第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループの基本方針は、「社会との共生」=「顧客起点」という企業理念のもと、お客様の真の満足と感動を戴ける製品の創造とサービスの提供を通して、豊かな社会の実現に貢献するために、持続的に企業価値を高めていくことにあり、企業倫理と遵法の精神に基づき透明度の高い経営を行い、社会の信頼を得ていくことが重要であると考えております。企業価値の向上を図るため、安定的な利益が確保できる事業基盤を確立する一方、成長分野への積極的な投資を行い事業の強化を図り、株主の皆様をはじめとする全てのステークホルダーに存在意義を示し、お応えしていく会社になることを目指しております。

 

(2) 経営環境

今後、新型コロナウイルス感染症の流行収束までは、景気の減速は続き、先行き不透明な状況が継続するものと考えられ、収束後も景気の回復には相当の時間が必要と思われます。わが国の経済は、延期された東京オリンピック・パラリンピック関連事業・商品の需要拡大のチャンスがあり、回復の期待はあるものの、個人消費がどこまで改善するかが大きな鍵を握っています。中長期的には、国内では少子高齢化がさらに進み人口減少と年齢構成の変化により生産活動や消費行動が多様化することが予測され、世界的には、新興国の生産・消費が回復・拡大すると予想されますが、一方で、SDGs(持続可能な開発目標)の重要性がさらに増してくると思われます。また、IoTやAI技術の発達・キャッシュレス化の流れは新たな事業を創出・拡大する反面、既存事業の構造や働き方の改革が求められることが予想されます。

 

(3) 経営戦略等

世界・日本における生産や消費の大きな変化に対応し、持続的な成長を遂げるため、当社グループが保有する技術と経営資源を最大限に活かし、積極的・効率的な展開を図ることにより「企業に社会に未来に、新たな価値を創り続けていくことで『人と環境にやさしく快適な生活空間を創造する企業』を目指します。

事業戦略として取り組む重要課題は次の5点になります。

<事業戦略>

①脱炭素社会に向けた事業の強化

1) ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)実現のための断熱資材事業の強化

2) 脱プラスチックに対応した生分解性素材事業の拡大(プラスチックの海洋汚染対策)

3) 既存のプラスチック製品のリサイクル化の推進

②国内外の人口動態に連動した課題解決のための事業育成

1) 超高齢化社会に対応した事業の推進

2) 食品ロス対策、農業品の国内自給率向上のための事業強化

③防災事業の拡大

当社グループにおける災害対策製品や防災製品(感染症対策製品を含む)の一元化 

④海外事業の拡大推進

既存・新設の海外製造・販売拠点を活かした新規分野への挑戦

米国 ACHILLES USA,INC.・・・医療用フィルム

中国  阿基里斯(佛山)新型材料有限公司(2021年末稼動予定)・・・車輌素材

⑤生活基盤整備に資する中間財の高品質化によるシェア拡大

機能性フィルム、機能性発泡材料の開発による高品質化

 

 

(4) 優先的に対処すべき課題

事業戦略の達成に向け経営基盤を強化するために、次の重要課題に取り組んでまいります。

①シューズ事業の収益性改善

カテゴリーの選択による収益性向上

②顧客起点に立った迅速な新商品開発

軟質・硬質ウレタン新素材開発と加工製品開発等

③設備更新による競争力向上

④再生可能エネルギーの積極的使用等、炭酸ガス排出量を極小化した生産活動の推進

⑤スマートプロセス・デジタル技術付加による既存設備の生産性向上

⑥物流改革

⑦働き方改革の推進による労働生産性の向上

 

(5) 新型コロナウイルス感染症への対応

新型コロナウイルス感染症の拡大は、世界および我が国の経済、ひいては当社グループの業績に大きな影響を与えております。当社グループにおいては、個人消費の低迷や自動車産業全体の落ち込み、建築工事の遅延や中断により、シューズ事業、プラスチック事業の車輌内装用資材や建装資材、産業資材事業の断熱資材等において業績の悪化が予想されます。

