文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成30年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「限りない創造 社会への奉仕」という「社是」のもとに、それを具体化した次の「経営理念」を掲げており、その実現に向けた企業活動に努めるとともに、社会・株主・顧客・仕入先・従業員等のあらゆるステークホルダーに信頼される企業として、発展成長していくことをめざしております。
①私たちは、良き企業市民として、各国・地域に根ざした事業活動および社会貢献活動により、経済・社会の発展に貢献します。[社会への貢献]
②私たちは、法令の遵守や企業倫理の徹底に向けた体制を構築し、誠実な事業活動を行います。[適正な事業活動]
③私たちは、仕入先様とのオープンで対等な関係を基本に、互いに企業体質の強化・経営の革新に努め、グループの総合力を高めます。[持続的な成長]
④私たちは、変化を先取りした研究開発とものづくり技術により、お客様に満足いただける品質・価格で、タイムリーに商品・サービスを提供します。[お客様の満足]
⑤私たちは、環境に配慮した製品の提供と工程づくりに努め、あらゆる企業活動を通じ、社会と連携して環境・資源を保全し、豊かな地球を未来に残すことに貢献します。[地球環境・資源の保全]
⑥私たちは、労使相互信頼・責任を基本に、一人ひとりの個性を尊重するとともに、チームワークによる総合力を高め、活力と働きがいのある企業風土を実現します。[人間性の尊重]
(2)今後の経営環境および対処すべき課題
今後の自動車業界は、短期的には、日本および米国での市場縮小が懸念されるものの、新興国での生産拡大が市場を下支えし、世界全体の自動車生産台数は緩やかながらも増勢を保つことが見込まれます。
中長期的には、電気自動車や燃料電池車などの次世代自動車の台頭、自動運転技術の進展、カーシェアやライドシェアなどのシェアビジネスの拡がり等、業界を取り巻く環境はこれまでにない大きな変革の時代を迎えようとしております。
このような情勢のなか、当社は中長期経営計画である「2025事業計画」を策定し、激変する環境下においても変革・イノベーションによって持続的に成長していくための戦略・施策を、2018年5月の決算説明会で披露いたしました。この2025事業計画の初年度となる2018年度における方策として当社は、
①重大災害と重要品質問題を絶対に起こさない企業文化と仕組みづくり
②社会の信頼に応える企業を目指したCSR活動
③グローバル事業を支える人材づくりと事業運営のしくみの整備
④環境変化、将来に対応する技術開発と拡販
⑤持続的成長を支える強固な収益基盤の構築
を会社方針に掲げ、“大きな環境変化に柔軟かつ迅速に対応し、世界のお客様へ「安心」「安全」「快適」をお届けするグローバルカンパニー”を目指して、当社グループの総力を結集し経営基盤の強化および2025事業計画の各施策の完遂に鋭意取り組んでまいります。
なお、当社は、自動車用エアバッグの販売に関する欧州競争法違反について欧州委員会との間で2017年11月に和解に至り、11.2百万ユーロの制裁金を科されました。本件は2014年の米国司法省との司法合意より前に行われた過去の行為に起因するものであります。当社グループは、独占禁止法の遵守を重要な経営基盤のひとつと捉えコンプライアンス体制を整備してまいりました。引き続き、独占禁止法遵守のためのルール、独占禁止法をはじめとする遵法教育等の再発防止策の徹底を継続し、信頼回復に向け一層の努力をしてまいります。
最後に、CSR活動にも引き続き取り組んでまいります。
当社グループは、「コンプライアンス」を基礎として、「環境保全」、「事業を支える人・職場づくり」、「住みよい地域づくり」を重点に、社会から信頼される企業を目指して各種活動を行っております。
「環境保全」の分野では、みどりあふれる豊かな地球を残していくための取り組みを企業の使命と捉え、「TG2050環境チャレンジ」においてCO2排出量の極小化などの目標を掲げております。その実現に向け、ゴム・樹脂の専門メーカーとして、クルマの燃費向上に貢献する軽量化製品を提供するとともに、「生産技術環境分科会」を立ち上げ、環境に配慮した生産工程や設備を開発するなど、社内横断的でグローバルなCO2低減活動を進めています。当連結会計年度は、TG-ESCO活動(注)をはじめとする日常改善、ユーティリティ設備の高効率化、生産技術革新、再生可能エネルギー導入等の取り組みの結果、連結CO2排出量は551,473t-CO2、CO2排出量原単位は67.9t-CO2/億円(基準年度である2012年度比10%低減)となりました。
(注)TG-ESCO活動 :あらゆるエネルギーロスを徹底的に見つけ、改善する当社独自の活動。
ESCOは、Energy Saving Collaborative Operationsの略。
また、「工場の森づくり活動」もグローバルで継続しており、国内をはじめ、北米やアジア、欧州など26拠点で累計約30万本を植樹してまいりました。
なお、これらの取り組みが評価され、2017年度は日本政策投資銀行の「DBJ環境格付」で最高ランクである「環境への配慮に対する取り組みが特に先進的」という格付を取得するとともに、日本経済新聞社の「環境経営度調査」で製造業上位10社入りを果たすことができました。
