(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、米国においては内外需要の回復を背景に個人消費が底堅く推移し、欧州においては英国のEU離脱など先行きが不透明な状況のなか、緩やかな景気回復が見られました。中国においては、長期的な減速基調が継続し、アジア地域においては、タイの国王崩御による自粛ムードやインドの高額紙幣廃止などの影響は限定的となりましたが、総じて停滞感のあるなかで推移いたしました。また、日本においては、緩やかな回復基調で推移いたしました。
当社グループの主要な市場である自動車分野におきましては、米国や欧州では前年度に引き続き自動車生産台数が堅調に推移いたしました。中国においても、小型車に対する減税措置の効果が継続し、自動車生産台数が前年度を上回りました。一方、日本においては、軽自動車の販売減少の影響などがあるなかで、自動車生産台数は前年並みとなりましたが、ハイブリッド車などのベルト非装着車種が増加したことにより、ベルト装着車種の生産台数は減少いたしました。産業機械分野におきましては、国内の設備投資に持ち直しの兆しがみられるものの、なお低い水準で推移いたしました。一方、高機能フイルムの主要な市場である国内の建築分野におきましては、住宅・非住宅着工数が、堅調に推移いたしました。
このような状況のなか、当社グループは、中長期経営計画“Breakthroughs for the future”(未来への躍 進)の第1ステージの4年目として、自動車用、二輪車用、農業機械用および産業機械用の伝動ベルトのほか軽搬送用ベルトなどの販売体制を強化し、中国、アセアン地域を中心に顧客開拓を推進いたしました。また、国内初となる自己消炎性を有した難燃耐熱コンベヤベルト「FR7000シリーズ」、産業機械の大型化・高負荷化・コンパクト化の需要に応えるべく、国内初となる高弾性アラミド心線を採用した結合型細幅Vベルト「パワーエース®アラミドコンボ」およびバイオマス発電プラント専用コンベヤベルト「BANDO FR-BIOS™(バイオス)」など、市場最適仕様製品の開発を促進いたしました。新製品の開発につきましては、国立大学法人神戸大学との包括連携に基づく研究を推進したほか、光学用透明粘着剤シート「Free Crystal®(フリークリスタル)」などを開発いたしました。加えて創業110周年記念事業として開催した「バンドーテクノフェア2016」では、開発に取り組んでいるさまざまな製品を披露いたしました。また、経済産業省と東京証券取引所から、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組む姿勢が評価され、「健康経営銘柄2017」に選定されました。
これらの結果、当連結会計年度は、円高の影響もあり、売上高は883億8千7百万円(前年同期比5.2%減)、営業利益は58億9千6百万円(前年同期比1.1%減)、経常利益は65億7千1百万円(前年同期比3.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は49億5千1百万円(前年同期比12.9%増)となりました。
事業(セグメント)別の状況は、次のとおりであります。
[自動車部品事業]
自動車の補機駆動用伝動ベルト(リブエース®など)および補機駆動用伝動システム製品(オートテンショナ、バンドースムースカップラー®など)につきましては、国内においては、積極的な営業活動や新商材の投入により補修市場への販売は前年並みを維持しましたが、ベルト非装着車種の増加や軽自動車の販売不振などを背景に自動車メーカーへの販売が減少し、国内全体では販売が減少いたしました。
一方、海外においては、アセアン地域において積極的な顧客開拓に注力したことにより、スクーター用変速ベルトの販売が増加いたしました。また、タイにおいて自動車生産台数が堅調に推移したことにより、自動車の補機駆動用伝動ベルトおよび補機駆動用伝動システム製品の販売が増加いたしました。これにより海外全体では現地通貨ベースで販売が増加いたしましたが、円高の影響により減収となりました。
これらの結果、当セグメントの売上高は403億2千万円(前年同期比5.9%減)、セグメント利益は徹底した原価低減活動および海外生産拠点の採算改善を推進いたしましたが、円高の影響もあり29億3千7百万円(前年同期比11.6%減)となりました。
[産業資材事業]
一般産業用伝動ベルトにつきましては、中国およびアセアン地域における販売強化により農業機械用伝動ベルトや産業機械用伝動ベルトの販売が増加いたしましたが、国内および米国においては設備投資需要が低調に推移した影響を受け、産業機械用伝動ベルトの販売が減少し、全体では販売が減少いたしました。
運搬ベルトにつきましては、国内、中国およびアセアン地域において積極的な顧客開拓を進めたことにより、樹脂コンベヤベルト(サンライン®ベルト)の販売が伸長いたしましたが、収益重視の受注活動により、コンベヤベルトの販売が減少いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は314億4千6百万円(前年同期比5.0%減)となりましたが、セグメント利益は徹底した原価低減活動と収益性を重視した受注を行ったことなどにより19億9千1百万円(前年同期比3.5%増)となりました。
