文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「調和と誠実の精神をもって、社会のニーズに沿った新たな付加価値とより高い品質を日々創造、提供し、お客様をはじめとする社会の信頼に応え、社業の発展を期するとともに、バンドーグループの従業員たることに誇りを持ち、社会に貢献することを期する」ことを経営理念としております。
この理念のもとに、当社グループは、ゴム・プラスチック製品メーカーのパイオニアとして、お客様のニーズに応えるべく、新技術や新製品を開発し、これらを社会に提供することにより、当社グループの企業価値を高め、お客様をはじめとして、株主、取引先、従業員および社会の期待に応えるとともに、企業倫理を遵守し、環境保全に配慮した事業経営をすすめることにより、企業としての社会的責任を全うしてまいりたいと考えております。
(2)目標とする経営指標(2023年度)
当社グループは、2023年度から2026年度までを中長期経営計画“Creating New Value for the Future“の第1ステージ(CV-1)と位置づけ、次のとおり経営目標を設定し、全社一丸となって、この目標の達成を目指してまいります。
売上収益(連結)……………120,000百万円
コア営業利益(連結)………12,000百万円
ROE(連結) …………………12.0%
※コア営業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
(3)経営環境および会社の優先的に対処すべき課題(CV-1の基本戦略)
今後の見通しにつきましては、足もとは新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に緩和され、景気の回復が期待されるものの、原材料価格やエネルギー価格の高騰の影響が依然残るなか、欧米を中心とした各国の政策金利の引き上げが続くことにより、景気回復は力強さを欠く展開も見込まれます。これらに加えて、ウクライナ情勢など地政学的リスクも孕んでおり、世界経済にとって不確実性の高い状況が継続することが予想されます。
当社グループの主要な市場である自動車分野におきましては、半導体の供給不足が緩和され、自動車生産台数が前年度を上回る状況で推移していますが、問題は完全には解決しておらず、回復の動きに水を差す展開も懸念されます。産業機械分野におきましても、外需の減少による景気の下振れも見込まれ、同様に楽観視できる状況にありません。
2022年度は中長期経営計画“Breakthroughs for the future”(未来への躍進)の第2ステージの最終年度でありましたが、掲げた定量目標はいずれも未達に終わりました。売上収益は初めて1,000億円を超えましたが、コア営業利益は横ばいで推移し、収益力に課題を残しました。コロナ禍による活動停滞、原材料価格やエネルギー価格の高騰などの外部要因も影響いたしましたが、拡販計画や生産性改善に遅れが生じたことも大きな要因と捉えております。一方で、重点地域・業種への営業活動や新たな領域での事業化は着実に進んでおり、両輪経営にて事業ポートフォリオを変革していく方向性に間違いはないと認識しております。今後はこれらの自社の課題をふまえ、優先順位の高い施策が遅れることのないよう、設備投資、人的資本投資などのリソース再配分や外部との共創を機動的に行ってまいります。
このような認識のもと、今般、当社グループは、自らの存在価値や目指す方向性を再確認したうえ、新たな長期ビジョン「ビジョン2050」(人と社会を支え、今と未来をつなぐBEST PARTNER)を定めるとともに、その実現に向けて、中長期経営計画“Creating New Value for the Future”を策定いたしました。
この中長期経営計画の第1ステージ(CV-1)におきましては、以下の3つの指針のもと、経営目標の達成を目指してまいります。また、持続可能な社会の実現に貢献するべく、さまざまな活動に今後とも積極的に取り組んでまいります。
指針1.価値創造
既存事業と新規事業の拡大をグローバルで推進し、グループ内外との連携にスピード感をもって取り組み、持続的成長につながる事業ポートフォリオを目指してまいります。
具体的には、新規事業においては、前中期経営計画で注力してきた電子資材事業、医療機器・ヘルスケア機器事業を新たなコア事業とすべく取り組んでまいります。このうち、電子資材事業においては、引き続き、精密研磨材「TOPX®(トップエックス)」、光学用透明粘着剤シート「FreeCrystal®(フリークリスタル)」、高熱伝導シート「HEATEX®(ヒートエクス)」、低温焼成型金属ナノ粒子製品「FlowMetal®(フローメタル)」などの事業拡大に取り組んでまいります。医療機器・ヘルスケア機器事業においては、呼吸器領域初の医療機器「ResMo®(レスモ)」や嚥下運動モニタ「B4S™(ビーフォーエス)」など、伸縮性ひずみセンサ「C-STRETCH®(シーストレッチ)」を活用した製品の拡販を図るとともに、当社グループの有する基盤技術と産学連携の成果である吸収性骨再生用材料「e=Bone®(イーボーン)」の事業化を図ってまいります。
