文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針及び経営戦略等
当社は、株主をはじめ全てのステークホルダーに期待され信頼されるグローバルな企業として企業価値を高めていくとともに、広く地域・社会に貢献し、快適で魅力ある新しい生活価値を創出し続けることを、会社の基本方針としております。
また、会社経営の基本精神である企業理念は次のとおりであります。
・現地現物主義に立ってお客様の期待に応え、より良い製品を責任を持って提供します。
・堅実な経営基盤をもとに時代の変化に柔軟に適応し、新しい時代を切り開きます。
・独自技術及び研究開発を充実させ、新たなニーズを積極的に開拓します。
・地球環境に責任を持った企業活動と環境に優しい技術開発を進めます。
この基本方針に則り、当社グループは、2020年を目標年度とした長期ビジョン「VISION 2020」を策定し公表しております。このビジョンの目標達成イメージは、従来から取り組んできた「世界一の現場力・開発力・技術力」と「業界No.1の収益力」の実現に加えて、「新市場への挑戦」「飽くなき技術革新」「新分野の創出」といった「新たな挑戦」を原動力として、世界一の価値をさまざまな事業領域で提供し続ける企業集団となることであります。
具体的な数値目標として、2020年に連結売上高1兆2,000億円、連結営業利益率12%以上(日本基準)などを掲げ、ビジョンの行動イメージである「Go for NEXT」を念頭に、目標達成に向けて邁進しておりましたが、「VISION 2020」を策定した2012年と現在では、当社を取り巻く環境は国際情勢の変化や技術革新など、当時の想定を超える変化を遂げております。
内外の環境変化や前中期計画の進捗状況を踏まえ、「VISION 2020」の達成に向けた最終ステージとして、また、2020年以降を見据えた施策として、2018年度を初年度とする新たな5ヵ年の中期計画を策定しております。この新中期計画では「VISION 2020」における2020年の数値目標は売上収益1兆円、事業利益1,000億円(IFRS)としており、新たな中期計画の最終年度となる2022年には売上収益1兆1,000億円、事業利益1,300億円を目指します。
具体的な経営戦略としましては、新興諸国を中心とした成長市場での拡販、欧米事業の拡大、新たな技術開発コンセプト「SMART TYRE CONCEPT」の推進、次世代新工法の導入拡大、環境対応商品の拡充、新規顧客の開拓、制振技術の普及、ヘルスケアビジネスの展開などに経営資源を投入することに加えて、2018年1月1日のスポーツ事業統合によるDUNLOPブランドの活用に注力し、持続的成長の実現を通じて企業価値の最大化を目指します。
(2)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
今後の世界経済の見通しは、米中の通商問題の動向、中国の経済成長の減速、英国のEU離脱による影響、中東地域での地政学的リスクの顕在化に加え、新興諸国への不安の広がり、更には為替への影響といったリスクが、景気の不確実性を一層高めていくと予想しております。
わが国経済においても、景気は回復傾向にあるものの、消費税率の引き上げによる景気の影響や、消費マインドの改善に繋がる財政不安の解消や賃上げ動向には不透明感があり、予断を許さない状況が続くと予想しております。
このような経営環境に対応するため、当社グループは、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載したリスク要因を踏まえながら、次のような課題に取り組んでまいります。
(タイヤ事業)
国内市場においては、低燃費タイヤにおけるプレゼンスの維持向上を目指して今後も新商品を順次投入してまいります。「ダンロップ」ブランドでは、「事故のない毎日をつくりたい。」を新たなブランドメッセージとして発信し、より安心が長持ちするタイヤとして「LE MANS Ⅴ」を中心とした高付加価値商品の拡販を推進してまいります。また、テニス事業における「ダンロップ」ブランドの活用拡大、価値向上への取り組みにより、タイヤ事業へのグループ内シナジー効果も最大限引き出してまいります。「ファルケン」ブランドでは、昨年大きく販売を伸ばしたフラッグシップタイヤ「AZENIS」シリーズを中心に高付加価値商品の拡販に取り組んでまいります。また、米国で好評の4WD・SUV用タイヤ「WILDPEAK」シリーズおよび「ZIEX」シリーズを本年3月から順次国内でも発売しております。
海外市場においては、新興諸国での拡販を継続することに加えて、ブランド価値向上を図っている「ファルケン」を活用し、欧米における拡販の継続、現地テクニカルセンターも活用した新車装着用タイヤの納入拡大によるブランド認知の向上のほか、中国を含む新興諸国で拡大する環境規制に適合した商品の投入等、地域特性に応じた商品の投入もグローバルに進めてまいります。
