第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は「創意あふれる技術を結集して、健康的で快適な人間生活に寄与する商品をつくり出し、当社に関係するすべての人々により大きな満足を与えることをめざす」ことを企業使命とし、以下の事項を経営理念に据え、グループの総力を尽くしてこれらを実現させながら企業価値の増大を図るとともに、結果としてお客様、株主、従業員、その他のステークホルダーの信頼を得て、経済・社会の発展に貢献してまいります。

1 法令(行政上の通達・指針等を含む)、就業規則及び企業倫理を遵守する。

2 独自の技術を基盤に人々の生活に役立つ商品を多面的、積極的に開発し提供していく。

3 高品質を徹底して追求することによってオリジナルブランド「オカモト」への信頼感を高め、国内・国際市場で強い競争力を維持していく。

4 可能なかぎりの合理化努力を続け、つねにユーザーやお客様に歓迎されるよい仕事を継続する。

5 社内においては、協調を旨とし、全員一丸となって生き甲斐と潤いのある職場環境を創造していく。

 

(2) 目標とする経営指標

当社はROE(株主資本利益率:当期利益/株主資本)を世間一般の要求水準とされている8以上とすることを目標としております。過去の株価等の市場データに基づき、CAPM(資本資産評価モデル)により推計される当社の株主資本コストはこれを下回る水準ですが、中長期的に株主資本コストを上回るリターンを継続することによって企業価値の増大を目指してまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、原油価格や為替の変動及び海外発の不安が引き続きリスクとなっておりますが、上記の経営方針のもと更なる成長と事業基盤の拡大に努めるため、次の課題に重点的に取り組んでまいります。

①  産業用製品事業及び生活用品事業それぞれにおいて、事業の継承や経営権の取得等を通じて事業の多角化を進めてまいりましたが、これら事業及びグループ企業における生産面及び販売面での一層の相乗効果を出し、グループ全体の売上及び利益の向上を目指す。

②  原油価格や為替の変動等により事業環境が変動しても、固定費・経費の圧縮等を更に進め、確たる利益を継続的に計上できる体質を強化する。

③  競争力のある高付加価値の新製品を市場に投入していくため、研究開発力の維持・向上を図るとともに、研究開発センターを中心に長年培ってきた技術を生かして製造コストの削減を継続的に行い、製造期間の短縮・品質の向上等モノづくりの強化に努め、さらに、資材調達から物流までのサプライチェーンの最適化及び強化を進め、コスト競争力の向上を図る

④  ISO14001認証の企業グループとして、省資源の促進及び廃棄物の削減による環境負荷低減活動を進めるとともに、ユーザーが要望する環境対応商品の開発及び上市を進め、また、コンドーム業界のリーディング・カンパニーとして、HIV/AIDSをはじめとするSTI(性感染症)予防啓発活動を積極的に展開し、環境問題や社会的要請への取り組みを強化し、もってサステナビリティ(持続可能な社会)の実現を目指す

⑤  品質の追求と顧客ニーズに合致した製品開発により他社との差別化を図り、オカモトのブランド力を高め、中長期的に市場競争力を維持する

⑥  製造現場での再生可能エネルギーの積極的な活用とさらなる省エネを推進し、また生産性をさらに改善させるための設備投資により廃棄物を削減し、太陽光発電事業についても維持発展させることにより持続可能な成長を図ってまいります。

 

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後の見通しにつきましては、依然として新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなか、ワクチン接種の広がりもあり、一部で経済活動は戻りつつありますが、様々な市場で需要の本格的な回復にはなお時間を要する状況となっております。また、人件費や物流費が高騰してきていることに加え、原油価格の上昇と急激な円安の進行による原材料価格の急騰は、ナフサ由来の原材料を多く取扱う当社といたしましては、喫緊の課題であります。

産業用製品事業においては、半導体不足のほか世界各国のロックダウン及び物流網の混乱による様々な部品の供給不足の影響が依然として継続しております。当社が中国国内(武漢)に建設していた生産工場は完成し、グローバルでの安定的な生産・供給体制を構築できましたので、常に変化する需要を的確に捉え、機動的かつ最適な生産・供給体制の構築と在庫の適正化に努めてまいります。また、大規模な集客イベントや展示会等の開催中止、リモートワークなどによる新生活様式の定着により、プラスチック製品の市場は全体的に縮小している傾向がありますので、新素材の研究や新たな用途開発等により細かなニーズの獲得に努めてまいります。

