第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、次世代の産業分野のニーズに対応できる製品づくりの観点から「高機能、高精密、高品質な製品の提供を通して社会に貢献する」ことを「経営基本方針」とし、また、社員一人一人が「今日に誇りを持ち、明日に希望を託し行動する」を「社訓」とします。さらに、人にも地球にも優しい「人を想い、地球を想う」を「基本理念」と定め、当社グループ全体が社会の発展とともに共存共栄していくことを指針とします。

 

社訓

今日に誇りを持ち、明日に希望を託し行動する

基本理念

人を想い、地球を想う

経営基本方針

高機能、高精密、高品質な製品の提供を通して社会に貢献する

 

(2) 経営戦略等

グローバルに目まぐるしく変化する経済環境のもとで、当社は世界のトップメーカーを目指し、企業体質の強化を図るため計画的かつ着実に施策を推進してまいります。

①  世界に通用する財務体質づくりを目指すため、当社グループ全体の資産効率の向上を図り、今後もより一層の体質強化を図ります。

②  世界的な技術競争に対応するために、研究開発体制、技術力の強化を図り、基礎技術の蓄積と活用能力を高めた製品開発のスピード化を推進いたします。

③  次世代を見定め、よりユーザニーズに対応した高機能、高精密、高品質な製品を生産する製造ラインの実現に向け、生産システム並びに研究開発の機能充実を図り、独自の優位性を持った新しい考え方を採り入れた生産システムの確立に取り組みます。

④  世界的なコスト競争に対応するために、世界最適生産体制の確立とコスト競争力のある体質づくりを目指して取り組みます。

⑤  生産、販売及び物流体制の強化を図るため、立地面の優位性、効率性を重視し、国内外を問わず拠点の再整備を行い、引き続き一層の充実を図ります。

⑥  人材の確保と育成を図るため、新卒社員の採用並びに専門的知識と経験の豊富な人材の通年採用を積極的に進めるとともに社員一人一人が多様で柔軟な働き方が実現できるよう働き方改革に取り組みます。

⑦  SDGsに取り組み、環境との調和を目指した製品技術・生産技術などの開発により技術領域を広げていくとともに、地球規模の視野に立った環境保全活動を行い、持続可能な社会の実現に貢献できる企業づくりを推進いたします。

 

(3) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後の世界経済は、国内外で始まったワクチン接種と各国景気刺激策の効果が期待されております。しかしながら、感染力の強い新型コロナウイルス変異株による感染拡大が報告されており、まだまだ収束が見えない状況に加えて、米中摩擦をはじめとする地政学的リスク等もあり、経営環境は依然として予断を許さない状況が続いています。

このような環境のなか、当社グループは‘21中期経営計画を策定し、変化にぶれない強い企業を目指し、より一層の経営の効率化とコスト削減に取り組み財務体質の強化を図るとともに情報化時代に適応し、販売・生産体制の強化と技術開発力の向上を積極的に推進いたします。また、SDGsに取り組み、持続可能な社会の実現に貢献できる企業づくりも推進してまいります。

 

 

(4) 目標とする経営指標

2020年度からの経営目標となる中期3か年計画は、作成段階で新型コロナウイルス感染拡大の影響による世界的な景気後退局面を迎えたことから、開示を延期いたしました。新たに見直しを行い、2021年3月に2021年度からの中期3か年計画として‘21中期経営計画を開示いたしました。最終年度の2023年度には売上高750億円、営業利益率は11%以上を目指します。

 

‘21中期経営計画(年度別 売上高・営業利益目標値)

 

 

2021年度

2022年度

2023年度

売上高

(億円)

700

730

750

営業利益

(億円)

73

80

83

前提為替レート:  1米ドル=105円    1ユーロ=115円

 

利益還元に関する目標値

・1株当たり配当金54円以上(連結配当性向35%)

・3年間(2021年度~2023年度)の平均連結総還元性向50%

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経済状況の変化について

当社グループは、自動車産業、一般産業、農業機械産業、情報機器関連産業、建築産業等における機能部品を開発、製造し、提供する企業であり、日本、アジア、米国、欧州等を主要な市場としております。従って、各々の業界での需要の変化並びに各々の地域での需要や経済状況の変化によって影響を受ける場合があります。

