文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社は「創意あふれる技術を結集して、健康的で快適な人間生活に寄与する商品をつくり出し、当社に関係するすべての人々により大きな満足を与えることをめざす」ことを企業使命とし、以下の事項を経営理念に据え、グループの総力を尽くしてこれらを実現させながら企業価値の増大を図るとともに、結果としてお客様、株主、従業員、その他のステークホルダーの信頼を得て、経済・社会の発展に貢献してまいります。
1 法令(行政上の通達・指針等を含む)、就業規則及び企業倫理を遵守する。
2 独自の技術を基盤に人々の生活に役立つ商品を多面的、積極的に開発し提供していく。
3 高品質を徹底して追求することによってオリジナルブランド「オカモト」への信頼感を高め、国内・国際市場で強い競争力を維持していく。
4 可能なかぎりの合理化努力を続け、つねにユーザーやお客様に歓迎されるよい仕事を継続する。
5 社内においては、協調を旨とし、全員一丸となって生き甲斐と潤いのある職場環境を創造していく。
当社はROE(株主資本利益率:当期利益/株主資本)を世間一般の要求水準とされている8%以上とすることを目標としております。過去の株価等の市場データに基づき、CAPM(資本資産評価モデル)により推計される当社の株主資本コストはこれを下回る水準ですが、中長期的に株主資本コストを上回るリターンを継続することによって企業価値の増大を目指してまいります。
当社グループは、原油価格や為替の変動及び海外発の不安が引き続きリスクとなっておりますが、上記の経営方針のもと更なる成長と事業基盤の拡大に努めるため、次の課題に重点的に取り組んでまいります。
① 産業用製品事業及び生活用品事業それぞれにおいて、事業の継承や経営権の取得等を通じて事業の多角化を進めてまいりましたが、これら事業及びグループ企業における生産面及び販売面での一層の相乗効果を出し、グループ全体の売上及び利益の向上を目指す。
② 原油価格や為替の変動等により事業環境が変動しても、固定費・経費の圧縮等を更に進め、確たる利益を継続的に計上できる体質を強化する。
③ 競争力のある高付加価値の新製品を市場に投入していくため、研究開発力の維持・向上を図るとともに、研究開発センターを中心に長年培ってきた技術を生かして製造コストの削減を継続的に行い、製造期間の短縮・品質の向上等モノづくりの強化に努め、さらに、資材調達から物流までのサプライチェーンの最適化及び強化を進め、コスト競争力の向上を図る。
④ ISO14001認証の企業グループとして、省資源の促進及び廃棄物の削減による環境負荷低減活動を進めるとともに、ユーザーが要望する環境対応商品の開発及び上市を進め、また、コンドーム業界のリーディング・カンパニーとして、HIV/AIDSをはじめとするSTI(性感染症)予防啓発活動を積極的に展開し、環境問題や社会的要請への取り組みを強化し、もってサステナビリティ(持続可能な社会)の実現を目指す。
⑤ 品質の追求と顧客ニーズに合致した製品開発により他社との差別化を図り、オカモトのブランド力を高め、中長期的に市場競争力を維持する。
今後の見通しにつきましては、第一に新型コロナウイルス感染症について、ワクチンの開発・接種の始まりで少しずつ回復の兆しが見え始めてはおりますが、ワクチン接種率は依然として低迷していることや変異株の流行に対する不安感から、消費動向や雇用環境を含めて予断を許さない状況となっております。
特に生活用品事業では、訪日外国人によるインバウンド需要が大幅に縮小しましたので、衛生用品(避妊具)については日本製(MADE IN JAPAN)としての高い技術力及びブランド力をより強化して国外での販売力強化に努めてまいります。
また、大規模な集客イベントや展示会等の開催中止、リモートワークなどによる新生活様式の浸透等により、プラスチック製品の市場は全体的に縮小している側面がありますので、新素材の研究や新たな用途開発等により細かな顧客ニーズの獲得に努めてまいります。
産業用製品事業においては、自動車関連事業の市況回復が顕著になっておりますが、自動車メーカー各社の売上海外比率の拡大や世界的なサプライチェーンの見直しが進んでおり、国内外でのより幅広い受注のため、中国国内(武漢)に生産工場を設立しグローバルで生産能力を強化し、将来を見据えた営業体制の構築に努めてまいります。
また、海洋ゴミ問題に端を発するプラスチック使用量削減の動きはさらに活発化してきており、企業としての社会的責任を遂行しながら持続的成長を図るため、全社を挙げてプラスチックの使用及び廃棄物の削減・縮小に取り組みます。
以上に加えて、生産面では、昨今の大規模自然災害が断続的に発生していることを踏まえ、各工場における自然災害リスクの総点検と対策を継続的に実施するとともに、仕入先及び得意先それぞれとの間でのサプライチェーンの強化を図ってまいります。また、少子高齢化を踏まえた人手不足が叫ばれて久しく、自動化等による生産効率のさらなる向上に取り組んでまいります。
これら様々な課題に対し、当社グループは「身近な暮らしを科学する」を掲げて、顧客ニーズを満たす品揃えの強化と販売の拡大に取り組んでまいります。企業として全てのステークホルダーに対する社会的責任を真摯に受け止め、コンプライアンスやリスク管理体制のさらなる充実を図るとともに、より透明性のある経営を目指し、内部統制の強化、情報開示の充実に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 原材料価格高騰のリスク
