第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営の基本方針

現在、世界13か国に展開するNITTAグループ(以下「当社グループ」といいます。)は、国や地域で異なるお客さまのご要望に、コツコツと応え続け、発明と改良の精神をもって、新たな顧客価値の創造に取り組んでいます。

当社グループは、平成29年3月に新たな経営理念(以下「理念」といいます。)を制定しました。この理念においては、当社グループを取り巻くステークホルダーに対する当社グループの役割として[使命]、使命達成のために当社グループ社員が持つべき考え方として[価値観]、使命達成のために当社グループ社員が取るべき行動として[行動指針]を制定しております。この理念は、当社グループのあらゆる事業活動や社会貢献の判断基準となっており、この理念に基づき、グループ全体が一丸となり、真のグローバル企業として更なる価値創造に取り組んでまいります。

 

 


 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、いたずらに規模の拡大のみを求めることなく収益性重視の経営を基本とし、中長期的な経営戦略に基づき、経営指標について目標値を設定しております。
 

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2012年度から2020年度の9年間を対象とする中長期経営計画『V2020』を策定しております。
フェーズ1(2012年度~2014年度)、フェーズ2(2015年度~2017年度)では、当社グループのあるべき姿を掲げ、それを達成するための3大チャレンジとして、①新事業・新製品の創出、②グローバル化の推進、③トータルコスト競争力の向上、に取り組むことにより、フェーズ1、フェーズ2ともに売上目標を達成いたしました。

2018年度からスタートする『V2020』フェーズ3では、グループ力を結集し、変化の激しい時代への対応と『V2020』の成果を確実なものにしつつ、次なる成長を目指します。なお、2020年度の売上の目標はこれまでの成果を踏まえ、800億円から1,000億円にいたします。

その概要については、以下のとおりです。               

1.あるべき姿

   ソフトマテリアル“複合化技術”のグローバルNo.1パートナー

2.『Ⅴ2020』フェーズ3の三大チャレンジ

  フェーズ2の三大チャレンジを事業環境に応じてさらに進化させ、下記の項目に重点的に取り組みます。

  (1)新事業・新製品の創出と成長

      ・NITTA INNOVATION 活動の推進による新事業・新製品の創出

   ・新事業分野の成長とグループ間シナジーの最大化

  (2)グローバルマネジメントの推進

   ・NITTA ブランドの強化

   ・グローバル人材育成の促進

   ・コーポレートガバナンス、コンプライアンス、リスク管理の強化

  (3)トータルコスト競争力の向上

   ・生産技術の革新

   ・現場改善活動の進化

   ・大胆な業務改革と効率化の推進

3.業績目標(連結)

 

2017年度実績

2020年度目標

売上高

729億円

1,000億円(※)

営業利益率

6.7%

8.0%

新事業・新製品売上比率

9.4%

25.0%

海外売上比率

31.3%

35.0%

 

  (※)2020年度の売上高1,000億円には新事業を含みます。

 

(4) 会社の対処すべき課題

① 当面の対処すべき課題

当社グループは、上記(3)で述べた中長期経営計画『V2020』における三大チャレンジをもとに策定した施策を着実に実行し、新たな成長シナリオを展開しうる体質・体制を確立することにより、一層の企業価値向上を目指します。

② 株式会社の支配に関する基本方針

(ⅰ)基本方針の内容及びその取組み(概要)

当社取締役会は、上場会社である当社の株式は、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模買付行為またはこれに類似する行為があった場合においても、一概にこれを否定するものではなく、最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。

当社の財務及び事業の方針を決定する者の在り方としては、当社の経営理念、経営方針、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係などを充分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。

 

従いまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

当社は、当社株式の大規模な買付行為がなされた場合において、これを受け入れるかどうかは、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものであるという考えから、平成19年6月26日開催の株主総会において、買収防衛策の導入は株主総会の決議で定めることができるとする定款変更を行いました。また、同時に買収防衛策の内容についても株主の皆様にお諮りし、ご承認いただいております。その後、直近では、平成30年6月22日開催の第89期定時株主総会で、株主の皆様の承認を得て買収防衛策(以下「本買収防衛策」といいます。)を継続しております。本買収防衛策におきましては、当社株式に関わる大規模な買付行為の提案がなされた際、当該提案内容が当社の企業価値、株主共同の利益に及ぼす影響などについて株主の皆様が的確に判断できるよう、買付行為の提案者及び当社取締役会の双方から迅速に必要かつ十分な情報・意見・提案などの提供がなされ、さらにそれらを検討するための必要かつ十分な時間を確保することを目的としたものであります。また、当社取締役会が株主総会を招集し、大規模買付行為に関する株主の皆様の意思を確認することができることを明記しております。

なお、その概要は次のとおりであります。

議決権割合が20%以上となるような当社株式の大規模買付行為を行おうとする者(当社取締役会が同意したものを除く)に対し、(1)事前に大規模買付者の概要、買付目的、買付価格の根拠及び経営方針などに関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に提出すること、(2)当社取締役会による当該大規模買付行為に対する評価期間が経過した後に大規模買付行為が開始されるべきであること、とするルールを設定し、このルールが遵守されない場合には、株主利益の保護のため、対抗措置として新株予約権の無償割当を行う可能性があることといたしました。

また、大規模買付ルールが遵守された場合でも、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、例外的に、取締役の善管注意義務に基づき、前記の対抗措置をとることもあるとしております。

なお、公正を期するため、大規模買付行為に対して、取締役会が講じる措置の是非を検討し、取締役会に勧告する機関として、当社の社外取締役、社外監査役及び社外有識者による独立委員会を設置しております。

(ⅱ)具体的な取組みに対する当社取締役の判断及びその理由

(ⅰ)に記載した当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるための具体的方策であり、当社の基本方針に沿うものです。

また、本買収防衛策は、当社取締役会から独立した組織として独立委員会を設置し、対抗措置の発動・不発動の判断の際には取締役会は独立委員会に必ず諮問することとなっていること、本買収防衛策の有効期間は3年であり、その継続については株主の皆様のご承認をいただくこととなっていること等その内容において公正性・客観性が担保される工夫がなされている点において、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

(ⅲ)買収防衛策に関する指針及び適時開示規則との整合性

本買収防衛策は平成17年5月27日に経済産業省及び法務省から公表された「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」(以下、「買収防衛指針」といいます。)に定める三原則①企業価値・株主共同の利益の確保、②事前開示・株主意思の原則及び③必要性・相当性の原則のすべてを充足しており、買収防衛指針に完全に沿った内容となっております。

また、本買収防衛策は、平成20年6月30日に経済産業省が設置する企業価値研究会から公表された「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容にも十分配慮したものとなっております。
加えて、本買収防衛策は、株式会社東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則の趣旨にも合致するものとなっております。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態、経営成績および財務の状況等に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には以下のようなものがあります。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 業界の動向及び為替変動等の影響

当社グループの主要製品はベルト・ゴム製品、ホース・チューブ製品、化工品製品、その他産業用製品等で構成されており、当社グループの経営成績は、工作機械、建設機械、精密機械、自動車業界、電子・半導体等の動向ならびに為替変動等の影響を受ける可能性があります。

(2) 関連会社の業績変動

当社グループは、国内外の子会社以外にも米国企業等と合弁で出資している持分法適用会社を有しております。これらの持分法適用会社は、自動車業界、電子・半導体等への依存度が高く、業界動向によって収益が悪化した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(3) 製品の品質等による業績変動

当社グループは高品質の製品の提供をめざし、厳格な品質保証体制及び納入体制を構築しており、品質管理の徹底を図っております。しかしながら、予期せぬ事情により、製品納入の遅れや製品の欠陥等が発生する可能性があります。このような製造上の問題が発生した場合、損害賠償等の負担により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(4) 外的要因による業績変動

当社グループにおいては、地震、台風等の自然災害の発生、その他の理由によるトラブルの発生や、また、海外子会社においては、所在地各国の予期し得ない政治情勢、法規制、税制などの変更やテロ、戦争その他の要因による社会的混乱によって業績と財務状況が影響を受ける可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況
(i)経営成績