開発面では、自動車業界において100年に1度の変革が進む中、未来のモビリティ社会で求められるタイヤ性能を実現する技術開発コンセプト「SMART TYRE CONCEPT」を活用し、次世代タイヤの開発を進め、今後も当社独自の先進技術で魅力ある商品やサービスを具体化し、順次展開してまいります。
生産面では、世界各地での増販にあわせて供給能力を拡大してまいります。欧州、ロシア、中近東、アフリカ地域への供給に適したトルコ工場のほか、ブラジル工場や南アフリカ工場の高付加価値化を含めた能力増強投資を継続するなど、今後も持続的な成長を支える供給体制の構築に努めてまいります。
(スポーツ事業)
ゴルフ用品では、ゴルフクラブ・ゴルフボールで国内トップシェアを維持・拡大すべく、主力の「ゼクシオ」シリーズを軸に「スリクソン」「クリーブランドゴルフ」の各種商品の拡販を進めます。海外市場においても国内同様、3ブランドでのゴルフクラブ拡販や、「スリクソン」ゴルフボールのシェアアップ等に継続して取り組んでまいります。
テニス用品では、グローバルマーケティング施策をより活性化、「LOVE THE GAME」のブランドメッセージを全世界に発信し、「ダンロップ」ブランドの価値向上を図り、一層の拡販を進めてまいります。
ウェルネス事業では、引き続き「ダンロップスポーツクラブ」や「ジムスタイル」の新規出店および会員獲得に努めてまいります。
(産業品他事業)
医療用精密ゴム部品は、スロベニア新工場建設を本年4月の稼働に向けて進めながら、欧州市場を中心にグローバル展開を継続してまいります。
制振事業では、建物の揺れを低減する住宅用制震ユニット「ミライエ」を中心に更にラインアップを整備して、安全で高品質な商品の供給に努めます。
OA機器用精密ゴム部品では、既存商品の性能・コスト面での改善を進め、市場でのシェアアップに努めます。
すべての商材において、品質や機能面で付加価値の高い商品を開発、提供することにより、更なる成長を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関し、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項のうち主なものは以下のとおりであります。
記載内容のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識し、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
(1)為替変動の影響
為替の変動は、当社グループが輸出販売する製品の価格、購入する原材料の価格及び外貨建資産・負債の価値、外貨建財務諸表の邦貨換算等に影響を与えますが、円が他の通貨に対して円高になると、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、連結売上収益に占める海外売上収益の割合を2001年12月期の25.2%(日本基準での数値)から2018年12月期の62.9%(IFRSでの数値)へ高めてきており、今後も当社グループの業績等が為替変動により受ける影響は拡大する可能性があります。
このため、当社グループでは、為替予約や通貨ごとの輸出入のバランス化等により、為替変動によるリスクの軽減を図っておりますが、これにより当該リスクを完全に回避できるものではありません。
(2)原材料価格の変動
当社グループの製品の主要原材料は、天然ゴム、石油化学製品及び金属材料です。従いまして、天然ゴム価格、原油価格、鋼材価格等の商品市況価格が上昇すると、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)金利の変動
当社グループは、有利子負債の削減を推進し財務体質の改善を図るとともに、資金調達手段の多様化や金利スワップ等により金利変動によるリスクを軽減するための対策を講じておりますが、金利が中長期的に上昇した場合、資金調達コストが上昇し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)製品の品質による影響
当社グループでは、所定の品質基準に基づき、製品の品質確保に万全の対策を講じておりますが、製品の欠陥やクレームの発生を皆無にすることは困難です。
当社グループは、欠陥が発生した場合又は裁判等により欠陥が認定された場合に備え、欠陥に起因する損害賠償等の諸費用に対する損害保険を付保しておりますが、保険で補償されない費用が発生する可能性があります。また、クレームに対する処理費並びに製品の回収・交換による費用が発生する可能性があります。これらの事態が発生した場合、当社グループの業績や財政状態並びに社会的評価に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)災害時の影響