また、既存事業においては、成長領域での深化、キャッシュ創出の最大化を図ってまいります。自動車部品事業においては、ラック式EPSベルトなどの電動化対応製品の拡充やグローバルアフターマーケットへの拡販、パーソナルモビリティ市場への事業拡大を図ってまいります。産業資材事業においては、顧客ニーズに沿った新製品の投入により、農機用ベルト、軽搬送用ベルトおよびシンクロベルトの重点市場での拡販や成長市場への参入とシェア拡大を図ってまいります。高機能エラストマー製品事業においては、ウレタンベルトの成長市場への拡販とともに、環境対応や意匠性などに優れるフイルム製品の拡販により、事業の拡大を図ってまいります。
指針2.スマートものづくり創造
今後は少子高齢化による労働力人口の減少をはじめとする様々な環境変化が見込まれます。それらを踏まえ、これまで築き上げてきた現場力と最新のデジタル技術を組み合わせることにより、ものづくりの技術と体制を進化させ、収益力の向上を進めてまいります。
具体的には、連結売上原価率70%未満の定着を図るため、主要製品の製造ラインについて、生産性・採算を重視した改善活動を通じて、高い品質と併せて稼ぐ力の創出を図ってまいります。
また、最新デジタル技術を活用した工程開発とそれを支える人的資本への投資により、スマート製法の開発を推進し、従業員が安心して働ける環境づくりと地球に優しいものづくりに取り組んでまいります。
指針3.未来に向けた組織能力の進化
当社グループを取り巻く環境がグローバルで劇的に変化していくなか、事業ポートフォリオの継続的な転換を含め、環境変化にしなやかに対応していく必要があることから、組織能力を進化させてまいります。
具体的には、戦略課題について事業や国・地域の垣根を越えた組織力で解決する風土の醸成や体制の確立を図ってまいります。
また、従業員にとって働きがいのある魅力的な組織を目指すため、エンゲージメントの状況を把握し、内在する問題に対応しながら、その改善に取り組んでまいります。さらに、脱炭素社会に貢献する製品や省エネを実現する製品の開発、環境に配慮した新製法への転換などを強力に推進する組織に進化させてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)気候変動
気候変動は、自然環境や生態系のみならず、経済・社会にも甚大な影響を与える世界的な課題です。当社グループは、気候変動への対応を重要課題の1つとして認識し、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の情報開示の枠組みを活用し、リスクと機会の抽出、評価を行い、サステナブルでレジリエントな事業展開をめざしております。
①ガバナンス
当社グループでは、気候変動に係る重要事項について、執行役員で構成される「経営課題審議会」で審議しております。また、1年に1度開催される「サステナビリティ委員会」において、「経営課題審議会」で審議された気候変動課題への対応方針等を共有し、気候変動課題に対する実行計画の策定と進捗モニタリングを行っております。
取締役会は、「サステナビリティ委員会」で討議・決議された内容の報告を受け、当社グループの気候変動課題への対応方針および実行計画について討議・監督を行っております。
取締役社長は、「経営課題審議会」の議長であると同時に「リスク管理委員会」、「サステナビリティ委員会」の委員長を務め、当社グループの気候変動課題に係る経営判断の責任を負っております。
②戦略
気候変動関連の1.5℃~2℃シナリオおよび4℃シナリオにおける事業リスクと機会のシナリオ分析を実施しました。当社グループの事業においては、気候変動対策として進む自動車のEV化にともなう新車向け補機駆動用伝動ベルトの売上減少を最大のリスクと位置付けております。当該リスクに対応するため、当社グループの強みを深掘りし、その強みを軸とした新たな価値を創造し提供することによって、新事業・現事業の進化に取り組みます。
新事業においては、「医療機器・ヘルスケア機器」と「電子資材」に注力し、新たな事業基盤を確立する取り組みを進めております。そのなかで、「医療機器・ヘルスケア機器」では、2019年に株式会社Aimedic MMTの株式を取得することで、当社が独自開発した製品を活用した医療機器を同社から販売するとともに、当社においてもヘルスケア機器の販売を開始しております。「電子資材」では、当社のコア技術を活用した製品を開発し、販売しております。現事業においては、2030年頃まで需要が続く見込みの内燃機関を使用した自動車補修市場向け補機駆動用伝動ベルトのシェアを拡大するとともに、EV向け製品を開発・提供することで、事業成長を図ります。
また、気候変動対応に貢献する製品開発にも積極的に取り組み、当社グループのネットワークを通じて、幅広い業界に提供します。
当社グループでは、事業活動にともなうCO2排出量を削減するため、2022年5月、2050年カーボンニュートラル実現を目指す目標を設定し、2023年度からスタートした中長期経営計画は、シナリオ分析の結果を経営戦略に組み込んで策定しました。
シナリオの選定
TCFDが推奨する分類に沿って、当社グループが直面する気候変動リスクをリストアップし、発生可能性の高い項目を評価対象として選定した上、国際エネルギー機関(IEA)と気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が提示する気温上昇1.5~2℃と4℃に相当するシナリオおよび社内外の情報に基づき、「リスクの最小化が求められる課題」と「リスクを機会に変えられる課題」に区分して、財務影響度を「大」「中」「小」の3段階で評価し、それぞれの項目で重点施策を洗い出しました。
