第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

    文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

   (1)会社の経営の基本方針

    当社グループは、「調和と誠実の精神をもって、社会のニーズに沿った新たな付加価値とより高い品質を日々創造、提供し、お客様をはじめとする社会の信頼に応え、社業の発展を期するとともに、バンドーグループの従業員たることに誇りを持ち、社会に貢献することを期する」ことを経営理念としております。
 この理念のもとに、当社グループは、ゴム・プラスチック製品メーカーのパイオニアとして、お客様のニーズに応えるべく、新技術や新製品を開発し、これらを社会に提供することにより、当社グループの企業価値を高め、お客様をはじめとして、株主、取引先、従業員および社会の期待に応えるとともに、企業倫理を遵守し、環境保全に配慮した事業経営をすすめることにより、企業としての社会的責任を全うしてまいりたいと考えております。

 

   (2)目標とする経営指標(2022年度)

    当社グループは、2018年度から2022年度までを中長期経営計画“Breakthroughs for the future”(未来への躍進)の第2ステージ(BF-2)と位置づけ、次のとおり経営目標を設定し、全社一丸となって、この目標の達成を目指してまいります。

 

  売上収益(連結)……………120,000百万円

  コア営業利益(連結)………12,000百万円

  ROE(連結) …………………12.0%

  新事業・新製品比率…………30%以上(うち新事業10%以上)

  ※コア営業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。

 

   (3)経営環境および会社の対処すべき課題(BF-2の基本戦略)

    今後の見通しにつきましては、全世界的な新型コロナウイルスの感染拡大の影響や、前年度から継続している米中貿易摩擦などの影響により、世界経済は厳しい状況が続くと予想されます。

    当社グループの主要な市場である自動車分野におきましては、各国の自動車生産台数が総じて前年度を下回る状況で推移しており、感染の収束時期によっては、さらに厳しい状況も想定されます。産業機械分野におきましても、設備投資需要の動向は不透明であり、楽観視できる状況にはありません。

    このような情勢のもと、当社製品は多様な市場の産業基盤を支えているとの使命感を持ち、従業員の健康を守り、生産体制の維持に努めるとともに、事態の収束後の積極的な事業展開への準備を進めつつ、中長期経営計画“Breakthroughs for the future”(未来への躍進)の4つの指針のもと、経営目標の達成を目指してまいります。

 

    指針1.新事業の創出

       医療機器・ヘルスケア機器事業と電子資材事業を中心として新事業の創出に優先的に経営資源を配分し、事業ポートフォリオの転換を図ってまいります。

       具体的には、医療機器・ヘルスケア機器事業においては、子会社化した株式会社Aimedic MMTの医療機器事業基盤、医療機器販売力を活用して、伸縮性ひずみセンサ「C-STRETCH®(シーストレッチ)」の製品化・事業化を加速させるとともに、当社グループの有する基盤技術とのシナジーを発揮し、新製品の事業化を進めてまいります。また、電子資材事業においては、引き続き、精密研磨材「TOPX®(トップエックス)」、光学用透明粘着剤シート「Free Crystal®(フリークリスタル)」、高熱伝導放熱シート「HEATEX®(ヒートエクス)」、低温焼成型金属ナノ粒子製品「FlowMetal®(フローメタル)」などの事業化に取り組んでまいります。

 

    指針2.コア事業の拡大

       高付加価値製品を提供し、お客様の利便性向上を図るとともに、重点市場におけるリーディングカンパニーに対する販売拡大に注力することにより、市場地位トップを目指してまいります。

       自動車部品事業においては、引き続き、海外拠点を中心として補修品市場の販売拡大に注力するほか、補機駆動用ベルトに続く収益の柱を構築してまいります。また、産業資材事業においては、新たに開発した非付着性に優れた軽搬送用ベルト「ミスターNスティック™」や運搬物の付着・堆積対策に最適な超非付着性コンベヤベルト「イージーリリース®Neo」の販売を拡大するほか、大型農業機械向け変速ベルトの未開拓市場の攻略を積極的に進めてまいります。今後につきましても、市場別のお客様ニーズを捉えた高付加価値製品を連続して開発するほか、海外拠点にもECサイトを拡充するなど、お客様に役立つ独自の価値を創出し続け販売を拡大してまいります。

 

    指針3.ものづくりの深化と進化

       コア事業をグローバルに成長させるとともに収益力を向上させるため、革新製法の開発やグローバル全体最適を目指した製造原価の低減など、ものづくりの技術と体制を進化させてまいります。

