第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社は、2012年度から2020年度までの期間を、「助走」(第1フェーズ:2012年度~2014年度)、「成長」(第2フェーズ:2015年度~2017年度)、「飛躍」(第3フェーズ:2018年度~2020年度)に分けて経営戦略を策定しております。しかしながら新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、10年前の世界金融危機を超える景気後退となる可能性が極めて高くなっており、自動車業界においても全世界での減産・操業停止を余儀なくされ、大変厳しい状況に置かれることが予測されます。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)以外の当社を取り巻く経営環境は、国際的な価格競争が益々激しくなっております。

その様な環境の中、当社の競争優位の源泉であるシール(密閉)、フォーム(発泡)技術から生み出される自動車用ドアウェザーストリップ(当社主要製品)等を更に進化、深耕させる事で、お客様の高いご期待に今後も応え続けて行く事が、重要な競争戦略だと考えております。この様な不確実性が増す世界環境の中でこそ、創業当時からのスローガンである「しなやかで たくましい会社」(Flexibility and Vitality)を目指し続け、全グループが一丸となって強固なガバナンス体制のもと、「良品しかできない・安全な職場」を実現し、お客様の更なる信頼を得て、利益を生み出し、それが社員・関係者の幸せと社会貢献に繋がるという共通認識を持ち、下記の経営方針の下、この難局を乗り越えて参ります。


(1) グローバル・コーポレートガバナンス
  ① リスクおよびコンプライアンス管理の推進
  ② コーポレートガバナンス・コードへの対応と実効性評価
(2) 売上拡大
  ① シール部品の一括発注に対応した開発と受注活動
  ② 防音、遮音製品の開発と受注拡大
  ③ グローバルシェアの拡大
(3) 収益性と資本効率の改善
  ① 費用の予算内管理および縮減の徹底
  ② 変動費の抑制による限界利益率の向上
  ③ 設備投資の低減ならびに遊休設備活用による資産効率の向上
(4) 品質
    グローバルでの品質管理の強化
(5) 安全・環境
  ① 健康経営に向けた衛生活動テーマ展開の推進
  ② 職場環境の継続的な改善の推進
  ③ 環境に優しい製品と技術開発の推進
  ④ 廃棄物リサイクル率の向上
(6) 人材育成・活用
    組織力最大化に向けた人材育成・適正配置の推進
(7) その他
    自然災害に対するレジリエンスおよび適応能力の強化

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには以下のようなものがあります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

当社は、グループ全体のリスク管理の基本方針および体制と対応を「リスク管理規則」において定め、その基本方針及び体制と対応に基づき、西川ゴムグループを取り巻くリスクへの予防措置とリスクが顕在化したときの対応措置を定めております。

なお、本項に記載した事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経済状況

当社グループの主要得意先は国内外の自動車メーカーであり、国内外の自動車の生産台数および販売台数の影響を受けます。

今般の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、世界的な規模で経済活動に影響を及ぼしており、国内外の自動車メーカーにおいては生産調整がなされております。そのため、当社グループも生産調整を行なっており、新型コロナウイルス感染症がさらに続く場合、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 自然災害

当社グループが事業展開する国や地域において、地震や豪雨等の自然災害が発生した場合、当社グループの事業活動、業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社は災害発生時における災害対策および事業継続計画(BCP)の策定、安否確認システムの導入、衛星電話の設置、防災訓練等の対策を講じており、グループ会社においても個々に各種対策を講じております。また、生産現場においては、地震への減災対策、土砂災害、二次災害の防止対策を進めております。これらの事前対策により災害による被害の最小化、当社グループの業績および財政状況に対する影響の低減に努めております。

(3) 為替レートの変動

当社グループの取引には外国通貨も使用しており、なるべく為替変動の影響を受けないよう使用する各通貨のバランスをとっておりますが、市場状況の変化によって大幅な通貨変動の影響を受けた場合、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 価格競争

当社グループの主要顧客である自動車メーカーはグローバル化に伴い世界同一品質および同一価格確保のため、あるいはグローバル展開車種増加のため、世界規模での一括発注を進めています。当社グループの生産および販売も、国内、北米、欧州、アジア等グローバルに展開しておりますが、その殆ど全ての地区で競合他社と受注競争をしております。その結果、熾烈な価格競争により利益を圧迫することで、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 海外進出

当社グループは、米国、タイ、中国、インド、メキシコ、インドネシア等に海外進出を行っており、当該地域における経済環境、市場動向等を検討し、計画的に事業展開していく予定ですが、進出国の政治的、経済的事情による影響を受け、事業の一時的縮小または中断などによる利益減少を招き、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 原材料、部品の供給

