第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループの基本方針は、「社会との共生」=「顧客起点」という企業理念のもと、お客様の真の満足と感動を戴ける製品の創造とサービスの提供を通して、豊かな社会の実現に貢献するために、持続的に企業価値を高めていくことにあり、企業倫理と遵法の精神に基づき透明度の高い経営を行い、社会の信頼を得ていくことが重要であると考えております。企業価値の向上を図るため、安定的な利益が確保できる事業基盤を確立する一方、成長分野への積極的な投資を行い事業の強化を図り、株主の皆様をはじめとする全てのステークホルダーに存在意義を示し、お応えしていく会社になることを目指しております。

 

(2) 目標とする経営指標

会社の基本方針である企業価値の向上を図るため、資本効率と収益性を重視し、自己資本利益率(ROE)と総資産経常利益率(ROA)の向上を目指してまいります。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

今後わが国の経済は、雇用と所得環境の改善が継続することで個人消費も回復に向かうものと期待されますが、中長期的には少子高齢化がさらに進み人口減少と年齢構成の変化が生産活動や消費行動に大きく影響を与えることが予測されます。世界的には、新興国の台頭に伴い生産・消費が拡大する一方で、地球環境の保護や省エネルギーの重要性がますます叫ばれるようになると思われます。また、IoTやAI技術の発達は新たな事業を創出する反面、既存事業の構造や働き方の改革が求められることが予想されます。

世界・日本における生産活動や消費行動の大きな変化に対応し、持続的な成長を遂げるため、当社グループが保有する技術と経営資源を最大限に活かし、積極的な展開を図ることにより「企業に社会に未来に、新たな価値を創り続けていくこと」を目指します。この目標を実現するために当社が対処すべき課題として以下のとおりの重要課題に取り組んでまいります。

<事業戦略>

① 消費財分野の強化・ブランド確立による企業価値の向上

② 中間財・生産財の高品質化によるシェア拡大

③ 海外生産・販売各拠点の再構築

<経営基盤の強化>

① シューズ事業の収益性改善

② 当社固有技術の強化による生産性の向上

③ 国内外の物流改革

④ 顧客起点に立った迅速な新商品開発

⑤ 新人事制度によるグローバル人材の育成

⑥ 基幹情報システム更新

持続的成長を遂げ企業価値を高めることを目的としてグループ全員が情熱と論理をもって、国際的に逞しい会社を目指し、より大きな価値を創造する企業集団を構築してまいります。

 

(4) 株式会社の支配に関する基本方針

①基本方針の内容

当社は、経営の効率性や収益性を高める観点から、専門性の高い業務知識や営業ノウハウを備えた者が取締役に就任して、法令および定款の定めを遵守しつつ当社の財務および事業の方針の決定につき重要な職務を担当することが、会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものと考えております。また、当社は株式の大量取得を目的とする買付が行われる場合において、それに応じるか否かは、最終的には株主の判断に委ねられるべきものと考えており、経営支配権の移動を通じた企業活動の活性化の意義や効果についても、何らこれを否定するものではありません。

しかしながら資本市場では、対象となる企業の経営陣との十分な協議や合意のプロセスを経ることなく、一方的に大規模な買付提案またはこれに類似する行為を強行するという動きがあります。これら大規模買付や買付提案の中には、株主に株式の売却を事実上強要し株主に不利益を与える恐れのあるもの、買収の提案理由が不明確なもの、対象会社の取締役会や株主が大規模買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、明らかに濫用目的であるもの等々、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのあるものも少なくありません。

当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方といたしましては、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのある大規模な買付行為や買付提案を行う者は不適切であり、このような者に対しては必要かつ相当な対抗措置をとることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。

 

②基本方針の実現に資する取組み

イ.当社は、前記(3)の重要課題に取り組み、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保、向上を図っております。

また、当社は創業以来、プラスチック加工技術力を継続して高め、配合技術・製膜技術・発泡技術・断熱技術・導電化技術など特徴ある技術を開発し、これらを融合・複合化させ、お客様により身近な製品、独創性のある商品を提供してまいりました。具体的には、省エネルギー関連製品、環境対応製品、生活関連製品など成長分野とインフラ整備関連分野へ積極的な事業展開を推進し、企業価値の向上を図ってまいりました。