       当連結会計年度は、連結売上原価率70%以下の定着を図るため、自動車用ベルトや一般産業用伝動ベルトなどの主要製品の既存製造ラインについて、生産性・採算を重視したありたい姿の目標を設定し、革新製法の開発や自働化ラインの構築などの原価低減を推進してまいりました。また、需要地生産を基本とした世界最適生産体制の構築も推進してまいりました。今後につきましても、工場のIoT化による工数軽減、AIの活用などの新しい技術を取り入れながら、引き続き、品質の向上とコスト競争力の強化を推進してまいります。

 

    指針4.個人と組織の働き方改革

       働く環境と制度の整備、人材の育成と意識改革を通じて、自律的で創造的な働き方を推進してまいります。

       当連結会計年度は、働き方改革部を通じて、全社の現行業務の分析や業務改善提案の募集などを実施いたしました。その結果をもとに、作業効率の向上が期待できる業務についてRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入するなど、全社における業務のスリム化と改善を図り、総労働時間の削減を進めました。

       また、2019年10月には、従業員の子育て支援を積極的に推進している子育てサポート企業として「くるみん認定」を取得いたしました。今後につきましても、業務の効率化と働き方改革を推進し、従業員一人ひとりの心身の健康がグループ発展の基盤となり生産性の向上に寄与するという考えのもと、引き続き、職場環境の改善や、従業員の健康増進に取り組み、従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できる組織を目指してまいります。

 

2【事業等のリスク】

    有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、次のようなものがあります。

    なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

   (1)海外取引拡大に伴うリスク

     現在、相当程度の外貨建金銭債権について為替予約等のリスクヘッジを行っており、今後とも適切なリスクヘッジ対策を実施してまいりますが、為替変動が業績に影響を与える可能性があります。

     また、当社グループは、海外の生産、販売体制の強化を進めておりますが、各地に係る経済状況等の変化は、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

   (2)リコール発生に伴うリスク

     当社は、部品メーカーであり、自動車メーカー、OA機器メーカーおよび消費生活用製品メーカー等に当社の製品を納入しております。

     また、当社の子会社および持分法適用会社は、主としてこれら製品の製造、加工、販売を行っております。当社グループにおきましては、製品の品質を、現在の事業を維持、発展させるためのもっとも重要なものの1つであると考え、各種の施策、対策を実施し、製品の品質確保に最大限の注力を行っております。しかしながら、これらの製品(部品)を組み込んだ自動車等の不具合の原因が当社グループの供給した製品にある場合、リコール等の処置がなされる場合が考えられます。

     このような事態が発生した場合、契約上も、法律上もリコール等の処置にかかわる費用を負担しなければならない場合が考えられます。この場合、業績に影響を与える可能性があります。

 

   (3)原材料の市況変動および調達に伴うリスク

     当社グループでは、随時市況価格および需給状況を注視しながら取引業者との納期交渉や価格交渉にあたっておりますが、原油価格の上昇により原材料価格が上昇する可能性があります。需給の安定化のために代替材料の検討を進め、原材料の上昇に対しては製品価格の是正や値上げおよび総原価の低減の取り組みを強化しておりますが、需給の滞りや想定以上に材料、燃料等の値上げが続く場合、業績に影響を与える可能性があります。

 

   (4)自然災害や感染症等の発生に伴うリスク

     東海地震、東南海・南海地震や台風等の自然災害の発生または感染症等の拡大により、事業活動が大きく影響を受ける可能性があります。当社グループは、生産拠点間の相互補完による製品供給体制の確立をはじめとして、事業の継続や早期復旧を図るために必要な対策・手順について計画を立て、影響を最小限に止めるための体制の整備に取り組んでおります。しかしながら、自然災害や感染症等のすべてのリスクを回避することは困難で、当社グループの想定を超える規模での発生も考えられます。このような場合、事業活動が縮小されるなど、業績に影響を与える可能性があります。

 

   (5)保有資産の価値変動に伴うリスク

     当社グループは、様々な有形固定資産や無形資産を保有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待通りのキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合があり、減損処理した場合、業績に大きな影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1)経営成績等の状況の概要

    当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

  ①経営成績の状況

 

 

2019年3月期

(百万円)

2020年3月期

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

売上収益

94,318

90,247

△4,070

△4.3

 

自動車部品事業

41,650

38,953

△2,697

△6.5

 

