第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における経済情勢は、国内経済は雇用・所得環境の改善が進むなか原油価格の安定により堅調な回復が期待されたものの、個人消費の低迷が長期化し、鉱工業生産も弱含みとなった。海外では米国経済が好調を継続し、先進各国経済も回復へ向かうと思われたが、中国をはじめとするアジア新興国や資源輸出国の景気下振れにより、世界経済も予断を許さない情勢が続いた。また原油価格低下の効果はあるものの、不安定な為替相場や株価の下落は消費意欲を押し下げ、企業活動にも影響を与えるなど厳しい事業環境が継続した。

このような事業環境のもと、当社グループは企業価値の増大を目指して、ブランド力・魅力ある商品創りと製品の拡販に注力した。具体的には省エネルギー関連製品、環境対応製品、スポーツ健康関連製品などの成長分野と、インフラ整備、防災関連分野およびグローバル化へと積極的な事業展開を推進するとともに徹底したコストダウンに取り組んできた。

その結果、当期連結業績は売上高88,344百万円(前連結会計年度比0.8%減)、営業利益1,865百万円(前連結会計年度比104.3%増)、経常利益2,394百万円(前連結会計年度比61.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,543百万円(前連結会計年度比97.5%増)となった。

 

 

セグメントの業績は、次のとおりである。

〈シューズ事業〉

ジュニアスポーツシューズのトップブランド「瞬足」から新たに投入された、着地の衝撃を吸収する機能を搭載した「SYUNSOKU STORM」や、米国ブランド「アウトドアプロダクツ」は好調に推移したが、暖冬の影響によるブーツの伸び悩みとキャラクターシューズの低迷により、シューズ事業全体では前年売上を下回った。

当事業の連結業績は売上高19,428百万円(前連結会計年度比2.1%減)、セグメント利益(営業利益)△730百万円(前連結会計年度は80百万円)となった。

 

〈プラスチック事業〉

車輌内装用資材は、堅調な北米マーケット向けの伸長があったが、国内自動車販売の不振と中国・東南アジアマーケットの減速により、前年売上を下回った。

フイルムの国内事業は、内需関連が一般用で伸び悩み、前年売上を下回った。輸出は、欧州向けや豪州向けの窓用フィルムが好調で前年売上を上回った。北米事業は、医療用等が好調に推移したが、文具用が低迷し、前年売上を下回った。農業分野は、生分解用は好調だったが、農業用ハウスの需要低迷の影響を受け、前年売上を下回った。

建装資材は、住宅分野の需要回復が遅れ、床材・壁材ともに前年売上を下回った。

引布商品は、輸出用のボートおよび引布原反が好調に推移したが、国内向けのボート、エアーテントが苦戦し、全体では前年売上を下回った。

当事業の連結業績は売上高39,032百万円(前連結会計年度比2.4%減)、セグメント利益(営業利益)2,554百万円(前連結会計年度比51.1%増)となった。

 

〈産業資材事業〉

ウレタンは、寝具・家具・雑貨用など主力商品がそれぞれ好調に推移し、前年売上を上回った。

断熱資材は、スチレン製品でブロックの拡販により、前年売上を上回ったが、ボード製品、システム製品は建築向けの回復が遅れ、パネル製品も仮設ハウス向けが落ち込み、全体として前年売上を下回った。

工業資材は、静電気対策品がスマートフォン向け需要減退の影響を受け、また、半導体分野では主要顧客での在庫調整や切替の影響により、前年売上を下回った。

当事業の連結業績は売上高29,882百万円(前連結会計年度比2.3%増)、セグメント利益(営業利益)2,130百万円(前連結会計年度比66.8%増)となった。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。) は7,955百万円(前連結会計年度末比829百万円増加)となった。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果、増加した資金は2,883百万円(前連結会計年度比682百万円収入増)となった。これは主に税金等調整前当期純利益4,053百万円、減価償却費2,655百万円等の増加要因と、固定資産除売却損益1,849百万円、その他の資産の増加973百万円、法人税等の支払額563百万円等の減少要因によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 
 投資活動の結果、減少した資金は851百万円(前連結会計年度比1,895百万円支出減)となった。これは主に固定資産の取得による支出3,116百万円と、固定資産の売却による収入2,313百万円によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 
 財務活動の結果、減少した資金は1,083百万円(前連結会計年度比496百万円支出増)となった。これは主に長期借入れによる収入3,000百万円と、長期借入金の返済による支出3,000百万円、配当金の支払額740百万円、自己株式の取得による支出318百万円によるものである。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