当社グループは、原材料および部品を複数のグループ外供給元から調達しておりますが、原材料価格の上昇や、資材の供給バランスによる影響で品不足が発生する場合、製品原価の上昇につながり、これらを販売価格に十分に転嫁できない場合、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 情報セキュリティ

当社グループは、全ての役員および社員に対し、情報の取り扱いに関する規則を定め、高い情報セキュリティレベルを確保することを重要事項と認識しております。当社グループは、情報共有や業務の効率化のため、情報システムを構築・運営するとともに、情報システム運営上の安全性確保のため、サイバーセキュリティリスクも考慮し、情報システム管理基準を定め、危機管理対応の徹底に取り組んでおります。しかし、こうした対策を行ったとしても、不正アクセス、サイバー攻撃等による機密情報・個人情報の漏洩、機器の破損による情報システムの停止等のリスクを完全に回避できるものではなく、被害の規模によっては当社グループの業績および財政状況、ならびに社会的信用の失墜や訴訟等により企業ブランド価値に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、当社グループ含め、情報管理に対する啓蒙活動を行うとともに、近年高度化、巧妙化しているサイバー攻撃への対応を強化し、情報管理体制の維持・強化等を推進しております。

(8) 製品の市場での不具合

当社グループは「品質第一」に徹し品質マネジメントシステムの徹底遵守と継続的改善を行っております。当社グループの製品は主として自動車の各シール部分に装着される場合が多く、自動車のボディーやドア、ガラスの建付け等相手部品との出来栄えや組合せで機能するもので、部品相互の関係で予期せぬ不具合が発生した場合、製品の不具合による損害賠償発生等により、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 重要な訴訟等の発生

当社グループを相手とした訴訟が提起され、当社の主張と相違する結果となった場合、その請求内容等によっては、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、法令および社内の諸規定等を遵守するため、グローバル・コンプライアンス管理体制の強化を図り、定期的なコンプライアンス教育を実施する等、活動を推進しております。

(10) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大について

当社グループの従業員に新型コロナウイルス感染症が拡大した場合、一時的に操業を停止するなど、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではこれらのリスクに対応するため、本年1月より管理本部長を委員長とし、当社取締役を委員とする新型コロナウイルス感染症対策のリスク委員会を定期的に開催し、以後①こまめな手洗い、咳エチケットのお願い、消毒、毎日の検温、マスクの支給、出張の禁止、社内外イベントの自粛など、従業員の安全と健康を最優先とした対応の徹底、②生産、原材料、部品の調達などの当社グループ全ての状況把握、③感染者が発生した場合のBCP対策等の施策を実施し、新型コロナウイルス感染症の影響の極小化を図っております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、年度前半を中心に設備投資の増加や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が続いたものの、後半は、消費増税による個人消費の低下と、米国を中心とする通商問題の動向や、中国経済の先行き懸念、英国におけるEU離脱問題の行方など、海外における政治の動向や経済の不確実性等に加え、年明け以降の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が世界経済に及ぼす懸念も日に日に高まりを見せており、今後の先行きには予断を許さない状況となっております。

自動車業界におきましては、国内自動車生産台数は減少傾向に推移したほか、海外自動車生産台数においても、北米、中国、東南アジアのすべてにおいて、また海外全体としても前期比で減少しました。

このような状況の中、当連結会計年度における売上高は97,267百万円(前期比1.2%減)となりました。利益につきましては、営業利益は6,848百万円(前期比11.3%減)、経常利益は7,489百万円(前期比11.5%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は4,486百万円(前期比8.7%減)となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

(日本)

自動車生産台数が前年比で減少した結果、売上高は53,095百万円(前期比3.7%減)となりました。また、営業利益は2,927百万円(前期比22.1%減)となりました。

 

(北米)

米国、メキシコともに自動車生産台数が前年比で減少した結果、売上高は26,610百万円(前期比1.6%減)となりました。また、営業損失は36百万円(前期営業利益343百万円)となりました。 

 

(東アジア)

自動車生産台数は前年比で減少しましたが、中国での当社受注車種の生産台数が好調に推移したことにより、売上高は13,576百万円(前期比7.2%増)となりました。また、営業利益は合理化活動および当第4四半期より本格稼働した湖北西川密封系統有限公司の操業効果などにより、1,214百万円(前期比43.6%増)となりました。

 

