文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
当社グループは、2022年度を最終年度とする中期経営ビジョン「2022年 住友理工グループVision(2022V)」に基づき「自動車」「インフラ・住環境」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」の4分野に注力し、また、「事業環境が大きな変革期を迎える中で、着実な成長と体質強化を目指す」をVisionのテーマとして、以下の内容を遂行していきます。
<経営戦略>
「新事業・新規顧客創出」
① 新事業創出
② グローバル拡販
「モノづくり革新」
① 競争を勝ち抜く強い現場づくり(SRIM 22 Act)
② 技術革新(環境技術)・世界No.1品質
「グローバル経営基盤強化」
① グローバル人材力強化
② グローバルインフラ強化
これらの取り組みにより、「人・社会・地球の安全・快適・環境に貢献する企業」を目指すべき姿として“Global Excellent Manufacturing Company”の実現を追求し続けます。2022年度の財務目標としては、売上高5,300億円、営業利益率5%を掲げています。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く環境においては、中国や欧州などで景気減速への懸念が高まっていることに加え、米中貿易摩擦や英国のEU離脱が予断を許さない状況となっていることから、世界経済の先行きに対する不透明感が増しています。当社グループの主要取引先である自動車業界では、米国自動車販売の減速が懸念されるほか、中国自動車市場についても成長の鈍化が見込まれます。
当社グループにおきましては、近年の収益力低下を真摯に受け止め、早期の収益力回復に取り組みます。
〔自動車用品部門〕
当会計年度においては、事業計画の遅れを受け、欧州など海外子会社のれん等の減損損失を計上しました。当社グループとしましては、買収した子会社の持つ海外自動車メーカー向けの顧客ネットワークなどを活用し、海外自動車メーカーに対しての拡販活動をはじめ、買収した子会社の生産拠点を活用することで日系自動車メーカー向けの受注をさらに拡大させるなど、グローバルでの成果を着実にあげており、これらグローバル拡販に加え、生産性改善、原価低減を実行し、今後も業績改善に努めます。
自動車業界においては、CASE「C:コネクテッド(つながる)」「A:オートノマス(自動運転)」「S:シェアリング(共同所有)」「E:エレクトリシティー(電動化)」のもとに技術革新が生まれています。世界各国で厳しい環境規制や新エネルギー車の導入目標が設定され、EV(電気自動車)シフトが進んでいます。
このようなCASEやEVをはじめとする電動車の急速な普及に伴い、新たなビジネスチャンスが到来するものと考えています。当社グループとしましては、長年培ってきた「高分子材料技術」「総合評価技術」をもとに、防振ゴム開発で積み重ねてきた振動騒音制御技術や、ホース開発で磨きをかけてきた流体搬送技術を駆使し、車室における居心地の良い空間づくりに貢献するなど、これからの自動車に新たな快適性を提供する製品の創出と開発を進めます。
また、EV向け製品だけでなく、「究極のエコカー」と言われる燃料電池自動車(FCV)向けの基幹部品をすでに供給しているほか、体圧を検知する「スマートラバー(SR)センサ」を自動車のシートに埋め込んだ新製品の開発を、2016年に設置した自動車新商品開発センターが主体となって進めています。これは、呼吸や心拍などの生体情報(バイタルデータ)によってドライバーの異変を検知し、危険を回避させるなど乗員状態検知機能の実用化を目指すもので、来たる自動運転時代を見据えた新たな挑戦と位置付けています。加えて、次世代の先進車両向け製品の開発強化と戦略的拡販を加速するため、今年4月に「NEVデバイス事業部」を新設し、組織の改編を推し進めています。
さらに、これからの自動車事業をグローバルかつ、よりスピーディに運営するため、昨年6月に自動車関連の各事業本部を統合する「自動車事業統合本部」を設置し、事業部間の連携強化を進めています。自動車用防振ゴム事業については、機動的な運営と適正な規模での管理を行うため「防振事業部」を地域ごとに「日本・アジア事業部」「中国事業部」「米州事業部」「欧州事業部」へと再編しました。特に欧州事業部ではグローバル拡販の推進を、米州事業部では北米・中南米拠点での生産性の改善に引き続き努めます。
世界最大の自動車市場である中国は、当社グループにとっても最重要エリアの一つです。同国内12の生産・開発拠点、そして今年4月に新設した中国自動車営業本部が一体となって、中国系自動車メーカーを中心に、上海モーターショーへの出展などを契機に、同国内に拠点を持つ全ての自動車メーカーに向けて拡販活動を強力に進めます。