「事業を支える人・職場づくり」の分野では、「TG人材育成センター」を核として、生産現場の競争力向上に向けて、ものづくりの基本技能のレベルアップと伝承を図っており、2018年2月には技能職のものづくり力の向上に向けた「技能競技会」を初めて開催しました。
さらに、グローバル化に伴い仕事量が増加する中、働き方改革の一環として、会議・報告などでもムダを徹底的に排除し、従業員一人ひとりが付加価値を生む業務に専念できるように効率化を進めております。
その他にも、従業員の健康管理を経営課題と捉え、積極的に健康増進に取り組んだ結果、経済産業省と日本健康会議が認定する「健康経営優良法人(ホワイト500)」に2年連続で認定されました。
「住みよい地域づくり」の分野では、地域社会に根ざし、地域とともに発展する企業を目指し、従業員による社会貢献活動を世界各地で積極的に行っております。国内でも、継続的な東日本復興支援の一環として、2012年から毎年、グループ会社のある岩手県と宮城県へ防犯灯を寄贈しております。
「コンプライアンス」の分野では、法令遵守はもちろん、企業倫理の観点からも従業員一人ひとりが高い倫理観を身につけて行動できるよう、従業員に対するコンプライアンス研修の開催やコンプライアンス理解度のアンケート実施など意識向上のための活動を継続しております。
当社は、社会的責任を果たし、社会から信頼される企業であり続けるためには、「コーポレート・ガバナンス」の充実・強化が重要であると認識しております。そのために、重要事項を審議・決議する取締役会の実効性の評価・向上の取り組みや、社外取締役・社外監査役による経営の監視・監督の強化など、公正かつ透明性のある経営システムの構築・維持に努めております。
当社グループの財政状態、経営成績および株価などに影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成30年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済状況
当社グループの全世界における営業収入のうち、重要な部分を占める自動車関連製品の需要は当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。従って、日本、米州、アジア、欧州、アフリカを含む当社グループの主要市場における景気低迷、およびそれに伴う自動車需要の縮小は当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、事業の多角化としてオプトエレクトロニクス事業に取り組んでおり、その収益は発光ダイオード(LED)に大きく依存しております。同業界は技術革新が早く、また市場変化が大きいことから同製品の技術動向と主要顧客先である通信機器、電機・電子部品業界等の市場環境や商品動向などにより影響を受ける傾向にあります。
(2)特定の得意先への販売依存度について
当社は、トヨタ自動車㈱の関連会社であり、当社グループは同社に各種自動車部品を販売しております。連結売上高に占める同社への売上高は前連結会計年度27.2%、当連結会計年度27.0%を占め、当社グループの経営成績は、同社の自動車生産台数、当社グループ製品の同社自動車への装着率および同社の購買政策などにより影響を受ける可能性があります。
(3)為替レートの変動について
為替レートの変動は、各国経済に大きな影響を及ぼすとともに、当社グループ各社での価格競争力、取引価格などに大きな影響を及ぼす可能性があります。また、当社の外貨建取引における外貨額および連結財務諸表作成のための海外関係会社の財務諸表数値は、決済・換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受け、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)国際的活動および海外進出に潜在するリスクについて
当社グループの生産および販売活動は、日本をはじめとして米州、アジア、欧州、アフリカの諸地域で展開しております。これらの海外市場への事業進出には、事業活動に係る内部要因リスク以外に、以下のようなリスクが内在しており、これらの事象が発生した場合には当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
①予期しえない法律または規制の変更、不利な影響を及ぼす租税制度の変更
②不利な政治的または経済的要因の発生
③人材の採用・確保の難しさと労務問題に係るリスク
④社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる事業活動への悪影響
⑤テロ、戦争、自然災害、疫病、その他の要因による社会的または経済的混乱
(5)知的財産権について
当社グループは、他社製品との差別化を図るために独自の技術とノウハウの蓄積および知的財産権の取得に努めておりますが、新たに開発した全ての製品または技術が、独自の知的財産権として保護される保証はありません。そのため、第三者が類似製品を製造・販売するのを効果的に防止できない可能性があります。また当社グループでは、第三者の知的財産権に配慮しながら、製品や技術の開発を行っておりますが、これらの開発成果が将来的に第三者の知的財産権を侵害していると判断される可能性があります。また、これらに起因して訴訟等を受けた場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)新製品開発力について
