文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「限りない創造 社会への奉仕」という「社是」のもとに、それを具体化した次の「経営理念」を掲げており、その実現に向けた企業活動に努めるとともに、社会・株主・顧客・仕入先・従業員等のあらゆるステーク
ホルダーに信頼される企業として、発展成長していくことをめざしています。
①私たちは、良き企業市民として、各国・地域に根ざした事業活動および社会貢献活動により、経済・社会の
発展に貢献します。[社会への貢献]
②私たちは、法令の遵守や企業倫理の徹底に向けた体制を構築し、誠実な事業活動を行います。
[適正な事業活動]
③私たちは、仕入先様とのオープンで対等な関係を基本に、互いに企業体質の強化・経営の革新に努め、
グループの総合力を高めます。[持続的な成長]
④私たちは、変化を先取りした研究開発とものづくり技術により、お客様に満足いただける品質・価格で、
タイムリーに商品・サービスを提供します。[お客様の満足]
⑤私たちは、環境に配慮した製品の提供と工程づくりに努め、あらゆる企業活動を通じ、社会と連携して環境・資源を保全し、豊かな地球を未来に残すことに貢献します。[地球環境・資源の保全]
⑥私たちは、労使相互信頼・責任を基本に、一人ひとりの個性を尊重するとともに、チームワークによる総合力を高め、活力と働きがいのある企業風土を実現します。[人間性の尊重]
(2)今後の経営環境および対処すべき課題
CO2排出による地球温暖化や気候変動が大きな社会問題となっており、また菅内閣による2050年
カーボンニュートラル宣言もなされ、自動車業界も脱炭素社会の実現に向けた取り組みが急務となっています。
加えて、ビジネス環境が激しく変化しており、AIやIoTを活用した事業や業務プロセス、企業文化の変革が
求められ、また将来のCASE・MaaSに対応できる事業構造の変化が必要不可欠となっています。
このような情勢の下、当社グループは、本年度の方策として①カーボンニュートラル、
②デジタルトランスフォーメーション(DX)、③新製品の市場投入に重点を置き、以下の課題に取り組んでいきます。
まず、①カーボンニュートラルについては、工場におけるCO2の直接排出ゼロ化だけではなく、事業活動に伴う
全ての間接排出も対象にしてCO2低減に貢献する製品開発などカーボンニュートラルを実現するための取り組みを
開始しています。
②DXについては、デジタル化を通じた働き方改革および必要な情報を電子化し、情報プラットフォームと
仕事のやり方の整理、統一化による業務の効率化を進めるとともに、ビジネスそのものや企業文化の変革にも
取り組んでいきます。
また③新製品の市場投入については、EV/FCV化(注)に向けた製品と新たな事業の柱となる製品の開発を加速し、
早期の市場投入に向けた取り組みを進めていきます。
本年度は以上のような取り組みに対し、「一人ひとりが意識と行動を変える」仕掛けを実施し、目標達成に向けて
当社グループ一丸となって取り組んでいきます。
(注)EV:電気自動車 FCV:燃料電池自動車
(3)サステナビリティの取り組み
当社グループは「限りない創造 社会への奉仕」を社是に、当社の成長を通じ、持続可能な社会の実現に貢献
したいと考えています。そのため、SDGs(持続可能な開発目標)で示されているグローバルな課題解決や、ESG
(環境・社会・ガバナンス)領域に率先して取り組み、ステークホルダーからの期待に積極的に応えていきます。
2020年度は、サステナビリティ経営の推進とステークホルダーへの統合的な情報開示を効果的に実施することを
目的に、サステナビリティ・IR室を新設しました。また、当社の事業・経営基盤とSDGsの関係をより明確に
すべく、下記のとおりマテリアリティ(重要課題)の見直しを行いました。
(表)当社のマテリアリティ(重要課題)
ESGの取り組みについても、各分野への対応を通じて、持続的な企業価値の向上に努めています。
環境の分野では、みどりあふれる豊かな地球を残していくための取り組みを企業の使命と捉え、
「TG2050環境チャレンジ」において、カーボンニュートラルをめざし、2050年に工場のCO2排出量ゼロなどの目標を
掲げています。気候変動への対応に関しては「(4)気候変動への取り組みとTCFDへの対応(リスクと機会への
対応)」に詳細を記載しています。また、循環型社会の実現に向けて、廃棄物・水リスクの極小化を目指し、材料
使用量の削減、徹底的な分別による廃棄物の削減、リサイクルしやすい製品設計など資源の有効利用、水リスクの
特定と低減に取り組んでいます。生物多様性及び生態系の保全活動については、グローバルで継続している「工場の
森づくり活動」で、国内をはじめ、北米やアジア、欧州など28拠点で累計約30万本を植樹してまいりました。
これらの取り組みが評価され、2020年 日本経済新聞社「SDGs経営度調査」の環境評価価値でS+、環境活動に
関する情報開示を推進する国際NGOのCDP(注1)による「サプライヤー・エンゲージメント評価」で、2年連続
最高評価のAランクという高い評価を得ることができました。引き続き、グループ一丸となって、環境保全活動の
充実を図ってまいります。
<当連結会計年度の実績>
TG‐ESCO(注2)により、工場の蒸気放熱対策などの日常改善、ボイラー・冷温水発生器などのユーティリティ
設備の高効率化、国内外への太陽光発電システム設置など再生可能エネルギーの利用拡大を積極的に進め、連結CO2
