第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、米国新政権発足後の経済政策や、為替・原油価格の動向などに不透明感があるものの、企業収益が高水準で推移する中で設備投資が増加基調に、また労働需給が着実な改善を続けた結果、緩やかな回復を続けました。

海外におきましては、米国は雇用・所得環境の着実な改善を背景として、景気は堅調に回復、欧州では英国のEU離脱問題等が発生したものの景気は緩やかに回復しました。また、中国においても、公共投資の増加や自動車税減税等の政策効果に支えられ、安定した成長を続けました。

自動車業界におきましては、国内自動車生産台数は、昨年に引き続き軽自動車の生産台数が対前年比で減少したものの、普通車の生産台数が対前年比で増加した結果、3年ぶりに前年を上回りました。海外自動車生産台数は北米・アジア・欧州において堅調に生産台数が増加し、全体として前年を上回る生産台数となりました。

このような状況の中、当社グループはグローバルでの拡販活動および西川ゴムグループ総コスト低減活動を継続的に推進した結果、当期の売上高は928億44百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益は93億93百万円(前年同期比41.7%増)、経常利益は96億11百万円(前年同期比45.4%増)となりました。しかしながら、独占禁止法関連損失を特別損失として計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は69億14百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益36億54百万円)となりました。

なお、セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

(自動車用部品)

自動車用部品事業につきましては、国内外ともに自動車生産台数が対前年比で増加した結果、売上高は882億25百万円(前年同期比3.2%増)となりました。営業利益につきましては、国内では能率・歩留等の生産性指標が堅調に推移したことに加えメキシコおよびインドネシア子会社の収益が改善したことが寄与し、89億5百万円(前年同期比44.4%増)となりました。

 

(一般産業資材)

一般産業資材事業につきましては、新設プレハブ着工戸数が前年を上回った結果、売上高は46億18百万円(前年同期比4.0%増)となりました。営業利益につきましては原価低減活動が奏功し、4億87百万円(前年同期比5.2%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ、独占禁止法関連の罰金支払いや法人税等の支払額の増加で支出が増加したことにより23億76百万円減少いたしましたが、仕入債務が増加したことなどにより、結果として100億44百万円の増加となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ、有価証券の取得による支出の減少や定期預金の払戻による収入の増加などにより、37億16百万円増加いたしましたが、定期預金の預入による支出や有形固定資産の取得による支出により、結果として30億52百万円の減少となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金返済による支出が減少しましたが、長期借入れによる収入および短期借入金の純増減額などが減少したことにより、前連結会計年度に比べ22億46百万円減少し、結果として18億41百万円の減少となりました。

これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ45億69百万円増加し、265億78百万円となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

金額(百万円)

自動車用部品

88,056

102.8

一般産業資材

4,620

104.9

合計

92,676

102.9

 

(注) 1 生産実績には、外注先に委託した生産分を含んでおります。

2 金額は、販売価額により表示しております。

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当社グループは、各自動車メーカーをはじめとして納入先より四半期毎および翌月の生産計画の内示を受け、見込生産を行っているため、受注実績に該当する事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

自動車用部品

88,225

95.0

103.2

一般産業資材

4,618

5.0

104.0

合計

92,844

100.0

103.2

 

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

区分

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

金額(百万円)

比率(%)

金額(百万円)

比率(%)

マツダ㈱

8,872

9.8

9,767

10.5

 

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

今後の見通しにつきましては、米国新政権の政策運営や、欧州主要国の国政選挙の帰趨など、不確実性が高い状況で推移することが見込まれます。

自動車業界におきましても、海外自動車生産台数は堅調に増加することが見込まれますが、国内においては軽自動車の需要低迷、自動車生産の現地化による輸出の伸び悩み等で、国内自動車生産台数は減少することが予測されます。

このような状況の中、当社グループは、「西川ゴムグループ2020年ビジョン」で設定した数値目標(連結売上高:1,000億円以上、連結営業利益率:10%以上、連結総資産営業利益率(ROA):10%以上)を達成するため、次のとおり事業展開・活動を推進し、業績の向上に努めてまいる所存であります。