主力製品である伝動ベルトは、自動車産業、一般産業、農業機械産業、情報機器関連産業向けを中心として納入しており、その各々の業界での需要の低下や設備投資の減少により、結果として、ベルトや装置を提供する当社製品の需要が減少する場合があり、業績に影響を受ける場合があります。

また、当社グループが販売する伝動ベルトは、その約75%を海外で生産しており、今後も海外への依存度が高まることから、海外における経済の影響を受ける場合があります。

戦争やテロ、暴動、災害、伝染病等により、経済活動に急激な打撃を受けた場合、その間、需要が低迷することが想定されますが、材料の調達や顧客への製品の納入が困難となることも想定されます。従って、当社グループは、顧客への製品納入体制の充実を図るため、様々な対策を既に講じていますが、必ずしも全てのリスクを回避し得るとは限りません。

以上のようなことから、業界の動向や国内・海外の経済状況により、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(2) 新型コロナウイルス感染症による異常事態について

当社グループは、様々な産業に向けて製品を製造し、提供する企業であり、日本、アジア、米国、欧州等を主要な市場としているため、新型コロナウイルス感染症のように世界全体に広がり影響が及ぶ状況の中では、世界全体の経済活動が停滞し、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を受ける可能性があります。

このような状況の中、当社グループでは、新型コロナウイルス対策本部を設置し、勤務体制の見直しやテレワーク等を積極的に推進するとともに、リスク管理委員会の活動を通じて、感染拡大防止マニュアルの標準化やBCPの策定により事業リスクの最小化を図るべく取り組んでまいります。また、取引先との情報交換の体制強化を図り、厳しい状況下にあってもより良い体制がとれるよう、事業活動を推進してまいります。

 

(3) 自動車産業から受ける影響について

当社グループの売上のうち、自動車産業への販売による依存度は約40%に及んでいることから、特定の自動車メーカーの系列に属さないものの、自動車産業の景気低迷、顧客企業の業績不振、顧客の部品調達方針の変更あるいは大規模な自然災害による被災など、当社が管理できない要因により影響を受ける可能性があります。

自動車産業をはじめ全ての顧客に対し、顧客満足度を維持、向上させるための経営に取り組んでいますが、これらの状況の変化により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

なお、電動化の進展については、常に動向を注視し、内燃機関用ベルトの需要減少を中長期的なリスクとして捉え、対応を進めております。

 

 

(4) 材料の調達について

当社グループの生産拠点は、製品の製造に伴う主要原料であるゴム、帆布、ガラス繊維、樹脂など様々な材料を必要としており、これらの調達については、安定して調達できること、安価であること、品質上問題がないことなどを考慮し、仕入業者を分散して調達しております。なお、リスク管理委員会の活動を通じて、重要な材料・加工品は、特定の取引先に過度に依存することがないように複数社購買のための準備を図っており、また、取引先に対しBCPの策定を要請しております。

しかしながら、原油をはじめとする資源価格の高騰局面にあっては、主要原料の市況価格が上昇し、その調達コストが大きく押し上げられることによって、製造原価が大幅に上昇する可能性があります。また、海外からの原材料の調達や海外拠点への原材料供給において輸出入規制等の変更が安定的、効率的調達の阻害要因となる可能性もあります。

以上のことから、当社グループが柔軟に原材料の調達ができない場合や、調達コストが著しく上昇する場合には、業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 為替レートの変動について

当社グループは、日本、アジア、米国、欧州等を中心として製品の生産、販売活動を行っております。各地域の販売活動は輸出も含んでおり、通常取引の上での為替の変動リスクに加え、取引の結果として保有する外貨預金、売掛金及び貸付金等の外貨建資産が為替変動の影響を受ける可能性があります。

また、連結財務諸表作成の過程で全て円換算することから、換算時の為替レートにより現地通貨の価値に変動がなくても円換算後の価値に影響を受ける可能性があります。他の通貨に対する円高(特に影響の大きい米ドル及びユーロに対する円高)は、当社グループにとっても業績のうえで影響を受けることとなります。

当社グループは、為替リスクを軽減し、これらをできる限り回避するため様々な施策を講じていますが、短期的な影響には対応できないケースも少なくないことから、業績や資産価値の下落などに影響を与える可能性があります。

 