当社グループの製品群の多くは、石油など一次産品をもとにした原材料を加工したものであり、ここ数年来の原材料価格の高騰に伴い、製品価格に転嫁が出来ないような景気動向が続く場合、営業利益への圧迫が懸念されます。
(2) 季節要因のリスク
当社グループの製品群には、カイロ、雨衣、除湿剤等の季節的要因、特に冷夏・暖冬、低降水量・低降雪量といった天候の影響を受けやすい製品があります。機動的な生産、在庫の最適化に努めておりますが、これらの季節的要因については予測が困難であるため、その変動によって当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 海外展開に伴うリスク
当社グループは、事業をグローバルに展開しておりますが、これに伴い以下の場合には当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
① 為替変動リスク
当社グループは外貨建取引を行っておりますが、それらは為替レート変動による影響を受けることがあります。為替予約等による相場変動のリスクヘッジを行っているものの、急激な為替レートの変動は、業績に影響を与える可能性があります。
② 地政学的リスク
当社グループではアジア及び北米地域に事業拠点を開設するとともに、グローバルに取引を展開しておりますが、昨今の国際情勢で経済格差が顕著な地域や一部には政治的な緊張感が高まっている地域があり、こうした地域で、政治変動・経済情勢の変化・法改正等により、著しい景気の悪化、労働力不足やストライキのほか、テロ、戦争などが発生した場合、当社グループの経営成績や財政状況などに影響を及ぼす可能性があります。
(4) 地震等自然災害及び感染症によるリスク
当社グループは、全社的に突発的な自然災害、不慮の事故の発生等に備えて、損害保険及び火災保険等により影響を最小限度に止めるよう努めておりますが、当社の産業用製品事業の中核を担う静岡工場は大規模地震発生の可能性を指摘されている地域に位置し、また、福島工場は「令和元年東日本台風」による浸水被害が発生した地域に位置しており、これらを含めた自然災害が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の感染症の発生及び拡大は、原材料の継続的な調達、生産体制の維持、市場への製品の安定供給やサプライチェーンに著しい支障をきたす場合があり、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、お客様、取引先及び従業員の安全を第一に考えるとともにさらなる感染拡大を防ぐため、出張制限やテレワーク等の勤務形態の見直し等を実施しながら事業活動への影響の低減に努めておりますが、今後事態が長期化又はさらなる感染拡大が進行した場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当該影響を現時点において合理的に算定することは困難であります。
(5) 製品の品質によるリスク
当社グループは、品質管理を経営の重要課題とし、品質管理体制に万全を期しておりますが、予想を超える品質トラブルが発生すれば、売上の減少や企業ブランド価値の低下等経営成績や財政状態に支障をきたす懸念があります。
(6) 情報漏洩のリスク
当社グループは、事業活動において顧客等の個人や信用に関する情報を入手し、他企業等の情報を受け取ることがあります。これらの情報の秘密保持には細心の注意を払い、情報の漏洩が生じないよう最大限の管理に努めておりますが、不測の事態により情報が外部に流出する可能性があります。この場合には、損害賠償等の多額な費用負担が発生して、事業活動やブランドイメージに影響が及ぶ可能性があります。また、事業上の重要機密が第三者に不正流用される恐れもあり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 法律・規制・訴訟等のリスク
当社グループは、事業活動を行っている各国において、展開している事業に関連する様々な法律や規制の適用を受けております。今後、国内外における予期せぬ法律や規制の変更、新たな法律や規制により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの国内外の事業活動に関連して、重要な訴訟等が提起された場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 固定資産の減損リスク
① 産業用製品事業の減損リスク
当社及び当社グループの産業用製品事業が有する固定資産は、固定資産全体の約38%であります。これら製品は主として、取引先の生産工程で使用されるなど事業者向けの製品であります。これらを生産する設備は事業者向けのため、製造設備の構造的規模或いは投資金額が大きくなる傾向があり、短期的な回収より長期的な視点で設備投資を実施する場合があります。その場合、将来キャッシュ・フローを短期的に生成する事が出来ず減損損失に至る場合があります。
② 生活用品事業の減損リスク