使用シナリオ
IEA World Energy Outlook(NZE、SDS)、Global EV Outlook (NZE)等
IPCC (SSP8.5、SSP2.6、SSP1.9)等
■評価の範囲と期間
シナリオ分析にあたって、次のとおり範囲と期間を設定して評価を行いました。低炭素社会への移行リスクと機会については規制の影響などを受ける1.5~2℃シナリオ(2030年)、また気候変動による物理リスクについては、気温上昇の影響が大きくなる4℃シナリオ(2050年)で分析を行いました。海外グループ拠点の物理リスクに関しては、次年度以降に分析を行います。
|
リスク・機会 |
対象期間 |
シナリオ |
範囲 |
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リスク(移行) |
~2030年 |
1.5~2℃ |
全事業 |
|
リスク(物理) |
~2050年 |
4℃ |
バンドー化学、国内グループ拠点 |
|
機会 |
~2030年 |
1.5~2℃ |
全事業 |
■シナリオ分析に基づく評価結果
影響度:大 売上3%以上、中 売上0.5%以上~3%未満、小 売上0.5%未満
影響時期:短期 ~2026年 中期 ~2030年 長期 ~2050年
③リスク管理
当社グループは、リスクを「企業存続と事業目標の達成を阻害する事象が発生する可能性」と定義しております。事業経営に重大な影響を与える重要リスクについては、「リスク管理委員会」でその発生可能性や影響度を分析・評価して特定し、対応について討議・決定しております。特に気候変動に係る課題は重要リスクと位置づけ、実行計画を策定し、「サステナビリティ委員会」と連携して進捗のモニタリングを行い、取締役会に報告しております。
気候変動に係る個別のリスクと機会については、網羅的に抽出した上で、当社グループにとっての影響度と発生可能性から、その重要性を評価しております。特に重要と評価されたリスクと機会については、当社グループの戦略に反映し、対応しております。
④指標と目標
2022年5月当社グループは、2050年までに当社グループのCO2排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル実現に向けて、2030年までに燃料使用および電力に由来するCO2排出量を2013年度比38%削減する目標(当社単体)を設定しました。目標達成に向け、新製法への転換や太陽光発電の積極的な導入をはじめとする活動実行計画を策定し、取り組みを推進しております。
また、CO2排出量削減や省エネルギーに貢献する製品を環境対応製品として位置づけ、2026年度上市新製品の50%以上とすることを目標に掲げ、進捗を確認しております。
(2)人的資本・多様性
①人材育成の方針
「専門性と創造性と主体性を持った人材育成」を目指す姿として、(1)自己啓発の促進と働きがいの向上 (2)業務を通しての育成と多様性の確保 (3)資質を活かした育成と一体感の醸成 の3つを人材育成の基本方針としています。
②社内環境整備方針
上司と部下の対話と支援をベースとした働きがい改革を行い、人材を惹きつけられる魅力的な組織を目指して、諸施策の整備を進めます。
③人材育成・社内環境整備の考え方及び主な取り組み
新中長期経営計画における事業ポートフォリオの転換に向けて、新規事業の進化とコア事業の深化を加速させるために継続的なイノベーションの実現が不可欠と認識しています。そのためには特に多様性の確保が重要であり、また多様な個が活躍し、組織として力を発揮するためには、一人ひとりがやりがいを持っていきいきと働くことができる環境づくりが大切であるとの認識から、2023年度からはエンゲージメントの向上も目標に掲げて人材関連施策を立案・推進しております。
(ⅰ)研修と教育
当社は、従業員一人ひとりが能力を高め、仕事に意欲的に取り組み、チームワークに徹することを期待しています。また社会の一員として心の豊かな人・心にゆとりのある人・社会に役立つ人を育成するために、教育制度の充実に力を入れています。教育体系は階層別教育と機能別教育の2つに分け、階層別教育では部門を横断し階層ごとの役割認識や対人力の向上を目指し、機能別教育は職務遂行上必要な専門知識の習得を目的として実施しています。
従業員(正社員)一人当たりの年間平均研修時間および受講人数(2022年度)
研修時間:25.5時間 受講人数:538名
(ⅱ)従業員エンゲージメントの向上
企業の持続的成長には、多様な人材が個々の強みや能力をいかんなく発揮し、活力ある組織であることが大前提であるという認識のもと、雇用形態のあり方、賃金制度や評価制度、個別待遇等の切り口から、エンゲージメント向上に向けた総合的な処遇改善に努めています。
この方針のもと、マネジャーやリーダーの行動変容を促す取り組みを企画、実施していくほか、エンゲージメントの重要性を啓発するとともにサーベイを実施し、これを見える化したうえで改善していきます。
(ⅲ)ワークライフバランスの支援・向上
一人ひとりがやりがいを感じながら働きやすい環境を整えるため、フレックスタイム制、年次有給休暇の時間単位取得等の制度を導入しております。2019年10月には、従業員の子育て支援を積極的に推進している子育てサポート企業として「くるみん認定」を取得しました。さらに、これまで育児・介護等に携わる一部の従業員を対象としていた在宅勤務制度の対象範囲を2021年4月から全従業員に拡大しました。