シューズ事業

7,318

△4.6

プラスチック事業

30,289

△10.2

産業資材事業

20,889

△1.8

合計

58,497

△6.7

 

(注) 1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については、相殺消去している。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

シューズ事業

19,485

△1.9

1,830

3.2

プラスチック事業

39,755

△0.9

2,592

38.6

産業資材事業

29,967

2.3

725

12.7

合計

89,208

△0.1

5,149

20.1

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去している。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

シューズ事業

19,428

△2.1

プラスチック事業

39,032

△2.4

産業資材事業

29,882

2.3

合計

88,344

△0.8

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去している。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは持続的な成長と企業価値の増大を目指して、グローバルな視点で見た優位性を活かすとともに独自技術を発揮した製品開発に注力し、社会から求められる企業集団として最善の努力をする。
 この目標実現のために会社が対処すべき課題として以下のとおりの重要課題に取り組む。

(1) 生産性の向上
  ・生産技術力の強化
  ・生産設備の更新
(2) 物流システム改革
(3) 新商品開発-製品化のスピードアップ
(4) 人事組織改革
(5) 新規基幹情報システムの導入               

(6) グローバル戦略の推進               

持続的成長を遂げ企業価値を高めることを目的としてグループ全員が情熱と論理をもって、国際的に逞しい会社を目指し、より大きな企業価値を創造する集団を構築すべく施策を推進する。

 

なお、当社は「株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下、「会社の支配に関する基本方針」という。)を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は以下のとおりである。         

当社は、平成20年4月28日開催の当社取締役会において、会社の支配に関する基本方針を決定するとともに、当初平成20年6月27日開催の当社定時株主総会の決議により「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」を導入し、その後平成23年6月29日開催の当社定時株主総会の決議により更新(以下、「旧プラン」という。)したが、旧プランについて、社会・経済情勢の変化、買収防衛をめぐる諸々の動向等を踏まえ、旧プランの更新の是非を含めその在り方について検討した結果、平成26年4月25日開催の当社取締役会において、旧プランを更新することを決定した(以下、改定後のプランを「本プラン」という。)。

本プランは、平成26年6月27日に開催された当社定時株主総会において承認された。

 

①会社の支配に関する基本方針

当社は、経営の効率性や収益性を高める観点から、専門性の高い業務知識や営業ノウハウを備えた者が取締役に就任して、法令および定款の定めを遵守しつつ当社の財務および事業の方針の決定につき重要な職務を担当することが、会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものと考えている。また、当社は株式の大量取得を目的とする買付が行われる場合において、それに応じるか否かは、最終的には株主の判断に委ねられるべきものと考えており、経営支配権の移動を通じた企業活動の活性化の意義や効果についても、何らこれを否定するものではない。
 しかしながら資本市場では、対象となる企業の経営陣との十分な協議や合意のプロセスを経ることなく、一方的に大規模な買付提案またはこれに類似する行為を強行するという動きがある。これら大規模買付や買付提案の中には、株主に株式の売却を事実上強要し株主に不利益を与える恐れのあるもの、買収の提案理由が不明確なもの、対象会社の取締役会や株主が大規模買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、明らかに濫用目的であるもの等々、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのあるものも少なくない。
 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのある大規模な買付行為や買付提案を行う者は不適切であり、このような者に対しては必要かつ相当な対抗措置をとることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えている。

 

 

②会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組み

イ.経営理念

当社グループは、前記(1)~(6)の重要課題に取り組んでいる。 

当社は創業以来、プラスチック加工技術力を継続して高め、配合技術・製膜技術・発泡技術・断熱技術・導電化技術など特徴ある技術を開発し、これらを融合・複合化させ新たな商品を提供してきた。消費財としてのシューズ分野への積極的展開、また特に省資源や省エネルギーなど地球環境に配慮した製品を住宅資材(建材用断熱材)、電子材料(太陽電池関連フィルム等)への製品化に展開している。また、防災テント、救命用ボートなど災害や新型インフルエンザなどの疫病に備えるための製品やサービスも提供しており、安心できる社会作りに貢献している。