(6) 国内外の事業活動における公的規制について

当社グループは、事業を展開する各国において、輸出入に関する規制、関税に関する規制、事業や投資に関する規制等、様々な制限を受けており、また、独占禁止、特許、租税、廃棄物処理・リサイクルなど環境等の様々な法的な規制も受けております。従って、これらの経営環境に当社グループの事業活動が柔軟に対応できない場合には、コストの増加や海外進出をしている国からの事業の撤退を余儀なくされる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 製品の品質について

当社グループは製品品質の維持向上を図るため、顧客要求基準及び当社グループ基準に基づいた厳しい品質管理体制をとっておりますが、万一、欠陥品や顧客クレームが発生した場合に備え、当社グループの損失を最小限にとどめるための損害保険を付保しております。

しかしながら、保険の適用対象とならない事態に至った場合には、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(8) 自然災害等のリスクについて

当社グループの生産拠点において地震・水害等の自然災害による壊滅的な損害を受けた場合には、顧客への製品の供給が困難となり、売上高の減少や修復に伴う一時的な巨額の費用負担が発生する可能性があります。このような災害に備えるため、海外の生産拠点に対するバックアップも含めた国内外の生産体制の整備を図るとともに、リスク管理委員会の活動を通じて、製品の納入等に対するリスク回避のための検討を行い、大規模事故・災害が発生後、早期に顧客への製品供給対応が図れるよう、体制の強化・充実に取り組んでおります。

しかしながら、このような取り組みにも拘わらず、一時的な操業の中断や納入遅れの発生、修復に係る多大な費用の発生により、業績に影響を受ける可能性があります。

また、当社グループの生産拠点が損害を受けない場合でも、主要顧客が自然災害による壊滅的な損害を受けたり、サプライチェーンの寸断などで生産停止あるいは減産を余儀なくされる事態に至れば、売上の減少により業績に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①  財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により企業収益の大幅な低下や雇用環境の悪化が続きましたが、感染対策を行いながら徐々に経済活動を戻していくなか、業種格差はありますが、生産や個人消費に持ち直しの動きが見られました。

海外経済については、いち早く景気回復した中国にけん引され、下期にかけてグローバルに需要の回復が見られました。

このような環境のもと、当社グループは感染防止対策に注力するとともに、従業員の身の安全と雇用維持ができるよう努める一方、売上高と利益の確保も最大限図れるよう、活動してまいりました。

 

その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

総資産は、前連結会計年度末比6,909百万円増加の108,063百万円となりました。

負債は、前連結会計年度末比598百万円増加の29,799百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末比6,311百万円増加の78,264百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の当社グループの経営成績は、売上高64,862百万円(前連結会計年度比8.7%減)、営業利益4,968百万円(前連結会計年度比31.9%減)、経常利益5,759百万円(前連結会計年度比24.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,066百万円(前連結会計年度比25.6%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

国内ベルト事業の売上高は24,777百万円(前連結会計年度比9.1%減)、営業利益は4,762百万円(前連結会計年度比26.6%減)となりました。

海外ベルト事業の売上高は29,611百万円(前連結会計年度比8.9%減)、営業利益は2,735百万円(前連結会計年度比20.6%減)となりました。

建設資材事業の売上高は5,747百万円(前連結会計年度比16.4%減)、営業利益は291百万円(前連結会計年度比11.7%増)となりました。

その他の売上高は4,726百万円(前連結会計年度比7.0%増)、営業利益は123百万円(前連結会計年度比123.4%増)となりました。

 

②  キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して698百万円増加の8,612百万円の収入となりました。主な要因は、前連結会計年度と比較して税金等調整前当期純利益が1,957百万円減少した反面、たな卸資産の増減額が1,504百万円減少したことに加え、その他の流動資産の増減額が758百万円減少したことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して2,722百万円減少の3,071百万円の支出となりました。主な要因は、前連結会計年度と比較して定期預金の預入による支出が1,196百万円減少した反面、定期預金の払戻による収入が4,871百万円減少したことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して2,104百万円増加の4,104百万円の支出となりました。主な要因は、前連結会計年度と比較して長期借入れによる収入が600百万円減少した反面、自己株式の取得による支出が2,467百万円減少したことによるものです。

営業、投資、財務の各活動によるキャッシュ・フローの合計額に為替換算差額1,160百万円を加算し、現金及び現金同等物の増加額が2,597百万円となり、これに期首残高31,143百万円を加算した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は33,741百万円となりました。

 