[高機能エラストマー製品事業]
精密機能部品につきましては、当社主要顧客である国内外のOA機器メーカーの減産の影響により、クリーニングブレード、樹脂部品などの販売が減少いたしました。
一方、機能フイルム製品につきましては、国内において非住宅関連の需要が好調に推移するなか、積極的な営業活動を推進したことにより建築資材用、工業用および医療用フイルムの販売が増加いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は149億1千4百万円(前年同期比4.5%減)、セグメント利益は販売減に加え、販売構成の変化などにより2億9千4百万円(前年同期比61.3%減)となりました。
[その他事業]
その他の事業といたしましては、ロボット関連デバイス事業などを行っており、売上高は25億9百万円(前年同期比4.6%減)、セグメント利益は4億2千7百万円(前年同期比54.9%増)となりました。
上記の各セグメント別売上高およびセグメント利益は、セグメント間取引消去前の金額で記載しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ24億9千9百万円増加し、当連結会計年度末には189億3千5百万円となりました。各連結キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フロー:
当連結会計年度において、営業活動による資金収支は67億9千9百万円の収入超過(前連結会計年度は90億3千8百万円の収入超過)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益65億5千3百万円によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー:
当連結会計年度において、投資活動による資金収支は46億3千8百万円の支出超過(前連結会計年度は41億8千4百万円の支出超過)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出40億4百万円および無形固定資産の取得による支出5億1千4百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー:
当連結会計年度において、財務活動による資金収支は4億2千2百万円の収入超過(前連結会計年度は30億4千9百万円の支出超過)となりました。これは主に、社債の発行による収入59億5千7百万円および社債の償還による支出30億円によるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
自動車部品事業 |
43,223 |
96.9 |
|
産業資材事業 |
21,519 |
119.1 |
|
高機能エラストマー製品事業 |
11,221 |
99.2 |
|
報告セグメント計 |
75,964 |
102.7 |
|
その他 |
1,223 |
123.0 |
|
合計 |
77,187 |
103.0 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
自動車部品事業 |
33,855 |
104.2 |
3,870 |
99.1 |
|
産業資材事業 |
31,992 |
101.5 |
4,457 |
119.1 |
|
高機能エラストマー製品事業 |
14,995 |
98.3 |
1,261 |
106.9 |
|
報告セグメント計 |
80,842 |
102.0 |
9,589 |
108.6 |
|
その他 |
2,448 |
97.6 |
139 |
111.5 |
|
合計 |
83,291 |
101.9 |
9,729 |
108.6 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
自動車部品事業 |
40,232 |
94.1 |
|
産業資材事業 |
31,368 |
95.0 |
|
高機能エラストマー製品事業 |
14,777 |
94.9 |
|
報告セグメント計 |
86,378 |
94.6 |
|
その他 |
2,008 |
104.1 |
|
合計 |
88,387 |
94.8 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績で、総販売実績に対する割合が10%を超えるものはありません。
なお、「生産実績」「受注状況」および「販売実績」は、セグメント間取引消去後の金額を記載しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「調和と誠実の精神をもって、社会のニーズに沿った新たな付加価値とより高い品質を日々創造、提供し、お客様をはじめとする社会の信頼に応え、社業の発展を期するとともに、バンドーグループの従業員たることに誇りを持ち、社会に貢献することを期する」ことを経営理念としております。