加えて、各事業部の調達機能を「グローバル調達本部」に集約し、グローバルネットワークと調達活動の強化を図ることにより、グローバルでの原価低減活動を推し進め、収益改善に努めます。
当社グループは、快適な車室内空間を提供する自動車用防振ゴムのトップメーカーとして、自動車を利用する全ての人々にとって快適な車とは何かを考え、これまで以上に、高付加価値の製品の開発・販売に努めます。
〔一般産業用品部門〕
一般産業用品部門では、昨年7月に産業用ホース事業において、製造・販売子会社である株式会社住理工ホーステックス(京都府綾部市)と、同ホースのアセンブリ加工・国内販売子会社、住理工ホース販売株式会社(愛知県小牧市)を統合し、住友理工ホーステックス株式会社(本社:京都府綾部市)に商号を変更しました。この統合により、グループの経営資源を集約し、意思決定の迅速化、事業の効率化による収益力の向上と事業基盤の強化を図ります。加えて、製販一体化により、多様化するニーズに即応できる体制の構築を進めます。また、インフラ需要の旺盛な中国・インドでの拡販のみならず、欧州市場での認知度の向上を図るため、ハノーバーメッセなどの展示会にも積極的に出展しています。
化工品事業では、北米での鉄道車両用防振ゴムの拡販、住宅用制震ダンパーの販促強化、ロボット安全センサの開発促進に努めます。
〔新規事業部門〕
新規事業部門では、IoT化技術開発推進、センサ、アクチュエータ新商品の開発効率および製法開発を含めた開発スピード向上のため、昨年9月に「IoTデバイスセンター」を新設しました。今年3月には心拍や呼吸など生体情報を同時に計測できる診断用機器である「体動センサ」を開発、圧電ゴム技術を応用したバイタルセンシング機器として、世界で初めて実用化しました。今後は、医療分野のほか、介護や健康、スポーツなど幅広い分野での活用が期待されます。この体動センサについては、研究開発者向けにモニター販売を開始しており、医療機関や研究開発機関、介護施設や企業などへの提供を通じて、ヘルスケア分野での新たな商品開発に繋げ、人々の暮らしへのさらなる貢献を目指します。
このような中、当社グループは、「事業環境が大きな変革期を迎える中で、着実な成長と体質強化を目指す」をテーマに中期経営ビジョン「2022年 住友理工グループVision」(2022V)のもと、「新事業・新規顧客創出」「モノづくり革新」「グローバル経営基盤強化」を経営戦略の柱として、引き続き企業価値向上に取り組みます。
私たちは、住友事業精神が謳う「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」を忠実に守りながら、世界中で必要とされる“Global Excellent Manufacturing Company”への飛躍を目指し、進化を続けてまいります。皆様におかれましては、当社グループの企業活動についての一層のご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のものがあります。本項における将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(政治経済情勢・需要変動等に係るリスク)
部品メーカーである当社グループの経営成績は、顧客である完成品メーカーの生産動向の影響を受けますが、特に売上高の8割以上を占める顧客である自動車メーカーの国内外での生産動向の影響を大きく受けます。中長期的には自動車メーカーを取り巻く環境の変化が当社製品の需要に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、顧客ニーズの多様化、製品ライフサイクルの短期化、グルーバル化の進展による競争構造の変化等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、海外売上高が連結売上高の約6割を占めており、海外の政治経済や社会情勢が経営成績等に影響を与える可能性があります。
(法律・規制の変更等によるリスク)
当社グループの事業は、国内外の法律・規制の変更等があった場合、その影響を完全に回避することができないため、経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。これらの要因としては、輸出入規制や関税率の引き上げ、各国の国内及び国際間取引に係る租税制度の変更、外貨規制などがあります。
(訴訟、規制当局による措置その他の法的手続きに係るリスク)
当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟、訴訟規制当局による措置その他の法的手続により、当社グループが損害賠償請求を受け、罰金その他の制裁金を賦課され、又は事業の遂行に制約が課される可能性があります。当社グループは、これらの法的リスクを未然に防止し、また顕在化したリスクに適切に対応する体制の整備を進めていますが、かかる対応にもかかわらず、法的リスクが顕在化した場合には経営成績等への影響が及ぶ可能性があります。