ロ.当社は、企業理念として「社会との共生」=「顧客起点」を基本に企業行動憲章、行動規範を制定し、コーポレートガバナンス(企業統治)の充実に努めております。

また、会社法に定める内部統制構築に関する基本方針により企業統治に関する組織、規定を充実させ企業の透明性・効率性・健全性をより高めるとともに、取締役、監査役の役割の明確化に努め「経営の効率化」、「経営意思決定の迅速化」に注力しております。

 

③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、当社の企業価値向上に向けた取組みを進めるとともに、当社株式について大規模買付行為を行いまたは行おうとする者に対しては、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努める等、法令および定款の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。

なお、当社は、平成20年6月27日開催の定時株主総会の決議により「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下、「本プラン」といいます。)を導入し、継続してまいりました。しかし、平成29年4月25日開催の取締役会において本プランを継続しないことを決議したため、本プランは平成29年6月29日開催の定時株主総会の終結の時をもって、有効期限満了により終了しております。

 

④取組みに対する取締役会の判断及びその理由

当社取締役会は、前記③の取組みについて、合理的かつ妥当な内容であって、前記①の基本方針に沿っており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものではなく、かつ当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開について影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
 
(1) 為替の変動リスクについて
  当社グループは、為替変動リスクを回避するために、「為替取引に関するリスク管理方針」に基づき、為替予約等の対策を行っておりますが、為替レートの急激な変動が発生した場合は、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。
 
(2) 原材料の調達について
 当社グループは、原材料として石油化学品、繊維、紙・鉄加工部材等を使用しておりますが、今後原油価格の急激な変化によって、これらの原材料コストの上下動が当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。また、災害等により原材料供給元の操業が停止した場合や物流網が寸断された場合、原材料の調達が滞り当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。
 
(3) ブランド契約の継続性について
 当社グループは、技術開発並びに営業戦略の一環として、各種の契約を締結し企業活動を行っております。
 当社グループは、引き続きこのような機会を前向きに活用する予定であります。しかし、経営・財務、またはその他の理由により当事者間で不一致が生じた場合、契約の変更または継続しない場合もあり、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(4) 災害・火災・地震による影響について

当社グループは、製造ラインの中断による影響を最小化するために全ての設備における定期的な災害予防検査と設備点検を行っております。
 また、生産拠点を分散することで効率的な配送はもとより、取引先への早期納入、安定供給を心掛けております。しかしながら、生産設備で発生する災害・火災、停電等による中断事象の影響を完全に防止できる保証はありません。
 火災保険は全ての生産拠点に付保されていますが、災害の規模によっては損害の全てを保険で賄うことができない場合もあります。
  

(5) 法的規制(環境規制)について  

当社グループは、国内外の地域において事業を展開しております。地域によっては予想外の規制変更、法令の適用等多様なリスクにさらされております。
 当社グループが事業を展開する地域における規制または法令の変更は、その内容によっては当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。
 また、当社グループの事業は大気汚染、水質汚濁、廃棄物処理、指定化学物質の使用および取扱い等様々な環境法令の適用を受けており、生産活動に関し環境リスクを抱えております。
 将来、環境に係る法改正の内容によっては、法令遵守を第一義としてとらえ、多額の環境投資費用が見込まれ、これらにかかる費用が当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。
 

 

(6) 国際活動および海外進出に潜在するリスクについて  

当社グループの海外市場への事業展開には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しております。
  ① 予期しない法律または規制の変更
  ② 不利な政治または経済要因
  ③ 人材の採用と確保の難しさ
  ④ 未整備の技術インフラが当社グループの活動に悪影響を及ぼすまたは当社グループの製品
        やサービスに対する顧客の支持を低下させる可能性
  ⑤ 潜在的に不利な税の影響
  ⑥ テロ、戦争またはその他の要因による社会的混乱
 当社グループは、競争力のある製品の製造とコスト削減のために、海外において生産並びに委託生産の規模拡大を続けてまいりました。しかし、現地における政治または法環境の変化、労働力の不足、ストライキ、経済・社会状況の変化など、予測せぬ事象により生産設備の管理やその他事業の遂行に問題が生じる可能性があります。従って、これらの事象は当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。
  

