文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
現在、世界13か国に展開するNITTAグループ(以下「当社グループ」といいます。)は、国や地域で異なるお客さまのご要望に、コツコツと応え続け、発明と改良の精神をもって、新たな顧客価値の創造に取り組んでいます。
当社グループは、2017年3月に新たな経営理念(以下「理念」といいます。)を制定しました。この理念においては、当社グループを取り巻くステークホルダーに対する当社グループの役割として[使命]、使命達成のために当社グループ社員が持つべき考え方として[価値観]、使命達成のために当社グループ社員が取るべき行動として[行動指針]を制定しております。この理念は、当社グループのあらゆる事業活動や社会貢献の判断基準となっており、この理念に基づき、グループ全体が一丸となり、真のグローバル企業として更なる価値創造に取り組んでまいります。

(2) 目標とする経営指標
当社グループは、いたずらに規模の拡大のみを求めることなく収益性重視の経営を基本とし、中長期的な経営戦略に基づき、経営指標について目標値を設定しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2012年度から2020年度の9年間を対象とする中長期経営計画『V2020』を策定しております。
フェーズ1(2012年度~2014年度)、フェーズ2(2015年度~2017年度)では、当社グループのあるべき姿を掲げ、それを達成するための3大チャレンジとして、①新事業・新製品の創出、②グローバル化の推進、③トータルコスト競争力の向上、に取り組むことにより、フェーズ1、フェーズ2ともに売上目標を達成いたしました。
2018年度からスタートした『V2020』フェーズ3では、グループ力を結集し、変化の激しい時代への対応と『V2020』の成果を確実なものにしつつ、次なる成長を目指します。なお、2020年度の売上の目標はこれまでの成果を踏まえ、800億円から1,000億円としております。
その概要については、以下のとおりです。
1.あるべき姿
ソフトマテリアル“複合化技術”のグローバルNo.1パートナー
2.『Ⅴ2020』フェーズ3の三大チャレンジ
フェーズ2の三大チャレンジを事業環境に応じてさらに進化させ、下記の項目に重点的に取り組みます。
(1)新事業・新製品の創出と成長
・NITTA INNOVATION 活動の更なる推進
・新事業分野の成長戦略の実行とグループ間シナジーの最大化
(2)グローバルマネジメントの推進
・事業部間とコーポレート機能の連携強化
・NITTAブランドの浸透と強化
(3)トータルコスト競争力の向上
・現場改善活動の自律的向上
・大胆な業務改革と効率化の推進
3.業績目標(連結)
(※)2020年度の売上高1,000億円には新事業を含みます。
(4) 会社の対処すべき課題
① 当面の対処すべき課題
当社グループは、上記(3)で述べた中長期経営計画『V2020』における三大チャレンジをもとに策定した施策を着実に実行し、新たな成長シナリオを展開しうる体質・体制を確立することにより、一層の企業価値向上を目指します。
② 株式会社の支配に関する基本方針
(ⅰ)基本方針の内容及びその取組み(概要)
当社取締役会は、上場会社である当社の株式は、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模買付行為またはこれに類似する行為があった場合においても、一概にこれを否定するものではなく、最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。
当社の財務及び事業の方針を決定する者の在り方としては、当社の経営理念、経営方針、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係などを充分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。
従いまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