また、当社は海外での事業展開や新事業への進出を積極的に進めており、一方、消費者等の権利意識の高まりや国内外における競争政策、贈賄防止、移転価格、消費者保護等の分野での規制当局の法執行が積極化していることから、国内外における集団訴訟や当局の調査に対し適切に対応するために要する費用により財務負担が増加する可能性があります。
(災害等のリスク)
当社グループは、地震、火災、落雷、破裂・爆発、風・雪・水災、航空機の墜落、伝染病の流行、テロその他の犯罪、内戦等により被災することにより直接・間接の損失を被る可能性があります。特に、当社グループの主要な生産・営業拠点が、東海及び東南海・南海地震の防災対策強化地域や首都直下型地震の地域に所在しているため、地震発生も想定した事業継続計画を策定するなどの対策を進めていますが、顧客、原材料等の供給元の被災、電力・情報通信・物流網等の復旧の状況等により、影響が長期化する可能性があります。
(資金調達に係るリスク)
当社グループは、資金需要、金融市場環境及び調達手段のバランスを考慮し資金調達を行っています。当社グループの資金調達は、設備投資を目的とした長期固定金利の社債発行や長期借入による調達を中心としています。そのため、金利の短期的な変動による影響は比較的受けにくいものの、金利が中長期的に上昇した場合は、社債等による資金調達コストを上昇させ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの借入金に係る金融機関との契約には、財務制限条項が付されているものがあります。当該財務制限条項に抵触した場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(為替レートの変動によるリスク)
当社グループは、在外連結子会社及び在外持分法適用関連会社の個別財務諸表を主に現地通貨ベースで作成し、連結財務諸表の作成時に円換算しています。従って、現地通貨ベースでの業績に大きな変動がない場合でも、円換算時の米国ドル、ユーロ等の為替レート変動が経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、中長期にわたる大幅な為替変動は、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(原材料等の調達に係るリスク)
当社グループの製品は、天然ゴム、合成ゴムや鋼材等を原材料として使用しています。これら原材料や副資材、燃料等の市況価格の急激な上昇等があった場合は、製品価格に適切に反映させることができず、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、原材料等の供給元の倒産や罹災により、必要量の調達が困難になる可能性があります。
(知的財産に係るリスク)
当社グループは、特許権、意匠権、その他の知的財産権の取得により自社技術の保護を図るとともに、他社の知的財産権に対しても注意を払っています。
しかしながら、新事業分野における製品開発の増加や海外での事業活動の拡大に伴う流通経路の複雑化等により、当社グループの製品が意図せず他社の知的財産権を侵害した場合に、販売中止、設計変更等の処置をとらざるを得ない可能性があり、その場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(情報の流出によるリスク)
当社グループは、事業遂行に関連して多くの個人情報や機密情報を有しています。これらの情報の秘密保持については必要な対策を講じていますが、不測の事態により、情報が漏洩する可能性があります。このような事態が生じた場合、事業戦略の遂行に支障が生じたり、損害拡大防止費用や損害賠償責任の負担が生じたりすることにより、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(情報システム・セキュリティに係るリスク)
当社グループが事業活動を行う上で、情報システム及び情報ネットワークは欠くことのできない基盤であり、構築・運用に当たっては十分なセキュリティの確保に努めていますが、ハッカーやコンピュータウイルスによる攻撃、不正使用やインフラ障害等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(製品の欠陥によるリスク)
当社グループは、全社的な品質管理の体制を構築・運用することにより、製品の品質保持に万全の注意を払っていますが、予期せぬ事態により、大規模な市場改修や製造物責任による賠償費用等の負担が生じる可能性があります。
また、顧客との間での品質問題に関する交渉等のために要する費用の負担により、経営成績等に影響を与える可能性があります。
(人事・労務に係るリスク)