この理念のもとに、当社グループは、ゴム・プラスチック製品メーカーのパイオニアとして、お客様のニーズに応えるべく、新技術や新製品を開発し、これらを社会に提供することにより、当社グループの企業価値を高め、お客様をはじめとして、株主、取引先、従業員および社会の期待に応えるとともに、企業倫理を遵守し、環境保全に配慮した事業経営をすすめることにより、企業としての社会的責任を全うしてまいりたいと考えております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、2013年度から2017年度までを中長期経営計画“Breakthroughs for the future”の1st stage(BF-1)として、新たに次のとおり経営目標を設定し、全社一丸となって、この目標の達成を目指してまいります。
売上高(連結) ・・・・・1,000億円
営業利益(連結)・・・・・ 100億円
ROA(連結) ・・・・・ 6.0 %
(3)中長期的な会社の経営戦略
前項の目標を達成するため、当社および連結子会社が一体となってグローバル市場の開拓や当該市場向けの製品開発ならびに収益性改善のための施策等を、以下を重点方針として推進してまいります。
①グローバル市場戦略の進化
アジアを重点地域とし、ベルト事業分野において、アジア市場シェアNo.1を目指してまいります。また、国内市場においては、市場ニーズにマッチした高機能製品を開発するほか、お客様に密着した販売網を構築することにより、お客様にとって付加価値の高い製品を提供するとともに、これらの高機能製品を核として周辺事業領域を拡大してまいります。
②製品の進化
グローバルな視点で、各地域の市場ニーズにマッチした「市場最適仕様」製品の開発を促進するとともに、お客様の「環境負荷低減・高効率・コンパクト化・機能複合化」に貢献する製品を連続的に生み出してまいります。
③ものづくりの進化
お客様からの信頼をさらに強固にするため、不良率を低減するとともに、開発購買の推進や生産性の革新等により、高いコスト競争力を実現するものづくりを目指してまいります。
④新事業の創出
当社のコア技術であるエラストマーや樹脂の配合・分散・複合化技術に磨きをかけるとともに、これらのコア技術に新たな技術を融合させることにより新製品の創出と新市場開拓を進め、次代の新事業の柱として育成してまいります。
⑤経営品質の強化
ポートフォリオマネジメントの強化による成長製品への戦略的投資や連結経営管理の強化に取り組んでまいります。加えて、純有利子負債ゼロを目指すとともに、為替・金利等の財務リスク管理を強化して、財務体質を強化してまいります。また、経営者育成プログラムの推進、グローバル人事管理の強化、スペシャリストの育成、女性や外国人等多様な人材の積極的活用を実施することにより、次世代を担う人材を育成してまいります。
(4)会社の対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、海外の政治・経済情勢を巡る不透明感など先行きに懸念があるものの、中国における過剰生産能力の調整、米国経済の回復および資源国の持ち直しにより、世界経済は拡大基調で推移することが予想されます。国内においては、個人消費は依然力強さに欠け、企業の設備投資にも弾みがつき難い状況であるものの、経済対策に伴う公共投資の増加や海外経済の持ち直しなどにより緩やかな景気回復傾向にあります。このような情勢のもと、当社グループは、中長期経営計画“Breakthroughs for the future”(未来への躍進)の最終年度にあたり、以下の5つの指針のもと、経営目標の達成を目指してまいります。
①グローバル市場戦略の進化
当社グループは、ベルト事業におけるアジア市場シェアNo.1を目指し、中国およびアセアン地域を中心とする海外市場において、自動車用、二輪車用、農業機械用および産業機械用の伝動ベルトのほか軽搬送用ベルトなどを重点分野として位置づけ、さらなる販売拡大に取り組んでおります。また、日本国内では、本年4月に経営を統合した国内販売子会社バンドー・I・C・S 株式会社が地域密着の販売体制を堅持しつつ全国規模の会社として事業拡大を図るとともに、グループとしての販売戦略の一貫性の確保と経営の一層の効率化を通し、グループ収益力の強化を図ります。
②製品の進化
当年度においては、現有製品の高効率化や高機能化を推進し、国内初となる高温搬送用途で使用可能な自己消炎性を有した難燃耐熱コンベヤベルト「FR7000シリーズ」、バイオマス発電プラント専用コンベヤベルト「BANDO FR-BIOS™(バイオス)」などの高付加価値製品を開発いたしました。今後も高効率化や高機能化による高付加価値製品の開発を推進するとともに、各地域のお客様ニーズにマッチした市場最適仕様製品を提供してまいります。
③ものづくりの進化
当年度においては、グローバルコスト競争力を強化するため、加古川工場のコンベヤベルト生産ラインおよび足利工場のウレタンベルト生産ラインの刷新を進めました。今後も各生産拠点の製造原価、物流、スケールメリットなどの状況を踏まえ、世界最適生産体制の構築に取り組み、グローバルコスト競争力の強化を図ってまいります。