(ⅳ)多様な人材の活躍推進
多様な人材の能力を結集し、新たな価値を創造し続けるために、多様性を活かす組織・風土づくり、公正な雇用機会と評価、ワークライフバランスの推進、自律的な人材・管理者の育成等に取り組んでいます。数値目標を意識した採用活動・雇用のほか、教育訓練の対象者の選定や、昇格・任用の場面では、性別や年齢、国籍等にかかわらず、能力や専門性、識見・人格等を軸として評価・運用しています。
|
項目 |
定量目標(単体) |
実績(2022年度)(単体) |
|
大卒(高専・短大・院卒含む)の 新規採用者に占める女性比率 |
20%以上 |
39.1% |
|
外国籍社員の採用 |
1名以上 |
0名 |
|
障がい者雇用率 |
2.3%以上 |
2.2% |
(ⅴ)健康経営への取り組み
2017年度に新たに健康担当役員を任命し、「バンドーグループ健康宣言」を制定するなど、従業員の健康への取り組みを強化しています。そして、同宣言の実現に向けて、労使協働で組織する「健康いきいき職場づくりチーム」を結成しています。「健康いきいき職場づくりチーム」は、従業員が自ら策定する「健康ビジョン」の実現へのサポートと、活気ある働きやすい職場づくりを推進しています。2020年1月からは、「健康いきいき職場づくりチーム」からの要望を受け、本社事業所を対象に1年を通じて「服装の自由化」を行いました。会社と従業員が一体となった取り組みが評価され、2021年3月に経済産業省と東京証券取引所から「健康経営銘柄2021」に選定されたほか、経済産業省と日本健康会議による「健康経営優良法人2021(ホワイト500)」に認定されました。今後も従業員がいきいきと働ける職場づくりに注力していきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、次のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)海外取引拡大に伴うリスク
現在、相当程度の外貨建金銭債権について為替予約等のリスクヘッジを行っており、今後とも適切なリスクヘッジ対策を実施してまいりますが、為替変動が業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、海外の生産、販売体制の強化を進めておりますが、各地に係る経済状況等の変化は、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)リコール発生に伴うリスク
当社は、部品メーカーであり、自動車メーカー、OA機器メーカーおよび消費生活用製品メーカー等に当社の製品を納入しております。
また、当社の子会社および持分法適用会社は、主としてこれら製品の製造、加工、販売を行っております。当社グループにおきましては、製品の品質を、現在の事業を維持、発展させるためのもっとも重要なものの1つであると考え、各種の施策、対策を実施し、製品の品質確保に最大限の注力を行っております。しかしながら、これらの製品(部品)を組み込んだ自動車等の不具合の原因が当社グループの供給した製品にある場合、リコール等の処置がなされる場合が考えられます。
このような事態が発生した場合、契約上も、法律上もリコール等の処置にかかわる費用を負担しなければならない場合が考えられます。この場合、業績に影響を与える可能性があります。
(3)原材料の市況変動および調達に伴うリスク
当社グループでは、随時市況価格および需給状況を注視しながら取引業者との納期交渉や価格交渉にあたっておりますが、原油価格の上昇により原材料価格が上昇する可能性があります。需給の安定化のために代替材料の検討を進め、原材料の上昇に対しては製品価格の是正や値上げおよび総原価の低減の取り組みを強化しておりますが、需給の滞りや想定以上に材料、燃料等の値上げが続く場合、業績に影響を与える可能性があります。
(4)自然災害や感染症等の発生に伴うリスク
東海地震、東南海・南海地震や台風等の自然災害の発生または感染症等の拡大により、事業活動が大きく影響を受ける可能性があります。当社グループは、生産拠点間の相互補完による製品供給体制の確立をはじめとして、事業の継続や早期復旧を図るために必要な対策・手順について計画を立て、影響を最小限に止めるための体制の整備に取り組んでおります。しかしながら、自然災害や感染症等のすべてのリスクを回避することは困難で、当社グループの想定を超える規模での発生も考えられます。このような場合、事業活動が縮小されるなど、業績に影響を与える可能性があります。
(5)保有資産の価値変動に伴うリスク
当社グループは、様々な有形固定資産や無形資産を保有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待通りのキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合があり、減損処理した場合、業績に大きな影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
|
|
|
2022年3月期 (百万円) |
2023年3月期 (百万円) |
増減額 (百万円) |