当社グループは、事業領域の拡大やグローバル化に対応するため、人材確保・人材育成に努めていますが、事業領域・規模の拡大や新規事業への投資等に伴いグループの人員が増加していることから、人材不足や人事・労務問題が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(新事業展開によるリスク)
当社グループは、2022Vに基づき、「自動車(モビリティ)」「インフラ・住環境」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」の4つの成長分野において既存事業の強化と新規事業の展開を進めており、新規事業には既存事業と異なる事業リスクが存在するため、事業化の検討の各段階において必要に応じ外部専門家の意見も取り入れ、十分な調査に基づく慎重な判断を行うものとしています。
しかしながら、当社グループは新規事業分野での十分な事業経験を有していないことから、事業化の遅延やマーケティング手法の不備などの原因で投資回収の遅延や不能が生じ、経営成績等に影響を与える可能性があります。また、同様の理由から、既存事業と比べ、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続きに係るリスクが高まる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概況並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。
当連結会計年度の世界経済は、米国では保護主義的な経済政策が強まる中、良好な雇用・所得環境を背景に個人消費は堅調に推移、企業の設備投資も回復傾向が続くなど景気拡大が継続しました。欧州では英国のEU離脱をめぐる混乱もあり、景気は減速局面を迎えています。安定的な成長が続いていた中国でも、米中貿易摩擦の影響などから景気の減速傾向が鮮明になりました。一方、国内経済は米中貿易摩擦や中国経済の減速により輸出については減速傾向にありましたが、自然災害の影響の収束から企業の生産活動は緩やかに回復し、個人消費においても雇用・所得環境の改善から回復が見られました。
当社グループを取り巻く経営環境は、主要取引先である自動車業界においては、米国でピックアップトラックなど大型車や多目的スポーツ車(SUV)は好調でしたが、セダン、小型車を中心に新車販売が減少しました。中国では環境規制強化や米中貿易摩擦の影響により、新車販売は減少しました。また、欧州でも景気減速を受け、市場が縮小しました。一方、国内は軽自動車の販売が好調でした。
また、一般産業用品部門においては、エレクトロニクス分野で需要の低迷により販売が減少したものの、インフラ分野の主要市場となる建機市場は、中国・インドを中心に引き続き需要が堅調に推移しました。
このような中、当社グループは、「事業環境が大きな変革期を迎える中で、着実な成長と体質強化を目指す」をテーマに新中期経営ビジョン「2022年 住友理工グループVision」のもと、「新事業・新規顧客創出」「モノづくり革新」「グローバル経営基盤強化」を経営戦略の柱として、企業価値向上へ取り組んでいます。
当連結会計年度における売上高は、469,705百万円(前期比1.5%増)と、中国・アジア市場で自動車、インフラ分野向けの販売が好調だったことなどから、増収となりました。事業利益は、日本、欧州で収益性が改善しましたが、米国での人手不足に端を発する生産性悪化が当期も継続したことや、アルゼンチン自動車市場縮小の影響によるブラジル子会社の損益悪化により、9,379百万円(前期比27.1%減)と減益になりました。
営業利益は、減損損失計上によるその他の費用の増加により1,153百万円(前期比90.5%減)となりました。減損損失については、2013年に買収した防振ゴム事業の子会社への投資の回収に長期間を要すると判断したため、のれんおよび固定資産に対する損失を計上したものです。また、メキシコ、ブラジル子会社などでも事業環境変化に伴う収益性の低下により固定資産の減損損失を計上しました。税引前当期利益は700百万円(前期比93.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期損失は5,022百万円(前期は3,528百万円の黒字)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
<自動車用品>
国内では、軽自動車の生産台数増加により売上高は増加しました。海外では、第2四半期まで売上が堅調に推移しましたが、第3四半期以降、中国自動車市場の縮小、欧州での新排ガス試験法(WLTP)導入、および通貨安に端を発して経済が低迷しているアルゼンチンの自動車市場の縮小などによる自動車生産減速の影響を受けました。