(7) 訴訟に関するリスク

当社グループは、事業を展開するにあたって、製造、加工または輸出入し販売する製品の製造物責任関連、労務関連、知的財産関連その他に関して、訴訟を提起された場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(8) 品質管理について

当社グループは、顧客に信頼される品質の製品を提供するため「品質基本方針」に基づき、品質管理体制に万全を期し、製品の製造を行っております。
 しかしながら、予想を超える重大な品質トラブルが発生した場合には、多額のコストを要するほか、ブランドイメージや社会的評価が低下し、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)

当連結会計年度における経済情勢は、国内では緩やかながら景気拡大の期間が高度経済成長期の「いざなぎ景気」を超え、企業の設備投資も自動車・半導体分野に加え、人手不足を背景とした自動化・省力化へ向けた投資も活発となりました。一方で、将来の不透明感により個人消費や消費者物価指数は低い伸びで推移しました。海外では米国経済が好調を維持し、中国およびアジア新興国や資源国の経済も拡大基調で推移しましたが、年度後半に米国の金利・通商政策への反応で株価が一時急落し、世界経済に大きなインパクトを与えることとなりました。これらの影響もあり為替相場は不安定な状況が続き、原油などの天然資源価格も上昇を続けるなど、不確実な事業環境が継続しました。

このような事業環境のもと、当社グループは企業価値の増大を目指して、お客様が求める商品・ブランド力のある商品創りに注力してまいりました。具体的には省エネルギー関連製品、環境対応製品、生活関連製品など成長分野とインフラ整備関連分野、およびグローバル化へと積極的な事業展開を推進するとともに、継続してコストダウンおよび省エネルギー・廃棄物の削減に取り組んでまいりました。

その結果、当期連結業績は売上高87,910百万円(前連結会計年度比1.1%増)、営業利益2,343百万円(前連結会計年度比7.6%減)、経常利益2,769百万円(前連結会計年度比7.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,284百万円(前連結会計年度比15.7%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

〈シューズ事業〉

ジュニアスポーツシューズブランド「瞬足」は、「SYUNSOKU PHANTOM」を新たに投入し拡販に注力しましたが、海外ブランドの台頭などにより前年売上を下回りました。一方、「ソルボセイン」搭載のコンフォートシューズ「アキレス・ソルボ」は、主軸の婦人向け製品を全国の有名百貨店へ拡販し、前年売上を上回りましたが、シューズ事業全体では前年売上を下回りました。

当事業の連結業績は売上高15,739百万円(前連結会計年度比11.3%減)、セグメント損失(営業損失)は770百万円(前連結会計年度は1,277百万円のセグメント損失)となりました。

 

〈プラスチック事業〉

車輌内装用資材は、国内・中国向けが採用車種の増産により伸長し、前年売上を上回りました。

フイルムの国内事業は、内需関連が電材用で好調に推移し、前年売上を上回りました。輸出は、欧州向け窓用が好調に推移し、前年売上を上回りました。北米事業は、産業用が好調でしたが医療用で苦戦し、前年売上を下回りました。農業分野は、生分解性製品が好調に推移し、前年売上を上回りました。

建装資材の壁材は、新設住宅着工戸数の前年割れが続く中、新たに投入した製品の販売が好調に推移し、前年売上を上回りました。一方、床材は、主力製品のクッションフロアの低迷により、前年売上を下回りました。

引布商品は、大型救助ボートの新規受注獲得および排水管用ジョイントの好調により、前年売上を上回りました。

当事業の連結業績は売上高41,326百万円(前連結会計年度比4.3%増)、セグメント利益(営業利益)は3,603百万円(前連結会計年度比2.0%増)となりました。

 

 