当社及び当社グループの生活用品事業が有する固定資産は、固定資産全体の約30%であります。当社及び当社グループの一部製品は、他社と競合する製品が多数あり、その年の事業環境或いは販売動向等、市場での商圏変動や販売価格変動等が起こりやすい環境下にあります。これにより収益性の低下が生じた場合、減損損失の兆候を認識し将来キャッシュ・フローを生成する事が出来なかった場合は減損損失に至る場合があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、依然として新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けながら推移いたしました。個人消費につきましては新型コロナウイルスのワクチンの開発・接種の始まりに伴い少しずつ回復の兆しを見せてきましたが、感染力の強い変異株が発生し、直近では感染の再拡大が深刻化しており、感染の終息が見通せないなど、先行きが不透明な状況が続いております。
このような経営環境のなか、当社グループは新型コロナウイルス感染症防止対策を講じ、お客様との対面による営業活動の自粛、オンラインを活用した「ウイズ・コロナ」時代の新しい営業スタイルの構築等を行うとともに、回復基調にある市場でのシェア拡大に向けて事業活動を行ってまいりました。
結果、当連結会計年度における売上高は86,361百万円(前年同期比4.6%減)となりました。利益面では前期は「令和元年東日本台風」による福島工場の被災の影響等がありましたが、今期は福島工場が復旧したこと及び在庫圧縮やコストダウンを継続したことで営業利益は8,269百万円(前年同期比12.6%増)、経常利益は9,794百万円(前年同期比14.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,697百万円(前年同期比63.3%増)となりました。
a. 経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(産業用製品)
一般用フイルムは、飛沫飛散防止用途が引き続き堅調で売上増となりました。工業用フイルムは、海外向けが回復し売上増となりました。建材用フイルムは、車輌加飾用の市況が回復してきましたが、売上減となりました。多層フイルムは、工業用の受注が増加しましたが、食品包装用の需要が減少し、売上微減となりました。
壁紙は、住宅着工件数の低迷及び市況価格下落の影響で売上減となりました。農業用フイルムは、作物価格の下落による需要家における資材購入経費削減の影響を受け売上減となりました。自動車内装材は、自動車メーカーの生産調整からは回復しましたが、売上減となりました。フレキシブルコンテナは、石油化学メーカー向けの需要が減少し売上減となりました。粘着テープは、梱包用及び工業用テープの販売が低調で売上減となりました。工業用テープは、精密機械用の受注増がありましたが、売上前年並みとなりました。食品衛生用品は、外食産業・ホテル向けの小巻ラップは低調でしたが、衛生用品の取扱いが堅調で、売上微増となりました。食品用吸水・脱水シートであるピチット製品は、内食向けの食材用途は堅調に推移しましたが、外食産業向けが低調で、売上微減となりました。研磨布紙等は、各種用途向けの受注が低迷し売上減となりました。また、研磨材はハードディスクの表面加工用の採用中止の影響で売上減となりました。
以上により、当セグメントの売上高53,689百万円(前年同期比7.1%減)、セグメント利益は3,461百万円(前年同期比32.6%増)となりました。
(生活用品)
コンドームは、訪日外国人によるインバウンド需要の大幅縮小が影響し売上減となりました。浣腸は、堅調に推移し売上前年並みとなりました。除湿剤は、前年は「令和元年東日本台風」の被災の影響により売上を落としましたが、今期は完全に復旧し、売上増となりました。カイロは、暖冬及び緊急事態宣言の発出による外出自粛の影響で売上減となりました。手袋は、家庭用は巣ごもり需要と衛生意識の高まりにより堅調に推移し、医療用・産業用は感染対策需要により市場が急拡大し、売上大幅増となりました。メディカル製品のうち滅菌器は、医療施設・学校施設の感染対策としての需要があり売上大幅増となりました。ブーツ及び雨衣は、緊急事態宣言の発出による外出自粛の影響で売上減となりました。シューズは、生活様式の変化による消費低迷の影響で売上減となりました。
以上により、当セグメントの売上高は32,442百万円(前年同期比0.1%減)、セグメント利益は6,531百万円(前年同期比0.7%増)となりました。
(その他)
その他事業は、物流受託事業及び太陽光発電事業であります。
当セグメントの売上高(振替前)は3,604百万円(前年同期比1.7%減)、セグメント利益は296百万円(前年同期比36.4%増)となりました。
b. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は112,070百万円で、前連結会計年度末と比べ7,989百万円増加しております。
流動資産は69,478百万円で、前連結会計年度末と比べ4,636百万円の増加となりました。これは主として、現金及び預金2,484百万円、受取手形及び売掛金2,022百万円、電子記録債権534百万円が増加し、商品及び製品が677百万円減少したことによるものです。