当社グループは、「世界のお客様にうれしさをお届けし選ばれる真のグローバルサプライヤー」を目指し、市場ニーズの先取りにより顧客の満足が得られるように日々研究開発を進め、先進技術を導入した積極的な製品開発に取り組んでおります。今後においても、継続して斬新で魅力ある新製品を開発できると考えておりますが、新製品の開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとするさまざまなリスクが含まれております。
①新製品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後十分充当できる保証はありません。
②長期的な投資と大量の資源投入が、必ずしも新製品または新技術の創造につながる保証はありません。
③顧客からの支持を獲得できる新製品または新技術を正確に予想できるとは限らず、またこれらの製品の販売が
成功する保証はありません。
④新たに開発した製品または技術が、独自の知的財産権として保護される保証はありません。
⑤急速な技術の進歩や市場ニーズの変化により、当社グループ製品の商品価値が急激に低下する可能性がありま
す。
⑥現在開発中の新製品・新技術の市場投入が遅れ、収益機会を逸する可能性があります。
上記のリスクをはじめとして、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない、または遅れた場合には、将来の成長と収益性を低下させ、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)製品の欠陥について
当社グループは、世界的に認められた品質管理基準に従って各種の製品を製造しておりますが、全ての製品について欠陥が無く、将来的にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を完全にカバーできるという保証はありません。さらに、引き続き当社グループがこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)価格競争
当社グループの収益基盤である自動車部品事業での価格競争は大変厳しいものとなっております。
当社グループは、顧客の要望に応えて、高品質で高付加価値の製品を全世界に供給する企業であると考えておりますが、完成車メーカーからの価格引き下げ要請や、新しい競合先の台頭や既存競合先間の提携により、将来においても有効に競争できるという保証はありません。このような場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)原材料・部品供給元への依存、物流
当社グループは、原材料、部品を複数のグループ外供給元から調達しております。グループ外供給元とは、取引基本契約を結び、安定的な取引を前提としておりますが、市場の変化による価格の高騰や品不足、さらには供給元の突発的な事故、物流の遮断および経営問題などにより、原材料、部品の不足が生じないという保証はありません。このような場合、当社グループ製品の原価上昇、さらには生産停止などが起こり、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)災害や停電等による影響について
当社グループは、製造ライン中断による影響を最小限にするため、生産設備における定期的な検査と点検を行うほか、定期的に防災訓練を行っております。しかし、当社グループの生産施設で発生する災害、停電またはその他の中断事象のほか原材料、部品の調達先や製品の納入先での災害などの発生により影響を受ける可能性があり、これらの影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。特に、当社グループの国内工場や仕入先などの取引先の多くは、中部地区に所在しており、この地域で大規模な災害が発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)退職給付債務による影響について
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。このため、実際の金利水準の変動や年金資産の運用利回りが悪化した場合には、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)法的手続について
当社グループは、ビジネス活動においてコンプライアンスの実践を基本においておりますが、様々な訴訟および規制当局による法的手続の当事者となる可能性があり、その場合には当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当期の世界経済は、米国および欧州主要国での政治・政策リスク、中東や北朝鮮情勢などの地政学リスクにさらされながらも、全体として回復基調を持続しました。減速が懸念された中国経済は、政府の景気対策や外需に支えられ底堅く推移いたしました。先進国においては、継続的な雇用改善に加え設備投資も増加し、景気回復が持続しました。また新興国においても、資源価格上昇の追い風を受けたロシア・ブラジルを中心に、経済成長が加速いたしました。