一方、プラスチック事業のフイルムでは、ウイルス対策製品、飛沫感染防止シート用、感染予防ガウン用や医療用分野において需要増が見込まれております。また、医療用エアーテント、ウレタンを活用したマスク、抗ウイルスブーツ(業務用・子供用)等の感染症対策製品も注目されております。

組織的な対応・横断的な連携のもと実行力を高め、感染拡大防止を通じて社会に貢献できる事業を積極的に展開することを目指してまいります。
 

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開について影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 為替の変動リスクについて

当社グループは、為替変動リスクを回避するために、「為替取引に関するリスク管理方針」に基づき、為替予約等の対策を行っておりますが、為替レートの急激な変動が発生した場合は、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(2) 原材料の調達について

当社グループは、原材料として石油化学品、繊維、紙・鉄加工部材等を使用しておりますが、今後原油価格の急激な変化によって、これらの原材料コストの上下動が当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。また、災害等により原材料供給元の操業が停止した場合や物流網が寸断された場合、原材料の調達が滞り当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(3) ブランド契約の継続性について

当社グループは、技術開発並びに営業戦略の一環として、各種の契約を締結し企業活動を行っております。

当社グループは、引き続きこのような機会を前向きに活用する予定であります。しかし、経営・財務、またはその他の理由により当事者間で不一致が生じた場合、契約の変更または継続しない場合もあり、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(4) 災害・火災・地震による影響について

当社グループは、製造ラインの中断による影響を最小化するために全ての設備における定期的な災害予防検査と設備点検を行っております。

また、生産拠点を分散することで効率的な配送はもとより、取引先への早期納入、安定供給を心掛けております。しかしながら、生産設備で発生する災害・火災、停電等による中断事象の影響を完全に防止できる保証はありません。

火災保険は全ての生産拠点に付保されていますが、災害の規模によっては損害の全てを保険で賄うことができない場合もあります。

 

(5) 法的規制(環境規制)について

当社グループは、国内外の地域において事業を展開しております。地域によっては予想外の規制変更、法令の適用等多様なリスクにさらされております。

当社グループが事業を展開する地域における規制または法令の変更は、その内容によっては当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

また、当社グループの事業は大気汚染、水質汚濁、廃棄物処理、指定化学物質の使用および取扱い等様々な環境法令の適用を受けており、生産活動に関し環境リスクを抱えております。

将来、環境に係る法改正の内容によっては、法令遵守を第一義としてとらえ、多額の環境投資費用が見込まれ、これらにかかる費用が当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります

 

 

(6) 国際活動および海外進出に潜在するリスクについて

当社グループの海外市場への事業展開には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しております。


①予期しない法律または規制の変更
②不利な政治または経済要因
③人材の採用と確保の難しさ
④未整備の技術インフラが当社グループの活動に悪影響を及ぼすまたは当社グループの製品やサービスに対する顧

客の支持を低下させる可能性
⑤潜在的に不利な税の影響
⑥テロ、戦争またはその他の要因による社会的混乱

当社グループは、競争力のある製品の製造とコスト削減のために、海外において生産並びに委託生産の規模拡大を続けてまいりました。しかし、現地における政治または法環境の変化、労働力の不足、ストライキ、経済・社会状況の変化など、予測せぬ事象により生産設備の管理やその他事業の遂行に問題が生じる可能性があります。従って、これらの事象は当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(7) 訴訟に関するリスク

当社グループは、事業を展開するにあたって、製造、加工または輸出入し販売する製品の製造物責任関連、労務関連、知的財産関連その他に関して、訴訟を提起された場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(8) 品質管理について

当社グループは、顧客に信頼される品質の製品を提供するため「品質基本方針」に基づき、品質管理体制に万全を期し、製品の製造を行っております。

しかしながら、予想を超える重大な品質トラブルが発生した場合には、多額のコストを要するほか、ブランドイメージや社会的評価が低下し、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(9) 新型コロナウイルス感染拡大による影響について