〈産業資材事業〉

ウレタンは、寝具・車輌・雑貨用など主力製品が好調に推移し、前年売上を上回りました。

断熱資材は、パネル製品は畜産向け、スチレン製品はブロックの受注が好調に推移し、前年売上を上回りました。ボード製品・システム製品は、下半期の住宅・建築市場の低迷により前年売上を下回りましたが、断熱資材全体では前年売上を上回りました。

工業資材は、中国市場で伸び悩みましたが、北米を中心とした半導体分野向け搬送用部材の拡大と、国内での静電気対策品の販売増により、前年売上を上回りました。

当事業の連結業績は売上高30,844百万円(前連結会計年度比4.3%増)、セグメント利益(営業利益)は2,067百万円(前連結会計年度比18.2%減)となりました。

 

(財政状態の状況)
a.資産

当連結会計年度末の資産合計は79,573百万円となり、前連結会計年度に比べ147百万円減少となりました。これは主に現金及び預金が1,296百万円、受取手形及び売掛金が1,804百万円減少しましたが、有形固定資産が1,053百万円、電子記録債権が874百万円、退職給付に係る資産が572百万円増加したことによるものであります。

b.負債

当連結会計年度末の負債合計は34,513百万円となり、前連結会計年度に比べ369百万円減少となりました。これは主にその他流動負債が551百万円、支払手形及び買掛金が458百万円減少しましたが、電子記録債務が877百万円増加したことによるものであります。

c.純資産

当連結会計年度末の純資産合計は45,059百万円となり、前連結会計年度に比べ222百万円増加となりました。これは主に利益剰余金が1,402百万円、退職給付に係る調整累計額が663百万円増加しましたが、資本剰余金が1,504百万円減少したことによるものであります。なお、自己株式の取得1,636百万円と、自己株式の消却1,504百万円を実施しております。

 
② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は8,653百万円(前連結会計年度末比1,296百万円減少)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は4,670百万円(前連結会計年度比1,626百万円収入減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,919百万円、売上債権の減少額951百万円等の増加要因と、法人税等の支払額1,042百万円等の減少要因によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は3,463百万円(前連結会計年度比1,191百万円支出増)となりました。これは主に固定資産の取得による支出4,262百万円と、固定資産の売却による収入888百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は2,518百万円(前連結会計年度比633百万円支出増)となりました。これは主に自己株式の取得による支出1,636百万円と、配当金の支払額881百万円によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

シューズ事業

6,193

△6.3

プラスチック事業

32,225

+5.4

産業資材事業

22,394

+5.7

合計

60,813

+4.2

 

(注) 1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

シューズ事業

15,586

△5.4

417

△26.7

プラスチック事業

41,337

+5.2

2,272

+0.5

産業資材事業

31,086

+4.8

1,064

+29.3

合計

88,010

+3.0

3,753

+2.7

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.シューズ事業について、当連結会計年度より受注残高の集計方法を変更しております。この変更に伴い前期実績につきましても修正を行っております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

シューズ事業

15,739

△11.3

プラスチック事業

41,326

+4.3

産業資材事業

30,844

+4.3

合計

87,910

+1.1

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計基準は、「第5  経理の状況」に記載のとおりであります。

なお、当社グループの連結財務諸表の作成において、たな卸資産の評価、固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性、有価証券の評価、退職給付に係る資産および負債等の計上について見積り計算を行っており、これらの見積りについては過去の実績等を勘案して合理的に判断をしておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.当連結会計年度の経営成績の分析

(a) 売上高

売上高は、プラスチック及び産業資材事業が好調に推移し、前連結会計年度に比べ972百万円増加し、87,910百万円(前連結会計年度比1.1%増)となりました。

 

(b) 営業利益

売上総利益は、原材料価格の上昇による影響もありましたが売上高が好調に推移したこと等により、前連結会計年度に比べ121百万円増加し、18,315百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、売上高の増加に伴う物流費の増加等により前連結会計年度に比べ312百万円増加し、15,971百万円となりました。

この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ191百万円減少し、2,343百万円(前連結会計年度比7.6%減)となりました。

 