産業資材事業

35,424

32,765

△2,659

△7.5

 

高機能エラストマー製品事業

14,627

13,685

△941

△6.4

 

その他

3,880

5,575

1,694

43.7

 

調整額

△1,264

△731

532

コア営業利益(セグメント利益)

6,503

5,252

△1,250

△19.2

 

自動車部品事業

3,182

2,129

△1,052

△33.1

 

産業資材事業

2,141

2,195

53

2.5

 

高機能エラストマー製品事業

617

333

△283

△45.9

 

その他

530

595

64

12.2

 

調整額

31

△1

△33

営業利益

6,815

2,056

△4,758

△69.8

親会社の所有者に帰属する当期利益

5,457

682

△4,774

△87.5

 (注)コア営業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。

 

   当連結会計年度における世界経済は、昨年までは米国においては良好な雇用・所得環境が景気を下支えする一方、欧州では景気の回復が足踏みし、中国およびアジア地域では外需が低迷するなど景気が減速基調で推移しておりましたが、今年に入り新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、世界全体の経済環境は大幅に悪化いたしました。日本においても、世界景気が全般的に勢いを欠くなか、個人消費の下振れなど景気への影響が出ております。

   当社グループの主要な市場である自動車分野におきましては、米中貿易摩擦の長期化による景気の先行き不透明感や減速基調に加え、新型コロナウイルスの感染拡大が需給両面に影響を与えはじめ、各国の自動車生産台数が総じて前年度を下回る状況で推移いたしました。

   このような状況のなか、当社グループは、中長期経営計画“Breakthroughs for the future”(未来への躍進)の第2ステージの2年目として、「新事業の創出」、「コア事業の拡大」、「ものづくりの深化と進化」、「個人と組織の働き方改革」の4つの指針を掲げ、グローバルで「際立つ」サプライヤーを目指して活動してまいりました。「新事業の創出」では、医療分野で特徴のある製品を展開している株式会社Aimedic MMTを子会社化し、同社事業基盤の活用により製品開発を加速する態勢といたしました。「コア事業の拡大」では、新製品として、粘着力の高い搬送物に対する非付着性を向上した軽搬送用ベルト「ミスターNスティック™」や運搬物の付着・堆積対策に最適な超非付着性コンベヤベルト「イージーリリース® Neo」の販売を開始したほか、重点市場を定め顧客開拓を推進いたしました。また、収益力向上のため、革新製法の開発や自働化ラインの構築など、「ものづくりの深化と進化」に取り組んでまいりました。

 

   これらの結果、当連結会計年度は、売上収益は90,247百万円(前年同期比4.3%減)、コア営業利益は5,252百万円(前年同期比19.2%減)、連結子会社に係る減損損失を計上したことにより、営業利益は2,056百万円(前年同期比69.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は682百万円(前年同期比87.5%減)となりました。

 

 

   <<セグメント別の状況>>

    事業(セグメント)別の状況は、次のとおりであります。

 

  [自動車部品事業]

    国内においては、積極的な営業活動により補修品市場向け新商材が伸長したものの、自動車メーカー向け補機駆動用伝動ベルト(リブエース®など)および補機駆動用伝動システム製品(オートテンショナなど)の販売が減少いたしました。

    海外においては、中国において積極的な顧客開拓に注力したことにより、自動車用補修品などの販売は伸長いたしましたが、主要顧客の自動車生産台数の減少により販売が減少いたしました。また、米国およびアジア地域においても販売が減少いたしました。

 

    これらの結果、当セグメントの売上収益は38,953百万円(前年同期比6.5%減)、セグメント利益は2,129百万円(前年同期比33.1%減)となりました。

 

  [産業資材事業]

    一般産業用伝動ベルトにつきましては、国内においては、機械受注の減速基調により、産業機械用伝動ベルトの販売が減少いたしました。海外においては、米国において産業機械用伝動ベルトの販売が減少し、中国およびアセアン地域において主要顧客の減産などの影響により農業機械用伝動ベルトの販売が減少いたしました。

    運搬ベルトにつきましては、国内において鉄鋼向けコンベヤベルトや物流機器向け樹脂コンベヤベルト(サンライン®ベルト)などの販売が増加いたしました。

 

    これらの結果、当セグメントの売上収益は32,765百万円(前年同期比7.5%減)、セグメント利益は2,195百万円(前年同期比2.5%増)となりました。

 

  [高機能エラストマー製品事業]

