第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)会社の経営の基本方針
 当社グループは、どんな環境下にあっても『ステークホルダーの信頼に応え続けること』を経営の基本としております。そのためには、『経営のあるべき姿』を次のように捉えています。
①顧客のニーズに合致するものを良質適価で提供する会社
 顧客のニーズに合致するものを良質適価で提供する会社とは、市場の要求にいち早く対応できる会社であり、市場を創造できる会社です。創造的な高品質・高機能の商品をスピーディーに市場に投入できる開発力をもった会社であり、コスト競争力を実現できる技術力をもった会社であります。
②安定した配当ができる会社
 安定した配当ができる会社とは、長期に安定した株主価値の創造をし、配当を継続する会社であります。
③社会状況に適応した運営を行う会社
 社会状況に適応した運営を行う会社とは、どんな環境下にあっても生き抜く適者たる存在になるために、環境に適応し続ける会社であります。
④従業員が生活設計を描ける会社
 従業員が生活設計を描ける会社とは、会社の展望を見える形で従業員に示せる会社であり、従業員自身は自分の役割を果たすことを通してエンプロイアビリティー(雇用される市場価値)向上を実現する会社であります。

 

(2)目標とする経営指標
 株主価値を効率よく創造するために、売上高経常利益率を主な経営指標とします。中期目標としては5%以上の売上高経常利益率の安定的な達成を目指します。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略
3ヶ年計画の方向性は次のとおりであります。
①既存事業分野における選択と集中
 事業内容を見直し、今後成長が期待できるコア分野に対して、市場への差別化商品の早期投入、効率的な営業により利益を実現していきます。また、将来性が見込めない事業分野及び商品については、縮小、撤退を図り、コア分野へ経営資源を集中させます。
②コストダウン
 あらゆるプロセスにおいて、コストを削減します。
③新規事業展開
 コア・コンピタンスを生かしつつ、成長性ある事業・市場への展開に取り組みます 。

 

 

(4)経営環境
①企業構造
 当社グループは、製造販売会社である当社を中心に、国内外での販売・施工を行う各連結子会社で構成されております。各事業会社は、連携して事業を運営しておりますが、それぞれの自主性、主体性、独自性は、グループ全体最適の枠内で尊重し事業を運営しております。
 現在の企業体系は、業績の状況、事業運営の状況等から判断し、良好に機能していると考えております。
②市場環境
 国内の情勢は、雇用・所得環境の改善が続いておりましたが、新型コロナウイルス感染症が国内及び世界経済に甚大な影響をもたらしました。
 今後も感染症拡大の早期収束が見通せず、景気の先行きも厳しい状況が続くと見込まれております。
 当社グループと関連が深い建設業界におきましては、公共投資は底堅く推移したものの、住宅建設の着工件数は緩やかに減少しており、競争の激化や人手不足等により厳しい状況が続いております。
③環境特性に優れた塩ビ樹脂 
 当社は1947年に塩ビ樹脂を用いて加工した製品を発売して以来、多様な塩ビ製品を様々な産業へと送り出してまいりました。その原料である塩ビ樹脂は、汎用プラスチック素材の中でも地球資源への負荷が最も少なく、リサイクル性にも優れた省資源型素材として高い評価を集めております。また、他の汎用プラスチックに比べ、製造時に発生するCO2量が少ないことも特徴であります。さらに、塩ビ樹脂そのものは安全性が高いものです。その加工製品である塩ビ製品は、法律による規格基準のほかに業界が定めた自主規格により安全性が確保され、私たちの日常生活のあらゆる場面に登場し、その豊かな生活の一端を担っております。
④抗ウイルス技術 
 当社が開発した「ロンプロテクト」技術は、製品に抗ウイルス機能を付加できる新技術であり、製品に付着したウイルスリスクの低減効果が期待できます。当社の製品である床材、壁紙及びフィルム等に本技術を適用して展開しており、より衛生的で安心な空間づくりを当社の「ロンプロテクト」技術が叶えております。
⑤製品開発 
 当社は、これからも独創的な発想と先進の技術力を活かして、社会や暮らしが豊かで心地よくなる製品づくり、人と地球の明日を見つめて環境保全と安全性に配慮した製品づくりを目指してまいります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①事業環境の変化にスピーディーに対応できる体制整備及び事業基盤強化
 当社は、より高度な技術開発と先進的な技術開発を目指して、土浦事業所(茨城県土浦市)の敷地内にR&Dセンターを建設しております。重要な経営基盤の一つである研究開発拠点の機能を拡充することにより、引き続き高機能・高品質な製品の研究開発に注力してまいります。
②新型コロナウイルス感染症対策
 当社グループは、可能な限りテレワーク、時差出勤等への切替えを行い、お客様及び従業員への感染予防に努めております。
 今後も、厚生労働省より公表されました「新しい生活様式」を参考に、感染を予防してまいります。
③売上高経常利益率5%以上の安定的な達成
 当社グループは、事業環境の変化にスピーディーに対応できる体制整備と事業基盤強化策を推し進め、さらに新製品や新工法の開発を合わせて積極的に実施し、安定した利益を確保し続ける企業への変革に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)国内・国外の経済情勢
 当社グループは、国内及び国外において事業活動を行っております。事業活動を行う上で、テロ、戦争、伝染病など予期しえない社会的混乱により、原材料の調達及び価格の高騰、生産及び製品の出荷に支障が出た場合、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(2)災害等(自然災害、事故)
 当社グループは、合成樹脂加工メーカーとして工場の安全操業に努めております。製造設備の維持管理は適切に行っておりますが、大地震、自然災害及び不慮の事故等により生産停止及び生産制限となった場合、また、自然災害の影響や流通環境の変化等に伴いサプライチェーンに支障が出た場合、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(3)製品品質
 当社グループは、品質の安定性確保と機能性向上に努めております。製品の生産・検査過程において十分な品質管理を行っておりますが、生産上のトラブルや過失等、また、取引先との契約の内容に適合しない等の理由により、信用力低下や重大なクレームが発生した場合、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(4)社会的課題(環境)
 当社グループは、合成樹脂加工メーカーとして地球環境の保全及び安全性の確保を事業活動の基盤としております。今後、法的規制の強化や社会的責任の要請等により、新たな設備投資や事業活動の制約に伴う費用が発生した場合、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(5)コンプライアンス
 当社グループは、法令・定款及び社会規範を遵守するための行動規範を示した「ロンシール・グループ コンプライアンス行動指針」を定めております。事業活動を行う上で、法令及び社会情勢の変化や価値観の多様化等に対応しておりますが、重大なコンプライアンス違反を起こした場合、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(6)為替レートの変動
 当社グループは、国内及び国外において事業活動を行っております。事業活動で発生する主な外貨建取引は、国内で製造した製品の輸出による米ドルの入金です。為替レートの大幅な変動により、外貨建取引、外貨建資産・負債の円換算額が増減した場合、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(7)人的資源の確保
 当社グループは、国内及び国外において事業活動を行う上で、優秀かつ多様な社員の採用・育成に努めております。少子高齢化やデジタル化が進む中で、必要とする社員の採用・育成及び多様な働き方への改革ができず、組織力の低下や個々の能力を十分に発揮させることができなかった場合、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(8)訴訟
 当社グループは、国内及び国外において事業活動を行っております。事業活動を行う上で、過失等により重大な訴訟となった場合、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

