文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、多様なステークホルダーとの適切かつ継続的な協力関係の下で、豊かな社会の実現に向けて貢献していくことを経営理念、事業理念の中に謳い、当社グループの経済的及び社会的な企業価値を中長期にわたって安定的に向上させることをめざし、企業価値の安定的、かつ着実な成長を示す指標として、売上高営業利益率(連結)10%以上、自己資本比率(連結)60%以上、ROE(連結)10%以上を指標とさせていただきます。
そして、事業等のリスクの発現による経営戦略に対する悪影響を最小限に留めるため、当社グループでは、次のような課題に取組んでまいります。
① PBR1倍超の達成
資本コストや株価を意識した経営の推進において、目標であるPBR1倍超を目指し、稼ぐ力の強化・新成長戦略・新株主還元方針・投資家とのコミュニケーション向上の各種施策を実行し、企業価値の最大化に取組んでまいります。
② 事業の多様化
収益の源泉である事業を多様化し、収益構造を強化するため、当社は、次に掲げる対応をより一層加速して進めてまいります。
イ.事業ポートフォリオの最適化を図り、資本コストを意識した経営により、当社グループ及び事業の収益力をより向上させ、収益基盤を確固たるものとする。
ロ.長年培ってきた品質や技術の向上、生産方式の見直し等に積極的に取組み、日本市場だけでなく世界市場での収益力をより強化する。
③ 急速な技術革新への対応
当社は、2024年4月に先進技術戦略室を社長直轄として設置いたしました。新規分野への投資として積極的に資金配分を実施します。事業ポートフォリオの変革に取組み、将来のシナジー効果創出のためのM&Aや、スタートアップ・大学研究機関との提携などを幅広く検討してまいります。従来の技術開発機能に加えテーマ発掘、評価選定のための技術企画の機能を確立し、イノベーション創出により社会課題を解決してまいります。
④ 為替動向への対応
海外子会社貸付を外貨建てとする等、為替管理を強化し、為替の影響を緩和しております。
⑤ 原材料費の変動への対応
原材料費の変動により、当社グループの営業利益が低下する局面では、状況を見極めながら必要に応じて、購買及び生産体制の効率化によるコストダウン、売価への反映等の措置を講じ、変動の影響を緩和してまいります。
⑥ サステナビリティの推進
当社は「人々の安心を支え、社会の豊かさに貢献できる企業であり続ける」ことを理念に掲げ、「くらし」「ものづくり」「エネルギー」「いのち」「レジャー」をはじめとする様々な分野で社会を支え、持続可能な社会の実現及び持続的な企業価値の向上を目指すことを「基本方針」とし、サステナビリティの更なる推進を図ってまいります。
イ.気候変動対応
気候変動がもたらす事業への影響・脅威等のリスクを特定し、管理することで、全社リスクマネジメントプロセスにも連携してまいります。
ロ.人的資本
従業員及びその家族が、安心して働ける企業を目指します。その実現のため人材育成施策の刷新、社内環境整備など、健全な事業経営、品質向上、人権尊重及び健康経営を推進してまいります。
⑦ デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応
当社グループは働き方改革、生産性向上・業務の変革を目的とした業務改革推進プロジェクトを設置し、デジタルトランスフォーメーション(DX)等への投資を積極的に進めてまいります。
⑧ その他
当社グループは、その他として以下の課題を掲げ取組んでまいります。
イ.グループ全社の内部統制の継続を推進してまいります。
ロ.データヘルス・健康経営を進めるためのコラボヘルスを推進してまいります。
ハ.女性、外国人、障がい者などを含む多様な価値観を有する社員それぞれが、性別、国籍、障がいを問わず自らの能力を発揮できる企業を目指します。
(1) サステナビリティ共通
当社グループは持続可能な社会の実現を目指し、社会的責任を果たすとともに、ESG経営を通じて企業の価値向上と持続的な成長に向けて以下のとおりに取組んでまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社では2023年4月に管理本部下にサステナビリティ統括室を設置し、情報の一元管理を図ってまいりましたが、企業活動が環境や社会に与える影響が益々増大し、地球規模の環境破壊や温暖化、人権などの社会的問題を受けて、企業の社会的責任の強化、持続可能な社会の実現に向けた取組みが強く求められるようになってきたことから、2024年4月よりサステナビリティ統括室を社長直轄とし、更なる推進を図ってまいります。
② リスク管理
当社グループでは、事業リスク、災害リスク、品質・環境リスク、安全衛生リスク、不正リスク等リスクの種類に応じて設ける管掌部門及び専門委員会がリスクを内包する部門と協力してリスクの継続的な識別、分析、評価、対応策の検討及び検証を行うほか、グループ全体にかかる重要なリスクの識別、分析、評価、対応策の検討及び検証をリスクマネジメント委員会の管理下において、リスク管理を横断的かつ統合的に行っております。
当社は気候変動関連情報の開示検討に伴い、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同しています。

