当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。
(4)主要原材料価格変動の影響について
当社製品の主要原材料は天然ゴム、合成ゴム及びその他石油化学品であります。これらの仕入価格は、原油、ナフサ及び天然ゴムの国際市況によって大きく影響を受けます。また、天然ゴムをはじめとし輸入品も多く為替変動の影響も受けます。これらに加えて、米国工場で使用する輸入原材料が米国関税政策の影響を受けることにより、連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間における経済環境は、米国では、景気の拡大が緩やかとなる中、FRB(米連邦準備制度理事
会)が政策金利を据え置くなど金融政策に慎重な姿勢を維持する一方、追加関税措置を要因とした物価上昇や消費
者マインドへの影響が懸念され、企業投資や個人消費に対する先行きの不透明感が高まりました。欧州においては、ECB(欧州中央銀行)による利下げやインフレ圧力の緩和により緩やかな回復基調となりましたが、米国の関税政策動向の影響により、輸出産業を中心に不確実性が高まっています。わが国では、雇用・所得環境の改善の動きが続く中、引き続き景気は緩やかな回復基調にあるものの、米国の関税政策の影響による景気の下振れリスクは依然大きく、物価上昇や金融資本市場の変動等の影響にも一層注意する必要があります。
このような状況のもと、当社グループは2021年を起点とする5ヵ年の中期計画「中計'21」を策定し、その中で掲げた各種経営指標を実現するため、これまで培ってきた得意分野や独自性、研鑽してきた機能別組織機能、変革・強化を図ってきたガバナンスやコンプライアンス体制をベースに置きながら、取り巻く変化に迅速、かつ柔軟に適応する力を当社グループ全体で強化することに取り組みました。
この結果、当中間連結会計期間の売上高は283,410百万円(前年同期比9,908百万円増、3.6%増)、営業利益は48,176百万円(前年同期比606百万円増、1.3%増)、経常利益は43,730百万円(前年同期比16,039百万円減、26.8%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は33,330百万円(前年同期比8,674百万円減、20.7%減)となりました。
セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
① タイヤ事業
北米市場における市販用タイヤについては、市場ではアジア品を中心とした安価なタイヤの流入が継続しており、また関税引き上げによる値上げ前の駆け込み需要がありました。当社は、新商品NITTO TERRA GRAPPLER G3(ニットー テラグラップラー ジースリー)やOPEN COUNTRY R/T PRO(オープンカントリー・アールティープロ)の販売を開始し、人気商品OPEN COUNTRY A/T Ⅲ(オープンカントリー・エーティースリー)など重点商品の需要は堅調でしたが、特定顧客向け商品の販売が鈍化したことにより前年度並みの販売となりました。一方、重点商品の販売が増加したことで商品ミックスが改善し、売上高は前年度を上回りました。
欧州市場における市販用タイヤについては、事業再編に伴うオペレーションの変更により、販売量及び売上高ともに前年度を大きく下回りました。
国内市場における市販用タイヤについては、遅れていた春需要と値上げ前の駆け込み需要により、販売量は前年並みとなりました。一方、OPEN COUNTRY(オープンカントリー)シリーズや昨年発売したPROXES CF3(プロクセス・シーエフスリー)、新商品PROXES LuKⅡ(プロクセス・エルユーケーツー)などを中心に重点商品への販売シフトに加えて値上げ効果もあり、売上高は前年を上回りました。
新車用タイヤについては、自動車メーカーの需要が安定したこともあり、販売量は前年度並みとなりましたが、物価高騰の一部を価格に反映できたため、売上高は前年度を大きく上回りました。
その結果、タイヤ事業の売上高は260,409百万円(前年同期比9,117百万円増、3.6%増)、営業利益は47,084百万円(前年同期比185百万円増、0.4%増)となりました。
② 自動車部品事業
自動車部品事業については、自動車メーカーの需要が安定したこともあり、また物価高騰の一部を価格反映できたため、売上高は23,001百万円(前年同期比791百万円増、3.6%増)と前年度を上回り、売上増に伴い営業利益は1,081百万円(前年同期比421百万円増、63.8%増)となりました。
(2)財政状態の状況
当中間連結会計期間末の総資産は707,041百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,624百万円減少しました。これは、主として、受取手形及び売掛金や有形固定資産が減少したことによります。
また、負債は229,182百万円となり、前連結会計年度末に比べ20,931百万円減少しました。これは、主として、短期借入金や未払金が減少したことによります。なお、有利子負債は94,805百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,644百万円減少しました。
当中間連結会計期間末の純資産は477,859百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,306百万円増加しました。これは、主として、円高の影響により為替換算調整勘定が減少した一方で、親会社株主に帰属する中間純利益の計上により利益剰余金が増加したことによります。