    機能フイルム製品につきましては、医療用および建築資材用フイルムの販売は増加いたしましたが、工業資材用フイルムおよび装飾表示製品の販売が減少いたしました。

    精密機能部品につきましては、精密ベルトの販売が減少いたしました。

 

    これらの結果、当セグメントの売上収益は13,685百万円(前年同期比6.4%減)、セグメント利益は333百万円(前年同期比45.9%減)となりました。

 

  [その他事業]

    その他の事業といたしましては、ロボット関連デバイス事業、電子資材事業および医療機器事業を行っており、売上収益は5,575百万円(前年同期比43.7%増)、セグメント利益は595百万円(前年同期比12.2%増)となりました。

 

   上記の各セグメント別売上収益およびセグメント利益は、セグメント間取引消去前の金額で記載しております。

 

  ②当期の財政状態の概況

    当連結会計年度末における総資産は、流動資産が4,741百万円減少し、非流動資産が12,482百万円増加した結果、前連結会計年度末に比べ7,740百万円増加し、110,297百万円となりました。

 負債は、流動負債が1,596百万円増加し、非流動負債が10,366百万円増加した結果、前連結会計年度末に比べ11,963百万円増加し、46,387百万円となりました。

 資本は、利益剰余金が846百万円減少し、その他の資本構成要素が3,014百万円減少した結果、前連結会計年度末に比べ4,222百万円減少し、63,909百万円となりました。

 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の66.2%から57.7%となりました。

 

  ③当期のキャッシュ・フローの概況

    当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,036百万円減少し、当連結会計年度末には14,493百万円となりました。各連結キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

   (営業活動によるキャッシュ・フロー)

     当連結会計年度において、営業活動による資金収支は8,847百万円の収入超過(前連結会計年度は6,602百万円の収入超過)となりました。これは主に、営業債務及びその他の債務の減少額2,417百万円の支出要因があったものの、税引前当期利益2,095百万円と減価償却費及び償却費5,995百万円、減損損失3,274百万円の収入要因があったことによるものであります。

   (投資活動によるキャッシュ・フロー)

     当連結会計年度において、投資活動による資金収支は14,122百万円の支出超過(前連結会計年度は4,575百万円の支出超過)となりました。これは主に、子会社株式の取得による支出9,291百万円によるものであります。

   (財務活動によるキャッシュ・フロー)

     当連結会計年度において、財務活動による資金収支は2,726百万円の収入超過(前連結会計年度は3,133百万円の支出超過)となりました。これは主に、長期借入れによる収入10,500百万円および長期借入金の返済による支出7,270百万円によるものであります。

 

  ④生産、受注および販売の実績

   a.生産実績

     当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

自動車部品事業

37,235

91.2

産業資材事業

23,550

90.4

高機能エラストマー製品事業

11,794

86.2

報告セグメント計

72,580

90.1

その他

2,310

105.8

合計

74,891

90.5

 (注)1.金額は、販売価格によっております。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

   b.受注実績

     当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

自動車部品事業

38,945

94.9

1,642

102.7

産業資材事業

31,899

91.6

5,186

86.5

高機能エラストマー製品事業

13,707

97.1

1,279

103.9

報告セグメント計

84,552

93.5

8,108

91.9

その他

4,950

180.1

77

78.0

合計

89,502

96.5

8,186

91.7

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

   c.販売実績

     当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

自動車部品事業

38,902

93.5

産業資材事業

32,707

92.6

高機能エラストマー製品事業

13,664

93.5

報告セグメント計

85,275

93.2

その他

4,972

179.3

合計

90,247

95.7

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

    2.主な相手先別の販売実績で、総販売実績に対する割合が10%を超えるものはありません。

 

  なお、「生産実績」「受注実績」および「販売実績」は、セグメント間取引消去後の金額を記載しております。

 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

    経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

  ①重要な会計方針および見積り

   当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、過去の実績および決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。

   なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等
(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。

 

  ②当連結会計年度の経営成績等の状況

   当社グループの当連結会計年度の経営成績は、次のとおりであります。

   なお、セグメントごとの経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

   a.売上収益

     売上収益は90,247百万円となり、前連結会計年度に比べて4.3%減となりました。世界的な景気減速などの影響を受け、海外を中心に減収となったことによるものであります。

   b.コア営業利益

     コア営業利益は5,252百万円となり、前連結会計年度に比べて19.2%減となりました。これは減収およびセールスミックスの変動により売上原価率が悪化したことなどによるものであります。

   c.営業利益

     営業利益は2,056百万円となり、前連結会計年度に比べて69.8%減となりました。コア営業利益の悪化に加え、のれんの減損損失の計上などによるものであります。

   d.親会社の所有者に帰属する当期利益

     親会社の所有者に帰属する当期利益は682百万円となり、前連結会計年度に比べて87.5%減となりました。これは営業利益の悪化などによるものであります。

 