排出量は466千t—CO2、CO2排出量原単位は58.4t—CO2/億円(基準年度である2012年度比23%減)となりました。
(注1)CDP:イギリスを拠点とした国際NGO。旧名称であるCarbon Disclosure Projectの略。
(注2)TG-ESCO:工場とカーボンニュートラル・環境推進部が一体となりあらゆるエネルギーロスを徹底的に
見つけ改善する独自の活動。ESCOは、Energy Saving Collaborative Operationsの略。
社会の分野では、従業員の能力を企業の持続的成長に繋げるために不可欠である活力と働きがいのある企業
風土づくりのため、グローバルに活躍できるプロフェッショナル人材の育成、ダイバーシティや働き方改革などの
取り組みを進めています。2020年度は、働き方改革の一環としてテレワークを制度化し、仕事の質の向上に繋げて
います。また、コロナ感染症の流行を受けた支援活動の一環として医療現場へのPCR検査車両・防護服の提供や、
地域との交流の場として「豊田合成記念体育館(愛称:エントリオ)」をオープンしました。
ガバナンスの分野では、社会から信頼される誠実な企業で有り続けるために、当社グループ全体で
コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。2020年度は、役員報酬制度の見直しの一環として、当社の取締役
に、株主との一層の価値共有を進めるとともに、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えることを
目的に譲渡制限付株式報酬を導入しました。またコロナの拡大を契機にBCP対策を強化し、経営に重大な影響を
及ぼす危機へのリスクマネジメントを推進しました。
(4)気候変動への取り組みとTCFDへの対応(リスクと機会への対応)
当社は、気候変動への対策として、CO2排出量削減による脱炭素社会の構築をマテリアリティ(重要課題)の
1つとして掲げ、2019年5月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。
TCFDの考え方に基づき、シナリオ分析を行い事業活動に与えるリスクと機会を抽出し、経営戦略へ盛り込む活動を
実施しています。なお、今後も財務への影響などを検証するなど充実していきます。
①ガバナンス
当社は、気候変動を含む環境問題への対応を経営の重要な課題の一つとして位置づけています。2016年2月
には長期の環境活動計画となる「TG2050環境チャレンジ」をカーボンニュートラル・環境委員会(旧環境委員会)
で策定し、公表を行い、当社グループで持続可能な社会の実現に向けて活動を強化しました。
カーボンニュートラル・環境委員会は社長が委員長を務め、年2回開催し、サプライヤーへの影響も含めて
気候変動によるリスクと機会について審議し、中長期計画の立案、企業経営へ反映を行っています。その結果は
取締役会、経営会議等へ定期的に報告しています。
②戦略
当社は、「TG2050環境チャレンジ」に基づき、これまでもCO2削減に取り組んできました。昨今の社会的要請の
高まりを受け、CO2排出量ゼロの達成時期の前倒しをはかるため、2021年4月に「Targets 50&50」を定め、2030年
までにCO2排出量を50%減(2015年度比)、再生可能エネルギー導入率50%とより高い目標に見直しました。
その実現のため、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した「4℃シナリオ(注1)」、
「2℃シナリオ(注2)」などを考慮し、下記のとおり事業活動に与える気候関連のリスク(物理リスクおよび
移行リスク)と機会を抽出し、対応しています。
(注1)4℃シナリオ:産業革命前と比べて4℃前後上昇するシナリオ
(注2)2℃シナリオ:産業革命前に比べて21世紀末に世界平均気温の上昇幅が2℃未満に抑えられるシナリオ
<物理リスク> 気候変動による災害など物理的影響に関連するリスク
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影響する項目 |
リスク |
機会 |
対応 |
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急性 |
・異常気象による大規模 災害 |
・河川の氾濫、巨大台風、 渇水などによる生産支障 |
・BCP対応の強化で、顧客 信頼につながり受注拡大 |
・BCPのレジリエンス体制の強化 ・緊急時電源の確保 (非常用電源確保と自家発電設備の活用) ・建設地、建物耐久性の確認と改善 ・耐久、耐水、耐熱性に優れた製品の企画、 開発 |
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慢性 |
・気温上昇 ・降水、気象パターンの 変化 |
・温暖化による製品耐久性 の不足で品質不具合 |
・製品の耐久性の充実で 付加価値が向上し、 収益向上 |
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<移行リスク> 脱炭素社会への移行に伴い発生するリスク
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影響する項目 |
リスク |
機会 |
対応 |
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政策・ 規制 |