 

ロ.コーポレートガバナンスの強化充実に向けた取り組み

当社グループは、企業理念として「社会との共生」=「顧客起点」を基本に企業行動憲章、行動規範を制定し、コーポレートガバナンス(企業統治)の充実に努めている。

また、会社法に定める内部統制構築に関する基本方針により企業統治に関する組織、規定を充実させ企業の透明性・効率性・健全性をより高めるとともに、取締役、監査役の役割の明確化に努め「経営の効率化」、「経営意思決定の迅速化」に注力している。

 

③本プランの内容(会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み)

イ.本プランの目的

本プランは、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みである。
 当社取締役会は、当社株式に対して大規模な買付行為等が行われた場合に、株主が適切な判断をするために、必要な情報や時間を確保し、買付者等との交渉等が一定の合理的なルールに従って行われることが、企業価値ひいては株主共同の利益に合致すると考えている。 
 このため、以下の内容の大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関する一定のルール(以下、「大規模買付ルール」という。)を設定し、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって大規模買付行為がなされた場合の対抗措置を含めた買収防衛策として、旧プランを本プランとして更新した。
 

ロ.本プランのスキームの概要

本プランのスキームの概要は以下のとおりである。

(a) 本プランは特定株主グループの議決権割合が20%以上となる買付行為を対象とする。

(b) 本プランを適正に運用するため、当社の業務執行から独立している社外監査役および社外有識者から選任された3名の委員で構成された独立委員会を設置する。当社取締役会は独立委員会の勧告を最大限尊重する。

(c) 当社取締役会は大規模買付者に意向表明書、必要情報の提出を求める。

(d) 当社取締役会は、必要情報の提供を受けた後、対価を現金のみとする公開買付による当社全株式の買付の場合は最長60日間、その他の大規模買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための評価期間として設定する。

(e) 当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重した上で対抗措置発動または不発動の決議をする。独立委員会が対抗措置の発動について勧告を行い発動の決議について株主総会の開催を要請する場合、または、独立委員会から対抗措置発動の勧告を受けた上で、当社取締役会が株主の意見を反映すべきと判断した場合には、当社取締役会は株主検討期間として最長60日間の期間を設定し、当該株主検討期間中に株主総会を開催する。

(f) 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合には、会社法その他の法律および当社定款が認める対抗措置により大規模買付行為に対抗する場合がある。当社取締役会がとる具体的対抗措置の一つとして、対抗措置としての効果を勘案した条件を付して新株予約権の無償割当てを行う場合がある。

 

(g) 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見の表明や、代替案の提示により株主を説得するに留め、原則として対抗措置はとらない。但し、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、例外的に当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、また、必要に応じて当社の株主総会の承認を得た上で、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、買収防衛を行うために必要かつ相当な範囲で、前記(f)の対抗措置の発動を決定することができるものとした。

(h) 本プランは、平成26年6月27日開催の当社定時株主総会において議案として審議可決され、同日より効力を発生し、その有効期限は平成29年6月開催予定の当社定時株主総会終結の時までとなっている。

 

④本プランの合理性について(本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて)

当社では、本プランの設計に際して、以下の諸点を考慮することにより、本プランが前記①の会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものとはならないと考えている。

 

イ.買収防衛策に関する指針の要件を充足していること

本プランは、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足している。また、本プランは、企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえた内容となっている。              

ロ.株主共同の利益を損なうものではないこと

本プランは、前記③イ.「本プランの目的」に記載のとおり、当社株式に対する買付等がなされた際に、当該買付に応じるべきか否かを株主が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、または株主のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって更新されたものである。
 本プランの更新は、株主の承認を条件としており、株主の意思によっては本プランの廃止も可能であることから、本プランが株主共同の利益を損なわないことを担保していると考えられる。

ハ.株主意思を反映するものであること

本プランは、平成26年6月27日開催の当社定時株主総会において、その更新について株主の意思を確認するため、議案として上程し審議可決された。
 また、更新後は本プランの有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の意向が反映される。