(c) 経常利益

営業外収益は、前連結会計年度に比べ16百万円増加し、587百万円となりました。これは主に持分法投資利益が45百万円増加、受取利息及び配当金が18百万円減少したことによるものであります。

営業外費用は、前連結会計年度に比べ59百万円増加し、162百万円となりました。これは主に為替差損が44百万円発生したことによるものであります。

この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ235百万円減少し、2,769百万円(前連結会計年度比7.8%減)となりました。

 

 

(d) 親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益は、前連結会計年度に比べ19百万円増加し、610百万円となり、特別損失は、前連結会計年度に比べ215百万円減少し、460百万円となりました。特別損失は主に、特別退職金178百万円、固定資産除却損135百万円、減損損失82百万円がそれぞれ減少した一方、当連結会計年度に火災損失164百万円を計上したことによるものであります。

法人税等の税金費用は、前連結会計年度に比べ310百万円減少し、634百万円となりました。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ310百万円増加し、2,284百万円(前連結会計年度比15.7%増)となりました。

 

ロ.経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

ハ.当連結会計年度末の財政状態の分析

当連結会計年度末の資産合計は79,573百万円であり、前連結会計年度末に比べ147百万円の減少となりました。

流動資産については、前連結会計年度末に比べ1,857百万円減少の49,504百万円となりました。これは主に現金及び預金が1,296百万円、売上債権が930百万円減少したことによります。

固定資産については、前連結会計年度末に比べ1,709百万円増加の30,069百万円となりました。これは主に有形固定資産が1,053百万円、退職給付に係る資産が572百万円増加したことによります。

当連結会計年度末の負債合計は34,513百万円であり、前連結会計年度末に比べ369百万円の減少となりました。

流動負債については、前連結会計年度末に比べ252百万円減少の25,950百万円となりました。これは主に仕入債務が418百万円増加しましたが、その他流動負債が551百万円減少したことによります。

固定負債については、前連結会計年度末に比べ116百万円減少の8,563百万円となりました。これは主に退職給付に係る負債が116百万円減少したことによります。

当連結会計年度末の純資産は45,059百万円であり、前連結会計年度末に比べ222百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金が1,402百万円、退職給付に係る調整累計額が663百万円増加しましたが、資本剰余金が1,504百万円減少したことによります。

また、当連結会計年度において、自己株式の取得1,636百万円及び自己株式の消却1,504百万円を実施しておりますので、自己株式残高は1,285百万円となっております。

自己資本比率は、56.6%となり前連結会計年度末に比べ0.4%好転しております。

 

 

ニ.資本の財源及び資金の流動性

(a) キャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

キャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。

 

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

平成30年3月期

自己資本比率(%)

55.9

55.8

56.2

56.6

時価ベースの自己資本比率(%)

35.6

33.8

37.2

46.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

2.4

1.8

0.8

1.1

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

30.1

46.5

177.9

135.0

 

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。

3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(b) 契約債務

平成30年3月31日現在の契約債務の概要は、次のとおりであります。

 

年度別要支払額(百万円)

契約債務

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

短期借入金

2,232

2,232

長期借入金

3,000

3,000

 

 

(c) 財務政策

資金状況は、安定した収益と成長性を確保するための運転資金及び設備投資に必要な資金は、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉としております。借入債務についても一定水準を維持し流動性を確保しております。なお、設備投資計画として製造設備の新設及び更新の主なものとして、プラスチック工場の壁材製造設備の排煙処理装置の新設、足利第一工場における研修施設の新設等を予定しておりますが、自己資金及び借入金で賄う予定であります。

また、当社グループは、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行3行との間で3,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。

 

 

ホ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

〈シューズ事業〉

売上高は、15,739百万円であり、前連結会計年度に比べ2,001百万円の減収(前連結会計年度比11.3%減)となりました。主な減少要因は、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

セグメント損失は、主に輸入に係る為替の影響による売上総利益率の好転、販売費及び一般管理費の減少により、770百万円の損失(前連結会計年度は1,277百万円のセグメント損失)となりました。