・電動化の促進施策 (ZEV(注3)、燃費、 ガソリン車規制) ・政府のカーボンニュー トラル宣言 (CP(注4) 制度、 補助金の拡大) |
・顧客のエコカー開発が加速 ガソリン車の部品の売上が 減少 ・炭素税が導入され収益悪化 |
・ZEV(注3)であるEV、FCV ・国の支援(補助金等)を活用 した製品、工法開発が進み 収益が向上 ・燃費(電費)向上に向けた 軽量化 ・ニーズの高まりから樹脂、 ゴムの軽量化製品の売上が 増加 |
・EV、FCV用の製品および部品開発 ・金属の樹脂化、樹脂・ゴム製品の 更なる軽量化、低炭素化 ・省エネ、創エネによる工場・ オフィスのZEB(注5)化 |
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市場 |
・CASE、MaaS市場拡大 ・省エネ製品、ライフ ソリューション市場拡大 |
・車の価値、使い方の変化で 従来製品の売上が減少 ・環境負荷の大きい製品の 不買化 |
・カーシェア増加に伴い、除菌/ ・省エネ製品開発による 事業拡大、収益向上 |
・除菌/抗菌製品の開発 ・e-Rubber、GaNパワーデバイスの 開発・商品化 ・自然由来の材料の利用促進やバイオ プラスチックの利用技術の向上 |
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技術 |
・エネルギー転換 ・再生可能エネルギー技術 の進歩、普及 ・省エネ技術の普及 |
・エネルギー転換への生産 技術対応でコストが増加 し、財務負担になる ・技術普及に乗り遅れ、CO2 低減が進まず炭素税等で 収益が悪化 |
・製造段階での省エネ、 低コスト生産の開発が進み 収益向上 ・再エネ、省エネ技術を活用 した環境に配慮した生産工程 の整備が進み収益向上 |
・工場エネルギーの最適化を推進 ・再生可能エネルギーの積極的な導入 ・IoT活用による省エネ生産、工程の 整備 ・製品ライフサイクルでの負荷低減の 推進 ・水素導入と蓄電用部品の開発 |
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評判 |
・顧客の評価の変化 ・投資家の評判の変化 |
・環境負荷の小さい(脱炭素 など)製品が発注条件と なり、対応ができず失注 |
・脱炭素の製品開発ができ、 競合他社に優位性が増し、 受注拡大 |
・カーボンゼロ製品の開発、商品化 (環境に優しい材料開発、易解体 製品設計) |
(注3)ZEV: Zero Emission Vehicleの略。走行時にCO2等の排出ガスを出さないEV、FCV等。
(注4)CP: Carbon Pricingの略。炭素税や排出量取引により炭素に価格付けを行うこと。
(注5)ZEB: Net Zero Energy Buildingの略。高効率設備や再生可能エネルギー導入により、年間1次エネルギー収支ゼロとする
建築物。
③リスク管理
当社では、カーボンニュートラル・環境委員会、コンプライアンス・リスク管理委員会やマネジメント
システム(ISO14001)で、上記②に記載した気候関連のリスクを管理しています。リスク管理のプロセスは、
リスクの識別・評価を行い、発生頻度やインパクトから優先順位付けした上で、委員会等で回避・軽減・移転・
保有などの対策を決定し、進捗管理を行います。重要リスクについては定期的に取締役会に報告しています。
④指標・目標
当社の環境活動は、長期目標である「TG2050環境チャレンジ」として、2050年に工場のCO2排出量ゼロなどの
目標を掲げています。また中期目標である「2030年マイルストーン」としてCO2排出量を50%減(2015年度比)、
再生可能エネルギー導入率50%の目標(Targets50&50)を設定しながら、環境に配慮した生産工程や設備の開発
など、社内横断的にCO2低減活動を進めていきます。更に5年ごとに「環境取組みプラン」を策定し、毎年の
会社目標へ落とし込んで活動を推進しています。
<当社の中長期目標>
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取組み |
目標年 |
目標値 |
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第7次環境取組みプラン |
2025年 |
SCOPE1+SCOPE2(注6) CO2排出量2015年度比 25%減 |
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2030年マイルストーン (Targets 50&50) |
2030年 |
SCOPE1+SCOPE2 CO2排出量2015年度比 50%減 |
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TG2050環境チャレンジ |
2050年 |
SCOPE1+SCOPE2 CO2排出量ゼロ化 製品技術での環境社会への貢献 |
(注6)SCOPE1: 事業者自らによる燃料の使用によるCO2排出量
SCOPE2: 他社から供給された電力等の使用によるCO2排出量
当社グループは、コンプライアンス・リスク管理委員会(以下「当委員会」)において、法令遵守とリスク管理の
状況を確認し、不正およびリスクの未然防止の取組みを推進しています。構成員としては委員長である社長、社内
