の性質上、原則として需要見込生産方式を採っております。

 

(ハ)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売金額(百万円)

前年度比(%)

タイヤ事業

354,641

15.7

自動車部品事業

38,979

5.0

その他

27

△ 39.0

合計

393,647

14.5

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する当該販売実績の割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

American Tire Distributors, Inc.

38,733

11.3

42,138

10.7

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。なお製品補償引当金及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う会計上の見積りの仮定につきましては、それぞれ「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結貸借対照表関係) 3 偶発債務」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。

 なお、当社グループの経営に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(イ)売上高

 タイヤ事業においては、北米市場において当社が強みとしている大口径ライトトラック用タイヤやSUV用タイヤを中心に全カテゴリーの販売が好調につき販売量、売上高ともに前年度を大きく上回りました。また自動車部品事業においては、車種ミックスの改善が進み売上高は前年度を上回り、売上高は393,647百万円(前年度比49,883百万円増、14.5%増)となりました。

 

(ロ)営業利益

 タイヤ事業において原材料価格の高騰、コンテナ不足による海上運賃の値上がり等の減益要因があったものの、北米市場向けのタイヤ需要が好調であったことやUSドルを中心とした円安影響により、営業利益は53,080百万円(前年度比16,752百万円増、46.1%増)となりました。この結果、営業利益率は、13.5%(前年度比2.9ポイント増)となりました。

 

(ハ)経常利益

 主にUSドルを中心とした円安影響の為替差益の発生により、経常利益は55,909百万円(前年度比25,021百万円増、81.0%増)となりました。

(ニ)親会社株主に帰属する当期純利益

 特別利益として固定資産売却益、特別損失として製品補償対策費、固定資産の減損損失等を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は41,350百万円(前年度比29,667百万円増、254.0%増)となりました。

 

 当連結会計年度の財政状態の分析、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載しております。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループは、持続的な成長を実現するために、事業機能・経営基盤の強化に一層注力し、重点ターゲット領域での着実な成長を目指しております。具体的には、Toyo Tire Serbia d.o.o. Beogradの立ち上げ、Toyo Tire North America Manufacturing Inc.をはじめとする工場の生産設備増強や、驚きのある商品を提供する開発力・技術力の進化のため研究開発活動に取り組んでおり、当連結会計年度は、生産設備増強や合理化及び品質向上を中心に35,543百万円、基礎研究技術の強化を中心に2,222百万円の設備投資を実施しました。これらの投資を含む事業活動に必要な資金は第三者割当増資による増資資金を含めた自己資金、借入金及び社債の発行により賄いました。また、キャッシュ・プーリング・システムの導入等により子会社の資金調達並びに資金管理の一元化を図るなど金融収支を改善するとともに、資金調達手段の多様化や長期借入金比率を高めることにより金利変動リスクのヘッジを行っております。

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 なお、翌連結会計年度の設備投資金額は総額59,920百万円を計画しており、これらの所要資金については自己資金及び借入金により充当する予定であります。設備投資計画の主な内容・目的につきましては、「第3 設備の状況3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、中期経営計画「中計’21」のもと、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針 ② 目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略」に記載の経営指標の実現をめざしております。当連結会計年度は、連結営業利益率13.5%、重点商品販売構成比率53%、連結営業利益531億円、実績ROE(期末配当控除後)16.9%、配当性向28.3%となりました。

 また、設備投資については、「中計’21」において2021年度から2025年度までの5ヵ年累計で194,000百万円を計画しており、1年目である当連結会計年度末において37,766百万円を実施しました。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1)現在、当社が締結している合弁事業契約の主なものは、次のとおりであります。

契約締結日

相手先

契約の内容

1986年12月24日

 

 

 

正新橡膠工業股份有限公司

(中華民国)

 

 

中華民国における自動車用防振ゴム製造会社として、洋新工業股份有限公司を合弁にて設立し運営する旨の契約であります。

なお、洋新工業股份有限公司に対する出資比率は以下のとおりであります。

当社                         50%

正新橡膠工業股份有限公司               50%

 

(2)現在、当社が締結している業務提携契約の主なものは、次のとおりであります。

契約締結日

相手先

契約の内容

2008年5月16日

 

 

 

 

 

 

 

株式会社ブリヂストン

 

 

 

 

 

 

 

世界のタイヤ・ゴム産業における需要構造、競争構造、収益構造その他の経営環境の変化に対応して更なる企業価値の向上を図るため、それぞれの事業運営の独立性を維持しつつ、業務及び資本について緩やかな提携を図るものであります。