日本経済においては、内外政治が激動するなかではありましたが、個人消費と設備投資がともに底堅く推移し、安定的な拡大基調を辿ってまいりました。
自動車業界は、国内では燃費不正問題や検査不正問題に伴う販売台数の減少があったものの、新車投入効果などにより前年比で販売台数は増加しました。海外では、好調であった米国で販売台数の減少があったものの、アジアと欧州が回復し、世界全体で需要の増勢を維持いたしました。
LED業界は、価格競争や有機ELなどの競合技術の台頭により、照明やバックライト分野の低価格化が進展いたしました。
このような情勢のなか当社グループは、「世界のお客様にうれしさをお届けし選ばれる真のグローバルサプライヤー」を目指し、「重大災害と重要品質問題を絶対に起こさない企業文化と仕組みづくり」を会社方針の第一に掲げ、グローバルで安全の確保・品質の向上に努めてまいりました。
また、グローバルサプライヤーとして持続的成長の道を歩むべく「環境変化、将来に対応する技術開発と拡販」および「持続的成長を支える強固な収益基盤の構築」に重点的に取り組んでまいりました。
自動車部品事業では、技術開発としては、魅力的な新製品を次々に市場投入いたしました。ドライバーのハンドルの保持状態を自動検知し、自動車の運転システムへフィードバックする機能をもつ「グリップセンサー付きハンドル」や、ダイナミックな形状で意匠性を向上させながら軽量化を実現した「大型ラジエータグリル」、静粛性を向上させ快適な車内空間を提供するスタイリッシュな「新構造ガラスラン」などを開発し、販売の拡大を進めてまいりました。
また、拡販および収益基盤の構築のため、当社の成長ドライバーのひとつであるエアバッグビジネスの拡大を強力に推し進めてまいりました。具体的には、アジア地域、特にインドにおける市場拡大に対応するために、北部のハリヤナ州バワルにおける新工場に続き、西部のグジャラート州でも新工場の設立に着手いたしました。現地での事業体制を強化しコスト競争力を高めることで、需要拡大への備えを進めてまいりました。また、先進国での安全規制の強化による、エアバッグの多様化および装着数の増加に対応するための開発体制も強化いたしました。加えて、エアバッグの重要な構成部品であるインフレータを生産するパートナー企業との資本提携なども行い、需要拡大に対応する生産体制などを整えてまいりました。
他にも収益基盤の構築に向けて、グローバルの事業体制の整備も進めてまいりました。まず、課題となっている欧州地域は、欧州3拠点の役割分担の見直しを行い、生産・コスト構造の最適化に着手いたしました。また、南米地域のブラジルにおいても、これまで資本参加に留まっていたペクバルインダストリア有限責任会社(Pecval Industria Ltda.)を完全子会社化し、内外装部品の生産体制を強化いたしました。
オプトエレクトロニクス事業においては、前年度の営業損失を半減させるべく、生産能力の最適化、量から質への構造改革を強力に推し進めてまいりました。
将来に向けた技術開発として、次世代ゴム「e-Rubber」の事業化への動きを加速させてまいりました。e-Rubberは、電気で動く次世代の動力源(アクチュエータ)として人工筋肉などへの適用や、ゴムの柔らかさを活かした触覚・圧力センサとしての実用化などが期待されております。事業化に向けた組織体制の強化やベンチャー企業との連携、展示会への積極的な出展などの施策・取り組みを矢継ぎ早に遂行し、事業化に向けて着実に前進してまいりました。
また、激変する環境下においても持続的成長の道を歩むための軸を定めるべく、2025年度に向けた中長期経営計画の策定に着手いたしました。2018年5月の公表に先立ち、マイルストーンとして2020年度の中期業績見通しを2017年5月に公表し、中期的な経営目標および当面の重点施策を説明いたしました。
この結果、当期の売上高につきましては、自動車部品事業の販売の増加や為替変動の影響等により、8,069億円(前期比 6.8%増)と、増収となりました。
利益につきましては、製品構成の悪化および固定費の増加等はありましたものの、自動車部品事業の増販効果や為替変動の影響等により、 営業利益は 411億円(前期比 1.1%増)、経常利益は 432億円(前期比 10.7%増)、 親会社株主に帰属する当期純利益は 211億円(前期比 30.4%増)と、いずれも増益となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
(自動車部品事業)
主にトヨタ自動車及びトヨタグループ以外の日系顧客への拡販や、円安による為替影響により、売上高は 7,923億円(前期比 7.5%増)と増収となりました。一方、利益につきましては、増販効果や合理化にグループを挙げて取り組んだものの、製品構成の悪化および固定費の増加等により、セグメント利益は 419億円(前期比 9.2%減)となりました。
(オプトエレクトロニクス事業)