当連結会計年度の世界経済は、米国では雇用環境が改善するとともに、個人消費や設備投資が増加し、景気は緩やかに拡大しました。欧州では、ユーロ圏を中心に設備投資や生産に回復の動きが見られるなど、景気の緩やかな回復が続きました。中国や他の新興国においても景気は堅調に推移しました。

国内経済は、世界経済の回復を受けて輸出や設備投資が持ち直すとともに、雇用・所得環境の改善が継続し、景気は緩やかな回復基調となりました。
 当社グループの主要需要業界におきましては、グローバルで半導体関連業界や物流業界向けなどの需要が旺盛に推移した他、国内ではロボット関連業界、アジア地区では自動車業界向け等が堅調に推移しました。
 このような環境下、当社グループの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比86億円増(13.4%増)の729億6千万円となりました。

損益面でも、中長期経営計画達成の為の先行コストや株式取得に伴う関連費用の計上などがあったものの、生産性改善効果もあり、営業利益は48億6千4百万円と前連結会計年度比5億7千5百万円(13.4%増)の増益となりました。

また、持分法適用会社の業績も堅調に推移したことにより、持分法投資利益が前連結会計年度比8億8千2百万円増加しました。この結果、経常利益は、115億7百万円と前連結会計年度比18億4千7百万円の増益(19.1%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、91億6千3百万円と前連結会計年度比12億7千6百万円の増益(16.2%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

ベルト・ゴム製品事業

主力のベルト製品(受注額149億8千7百万円、前期比8.9%増、当社単独ベース)は、国内では物流業界向けや、釣銭機などの金銭機器向けの需要が堅調に推移しました。海外では、物流業界向けの他、繊維機械業界向け需要が堅調に推移しました。ゴム製品(受注額45億6千6百万円、前期比11.2%増、当社単独ベース)は、工作機業界向けのシール製品が堅調に推移しました。また、取扱商品もロボット業界や半導体関連業界向けが好調でした。ベルト・ゴム製品の生産規模は、124億9千5百万円(前期比11.8%増・販売価格ベース、当社単独ベース)となりました。

以上の結果、売上高は264億5千1百万円と前連結会計年度比20億2千8百万円の増加(8.3%増)となりました。セグメント利益は、先行投資負担や原材料価格の高騰の影響もあり18億6千9百万円と前連結会計年度比2億2千6百万円の減少(10.8%減)となりました。

 

ホース・チューブ製品事業

ホース・チューブ製品(受注額218億9千2百万円、前期比13.1%増、当社単独ベース)は、国内では、建設機械業界や半導体製造装置向けチューブ製品や特殊車両用のホース製品が堅調に推移しました。海外でも、建設機械業界向けの他、自動車用燃料チューブが好調に推移しました。また、メカトロ製品もアジア地区などの自動車業界向けの需要が堅調に推移しました。ホース・チューブ製品の生産規模は、192億7千万円(前期比0.8%減・販売価格ベース、当社単独ベース)となりました。

以上の結果、売上高は326億5千万円と前連結会計年度比41億6千4百万円の増加(14.6%増)となりました。セグメント利益も、30億5千万円と前連結会計年度比5億2千8百万円の増加(20.9%増)となりました。

 

 

その他産業用製品事業

空調製品(受注額35億2千2百万円、前期比4.3%増、当社単独ベース)は、国内のメンテナンス事業が引き続き堅調に推移しました。台湾でも設備投資需要が底堅く推移しました。感温性粘着テープ(受注額15億4千2百万円、前期比28.0%増、当社単独ベース)は、電子部材向け用途の需要が堅調に推移しました。

また、5月に株式を取得した浪華ゴム工業株式会社の業況も堅調に推移しました。

以上の結果、売上高は101億8千8百万円と前連結会計年度比22億6千9百万円の増加(28.7%増)となりました。セグメント利益は、2億1千3百万円と前連結会計年度の2億3千4百万円の損失から4億4千7百万円の改善となりました。