③  生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

国内ベルト事業

20,319

△7.3

海外ベルト事業

21,636

△15.6

建設資材事業

2,464

△24.2

その他

1,423

△32.5

合計

45,844

△13.3

(注)1  金額は、販売価格によっております。

2  上記の金額には、外注製品受入高は含まれておりません。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

国内ベルト事業

28,127

△2.5

2,733

21.2

海外ベルト事業

31,290

0.9

3,338

101.2

建設資材事業

5,581

△14.4

340

△5.2

その他

500

61.6

41

135.8

合計

65,500

△1.8

6,453

50.4

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

国内ベルト事業

24,777

△9.1

海外ベルト事業

29,611

△8.9

建設資材事業

5,747

△16.4

その他

4,726

7.0

合計

64,862

△8.7

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①  財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)  財政状態

当連結会計年度末は、現金及び預金の増加等により流動資産が3,581百万円、投資有価証券の増加等により固定資産が3,328百万円とそれぞれ増加したことから、総資産は前連結会計年度末比6,909百万円増加の108,063百万円となりました。

負債は、借入金の減少等により流動負債が168百万円減少したものの、繰延税金負債の増加等により固定負債が767百万円増加したことから、前連結会計年度末比598百万円増加の29,799百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が2,496百万円増加したほか、その他の包括利益累計額が3,816百万円増加した結果、前連結会計年度末比6,311百万円増加の78,264百万円となりました。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の71.1%から72.4%に上昇しました。

 

前連結会計年度との比較は下記のとおりであります。

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

総資産額

(百万円)

101,154

108,063

6,909

純資産額

(百万円)

71,953

78,264

6,311

自己資本比率

(%)

71.1

72.4

1.3

1株当たり純資産額

(円)

2,474.56

2,691.63

217.07

 

2)  経営成績

イ  売上高

売上高は、前連結会計年度と比べ8.7%減少の64,862百万円となりました。

国内ベルト事業の売上高は、前連結会計年度と比べ9.1%減少の24,777百万円となりました。自動車用ベルトは、組み込みライン用や純正補修向けの販売はユーザーの生産回復に伴って増加傾向にあるものの、期間前半の落ち込みが大きいことから、売上高が減少しました。また、一般産業用ベルトや搬送ベルト、合成樹脂素材についても、期間を通じて国内企業の生産活動が低調であったことから、売上高が減少いたしました。

海外ベルト事業の売上高は、年度当初に各国が実施したロックダウンにより経済活動が停滞したことから、前連結会計年度と比べ8.9%減少の29,611百万円となりました。第3四半期以降、自動車用ベルトは米国や中国において需要の回復がみられ、年度当初に比べ大幅に受注が増加しました。また、一般産業用ベルトは、中国や東南アジアにおいて農業機械向けの需要が回復し通期では増加となりました。一方、OA機器用ベルトはオフィス向け機器の生産が減少した影響により売上高が減少しました。

建設資材事業の売上高は、前連結会計年度と比べ16.4%減少の5,747百万円となりました。建築部門は屋上防水改修工事の発注や進捗が遅れたことに加え、土木部門では廃棄物処分場などの工事物件の減少や規模縮小の影響により売上高が減少しました。

その他の売上高は、前連結会計年度と比べ7.0%増加の4,726百万円となりました。その他には、エンジニアリング ストラクチュラル フォーム、金属ナノ粒子を応用した新製品、仕入商品等が含まれております。

 

ロ  売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、前連結会計年度と比べ6.8%減少の45,868百万円となりました。また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べ3.6%減少の14,025百万円となり、営業費用全体では前連結会計年度と比べ6.1%減少の59,894百万円となりました。

 

ハ  営業外損益

営業外損益は、前連結会計年度の360百万円の収益(純額)に対し、当連結会計年度は791百万円の収益(純額)となりました。

金融収支が、前連結会計年度の535百万円の収益(純額)に対し、当連結会計年度は366百万円の収益(純額)と悪化した反面、為替が差損から差益に転じたこと等により、その他営業外損益項目は前連結会計年度の174百万円の費用(純額)から当連結会計年度は424百万円の収益(純額)と改善しました。

この結果、経常利益は前連結会計年度と比べ24.8%減少の5,759百万円となりました。

 