固定資産は42,592百万円で、前連結会計年度末と比べ3,353百万円の増加となりました。これは主として、無形固定資産753百万円、投資有価証券5,265百万円が増加し、機械装置及び運搬具2,204百万円、繰延税金資産466百万円が減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における総負債は41,754百万円で、前連結会計年度末と比べ1,511百万円増加しております。
流動負債は30,000百万円で、前連結会計年度末と比べ558百万円の減少となりました。これは主として、未払法人税等が1,696百万円増加し、短期借入金945百万円、災害損失引当金728百万円、支払手形及び買掛金393百万円が減少したことによるものです。
固定負債は11,753百万円で、前連結会計年度末と比べ2,069百万円の増加となりました。これは主として、長期借入金1,000百万円、繰延税金負債546百万円、退職給付に係る負債246百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は70,316百万円で、前連結会計年度末と比べ6,478百万円増加しております。これは主として、利益剰余金3,821百万円、その他有価証券評価差額金3,275百万円が増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,484百万円(9.7%)増加し、28,052百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、8,175百万円(前年同期比33.8%減)となりました。
増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益7,859百万円、減価償却費2,853百万円、減損損失1,398百万円、減少の主な内訳は、売上債権の増加による減少2,714百万円、法人税等の支払額901百万円、災害損失の支払額728百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3,240百万円(前年同期比30.3%減)となりました。
支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出2,680百万円、投資有価証券の取得による支出446百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,236百万円(前年同期比37.6%減)となりました。
支出の主な内訳は、配当金の支払額1,875百万円、自己株式の取得による支出170百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの事業領域は、大きく産業用製品事業と生活用品事業に分かれ、その代表的な製品は、産業用製品事業ではプラスチックフイルム、壁紙、フレキシブルコンテナ、自動車内装材、粘着テープ、食品衛生用品、食品用脱水・吸水シート等であり、生活用品事業ではコンドーム、カイロ、除湿剤、メディカル製品、手袋、シューズ・雨衣等と多岐に亘ります。これらの事業は1934年の創業以来培ってきた素材の研究と高度な技術の追求、並びに会社の統合・合併・事業の譲受等による製造技術・ノウハウの吸収により、成長してまいりました。これらの事業を基盤として当社グループは環境にやさしい製品を世に送り出し、株主・顧客・取引先・地域社会・従業員などの様々のステークホルダーとの友好な関係の維持、発展に努めてまいりました。このような状況のなか、当連結会計年度における売上高は86,361百万円(前年同期比4.6%減)、営業利益は前期の台風被害による回復及び在庫圧縮やコストダウンを継続したことにより8,269百万円(前年同期比12.6%増)となりました。営業外損益は、為替レートの変動により前連結会計年度が135百万円の為替差損であったのに対し、当連結会計年度は170百万円の為替差益となりました。特別損失は、収益性の低下が生じ短期的な業績回復が見込まれないと判断した事業(農業用フイルム事業、カイロ事業、除湿剤事業、壁紙事業、シューズ事業、PPフイルム事業及び研磨布紙事業)に関して減損損失を1,398百万円計上しております。また、コロナ発生により米国子会社が所在する州政府の要請により、操業を休止した事から操業休止関連費用として100百万円を計上しております。加えまして、連結子会社が保有する賃貸資産の建て替えにより、建物解体費用引当金繰入額430百万円を計上し、特別損失全体で1,982百万円となっております。これらにより、親会社株主に帰属する当期純利益5,697百万円(前年同期比63.3%増)となりました。
事業全体としては、前連結会計年度において「令和元年東日本台風」の被害に遭いましたが着実に復旧を遂げ、また、被害に遭った福島工場については再発防止に向けた治水対策を講じるとともに、他の工場においてもリスクを総点検し、自然災害対策をさらに強化してまいります。新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、今後の広がり・収束時期等を正確に予測することは非常に困難と考えておりますが、2023年3月期の一定の時期に収束に向かい正常化していくとの仮定を定めた上で会計上の見積りを実施しております。