 

不動産事業

テナントの入退去などの影響により、売上高は9億5千6百万円と前連結会計年度比2千9百万円の減少(3.0%減)となりました。セグメント利益は、3億9千4百万円と前連結会計年度比2千4百万円の減少(5.9%減)となりました。

 

経営指導事業

経営指導の対象となる関係会社の主要ユーザの業界が堅調に推移したため、売上高は13億9千7百万円と前連結会計年度比1億3千6百万円の増加(10.8%増)となり、セグメント利益は、11億9千2百万円と前連結会計年度比1億5千5百万円の増加(15.0%増)となりました。

 

その他

「その他」の区分に含まれる自動車運転免許教習事業や北海道における山林事業で構成されるその他の事業の売上高は、13億1千6百万円と前連結会計年度比3千1百万円の増加(2.4%増)となりましたが、セグメント利益は、7千4百万円と前連結会計年度比6百万円の減少(7.6%減)となりました。

 

 

(ii)財政状態

当連結会計年度末における資産合計は1,308億4百万円となり、前連結会計年度末に比べて184億5千9百万円の増加となりました。流動資産は676億5千7百万円となり70億7千6百万円の増加となりました。主な要因は売上債権やたな卸資産の増加によるものです。

固定資産は631億4千7百万円となり113億8千3百万円増加しました。そのうち有形固定資産は234億1千4百万円と40億3千7百万円増加しました。無形固定資産は12億9千2百万円と7億5千9百万円の増加となりました。投資その他の資産は384億4千万円と65億8千5百万円増加しました。なお、浪華ゴム工業株式会社とニッタ化工品株式会社の株式取得に伴う流動資産の増加額は約76億円、固定資産の増加額は約30億円です。

負債合計は296億5千2百万円と85億5千5百万円の増加となりました。主な要因は買入債務の増加と繰延税金負債の増加によるものです。なお、浪華ゴム工業株式会社とニッタ化工品株式会社の株式取得に伴う負債合計の増加額は約66億円です。
 純資産合計は1,011億5千2百万円となり99億4百万円の増加となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益91億6千3百万円による利益剰余金の増加があった事によるものです。

この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の79.9%から76.0%となりました。
期末発行済株式総数(自己株式控除後)に基づく1株当たり純資産は、前連結会計年度末の3,086.02円から3,412.12円となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ85億1千1百万円減少し、221億5百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較し22億9千4百万円少ない、70億5千3百万円の収入となりました。これは主に売上債権の増加と利息及び配当金の受取額の減少によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較し90億4千7百万円多い、132億5千8百万円の支出となりました。これは主に定期預金の増加、有形固定資産の取得及び株式取得に伴う支出が増加したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較し6億6千4百万円多い、24億5千2百万円の支出となりました。これは主に長期借入金の返済等によるものです。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であってもその容量、構造、形式等は、必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。

このため、生産、受注及び販売の状況については、各セグメントの業績に関連付けて示しております。

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループの連結財務諸表の作成に当たっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断および仮定を使用する事が必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じた合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。

 

当連結会計年度は、中長期経営計画『V2020』フェーズ2の最終年度にあたり、『V2020』の目標を達成するため の3大チャレンジとして、新事業・新製品の創出、グローバル化の推進、トータルコスト競争力の向上、の3つをあげて取り組みを進めてきました。

 

(i)新事業・新製品の創出

まず、新事業では、浪華ゴム工業株式会社、ニッタ化工品株式会社の株式を取得し、連結子会社といたしました。新製品については、ホース・チューブ製品のメカトロ製品で従来の自動車用に加え、一般産業用に製品を開発いたしました。

また、カーボンナノチューブがスポーツ用品で本格採用され、バトミントンラケット、ゴルフクラブのシャフト、テニスラケットに製品展開されております。

 

(ii)グローバル化の推進

インド事業の拡大に伴い、工場を移設拡張し、ベルトやホース加工設備の増強を行いました。また、韓国の工場ではホース・チューブ事業の需要増に対応するために、工場増設及び設備増強を行いました。