生活用品事業においては、訪日外国人によるインバウンド需要がほぼ無くなり、少子化の影響も加わり、国内のコンドーム市場は縮小傾向にありますので、新商品の上市や店頭での積極的な販促活動を行い国内需要の喚起を図ってまいります。また、国外の市場においては、引き続き日本製(MADE  IN  JAPAN)の高い技術力及びブランド力をより強化してシェア拡大に努めてまいります。

全社的には、海洋ゴミ問題に端を発するプラスチック使用量削減の動きのみならず、気候変動などの地球環境問題への配慮、自然災害等への危機管理など、サステナビリティへの取り組みも重要な課題です。脱炭素社会の実現に向けたプラスチック製品使用削減の動きを受けて、企業としての社会的責任を遂行しながら持続的成長を図るため、全社を挙げてプラスチックの使用及び廃棄物の削減・縮小に取り組みます。加えて、生産面では、昨今の大規模自然災害が断続的に発生していることを踏まえ、各工場における災害対策を実施するとともに、仕入先及び得意先それぞれとの間でのサプライチェーンの強化を図ってまいります。また、少子高齢化を踏まえた人手不足に対応するため、諸作業の機械化・自動化、事務作業の電子化等による生産効率の更なる向上に取り組んでまいります。

これら様々な課題に対し、当社グループは「身近な暮らしを科学する」を掲げて、顧客ニーズを満たす品揃えと販売の拡大に取り組んでまいります。企業として全てのステークホルダーに対する社会的責任を真摯に受け止め、コンプライアンスやリスク管理体制の更なる充実を図るとともに、より透明性のある経営を目指し、内部統制の強化、情報開示の充実に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
 

(1) 原材料価格高騰のリスク

当社グループの製品群の多くは、石油など一次産品をもとにした原材料を加工したものであり、ここ数年来の原材料価格の高騰に伴い、製品価格に転嫁が出来ないような景気動向が続く場合、営業利益への圧迫が懸念されます。

(2) 季節要因のリスク

当社グループの製品群には、カイロ、雨衣、除湿剤等の季節的要因、特に冷夏・暖冬、低降水量・低降雪量といった天候の影響を受けやすい製品があります。機動的な生産、在庫の最適化に努めておりますが、これらの季節的要因については予測が困難であるため、その変動によって当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 海外展開に伴うリスク

当社グループは、事業をグローバルに展開しておりますが、これに伴い以下の場合には当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

①  為替変動リスク

当社グループは外貨建取引を行っておりますが、それらは為替レート変動による影響を受けることがあります。為替予約等による相場変動のリスクヘッジを行っているものの、急激な為替レートの変動は、業績に影響を与える可能性があります。

②  地政学的リスク

当社グループではアジア及び北米地域に事業拠点を開設するとともに、グローバルに取引を展開しておりますが、昨今の国際情勢で経済格差が顕著な地域や一部には政治的な緊張感が高まっている地域があり、こうした地域で、政治変動・経済情勢の変化・法改正等により、著しい景気の悪化、労働力不足やストライキのほか、テロ、戦争などが発生した場合、当社グループの経営成績や財政状況などに影響を及ぼす可能性があります。

(4) 地震等自然災害及び感染症によるリスク

当社グループは、全社的に突発的な自然災害、不慮の事故の発生等に備えて、損害保険及び火災保険等により影響を最小限度に止めるよう努めておりますが、当社の産業用製品事業の中核を担う静岡工場は大規模地震発生の可能性を指摘されている地域に位置し、また、福島工場は「令和元年東日本台風」による浸水被害が発生した地域に位置しており、これらを含めた自然災害が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の感染症の発生及び拡大は、原材料の継続的な調達、生産体制の維持、市場への製品の安定供給やサプライチェーンに著しい支障をきたす場合があり、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、お客様、取引先及び従業員の安全を第一に考えるとともにさらなる感染拡大を防ぐため、出張制限やテレワーク等の勤務形態の見直し等を実施しながら事業活動への影響の低減に努めておりますが、今後事態が長期化又はさらなる感染拡大が進行した場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当該影響を現時点において合理的に算定することは困難であります。