以上の結果、外部顧客への売上高は、398,160百万円(前期比1.2%増)と増収となりました。事業利益は、米国で生産性悪化、鋼材価格上昇や販売減速により収益性が悪化したほか、ブラジルでの急激な売上減少、メキシコでの新製品立ち上げコストの増加などにより収益性が悪化したことから、7,771百万円(前期比20.4%減)と減益になりました。
<一般産業用品>
インフラ分野では、中国における建設・土木機械の需要が増加したことから、高圧ホースの販売が増加しました。一方、エレクトロニクス分野のプリンター向け機能部品は、需要減速により減収となりました。住環境分野は、制震ダンパーが減収となりました。
以上の結果、外部顧客への売上高は71,545百万円(前期比3.0%増)となりました。事業利益は、プリンター向け機能部品、鉄道部品や制震ダンパーの販売減少により生産性が低下したため、1,608百万円(前期比48.0%減)と減益になりました。
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注の状況については、セグメントの業績に関連付けて示しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引16,452百万円については相殺消去しております。
2.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
<資産>
流動資産は199,016百万円(前連結会計年度末比2,802百万円減)となりました。これは、現金及び現金同等物が3,602百万円減少したことなどによるものです。非流動資産は198,263百万円(前連結会計年度末比14,152百万円減)となりました。これは主に、のれんや固定資産の減損損失を計上したことなどによるものです。
以上の結果、資産合計は、397,279百万円(前連結会計年度末比16,954百万円減)となりました。
<負債>
流動負債は116,140百万円(前連結会計年度末比2,656百万円増)となりました。これは1年内返済予定の長期借入金が5,000百万円増加したことなどによるものです。非流動負債は104,541百万円(前連結会計年度末比11,749百万円減)となりました。これは主に長期借入金が9,473百万円減少したことなどによるものです。
以上の結果、負債合計は220,681百万円(前連結会計年度末比9,093百万円減)となりました。
<資本>
資本合計は、176,598百万円(前連結会計年度末比7,861百万円減)となりました。これは㈱住理工ファインエラストマーの完全子会社化により資本剰余金が1,322百万円増加した一方、非支配持分が2,783百万円減少したほか、利益剰余金が配当により3,360百万円減少したことなどによるものです。親会社所有者帰属持分比率は39.9%となりました。
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況について、現金及び現金同等物は、営業活動により31,462百万円の増加、投資活動により28,251百万円の減少、財務活動により8,368百万円減少、現金及び現金同等物に係る換算差額により1,555百万円の増加の結果、当連結会計年度末には38,371百万円となり、前連結会計年度末(41,973百万円)に比べ3,602百万円(8.6%)の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度(31,622百万円)に比べ160百万円減少し、31,462百万円となりました。これは、引当金の増減額が1,097百万円減少したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度(27,445百万円)に比べ806百万円増加し、28,251百万円となりました。これは、株式売却によるその他の金融資産の売却による収入が883百万円減少したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、前連結会計年度(6,127百万円)に対して2,241百万円増加し、8,368百万円となりました。これは、㈱住理工ファインエラストマーの完全子会社化に伴い、非支配持分からの子会社持分取得による支出を1,461百万円計上したことなどによるものです。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、事業運営に必要な設備資金や運転資金であり、必要資金については自己資金の充当及び金融機関からの借入や社債発行等により、調達しております。