(1) 国内外リスク対応およびコンプライアンス体制の推進とガバナンス強化

①リスクおよびコンプライアンスルールの周知・徹底

②本社主導でグループ企業価値向上のための体制を整備・構築する

(2) 売上・利益

①拡大する自動車産業の海外生産に対応しつつ、国内においては、シール部品の売上維持・拡大とグローバルカーの受注を支援する

②西川ゴムグループの国際的な価格競争力の強化を図る

(3) 品質保証

①量産クレームを削減し、顧客満足度を向上させる

②グローバルでの品質保証体制を推進する

(4) 人材育成・活用

①働き方の意識改革による社風の改善

ⅰ 西川ゴムグループの経営における基本姿勢「社是、経営理念、基本行動指針」をより浸透させる

ⅱ 働き方改革を推進し、過重労働の解消、就業管理を徹底する

②個の育成と組織としての対応力向上

ⅰ 事業戦略に合致した組織強化・連携を推進する

ⅱ ターゲット層を絞った戦略的な選抜教育を充実させる

 

なお、平成28年7月に米国司法省との間で自動車用シール部品販売の一部に関して米国反トラスト法違反などがあったとして、罰金130百万米ドルを支払うことを主な内容とする司法取引に合意し、その一部を支払いました。当社は引き続き、コンプライアンス体制をさらに強化をすることで再発防止を図り、株主様をはじめ、関係者の皆さまの信頼回復に努めてまいります。

 

当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

(1) 会社の支配に関する基本方針

当社は、「正道」「和」「独創」「安全」という社是のもと、会社の真の発展は、社会の福祉、世界の進運に寄与しうるものでなければならないと考えます。また、当社は、お客様第一に徹し、品質・技術の西川ゴムと社会から信頼され、いかなる環境の中でも成長し続ける「たくましい企業」「存在感のある企業」を目指し、「和の心」をもって全社員が一丸となって、自らの仕事に誇りと責任を持ち、常に正道に立って社業を運営してまいりました。現在ある当社を支え形成する有形無形の諸々の財産が当社の企業価値の源泉と認識しておりますし、それらの財産の上に当社の将来が在ると確信しております。当社の企業価値を高め、株主共同の利益に資するためには、当社の企業価値の源泉を理解し、それに立脚した上でさらなる企業成長を目指す必要がある、と考えます。従いまして、当社は、「当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の社是、経営理念を理解し、当社の企業価値の源泉、当社のステークホルダーとの信頼関係を尊重した上で、当社の企業価値および株主共同の利益を確保し、中長期的に向上させる者でなければならない」と考え、これを基本方針として決定しております。

 

当社は、上場会社として株式の流通を市場に委ねている以上、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値および株主共同の利益の向上に資するものである限り、それを一概に否定はいたしません。また、大規模買付行為の提案に応じるべきか否かは、最終的には個々の株主の皆様にご判断いただくべきものと考えます。

しかしながら、近時、わが国の資本市場においては、対象となる会社の経営陣の賛同を得ることなく、一方的に大規模な株式の買付を強行するといった動きが一部に見受けられます。こうした大規模な株式の買付の中には、その目的等から見て、発行会社の企業価値および株主共同の利益を毀損しかねない行為も少なからず存在します。

そのような当社グループの企業価値および株主共同の利益を毀損する虞のある株式等の大規模買付者は、基本方針に照らし、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者としては不適切であると考え、このような者による大規模買付に対しましては、必要かつ相当な対抗措置を講ずることにより、当社の企業価値および株主共同の利益を確保する必要があるものと考えます。

 

(2) 会社の支配に関する基本方針の実現に資する取り組み

① 西川ゴムグループ2020年ビジョン

当社は、平成23年度(2011年度)に西川ゴムグループ2020年ビジョンを策定し、この中で、「私たち西川ゴムグループは、卓越したシール&フォームエンジニアリングから生み出す製品・サービスを通じて、世界中のお客様に『快適』をお届けする企業グループを目指します。」と宣言するとともに、具体的な数値目標として、2020年までに連結売上高1,000億円以上、連結営業利益率10%以上、連結総資産営業利益率(ROA)10%以上を達成することを目指しております。