新型コロナウイルス感染拡大による当社グループの各事業への影響として、シューズ事業では、外出自粛や商業施設の営業自粛等の影響を受けて、業績に影響を与える可能性があります。プラスチック事業のうち、車輌内装用資材は自動車産業全体の落ち込みにより、建装資材は建築工事の遅延や中断による需要の落ち込みにより、業績に影響を与える可能性があります。産業資材事業のうち、断熱資材は建築工事の遅延や中断による需要の落ち込みにより、業績に影響を与える可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染拡大による社会的な混乱が拡大し長期化した場合、仕入先からの調達が困難になることや、生産・物流拠点の操業停止など、当社グループのサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、今後の経済環境の変化や当社グループへの影響を見極めながら、必要な対応策を迅速かつ柔軟に講じてまいります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)

当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦の長期化や中東情勢の緊迫化など先行き不透明な状況が続きました。日本経済は、雇用環境の改善などにより緩やかな景気回復基調が継続した一方で、消費税率の引き上げや天候不順、世界経済の不確実性の影響が懸念される状況が続きました。また、年度末には新型コロナウイルス感染症の世界的な流行拡大により、国内外の経済活動が停滞し、景気は急激に減速しました。

このような事業環境のもと、当社グループは企業価値の増大を目指して、お客様が求める商品・ブランド力のある商品創りに注力してまいりました。具体的には省エネルギー関連製品、環境対応製品、防災関連製品、生活関連製品、インフラ整備関連製品などの重点分野、およびグローバル化へ積極的な事業展開を推進するとともに、継続してコストダウンおよび省エネルギー・廃棄物の削減に取り組んでまいりました。

その結果、当期連結業績は売上高80,225百万円(前連結会計年度比6.4%減)、営業利益1,602百万円(前連結会計年度比14.3%増)、経常利益2,048百万円(前連結会計年度比2.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,895百万円(前連結会計年度比460.6%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

〈シューズ事業〉

衝撃吸収素材「ソルボセイン」搭載のコンフォートシューズ「アキレス・ソルボ」は、主軸の婦人向け商品が全国の有名百貨店において好評を得ました。また、世界有数のランニングシューズブランド「BROOKS(ブルックス)」の日本国内での販売を開始し、独自開発素材を搭載した“走るリカバリーシューズ”「MEDIFOAM(メディフォーム)」とともにランニング市場へ本格的に参入しました。しかしながら、消費税率引き上げによる消費者マインドの冷え込みや、最大の需要期である入学シーズンでの新型コロナウイルス感染拡大の影響により、前年売上を下回りました。

当事業の連結業績は売上高11,931百万円(前連結会計年度比14.7%減)、セグメント損失(営業損失)は847百万円(前連結会計年度は956百万円のセグメント損失)となりました。

 

〈プラスチック事業〉

車輌内装用資材は、世界的な自動車マーケット減速の影響を受け、国内外ともに前年売上を下回りました。

フイルムは、北米では医療用が好調に推移し、国内では抗ウイルス・抗菌性軟質フィルム「アキレスウイルセーフ」への関心が高まりましたが、その他の用途で苦戦し、前年売上を下回りました。農業分野は、生分解性マルチフィルムが好調でしたが、農業用ビニールフィルムが苦戦し、前年売上を下回りました。

建装資材は、消費税率引き上げ後の市況の冷え込みの影響を受け、また、期末にかけては新型コロナウイルス感染拡大に伴う建築工事遅延の影響により、前年売上を下回りました。

引布商品は、国内向けのエアーテント、輸出向けゴム引布の販売が好調に推移し、前年売上を上回りました。

当事業の連結業績は売上高37,880百万円(前連結会計年度比7.6%減)、セグメント利益(営業利益)は2,890百万円(前連結会計年度比3.9%減)となりました。

 

〈産業資材事業〉

ウレタンは、寝具・車輌・雑貨用など主力商品が、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、期末にかけて販売が減速し、前年売上を下回りました。

断熱資材は、システム製品が倉庫等建築物件向け販売増加により前年売上を上回りましたが、ボード製品は建築向け、パネル製品は畜産向け、スチレン製品はブロックで苦戦し、全体では前年売上を下回りました。