また、国内においても、名張工場第4工場棟が完成し、ムダを省いた生産性の高い製造ラインが本格的に稼働しております。

 

(iii)トータルコスト競争力の向上

当社グループでは、間接業務の「ムダ」を排除し、質の向上と効率化に取り組む、2分の1運動を進めており、当年度はさらに関係会社への展開を図りました。

この運動は今年で3年目を迎えますが、これまでに積み上げてきた業務削減時間は延べ4万1千時間に及び、残業時間の削減や新たな業務の取り込みなどが図れております。

 

 

経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ86億円増加し、729億6千万円(前連結会計年度比13.4%増)となりました。これは、当社グループの主要需要業界が堅調に推移したことや株式を取得した浪華ゴム工業株式会社の売上が9か月分加算されていることなどによるものであります。

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ5億7千5百万円増加し、48億6千4百万円(前連結会計年度比13.4%増)となりました。先行投資による減価償却費の増加や欧州における原材料価格の高騰の影響などがありましたが、増収効果と販管費の伸びが抑えられたことが要因です。

(経常利益)

当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ18億4千7百万円増加し、115億7百万円(前連結会計年度比19.1%増)となりました。持分法適用会社の需要業界も好調に推移し、持分法投資利益が増加したことが要因です。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ12億7千6百万円増加し、91億6千3百万円(前連結会計年度比16.2%増)となりました。特別利益は9百万円を計上しましたが、特別損失は空調製品製造設備、センサ製品製造設備などの減損損失71百万円の計上により87百万円となりました。

 

財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は1,308億4百万円となり、前連結会計年度末に比べて184億5千9百万円の増加となりました。主な要因は売上債権やたな卸資産及び関係会社株式の増加によるものです。

なお、浪華ゴム工業株式会社とニッタ化工品株式会社の株式取得に伴う流動資産の増加額は約76億円、固定資産の増加額は約30億円です。

(負債)

負債合計は296億5千2百万円と85億5千5百万円の増加となりました。主な要因は買入債務の増加と繰延税金負債の増加によるものです。

なお、浪華ゴム工業株式会社とニッタ化工品株式会社の株式取得に伴う負債合計の増加額は約66億円です。

(純資産)

純資産合計は1,011億5千2百万円と99億4百万円の増加となり、自己資本比率は76.0%となりました。

 

キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

 

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりです。

中長期経営計画『V2020』のフェーズ2の最終年度である平成30年3月期の達成状況は以下のとおりです。

売上高は計画比29億6千万円増(4.2%増)となりました。これは主に、ホース・チューブ事業の増大と浪華ゴム工業株式会社の株式取得によるものです。営業利益率は6.7%となりましたが、『V2020』の最終年度である2020年度の目標達成の為の先行コストや株式取得に伴う関連費用の計上などがあり、計画をやや下回りました。

新事業・新製品売上比率は9.4%となりましたが、新事業・新製品の売上は着実に増大しております。海外売上比率は31%でしたが、国内事業が好調であったことや株式を取得した浪華ゴム工業株式会社の売上がほぼ国内であったことによるものです。

 

指    標

2017年度実績

2017年度計画

計画比

売上高

729億円

700億円

29億円増(4.2%増)

営業利益率

6.7%

7.0%

0.3ポイント減

新事業・新製品売上比率

9.4%

10.0%

0.6ポイント減

海外売上比率

31.3%

35.0%

3.7ポイント減

 

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ① 財政状態及び経営成績の状況 (i)経営成績」に記載のとおりであります。
 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社並びにグループ各社は、長期的な収益力強化のため、技術開発を重視し、高付加価値素材の探求、設計から製品化までの一貫した研究体制の確立を基本として、新材料に関する基礎研究及びその応用研究と新技術、更には生産技術全般の開発まで幅広く進めております。