セグメント資産は、主に売上高の減少に伴う売上債権の減少により、前連結会計年度末に比べ548百万円減少の16,453百万円(前連結会計年度末比3.2%減)となりました。

 

 〈プラスチック事業〉

売上高は、41,326百万円であり、前連結会計年度に比べ1,694百万円の増収(前連結会計年度比4.3%増)となりました。主な増加要因は、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

セグメント利益は、物流費の増加による影響もありましたが、売上高が好調に推移したこと等により、前連結会計年度に比べ70百万円増加の3,603百万円(前連結会計年度比2.0%増)となりました。

セグメント資産は、主に設備投資等の有形固定資産の増加により、前連結会計年度末に比べ474百万円増加の28,377百万円(前連結会計年度末比1.7%増)となりました。

 

 〈産業資材事業〉

売上高は、30,844百万円であり、前連結会計年度に比べ1,279百万円の増収(前連結会計年度比4.3%増)となりました。主な増加要因は、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

セグメント利益は、主に原材料価格の上昇及び物流費の増加の影響により、前連結会計年度に比べ460百万円減少の2,067百万円(前連結会計年度比18.2%減)となりました。

セグメント資産は、主に設備投資等の有形固定資産の増加により、前連結会計年度末に比べ531百万円増加の19,638百万円(前連結会計年度末比2.8%増)となりました。

 

ヘ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

会社の基本方針である企業価値の向上を図るため、資本効率と収益性を重視し、自己資本利益率(ROE)と総資産経常利益率(ROA)の向上を目指しております。当連結会計年度については、次のとおりであります。

 

  前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

 至 平成29年3月31日)

  当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

 至 平成30年3月31日)

ROE(自己資本利益率)

4.5%

5.1%

ROA(総資産経常利益率)

3.8%

3.5%

 

  (注)自己資本利益率=親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本(期首期末平均)×100

     総資産経常利益率=経常利益÷総資産(期首期末平均)×100

 

当連結会計年度におけるROEは5.1%であり、前連結会計年度比0.6ポイント増加しております。また、ROAは3.5%であり、前連結会計年度比0.3ポイント減少しております。今後も資本効率と収益性の向上に努めてまいります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(提出会社)

(1) 当社が技術援助等を受けている契約

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

ベネトンジャパン㈱

日本国

シューズ

商標UNITED COLORS OF
BENETTON.の履物への使用

平成30年1月1日より
平成32年12月31日まで

A.S.Création Tapeten AG

ドイツ国

壁紙

壁紙デザイン製造技術
及び販売

平成28年5月31日より
平成31年5月30日まで

スポルディング・ジャパン㈱

日本国

シューズ

商標スポルディングの履物への使用

平成28年1月1日より
平成30年12月31日まで

 

(注) 上記の契約においては、それぞれロイヤリティとして売上高の一定率を支払っております。

 

(2) 当社が技術援助等を与えている契約

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

伊藤忠商事㈱

日本国

ウェア、文房具類、自転車等、履物以外の商品

商標瞬足の履物以外の商品への使用

平成29年1月1日より
平成31年12月31日まで

 

(注) 上記の契約においては、ロイヤリティとして売上高の一定率を受け取っております。

 

(3) 技術援助契約等による合弁会社

契約締結先

内容

出資割合

合弁会社名

設立年月

昆山協孚人造皮
有限公司
(中華人民共和国)

中級・高級塩ビレザー及びその完成品の製造及び販売

当社
 50% 3,325千米ドル
昆山協孚人造皮有限公司
 50% 3,325千米ドル

昆山阿基里斯人造皮有限公司
(資本金6,650千米ドル)

平成5年12月

 

 

(4) 当社のその他の契約

当社は運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行3行と総額3,000百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結しております。

 

(5) 当社の解約した契約

該当事項はありません。

 

(関係会社)