当社グループは日本・アジア地域を中心に世界の広範な地域で事業を展開しており、それらの事業は自然災害、疾病、戦争、テロ等に直接又は間接の影響を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
①業績
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|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減率 |
|
|
|
百万円 |
百万円 |
% |
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売上収益 |
877,866 |
894,243 |
1.9 |
|
|
|
タイヤ事業 |
756,576 |
768,012 |
1.5 |
|
|
スポーツ事業 |
81,734 |
84,477 |
3.4 |
|
|
産業品他事業 |
39,556 |
41,754 |
5.6 |
|
事業利益 |
66,975 |
60,681 |
△9.4 |
|
|
|
タイヤ事業 |
58,341 |
51,187 |
△12.3 |
|
|
スポーツ事業 |
4,372 |
5,489 |
25.5 |
|
|
産業品他事業 |
4,229 |
4,013 |
△5.1 |
|
|
調整額 |
33 |
△8 |
- |
|
営業利益 |
67,449 |
57,155 |
△15.3 |
|
|
親会社の所有者に 帰属する当期利益 |
46,979 |
36,246 |
△22.8 |
|
(注)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
為替レートの前提
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|||
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1米ドル当たり |
112 |
円 |
110 |
円 |
△2 |
円 |
|
1ユーロ当たり |
127 |
円 |
130 |
円 |
3 |
円 |
当期の世界経済は、米中の通商問題の動向が世界経済に与える影響はあるものの、米国では着実な景気の拡大が継続し、欧州でも緩やかな景気回復の動きが持続しました。世界経済全体としては緩やかに回復しましたが、比較的高い経済成長率が維持されてきた中国では、景気に減速感が生じてきていることや、中近東地域や一部の新興国では景気の低迷が継続するなど、先行きについては不透明感が増してきました。
わが国経済につきましては、雇用環境は着実に改善し、個人消費の持ち直しや企業収益の改善、設備投資の増加が見られるなど、景気は緩やかに回復しました。
当社グループを取り巻く情勢につきましては、天然ゴム価格相場は安定的でしたが、販売環境については、一部の新興国の通貨下落による環境の悪化や、海外市販市場における競合他社との競争が激化するなど厳しい状況で推移しました。
このような情勢のもと、当社グループは、2020年を目標年度とする長期ビジョン「VISION 2020」の実現に向けて、低燃費タイヤやハイパフォーマンスタイヤなどの高付加価値商品の更なる拡販の推進、欧米での販売力強化、「DUNLOP」ブランドの価値向上の取組に加えて、新市場・新分野に積極的に挑戦し、グループを挙げて事業の成長と収益力の向上を目指して様々な対策に取り組みました。
この結果、当社グループの連結業績は、売上収益は894,243百万円(前期比1.9%増)、事業利益は60,681百万円(前期比9.4%減)、営業利益は57,155百万円(前期比15.3%減)となり、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は36,246百万円(前期比22.8%減)となりました。売上収益は、前期から増収となりましたが、主力のタイヤ事業では販売構成の悪化や、固定費、経費の増加等により事業利益は、減益となりました。当期利益については、新興国の通貨下落による為替影響に加えて、販売環境の悪化等に伴う南アフリカの製造・販売子会社に係るのれんの減損損失の計上もあり、大幅な減益となりました。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。
(タイヤ事業)
タイヤ事業の売上収益は、768,012百万円(前期比1.5%増)、事業利益は51,187百万円(前期比12.3%減)となりました。
国内新車用タイヤは、自動車生産台数が前期並みで推移しましたが、低燃費タイヤを中心とする高付加価値商品の拡販により販売数量が増加したため、売上収益は前期を上回りました。