  ③経営成績に重要な影響を与える要因

   当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

  ④キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

   当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③当期のキャッシュ・フローの概況」に記載のとおりであります。

 

  ⑤資本の財源および資金の流動性

   当連結会計年度末においては、現金及び現金同等物は14,493百万円(前年度比17.3%減)、有利子負債(社債及び借入金)は21,474百万円(前年度比106.4%増)となりました。当連結会計年度における現金及び現金同等物の減少および有利子負債の増加は、主に株式会社Aimedic MMTの全株式の取得および同社の既存借入金の借り換えに充当する資金を自己資金および新規の借入金調達により充当したことによるものです。当社グループは、引き続き十分な流動性を確保しております。

 

  ⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等

   当連結会計年度は、中長期経営計画“Breakthroughs for the future”(未来への躍進)の第2ステージ(BF-2)の2年目であり、その達成・進捗状況は、次のとおりであります。

指標

当連結会計年度(実績)

2022年度(目標)

目標との乖離

売上収益

90,247百万円

120,000百万円

29,752百万円減

(24.8%減)

コア営業利益

5,252百万円

12,000百万円

6,747百万円減

(56.2%減)

ROE

1.0%

12.0%

11.0ポイント減

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)当社の技術導入契約

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

Litens Automotive

Partnership

カナダ

オートテンショナ

特許およびノウハウの実施許諾

1990年4月1日から2025年3月31日まで

 (注)上記については、ロイヤルティとして純売上収益の一定率を支払っております。

 

(2)当社の技術供与契約

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

Sanwu Bando Inc.

台湾

伝動ベルト製品など

特許およびノウハウの実施許諾

2017年4月1日から3年間 その後3か年毎に更新

Philippine Belt

Manufacturing Corp.

フィリピン

伝動ベルト製品など

特許およびノウハウの実施許諾

1978年10月1日から5年間 その後5か年毎に更新

Kee Fatt Industries

Sdn. Bhd.

マレーシア

伝動ベルト製品など

特許およびノウハウの実施許諾

1978年12月11日から5年間 その後5か年毎に更新

P.T. Bando Indonesia

インドネシア

伝動ベルト製品・運搬ベルトなど

特許およびノウハウの実施許諾

1988年1月1日から5年間 その後4か年毎に更新

 (注)上記については、ロイヤルティとして売上収益の一定率を受け取っております。

 なお、上記の他、当社は次の連結子会社との間でベルト、工業用品等に関わる特許、またはノウハウの実施許諾に関わる契約を締結しており、ロイヤルティとして売上収益に対する一定率の支払を受けております。

・Bando USA, Inc.

・Bando Korea Co., Ltd.

・Bando Belt (Tianjin) Co., Ltd.

・Bando Manufacturing (Dongguan) Co., Ltd.

Bando Siix Ltd.

・Bando Manufacturing (Vietnam) Co., Ltd.

・Bando Manufacturing (Thailand) Ltd.

Bando (India) Pvt. Ltd.

・Bando Belt Manufacturing (Turkey), Inc.

 

(3)買収による契約

 当社は、2019年4月5日付で株式会社Aimedic MMTの全株式を取得する株式売買契約を締結し、2019年5月8日付 で全株式を取得し、子会社化しております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 8.企業結合」に記載のとおりであります。

5【研究開発活動】

   2019年度の当社グループは、2013年度から2022年度までの中長期経営計画“Breakthroughs for the future”(未来への躍進)の第2ステージの2年目として、4つの指針のもと、経営目標の達成に積極的に取り組んでまいりました。

   指針1の「新事業の創出」においては、重点市場に向けてエラストマー・樹脂の配合・分散・複合化のコア技術に磨きをかけ、これに新技術を融合させて練り上げた「尖った技術」をベースに新製品の創出と新市場開拓を進め、次代の新事業の柱として育成を加速することを目指しております。なお、優先的に経営資源を配分する領域は医療機器・ヘルスケア機器事業、電子資材事業およびその他の新規事業分野としております。