(5) 気候変動に関するリスク

当社グループは、気候変動により気温上昇が進んだ場合に考えられる台風・集中豪雨等の異常気象や自然災害によって風水害の発生による工場等の復旧のためのコスト負担など経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、脱炭素社会に向けた各種規制の強化、炭素税の導入など移行時の環境変化により、今後の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 製品の品質によるリスク

当社グループは、品質管理を経営の重要課題とし、品質管理体制に万全を期しておりますが、予想を超える品質トラブルが発生すれば、売上の減少や企業ブランド価値の低下等経営成績や財政状態に支障をきたす懸念があります。

 

 

(7) 情報漏洩のリスク

当社グループは、事業活動において顧客等の個人や信用に関する情報を入手し、他企業等の情報を受け取ることがあります。これらの情報の秘密保持には細心の注意を払い、情報の漏洩が生じないよう最大限の管理に努めておりますが、不測の事態により情報が外部に流出する可能性があります。この場合には、損害賠償等の多額な費用負担が発生して、事業活動やブランドイメージに影響が及ぶ可能性があります。また、事業上の重要機密が第三者に不正流用されるおそれもあり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 法律・規制・訴訟等のリスク

当社グループは、事業活動を行っている各国において、展開している事業に関連する様々な法律や規制の適用を受けております。今後、国内外における予期せぬ法律や規制の変更、新たな法律や規制により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの国内外の事業活動に関連して、重要な訴訟等が提起された場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 固定資産の減損リスク

①  産業用製品事業の減損リスク

当社及び当社グループの産業用製品事業が有する固定資産は、固定資産全体の約39%であります。これら製品は主として、取引先の生産工程で使用されるなど事業者向けの製品であります。これらを生産する設備は事業者向けのため、製造設備の構造的規模あるいは投資金額が大きくなる傾向があり、短期的な回収より長期的な視点で設備投資を実施する場合があります。その場合、将来キャッシュ・フローを短期的に生成することが出来ず減損損失に至る場合があります。

②  生活用品事業の減損リスク

当社及び当社グループの生活用品事業が有する固定資産は、固定資産全体の約32%であります。当社及び当社グループの一部製品は、他社と競合する製品が多数あり、その年の事業環境あるいは販売動向等、市場での商圏変動や販売価格変動等が起こりやすい環境下にあります。これにより収益性の低下が生じた場合、減損損失の兆候を認識し将来キャッシュ・フローを生成することが出来なかった場合は減損損失に至る場合があります。

(10) 知的財産侵害に関するリスク

当社グループは、技術ノウハウの蓄積と知的財産権の保護に努めておりますが、第三者による知的財産権の侵害を効果的に防止できないことがあります。また、当社グループの製品又は技術が第三者の知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、その訴えが認められた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①  財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が変異株(オミクロン株)の発生による感染再拡大もあり長期化するなか、ワクチン接種の広がりもあり一部で経済活動は戻りつつありますが、本格的な回復には時間を要する見通しです。加えて、長期化する半導体の供給不足やサプライチェーンの混乱、原材料価格や物流費の高騰、急激な円安の進行のほか、さらにロシアによるウクライナ侵攻も発生し、先行きは不透明な状況が続いております。

このような経営環境のなか、当社グループは、回復の兆しのある自動車分野等での積極的な受注と、ロックダウンから回復基調にある海外市場での拡販に努めるとともに、生産効率の更なる改善、物流費その他のコストの圧縮に注力し、また、外部環境の急激な変化に対応するため過度な在庫を保有しないように柔軟かつ機動的な生産活動に努め事業活動を行ってまいりました。

結果、当連結会計年度における売上高は89,581百万円(前年同期比3.7%増)となりました。利益面では、原材料価格が増加したことにより営業利益は7,541百万円(前年同期比8.8%減)、経常利益は9,310百万円(前年同期比4.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,577百万円(前年同期比2.1%減)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、当連結会計年度の売上高は1,020百万円減少し、営業利益は2百万円増加、経常利益は3百万円増加しております。