バックライト向けLED製品の販売減少等により、売上高は 145億円(前期比 21.6%減)となりました。一方、利益につきましては、固定費の減少等により、セグメント損失は 8億円(前期のセグメント損失 55億円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当期末における連結ベースの現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度に比べ、280億円増加し、979億円となりました。これは主として、固定資産の取得による支出が 609億円あったものの、営業活動によるキャッシュ・フローの収入 608億円、定期預金の預入・払戻しによる収入 214億円、長期借入及び社債発行による資金調達 341億円があったためであります。なお、当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前期 604億円の収入に比べ、608億円の収入となり、4億円収入が増加しました。これは、税金等調整前当期純利益、非資金損益項目である減価償却費の調整等が増加した一方で、法人税等の支払額が増加したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前期 821億円の支出に比べ、392億円の支出となり、429億円支出が減少しました。これは、定期預金の純増減額の変動などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前期 147億円の収入に比べ、65億円の収入となり、82億円収入が減少しました。これは、借入金返済の増加などによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
自動車部品事業 |
774,832 |
7.2 |
|
オプトエレクトロニクス事業 |
10,502 |
△17.4 |
|
合計 |
785,334 |
6.8 |
(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b. 受注実績
当社グループ(当社および連結子会社。以下同じ。)は、主にトヨタ自動車㈱をはじめとして各納入先より生産計画の提示をうけ、生産能力を勘案して生産計画を立て生産しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
自動車部品事業 |
792,397 |
7.5 |
|
オプトエレクトロニクス事業 |
14,541 |
△21.6 |
|
合計 |
806,938 |
6.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先への販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
トヨタ自動車㈱ |
205,603 |
27.2 |
217,861 |
27.0 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成30年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りの過程において、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる結果となることがあります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a. 製品保証引当金
当社グループは、製品納入後に発生する品質保証費用に充当するため、過去のクレーム発生割合に基づいて、将来予想される発生見積額を計上しております。当社グループでは世界的に認められている品質管理基準に基づき、信頼性の高い製品づくりに努めておりますが、当社グループの製品保証債務は、製品不良率および実際に発生する修理コスト等に影響されます。従って、製品の不良率および修理コストが見積りと異なる場合、見積額の修正が必要となることがあり、将来の業績に影響を与える可能性があります。
b. 退職給付に係る負債
当社グループは、連結会計年度末における退職給付債務および年金資産の見込みに基づいて、退職給付に係る負債を計上しております。これらの前提条件には、退職給付債務については、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率などの見積りが含まれ、また、年金資産については、過去の実績等を基礎として見積った長期期待運用収益率等が含まれております。
実際の結果が前提条件と異なる場合、その影響は数理差異として累積され、将来にわたって規則的に償却計算が実施されるため、将来の業績に影響を与える可能性があります。
c. 繰延税金資産