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

 省エネ、環境、健康、をキーワードに、これまでの技術を向上・進化させ、独創性のある製品を提案し続けるために、当社のコア技術であるプラスチック加工(成型・製膜・発泡)を軸に研究開発活動を行ってまいりました。
 省エネ商品としては、新規発泡剤を用いて優れた断熱性能が保持できる高性能断熱材の開発、環境配慮型の商品としては、環境負荷物質の低減が図れる新しい無電解めっき技術の開発、健康を促進する商品としては、快適な睡眠をサポートする温度調節機能を持ったウレタンフォームの開発等、市場が最も求めていることに貢献可能な商品を開発しております。
 当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は、1,503百万円であり、各事業の研究開発の目的、主要課題、成果および研究開発費は以下のとおりであります。
 なお、研究開発費には各事業に配分できない基礎研究費393百万円が含まれております。

 

(1)シューズ事業
 ジュニアスポーツシューズブランドである「瞬足」は、主力のランニングカテゴリーに独自のソール素材を採用し反発性+衝撃吸収性をアップした「SYUNSOKU ULTRAWIDE」と独自のエアーサスペンション構造を持った「SYUNSOKU PHANTOM」を投入しました。また、子供が一日で一番長く履く靴の上履き靴では「瞬足@SCHOOL」を新たに発売いたしました。自社開発素材を採用した「MEDIFOAM」では発売当初より好評を得ており、ランニングシューズを主力に市民ランナーからトップアスリートに向けた各グレードに合せた商品の充実を進めております。衝撃吸収、圧力分散素材「ソルボセイン」を搭載した「アキレス・ソルボ」ではソフト感のある天然皮革(レザー)を採用し足入れ感を向上しております。また新たに2色ソール(TPU+PUインジェクション)の採用でファッション性に優れた商品を加え充実を図りました。
 当事業に係わる研究開発費は382百万円であります。

 

(2)プラスチック事業 
 合成皮革関係は、ハイブリッド車向けのハンドル用合成皮革が上市に結び付いております。また、アジア圏の鉄道車輌内装材としても合成皮革による受注、上市を目指した活動に注力してまいりました。
 フィルム関係では、衛生用品等のケースとしてPOフィルムの定番品であるポビックネオの改良を進め、採用に至りました。また農業用ビニールハウス向けにべたつき防止塗工を施したプラチナコートの上市が図れました。
 建装関係は、海外の商業施設向けとして、表面強化フリース壁紙の輸出販売を開始しました。
 引布関連商品では、連結バス用ジャバラ原反の中国市場での上市を図り、ジョイントに関しては、ステンレスCタイプおよび屋内外兼用ジョイントを上市しました。マリン商品では、ジェット船外機対応ボートおよびクイックハウス建設現場簡易休憩室を開発し上市しました。

 当事業に係わる研究開発費は502百万円であります。

 

(3)産業資材事業
 軟質ウレタン関係は、人が快適に感じられるよう体感温度を32±1℃へと働きかける温度調節機能をもったウレタンフォーム新製品「ThermoPhase(サーモフェーズ)」を開発し販売を開始しました。
 硬質ウレタン関係は、一般用断熱材としては業界最高水準(真空断熱材など断熱性能の発現機構が一般の繊維系断熱材、発泡プラスチック系断熱材とは異なるものは除きます。)の断熱性能となる、熱伝導率0.018[W/(m・K)]の硬質ウレタンフォーム断熱材「ジーワンボード」(Z1ボード)を開発し販売を開始しました。
 工業資材関係は、進化するシリコンウエハーの加工をサポートする部材として、自動化に対応した「12インチ用HWSウエハー搬送容器」を開発しました。

 当事業に係わる研究開発費は225百万円であります。

 

(4)独自技術による成長分野への新商品開発を担う研究開発本部では、ウレタンの独自配合技術により開発された反発弾性、衝撃吸収性、耐久性に優れた新素材「MEDIFOAM」をランニングシューズに用いて上市しました。さらに、ウォーキングシューズへの展開、マット等に新たな機能を付加する新素材として展開しております。
 また、耐久性に優れた防汚処理剤を開発しており、車輌分野を中心とした合成皮革への応用に取り組んでおります。さらに、導電性ポリマーを用いた新しい無電解めっき技術を用いて、薄膜の電磁波シールドシート、立体の透明電極等に関して、共同開発を進めており、高い注目が得られました。