本合意書の締結後、業務提携の分野を選定し、その個々の分野における業務提携について協議及び検討を開始いたします。資本提携は、2008年10月16日を払い込み期日とする第三者割当により、株式会社ブリヂストンは、当社の新株20百万株(2008年5月16日現在)を引き受け、当社は株式会社ブリヂストンの自己株3.9百万株を引き受けるものであります。

2018年11月1日

 

 

 

 

 

 

 

三菱商事株式会社

 

 

 

 

 

 

 

将来の成長に向けて事業と経営の基盤を更にステージアップさせるために、三菱商事株式会社と業務及び資本について提携を図るものです。業務提携は、当社と三菱商事株式会社が「販売力強化」、「技術力強化」、「リソース強化」の各テーマで協働し、協力体制を強化してシナジー効果の最大化に取り組んでいくものです。また、資本提携は、両者間のより安定的な資本関係を構築し、かかる資本関係を基礎として、両者の得意分野や経営資源の有効活用を促進することでシナジーを実現し、それぞれの企業価値を向上させることを目的としております。2019年2月12日を払い込み期日とする第三者割当により、三菱商事株式会社が当社の新株26,931,956株を引き受けました。

 

5 【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、2025年に向けた新中期経営計画「中計'21」に沿って、「変化に迅速・柔軟に適応する力」の強化に取り組んで進めております。最新の技術を駆使し、モビリティ社会の発展、豊かなクルマ文化の活性に寄与すべく研究開発に取り組んでまいります。

 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は11,159百万円であります。うち、各事業部門に配分できない基礎研究の費用は1,455百万円であります。

 

 セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。

 

(1)タイヤ事業

 国内市販用タイヤについては、SUV用タイヤブランド「OPEN COUNTRY」シリーズにおいて、オフロード性能とオンロード性能を高い次元で両立させたハイブリッド商品「OPEN COUNTRY R/T(オープンカントリー アールティー)」、オフロード向け商品「OPEN COUNTRY M/T(オープンカントリー エムティー)」の新サイズを2021年2月より発売開始いたしました。加えて、オフロード走行における優れたトラクション性能を有しつつ、オンロード走行時での静粛性を確保したSUV用ALL Terrain(オールテレイン:全地形型)タイヤ「OPEN COUNTRY A/T EX(オープンカントリー エーティーイーエックス)」を、2021年5月より発売開始いたしました。また、昨今のコロナ禍で人々が在宅中心の生活スタイルへシフトしたことによる宅配をはじめとする小口配送の需要の増加に適したビジネスバン・小型トラック用スタッドレスタイヤ「DELVEX 935(デルベックス キュウサンゴ)」を2021年8月より発売開始、加えてオールシーズン(全天候型)タイヤとして販売している「CELSIUS(セルシアス)」ブランドにおいて、ビジネスバン専用となる「CELSIUS CARGO(セルシアス・カーゴ)」を2021年10月に発売し市場ニーズに応えてまいります。2021年1月に発売した「PROXES CL1 SUV(プロクセス・シーエルワン・エスユーブイ)」は2021年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞し、今後もマーケットの情報やニーズを的確にとらえ、タイヤ性能の進化を追求するとともに、魅力あるデザインの両立を図った製品開発に取り組んでまいります。

 また、空気の要らないエアレスタイヤ「ノアイア」をゴルフカートに適応し、エアレスタイヤの実用化に向けた「ノアイアビジョン」を発表いたしました。「ノアイア」を適応したゴルフカートは過疎地や観光地の足として活用されつつあり、将来の低炭素型交通の実証としても普及が推進されております。エアレスタイヤのメリットであるパンクレス、メンテナンスフリーはこういった小型モビリティと親和性が高いと考えており、ゴルフ場や施設内での実証実験を進めるとともに、よりエアレスタイヤのメリットを活かせる市場開拓を進めてまいります。

 

 当事業に係る研究開発費は8,580百万円であります。

 

(2)自動車部品事業

 自動車部品では、既存部品の設計技術の標準化や効率化による競争力向上とともに、次世代電気自動車向けとして従来の耐熱性、耐寒性、高耐久性に加え、静粛性ニーズに対応する高トルク負荷時や高周波数領域でも低い動バネ定数を持つモーターマウントの開発を行っております。また、先行技術開発においては、軽量化を軸に新製品の開発を進め、ゴムや金属の代替として樹脂の適用技術も含めた更なる技術向上の取り組みも進めております。

 その他、タイヤ事業の解析技術や評価技術との独自技術を融合させたモデルベース開発の技術構築も進めており、これにより自社の強みを生かしたサスペンションモジュールに関連する自動車部品の最適化提案ができるように取り組んでまいります。

 

 当事業に係る研究開発費は1,123百万円であります。