② 中期基本方針

当社は、平成24年度(2012年度)から平成32年度(2020年度)までの期間を、「助走」(第1フェーズ:平成24年度~平成26年度)、「成長」(第2フェーズ:平成27年度~平成29年度)、「飛躍」(第3フェーズ:平成30年度~平成32年度)のフェーズに分けて中期基本方針を策定しています。

③ コーポレートガバナンスについて

当社は、社是、経営理念および基本行動指針“己の立てる所を深く掘れ そこに必ず泉あらん” を基本に、社会の一員として法令、社会規範、企業ルールの遵守はもとより、企業本来の事業領域を通じて社会に貢献するに留まらず、時代とともに変化する経済・環境・社会問題等にバランスよくアプローチすることで、株主をはじめとするステークホルダーの要求、期待、信頼に応える高い倫理観のある誠実な企業活動を行い、これを役員・従業員一人ひとりが追求し実践することにより、持続的に企業の存在価値を高めていくことをコーポレートガバナンスの基本としております。

また、当社は、コーポレートガバナンスの強化によって常に効率的で健全な経営を行い、必要な施策を適宜実行することが、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の継続的な増大を図るための重要な課題であると認識しております。そうした取り組みの一環として、当社は、平成27年6月に独立社外取締役を2名選任し、また平成28年5月に指名・報酬に関する諮問委員会を設置する等、コーポレートガバナンスの強化に取り組んでまいりました。加えて、当社は、第68回定時株主総会でご承認をいただき、監査等委員会設置会社に移行いたしました。構成員の過半数を独立社外取締役とする監査等委員会を置き、取締役会の監査・監督機能をより強化するとともに、取締役会が重要な業務執行の一部等の決定を取締役に委任することを可能とすることで、業務執行と監督の分離を進め、経営に関する意思決定の迅速化を目指します。

当社は、前記の取り組み等を通じて株主の皆様をはじめとするステークホルダーとの信頼関係をより強固なものにしながら、中長期的視野に立って企業価値の安定的な向上を目指してまいります。

 

 

(3) 本プランの内容(会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み)

当社は、平成23年6月28日開催の第62回定時株主総会において、「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下、「本プラン」といいます)を導入し、直近では平成29年6月27日開催の当社第68回定時株主総会において株主の皆様にご承認いただき継続しております。
その概要は以下のとおりです。
 

① 本プランの目的

当社株式に対する大規模買付行為または大規模買付行為に関する提案が行われた際に、当該大規模買付行為に応じるか否かを株主の皆様に正確に判断していただくことを第一の目的とし、当社の企業価値および株主共同の利益を毀損する大規模買付行為を抑止することを、第二の目的といたします。

② 本プランの対象となる当社株式の買付

本プランの対象となる当社株式の買付とは、特定株主グループの保有割合を20%以上とすることを目的とする当社株式等の買付行為であります。

③ 大規模買付ルールの内容

「大規模買付ルール」とは、大規模買付行為に先立ち、事前に大規模買付者が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、当社取締役会による一定の評価期間が経過し、当社取締役会の評価内容・意見を株主の皆様に開示した後に初めて大規模買付行為を開始することを認めるというものであります。

④ 大規模買付行為がなされた場合の対応

ⅰ 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合

大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、大規模買付行為に対する後記ⅱ のケースのような対抗措置は原則講じません。

ⅱ 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合

大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合には、新株予約権の無償割当等、会社法その他の法令等により認められる対抗措置を講じ、大規模買付行為に対抗する場合があります。

⑤ 対抗措置の合理性および公平性を担保するための制度および手続

ⅰ 独立委員会の設置

本プランを適正に運用し、当社取締役会による恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性および合理性を担保するために、独立委員会を設置することといたします。

ⅱ 対抗措置発動の手続

大規模買付者に対する対抗措置をとる場合には、当社取締役会は、独立委員会に対し対抗措置の具体的な内容およびその発動の是非について諮問するものとし、独立委員会は当社取締役会に対して勧告を行うものといたします。