④新事業の創出
当年度においては、タッチパネルの需要拡大に伴い、特に車載用途で要求される視認性や、曲面ディスプレイへの追従性、耐衝撃性を備えた光学用透明粘着剤シート「Free Crystal®(フリークリスタル)」を開発いたしました。また、中長期経営計画開始以降、開発した他の新製品につきましても各種展示会に出展するなど上市に向けた活動を推進いたしました。今後も当社のコア技術であるゴムの配合・分散・加工技術やフイルムの加工技術を活かした新製品開発を進め、新事業の創出を目指してまいります。
⑤経営品質の進化
当年度においては、経営基盤の強化として海外拠点のIT基盤の整備を進めました。今後もグループウェアの刷新や海外基幹システムの順次導入など、グローバルでのIT化を実施し、グループ経営の効率化を進めてまいります。
本年2月には、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業として、「健康経営銘柄2017」に初めて選定されました。当社は、従業員の健康保持・増進の支援やメンタルヘルスケア対策、職場環境改善活動を推進することにより、従業員一人ひとりが活き活きと働くことができる環境整備に努めるとともに、高度な専門性とコミュニケーション能力を持ったグローバル人材の育成に注力してまいります。
財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、平成20年4月22日開催の取締役会において、本方針を決議し、その後、毎年、取締役会において、その継続の是非を検討し、本方針の基本的な考え方を維持してまいりました。
本方針は、株主の皆様に適切に判断いただくために、株主の皆様に十分な情報を提供することを目的として、当社株券等の大量買付を行おうとする者に対して、買付目的その他必要な情報の提供を求めるとともに、当社が定める一定の手続きの遵守を求めるものでありますが、コーポレートガバナンス・コードの浸透などの当社を取り巻く環境の変化や、機関投資家をはじめとする株主の皆様のご意見を踏まえ、平成29年3月末日をもって、本方針を廃止いたしました。
本方針の廃止後も、当社は、企業価値、株主価値の最大化を図るとともに、株主の皆様に十分な情報を提供してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)海外取引拡大に伴うリスク
現在、相当程度の外貨建金銭債権について為替予約等のリスクヘッジを行っており、今後とも適切なリスクヘッジ対策を実施してまいりますが、為替変動が業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、海外の生産、販売体制の強化を進めておりますが、各地に係る経済状況等の変化は、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)リコール発生に伴うリスク
当社は、部品メーカーであり、自動車メーカー、OA機器メーカーおよび消費生活用製品メーカー等に当社の製品を納入しております。
また、当社の子会社および関連会社は、主としてこれら製品の製造、加工、販売を行っております。当社グループにおきましては、製品の品質を、現在の事業を維持、発展させるためのもっとも重要なものの1つであると考え、各種の施策、対策を実施し、製品の品質確保に最大限の注力を行っております。しかしながら、これらの製品(部品)を組み込んだ自動車等の不具合の原因が当社グループの供給した製品にある場合、リコール等の処置がなされる場合が考えられます。
このような事態が発生した場合、契約上も、法律上もリコール等の処置にかかわる費用を負担しなければならない場合が考えられます。この場合、業績に影響を与える可能性があります。
(3)原材料の市況変動および調達に伴うリスク
当社グループでは、随時市況価格および需給状況を注視しながら取引業者との納期交渉や価格交渉にあたっておりますが、原油価格の上昇により原材料価格が高騰する可能性があります。需給の安定化のために代替材料の検討を進め、原材料の高騰に対しては製品価格の是正や値上げおよび総原価の低減の取り組みを強化しておりますが、需給の滞りや想定以上に材料、燃料等の値上げが続く場合、業績に影響を与える可能性があります。
(4)地震等天災地変発生に伴うリスク
東海地震あるいは東南海・南海地震の発生の可能性が指摘されております。また、台風や水害が発生する恐れもあります。このような場合、当社の南海工場を含めた各事業所において、生産設備等への損害発生、それに伴う一時的な操業停止という事態が予見されます。国内の4工場が、それぞれ被災したことを想定し、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を策定いたしました。そのなかで、復旧計画の策定や海外生産拠点との相互補完による製品供給体制の確立など、その被害を最小限に止めるための体制の整備に取り組んでおりますが、災害の規模によっては、業績に大きな影響を与える可能性があります。