工業資材は、米国・中国市場で伸び悩みましたが、海外ユーザーを中心とした半導体分野向け搬送用部材の販売が拡大し、国内では医療機器向けRIM成型品の伸長により、前年売上を上回りました。

当事業の連結業績は売上高30,413百万円(前連結会計年度比0.9%減)、セグメント利益(営業利益)は2,073百万円(前連結会計年度比11.3%増)となりました。

 

(財政状態の状況)
イ.資産

当連結会計年度末の資産合計は72,255百万円となり、前連結会計年度に比べ2,635百万円減少となりました。これは主に、現金及び預金が1,803百万円、有形固定資産が1,018百万円増加しましたが、受取手形及び売掛金が2,974百万円、電子記録債権が1,111百万円、退職給付に係る資産が1,078百万円減少したことによるものであります。

ロ.負債

当連結会計年度末の負債合計は30,902百万円となり、前連結会計年度に比べ2,225百万円減少となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が1,592百万円、未払金が375百万円、退職給付に係る負債が200百万円減少したことによるものであります。

ハ.純資産

当連結会計年度末の純資産合計は41,353百万円となり、前連結会計年度に比べ410百万円減少となりました。これは主に、利益剰余金が1,258百万円増加しましたが、退職給付に係る調整累計額が772百万円、自己株式の取得により433百万円、その他有価証券評価差額金が298百万円、為替換算調整勘定が169百万円減少したことによるものであります。なお、自己株式の消却により、資本剰余金及び自己株式がそれぞれ1,874百万円減少しております。

 
② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。) は7,010百万円(前連結会計年度末比1,803百万円増加)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は7,549百万円(前連結会計年度比4,006百万円収入増)となりました。これは主に売上債権の減少4,046百万円、減価償却費3,239百万円、税金等調整前当期純利益2,590百万円等の増加要因と、仕入債務の減少1,685百万円、その他負債の減少498百万円等の減少要因によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は4,595百万円(前連結会計年度比354百万円支出増)となりました。これは主に固定資産の取得による支出4,689百万円等の減少要因と、投資有価証券の売却による収入62百万円等の増加要因によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は1,078百万円(前連結会計年度比1,590百万円支出減)となりました。これは主に配当金の支払額637百万円と、自己株式の取得による支出433百万円によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

シューズ事業

4,583

△13.5

プラスチック事業

32,313

△2.4

産業資材事業

22,803

△0.6

合計

59,701

△2.7

 

(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ロ.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

シューズ事業

11,815

△15.6

306

△27.4

プラスチック事業

37,574

△8.9

2,214

△12.1

産業資材事業

30,380

△0.7

921

△3.4

合計

79,770

△7.1

3,442

△11.7

 

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ハ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

シューズ事業

11,931

△14.7

プラスチック事業

37,880

△7.6

産業資材事業

30,413

△0.9

合計

80,225

△6.4

 

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

イ.当連結会計年度の経営成績の分析

(a) 売上高

売上高は、シューズ事業においては、消費税率引き上げによる消費者マインドの冷え込みや、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、また、プラスチック事業の車輌内装用資材において、世界的な自動車マーケット減速の影響に伴い減収となったこと等により、前連結会計年度に比べ5,480百万円減収の80,225百万円(前連結会計年度比6.4%減)となりました。

 

(b) 営業利益

売上総利益は、主に原材料価格の低下により粗利率は改善しましたが、減収による影響により、前連結会計年度に比べ584百万円減少し、16,699百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、主に、物流費及び人件費の減少等により前連結会計年度に比べ784百万円減少し、15,097百万円となりました。

この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ200百万円増加し、1,602百万円(前連結会計年度比14.3%増)となりました。

 

(c) 経常利益

営業外収益は、前連結会計年度に比べ139百万円減少し、572百万円となりました。これは主に前連結会計年度に計上した為替差益が為替差損に転じたこと、また、持分法投資利益が62百万円減少したことによるものであります。

営業外費用は、前連結会計年度に比べ16百万円増加し、126百万円となりました。これは主に為替差損が15百万円発生したことによるものであります。

この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ44百万円増加し、2,048百万円(前連結会計年度比2.2%増)となりました。