増減率 (%) |
|
売上収益 |
93,744 |
103,608 |
9,863 |
10.5 |
|
|
|
自動車部品事業 |
41,829 |
49,198 |
7,369 |
17.6 |
|
|
産業資材事業 |
33,301 |
35,352 |
2,050 |
6.2 |
|
|
高機能エラストマー製品事業 |
13,998 |
14,787 |
789 |
5.6 |
|
|
その他 |
5,554 |
5,266 |
△287 |
△5.2 |
|
|
調整額 |
△939 |
△997 |
△58 |
- |
|
コア営業利益(セグメント利益)(△は損失) |
5,880 |
6,734 |
854 |
14.5 |
|
|
|
自動車部品事業 |
2,741 |
3,289 |
547 |
20.0 |
|
|
産業資材事業 |
2,688 |
3,218 |
529 |
19.7 |
|
|
高機能エラストマー製品事業 |
280 |
359 |
79 |
28.3 |
|
|
その他 |
304 |
59 |
△245 |
△80.5 |
|
|
調整額 |
△134 |
△192 |
△57 |
- |
|
営業利益 |
2,665 |
8,259 |
5,593 |
209.8 |
|
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
1,211 |
5,722 |
4,510 |
372.4 |
|
(注)コア営業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が依然として残るなか、活動制限の緩和を機に個人消費が回復し、景気の持ち直しがみられた地域はあるものの、欧州においては、高インフレや資源価格の高止まりが個人消費や企業による経済活動の重石となり、米国においても、高インフレや政策金利の引き上げなどが景気の下押し要因となるなど、景気の回復ペースが鈍化するなかで推移いたしました。
当社グループの主要な市場である自動車分野におきましては、半導体不足の緩和や、新型コロナウイルス感染症の影響で低迷していた個人消費の回復などもあり、各国の自動車生産台数が総じて前年度を上回る状況で推移いたしました。
このような状況のなか、当社グループは、中長期経営計画“Breakthroughs for the future”(未来への躍進)の第2ステージの5年目として、「新事業の創出」、「コア事業の拡大」、「ものづくりの深化と進化」、「個人と組織の働き方改革」の4つの指針を掲げ、グローバルで「際立つ」サプライヤーを目指して活動してまいりました。「新事業の創出」では、当社独自の撥水技術を活用し省資源化を狙ったコンクリート型枠用撥水・透水シートの開発を完了し、2022年11月からテスト販売を開始いたしました。また、産学連携の研究成果を用いて開発した吸収性骨再生用材料を製品化いたしました。「コア事業の拡大」では、軽搬送用ベルト「サンライン®ベルト」の新たなラインアップとして、低収縮性に優れた食品搬送用ベルトを開発したほか、重点市場を定め顧客開拓を推進いたしました。また、収益力向上のため、革新製法の開発、自働化ラインの構築やデジタル技術を用いた業務効率化など、「ものづくりの深化と進化」や「個人と組織の働き方改革」に取り組んでまいりました。
これらの結果、当連結会計年度は、売上収益は103,608百万円(前年同期比10.5%増)、原材料調達価格の高騰はありましたが、前年度に計上した一時的な費用の影響がなくなったことにより、コア営業利益は6,734百万円(前年同期比14.5%増)、営業利益は8,259百万円(前年同期比209.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,722百万円(前年同期比372.4%増)となりました。
<<セグメント別の状況>>
事業(セグメント)別の状況は、次のとおりであります。
[自動車部品事業]
国内においては、自動車生産台数の回復にともない、補機駆動用伝動ベルト(リブエース®など)の販売が増加いたしました。
海外においては、米国および中国において主要顧客の減産により、補機駆動用伝動ベルトなどの販売が減少いたしましたが、欧州地域において新規顧客の開拓による補修市場向け製品の販売が増加し、アジア地域においても四輪・二輪車メーカーの生産が回復し補機駆動用伝動ベルト、補機駆動用伝動システム製品およびスクーター用変速ベルトなどの販売が増加いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上収益は49,198百万円(前年同期比17.6%増)、セグメント利益は3,289百万円(前年同期比20.0%増)となりました。
[産業資材事業]
一般産業用伝動ベルトにつきましては、国内においては、民間設備投資の増加により産業機械用伝動ベルトの販売が増加いたしました。海外においては、積極的な顧客開拓が奏功し、各国・地域において産業機械用伝動ベルトの販売が増加いたしました。
運搬ベルトにつきましては、国内においてコンベヤベルトの販売が減少いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上収益は35,352百万円(前年同期比6.2%増)、セグメント利益は3,218百万円(前年同期比19.7%増)となりました。