当社は、当社株式の大規模な買付行為がなされた場合において、これを受け入れるかどうかは、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものであるという考えから、2007年6月26日開催の株主総会において、買収防衛策の導入は株主総会の決議で定めることができるとする定款変更を行いました。また、同時に買収防衛策の内容についても株主の皆様にお諮りし、ご承認いただいております。その後、直近では、2018年6月22日開催の第89期定時株主総会で、株主の皆様の承認を得て買収防衛策(以下「本買収防衛策」といいます。)を継続しております。本買収防衛策におきましては、当社株式に関わる大規模な買付行為の提案がなされた際、当該提案内容が当社の企業価値、株主共同の利益に及ぼす影響などについて株主の皆様が的確に判断できるよう、買付行為の提案者及び当社取締役会の双方から迅速に必要かつ十分な情報・意見・提案などの提供がなされ、さらにそれらを検討するための必要かつ十分な時間を確保することを目的としたものであります。また、当社取締役会が株主総会を招集し、大規模買付行為に関する株主の皆様の意思を確認することができることを明記しております。
なお、その概要は次のとおりであります。
議決権割合が20%以上となるような当社株式の大規模買付行為を行おうとする者(当社取締役会が同意したものを除く)に対し、(1)事前に大規模買付者の概要、買付目的、買付価格の根拠及び経営方針などに関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に提出すること、(2)当社取締役会による当該大規模買付行為に対する評価期間が経過した後に大規模買付行為が開始されるべきであること、とするルールを設定し、このルールが遵守されない場合には、株主利益の保護のため、対抗措置として新株予約権の無償割当を行う可能性があることといたしました。
また、大規模買付ルールが遵守された場合でも、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、例外的に、取締役の善管注意義務に基づき、前記の対抗措置をとることもあるとしております。
なお、公正を期するため、大規模買付行為に対して、取締役会が講じる措置の是非を検討し、取締役会に勧告する機関として、当社の社外取締役、社外監査役及び社外有識者による独立委員会を設置しております。
(ⅱ)具体的な取組みに対する当社取締役の判断及びその理由
(ⅰ)に記載した当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるための具体的方策であり、当社の基本方針に沿うものです。
また、本買収防衛策は、当社取締役会から独立した組織として独立委員会を設置し、対抗措置の発動・不発動の判断の際には取締役会は独立委員会に必ず諮問することとなっていること、本買収防衛策の有効期間は3年であり、その継続については株主の皆様のご承認をいただくこととなっていること等その内容において公正性・客観性が担保される工夫がなされている点において、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(ⅲ)買収防衛策に関する指針及び適時開示規則との整合性
本買収防衛策は2005年5月27日に経済産業省及び法務省から公表された「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」(以下、「買収防衛指針」といいます。)に定める三原則①企業価値・株主共同の利益の確保、②事前開示・株主意思の原則及び③必要性・相当性の原則のすべてを充足しており、買収防衛指針に完全に沿った内容となっております。
また、本買収防衛策は、2008年6月30日に経済産業省が設置する企業価値研究会から公表された「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容にも十分配慮したものとなっております。
加えて、本買収防衛策は、株式会社東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則の趣旨にも合致するものとなっております。
当社グループの財政状態、経営成績および財務の状況等に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には以下のようなものがあります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業界の動向及び為替変動等の影響
当社グループの主要製品はベルト・ゴム製品、ホース・チューブ製品、化工品製品、その他産業用製品等で構成されており、当社グループの経営成績は、工作機械、建設機械、精密機械、自動車、電子・半導体等の業界の動向ならびに為替変動等の影響を受ける可能性があります。
(2) 関連会社の業績変動
当社グループは、国内外の子会社以外にも米国企業等と合弁で出資している持分法適用会社を有しております。これらの持分法適用会社は、自動車業界、電子・半導体等への依存度が高く、業界動向によって収益が悪化した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) 製品の品質等による業績変動