 

(d) 親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益は、前連結会計年度に比べ501百万円増加し、658百万円となり、特別損失は、前連結会計年度に比べ1,239百万円減少し、116百万円となりました。特別利益は主に、2018年3月26日に滋賀第二工場で発生した火災事故に関わる受取保険金561百万円を計上したことによるものであります。特別損失は主に、前連結会計年度に固定資産の減損損失を計上したことによるものであります。

法人税等の税金費用は、前連結会計年度に比べ228百万円増加し、695百万円となりました。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,557百万円増加し、1,895百万円(前連結会計年度比460.6%増)となりました。

 

ロ.経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

ハ.当連結会計年度末の財政状態の分析

当連結会計年度末の資産合計は72,255百万円であり、前連結会計年度末に比べ2,635百万円の減少となりました。

流動資産については、前連結会計年度末に比べ2,418百万円減少の42,991百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が2,974百万円減少したことによります。

固定資産については、前連結会計年度末に比べ217百万円減少の29,264百万円となりました。これは主に有形固定資産が1,018百万円増加しましたが、退職給付に係る資産が1,078百万円減少したことによります。

当連結会計年度末の負債合計は30,902百万円であり、前連結会計年度末に比べ2,225百万円の減少となりました。

流動負債については、前連結会計年度末に比べ976百万円増加の25,652百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が1,592百万円、未払金が375百万円減少しましたが、1年内返済予定の借入金が3,000百万円増加したことによります。

固定負債については、前連結会計年度末に比べ3,201百万円減少の5,249百万円となりました。これは主に返済期限が1年以内に到来する長期借入金3,000百万円が流動負債に振り替えられたことによります。

当連結会計年度末の純資産合計は41,353百万円であり、前連結会計年度末に比べ410百万円の減少となりました。これは主に利益剰余金が1,258百万円増加しましたが、退職給付に係る調整累計額が772百万円、自己株式の取得により433百万円、その他有価証券評価差額金が298百万円、為替換算調整勘定が169百万円減少したことによります。

また、当連結会計年度において、自己株式の取得433百万円及び自己株式の消却1,874百万円を実施したことにより、自己株式残高は309百万円となっております。

 

ニ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

〈シューズ事業〉

売上高は、11,931百万円であり、前連結会計年度に比べ2,063百万円の減収(前連結会計年度比14.7%減)となりました。主な減少要因は、「第2 事業の状況3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

セグメント損失は、主に減収により粗利は減少しましたが、人件費等の減少に伴い販売費及び一般管理費が減少したことにより847百万円の損失(前連結会計年度は956百万円のセグメント損失)となりました。

セグメント資産は、主に受取手形及び売掛金の減少により、前連結会計年度末に比べ1,857百万円減少の11,727百万円(前連結会計年度末比13.7%減)となりました。

 

〈プラスチック事業〉

売上高は、37,880百万円であり、前連結会計年度に比べ3,125百万円の減収(前連結会計年度比7.6%減)となりました。主な減少要因は、「第2 事業の状況3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

セグメント利益は、主に物流費の減少により販売費及び一般管理費は減少しましたが、減収による粗利の減少により、前連結会計年度に比べ118百万円減少の2,890百万円(前連結会計年比3.9%減)となりました。

セグメント資産は、主に設備投資等の有形固定資産の増加により、前連結会計年度末に比べ99百万円増加の29,982百万円(前連結会計年度末比0.3%増)となりました。

 

〈産業資材事業〉

売上高は、30,413百万円であり、前連結会計年度に比べ291百万円の減収(前連結会計年度比0.9%減)となりました。主な減少要因は、「第2 事業の状況3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

セグメント利益は、主に原材料価格の低下による粗利率の改善、物流費の減少による販売費及び一般管理費の減少により、前連結会計年度に比べ211百万円増加の2,073百万円(前連結会計年比11.3%増)となりました。

セグメント資産は、主に設備投資等の有形固定資産の増加により、前連結会計年度末に比べ35百万円増加の21,110百万円(前連結会計年度末比0.2%増)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

キャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。

 