[高機能エラストマー製品事業]
機能フイルム製品につきましては、国内において非住宅関連の需要が回復したこともあり、建築資材用および装飾表示用フイルムの販売が増加いたしました。
精密機能部品につきましては、主要顧客の生産回復もあり、精密ベルト、高機能ローラおよびブレードなどの販売が増加いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上収益は14,787百万円(前年同期比5.6%増)、セグメント利益は359百万円(前年同期比28.3%増)となりました。
[その他事業]
その他の事業といたしましては、ロボット関連デバイス事業、電子資材事業および医療機器事業などを行っており、売上収益は5,266百万円(前年同期比5.2%減)、医療機器事業において主力製品の償還価格下落の影響もありセグメント利益は59百万円(前年同期比80.5%減)となりました。
上記の各セグメント別売上収益およびセグメント利益は、セグメント間取引消去前の金額で記載しております。
②当期の財政状態の概況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ2,590百万円増加し、118,971百万円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が減少した一方、棚卸資産および持分法で会計処理されている投資が増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ2,993百万円減少し、40,958百万円となりました。これは主に、社債及び借入金が減少したことなどによるものです。
資本は、前連結会計年度末に比べ5,584百万円増加し、78,013百万円となりました。これは主に、利益剰余金の
増加などによるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の62.0%から65.3%となりました。
③当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,066百万円減少し、16,770百万円となりました。各連結キャッシュ・フローの状況とその主な増減要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末と比べ1,878百万円収入が減少し、7,712百万円の収入超過となりました。これは主に、法人所得税の支払額の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末と比べ3,446百万円支出が増加し、3,981百万円の支出超過となりました。これは主に、資本性金融商品の売却による収入の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ3,512百万円支出が減少し、6,429百万円の支出超過となりました。これは主に、有利子負債の削減額が減少した一方で、配当金の支払いなどの株主還元が増加したことによるものです。
④生産、受注および販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
自動車部品事業 |
42,606 |
112.3 |
|
産業資材事業 |
22,974 |
103.8 |
|
高機能エラストマー製品事業 |
12,013 |
101.3 |
|
報告セグメント計 |
77,595 |
107.9 |
|
その他 |
2,725 |
104.7 |
|
合計 |
80,320 |
107.8 |
(注)金額は、販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
自動車部品事業 |
48,295 |
135.5 |
2,141 |
70.3 |
|
産業資材事業 |
34,349 |
110.4 |
7,680 |
88.5 |
|
高機能エラストマー製品事業 |
14,053 |
113.8 |
1,616 |
73.1 |
|
報告セグメント計 |
96,699 |
122.3 |
11,438 |
82.1 |
|
その他 |
4,367 |
99.0 |
101 |
69.2 |
|
合計 |
101,066 |
121.0 |
11,540 |
82.0 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
自動車部品事業 |
49,198 |
117.6 |
|
産業資材事業 |
35,347 |
106.2 |
|
高機能エラストマー製品事業 |
14,649 |
105.0 |
|
報告セグメント計 |
99,194 |
111.4 |
|
その他 |
4,413 |
94.2 |
|
合計 |
103,608 |
110.5 |
(注)主な相手先別の販売実績で、総販売実績に対する割合が10%を超えるものはありません。
なお、「生産実績」「受注実績」および「販売実績」は、セグメント間取引消去後の金額を記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、過去の実績および決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等