ⅲ 株主意思の確認手続

当社取締役会は、大規模買付行為に対する対抗措置を発動するか否かの決定を行うにあたり、株主の皆様の意思を尊重する趣旨から、当該大規模買付行為に対し対抗措置を発動するか否かについて当社株主の皆様に判断いただくこともできるものとします。また、独立委員会から、株主意思の確認手続を行うべき旨の勧告を受けた場合には、取締役会は、当該勧告を最大限尊重するものといたします。

⑥ 本プランの有効期限

本プランの有効期間は、第68回定時株主総会終結の日から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までといたします。

 

(4) 本プランに対する当社取締役会の判断およびその理由

① 本プランが基本方針に沿うものであること

本プランに基づき、当社取締役会は、大規模買付者の大規模買付提案が当社の企業価値、株主共同の利益の確保・向上につながるか等を検討することで、当社の支配者として相応しいか否かの判別をし、そのプロセスおよび結果を投資家の皆様に開示いたします。

② 本プランが当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではないこと

大規模買付者への対抗措置として現時点で想定しております新株予約権の無償割当も、当該大規模買付者以外の株主の皆様の利益を損なわないよう配慮して設計しており、本プランが株主の皆様の共同の利益を損なうことはないものと判断しております。

③ 本プランが当社取締役の地位の維持を目的とするものではないこと

本プランの効力発生は株主総会での承認を条件としており、大規模買付者への対抗措置の発動プロセスにも取締役会の恣意性を排除するため、独立委員会のシステムを導入しております。以上により、本プランが当社の取締役の地位の維持を目的としたものではないかとの疑義を払拭するためのシステムを組み込んだものとなっていると判断しております。

 

なお、上記内容は概要であるため、本プランの詳細につきましては、インターネット上の当社ホームページに掲載してあります平成29年5月12日付プレスリリース「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続について」をご覧ください。
(当社ホームページURL:http://www.nishikawa-rbr.co.jp/news/items/20170512-3-tousyak.pdf)

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、本項に記載した事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであるため、将来に関する事項には不確実性を内在しており、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。

(1) 経済状況

当社グループの主要得意先は国内外の自動車メーカーであり、国内外の自動車の生産および販売の影響を受けます。

また、各顧客からは継続的なプライスダウンの要請を受けるため計画的な原価低減努力をするものの業績に影響を受けます。

(2) 為替レートの変動

当社グループの取引には外国通貨も使用しており、なるべく為替変動の影響を受けないよう使用する各通貨のバランスをとっておりますが、市場状況の変化によって大幅な通貨変動の影響を受ける場合があります。

(3) 価格競争

当社グループの主要顧客である自動車メーカーはグローバル化に伴い世界同一品質および同一価格確保のため、あるいはグローバル展開車種増加のため、世界規模での一括発注を進めています。当社グループの生産および販売も、国内、北米、欧州、アジア等グローバルに展開しておりますが、その殆ど全ての地区で競合他社と受注競争をしております。その結果、熾烈な価格競争により利益を圧迫することも考えられます。

(4) 海外進出に潜在するリスク

当社グループは、米国、タイ、中国、インド、メキシコ、インドネシア等に海外進出を行っており、当該地域における経済環境、市場動向等を検討し、計画的に事業展開していく予定ですが、進出国の政治的、経済的事情による影響を受け、事業の一時的縮小または中断などによる利益減少を招く恐れがあります。

(5) 情報漏洩によるリスク

当社グループは、個人情報や取引先情報等の保護について、社内規定を制定、社員への教育を実施しておりますが、情報漏洩による社会的信用の失墜や訴訟等により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) 原材料、部品の供給

当社グループは、原材料および部品を複数のグループ外供給元から調達しておりますが、市場の変化による原材料価格の高騰や、資材の需給バランスによる影響で品不足が発生する場合、製品原価のアップ要因となり業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7) 製品の市場での不具合