この結果、自己資本比率は67.6%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローは、営業活動による収入が41,335百万円となり、投資活動による支出が9,256百万円となったため、純現金収支(フリーキャッシュ・フロー)は32,079百万円となりました。財務活動においては23,624百万円の支出となりました。以上の結果、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物は、これら収支に為替換算差額の減少額、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額を合わせ92,973百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税の支払や棚卸資産の増加等の減少要因があったものの、税金等調整前中間純利益や減価償却費の計上等の増加要因により、41,335百万円の収入(前年同期比10,415百万円増、33.7%増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入等があったものの、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出等により、9,256百万円の支出(前年同期比3,980百万円減、30.1%減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等により、23,624百万円の支出(前年同期比20,347百万円増、620.9%増)となりました。
(4)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に重要な変更及び新たに定めたものはありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、当中間連結会計期間において、その内容に重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は6,584百万円であります。
当中間連結会計期間における研究開発活動の状況の重要な変更は、次のとおりであります。
〔タイヤ事業〕
国内市販用タイヤについては、グローバル・フラッグシップタイヤブランド「PROXES」シリーズにおいて、軽ハイトワゴン専用プレミアムタイヤ「PROXES LuKⅡ(プロクセス エルユーケーツー)」を2025年3月より発売しました。「PROXES LuKⅡ」は、従来品の静粛性、しっかり感、上質な快適性、摩耗性能を継承しながら、ウェット制動性能が向上、転がり抵抗が低減した軽ハイトワゴン専用プレミアムタイヤです。非対称のトレッドパターンを採用することにより、操縦安定性と静粛性を両立しています。また同じく2025年3月より、商用車カテゴリーブランド「DELVEX」シリーズにおいて、ビジネスバン用タイヤ「DELVEX V-03e(デルベックス ブイゼロスリーイー)」を発売しました。「DELVEX V-03e」はコンパウンド中のシリカを増量するとともにその分散性を高めるスーパーアクティブポリマーを採用することで配合設計を最適化し、転がり抵抗性能とウェット性能を高次元で両立しております。またSUV用タイヤブランド「OPEN COUNTRY」シリーズにおいては、デザインにもこだわり、街乗り用としての静粛性と転がり抵抗性能を兼ね備えたハイウェイテレーンタイヤ「OPEN COUNTRY H/T Ⅱ(オープンカントリー エイチティー ツー)」を、2025年4月より発売しました。「OPEN COUNTRY H/T Ⅱ」のパターン設計では、ノイズを抑えるためにタイヤのショルダー(両肩)部をリブ形状とする「ショルダーリブ化」、ショルダー部とセンター部の間の縦ミゾをストレート形状とする「ショルダーグルーブストレート化」を組み合わせたデザインを採用することで、タイヤラベリング制度における「低車外音タイヤ」に適合する静粛性を実現しております。
トラック・バス用タイヤについては、北米市場で、鉱山やエネルギー関連、建設関連、林業や農業関係などの業態などの業態で使用される、過酷な使用に耐える頑丈さと優れたトラクション性能を備えた好評の「TOYO M655(トーヨーエムロクゴゴ)」に、新たにホイール径22.5インチと24.5インチを装着する中型トラック用のサイズを拡充し、小型トラック向けに17インチと18インチ、中型トラック向けに19.5インチ、22.5インチ、24.5インチのサイズを揃えたM655シリーズでパワーライン化しました。2サイズ(11R22.5、11R24.5)は現在発売中、残り2サイズ(295/75R22.5、285/75R24.5)は2025年後半より発売予定です。
新規技術開発においては、大阪・関西万博の開催、運営に関わる関係者、事務局員が会場内の移動を行なう時間の短縮・効率化に寄与できるモビリティとして活用いただくため、メインテナンスフリーの当社エアレスタイヤ「noair(ノアイア)」を装着した電動カート車両を提供しました。大阪・関西万博の成功に貢献するため、本協賛を通じて、ともに持続可能な未来社会の実現に向けて取り組み、本運営のサポートをしてまいります。
当社は、2025年4月24日付けで連結子会社である通伊欧輪胎張家港有限公司(TOYO TIRE ZHANGJIAGANG CO.,LTD.)の持分86%をLiaoning Hengdasheng Investment CO.,LTD.へ譲渡することを内容とする持分譲渡契約を締結し、2025年7月31日に持分の譲渡を実施しました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。