国内市販用タイヤは、「ダンロップ」ブランドでは耐摩耗性能と耐偏摩耗性能を向上させ、「より最後まで使える長持ち」を実現した乗用車用低燃費タイヤ「エナセーブEC204(イーシー・ニーマルヨン)」を発売したほか、「LE MANS Ⅴ(ル・マンファイブ)」などの高付加価値商品の拡販を推進しました。「ファルケン」ブランドでは引き続き「Red Bull Air Race World Championship 2018」に参戦する室屋義秀選手を「Team FALKEN」としてサポートするなど、ブランドの認知拡大に努めるとともに、高い高速操縦安定性能と優れたウエット性能を実現した、乗用車用の新世代フラッグシップタイヤ「AZENIS FK510(アゼニス・エフケーゴーイチゼロ)」シリーズを発売するなど拡販を進めました。これらの結果、売上収益は前期を上回りました。
海外新車用タイヤは、欧州、北米のほか、新興国でも納入を拡大したこともあり、売上収益は前期を上回りました。
海外市販用タイヤは、欧州は好調に推移しましたが、中国での景気の減速、中近東での政情不安に伴う消費の低迷等により販売数量は減少したため、売上収益は前期を下回りました。
以上の結果、タイヤ事業の売上収益は前期を上回りましたが、事業利益は減益となりました。
(スポーツ事業)
スポーツ事業の売上収益は、84,477百万円(前期比3.4%増)、事業利益は5,489百万円(前期比25.5%増)となりました。
国内ゴルフ用品市場では、2017年12月に発売したゴルフクラブ「ゼクシオ テン」の販売が引き続き好調に推移したことに加え、2018年9月には新たにゴルフクラブNEW「スリクソン Zシリーズ」及び「クリーブランド RTX 4 (ローテックス・フォー)ウエッジ」を発売しましたが、市況が前年割れとなったほか、競争激化の影響などもあり、国内ゴルフ用品全体の売上収益は前期を下回りました。
海外ゴルフ用品市場では、同じく「ゼクシオ テン」が前モデルを上回り好調に推移するなか、「スリクソン」、「クリーブランドゴルフ」の各ブランドにおいても新製品を発売し積極的に拡販に努めた結果、売上収益は前期を上回りました。
テニス用品市場では、国内の売上収益は、市況の影響もあり前期を下回りましたが、2017年4月に買収した「ダンロップ」ブランドの海外でのテニス事業が欧州、北米を中心として増収に大きく寄与しました。
ウェルネス事業では、「ダンロップスポーツクラブ」や「ジムスタイル」の新規出店に加え、既存店の会員数も堅調に推移したことから、売上収益は前期を上回りました。
そのほか、ライセンス事業も引き続き増収に寄与し、スポーツ事業の売上収益は前期を上回り、事業利益も増益となりました。
なお、2018年1月1日付で当社の子会社であったダンロップスポーツ㈱及びダンロップインターナショナル㈱を吸収合併し、スポーツ事業を統合しております。
(産業品他事業)
産業品他事業の売上収益は、41,754百万円(前期比5.6%増)、事業利益は4,013百万円(前期比5.1%減)となりました。
制振事業では、住宅用制震ユニット「ミライエ」の販売が好調に推移し、OA機器用精密ゴム部品では、主要OA機器メーカーのプリンター・コピー機生産増加により、売上収益は前期を上回りました。医療用精密ゴム部品については、国内、海外ともに順調に推移しました。インフラ系商材においては、2018年1月に国内テニスコート設計・施工会社「スポーツサーフェス㈱」を取得したことにより、売上収益は前期を上回りました。
以上の結果、産業品他事業の売上収益は前期を上回りましたが、為替の影響に加えて、医療用精密ゴム部品のスロベニア新工場建設に伴う初期投資もあり、事業利益は減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ9,998百万円増加し、当連結会計年度末には74,526百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、82,820百万円(前連結会計年度比6,711百万円の収入の増加)となりました。
これは主として、棚卸資産の増加24,663百万円、法人所得税の支払額13,801百万円などの減少要因があったものの、税引前利益50,349百万円の計上、減価償却費及び償却費の計上57,365百万円、営業債務及びその他の債務の増加8,767百万円などの増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、65,494百万円(前連結会計年度比35,230百万円の支出の減少)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出66,417百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、2,122百万円(前連結会計年度は21,706百万円の収入)となりました。