当社グループの製品は主として自動車の各シール部分に装着される場合が多く、自動車のボディーやドア、ガラスの建付け等相手部品との出来栄えや組合せで機能するもので、部品相互の関係で不具合が発生する場合があります。

(8) 重要な訴訟等の発生によるリスク

当社グループを相手とした訴訟が提起され、当社の主張と相違する結果となった場合には、その請求内容等によっては、業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

(9) 災害や関係機関のトラブル等による影響

当社グループの国内主要顧客は、関東、東海、近畿、九州とそれぞれ遠隔地にあり、緊急時に備え必要な安全在庫を確保しているものの、予測不能な天災などによる物流トラブル等の影響を受ける場合があります。

また、海外顧客についても、関係機関のストライキ、予測不能な天災などによる物流トラブル等の影響を受ける場合があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、当社が行っております。シーリングシステム&フォームエンジニアリングの専門メーカーとして、先端技術の開発や設計ノウハウの集積を行うとともに、既存分野にとらわれず幅広い技術開発に取り組んでおります。当連結会計年度は、事業展開と開発のグローバル化をより進行させる背景から、グローバル各極・地域の枠を超えた幅広い活動をスピーディーに展開しております。

当連結会計年度における当社が支出した研究開発費の総額は5億67百万円であり、各セグメントの研究開発活動状況は次のとおりであります。

 

当連結会計年度中の主な研究開発活動

(1) 自動車用部品事業

自動車市場では、これまで取り組んできた防音性向上の活動を、従来のシール材開発と対をなす開発の2本目の柱として明確に位置付け、これを益々拡大・発展させてより堅固なものにすべく活動を進めております。この「シール材開発」と「防音性向上開発」の開発の2本柱展開の中で、厳しいグローバル受注競争に打ち勝っていくため、製品設計・材料開発・工程開発の各分野において従来の枠を越えた活動を鋭意進めております。

① シール材開発

自動車の燃費向上を目的とした部品軽量化要請に対し、保持部品を金属から樹脂に材料置換してそこにシール材を複合保持させるインテグレーション部品の量産化、微発泡化を進めているグラスランチャンネルの更なる進化とグローバル統一展開、従来のシール形態を大きく変化させた新構造シール開発の着手など、ドラスティックかつ緻密に展開しております。

② 防音性向上開発

基幹となる現在展開中のドアホールシールは、新規開発を進めてきた防音性能向上バージョン品の市場投入後、現在その採用を拡大中です。またその一方で、新たな機能の追加、他の既存製品への活用およびドア部以外への展開拡大を図るべくベンチマーク活動の充実、発泡技術の深耕や異種材料との複合化、異領域の研究、既成概念にとらわれない新発想推進などを継続実施しております。

 

これら自動車用部品事業に係る研究開発費の金額は、4億91百万円であります。

 

(2) 一般産業資材事業

住宅市場では,耐久性および機能性を向上させたシール材開発と防音製品の開発を、土木市場では耐震化対応と施設の老朽化対策にそれぞれ重点をおく製品開発に注力しております。
  住宅関連では、複層階住宅における階下への防音対策として新規材料開発を行い、住宅メーカーにおいて床緩衝材として採用されました。当社にとって住宅市場における防音製品の採用は新規であり、今後更なる製品開発を行い、得意先の要望に対応するとともに棟当たり単価向上に向けた活動を確実に進めていきます。

一方、土木関連では、下水道補修事業に対応して耐震性を付与したジョイント材の自社ブランド品を開発完了し、「貼ル段治」として商品化しています。これは、公益財団法人日本下水道新技術機構により建設技術審査証明を受けて新技術工法として認定取得したもので、当年度、各自治体や施工業者に広く紹介・販売活動を展開し、採用開始されています。今後、長期に渡って売上に貢献できる息の長い製品と位置付けております。

 

これら一般産業資材事業に係る研究開発費の金額は、75百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 財政状態

<資産・負債の状況>

① 資産・負債の概況

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ2億50百万円増加し1,169億73百万円となりました。主な増加は現金及び預金などであります。