ニ.取締役会の恣意的判断の排除

本プランにおける対抗措置の発動は、当社の業務執行から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するよう、本プランの透明な運用を担保するための手続きも確保されている。

ホ.デッドハンド型買収防衛策ではないこと

本プランは、当社の株主総会において選任された取締役により構成される当社取締役会によって廃止することが可能である。したがって、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではない。なお、当社では取締役解任決議要件についても、特別決議を要件とするような決議要件の加重をしていない。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開について影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがある。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
 
(1) 為替の変動リスクについて
  当社グループは、為替変動リスクを回避するために、「為替取引に関するリスク管理方針」に基づき、為替予約等の対策を行っているが、為替レートの急激な変動が発生した場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を与える可能性がある。
 
(2) 原材料の調達について
 当社グループは、原材料として石油化学品、繊維、紙・鉄加工部材等を使用しているが、今後原油価格の急激な変化によって、これらの原材料コストの上下動が当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性がある。また、災害等により原材料供給元の操業が停止した場合や物流網が寸断された場合、原材料の調達が滞り当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性がある。
 
(3) ブランド契約の継続性について
 当社グループは、技術開発並びに営業戦略の一環として、各種の契約を締結し企業活動を行っている。
 当社グループは、引き続きこのような機会を前向きに活用する予定である。しかし、経営・財務、またはその他の理由により当事者間で不一致が生じた場合、契約の変更または継続しない場合もあり、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性がある。

 

(4) 災害・火災・地震による影響について

当社グループは、製造ラインの中断による影響を最小化するために全ての設備における定期的な災害防止検査と設備点検を行っている。
 また、生産拠点を分散することで効率的な配送はもとより、取引先への早期納入、安定供給を心掛けている。しかしながら、生産設備で発生する災害・火災、停電等による中断事象の影響を完全に防止できる保証はない。
 火災保険は全ての生産拠点に付保されているが、災害の規模によっては損害の全てを保険で賄うことができない場合もある。
  

(5) 法的規制(環境規制)について  

当社グループは、国内外の地域において事業を展開している。地域によっては予想外の規制変更、法令の適用等多様なリスクにさらされている。
 当社グループが事業を展開する地域における規制または法令の変更は、その内容によっては当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性がある。
 また、当社グループの事業は大気汚染、水質汚濁、廃棄物処理、指定化学物質の使用および取扱い等様々な環境法令の適用を受けており、生産活動に関し環境リスクを抱えている。
 将来、環境に係る法改正の内容によっては、法令遵守を第一義としてとらえ、多額の環境投資費用が見込まれ、これらにかかる費用が当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性がある。
 

 

(6) 国際活動および海外進出に潜在するリスクについて  

当社グループの海外市場への事業展開には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在している。
  ① 予期しない法律または規制の変更
  ② 不利な政治または経済要因
  ③ 人材の採用と確保の難しさ
  ④ 未整備の技術インフラが当社グループの活動に悪影響を及ぼすまたは当社グループの製品
        やサービスに対する顧客の支持を低下させる可能性
  ⑤ 潜在的に不利な税の影響
  ⑥ テロ、戦争またはその他の要因による社会的混乱
 当社グループは、競争力のある製品の製造とコスト削減のために、海外において生産並びに委託生産の規模拡大を続けてきた。しかし、現地における政治または法環境の変化、労働力の不足、ストライキ、経済・社会状況の変化など、予測せぬ事象により生産設備の管理やその他事業の遂行に問題が生じる可能性がある。従って、これらの事象は当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性がある。
  

(7) 訴訟に関するリスク

当社グループは、事業を展開するにあたって、製造、加工または輸出入し販売する製品の製造物責任関連、労務関連、知的財産関連その他に関して、訴訟を提起された場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性がある。

 

(8) 品質管理について

当社グループは、顧客に信頼される品質の製品を提供するため「品質基本方針」に基づき、品質管理体制に万全を期し、製品の製造を行っている。
 しかしながら、予想を超える重大な品質トラブルが発生した場合には、多額のコストを要するほか、ブランドイメージや社会的評価が低下し、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性がある。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(提出会社)