当社グループは高品質の製品の提供をめざし、厳格な品質保証体制及び納入体制を構築しており、品質管理の徹底を図っております。しかしながら、予期せぬ事情により、製品納入の遅れや製品の欠陥等が発生する可能性があります。このような製造上の問題が発生した場合、損害賠償等の負担により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4) 外的要因による業績変動
当社グループにおいては、地震、台風等の自然災害の発生、その他の理由によるトラブルの発生や、また、海外子会社においては、所在地各国の予期し得ない政治情勢、法規制、税制などの変更やテロ、戦争その他の要因による社会的混乱によって業績と財務状況が影響を受ける可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度の世界経済は、前半は総じて好調に推移していましたが、後半は米中貿易摩擦問題の深刻化に伴う中国の景気減速や英国のEU離脱問題等により先行き不透明感が高まりました。
国内経済は、設備投資の増加や雇用・所得環境の改善が継続し、景気は緩やかな回復基調となりました。
当社グループの主要需要業界におきましては、グローバルで物流業界向けの需要が旺盛に推移した他、国内では自動車業界向け等の需要が堅調に推移しました。
このような環境下、当社グループの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比162億1千3百万円増(22.2%増)の891億7千4百万円となりました。
損益面では、中長期経営計画達成の為の先行コストの負担や原材料費の値上がりがあったものの、生産性改善効果等により、営業利益は56億6千3百万円と前連結会計年度比7億9千8百万円(16.4%増)の増益となりました。
一方、持分法適用会社の業績は引き続き堅調に推移しましたが、中国の持分法適用会社において、合弁契約に準じた利益配分の見直しを行った影響等により、持分法投資利益が前連結会計年度比7億1千5百万円減少しました。この結果、経常利益は、114億7千4百万円と前連結会計年度比3千2百万円の減益(0.3%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、89億7千1百万円と前連結会計年度比1億9千1百万円の減益(2.1%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
ベルト・ゴム製品事業
主力のベルト製品(受注額154億円、前期比2.8%増、当社単独ベース)は、国内では物流業界向けの搬送製品や、小売店向けレジ用金銭機器向けベルト等が堅調に推移しました。海外では、物流業界向けの軽搬送ベルトや、郵便業界向けベルト等が堅調に推移しました。ゴム製品(受注額47億1千5百万円、前期比3.3%増、当社単独ベース)は、工作機業界向けのシール製品が堅調に推移しました。ベルト・ゴム製品の生産規模は、128億6千8百万円(前期比3.0%増・販売価格ベース、当社単独ベース)となりました。
以上の結果、売上高は281億9千7百万円と前連結会計年度比17億4千5百万円の増加(6.6%増)となりました。セグメント利益は、増収効果もあり23億7千4百万円と前連結会計年度比5億5百万円の増加(27.0%増)となりました。
ホース・チューブ製品事業
ホース・チューブ製品(受注額222億5千2百万円、前期比1.6%増、当社単独ベース)は、国内では、半導体製造装置向けチューブ製品が年度後半に減速しましたが、建設機械向けホース製品は堅調でした。海外では、自動車業界向けチューブ製品が北米、中国で成長が鈍化したものの、ASEAN地域では堅調に推移しました。また、メカトロ製品は国内では低調に推移したものの、アジア、中でも中国自動車業界向けが堅調に推移しました。ホース・チューブ製品の生産規模は、225億4千7百万円(前期比17.0%増・販売価格ベース、当社単独ベース)となりました。
以上の結果、売上高は332億4千8百万円と前連結会計年度比5億9千8百万円の増加(1.8%増)となりました。セグメント利益は、人件費や減価償却費等の増加により27億7千3百万円と前連結会計年度比2億7千7百万円の減少(9.1%減)となりました。
化工品事業
化工品製品(受注額127億3千2百万円、ニッタ化工品株式会社単独ベース)は、国内では、主に建設資材製品が堅調に推移しました。海外では、鉄道車両用やOA機器向け高機能製品が堅調でした。化工品製品の生産規模は、130億5千6百万円(販売価格ベース、ニッタ化工品株式会社単独ベース)となりました。
以上の結果、売上高は132億2千2百万円となりました。セグメント利益は、5億3千1百万円となりました。