負債は、前連結会計年度末に比べ、101億62百万円増加し、503億97百万円となりました。主な増加は長期未払金などであり、主な減少は長期借入金などであります。

 

② たな卸資産(製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)

たな卸資産は前連結会計年度末に比べ2億61百万円減少し、45億85百万円となりました。これは、主として中国子会社での生産高の減少に伴うものであります。

 

③ 有形固定資産

当社グループの設備投資は、総額60億79百万円であります。その主なものは、新製品生産設備、生産能力拡張および合理化投資などであります。

 

④ 投資有価証券

当社グループは、特定の顧客および金融機関の株式を所有しております。これらの株式は主に市場価格のある株式であり、時価が著しく下落した場合は回復可能性を検討して減損処理をしております。原則として時価が取得価格に比べて30%~50%下落した場合を「著しく下落」としております。

また、将来の市場悪化または投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる場合があります。

 

<流動性および資金の源泉>

① キャッシュ・フローの概況

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ、独占禁止法関連の罰金支払いや法人税等の支払額の増加で支出が増加したことにより23億76百万円減少いたしましたが、仕入債務が増加したことなどにより、結果として100億44百万円の増加となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ、有価証券の取得による支出の減少や定期預金の払戻による収入の増加などにより、37億16百万円増加いたしましたが、定期預金の預入による支出や有形固定資産の取得による支出により、結果として30億52百万円の減少となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金返済による支出が減少しましたが、長期借入れによる収入および短期借入金の純増減額などが減少したことにより、前連結会計年度に比べ22億46百万円減少し、結果として18億41百万円の減少となりました。

これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ45億69百万円増加し、265億78百万円となりました。

 

② 財政政策

当社グループは、運転資金および設備投資資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち借入に関しましては原則として現地通貨とし、運転資金については短期借入金で、また、生産設備などの長期資金は通常固定金利の長期借入金で調達しております。

当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローと健全な財政状態により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。

 

 

(2) 経営成績

① 売上高

売上高は、前連結会計年度に比べ3.2%増の928億44百万円となりました。

自動車業界におきましては、国内自動車生産台数は、昨年に引き続き軽自動車の生産台数が対前年比で減少したものの、普通車の生産台数が対前年比で増加した結果、3年ぶりに前年を上回りました。海外自動車生産台数は北米・アジア・欧州において堅調に生産台数が増加し、全体として前年を上回る生産台数となりました。この結果、自動車用部品事業につきましては、売上高は882億25百万円(前年同期比3.2%増)となりました。

一般産業資材事業につきましては、新設プレハブ着工戸数が前年を上回った結果、売上高は46億18百万円(前年同期比4.0%増)となりました。

 

② 売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は前連結会計年度とほぼ同水準の723億65百万円となり、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ5.7%減の110億84百万円となりました。販売費及び一般管理費については、主としてコンサルタント費用等支払手数料の減少によるものであります。

 

③ 営業利益

営業利益は前連結会計年度に比べ41.7%増の93億93百万円となりました。

自動車用部品事業につきましては、国内では能率・歩留等の生産性指標が堅調に推移したことに加え、メキシコおよびインドネシア子会社の収益が改善したことが寄与した結果、89億5百万円(前年同期比44.4%増)となりました。

一般産業資材事業につきましては、原価低減活動を推進した結果、4億87百万円(前年同期比5.2%増)となりました。

 

④ 営業外損益および経常利益

営業外収益は、前連結会計年度に比べ37.2%増の12億72百万円となりました。これは主として受取配当金や持分法による投資利益の増加によるものであります。営業外費用は、前連結会計年度に比べ11.4%増の10億54百万円となりました。これは主として固定資産除却損の増加によるものであります。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ45.4%増の96億11百万円となりました。

 

⑤ 特別損益および親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益は、6百万円となりました。これは固定資産の売却によるものであります。特別損失は、134億58百万円(前年同期は1億8百万円)となりました。これは米国反トラスト法に違反した罰金(134億13百万円)を計上したことによるものであります。その他は固定資産除却損の増加によるものであります。この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は69億14百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益36億54百万円)となりました。