取締役、執行役員、常勤監査役から構成しています。
当委員会はリスクの重要性について重点リスクを選定し、対応活動を決定し、実行状況の確認を行っています。このリスク管理活動のステップは下記のとおりです。これら一連のステップを繰り返し、不正およびリスクの未然防止を
推進しています。
①重点リスクの選定
まず本社機能部門、関係会社が法令改正・事業環境変化をふまえ、当社を取り巻くリスクの洗い出し、
見える化(リスクアセスメント)をしています。次に、役員等へのヒアリングを行い、経営目線、将来目線での
リスクを抽出しています。その後、発生可能性、影響度等の観点から当社グループとしての重点リスクを選定して
います。
②対応策の決定
各対応部門が重点リスクに対し「発生可能性を下げる」「影響度を下げる」等の考え方から対応策を決定して
います。
③対応策の実行状況を確認
各対応部門が対応策の実行状況を確認し、当委員会にて報告します。
④活動の改善、修正
対応策の実行状況に応じた必要な活動の改善、修正を行い、より実効性のある対策にします。
(図)リスク管理活動のステップ
当社グループの財政状態、経営成績および株価などに影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、以下のようなものがあります。当委員会において選定された主な重点リスクは以下の各リスクに含まれています。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断
したものです。また、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。
(1)経済状況
当社グループの全世界における営業収入のうち、重要な部分を占める自動車関連製品の需要は当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。従って、日本、米州、アジア、欧州・アフリカを含む当社グループの主要市場における景気低迷、疫病の流行による社会的かつ経済的混乱、およびそれに伴う自動車需要の縮小は当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)特定の得意先への販売依存度について
当社は、トヨタ自動車株式会社の関連会社であり、当社グループは同社に各種自動車部品を販売しています。連結売上収益に占める同社への売上収益は前連結会計年度28.9%、当連結会計年度28.9%を占め、当社グループの経営成績は、同社の自動車生産台数、同社自動車への当社グループ製品の装着率および同社の購買政策などにより影響を受ける可能性があります。
(3)為替レートの変動について
為替レートの変動は、各国経済に大きな影響を及ぼすとともに、当社グループ各社での価格競争力、取引価格などに大きな影響を及ぼす可能性があります。また、当社の外貨建取引における外貨額および連結財務諸表作成のための海外関係会社の財務諸表数値は、決済・換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受け、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)国際的活動および海外進出に潜在するリスクについて
当社グループの生産および販売活動は、日本をはじめとして米州、アジア、欧州・アフリカの諸地域で展開しています。これらの海外市場への事業進出には、事業活動に係る内部要因リスク以外に、以下のようなリスクが内在しており、これらの事象が発生した場合には当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
①予期しえない法律または規制の変更、不利な影響を及ぼす租税制度の変更
②不利な政治的または経済的要因の発生
③人材の採用・確保の難しさと労務問題に係るリスク
④社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる事業活動への悪影響
⑤テロ、戦争、自然災害、疫病、その他の要因による社会的または経済的混乱
なお、2020年年初に顕在化し世界中に感染拡大した新型コロナウイルスへの対応として当社グループは、
a.テレワークの推進や社内イベントの中止といった感染防止策の実施、b.感染者が発生した場合の対策の実施、
c.仕入先も含めて課題を把握することによる生産体制の維持などを実行することで、新型コロナウイルスの影響の
極小化を図っています。
(5)知的財産権について
当社グループは、他社製品との差別化を図るために独自の技術とノウハウの蓄積および知的財産権の取得に努めていますが、新たに開発した全ての製品または技術が、独自の知的財産権として保護される保証はありません。そのため、第三者が類似製品を製造・販売するのを効果的に防止できない可能性があります。また当社グループでは、第三者の知的財産権に配慮しながら、製品や技術の開発を行っていますが、これらの開発成果が将来的に第三者の知的財産権を侵害していると判断される可能性があります。また、これらに起因して訴訟等を受けた場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)新製品開発力について