① ガバナンス
当社ではSDGs推進委員会で取り組んできた課題をさらに推進していくため、2023年4月よりサステナビリティ統括室を設置しました。サステナビリティ統括室は気候関連課題の責任者である担当役員を室長とし、経営企画室、管理本部統括、ISO統括室の担当者を中心に構成し、室長は取締役会及び経営会議に対して、気候関連のリスク及び機会を評価、管理する項目について説明をする責任を担っています。サステナビリティ統括室はサステナビリティ情報の一元管理と開示、サステナビリティ目標(KPI)の策定と進捗管理、経営会議及び取締役会への報告、そしてサステナビリティ統括室の直下に設置されているサステナビリティ戦略委員会への指示等を行っております。また、その内容を半期に1回の頻度で経営会議への報告、提言、答申を行い、経営会議の承認後、取締役会へ報告、取締役会ではサステナビリティ統括室における検討事項のモニタリングを実施する体制になっています。
・ガバナンス体制図

② 戦略
当社グループは、TCFD提言で示されたリスク・機会の項目を参考に、気候変動が当社グループの事業に与えるリスク・機会に関して、1.5℃シナリオと4.0℃シナリオの温度帯の側面から以下の項目を抽出し、対応策を立案しております。
(影響度の定義) 大(会社経営に大きな影響を与える)> 中 > 小(財務報告に影響を与える)
③ リスク管理
当社グループにおける気候関連リスクの識別・評価はサステナビリティ統括室において年に1回の頻度で代表取締役社長執行役員を責任者として推進しており、リスク評価については影響度を用いて実施しております。また、予防策や対応方針は同統括室において審議し、経営会議に報告された後、関連する事業部にて実行されます。全社のリスク管理への統合プロセスとして、今後は気候関連リスクについても全社リスクマネジメントプロセスに適宜連携してまいります。
④ 指標と目標
当社グループは、気候関連問題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、GHGプロトコルの基準に基づきGHG(温室効果ガス)排出量(Scope1及び2)算定を実施しております。(※ Scope3は算定中)
また、その他の気候変動指標として、VOC排出削減や廃棄物最終処分量も考慮しており、2023年度の実績と今後の目標は次のとおりです。
(3) 人的資本
① 戦略
イ 人材育成方針
当社グループは、職位・職能ごとに求められる能力・専門知識の習得を目的とした研修制度だけではなく、従業員一人ひとりが積極的かつ創造的に行動し、自らに期待される成果をあげることができる人材を育成する研修制度を実施しており、従業員のキャリア開発支援を進めてまいります。
(主な取組み)
ロ 社内環境整備方針
(多様な人材が活躍できる環境の整備)
・高齢者や育児・介護等の就労制限がある方へ配慮
・障がい者雇用(特例子会社の活用)
(従業員の健康、働きやすい職場)
・健康経営として従業員の健康活動を推進
・テレワーク勤務への対応
② 指標と目標
当社では、上記「①戦略」において記載した、人材の育成に関する方針、戦略及び社内環境の整備について、次の指標を用いております。なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループにおける記載が困難なため、連結子会社のデータは含まれておりません。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。なお、すでに開示している「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」から、よりガバナンスを強化すべく、目標の見直しを行っております。
当社は、当社グループの重要なリスクの評価と対応を横断的かつ統合的に行い、重要リスクを継続的に管理するため、リスクマネジメント委員会を設置しております。今後も、事業や社会環境の変化に併せて重要なリスクの見直しを行うとともに対応状況の確認を行い、リスクの低減に努めてまいります。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 特定の産業への依存について
当社グループは、自動車部品メーカーに対する売上が多く、自動車産業に大きく依存した状況にあります。したがって、自動車産業の生産動向によって売上高に重大な影響を及ぼす可能性を有しております。
② 為替変動リスクについて
当社は、外貨建債権債務を有しているため、期末での換算差額が為替差損益として発生し、経常利益に重大な影響を及ぼす可能性を有しております。
また、製品・商品の輸出入において、為替の影響により、販売価格及び仕入れ価格が変動し、当社グループの事業セグメントの収益に影響を及ぼす可能性を有しております。
③ 資源価格変動リスクについて
当社グループにおいては、原材料のうちゴム・樹脂・繊維等原油価格変動の影響を受ける資材が全仕入の60%程度あるため、原油価格の変動により材料費が変動し、営業利益に重大な影響を及ぼす可能性を有しております。
④ 海外事業リスクについて
当社グループは、中国を始めとして米国、ベトナム等海外に生産拠点を有し、積極的に海外への事業拡大を行っておりますが、進出した当該国の固有の事情や体制、法律の変化等により事業計画に影響を及ぼす可能性を有しております。