当社グループの研究開発活動は、グループ全体の技術戦略の議論を行う技術戦略会議を設け、仮説検証マーケティング手法を活用しながら、ニーズに応え新事業・新製品に直結するよう、迅速な経営判断の元で実行しています。新製品・新規事業開発に関しては、当社テクニカルセンターに開発研究グループを設け、新材料・新技術の開発およびコア技術の集積と向上に向けて各事業部と連携して研究活動を行なっております。また、既存事業分野の関連技術と製品開発活動に関しては、当社各事業部及びグループ各社の技術部門によりそれぞれ該当分野別に推進されております。

当連結会計年度の研究開発費は18億4千8百万円であり、「新製品・新規事業開発」、「ベルト・ゴム製品事業」、「ホース・チューブ製品事業」、「その他産業用製品事業」に投入しております。

(1) ベルト・ゴム製品事業

当社工業資材事業部を中心に、平ベルト・ゴム成形品の研究開発を行っております。当連結会計年度の主な成果は、ベルト事業では物流・金融・紙工・郵便・繊維・食品など幅広い用途向け平ベルトの開発を進め、グローバルOEMでの採用を促進してきました。ゴム化成品事業においても市場要求を捉えた新製品を上市し成果に結びついています。また、両事業とも新たな市場に対する開発も推進しています。

当事業に関わる研究開発費は5億1千9百万円であります。

(2) ホース・チューブ製品事業

当社ニッタ・ムアー事業部を中心に、樹脂ホース・チューブ・継手及び自動工具交換装置の研究開発を行っております。当連結会計年度は、半導体製造装置向け低アウトガスチューブの開発、耐摩耗柔軟塗装用チューブの開発、自動車用導電燃料移送チューブの開発、ロボット向け自動工具交換装置のラインアップ拡充などの開発に取り組みました。さらに、製販技一体の開発チーム活動により、新規分野・新用途分野での新規案件の発掘及び開発着手に結び付けております。当事業に関わる研究開発費は6億1千3百万円であります。

(3) 「新製品・新規事業開発」及び「その他産業用製品事業」

テクニカルセンターで10年以上にわたり取り組んでおりました当社独自の、直径が揃った長尺な多層CNT(Carbon Nano Tube)は、引き続き多くの引き合いを頂戴しておりますが、その中からスポーツ用品分野で、世界で初めて Namd®(エヌアムド)の技術名称で、バドミントンラケットをはじめとした実製品へ応用されました。今後さらに応用先の拡大が期待されています。3年目となる新事業、新製品創出のための新規事業探索専任チームNIC(Nitta Innovation Crew)は、エラストマーやセンサーの新たな用途展開を探索、その成果の一部はプロジェクトとして活動し、新製品の開発に取り組んでいます。テクニカルセンターでは他にも、エラストマーを中心としたソフトマテリアル複合化技術をTPF(Technical Platform)としてベルト以外で自動車、機械、ロボット関連から医療機器、スポーツ分野まで幅広く製品開発を進めております。また、さらに製品開発力の幅を広げるため、グループ内に散在するソフトマテリアル複合化技術を核とした幅広い技術、営業的知見を全社で共有するため、社内イノベーションフォーラムを開催し、全社的にイノベーション力向上に努めております。

グローバルな知的財産権利の取得と維持強化に関しては、同センター内の知的財産グループが担当しており、高度な特許情報分析ツール等を活用することによって当社の技術戦略立案をサポートしております。

 空気清浄分野では、従来の半導体クリーンルームや一般ビル空調向けの粒子フィルタだけでなく、浮遊細菌、カビにも注目し、制菌機能に更に防カビ機能を付与したフィルタを開発することで、最先端製剤工場から食品工場まで、安全、安心なモノづくりを提案しています。感温性粘着シートのインテリマーや、面圧力分布測定システムのタクタイルセンサーについては、ディスプレイパネル製造プロセスなどの新たな用途や、半導体・セラミックコンデンサなどの既存の電子部品の製造プロセスでの顧客要求に応えるべく製品の改良、性能向上のための技術開発を行っております。
「新製品・新規事業開発」及び「その他産業用製品事業」に関わる研究開発費は7億1千5百万円です。