なお、ニッタ化工品株式会社およびその子会社で構成される化工品事業については、前連結会計年度は、貸借対照表のみを連結しているため、前連結会計年度の業績には含まれておりません。
その他産業用製品事業
空調製品(受注額37億円、前期比5.0%増、当社単独ベース)は、国内の新規物件の受注は堅調でしたがメンテナンス物件の受注は微増に止まりました。また、台湾では半導体業界の設備投資需要が底堅く推移しました。感温性粘着テープ(受注額12億3千2百万円、前期比20.1%減、当社単独ベース)は、電子部材向けは堅調に推移しましたが、パネル向けが減少しました。
また、前連結会計年度に株式を取得した浪華ゴム工業株式会社の業況が堅調に推移しました。
以上の結果、売上高は109億6千5百万円と前連結会計年度比7億7千6百万円の増加(7.6%増)となりました。一方、セグメント利益は、原材料価格や物流コストの高騰等により4千万円と前連結会計年度比1億7千2百万円の減少(80.9%減)となりました。
不動産事業
テナントの入退去などの影響により、売上高は9億9百万円と前連結会計年度比4千6百万円の減少(4.9%減)となりました。セグメント利益は、3億5千6百万円と前連結会計年度比3千7百万円の減少(9.6%減)となりました。
経営指導事業
経営指導の対象となる関係会社の主要ユーザの業界の需要がやや低調に推移したため、売上高は13億1千8百万円と前連結会計年度比7千9百万円の減少(5.7%減)となり、セグメント利益は、11億8千1百万円と前連結会計年度比1千1百万円の減少(0.9%減)となりました。
その他
「その他」の区分に含まれる自動車運転免許教習事業や北海道における山林事業で構成されるその他の事業の売上高は、13億1千1百万円と前連結会計年度比5百万円の減少(0.4%減)となりましたが、セグメント利益は、9千万円と前連結会計年度比1千5百万円の増加(21.4%増)となりました。
当連結会計年度末における資産合計は1,340億4千7百万円となり、前連結会計年度末に比べて38億9千5百万円の増加となりました。流動資産は711億3千2百万円となり42億4千4百万円の増加となりました。主な要因は現預金や売上債権、たな卸資産の増加によるものです。
固定資産は629億1千4百万円となり3億4千9百万円減少しました。そのうち有形固定資産は236億2千3百万円と2億9百万円増加しました。無形固定資産は13億1千8百万円と2千5百万円の増加となりました。投資その他の資産は379億7千2百万円と5億8千4百万円減少しました。
負債合計は280億1千3百万円と9億8千5百万円の減少となりました。主な要因は長期借入金の減少によるものです。
純資産合計は1,060億3千3百万円となり48億8千万円の増加となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益89億7千1百万円による利益剰余金の増加があった事によるものです。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の76.4%から77.7%となりました。
期末発行済株式総数(自己株式控除後)に基づく1株当たり純資産は、前連結会計年度末の3,412.12円から3,570.87円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ26億1千2百万円増加し、247億1千7百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較し21億4千4百万円多い、91億9千8百万円の収入となりました。これは主に売上債権の増加と利息及び配当金の受取額の増加によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較し95億8千6百万円少ない、36億7千1百万円の支出となりました。これは主に前連結会計年度にニッタ化工品株式会社と浪華ゴム工業株式会社の株式取得を行ったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較し1億8千2百万円多い、26億3千5百万円の支出となりました。これは主に配当金の増加等によるものです。
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であってもその容量、構造、形式等は、必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため、生産、受注及び販売の状況については、各セグメントの業績に関連付けて示しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断および仮定を使用する事が必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じた合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。