経営成績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 a.経営成績」に記載のとおりですが、産業用製品事業のうち特に自動車内装材は、新型コロナウイルス感染症による自動車メーカーの生産調整からは回復しましたが、半導体不足による減産計画など自動車関連事業の減速の影響が懸念されます。当該状況においても安定して収益を得られるように、より幅広い受注のための研究開発力の強化と、将来を見据えた営業体制の構築に努めてまいります。
生活用品事業のうち特にコンドームは、訪日外国人によるインバウンド需要に下支えされておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大により影響を受けております。当該状況においても安定して収益を得られるように、より付加価値の高い製品の開発と、国外での販売力強化に努めてまいります。なお、メディカル製品や衛生用品においては新型コロナウイルス感染症の影響で業績を一時的に伸ばしましたが、仕入価格の高止まりや物流在庫過多の影響が顕在化し、先行き不透明感が増しております。
今後、将来への成長をより加速・維持する経営を図るため、当社並びに連結子会社各社に至るまで収益の基盤を広げ、かつ強固なものとするため設備投資を進めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,484百万円増加(9.7%)し、28,052百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益では当社福島工場が「令和元年東日本台風」による被災からの復旧により操業が回復した事等もあり2,918百万円増加し7,859百万円の増加となりました。これにより売上債権の増加による減少2,714百万円(前年同期比6,923百万円増)、たな卸資産の減少による増加424百万円(前年同期比931百万円減)、建物解体費用引当金繰入額430百万円となりました。さらに、減価償却費2,853百万円(前年同期比248百万円減)、固定資産減損損失1,398百万円(前年同期比241百万円増)などにより、営業活動によるキャッシュ・フロー全体では8,175百万円の増加(前年同期比4,176百万円の収入減)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、将来の事業基盤となる設備投資を実施しておりますが、新型コロナウイルス感染症により先行きに不透明感があることから投資額を抑え、投資活動によるキャッシュ・フロー全体では3,240百万円の支出(前年同期比1,411百万円の支出減)となっております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株主還元の充実及び資本効率の向上等を目的とした施策としての配当金の支払額1,875百万円、自己株式の取得170百万円により財務活動によるキャッシュ・フロー全体では2,236百万円の支出(前年同期比1,347百万円の支出減)となっております。
よって、これらにより当連結会計年度末においての現金及び現金同等物は28,052百万円となりました。
また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、円滑な事業活動に必要な流動性の確保を主眼とし、主として銀行等から長期借入金及び短期借入金にて資金調達を行っております。なお、現時点では借入れによる資金調達により一定程度手許資金が確保されている状況のため、社債等の資金調達手段は考えておりません。今後も今まで築いてきた金融機関等との良好な関係を確保しつつ、追加で資金が必要になった時点で最良の判断を行っていく考えであります。
さらに当社グループは、様々な事業を展開していることから戦略的に資源配分を行っていく方針であります。特にここ最近では、将来の事業基盤を支える事業に積極的に設備投資を実施しており、設備投資額も高水準となっております。今後も経済状況を鑑み、競争力を維持していくための資源配分を行う考えであります。また同時に、株主還元の充実を図るため配当及び自己株式の取得も併せて実施する考えであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。
当社グループは、今まで独自の技術とノウハウを培い、高品質、高性能を追求することにより、「オカモトブランド」に対する消費者の信頼性を高める努力を続けてまいりました。
今後も、常に消費者に求められる「人々の生活に役立つ環境にやさしい製品」を積極的に開発し、提供してまいります。
現在、産業用製品の研究開発は静岡研究開発センターを中心に、また生活用品については茨城研究開発センターを中心に行っております。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(1) 産業用製品
当社が中心となり、プラスチックフイルム、農業用フイルム、自動車内装材、食品包装用フイルム、壁紙等の分野で、新素材、複合機能製品、非塩ビ製品、環境配慮製品等の消費者のニーズにあった製品開発を行っており、また粘着製品では包装用、工業用(電気・電子用テープ等)の新素材、新用途及び環境配慮製品の研究開発を行っております。
当セグメントに係る研究開発費の金額は
(2) 生活用品
当社が中心となり、コンドーム、手袋、カイロ、除湿剤、介護用品、医療機器、雨衣、シューズ、ブーツ等の分野にて多様化するニーズに応えるため研究開発を行っております。
当セグメントに係る研究開発費の金額は