 

(9)情報セキュリティ
 当社グループは、事業活動を行う上で、取引先の機密情報及び当社グループの研究開発・生産ノウハウ等の情報は、社内規定に基づき徹底した管理を行っております。サイバー攻撃や過失等により機密情報や個人情報が外部に流失した場合、一時的な事業活動停止や社会的信用の低下を招き、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(10)賃貸事業
 当社グループは、所有資産の一部を賃貸しております。テナント企業とは長期的かつ安定した取引を継続しておりますが、テナント企業からの賃料収入減少や取引解消となった場合、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

 

 上記以外にも様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。

 ① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続いておりましたが、新型コロナウイルス感染症が国内及び世界経済に甚大な影響をもたらしました

  今後も感染症拡大の早期収束が見通せず、景気の先行きも厳しい状況が続くと見込まれております。
 当社グループと関連が深い建設業界におきましては、公共投資は底堅く推移したものの、住宅建設の着工件数は緩やかに減少しており、競争の激化や人手不足等により厳しい状況が続いております。
 このような状況の下、当社グループは営業力の強化と商品力の強化に努めてまいりましたが、当連結会計年度の連結売上高は、198億95百万円(前期比2.0%減)となりました
 損益面につきましては、当連結会計年度においても諸経費の削減と生産性の向上に努めてまいりましたが、営業利益は17億43百万円(前期比9.6%減)、経常利益は18億8百万円(前期比10.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億7百万円(前期比13.9%減)となりました

セグメント別の状況は次のとおりです。

(合成樹脂加工品事業)
 主力の建材製品は、壁装材が売上増となりましたが、国内床材、防水資材、住宅資材、輸出用床材は売上減となりました。また、産業資材製品は、車両用床材が売上増となりましたが、フィルム基材は売上減となりました。
 この結果、売上高は195億35百万円(前期比2.0%減)、営業利益は14億70百万円(前期比10.9%減)となりました。
(不動産賃貸事業)
  不動産賃貸料収入は、売上高は3億60百万円(前期比2.5%減)、営業利益は2億72百万円(前期比1.8%減)となりました。

 ② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ19億54百万円増加し、当連結会計年度末は74億円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況と原因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は、24億67百万円(前期収入7億15百万円)となりました。これは主に売上債権の減少、税金等調整前当期純利益及び減価償却費によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果使用した資金は、10億25百万円(前期支出3億50百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果得られた資金は、5億14百万円(前期支出5億16百万円)となりました。これは主に短期借入金の増額によるものです。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

(イ) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

合成樹脂加工品事業

7,117

△6.6

合計

7,117

△6.6

 

(注) 1 上記の生産実績を示す金額は製造原価によっています。

2 上記金額には、消費税等は含みません。

 

(ロ) 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

合成樹脂加工品事業

4,957

+0.1

合計

4,957

+0.1

 

(注) 1 上記の商品仕入実績の金額は実際仕入原価によっています。

2 上記金額には、消費税等は含みません。

 

(ハ) 受注実績

当社グループは、見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(ニ) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

合成樹脂加工品事業

19,535

△2.0

不動産賃貸事業

360

△2.5

合計

19,895

△2.0

 

(注) 1 総販売実績の10%以上の割合を占める主要な取引先はありません。

2 上記金額には、消費税等は含みません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

  ① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。そして、連結財務諸表の作成にあたり資産・負債の評価及び収益・費用の認識について重要な会計方針に基づき見積り及び仮定による判断を行っています。しかし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果と見積りが異なる可能性があります。
 なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。

 

 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の連結売上高は、198億95百万円(前期比2.0%減)となり、前連結会計年度より4億3百万円減少いたしました。セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

(3) 財政状態及びキャッシュ・フローの分析

 ① 財政状態

 (資産)
 当連結会計年度末の流動資産は、現金及び預金等の増加により、167億97百万円(前期比9億10百万円増加)となりました。固定資産は、建設仮勘定等の増加により72億24百万円(前期比5億96百万円増加)となりました。その結果、資産合計では、240億21百万円(前期比15億7百万円増加)となりました。

 (負債)
 当連結会計年度末の流動負債は、短期借入金等の増加により58億7百万円(前期比8億43百万円増加)となりました。固定負債は、預り保証金等の増加により15億69百万円(前期比31百万円増加)となりました。その結果、負債合計では、73億77百万円(前期比8億74百万円増加)となりました。

 (純資産)
 当連結会計年度末の純資産合計は、利益剰余金等の増加により166億44百万円になりました。これは、配当金の支払いがありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益12億7百万円によるものです。

 ② キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものです。

運転資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。

なお、株主価値を効率よく創造するために、売上高経常利益率を主な経営指標としております。中期目標としては、5%以上の売上高経常利益率の安定的な達成を目指しており、当連結会計年度においても達成しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

  研究・開発部は、『既存製品の競争力向上と新規製品の開発により、売上と収益増へ貢献する』ことを基本方針として、製品開発と技術開発に取り組んでおります。
 当連結会計年度、床材分野においては、建築用機能性床材と関連副資材の製品化、航空機・鉄道車両・バス等の各種床材の開発に注力してきました。
 建築用床材では、機能性床シートとして抗ウイルス性ノーワックス床シートの新柄である『ロンリウムオプセル』を上市しました。既存抗ウイルスノーワックス床シート、一般ビニル床シートや階段用床材の新色を追加しました。また、関連副資材として、出隅保護材である『MEファインガード』の構造変更を行いました。
 鉄道車両用・航空機・船舶用床材は意匠性に富んだ床シートを拡充しました。
 防水分野では、防水シート、工法と部材の開発を行いました。防水シートでは、景観条例で規制された地域に対応した濃色のダークグレー色の防水シートを追加しました。工法としては、断熱接着工法の一つとしてウレタンフォーム断熱材を用いた新規な接着断熱工法、並びに、耐火デッキプレートに直接断熱材を敷きこむ新規な高断熱工法を上市しました。また、防水シートに塗布し、優れた遮熱性を付与する『ウェザートップシャネツ』を上市しました。さらに、防水仕様で用いる部材の改良を行いました。
 壁紙分野では、意匠性に富んだ壁紙の製品化に注力し、品揃えを充実しました。また、表面強化性を向上した高性能な壁紙の品揃えを充実しました。
 フィルム分野では、カレンダー加工技術をベースに塩ビ及び非塩ビフィルムの開発を行っております。塩ビフィルムにおいては電子材料向けフィルムを拡充しました。また、非塩ビである軟質アクリルフィルム及びポリ乳酸フィルム等の市場開発を行いました。
 新規分野においては、抗ウイルス性フィルム『ロンエースLP』が日用雑貨用で採用されました。
 当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は357百万円です。