ニ  特別損益

特別損益は、前連結会計年度の154百万円の利益(純額)に対し、当連結会計年度は97百万円の利益(純額)となりました。

この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度と比べ25.1%減少の5,857百万円となりました。

 

ホ  親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ25.6%減少の4,066百万円となりました。

これにより、1株当たり当期純利益は前連結会計年度の183円61銭に対し、当連結会計年度は139円84銭となりました。

 

3)  経営成績に重要な影響を与える要因等

当社グループは、自動車産業、一般産業、農業機械産業、情報機器関連産業、建築・土木産業への売上高がグループ全体売上高に対する大きな割合を占めていることから、これらの産業は環境の変化も大きく、また、競争も激しいため常に厳しい経営環境と言えます。

当社グループの経営に影響を与える主な要因としては、国内・海外の市場動向、為替動向、資材費の動向、諸外国の政策方針に伴う輸出入規制の動向などがあげられます。

こうした中でも、当社グループは、グローバル市場における競争に勝ち残っていくとともに、財務基盤を強化し、ユーザニーズに対応した高機能、高精密、高品質な製品を提供できるものづくりを目指し、「品質を作り、品質を売る」という創業の精神のもと、グループ全体の強固な経営基盤を確立すべく、取り組んでいきます。

経営環境の変化に対応できるよう、常にムダを省き、合理化、生産性向上を推進し、厳しい環境下でも利益が確保できる体質を構築して行きます。

また、当社グループは海外との取引が約半分を占めることから、計画段階での想定レートを厳しく設定し、経営に大きな影響が及ばないよう配慮して取り組んでいます。さらに、海外との取引上の規制等の問題については、グループの現地法人との定期的な会合等を通じて、情報共有に努めています。

 

4)  経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「第2  事業の状況  1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等  (4) 目標とする経営指標」に記載のとおり、2020年度からの経営目標となる中期3か年計画は、作成段階で新型コロナウイルス感染拡大の影響による世界的な景気後退局面を迎えたことから、開示を延期いたしました。

なお、以前より目標としている営業利益率11%以上については、2020年度は7.7%と未達となりました。

 

5)  セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

〔国内ベルト事業〕

自動車用ベルトは、組み込みライン用や純正補修向けの販売はユーザーの生産回復に伴って増加傾向にあるものの、期間前半の落ち込みが大きいことから、売上高が減少しました。また、一般産業用ベルトや搬送ベルト、合成樹脂素材についても、期間を通じて国内企業の生産活動が低調であったことから、売上高が減少いたしました。

その結果、当事業の売上高は24,777百万円(前連結会計年度比9.1%減)、営業利益は4,762百万円(前連結会計年度比26.6%減)となりました。

また、セグメント資産は、ベルト製造設備の増設を行うとともに、試験設備の増強、老朽化設備の更新などにより、58,434百万円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。

 

〔海外ベルト事業〕

当事業においては、年度当初に各国が実施したロックダウンにより経済活動が停滞したことから、当事業全体の売上高は期間累計では減少しました。しかしながら、第3四半期以降、自動車用ベルトは米国や中国において需要の回復がみられ、年度当初に比べ大幅に受注が増加しました。また、一般産業用ベルトは、中国や東南アジアにおいて農業機械向けの需要が回復し通期では増加となりました。一方、OA機器用ベルトはオフィス向け機器の生産が減少した影響により売上高が減少しました。

その結果、当事業の売上高は29,611百万円(前連結会計年度比8.9%減)、営業利益は2,735百万円(前連結会計年度比20.6%減)となりました。

また、セグメント資産は、ベルト製造設備の増設を行うとともに、老朽化設備の更新などにより、43,857百万円(前連結会計年度比8.0%増)となりました。

 

〔建設資材事業〕

建築部門は屋上防水改修工事の発注や進捗が遅れたことに加え、土木部門では廃棄物処分場などの工事物件の減少や規模縮小の影響により売上高が減少しました。

その結果、当事業の売上高は5,747百万円(前連結会計年度比16.4%減)、営業利益は291百万円(前連結会計年度比11.7%増)となりました。

また、セグメント資産は2,945百万円(前連結会計年度比11.4%減)となりました。

 

〔その他〕

その他には、エンジニアリング ストラクチュラル フォーム、金属ナノ粒子を応用した新製品、仕入商品等が含まれております。

その他の売上高は4,726百万円(前連結会計年度比7.0%増)、営業利益は123百万円(前連結会計年度比123.4%増)となりました。

また、セグメント資産は4,684百万円(前連結会計年度比8.6%減)となりました。

 