(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、次のとおりであります。
なお、セグメントごとの経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
a.売上収益
売上収益は103,608百万円となり、前連結会計年度に比べて10.5%増となりました。これは海外売上収益が増収となったことによるものであります。
b.コア営業利益
コア営業利益は6,734百万円となり、前連結会計年度に比べて14.5%増となりました。これは原材料調達価格の高騰があったものの、前連結会計年度に賞与制度の変更による一時的な営業費用の計上があったことなどによるものです。
c.営業利益
営業利益は8,259百万円となり、前連結会計年度に比べて209.8%増となりました。これは前連結会計年度に連結子会社に係る減損損失を計上したことなどによるものであります。
d.親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は5,722百万円となり、前連結会計年度に比べて372.4%増となりました。これは営業利益の良化などによるものであります。
③経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③当期のキャッシュ・フローの概況」に記載のとおりであります。
⑤資本の財源および資金の流動性
当連結会計年度末においては、現金及び現金同等物は16,770百万円(前連結会計年度末比11.0%減)、有利子負債(社債及び借入金)は11,570百万円(前連結会計年度末比16.3%減)となりました。
これは主に、手元流動性の水準を見直し、借入金の返済を進めたことによるものです。
⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度は、中長期経営計画“Breakthroughs for the future”(未来への躍進)の第2ステージ(BF-2)の5年目であり、その達成・進捗状況は、次のとおりであります。
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指標 |
当連結会計年度(実績) |
2022年度(目標) |
目標との乖離 |
|
売上収益 |
103,608百万円 |
120,000百万円 |
16,391百万円減 (13.7%減) |
|
コア営業利益 |
6,734百万円 |
12,000百万円 |
5,265百万円減 (43.9%減) |
|
ROE |
7.6% |
12.0% |
4.4ポイント減 |
(1)当社の技術導入契約
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相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
Litens Automotive Partnership |
カナダ |
オートテンショナ |
特許およびノウハウの実施許諾 |
1990年4月1日から2025年3月31日まで |
(注)上記については、ロイヤルティとして純売上収益の一定率を支払っております。
(2)当社の技術供与契約
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相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
Sanwu Bando Inc. |
台湾 |
伝動ベルト製品など |
特許およびノウハウの実施許諾 |
2017年4月1日から3年間 その後3か年毎に更新 |
|
Philippine Belt Manufacturing Corp. |
フィリピン |
伝動ベルト製品など |
特許およびノウハウの実施許諾 |
1978年10月1日から5年間 その後5か年毎に更新 |
|
Kee Fatt Industries Sdn. Bhd. |
マレーシア |
伝動ベルト製品など |
特許およびノウハウの実施許諾 |
1978年12月11日から5年間 その後5か年毎に更新 |
|
PT. Bando Indonesia |
インドネシア |
伝動ベルト製品・運搬ベルトなど |
特許およびノウハウの実施許諾 |
1988年1月1日から5年間 その後4か年毎に更新 |
(注)上記については、ロイヤルティとして売上収益の一定率を受け取っております。
なお、上記の他、当社は次の連結子会社との間でベルト、工業用品等に関わる特許、またはノウハウの実施許諾に関わる契約を締結しており、ロイヤルティとして売上収益に対する一定率の支払を受けております。
・Bando USA, Inc.
・Bando Korea Co., Ltd.
・Bando Belt (Tianjin) Co., Ltd.
・Bando Manufacturing (Dongguan) Co., Ltd.
・Bando Siix Limited
・Bando Manufacturing (Vietnam) Company Limited
・Bando Manufacturing (Thailand) Ltd.
・Bando (India) Private Limited
・Bando Belt Manufacturing (Turkey), Inc.