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

自己資本比率(%)

56.2

56.6

55.8

57.2

時価ベースの自己資本比率(%)

37.2

46.3

40.6

38.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.8

1.1

1.5

0.7

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

177.9

135.0

103.9

184.8

 

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。

3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用し

ております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を

対象としております。

また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループは、安定した収益を確保するための運転資金及び新たな成長に繋がる投資に必要な資金は、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉としておりますが、資金需要に応じて金融機関からの借入により調達しております。

なお、新型コロナウイルス感染症の流行収束までは、景気の減速は続き、先行き不透明な状況が継続するものと考えられ、収束後も景気の回復にはある程度の期間が必要と思われます。当社グループとしては、2020年3月末時点において現金及び預金7,012百万円を確保しているほか、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」で開示しております連結子会社株式の売却による資金、及び取引銀行3行との間で締結している3,000百万円のコミットメントライン契約などにより、資金の流動性を確保しております。
 

(契約債務)

2020年3月31日現在の契約債務の概要は、次のとおりであります。

 

年度別要支払額(百万円)

契約債務

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

短期借入金

2,221

2,221

1年内返済予定の長期借入金

3,000

3,000

 

 

(財政政策)

資金状況は、安定した収益と成長性を確保するための運転資金及び設備投資に必要な資金は、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉としております。借入債務についても一定水準を維持し流動性を確保しております。

なお、設備投資計画として製造設備の新設及び更新の主なものとして、阿基里斯(佛山)新型材料有限公司における車輌内装用資材製造工場建物の新設、滋賀第二工場における断熱ボード製造設備等を予定しておりますが、自己資金及び借入金で賄う予定であります。

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(提出会社)

(1) 当社が技術援助等を受けている契約

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

ベネトンジャパン㈱

日本国

シューズ

商標UNITED COLORS OF
BENETTON.の履物への使用

2018年1月1日より
2020年12月31日まで

A.S.Création Tapeten AG

ドイツ国

壁紙

壁紙デザイン製造技術
及び販売

2019年5月31日より
2022年5月30日まで

スポルディング・ジャパン㈱

日本国

シューズ

商標スポルディングの履物への使用

2019年1月1日より
2021年12月31日まで

 

(注) 上記の契約においては、それぞれロイヤリティとして売上高の一定率を支払っております。

 

(2) 当社が技術援助等を与えている契約

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

伊藤忠商事㈱

日本国

ウェア、文房具類、自転車等、履物以外の商品

商標瞬足の履物以外の商品への使用

2020年1月1日より
2022年12月31日まで

 

(注) 上記の契約においては、ロイヤリティとして売上高の一定率を受け取っております。

 

(3) 技術援助契約等による合弁会社

契約締結先

内容

出資割合

合弁会社名

設立年月

昆山協孚新材料股份有限公司
(中華人民共和国)

中級・高級塩ビレザー及びその完成品の製造及び販売

当社
 50% 3,325千米ドル
昆山協孚新材料股份有限公司
 50% 3,325千米ドル

昆山阿基里斯新材料科技有限公司
(資本金6,650千米ドル)

1993年12月

 

 

(4) 当社のその他の契約

当社は運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行3行と総額3,000百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結しております。

 

(5) 当社の解約した契約

該当事項はありません。

 

(関係会社)

その他の経営上の重要な契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約締結日

契約内容

阿基里斯(佛山)新型材料有限公司

鹿島建設(中国)有限公司

中華人民共和国

2019年12月27日

車輌内装用資材製造設備

及び建物建設工事の請負

 

 

5 【研究開発活動】

 省エネ、環境、健康、をキーワードに、これまでの技術を向上・進化させ、独創性のある製品を提案し続けるために、当社のコア技術であるプラスチック加工(成型・製膜・発泡)を軸に研究開発活動を行ってまいりました。
 省エネ商品としては、新規発泡剤を用いて優れた断熱性能が保持できる高性能断熱材の開発、環境配慮型の商品としては、生分解性の機能を持った農業用マルチフィルム、食品包装用フィルム等の開発、健康を促進する商品としては、快適な睡眠をサポートする温度調節機能を持ったウレタンフォームの開発等、市場が最も求めていることに貢献可能な商品を開発しております。