 

a.  経営成績

  セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

  (産業用製品)

一般用フイルム及び産業用フイルムは、様々なイベント等の自粛・制限が続いていることの影響により売上減となりました。工業用フイルムは、海外ステッカー向け需要が減少し売上減となりました。建材用フイルムは、新規受注もあり堅調に推移し売上増となりました。多層フイルムは、工業材料用及び食品用の需要が増加し売上増となりました。壁紙は、新規受注及び値上げ前の駆け込み需要があり売上増となりました。農業用フイルムは、農業従事者の資材購入経費削減の影響により売上減となりました。自動車内装材は、新型コロナウイルス感染症の影響による減産から回復基調となり売上増となりました。フレキシブルコンテナは、石油化学向けの需要が減少し売上減となりました。粘着テープは、包装用テープの販売が堅調に推移し売上増となりました。工業用テープは、電材用及び車輌用の需要が増加し売上増となりました。食品衛生用品は、衛生資材が堅調に推移し、ラップフイルムは新規採用及び内食需要が増加し売上増となりました。食品用吸水・脱水シートであるピチット製品は、外食用途が緩やかに回復し、内食向けの食材用途や個人利用の拡大により売上増となりました。研磨布紙等は、海外向けの金属加工用や精密加工用の製品受注が増加し、半導体向けの研磨材も需要が増加し売上増となりました。

以上により、当セグメントの売上高は57,143百万円(前年同期比6.4%増)、セグメント利益は1,608百万円(前年同期比53.5%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は467百万円減少し、営業利益は0百万円減少しております。

 

  (生活用品)

コンドームは、国内需要の回復とドラッグストアでの積極的な販促活動を行い売上増となりました。また、海外向けも引き続き好調で売上増となりました。浣腸は、輸出が減少しましたが国内で新規定番採用があり売上前年並みとなりました。除湿剤は、前年の新型コロナウイルス感染症拡大下での巣ごもり需要からの反動はありましたが売上前年並みとなりました。カイロは、年明け以降には冬型の天気が続き販売好調となりましたが売上微減となりました。手袋は、医療用は需給バランス悪化の影響を受けましたが、家庭用はカシニーナシリーズの拡販に注力したことにより堅調に推移し、産業用・理美容向けが好調で売上増となりました。メディカル製品のうち滅菌器は、引き続き好調で売上増となりました。ブーツ及び雨衣は、主要ホームセンターでの受注減と業界全体の来店客数の減少の影響により売上減となりました。シューズは、生活行動の変化による消費低迷の影響により売上減となりました。

以上により、当セグメントの売上高は32,194百万円(前年同期比0.8%減)、セグメント利益は7,598百万円(前年同期比16.3%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は552百万円減少し、営業利益は3百万円増加しております。

 

 

  (その他)

その他事業は、物流受託事業及び太陽光発電事業であります。

当セグメントの売上高(振替前)は3,554百万円(前年同期比1.4%減)、セグメント利益は282百万円(前年同期比4.6%減)となりました。

 

b.  財政状態

  (資産)

当連結会計年度末における総資産は117,560百万円で、前連結会計年度末と比べ5,489百万円増加しております。

流動資産は73,026百万円で、前連結会計年度末と比べ3,547百万円の増加となりました。これは主として、現金及び預金3,757百万円、商品及び製品840百万円が増加し、受取手形及び売掛金855百万円、電子記録債権220百万円が減少したことによるものです。

固定資産は44,533百万円で、前連結会計年度末と比べ1,941百万円の増加となりました。これは主として、投資有価証券1,886百万円、長期貸付金805百万円が増加し、無形固定資産が573百万円減少したことによるものです。

 

  (負債)

当連結会計年度末における総負債は42,643百万円で、前連結会計年度末と比べ889百万円増加しております。

流動負債は30,797百万円で、前連結会計年度末と比べ796百万円の増加となりました。これは主として、電子記録債務1,905百万円、支払手形及び買掛金491百万円が増加し、未払法人税等1,315百万円、建物解体費用引当金206百万円が減少したことによるものです。