2022年度の当社グループは、2013年度から2022年度までの中長期経営計画“Breakthroughs for the future”(未来への躍進)の第2ステージの最終年度として、4つの指針のもと、経営目標の達成に積極的に取り組んでまいりました。
指針1の「新事業の創出」においては、重点市場に向けてエラストマー・樹脂の配合・分散・複合化のコア技術に磨きをかけ、これに新技術を融合させて練り上げた「尖った技術」をベースに新製品の創出と新市場開拓を進め、次代の新事業の柱として育成を加速することを目指しております。なお、優先的に経営資源を配分する領域は医療機器・ヘルスケア機器事業、電子資材事業およびその他の新規事業分野としております。
また、指針2の「コア事業の拡大」においては、グローバル各地域の市場ニーズにマッチした「市場最適仕様」製品の開発を促進、お客様の「環境負荷低減・高効率・コンパクト化・機能複合化」に貢献する製品を連続的に生み出し育てていくことを目指しております。これらの指針に基づき、研究開発は、新事業推進センター、ものづくりセンター、基盤技術研究所および伝動技術研究所(当連結会計年度末人員243名)を中心に取り組んでおり、当連結会計年度における全体の改良開発を含む開発・研究に
セグメント別の研究開発活動とその成果は次のとおりであります。なお、自動車部品事業および産業資材事業での研究開発活動については、特定のセグメントに関連付けられないため、両事業部を合わせて記載しております。
[自動車部品事業・産業資材事業]
当事業では、基盤技術研究所・伝動技術研究所を中心として、伝動ベルトおよび伝動ベルトシステム製品、搬送ベルトおよび搬送周辺製品や農業・工業用ゴム製品、補修市場におけるサービタイゼーションの創出に関する研究開発に取り組んでおります。自動車部品事業においては、主力の補機駆動用ベルトにおいて革新製法を用いた新製品開発を推進しております。また、電動パワーステアリング(EPS)向けベルトなど、電動化市場への参入・拡販を狙った製品開発を進めております。産業資材事業においては、食品搬送用途の非付着性ベルト「ミスターシルキーコート™」を、2022年5月に販売開始いたしました。伝動ベルトでは、高負荷対応歯付ベルトの新たなラインアップとして、高負荷高性能小ピッチ歯付ベルト「Ceptor®-Ⅹ(セプターテン) S3M/S5M」を2023年1月に、高負荷対応歯付ベルト「HTS Ceptor®-Ⅹ (セプターテン)8M/14M」を2023年2月に販売開始いたしました。
[高機能エラストマー製品事業]
当事業では、電子写真プロセス用のクリーニングブレード、現像ローラなどの高機能樹脂製品や装飾表示用フイルムなどの改良開発を行っております。新製品としては、タッチパネルディスプレイ製品の各部材の貼り合わせに用いられる超厚膜光学用透明粘着剤「FreeCrystal®(フリークリスタル)」の開発を進めました。
[その他事業]
医療機器・ヘルスケア機器事業では、伸縮性ひずみセンサ「C-STRETCH®(シーストレッチ)」の応用開発を進めました。当製品は、当社のコア技術であるゴム・ウレタン材料の配合設計、フイルムの加工技術に導電材料の分散技術を組み合わせすることで生まれました。当製品の柔らかさや伸びの大きさが人の動きと親和性が高く、医療機器・ヘルスケア機器用センサとして適用できます。呼吸や嚥下に関する領域で影響力を持つ医師(Key Opinion Leader :KOL)のいる大学と共同開発契約を結び、開発に取り組んでおります。
電子資材事業では、精密研磨材「TOPX®(トップエックス)」は、量産中のディスプレイ(ガラス基板)分野のシェア拡大を進めるとともに、ストレージ分野など新たな需要の開拓に積極的に取り組みました。既存熱伝導性フィラーを垂直配向した高い熱伝導率を有する放熱シート「HEATEX®(ヒートエクス)」は、発熱部品(CPU、LEDバックライト、パワーチップ)から発生する熱を効率的に冷却部材(ヒートシンク等)へ伝達するためのインターフェイスとして多くのお客様と評価を進めてまいりました。
新規事業分野の探索として、当社独自の撥水技術を活用したコンクリート型枠用撥水・透水シート「ウィルティアTMシート」を、2022年11月に販売開始いたしました。
なお、改良開発を中心とした開発・研究として、自動車部品事業・産業資材事業に2,037百万円、高機能エラストマー製品事業に