当社グループは、「大きな環境変化に柔軟かつ迅速に対応し、世界のお客様へ「安心」「安全」「快適」をお届けするグローバルカンパニー」を目指し、市場ニーズの先取りにより顧客の満足が得られるように日々研究開発を進め、先進技術を導入した積極的な製品開発に取り組んでいます。今後においても、継続して斬新で魅力ある新製品を開発できると考えていますが、新製品の開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとするさまざまなリスクが含まれています。
①新製品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後十分充当できる保証はありません。
②長期的な投資と大量の資源投入が、必ずしも新製品または新技術の創造につながる保証はありません。
③顧客からの支持を獲得できる新製品または新技術を正確に予想できるとは限らず、またこれらの製品の販売が
成功する保証はありません。
④急速な技術の進歩や市場ニーズの変化により、当社グループ製品の商品価値が急激に低下する可能性がありま
す。
⑤現在開発中の新製品・新技術の市場投入が遅れ、収益機会を逸する可能性があります。
上記のリスクをはじめとして、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発
できない、または遅れた場合には、将来の成長と収益性を低下させ、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性
があります。
(7)製品の品質不具合について
当社グループは、世界的に認められた品質管理基準に従って各種の製品を製造していますが、全ての製品について品質不具合が無く、将来的にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を完全にカバーできるという保証はありません。さらに、引き続き当社グループがこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の品質不具合は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)価格競争
当社グループの収益基盤である自動車部品事業での価格競争は大変厳しいものとなっています。
当社グループは、顧客の要望に応えて、高品質で高付加価値の製品を全世界に供給する企業であると考えていますが、完成車メーカーからの価格引き下げ要請や、新しい競合先の台頭や既存競合先間の提携により、将来においても有効に競争できるという保証はありません。このような場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)原材料・部品供給元への依存、物流
当社グループは、原材料、部品を複数のグループ外供給元から調達しています。グループ外供給元とは、取引基本契約を結び、安定的な取引を前提としていますが、市場の変化による価格の高騰や品不足、さらには供給元の突発的な事故、疫病による生産停止や納入遅れ、物流の遮断および経営問題などにより、原材料、部品の不足が生じないという保証はありません。このような場合、当社グループ製品の原価上昇、さらには生産停止などが起こり、当社
グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)災害や停電等による影響について
当社グループは、製造ライン中断による影響を最小限にするため、生産設備における定期的な検査と点検を行っています。しかし、当社グループの生産施設で発生する災害、停電またはその他の中断事象のほか原材料、部品の調達先や製品の納入先での災害、疫病流行による当局からの社会的制限(都市封鎖・外出禁止等)などの発生により影響を受ける可能性があり、これらの影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。特に、当社グループの国内
工場や仕入先などの取引先の多くは、中部地方に所在しており、この地域で大規模な災害が発生した場合、当社
グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)退職給付債務による影響について
当社グループの従業員退職給付費用、退職給付債務および制度資産は、割引率など数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されています。このため、実際の金利水準の変動や制度資産の運用利回りが悪化した場合には、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)法的手続について
当社グループは、ビジネス活動においてコンプライアンスの実践を基本においていますが、様々な訴訟および規制当局による法的手続の当事者となる可能性があり、その場合には当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)情報セキュリティ
当社は高まる情報セキュリティのリスクに対して、中期の情報セキュリティ推進計画にもとづき、外部からの
サイバー攻撃(侵入防止・検知)への対策、標的型攻撃に対する社員への啓発・教育などセキュリティ対策を強化
しています。また当社国内外関係会社に対しても、日常点検や監査を通じてセキュリティレベルの底上げを行う
など、当社グループとしての信頼の維持と向上に努めています。
しかし万一、外部からのサイバーテロやコンピューターウィルスの侵入、自然災害によるインフラ障害等により
機密情報の漏洩または喪失があった場合、被害の規模により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす
可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当期の世界経済は、2019年末に発生した新型コロナウイルス(以下「コロナ」)の感染が世界各国に広がり、
2020年度前半は景気が大きく後退しました。年央以降、景気は回復傾向に転じましたが、コロナは未だ収束の
見通しは立っていない状況です。
日本経済も同様にコロナの影響を大きく受けましたが、これを契機としてデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」)が加速し、テレワークなど働き方が大きく見直しされました。また、2020年9月に発足した
菅内閣による2050年カーボンニュートラル宣言もあり、社会全体がCO2削減に向け大きく動き出しました。
自動車業界は、年度前半は過年度から続く市場減退に加え、欧米をはじめとする世界各国でコロナ感染拡大
によるロックダウンで工場の稼働停止を余儀なくされ大幅に生産が減少しました。年度後半からは急速に生産が回復してきたものの、生産台数は国内、海外ともに前年割れとなりました。
このような情勢のなか当社グループは、年度前半はグループ全体で緊急モードと位置づけて、売上減少に対応すべく緊急収益対策に傾注しました。年度後半からは外部環境が激変するなか、中長期計画である
「2025事業計画」の実現に向けたリソーセス投入を優先し、「活動の3本柱」を軸とした成長戦略に取り組んで
います。
活動の柱Iは「イノベーション・新モビリティへの挑戦」であり、革新的な技術により従来と異なる新領域
での早期事業化に取り組んでいます。
まず、事業化を加速させるべく、2020年1月に先行開発機能を強化するなど開発部門を見直しました。
また、事業環境の大きな変化に対応し、持続的な成長を実現するため、2018年度に創設したCVC
(コーポレートベンチャーキャピタル)を活用したスタートアップ企業への出資は2020年度も積極的に進め、
長年培ったコア技術と外部の知見の融合による新事業の創出や自動車領域でのCASE・MaaSに対応した新製品の
開発に注力しています。
新技術の一つである深紫外LEDは、高付加価値LEDとして2017年から開発を進めてきましたが、照射により
コロナウイルスが不活化することを確認し、ウィズコロナ時代の安全・安心な暮らしに貢献すべく、2020年11月
にWOTA株式会社の水循環型のポータブル手洗いスタンド「WOSH」に搭載する「深紫外LED水浄化ユニット」の
販売を開始、続いて同年12月には空気を除菌する「UVC空間除菌装置」を販売し、個人ユーザ様向けの商品展開
を開始しました。
また、三重県のいなべ工場では2020年11月にトヨタ自動車株式会社の燃料電池車「MIRAI」向けの高圧水素
タンクの生産を開始するなど、新領域での事業を一歩進めることができました。
活動の柱Ⅱは「伸びる市場・伸ばせる分野へ重点戦略」であり、米州、アジアを重点地域と位置付け、
エアバッグ、樹脂フューエルフィラーパイプ、ラジエータグリルなどの高付加価値製品を重点製品として、
トヨタ自動車株式会社のみならず、本田技研工業株式会社をはじめとする日系カーメーカー、デトロイト3など
外資系カーメーカーにも積極的に拡販を進めています。
また、重点地域の一つとして位置付けているアジアの一角であるインドでは域内の子会社を統合し、事業を
一体運営することで成長市場であるインドでの拡販と経営の効率化により収益拡大を進めていきます。
活動の柱Ⅲは「生産現場のモノづくり革新」であり、IoT活用によるロス低減やリモート生産準備など生産
部門の業務効率化を進め、DXを通じたモノづくりと省人・自働化に取り組んでいます。また、Web会議や
テレワークなど、主として間接部門の業務効率化も進めました。
当期の売上収益は、中国における主要顧客の自動車生産台数の増加による増販はあったものの、その他の
地域全般における年度前半でのコロナによる減販、前期にドイツの生産子会社である豊田合成メテオール
有限会社(以下「TGM」)を連結範囲から除外したことや円高による為替の影響等により、 7,214億円
(前期比 11.2%減)と減収となりました。
利益については、コロナによる減販影響や英国子会社のリストラクチャリング引当金の計上はあったものの、
政府補助金の活用を含む合理化努力や労務費・経費の抑制、前期にTGMの全株式を外部に譲渡し事業整理損失を
計上したことの反動により、営業利益は 364億円(前期比 103.9%増)、英国子会社にて生産終了を前提に
労使交渉を開始したことを踏まえ繰延税金資産を計上したことにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は
352億円(前期比 213.6%増)と増益となりました。
当期末における総資産は、主に有形固定資産の増加に伴い、前期末に比べ 659億円増加し、7,751億円と
なりました。また、負債は主に営業債務及びその他の債務等の増加により、前期末に比べ 157億円増加し、
3,547億円となりました。
資本については、主に利益剰余金の増加等により、前期末に比べ 501億円増加し、4,204億円となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
a.日本
売上収益は、コロナによる減販影響等により 3,580億円(前期比 11.6%減)となりました。