(1)当社の技術導入契約
|
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
Litens Automotive Partnership |
カナダ |
オートテンショナ |
特許およびノウハウの実施許諾 |
平成2年4月1日から平成32年3月31日まで |
(注) 上記については、ロイヤルティとして純売上高の一定率を支払っております。
(2)当社の技術供与契約
|
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
Sanwu Bando Inc. |
台湾 |
ウレタンベルト |
ノウハウの実施許諾 |
昭和63年1月1日から5年間 その後5か年毎に自動更新 |
|
二輪スクーター用ウェイトローラー |
特許およびノウハウの実施許諾 |
平成4年8月1日から5年間 その後1年毎に自動更新 |
||
|
Philippine Belt Manufacturing Corp. |
フィリピン |
ゴムベルト等 |
特許およびノウハウの実施許諾 |
昭和53年10月1日から5年間 その後5か年毎に更新 |
|
Kee Fatt Industries Sdn. Bhd. |
マレーシア |
ゴムベルト等 |
特許およびノウハウの実施許諾 |
昭和53年12月11日から5年間 その後5か年毎に更新 |
|
PT. Bando Indonesia |
インドネシア |
ゴムベルト等 |
特許およびノウハウの実施許諾 |
昭和63年1月1日から5年間 その後4か年毎に更新 |
(注) 上記については、ロイヤルティとして純売上高の一定率を受け取っております。
なお、上記の他、当社は次の連結子会社との間でベルト、工業用品等に関わる特許、またはノウハウの実施許諾に関わる契約を締結しており、ロイヤルティとして純売上高に対する一定率の支払を受けております。
・Bando USA, Inc.
・Bando Korea Co., Ltd.
・Bando Belt (Tianjin) Co., Ltd.
・Bando Manufacturing (Dongguan) Co., Ltd.
・Bando Siix Limited
・Bando Manufacturing (Thailand) Ltd.
・Bando (India) Private Limited
・Bando Belt Manufacturing (Turkey), Inc.
・Bando Manufacturing (Vietnam) Co., Ltd.
(3)連結子会社間の合併
当社は、平成28年12月26日開催の取締役会において、当社の完全子会社である西日本バンドー株式会社と東日本バンドー株式会社の合併および存続会社の商号変更を行うことを決議し、平成29年4月1日付で合併および存続会社の商号変更を行っております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載しております。
当社グループは、2013年度から2022年度までの中長期経営計画“Breakthroughs for the future”(未来への躍進)の第1ステージの4年目の年度として、10年後のありたい姿を目指し、5つの指針のもと、経営目標の達成に積極的に取り組んでまいりました。指針2の「製品の進化」においては、グローバル各地域の市場ニーズにマッチした「市場最適仕様」製品の開発を促進、お客様の「環境負荷低減・高効率・コンパクト化・機能複合化」に貢献する製品を連続的に生み出し育てていくことを目指しております(Incremental Innovation:持続的イノベーション)。また、指針4の「新事業の創出」においては、重点市場に向けてエラストマー・樹脂の配合・分散・複合化のコア技術に磨きをかけ、これに新技術を融合させて練り上げた「尖った技術」をベースに新製品の創出と新市場開拓を進め、次代の新事業の柱として育成することを目指しております(Radical Innovation:破壊的イノベーション)。なお、新製品のキーワードは「環境・省エネ・高機能」、重点市場はオプトエレクトロニクス・交通/自動車・エネルギー/ロボット、重点分野はパワーエレクトロニクス・印刷エレクトロニクス・福祉・介護、としております。これらの指針に基づき、研究開発は、R&Dセンター・ものづくりセンター・生産技術開発センター(当連結会計年度末人員138名)および伝動技術研究所(同人員66名)を中心に取り組んでおり、当連結会計年度における全体の改良開発を含む開発・研究に42億9千8百万円を投入いたしました。
セグメント別の研究開発活動とその成果は次のとおりです。なお、自動車部品事業および産業資材事業での研究開発活動については、特定のセグメントに関連付けられないため、両事業部を合わせて記載しております。
[自動車部品事業・産業資材事業]
当事業では、伝動技術研究所を中心として、伝動ベルトおよび伝動ベルトシステム製品に関する研究開発に取り組んでおります。