 当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は、1,460百万円であり、各事業の研究開発の目的、主要課題、成果および研究開発費は以下のとおりであります。

 なお、研究開発費には各事業に配分できない基礎研究費444百万円が含まれております。

 

(1)シューズ事業
 ジュニアスポーツシューズでは、累計7,000万足を突破し、今年ブランド誕生17周年を迎えた№1ブランド「瞬足」から、シリーズ最大の衝撃吸収性で新たな走りへ導く「NEWRUN(ニューラン)」を発売しました。レディースシューズでは、衝撃吸収素材ソルボセインを搭載した「アキレス・ソルボ」がメディアに取り上げられた影響で多くのお問い合わせをいただき、足型測定会が好評を得ました。職域シューズでは、ブーツブランド「ワークマスター」からウイルスに対応した国産インジェクションブーツ「OSM5000」を発売しました。特殊薬剤をPVC(塩化ビニール)に練りこむことにより、抗ウイルス性試験において、表面に付着した代表的なウイルスを24時間後には99%以上低減させることに成功しました。スポーツシューズでは、独自開発素材を搭載した走るリカバリーシューズ「メディフォーム」に加え、世界有数のランニングシューズブランド「BROOKS(ブルックス)」の日本国内販売を開始しました。

 当事業に係わる研究開発費は342百万円であります。

 

(2)プラスチック事業
 車輌用の合成皮革関係は、導電性能を有した内装材を立上げ、受注、上市を目指した活動に注力しました。また、耐オレイン酸性能に優れたPVCレザーの改良配合に取り組み、販売を推進しました。

 フィルム関係では、海外市場向けに医療用フィルムおよび欧州難燃規格B1対応の機能性フィルムを確立することができました。国内市場向けにはバイオマス材料を利用したテーブルマットを開発し、サンプル展開を進めました。

 建装関係は、お部屋の模様替えを気軽に楽しめる商品として、裏面に粘着シール加工を施したフリース壁紙を開発し、アキレスライフスタイルストアで販売を開始しました。

 引布関連商品では、ボート原反888 SKYBLUEシリーズ等が、輸出及び国内向けボート用原反として採用され、市場で好評を得ました。また、アラミド生地メタリックゴム引布を開発し評価段階に入っております。

 当事業に係わる研究開発費は472百万円であります。

 

(3)産業資材事業
 軟質ウレタン関係は、温度調節機能を持つウレタンフォーム素材「ThermoPhase(サーモフェーズ)」をマットレス上層に使用し、自然な入眠を促し睡眠の質を高めるマットレス、フレアベル「サーモフェーズ アクティブモデル」を開発しました。

 硬質ウレタン関係は、高性能硬質ウレタンフォーム断熱材「ジーワンボード」と防火性能を持つ「石膏ボード」を一体化し、既存木造住宅の効果的な断熱改修が可能な断熱複合パネル「アキレスJDパネル」を開発しました。

 工業資材関係は、シリコンウエハー搬送時のウェハー表面への汚染性を改善させた「導電タイプ・新グレードスペーサー」の販売を開始しました。

 当事業に係わる研究開発費は200百万円であります。

 

(4)独自技術による成長分野への新商品を担う研究開発本部では、ウレタンの独自配合技術により、高次元の反発弾性を備えた新素材「ACROFOAM(アクロフォーム)」を開発しました。高い反発弾性に加えて高い衝撃吸収性を保持し、へたりにくい素材である特徴を活かして、様々なシューズ、インソール、疲労軽減マット等に新たな機能を付加する新素材として展開を始めております。

 また、耐久性に優れた防汚処理剤を開発しており、車輌分野を中心とした合成皮革への応用に取り組んでおります。さらに、導電性ポリマーを用いた新しい無電解めっき技術では、共同取り組み先と様々な用途開発を進めております。特に、光透過性合皮と立体の透明電極を組み合わせた次世代のタッチパネルは、複数の展示会にも出展して高い注目が得られました。