また、当該国での自然災害、伝染病、テロ、ストライキ等の影響も考えられ、これらにより製品等の購入、生産、販売に支障をきたす可能性があります。
⑤ 自然災害要因に対するリスクについて
当社は、国内において、さいたま市岩槻区、埼玉県加須市及び福島県南相馬市に工場を有し、生産に関わる国内子会社もそれらに隣接して事業所を有しております。当該地域において巨大な災害(地震、竜巻等)が発生した場合、最悪の場合には同時に複数の工場の稼動が停止することにより、業績に重大な影響を及ぼす可能性を有しております。
⑥ 製品の欠陥による製造物責任について
当社グループは、世界的に認められている品質管理基準に厳格に従って様々な製品を製造しております。しかし、全ての製品について欠陥が無く、将来的に品質クレームが発生しないという保証はありません。PL賠償については保険に加入しておりますが、賠償額全てをカバーできるという保証はありません。重大な製品の欠陥は、多額のコストや、当社グループの社会的評価に重大な影響を与え、また、当社各事業部の売上減少と当社グループの財務状況に重大な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における世界経済は、経済活動の活発化が進んでおりコロナ禍以前の姿に戻りつつありますが、ロシアによるウクライナ侵攻、中東の戦火などの地政学リスクが、依然として世界的なサプライチェーンの脅威となっております。わが国経済においては、インバウンドの好調、サプライチェーンの正常化が進んでおりますが、人手不足・賃上げ・金利の引上げ等、企業を取り巻く環境は大きく変化し、対応力を試されております。
当連結会計年度の売上高は377億8千5百万円(前年同期比7.1%減)、営業利益は36億2千4百万円(前年同期比18.2%減)、経常利益は38億9千8百万円(前年同期比24.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は32億5千2百万円(前年同期比17.6%減)となりました。なお、特別利益に補助金収入5億9千2百万円を、特別損失にオフセット印刷用ブランケット事業からの撤退に伴う事業撤退損失など1億8千5百万円、関係会社株式評価損7千1百万円を、それぞれ計上しております。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<産業用資材>
工業用品部門は、自動車関連部品の受注回復の兆しが見えるものの、国内は住宅設備関連の流通在庫過多の解消に至っておらず営業損失となりましたが、中国、米国における受注の回復と価格転嫁、固定費削減が進んだことにより増益となりました。制御機器部門は、海外向け半導体市場は堅調に推移しましたが、国内向け半導体市場及び液晶市場の減産が続き、医療市場はコロナ禍で増産した医療機器の流通在庫過多の影響が継続し、減収減益となりました。
この結果、売上高は217億7千6百万円(前年同期比2.9%減)、営業利益は2億5千8百万円(前年同期比148.1%増)となりました。
<引布加工品>
引布部門は、自動車メーカーの生産調整による影響がありましたが、電気・電子分野向けの部材や一般ゴム引布の建材用製品などが好調に推移し、また原材料費やエネルギー費などの価格転嫁が進んだことにより、増収増益となりました。印刷材料部門は、事業撤退に伴い期中において販売終了となり、減収減益となりました。加工品部門は、海外向け舶用品や防衛関連製品が堅調に推移しましたが、国内向け舶用品は低調に推移した事や販売費の増加により、増収減益となりました。
この結果、売上高は49億4千9百万円(前年同期比0.9%減)、営業損失は4千3百万円(前年同期は4千5百万円の利益)となりました。
<スポーツ用品>
ゴルフ用カーボンシャフト部門は、ゴルフクラブ市場における世界的な流通在庫過多の影響が継続し、クラブメーカー向けの販売が減少となり、減収減益となりましたが、世界のツアープロに愛用されている『VENTUS』、『SPEEDER NX』及び日米発売のアイアンモデル等の主力モデルがアフターマーケット市場で好調を継続し、依然高い利益率を維持しております。アウトドア用品部門は、記録的な暖冬の影響によりバックカントリースキーなど冬物商品の動き出しが遅れ減収となりましたが、ハイキング・トレッキング市場で登山靴の主力モデル『C1_02S』が高いブランド力を維持し、加えて3月に春夏アイテムを予定通り販売開始した事により、増益となりました。
この結果、売上高は107億1千4百万円(前年同期比17.0%減)、営業利益は39億8千9百万円(前年同期比16.6%減)となりました。
<その他>
運送部門は、自動車関連及び住宅設備関連の荷動きの低迷、原油価格の継続的な高騰による燃料費の高止まりにより、減収減益となりました。
この結果、売上高は3億4千5百万円(前年同期比3.6%減)、営業利益は4千万円(前年同期比28.7%減)となりました。