(1) 当社が技術援助等を受けている契約

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

ベネトンジャパン㈱

日本国

シューズ

商標UNITED COLORS OF
BENETTON.の履物への使用

平成27年1月1日より
平成28年12月31日まで

A.S.Création Tapeten AG

ドイツ国

壁紙

壁紙デザイン製造技術
及び販売

平成28年5月31日より
平成31年5月30日まで

スポルディングジャパン㈱

日本国

シューズ

商標スポルディングの履物への使用

平成28年1月1日より
平成30年12月31日まで

 

(注) 上記の契約においては、それぞれロイヤリティとして売上高の一定率を支払っている。

 

(2) 当社が技術援助等を与えている契約

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

伊藤忠商事㈱

日本国

ウェア、文房具類、自転車等、履物以外の商品

商標瞬足の履物以外の商品への使用

平成21年2月23日より
平成28年12月31日まで

 

 

(3) 技術援助契約等による合弁会社

契約締結先

内容

出資割合

合弁会社名

設立年月

昆山協孚人造皮
有限公司
(中華人民共和国)

中級・高級塩ビレザー及びその完成品の製造及び販売

当社
 50% 3,325千米ドル
昆山協孚人造皮有限公司
 50% 3,325千米ドル

昆山阿基里斯人造皮有限公司
(資本金6,650千米ドル)

平成5年12月

 

 

(4) 当社のその他の契約

当社は運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行3行と総額3,000百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結している。

 

(5) 当社の解約した契約

該当事項なし。

 

(関係会社)

該当事項なし。

 

 

6 【研究開発活動】

 省エネ、環境、健康、をキーワードに、これまでの技術を向上・進化させ、独創性のある製品を提案し続けるために、当社のコア技術であるプラスチック加工(成型・製膜・発泡)を軸に研究開発活動を行ってきた。
 省エネ商品としては、新規発泡剤を用いて優れた断熱性能が保持できる断熱材の開発、環境配慮型の商品としては、機能性を持った生分解性マルチフィルムの開発、健康を促進する商品としては、低反発と高弾性を兼ね備えた次世代のベットマットレスの開発等、市場が最も求めていることに貢献可能な商品を開発している。
 当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は、1,484百万円であり、各事業の研究開発の目的、主要課題、成果および研究開発費は以下のとおりである。
 なお、研究開発費には各事業に配分できない基礎研究費534百万円が含まれている。

 

(1)シューズ事業
 ジュニア、チャイルド用スポーツシューズのトップブランドである「瞬足」は、主力のランニングカテゴリーに短距離向け新シリーズ「SYUNSOKU STORM」を投入し、好評を得た。また、現代の子供たちの足幅に対応した、選べる足幅3タイプ(1E、2E、3E)の充実を進めた。さらに、小学校高学年以上に向けた陸上トレーニングモデル「瞬足JAPAN」、衝撃吸収性を高めた「SYUNSOKU TYPE-R」、女児向け新モデル「SYUNSOKU BIT」など、瞬足ファミリーブランドの充実を図った。災害など非常時に長距離歩行が可能な20km歩けるパンプス「ALL DAY Walk」が、大きな反響をよんでおり、素材バリエーションの拡大をさらに進めた。高機能スーパークッション「ソルボセイン」を搭載した「アキレス・ソルボ」では、レディースウォーキングシリーズを投入し、「スポルディング」ブランドからは、誰もが気軽に全身運動効果を期待できるスポーツとして注目を集めている「ノルディックウォーキング」シリーズの充実を進めた。
 当事業に係わる研究開発費は438百万円である。

 

(2)プラスチック事業 
 合成皮革関係は、従来からの車輌分野用にハンドル用合皮、耐摩耗性に優れたPVCレザーの開発を、また、航空機・鉄道車輌の座席用合成皮革をそれぞれ開発上市した。
 フィルム関係では、PVCフィルムで、東京オリンピックを睨んだメディア用フィルム、POフィルムについては、食品用の結束フィルムの開発に注力し、上市が図れた。
 建装関係は、海外輸出用壁紙として、新オリジナルコレクション「OMDÉCOR(オンデコール)」を発表した。
 引布商品では、原発廃炉用ケブラーゴム引布原反を開発上市した。マリン商品では、カタマラン構造の「KUWAGATA」の上市。水難・水害対策用レスキューボートを開発上市した。