税効果会計の適用にあたり、繰延税金資産については、その回収可能性を合理的に見積り、評価性引当額を控除して、計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が変動した場合には、繰延税金資産の調整により、将来の業績に影響を与える可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等については、売上高は、8,069億円(前期比 6.8%増)となりました。売上高の増加は、トヨタ自動車及びトヨタグループ以外の日系顧客への拡販や、円安による為替影響によるものであり、過去最高の売上高となりました。利益につきましては、営業利益は 411億円(前期比 1.1%増)、経常利益は 432億円(前期比 10.7%増)、 親会社株主に帰属する当期純利益は 211億円(前期比 30.4%増)となりました。営業利益は増益を確保出来たものの、将来に向けた先行費用や生産対応費用の増加により、収益性が一時悪化したことにより、増販効果を最大限享受することが出来ませんでした。経常利益の増加は、オーストラリアの子会社清算に伴う固定資産売却益やリコール関係費用の求償に伴う計上益によるものです。親会社株主に帰属する当期純利益の増加は、主に米国の減税政策によるものです。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。
a. キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資金需要および財務政策について
当社グループでは、当連結会計年度において、648億円の設備投資を実施しております。翌連結会計年度の設備投資については、主に国内では内製インフレータや樹脂フューエルフィラーパイプの生産能力増強、海外ではインドの生産強化やベトナムでのエアバッグ生産の能力増強、北米の樹脂フューエルフィラーパイプの生産拡大に備えた能力増強等を予定しております。
今後も、市場のグローバル化や成長市場における事業強化などへの対応を含め、国内外における設備投資、出資などについて長期的な視野で資金需要を認識しております。
なお、当連結会計年度末における借入金および社債を含む有利子負債の残高は 1,081億円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は 1,043億円となっております。
セグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(1)技術援助を受けている契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約期間 |
|
豊田合成㈱ (当社) |
インティアオートモーティブインテリアズオブアメリカ㈱ |
米国 |
ウレタンスプレー表皮に関する特許・ノウハウライセンス |
平成14年11月18日より 平成31年5月10日まで |
|
ダイムラー㈱ |
ドイツ |
ミリ波レーダー用カバーに関する特許ライセンス |
平成23年11月10日より 平成31年9月23日まで |
(2)技術援助を与えている契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約期間 |
|
豊田合成㈱ (当社) |
スタントマニュファクチュアリング㈱ |
米国 |
導電性フューエルキャップに関する特許・ノウハウライセンス |
平成10年11月17日より 平成30年12月21日まで |
|
マグナステイルフューエルシステムズ㈲ |
ドイツ |
導電性フューエルキャップに関する特許・ノウハウライセンス |
平成16年2月26日より 平成30年12月21日まで |
なお、以下の契約は当連結会計年度において契約終了となりました。
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約期間 |
|
豊田合成㈱ (当社) |
ポンコーダンラバー㈱ |
マレーシア |
ウェザストリップに |
平成19年7月16日より 平成29年7月15日まで |
当社グループの研究開発体制は、当社の開発本部、生産本部、オプトエレクトロニクス事業部および海外子会社の豊田合成ノースアメリカ㈱(米州地域)、豊田合成アジア㈱(豪亜地域)、豊田合成(上海)管理有限公司(中国)、豊田合成ヨーロッパ㈱(欧州・アフリカ地域)が連携し、グローバルな研究開発活動を展開しております。
(1)自動車部品事業
ゴム樹脂の自動車部品専門メーカーとして国際競争力のある製品づくりを目指し、品質・性能向上や低コスト化などの顧客ニーズに加え、安全・環境・省資源を開発の重点に掲げ、電気自動車、燃料電池自動車、自動運転技術などの動向を先取りした製品・技術の開発に取り組んでおります。
最近の主な成果としては、ドライバーのハンドルの保持状態を自動検知し、自動車の運転システムへフィードバックする機能をもつ「グリップセンサー付きハンドル」、ダイナミックな形状で意匠性を向上させながら軽量化を実現した「大型ラジエータグリル」、静粛性を向上させ快適な車内空間を提供するスタイリッシュな「新構造ガラスラン」などの独創的な新製品・新技術を開発・量産化しております。また、各種環境規制に対応した材料および製品、生産技術の開発、さらには今後の自動運転技術の進展に対応した付加価値の高いモジュール製品の開発なども積極的に推進しております。
なお、当事業に係る研究開発費は 272億円であります。
(2)オプトエレクトロニクス事業
従来の民生向け青色LEDチップ・パッケージに加え、新たな訴求点・付加価値を持った製品の開発に注力しました。産業用途向けに殺菌効果を持つ「紫外線LED」などの開発を進めております。
なお、当事業に係る研究開発費は 6億円であります。