当期の財政状況は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の資産は前連結会計年度末に比べ37億1百万円増加の440億7千5百万円となりました。現金及び預金の増加などにより流動資産が23億3千1百万円増加し、有形固定資産や投資有価証券の増加などにより固定資産が13億7千万円増加したことなどによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は前連結会計年度末に比べ5億4千4百万円増加の75億7千6百万円となりました。設備関係支払手形などにより流動負債が1億8千3百万円増加し、繰延税金負債の増加などにより固定負債が3億6千1百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末に比べ31億5千7百万円増加の364億9千9百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことや為替換算調整勘定が増加したことなどによるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の82.6%から82.8%となりました。
以上の結果、当社グループが企業価値の安定的、かつ着実な成長を示す指標(以下、「目標数値」という)と比べると、売上高営業利益率は9.6%(目標数値10%以上)、自己資本比率は82.8%(目標数値60%以上)、ROEは8.9%(目標数値10%以上)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「3 事業等のリスク」に掲げたリスクに対して、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に掲げた取組みを進めています。引き続き、リスクに対する取組みを進めてまいります。
① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ30億円増加し(前年同期比41.5%増)、102億2千8百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は52億7千1百万円となりました。これは主に「税金等調整前当期純利益」を42億3千3百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は10億5千7百万円となりました。これは主に「有形固定資産の取得による支出」8億5千9百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は13億7千8百万円となりました。これは主に「株主配当金」12億7千2百万円によるものであります。
営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いた当期のフリー・キャッシュ・フローは、42億1千4百万円で、前連結会計年度末に比べ26億2千8百万円増加いたしました。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主な資金需要は、原材料費、製造費、人件費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに固定資産等にかかる投資であり、主に自己資金により賄い、必要に応じ銀行借入等により対応しております。
なお、2021年11月11日に取引銀行とコミットメントライン契約を締結しておりましたが、当連結会計期間に契約満了により終了しております。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位 : 千円)
(注) 金額は販売価額によっております。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位 : 千円)
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位 : 千円)
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを行なっております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の項目については、連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢の影響につきましては、連結財務諸表作成時点で入手可能な情報をもとに将来の見積りに反映させております。
(固定資産の減損処理)
当社グループは固定資産の減損会計の適用に際し、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングし、各グループ単位で将来キャッシュ・フローを見積り、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額することとしております。この見積りに変動があった場合、減損損失が発生し、利益に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、「くらし」「ものづくり」「エネルギー」「いのち」「レジャー」の5つをキーテーマとして、基礎技術を発展させ、自然環境の保全、省エネルギーに貢献する製品や心の豊かさに繋がる製品の開発に注力しております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は