なお、突発的な資金需要の発生や市場の流動性が著しく低下したときなどの緊急的な事態に備えてコミットメントラインを設定しております。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因や当該事項への対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(6) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「売上高」、「事業利益」、「営業利益」、「営業利益率」、「ROA(総資産営業利益率)」、「ROE(親会社所有者帰属持分利益率)」を重要な指標として位置付けております。2018年5月24日公表の中期経営ビジョン「2022年 住友理工グループVision(2022V)」においては、2022年度の目標として、売上高530,000百万円、事業利益25,000百万円、営業利益25,000百万円、営業利益率5%、ROA6%、ROE7%をそれぞれ掲げております。
当連結会計年度においては、売上高469,705百万円(前連結会計年度比6,820百万円増)、事業利益9,379百万円(前連結会計年度比3,481百万円減)、営業利益1,153百万円(前連結会計年度比11,043百万円減)、営業利益率0.2%(前連結会計年度比2.4ポイント低下)、ROA0.3%(前連結会計年度比2.6ポイント低下)、ROE△3.1%(前連結会計年度は2.1%)でした。
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(のれんの償却)
日本基準においては、のれんを規則的に償却しておりましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しております。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が1,205百万円減しております。
(無形資産)
日本基準において費用処理しておりました一部の開発費について、IFRSにおいては資産計上要件を満たすことから、無形資産に計上しております。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、無形資産が9,927百万円増加しております。
該当事項はありません。
当社グループは、事業を取り巻く環境がダイナミックに変化する中、将来に向けて持続的に成長・発展するために新事業の創出が不可欠であることから、当社グループのコア技術である高分子材料技術と総合評価技術をベースに外部技術との融合・協業を促進し、スピーディーな新技術の創出とタイムリーな商品開発を目指しています。
研究開発にあたっては、新機能・高品質の材料設計開発を担う材料技術部と、当社グループのコア技術の深化、データサイエンス、シミュレーション技術開発を担う基盤材料開発研究所で進めています。また、福岡県糸島市および九州大学との3者協定に基づき2016年4月に開所した「九州大学ヘルスケアシステムLABO糸島」(愛称:ふれあいラボ)において医療・介護・日常生活をつなぐ新たな製品やシステム、サービスの創出を目指し、実証研究と実用化促進に引続き取り組んでいます。
なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費の総額は
セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
① 自動車用品
自動車用品分野においては、「新規顧客開拓」を推進する体制を整え、「防振ゴム」「ホース」「ウレタン製品(制遮音品・内装品)」の既存3分野以外の自動車用新商品を開発・育成していくために、2016年8月に設置した「自動車新商品開発センター」において、体圧を検知する「スマートラバー(SR)センサ」を自動車のシートに埋め込み、呼吸や心拍などのバイタル情報によってドライバーの異変を検知、危険を回避する乗員状態検知機能の実用化に向けた開発や、電気自動車(EV)および燃料電池自動車(FCV)向けの環境対応製品の技術開発などに引続き取り組んでおります。EV化によって、モーターやバッテリーの過熱を防ぐ製品の需要が増大すると見ており、これらの開発を進めています。特に熱マネジメントシステムの開発においては、2017年4月に名古屋大学との間で、「有機材料の熱マネジメント展開に関する共同研究」契約を締結し、自動車の電動化を見据えた共同研究を進めています。
当連結会計年度における自動車用品に係る研究開発費は、
② 一般産業用品
エレクトロニクス分野においては水現像フレキソ版材や、高機能、高精度部品の材料開発を積極的に進めております。インフラ・住環境分野およびヘルスケア分野では、鉄道車両用防振ゴム・高圧ホース等のコア技術の強化・再構築を図るとともに、住宅市場といった新たな分野での展開を行い、事業体質の強化・新規事業の創出を図っております。このような中、IoT化技術開発推進、センサ、アクチュエータ新商品の開発効率及び製法開発含めた開発スピード向上のため、「IoTデバイスセンター」を2018年9月に新設しました。
当連結会計年度における一般産業用品に係る研究開発費は、