これは主として、短期借入金、長期借入金及び社債が純額で16,659百万円増加するなどの増加要因があったものの、配当金の支払15,511百万円を行ったことなどによるものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
タイヤ事業 |
637,454 |
△0.7% |
|
スポーツ事業 |
47,554 |
20.6% |
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産業品他事業 |
29,649 |
15.3% |
|
合計 |
714,657 |
1.0% |
|
(注)1.金額は、販売価格によっております。 |
||
|
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 |
||
②受注実績
当社グループの製品は、大部分が見込生産であり、ごく一部の製品(防舷材等)についてのみ受注生産を行っております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
タイヤ事業 |
768,012 |
1.5% |
|
スポーツ事業 |
84,477 |
3.4% |
|
産業品他事業 |
41,754 |
5.6% |
|
合計 |
894,243 |
1.9% |
|
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 |
||
|
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 |
||
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。
連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りや前提が必要となりますが、当社グループは、過去の実績、又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの新中期経営計画における数値目標は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針及び経営戦略等」に記載のとおりですが、当連結会計年度の経営成績に重要な影響を与えた主なものは、数量構成他の悪化及び固定費・経費の増加であります。
主力のタイヤ事業において、当連結会計年度においては、原材料面では石油系原材料の価格が高騰したものの、天然ゴム価格は低位に推移したことにより、増益要因となりました。一方、販売面では、中国や中近東といった好採算地域での販売減速に伴う構成悪化等により、数量構成他が減益要因となったほか、主に海外拠点への投資に伴う減価償却費及び人件費等の固定費や販路拡大による経費がそれぞれ増加し、減益要因となりました。
この結果、前連結会計年度に対し、原材料価格全体では約30億円の増益要因となったものの、数量構成他で約37億円、固定費で約38億円、経費で約34億円が、それぞれ減益要因となりました。低燃費タイヤなど高付加価値商品の更なる拡販、海外工場における生産能力の増強や生産性の改善など、収益力の向上を目指してさまざまな対策に取り組みましたが、タイヤ事業全体では減益となりました。
スポーツ事業及び産業品他事業の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ①業績」に記載のとおりであります。
以上の結果、売上収益は894,243百万円と前連結会計年度に比べ16,377百万円(1.9%)の増収、事業利益は60,681百万円と前連結会計年度に比べ6,294百万円(△9.4%)の減益となり、売上収益事業利益率は前連結会計年度に比べ0.8ポイント低下し、6.8%となりました。
その他の収益及び費用では、当連結会計年度では収益と費用の純額で4,000百万円の減益となりました。
この結果、営業利益は57,155百万円と前連結会計年度に比べ10,294百万円(△15.3%)の減益となり、売上収益営業利益率は前連結会計年度に比べ1.3ポイント低下し、6.4%となりました。
金融収益及び費用では、新興国の通貨下落による為替差損を計上したこと等により、当連結会計年度では収益と費用の純額で5,034百万円の減益となりました。
以上の結果、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は36,246百万円と前連結会計年度に比べ10,733百万円(△22.8%)の減益となりました。
新中期計画における目標達成に向けて、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針及び経営戦略等」に記載の施策に取り組んでまいります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