固定負債は11,846百万円で、前連結会計年度末と比べ93百万円の増加となりました。これは主として、繰延税金負債が549百万円増加し、長期借入金172百万円、退職給付に係る負債138百万円が減少したことによるものです。

 

  (純資産)

当連結会計年度末における純資産は74,916百万円で、前連結会計年度末と比べ4,599百万円増加しております。これは主として、利益剰余金1,761百万円、為替換算調整勘定1,200百万円、その他有価証券評価差額金1,103百万円が増加したことによるものです。

 

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,757百万円(13.4%)増加し、31,810百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、10,644百万円(前年同期比30.2%増)となりました。

増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益7,681百万円、減価償却費2,426百万円、仕入債務の増加1,704百万円、売上債権の減少による増加1,600百万円、減損損失750百万円、固定資産除却損657百万円、減少の主な内訳は、法人税等の支払額3,277百万円、棚卸資産の増加による減少795百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、3,751百万円(前年同期比15.8%増)となりました。

収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入295百万円、支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出2,599百万円、長期貸付による支出771百万円、投資有価証券の取得による支出318百万円、建物解体費用の支払額315百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、3,827百万円(前年同期比71.1%増)となりました。

支出の主な内訳は、配当金の支払額1,861百万円、自己株式の取得による支出1,707百万円であります。

 

 

③  生産、受注及び販売の実績

 

a.  生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

産業用製品

51,194

4.3

生活用品

22,029

7.4

合計

73,223

5.2

 

(注) 1  金額は、販売価格によっております。

 

 

b.  受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

産業用製品

33,444

6.9

2,969

1.9

生活用品

5,802

△8.3

466

9.0

合計

39,247

4.3

3,435

2.8

 

 

 

c.  販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

産業用製品

57,143

6.4

生活用品

32,194

△0.8

その他

242

5.8

合計

89,581

3.7

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①  財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの事業領域は、大きく産業用製品事業と生活用品事業に分かれ、その代表的な製品は、産業用製品事業ではプラスチックフイルム、壁紙、フレキシブルコンテナ、車輌内装材、粘着テープ、食品衛生用品、食品用脱水・吸水シート等であり、生活用品事業ではコンドーム、カイロ、除湿剤、メディカル製品、手袋、シューズ・雨衣等と多岐に亘ります。これらの事業は1934年の創業以来培ってきた素材の研究と高度な技術の追求、並びに会社の統合・合併・事業の譲受等による製造技術・ノウハウの吸収により、成長してまいりました。これらの事業を基盤として当社グループは環境にやさしい製品を世に送り出し、株主・顧客・取引先・地域社会・従業員などの様々のステークホルダーとの友好な関係の維持、発展に努めてまいりました。このような状況のなか、当連結会計年度における売上高は89,581百万円(前年同期比3.7%増)、在庫圧縮やコストダウンを継続したことにより営業利益は、7,541百万円(前年同期比8.8%減)となりました。営業外損益は、為替レートの変動により390百万円の為替差益となりました。特別損失は、収益性の低下が生じ短期的な業績回復が見込まれないと判断した事業(農業用フイルム事業、カイロ事業、除湿剤事業、壁紙事業、フレキシブルコンテナ事業、ラップ事業、PPフイルム事業及び研磨布紙事業)に関して減損損失を750百万円計上しております。加えまして、システム除却により657百万円を計上し、特別損失全体で1,645百万円となっております。これらにより、親会社株主に帰属する当期純利益5,577百万円(前年同期比2.1%減)となりました。

事業全体としては、新型コロナウイルス感染症は、3回目のワクチン接種が進む一方で、新たな変異株の出現により感染状況は拡大と縮小を繰り返しており、収束時期については不透明な状況が続いております。しかしながら、同感染症が当社グループの財政状態及び経営成績に及ぼす影響は徐々に軽減していくとの仮定を定めた上で会計上の見積りを実施しております。

経営成績については「第2  事業の状況  3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  a.経営成績」に記載のとおりですが、産業用製品事業のうち特に車輌内装材は、新型コロナウイルス感染症による自動車メーカーの生産調整から回復傾向にありますが、サプライチェーンにおける部品の供給遅延などによる生産拠点の生産活動への影響が継続しております。当該状況においても安定して収益を得られるように、より幅広い受注のための研究開発力の強化と、将来を見据えた営業体制の構築に努めてまいります。