②  キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

1)  キャッシュ・フローの状況

「第2  事業の状況  3  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1) 経営成績等の状況の概要  ②  キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

2)  資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金及び設備資金については、自己資金又は金融機関からの借入により資金調達することを基本とし、このうち、借入による資金調達に関しては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は長期借入金で調達しております。一方で、キャッシュ・マネジメント・システムの導入によりグループ内での余剰資金の有効活用を図っております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は6,094百万円であります。また、現金及び現金同等物の残高は33,741百万円となっております。

 

③  重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は適正な連結財務諸表を作成する責任を有しており、以下の確認を行っております。

また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表  注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表  注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

 

a.有価証券

投資その他の資産に計上している有価証券は、当社の保有目的に基づき、子会社・関連会社株式及びその他有価証券に適切に分類し、会計処理しております。減損処理にあたっては、その他有価証券で時価のあるものについて、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理の対象とし、30%から50%までのものについては当該会社の資産状況、金額の重要性等を勘案して必要と認められる額を減損処理の対象としております。また、非上場株式については、純資産額が50%以上下落した場合に減損処理の対象としております。

 

b.たな卸資産

たな卸資産は、棚卸資産の評価に関する会計基準に基づき適切に評価しております。

 

c.営業債権

営業債権は、貸借対照表日以前の売上から生じた債務者に対する正当な債権であり、貸借対照表日後に出荷したもの、委託又は試用販売のために出荷したもの等に係る債権は含めておりません。また、貸借対照表日後に発生すると予想される貸倒損失に対して適正な引当金を計上しております。

 

d.繰延税金資産

適正な法人税等及び法人税等調整額を計上しております。繰延税金資産に関しては将来の回収可能性を十分に検討し回収可能な額を計上しております。

 

e.固定資産の減損

固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、回収可能価額に基づき減損の判定を行っております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は「高機能、高精密、高品質な製品の提供を通して社会に貢献する」を経営基本方針に掲げ、新規技術の開発、周辺技術の研究を通じ基盤技術の一層の充実を図り、流動解析・衝撃解析・応力解析などのシミュレーション技術を積極的に活用し、多様で変化の速いユーザニーズにタイムリーに対応するとともに、環境負荷低減、高生産性、さらには経営基本方針にうたわれた高機能、高精密、高品質な製品開発を目指して、材料、設備、工法、評価方法等を含めたトータルな研究開発活動を行っております。

現在、研究開発は当社の研究・製品開発部門、各事業部門の設計・開発部門並びに各グループ会社の開発部門との連携により推進されております。また、大学や研究機関との共同研究並びに他社との共同開発を密接な連携・協力のもとに推進し、先進技術の研究開発を効果的に進めております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は2,671百万円であります。

なお、研究開発費については、研究・製品開発部門で行っている銀ナノペースト、ガラス用着色剤・表面処理剤、銅導体ペースト及び基板等、各事業部門に配分できない基礎研究費用771百万円が含まれております。

 

(1) 国内ベルト事業

主に当社及び三ツ星ベルト技研㈱が中心となって、これまで培ってきたベルトに関する技術をベースとして高機能を追及した伝動、搬送システムについて研究開発を行っております。当連結会計年度の主な研究開発成果としては、高トルクタイミングベルト「メガトルクGⅢ」、農業機械用高負荷対応Vベルト、電動パワーステアリング用ウォームホイール、グローバルな食品衛生法に適合した樹脂コンベヤベルト等をあげることができます。

当事業に係る研究開発費は1,512百万円であります。

 

(2) 海外ベルト事業

国内ベルト事業と同じく、主に当社及び三ツ星ベルト技研㈱が中心となって研究開発を行っております。当事業に係る研究開発費は、国内ベルト事業に係る研究開発費に含まれております。

 

(3) 建設資材事業

当連結会計年度の主な研究開発成果としては、ネオハードフォーム防水工法、断熱セラミック塗料等をあげることができます。

当事業に係る研究開発費は109百万円であります。

 

(4) その他

当連結会計年度の主な研究開発成果としては、社内生産ラインの自動化装置等をあげることができます。

当事業に係る研究開発費は277百万円であります。