・財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、1,002,383百万円と前連結会計年度末に比べて15,883百万円減少しました。販売に備えた在庫の積み上げによる棚卸資産の増加などにより流動資産は10,917百万円増加しました。また、為替換算影響による有形固定資産の減少などにより非流動資産は26,800百万円減少しました。
当連結会計年度末の負債合計は、529,576百万円と前連結会計年度末に比べて2,196百万円増加し、有利子負債残高は、283,482百万円と前連結会計年度末に比べて10,030百万円増加しました。
当連結会計年度末の資本合計は472,807百万円と前連結会計年度末に比べて18,079百万円減少しました。うち親会社の所有者に帰属する持分は457,927百万円と、ダンロップスポーツ㈱の吸収合併によって非支配持分を取得したものの、配当金を支払ったことにより、1,980百万円減少しました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は45.7%、1株当たり親会社所有者帰属持分は1,741円11銭となりました。
・キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」の項に記載のとおりでありますが、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリーキャッシュ・フローでは17,326百万円のプラスとなりました。
今後、主に海外での増販に対応するため、生産能力増強のための設備投資を継続する方針でありますが、販売数量の増加と採算性の改善により営業活動によるキャッシュ・フローの拡大を実現しながら、必要に応じ金融市場や金融機関からの調達も活用するなど、「成長」と「流動性の確保並びに財務体質の向上」との両立を図る所存であります。
また、当社と国内子会社、当社と一部の海外子会社との間でCMS(キャッシュマネジメントシステム)による資金融通を行っており、当社グループ内での資金効率向上を図っております。
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
IFRSに準拠して作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却停止)
日本基準では、のれんの償却については償却年数を見積り、その年数で均等償却を行っておりましたが、IFRSではIFRS移行日以降、償却せず毎期減損テストを行っております。
この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、前連結会計年度におきましては、「販売費及び一般管理費」が5,039百万円減少しております。当連結会計年度におきましては、「販売費及び一般管理費」が5,537百万円減少しております。
(退職後給付に係る費用処理)
日本基準では、発生した数理計算上の差異及び過去勤務費用を一定の期間で償却しておりましたが、IFRSでは、数理計算上の差異は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えております。過去勤務費用は、純損益として認識しております。
この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、前連結会計年度におきましては、「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「金融費用」が合計で1,621百万円増加、「その他の包括利益」が1,160百万円増加しております。当連結会計年度におきましては、「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「金融費用」が合計で2,304百万円増加、「その他の包括利益」が1,648百万円増加しております。
(表示組替)
日本基準において、「営業外収益」、「営業外費用」、「特別利益」、「特別損失」として表示していた項目を、IFRSでは財務関連損益については「金融収益」及び「金融費用」として表示し、それ以外の項目については、「その他の収益」、「その他の費用」及び「持分法による投資利益」として表示しております。
該当事項はありません。
当社グループにおいては、当社の研究開発組織・施設を核として世界各地に所在する子会社・関連会社群との密接な連携のもと、タイヤ・スポーツ・産業品他事業、幅広い領域・分野で研究開発を推進しております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、25,780百万円であります。