当連結会計年度におけるセグメント別の主な研究開発活動は次のとおりであります。
(1) 産業用資材
工業用品部門の自動車事業では、カーボンニュートラルの動きに呼応して、電気自動車をはじめ、燃料電池自動車やハイブリッド車に搭載される、電池、流体制御機器、軽量化部品、熱マネジメント部品に対応した製品開発に注力しており、車載用リチウムイオンバッテリーの熱暴走対策として、防爆弁と熱膨張耐火断熱材『フレガード(R)』を上市しております。また、住宅設備機器事業では、永く安定して機能部品を供給している実績を背景に、環境への負荷が少ないエネルギーに対応した製品の開発、サステナビリティに目を向けた新材料の開発、ゴムと樹脂等の複合品開発を促進し新たな価値創造をしていきます。更に災害に備える製品にも着目し、火災被害を抑制する熱膨張断熱材料、非常用のマグネシウム空気電池など、くらしに欠かせない製品を上市しております。
制御機器部門では、精密な流体制御を要する半導体製造装置向け機器や医療機器向け製品の拡充に取組んでおります。医療分野では特殊な医療用シリコーンを使用したゴム弁や逆止弁、ディスポーザブルで使用される医療機器製品の部品開発を行っております。また医療装置に使用する圧力流量制御機器のソフトを含めた新たな開発についても注力し拡充に取組んでおります。さらに主力製品であるエアベアリング・ダイヤフラム方式の低摩擦エアシリンダを軸に新たな精密シリンダについても開発を進めており、それらを制御するための精密圧力制御機器のラインナップの増加と医療・分析機器に使用される各種ガス・液体を精密制御する制御機器の開発にも力を入れています。併せてこれら要素機器にソフト技術を加え、位置や力を精密に制御するユニット品や装置化へも視野を広げております。その他、大型金属加工品の内製化を促進し、お客様の利便性に寄与する製品及びユニット開発を進めていきます。
当セグメントにかかる研究開発費は
(2) 引布加工品
引布部門では、当社の基盤技術で強みである特殊機械設備を駆使した加工技術と、繊維やゴム配合の材料技術、それらを組み合わせた複合化技術を主軸に高機能ゴムシート及びゴム引布の開発を行っております。特に厚さ0.1~0.3mmの極薄ゴムシート、耐熱材料を用いたゴム引布は、医療、自動車、半導体、建築材料分野にて様々な形状に加工され使用されております。配合、加工技術をさらに発展させ、より付加価値の高いゴムシート、ゴム引布の開発も進んでおります。
加工品部門では、上記の引布部門で製造されたゴム布を主材料とし、高度な設計製造技術により高機能加工製品を展開しております。なかでも世界市場でシェアを有する救命いかだを代表とする救命設備関連製品の機能向上に注力しており、旅客船・遊漁船等に対する安全設備の義務化に向けて、国が定めた基準に適合する改良型救命いかだ等を2024年度内に上市予定としております。産業資材関連分野では、希少ガスであるヘリウムを再利用するために一時貯蔵するガスバッグや、発電所などのエネルギー関連、物流等、様々な分野における市場要求に呼応した製品の開発に取組んでおります。
当セグメントにかかる研究開発費は
(3) スポーツ用品
ゴルフ用カーボンシャフト部門では、米国モデル『VENTUS』シリーズと日本モデル『SPEEDER NX』シリーズを主軸にグローバルで商品を展開し、男女ツアーでそれぞれ使用率No.1を達成し、多くのゴルファーからご好評を頂いております。また、今春には2017年の発売以降、シリーズ累計販売本数10万本以上を記録したロングセラーのリシャフト用限定の高価格帯モデル『DIAMOND SPEEDER』をモデルチェンジしました。東レ㈱の新素材カーボン繊維『トレカ(R)M46X』を業界初採用することで更にヘッドスピードアップを追求した特別モデルとして、多くのゴルファーにプラスアルファの飛距離とうれしさを提供し、幅広いゴルファーが楽しめる商品ラインナップへ充実を図っております。
また、金属複合化及びゴム複合化の特許技術により、性能に加えて感性に訴求した『TRAVIL IRON』は、男女ツアー使用選手の露出による相乗効果もあり、アスリートゴルファーからの高い評価を得て、2023年7月発売以降、早くも累計10万本以上の販売を達成しました。
それぞれの基盤となるコア技術は、多くの主要サプライヤーから調達可能な各種カーボンプリプレグを使用する設計技術と、金属複合化特許技術とゴム複合化技術を組み合わせることにより特徴的な製品を作り出せる異素材の複合・結合技術であります。さらに、自社開発の「三次元評価システムenso」によりシャフト挙動がスイングに与える影響を理論的に捉え、魅力的な商品作りを進めております。
また、ゴルフシャフト技術を応用したCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製ドライブシャフトをはじめとする各種CFRP製品の自動車用機能部品及び各種産業分野へも展開の幅を広げる中で、鉄に比べて高強度・高剛性と軽量化が可能なCFRP技術と、振動減衰性に優れたゴム配合技術などを融合し、環境配慮型の電動化が進む商品に求められる軽量化、防振、熱マネジメントに対応した高機能部品を供給しております。
当セグメントにかかる研究開発費は
(4) その他
該当事項はありません。