生活用品事業のうち特にコンドームは、各国製造拠点において新型コロナウイルス感染症のリスクは引き続き受けておりますが、当該状況においても安定して収益を得られるように、新製品販売や販売強化を国内及び国外で努めてまいります。なお、メディカル製品や衛生用品においては、円安や物流費等の仕入コスト増の影響が顕在化し、先行き不透明ではありますが、値上げや拡販を行い収益の確保するよういたします。

今後、将来への成長をより加速・維持する経営を図るため、当社並びに連結子会社各社に至るまで収益の基盤を広げ、かつ強固なものとするため設備投資を進めてまいります

 

 

②  キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,757百万円(13.4%)増加し、31,810百万円となりました

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益は177百万円減少し7,681百万円の増加となりました。また売上債権の減少による増加1,600百万円(前年同期比4,315百万円増)、棚卸資産の増加による減少795百万円(前年同期比1,219百万円減)となりました。さらに、減価償却費2,426百万円(前年同期比426百万円減)、固定資産減損損失750百万円(前年同期比647百万円減)などにより、営業活動によるキャッシュ・フロー全体では10,644百万円の増加(前年同期比2,468百万円の収入増)となりました

投資活動によるキャッシュ・フローは、将来の事業基盤となる設備投資を実施しており、投資活動によるキャッシュ・フロー全体では3,751百万円の支出(前年同期比511百万円の支出増)となっております

財務活動によるキャッシュ・フローは、株主還元の充実及び資本効率の向上等を目的とした施策としての配当金の支払額1,861百万円、自己株式の取得1,707百万円により財務活動によるキャッシュ・フロー全体では3,827百万円の支出(前年同期比1,590百万円の支出増)となっております

よって、これらにより当連結会計年度末においての現金及び現金同等物は31,810百万円となりました

また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、円滑な事業活動に必要な流動性の確保を主眼とし、主として銀行等から長期借入金及び短期借入金にて資金調達を行っております。なお、現時点では借入れによる資金調達により一定程度手許資金が確保されている状況のため、社債等の資金調達手段は考えておりません。今後も今まで築いてきた金融機関等との良好な関係を確保しつつ、追加で資金が必要になった時点で最良の判断を行っていく考えであります

さらに当社グループは、様々な事業を展開していることから戦略的に資源配分を行っていく方針であります。特にここ最近では、将来の事業基盤を支える事業に積極的に設備投資を実施しており、設備投資額も高水準となっております。今後も経済状況を鑑み、競争力を維持していくための資源配分を行う考えであります。また同時に、株主還元の充実を図るため配当及び自己株式の取得も併せて実施する考えであります

 

③  重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5  経理の状況  1 連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております

 

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。

5 【研究開発活動】

当社グループは、今まで独自の技術とノウハウを培い、高品質、高性能を追求することにより、「オカモトブランド」に対する消費者の信頼性を高める努力を続けてまいりました。

今後も、常に消費者に求められる「人々の生活に役立つ環境にやさしい製品」を積極的に開発し、提供してまいります。

現在、産業用製品の研究開発は静岡研究開発センターを中心に、また生活用品については茨城研究開発センターを中心に行っております。

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は1,594百万円であります。

セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

(1) 産業用製品

当社が中心となり、プラスチックフイルム、農業用フイルム、車輌内装材、食品包装用フイルム、壁紙等の分野で、新素材、複合機能製品、非塩ビ製品、環境配慮製品等の消費者のニーズにあった製品開発を行っており、また粘着製品では包装用、工業用(電気・電子用テープ等)の新素材、新用途及び環境配慮製品の研究開発を行っております。

当セグメントに係る研究開発費の金額は1,035百万円であります。

(2) 生活用品

当社が中心となり、コンドーム、手袋、カイロ、除湿剤、介護用品、医療機器、雨衣、シューズ、ブーツ等の分野にて多様化するニーズに応えるため研究開発を行っております。

当セグメントに係る研究開発費の金額は558百万円であります。