セグメント別の主要な研究開発活動は、次のとおりであります。
(1)タイヤ事業
当社グループのタイヤ技術研究開発は、神戸本社に隣接したタイヤテクニカルセンターを中心に、欧州・米国のテクニカルセンターと連携して、「タイヤが地球環境の為に貢献できること」をテーマに、「原材料」「低燃費性」「省資源」の3つの方向性で環境配慮商品の開発に取り組んでおります。
2017年5月には路面の滑りやすさや4輪それぞれのタイヤにかかる荷重などをリアルタイムに検知するタイヤセンシング技術「SENSING CORE(センシングコア)」を発表しました。これはタイヤの回転により発生する車輪速信号を解析することで空気圧低下を検知する「タイヤ空気圧低下警報装置DWS」の技術を応用したものであり、追加のセンサーを必要とせずにソフトウエアによって推定することが可能となる技術です。
材料開発では、2015年に完成させた材料開発促進技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN(アドバンスド・フォーディー・ナノ・デザイン)」を初めて採用した長持ちする低燃費タイヤ、DUNLOP「エナセーブ NEXT Ⅱ(ネクスト・ツー)」を2016年11月に発売しました。これをさらに発展させた内容として、ライプニッツ高分子研究所(ドイツ・ドレスデン)(※)との共同研究において、物性解析から予測していた、ゴム内部の「ボイド」と呼ばれるミクロな空隙(ゴム破壊の元)が、実際のゴムのき裂の先端に存在することを確認し、2019年1月に研究成果として発表しました。これにより、今までより破壊されにくいゴム、高い耐摩耗性能を持ったゴムの開発が期待されます。当社はこれからも材料開発のスピードを高めて「性能が持続する」ゴム技術を確立し、2017年10月に発表した「SMART TYRE CONCEPT(スマートタイヤコンセプト)」の実現に努めてまいります。
当事業に係る研究開発費は21,666百万円であります。
※1948年に紡績工場の繊維研究所として設立されたドイツ最大のポリマー研究施設のひとつ。
(2)スポーツ事業
スポーツ事業本部並びに米国のRoger Cleveland Golf Company, Inc.に研究開発部門を設置しており、コンピューターシミュレーション技術等を用いて新技術・新商品の開発並びに評価、試験に取り組んでおります。
兵庫県丹波市の「ゴルフ科学センター」では、スイングマシーンによるテストに加え、トッププロからアベレージゴルファーまでの様々な方のヒューマンテストを行い、クラブやボールの特性に加え、スイングとクラブの関係など、膨大なデータを集積し、総合的に測定・解析・評価を行っております。
これらの技術により、ゴルフクラブではNEW「スリクソン Zシリーズ」を開発し、2018年9月に発売しました。従来のスリクソンドライバーの設計理念を一新する「ZERO SRIXON」というキャッチコピーで展開し、飛距離性能、やさしさ、外観、打球音など、あらゆる面において生まれ変わり、幅広いゴルファーに適したドライバーとなりました。
ゴルフボールでは、NEW「スリクソン Z-STARシリーズ」を開発し、商品化しました。高分子材料SeRMセルム®を世界で初めてゴルフボールに使用し、飛距離性能とスピン性能を高次元で両立させました。テニスラケットでは、ダンロップ「CX」シリーズを開発し、2018年12月に発売しました。スイートエリアをラケット先端方向に拡大することで、多様なショットが可能となるとともに、先端での打撃衝撃を低減させ、プレーヤーへの負担軽減も可能となりました。またフレーム内部の素材にドイツの大手総合化学メーカーBASF社製の高反発ウレタン素材「Infinergy®(インフィナジー)」を配置し、十分な飛びと軽快な弾き感を実現することによりクリアな打球感が可能となりました。2018年1月の経営統合を機に、住友ゴムグループの持つ研究・技術部門の力を十二分に活用し、従来にない魅力的な商品・サービスを開発してお客様の期待に応えるとともに、新規分野へも積極的に挑戦してまいります。
当事業に係る研究開発費は2,220百万円であります。
(3)産業品他事業
高減衰ゴムを用いた制振事業、医療用ゴム部品、プリンター・コピー機用精密ゴム部品等の商品において、消費者ニーズに合わせた商品開発に積極的に取り組んでおります。
制振事業では、戸建て住宅用制震ユニット「MIRAIE(ミライエ)」の制振性能を検証するため、2017年1月と2018年1月に実大振動台実験を行った結果、揺れ幅を最大95%(※)低減することが確認できました。MIRAIE(ミライエ)に使われている高減衰ゴムを用いた制震ダンパーは熊本城天守閣の耐震改修工事にも採用されました。
当事業に係る研究開発費は1,894百万円であります。
※振動台実験の結果によるものであり、建物形状、配置プラン、地震波によって異なります。