当連結会計年度は、中長期経営計画『V2020』フェーズ3の初年度にあたり、『V2020』の目標を達成するための3大チャレンジとして、新事業・新製品の創出と成長、グローバルマネジメントの推進、トータルコスト競争力の向上、の3つをあげて取り組みを進めてきました。
(i)新事業・新製品の創出
まず、新事業では、2017年度に株式を取得し連結子会社とした浪華ゴム工業株式会社、ニッタ化工品株式会社について当社グループとのシナジーを最大化するために、事業所の統廃合や人材の投入を実施してまいりました。新製品については、高温環境下でも使用可能なセンサシートの開発、"微生物の制御"へのニーズに応えるべく庫内設置型過酢酸除菌バリデーション装置「FOGACT」の販売、不定形等の食材を直接把持する新たなロボットハンドの受注開始や食品製造工程に求められるFDA規格に対応した紙器搬送向けの新ベルトシリーズの販売などを行ってまいりました。
(ii)グローバル化の推進
メキシコでホース・チューブ事業の需要増に対応するために、工場増設及び設備増強を行ったほか、オランダに搬送用ベルトの増産設備を導入いたしました。
また、国内においても、生産性向上のための自動化設備や省人化設備を導入いたしました。
(iii)トータルコスト競争力の向上
当社グループでは、間接業務の「ムダ」を排除し、質の向上と効率化に取り組む、2分の1運動を進めており、当年度はさらに関係会社への展開を図りました。
この運動は今年で4年目を迎えますが、2018年度までの累計業務削減時間は約6万4千時間に及び、残業時間の削減や新たな業務の取り込みなどが図れております。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ162億1千3百万円増加し、891億7千4百万円(前連結会計年度比22.2%増)となりました。これは、当社グループの主要需要業界が堅調に推移したことや株式を取得したニッタ化工品株式会社の業績が加算されていることなどによるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ7億9千8百万円増加し、56億6千3百万円(前連結会計年度比16.4%増)となりました。先行投資による減価償却費の増加や欧州における原材料価格の高騰の影響などがありましたが、増収効果と販管費の伸びが抑えられたことが要因です。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ3千2百万円減少し、114億7千4百万円(前連結会計年度比0.3%減)となりました。持分法適用会社の需要業界も好調に推移し、持分法投資利益が増加したことが要因です。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1億9千1百万円減少し、89億7千1百万円(前連結会計年度比2.1%減)となりました。特別利益は5千7百万円を計上しましたが、特別損失は空調製品製造設備、センサ製品製造設備などの減損損失1億4千1百万円の計上により2億1千1百万円となりました。
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は1,340億4千7百万円となり、前連結会計年度末に比べて38億9千5百万円の増加となりました。主な要因は現預金や売上債権、たな卸資産の増加によるものです。
(負債)
負債合計は280億1千3百万円と9億8千5百万円の減少となりました。主な要因は長期借入金の減少によるものです。
(純資産)
純資産合計は1,060億3千3百万円と48億8千万円の増加となり、自己資本比率は77.7%となりました。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりです。
中長期経営計画『V2020』のフェーズ3の初年度である2019年3月期の達成状況は以下のとおりです。
売上高は計画比11億7千万円増(1.3%増)となりました。これは主に、ベルト・ゴム製品事業の増大と2017年12月末に株式を取得したニッタ化工品株式会社の売上が計上されたことによるものです。営業利益率は6.4%となり、原材料価格の高騰、物流コストの上昇や減価償却費の増加などがありましたが、原価低減努力などによりほぼ計画通りとなりました。