利益については、コロナによる減販影響等はあったものの、徹底した労務費・経費の削減等に加え、前期にTGM全株式を外部に譲渡し事業整理損失を計上したことの反動により、セグメント利益は 120億円
(前期損失 50億円)となりました。
b.米州
売上収益は、コロナ、半導体不足および米国寒波による減販影響等により 2,034億円(前期比 16.5%減)と
なりました。
利益については、労務費削減(政府補助金等)はあったものの、減販影響等により、セグメント利益は
138億円(前期比 16.7%減)となりました。
c.アジア
売上収益は、タイやインドネシアでの減販影響等はあったものの、中国での主要顧客の増販効果等により
1,904億円(前期比 1.2%増)となりました。
利益については、タイやインドネシアでの減販影響等はあったものの、中国での増販効果や原価改善等に
より、セグメント利益は 144億円(前期比 36.4%増)となりました。
d.欧州・アフリカ
売上収益は、前期の第3四半期にTGMを連結から除外したことや、コロナによる減販影響等により 262億円
(前期比 28.2%減)となりました。
利益については、英国子会社のリストラクチャリング引当金の計上はあったものの、TGMを連結から除外した
ことや労務費削減(政府補助金等)により、セグメント損失は 39億円(前期損失 42億円)と、損失額が
縮小しました。
②キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物は、前期末 1,279億円に比べ 60億円増加し、1,340億円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは 672億円の収入となり、前期に比べ 20億円収入が増加しました。
これは主に、営業債権及びその他の債権の増減額で 316億円収入が減少したものの、営業債務及びその他の
債務の増減額で 251億円、引当金の増減額で 46億円、法人所得税の支払額が 37億円、それぞれ支出が
減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは 499億円の支出となり、前期に比べ 42億円支出が減少しました。
これは主に、有形固定資産及び無形資産の取得による支出が 32億円、定期預金の預入による支出が 24億円
それぞれ増加したものの、前期発生した子会社株式の売却による支出 114億円が当期はなく減少したこと等に
よるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは 130億円の支出となり、前期に比べ 255億円支出が増加しました。
これは主に、短期借入れによる収入が 316億円減少し、短期借入金の返済による支出が 73億円減少した
結果、短期借入収入と支出のネットで 243億円の資金の流出となったこと等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
日本 |
347,672 |
△12.4 |
|
米州 |
198,210 |
△17.0 |
|
アジア |
161,579 |
0.1 |
|
欧州・アフリカ |
25,632 |
△26.7 |
|
合計 |
733,094 |
△11.9 |
(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
b.受注実績
当社グループ(当社および連結子会社。以下同じ。)は、主にトヨタ自動車株式会社をはじめとして各納入先より生産計画の提示をうけ、生産能力を勘案して生産計画を立て生産しています。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
日本 |
332,258 |
△12.1 |
|
米州 |
199,650 |
△16.6 |
|
アジア |
164,069 |
2.4 |
|
欧州・アフリカ |
25,520 |
△27.9 |
|
合計 |
721,498 |
△11.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.主な相手先への販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
トヨタ自動車㈱ |
234,955 |
28.9 |
208,509 |
28.9 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等について、売上収益は、7,214億円(前期比 11.2%減)と
中国における主要顧客の自動車生産台数の増加による増販はあったものの、その他の地域全般における年度
前半でのコロナによる減販、前期にドイツの生産子会社であるTGMを連結範囲から除外したことや円高による
為替の影響等により、減収となりました。
利益について、営業利益は 364億円(前期比 103.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は
352億円(前期比 213.6%増)と増益となりました。営業利益については、コロナによる減販影響や英国
子会社のリストラクチャリング引当金の計上はあったものの、政府補助金の活用を含む合理化努力に加え、
労務費・経費の抑制、さらに前期にTGMの全株式を外部に譲渡したことによる事業整理損失の反動により増益
となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益の増加は、英国子会社にて生産終了を前提に労使交渉を
開始したことを踏まえ繰延税金資産を計上したことによるものです。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」
に記載しています。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、以下のとおりです。
a.当社グループの財務方針
当社グループは2018年5月に公表した「2025事業計画」でROE10%を目標として掲げました。
これは、株主資本コストを安定的に上回るROEを達成することで株主価値を向上させていくこと、加えて
現在の資本市場において当社グループが選ばれるために必要な資本効率を達成することを目的として設定
したものです。
当社グループは、これまでの安定的な利益の積み重ねの結果、自己資本比率は50%前後で推移しており、
安全性の観点からは十分な財務体質を有していると認識しています。一方、財務レバレッジの観点から
ROE10%を達成するためには一定のコントロールが必要であると考え、2018年11月に以下の3点からなる
財務方針を公表しました。
まず「株主還元」ですが、足元はコロナショックの影響で急激に事業環境が悪化していますが、成長の
ための投資資金を確保した上で、「連結配当性向30%以上を基本」とし、「様々な観点からトータルとして
株主に報いる」との株主還元の方針を定めました。
次に「設備投資」については、足元のコロナショックへの対応として当面は必要性を精査し不要不急の
投資を控えていきますが、成長のための投資資金として年500億円程度を確保する考えです。
年500億円は過去最高水準の設備投資額ですが、変革期にある自動車産業の中にあっても持続的な成長を
実現していくために必要なものと考えています。
最後に「手許資金」については、金融危機や自然災害などが発生した際に当面の事業運営が行える水準と
してのリスク対応資金も含め、「連結月商+300億円程度の現預金((一年以内の)短期借入金は除外)」を
確保する考えです。
b.資金需要
当社グループでは、当連結会計年度において、465億円の設備投資を実施しています。
今後も、市場のグローバル化や成長市場における事業強化などへの対応を含め、国内外における
設備投資、出資などについて長期的な視野で資金需要を認識していきます。
c.資金調達方法
当社グループは、円滑な事業活動に必要な資金の流動性確保と財務の安定性・健全性維持を資金調達の
基本としており、金融機関からの借入や社債の起債など資金効率を考えた多様な資金調達を行っています。
また一部の地域のグループ子会社では、キャッシュ・マネジメント・システムの導入により域内の資金効率
も図っています。
なお、当連結会計年度末における社債および借入金を含む有利子負債の残高は 1,522億円となって
います。
d.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前期末 1,279億円に比べ 60億円増加し、1,340億円と
なりました。これは、安定した営業キャッシュ・フローを創出する中、事業拡大に向け継続的な投資を実施
した結果によるものです。当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等
の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
セグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、
「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。
(1)技術援助を受けている契約
技術援助を受けている契約で重要な契約等はありません。
(2)技術援助を与えている契約
技術援助を与えている契約で重要な契約等はありません。
当社グループはゴム樹脂の自動車部品専門メーカーとして国際競争力のある製品づくりを目指し、品質・性能向上や低コスト化などの顧客ニーズに加え、SDGsで示されているグローバル課題の解決や、2050年カーボンニュートラル
を開発の重点に掲げ、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)、自動運転技術などの動向を先取りした製品・技術
の開発に取り組んでいます。
当社グループの研究開発体制は、当社の開発本部・生産本部(日本地域)、海外子会社の豊田合成ノースアメリカ
株式会社(米州地域)、豊田合成アジア株式会社(アジア地域)、豊田合成(中国)投資有限公司(アジア地域)、
豊田合成ミンダインディア株式会社(アジア地域)、豊田合成ヨーロッパ株式会社(欧州・アフリカ地域)が
連携し、グローバルな研究開発活動を展開しています。
最近の主な成果としてはFCVの主要部品である「高圧水素タンク」、車のフロントを彩る「LED発光エンブレム」、ウイルスや細菌を除去する深紫外LEDを用いた「UVC空間除菌装置」や「深紫外LED水浄化ユニット」などの独創的な新製品・新技術を開発しています。またカーボンニュートラルの実現に向けて、
ゴム・樹脂製品のリサイクル技術の開発や、EV・FCVといった電動車向けの製品および生産技術の開発、更には今後の
自動運転技術の進展に対応した付加価値の高製品開発なども積極的に推進しています。
なお、当事業年度に係る研究開発費は