産業資材事業においては、平成28年1月に工作機械のシールブレードの高機能ニーズに対応し、耐クーラント性(耐膨潤性)、耐高速摺動性、耐摩耗性に優れた特殊ポリウレタン製シールブレード「バンドーワイパーエッジ®EX(イーエックス)」を開発いたしました。また、平成28年11月に産業機械の高負荷化・コンパクト化に伴う高強度かつ長寿命ニーズに対応した高強度結合型細幅Vベルト「パワーエース®アラミドコンボ」を開発いたしました。搬送ベルトでは、平成29年2月にベルト表面温度が100℃~180℃となる高温領域で使用可能な「難燃耐熱コンベヤベルトFR7700」、同3月にはバイオマス発電に特化し、耐油性、耐摩耗性、難燃性の3つの機能を併せ持った「バイオマス発電プラント向けBANDO FR-BIOS™(バイオス)」を開発いたしました。
[高機能エラストマー製品事業]
当事業では、電子写真プロセス用のクリーニングブレード、現像ローラなどの高機能樹脂製品や装飾表示用フイルムなどの改良開発、システム製品である「BANDO MDEC®(Micro Dust Electric Cleaner:静電吸着ゴミ除去装置)」の開発を行っております。平成28年6月にタッチパネルディスプレイ製品の各部材の貼り合わせに用いられる光学用透明粘着剤シート「Free Crystal®(フリークリスタル)」を開発いたしました。特に車載用タッチパネルディスプレイにおいては、視認性改善や曲面における貼り合わせ、耐衝撃性への対応などの観点により、光学用透明粘着剤シートの厚膜化が求められており、当社は長年蓄積してきたエラストマー材料技術、成形技術を活用することにより、1,000μm以上の厚膜化に対応いたしました。
[その他事業]
伸縮性ひずみセンサ「C-STRETCH®(シーストレッチ)」の応用開発を進めました。当製品は、当社のコア技術であるゴム・ウレタン材料の配合設計、フイルムの加工技術に導電材料の分散技術を組み合わせすることで生まれました。当製品の柔らかさや伸びの大きさが人の動きと親和性が高いため、ベッドサイドで簡便に利用できる飲み込みをお知らせする機器や体表面から測定できる呼吸状態の計測機器などの介護支援分野への応用、関節の曲げ・捻りの計測から腰への負荷を可視化する健康分野への応用といった人の周りで使われるセンサとして、お役に立てる製品になるものと期待しています。平成28年4月の「第7回 高機能フィルム展(フィルムテック ジャパン)」、同10月の「第43回 国際福祉機器展H.C.R.2016」、平成29年1月の「第3回 ウェアラブルEXPO」に出展し、非常に多くの来場者を集め、好評を得ました。
なお、改良開発を中心とした開発・研究として、自動車部品事業・産業資材事業に25億3千8百万円、高機能エラストマー製品事業に6億3千5百万円を投資した他、新規新製品の「研究開発費」として11億2千3百万円を投入しております。
(1)財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、流動資産が52億8千万円増加し、固定資産が6億4千9百万円増加した結果、前連結会計年度末に比べ59億3千万円増加し、966億9千5百万円となりました。
負債は、流動負債が2億7百万円減少した一方、固定負債が26億1百万円増加した結果、前連結会計年度末に比べ23億9千3百万円増加し、379億5千4百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益等の計上により利益剰余金が38億3千2百万円増加した一方、自己株式が10億9千9百万円増加した結果、前連結会計年度末に比べ35億3千6百万円増加し、587億4千1百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の60.4%から60.5%に上昇しました。
(2)経営成績の分析
①売上高
売上高は883億8千7百万円となり、前連結会計年度に比べ5.2%の減少となりました。これは、円高による為替影響などによるものであります。なお、セグメント別の状況は、「1 業績等の概要」に記載のとおりであります。
②営業利益
営業利益は58億9千6百万円となり、前連結会計年度に比べ1.1%の減少となりました。これは、円高による為替影響などによるものであります。なお、セグメント別の状況は、「1 業績等の概要」に記載のとおりであります。
③経常利益
経常利益は65億7千1百万円となり、前連結会計年度に比べ3.3%の増加となりました。これは、固定資産除却損の減少および為替差損の改善などによるものであります。
④親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は49億5千1百万円となり、前連結会計年度に比べ12.9%の増加となりました。これは、経常利益の増益に加え、特別損失計上額が減少したことなどによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ24億9千9百万円増加し、当連結会計年度末には189億3千5百万円となりました。なお、各連結キャッシュ・フローの状況は、「1 業績等の概要」に記載のとおりであります。