新事業・新製品売上比率は22.0%となりましたが、前述したニッタ化工品の売上が新事業として加わっているためです。海外売上比率は27.8%となり、計画比2.2ポイント減となりましたが、これは前述のニッタ化工品の売上は国内が主体であることから、海外売上高の数字はのびているものの、比率としては低下しました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ① 財政状態及び経営成績の状況 (i)経営成績」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社並びにグループ各社は、長期的な収益力強化のため、技術開発を重視し、高付加価値素材の探求、設計から製品化までの一貫した研究体制の確立を基本として、新材料に関する基礎研究及びその応用研究と新技術、更には生産技術全般の開発まで幅広く進めております。
当社グループの研究開発活動は、グループ全体の技術戦略の議論を行う技術戦略会議を設け、仮説検証マーケティング手法を活用しながら、ニーズに応え新事業・新製品に直結するよう、迅速な経営判断の元で実行しています。新製品・新規事業開発に関しては、当社テクニカルセンターに開発研究グループを設け、新材料・新技術の開発およびコア技術の集積と向上に向けて各事業部と連携して研究活動を行なっております。また、既存事業分野の関連技術と製品開発活動に関しては、当社各事業部及びグループ各社の技術部門によりそれぞれ該当分野別に推進されております。
当連結会計年度の研究開発費は
(1) ベルト・ゴム製品事業
当社工業資材事業部を中心に、平ベルト・ゴム成形品の研究開発を行っております。当連結会計年度の主な成果は、ベルト事業では物流・金融・紙工・郵便・繊維・食品など幅広い用途向け平ベルトの開発を進め、グローバルOEMでの採用を促進してきました。ゴム化成品事業においても市場要求を捉えた新製品を上市し成果に結びついています。また、両事業とも新たな市場に対する開発も推進しています。
当事業に関わる研究開発費は
(2) ホース・チューブ製品事業
当社ニッタ・ムアー事業部を中心に、樹脂ホース・チューブ・継手及び自動工具交換装置の研究開発を行っております。当連結会計年度は、半導体製造装置・工作機械・建設機械・産業車両・自動車用途に各種ホース・チューブの開発、またロボット向け自動工具交換装置のラインアップ拡充などの開発に取り組みました。さらに、製販技一体の開発チーム活動により、新規分野・新用途分野での新規案件の発掘及び開発着手に結び付けております。当事業に関わる研究開発費は
(3) 「新製品・新規事業開発」及び「その他産業用製品事業」
テクニカルセンターで基礎研究から取り組んできました当社独自の、直径が揃った長尺な多層CNT(Carbon Nano Tube)は、引き続き多くの引き合いを頂戴しておりますが、その中からスポーツ用品分野で、世界で初めて Namd™(エヌアムド)の技術名称で、バドミントンラケットをはじめとしたCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の実製品へ応用され、今後さらにアプリケーションの拡大が期待されています。また5年目となる新事業、新製品創出のための新規事業探索専任チームNIC(Nitta Innovation Crew)は、エラストマーやセンサーの新たな用途展開を探索し、新製品の開発に取り組んでおります。その成果として、SOFTmatics™(ソフマティックス)の製品名で、ロボットハンドの量産に着手し、受注を開始するに至っております。テクニカルセンターでは他にも、エラストマーを中心としたソフトマテリアル複合化技術をTPF(Technical Platform)として自動車、機械、エネルギー、エレクトロニクス、ロボット関連から食品・医療機器、および過酷な環境に耐える耐久素材まで幅広く製品開発を進めております。そして、さらに製品開発力の幅を広げるため、グループ内に散在するソフトマテリアル複合化技術を核とした幅広い派生技術群および営業的知見を全社で共有することを目的として社内イノベーションフォーラムを開催し、全社的なイノベーション力向上にも努めております。
一方、知的財産の分野においては、高度な特許情報分析ツール等の活用により、当社の技術戦略と連携したグローバルな知的財産権利の取得と維持強化に努めております。
空気清浄分野では、従来の半導体クリーンルームや一般ビル空調向けの粒子フィルタだけでなく、浮遊細菌、カビにも注目し、制菌機能に更に防カビ機能を付与したフィルタを開発することで、最先端製剤工場から食品工場まで、安全、安心なモノづくりを提案しています。感温性粘着シートのインテリマーや、面圧力分布測定システムのタクタイルセンサーについては、ディスプレイパネル製造プロセスなどの新たな用途や、半導体・セラミックコンデンサなどの既存の電子部品の製造プロセスでの顧客要求に応えるべく製品の改良、性能向上のための技術開発を行っております。
「新製品・新規事業開発」及び「その他産業用製品事業」に関わる研究開発費は643百万円です。