 当事業に係わる研究開発費は349百万円である。

 

(3)産業資材事業
 軟質ウレタン関係は、高い吸放湿性を実現した軟質ウレタンフォーム「モイスチャリズム」と、より通気性・通水性に優れた無膜軟質ウレタンフォーム「テラセル」を開発した。
 硬質ウレタン関係では、低GWPガスであるHFOを用いた現場発泡システム原液「アキレスエアロンFR-FO」について、さらなる市場での展開を図るためラインアップを充実し厚吹き用処方を開発した。
 工業資材関係は、進化するシリコンウエハーの3次元積層加工技術をサポートする部材として、ウエハー非接触搬送用スペーサー「リングスペーサー」を開発上市した。
 当事業に係わる研究開発費は161百万円である。

 

(4)独自技術による成長分野への新商品開発を担う研究開発本部では、ウレタン弾性体の独自配合技術により、これまでに無い高反発で衝撃吸収特性に優れた新素材が開発でき、シューズをはじめ床材、寝具等に新たな機能を付加する新素材として展開中である。
 また、耐久性に優れた防汚処理剤を開発しており、車輌分野を中心とした合成皮革への応用に取り組んでいる。STEPプロジェクト(導電性ポリマーを用いた新しい無電解めっきシステム)では、タッチパネル用の透明電極、立体の透明電極等の新たな商品を提案しており、高い注目度が得られた。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績

① 当連結会計年度の業績

当連結会計年度は、売上高88,344百万円となり前連結会計年度比0.8%の減となった。当連結会計年度における経済情勢は、国内経済は雇用・所得環境の改善が進むなか原油価格の安定により堅調な回復が期待されたものの、個人消費の低迷が長期化し、鉱工業生産も弱含みとなった。海外では米国経済が好調を継続し、先進各国経済も回復へ向かうと思われたが、中国をはじめとするアジア新興国や資源輸出国の景気下振れにより、世界経済も予断を許さない情勢が続いた。また原油価格低下の効果はあるものの、不安定な為替相場や株価の下落は消費意欲を押し下げ、企業活動にも影響を与えるなど厳しい事業環境が継続した。

このような事業環境のもと、当社グループは企業価値の増大を目指して、ブランド力・魅力ある商品創りと製品の拡販に注力した。具体的には省エネルギー関連製品、環境対応製品、スポーツ健康関連製品などの成長分野と、インフラ整備、防災関連分野およびグローバル化へと積極的な事業展開を推進するとともに、徹底したコストダウンに取り組んだ結果、売上総利益率は前連結会計年度比1.4%好転し、売上総利益も前連結会計年度から1,119百万円増加して17,400百万円(前連結会計年度比6.9%増)となった。

販売費及び一般管理費については、前連結会計年度から166百万円増加し(前連結会計年度比1.1%増)、これにより営業利益は前連結会計年度から952百万円増加の1,865百万円(前連結会計年度比104.3%増)となった。

営業外損益については、前連結会計年度比38百万円減の528百万円の収益となり、経常利益は前連結会計年度から914百万円増加し2,394百万円(前連結会計年度比61.8%増)となった。

特別損益については、特別利益として固定資産売却益2,038百万円の計上と、特別損失として減損損失129百万円の計上等により、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度から2,262百万円増加し4,053百万円(前連結会計年度比126.4%増)となった。
 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から1,256百万円増加し2,543百万円(前連結会計年度比97.5%増)となった。

 

② セグメントの概況

(イ) シューズ事業

ジュニアスポーツシューズのトップブランド「瞬足」から新たに投入された、着地の衝撃を吸収する機能を搭載した「SYUNSOKU STORM」や、米国ブランド「アウトドアプロダクツ」は好調に推移したが、暖冬の影響によるブーツの伸び悩みとキャラクターシューズの低迷により、シューズ事業全体では前年売上を下回った。

当事業の連結業績は売上高19,428百万円(前連結会計年度比2.1%減)、セグメント利益(営業利益)△730百万円(前連結会計年度は80百万円)となった。

 