   また、指針2の「コア事業の拡大」においては、グローバル各地域の市場ニーズにマッチした「市場最適仕様」製品の開発を促進、お客様の「環境負荷低減・高効率・コンパクト化・機能複合化」に貢献する製品を連続的に生み出し育てていくことを目指しております。これらの指針に基づき、研究開発は、新事業推進センター、ものづくりセンター、基盤技術研究所および伝動技術研究所(当連結会計年度末人員220名)を中心に取り組んでおり、当連結会計年度における全体の改良開発を含む開発・研究に4,421百万円(無形資産に計上された開発費103百万円を含む)を投入いたしました。

   セグメント別の研究開発活動とその成果は次のとおりであります。なお、自動車部品事業および産業資材事業での研究開発活動については、特定のセグメントに関連付けられないため、両事業部を合わせて記載しております。

 

  [自動車部品事業・産業資材事業]

    当事業では、基盤技術研究所・伝動技術研究所を中心として、伝動ベルトおよび伝動ベルトシステム製品、搬送ベルトおよび搬送周辺製品や農業・工業用ゴム製品、補修市場におけるサービタイゼーションの創出に関する研究開発に取り組んでおります。自動車部品事業においては、主力の補機駆動用ベルトにおいて革新製法を用いた新製品開発を推進しております。また、電動パワーステアリング(EPS)向けベルトなど、電動化市場への参入・拡販を狙った製品開発を進めております。産業資材事業においては、軽搬送用ベルト「サンライン®ベルト」の新たなラインナップとして、2020年3月に粘着力の高い搬送物(特に米飯)に対する非付着性を向上したベルト「ミスターNスティック™」の販売を開始いたしました。コンベヤベルトでは、運搬物の付着・堆積対策に最適な超非付着性コンベヤベルト「イージーリリース® Neo」を開発いたしました。

 

  [高機能エラストマー製品事業]

    当事業では、電子写真プロセス用のクリーニングブレード、現像ローラなどの高機能樹脂製品や装飾表示用フイルムなどの改良開発を行っております。新製品としては、クリーンルーム(準クリーンルームを含む)等で問題となっている落下塵の除去や可視化を実現したシステム製品である「BANDO MDEC®(Micro Dust Electric Cleaner:静電吸着ゴミ除去装置)」、異物検査ツール「BANDO DEC-20™」およびタッチパネルディスプレイ製品の各部材の貼り合わせに用いられる超厚膜光学用透明粘着剤「Free Crystal®」の開発を進めました。

 

  [その他事業]

    医療機器・ヘルスケア機器事業では、伸縮性ひずみセンサ「C-STRETCH®(シーストレッチ)」の応用開発を進めました。当製品は、当社のコア技術であるゴム・ウレタン材料の配合設計、フイルムの加工技術に導電材料の分散技術を組み合わせすることで生まれました。当製品の柔らかさや伸びの大きさが人の動きと親和性が高く、医療機器・ヘルスケア機器用センサとして適用できます。呼吸や嚥下に関する領域で影響力を持つ医師(Key Opinion Leader :KOL)のいる大学と共同開発契約を結び、開発に取り組んでおります。また、整形外科向け医療機器において高いブランド力と販売力を有する株式会社Aimedic MMTを子会社化し、医療事業体制を一挙に獲得するとともに、今後、医療機器としての「C-STRETCH®」の製品化を加速してまいります。

    電子資材事業では、精密研磨材「TOPX®」は、量産中のディスプレイ(ガラス基板)分野のシェア拡大を進めるとともに、ストレージ分野など新たな需要の開拓に積極的に取り組みました。既存熱伝導性フィラーを垂直配向した高い熱伝導率を有する放熱シート「HEATEX®(ヒートエクス)」は、発熱部品(CPU、LEDバックライト、パワーチップ)から発生する熱を効率的に冷却部材(ヒートシンク等)へ伝達するためのインターフェイスとして多くのお客様と評価を進めてまいりました。当製品は、2019年7月の「第2回 5G/IoT通信展」、2019年11月の「IDTechEx Show! 2019」、2020年1月の「ネプコンジャパン2020/第21回電子部品・材料EXPO」に出展し、非常に多くの来場者を集め、好評を得ております。

 

    なお、改良開発を中心とした開発・研究として、自動車部品事業・産業資材事業に2,083百万円、高機能エラストマー製品事業に803百万円、その他事業に226百万円を投資した他、新規新製品の研究開発として1,307百万円(無形資産に計上された開発費103百万円を含む)を投入しております。