(ロ) プラスチック事業

車輌内装用資材は、堅調な北米マーケット向けの伸長があったが、国内自動車販売の不振と中国・東南アジアマーケットの減速により、前年売上を下回った。

フイルムの国内事業は、内需関連が一般用で伸び悩み、前年売上を下回った。輸出は、欧州向けや豪州向けの窓用フィルムが好調で前年売上を上回った。北米事業は、医療用等が好調に推移したが、文具用が低迷し、前年売上を下回った。農業分野は、生分解用は好調だったが、農業用ハウスの需要低迷の影響を受け、前年売上を下回った。

建装資材は、住宅分野の需要回復が遅れ、床材・壁材ともに前年売上を下回った。

引布商品は、輸出用のボートおよび引布原反が好調に推移したが、国内向けのボート、エアーテントが苦戦し、全体では前年売上を下回った。

当事業の連結業績は売上高39,032百万円(前連結会計年度比2.4%減)、セグメント利益(営業利益)2,554百万円(前連結会計年度比51.1%増)となった。

 

 

(ハ) 産業資材事業

ウレタンは、寝具・家具・雑貨用など主力商品がそれぞれ好調に推移し、前年売上を上回った。

断熱資材は、スチレン製品でブロックの拡販により、前年売上を上回ったが、ボード製品、システム製品は建築向けの回復が遅れ、パネル製品も仮設ハウス向けが落ち込み、全体として前年売上を下回った。

工業資材は、静電気対策品がスマートフォン向け需要減退の影響を受け、また、半導体分野では主要顧客での在庫調整や切替の影響により、前年売上を下回った。

当事業の連結業績は売上高29,882百万円(前連結会計年度比2.3%増)、セグメント利益(営業利益)2,130百万円(前連結会計年度比66.8%増)となった。

 

(2) 財政状態

① 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は78,007百万円となり、前連結会計年度末比30百万円の増加となった。

流動資産については、主要項目である売上債権、たな卸資産の当連結会計年度末の金額はそれぞれ27,953百万円、12,692百万円となった。売上債権は前連結会計年度末より411百万円増加し、たな卸資産は前連結会計年度末より370百万円増加した。また、現金及び預金については、前連結会計年度末比829百万円増加の7,957百万円となった。

固定資産については、有形固定資産は当連結会計年度末18,393百万円で、前連結会計年度末比673百万円減少となった。無形固定資産は前連結会計年度末比133百万円減の539百万円となった。投資その他の資産は前連結会計年度末比364百万円減の8,601百万円となった。

負債については、当連結会計年度末の負債合計は34,466百万円となり、前連結会計年度末比41百万円増加となった。支払手形及び買掛金については当連結会計年度末14,589百万円で前連結会計年度末比23百万円減少となった。未払金は当連結会計年度末3,876百万円で前連結会計年度末比354百万円増加となった。借入金は当連結会計年度末5,315百万円となり、前連結会計年度末比24百万円減少となった。その他流動負債は当連結会計年度末4,430百万円で前連結会計年度末比59百万円減少となった。退職給付に係る負債は当連結会計年度末5,073百万円で前連結会計年度末比278百万円減少している。

純資産については、当連結会計年度末43,541百万円となり前連結会計年度末より10百万円減少となった。これは、利益剰余金が1,803百万円増加したことと、資本剰余金が965百万円、退職給付に係る調整累計額が808百万円減少したことによる。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは2,883百万円(前連結会計年度比682百万円収入増)となった。これは主に税金等調整前当期純利益4,053百万円、減価償却費2,655百万円等の増加要因と、固定資産除売却損益1,849百万円、その他の資産の増加973百万円、法人税等の支払額563百万円等の減少要因によるものである。

投資活動によるキャッシュ・フローは851百万円の支出(前連結会計年度比1,895百万円支出減)となった。これは主に固定資産の取得による支出3,116百万円と、固定資産の売却による収入2,313百万円によるものである。

財務活動によるキャッシュ・フローは1,083百万円の支出(前連結会計年度比496百万円支出増)となった。これは主に長期借入れによる収入3,000百万円と、長期借入金の返済による支出3,000百万円、配当金の支払額740百万円、自己株式の取得による支出318百万円によるものである。

これらのキャッシュ・フローの状況により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、7,955百万円(前連結会計年度末比829百万円増加)となった。