(東南アジア)

自動車生産台数は前年比で減少しましたが、当社受注車種の生産台数が好調に推移したことにより、売上高は11,419百万円(前期比5.5%増)となりました。また、営業利益は3,155百万円(前期比7.4%増)となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が7,634百万円(前年同期は7,970百万円)と減少しましたが、訴訟和解金の支払額などの支出が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ3,121百万円増加し、25,288百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、主として前年度発生した訴訟和解金や退職給付に係る掛け金の支払いが減少したことなどにより、10,446百万円(前年同期に得られた資金は6,560百万円)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、主として定期預金の預入れによる支出や有形固定資産の取得による支出などにより、6,540百万円(前年同期に使用した資金は8,440百万円)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、長期借入れによる収入があったものの、配当金の支払額などにより、852百万円(前年同期に使用した資金は915百万円)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

ⅰ 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

金額(百万円)

日本

47,372

△3.9

北米

26,668

△1.2

東アジア

11,583

△2.7

東南アジア

11,233

5.7

合計

96,857

△2.0

 

(注) 1 生産実績には、外注先に委託した生産分を含んでおります。

2 金額は、販売価額により表示しております。

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ⅱ 受注実績

当社グループは、各自動車メーカーをはじめとして納入先より四半期毎および翌月の生産計画の内示を受け、見込生産を行っているため、受注実績に該当する事項はありません。

 

 

ⅲ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

日本

47,816

49.2

△2.7

北米

26,587

27.3

△1.5

東アジア

11,675

12.0

△0.3

東南アジア

11,187

11.5

5.8

合計

97,267

100.0

△1.2

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

       2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(百万円)

比率(%)

金額(百万円)

比率(%)

マツダ㈱

11,296

11.5

11,558

11.9

 

 3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループを取り巻く環境は、従来以上に大きく且つ急激に変化しており、先行き不透明感が一層色濃くなっています。「西川ゴムグループ2020年ビジョン」は大きく変化する経営環境にしなやかに対応し、変化をチャンスに変えてたくましい成長を遂げるために、中長期的な当社グループの目指す姿・進むべき方向性を示し、下記の財務KPIを主要な目標として取り組んでおります。

 

 

 

2020年3月期実績

2020年ビジョン目標

 

連結売上高

972億円

1,000億円以上

 

連結営業利益率

7.0%

10.0%以上

 

連結総資産営業利益率(ROA)

6.4%

10.0%以上

 

 

 

 

財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末における資産の額は、103,843百万円と、前連結会計年度末に比べ6,748百万円の減少となりました。これは主に海外市場の拡大に備えた計画的な設備投資により有形固定資産額は増加したものの、投資有価証券の減少額がそれを上回った事によるものです。

 

(負債の部)

当連結会計年度末における負債の額は、37,841百万円と、前連結会計年度末に比べ4,457百万円の減少となりました。これは主に未払金の減少によるものです。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産の額は、66,001百万円と、前連結会計年度末に比べ2,291百万円の減少となりました。これは株式市場の低迷により、その他有価証券評価差額金の減少が主に影響した事によるものです。

 

経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ1,168百万円減少し、97,267百万円(前期比1.2%減)となりました。

海外におきましては、米国では当社受注車種の減産により売上高が減少となりましたが、その他の地域では堅調に増加し、海外全体として前年を上回る結果となりました。

しかしながら、国内におきましては、10月からの消費税増税前の駆け込み需要により自動車生産台数が一時的に増え当社売上も増加傾向でありましたが、10月以降に景気動向が反転した結果、年間では自動車生産台数が前年を下回り、また、2019年末からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による2月以降の急激な消費低迷の影響が重なり、当社売上高も減少となりました。

なお、セグメント別の売上高につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。


(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ876百万円減少し、6,848百万円(前期比11.3%減)となりました。これは主に日本および北米セグメントの売上高の減少などによるものです。


(経常利益)

当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ976百万円減少し、7,489百万円(前期比11.5%減)となりました。


(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ429百万円減少し、

4,486百万円(前期比8.7%減)となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

ⅰ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は25,288百万円となり、前連結会計年度に比べ3,121百万円増加いたしました。これは営業活動の結果獲得した資金が10,446百万円と前連結会計年度に比べ3,886百万円増加し、投資活動の結果使用した資金が6,540百万円と前連結会計年度に比べ1,900百万円減少し、財務活動の結果使用した資金が852百万円と前連結会計年度に比べ63百万円減少したことによります。

上記の他、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

ⅱ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは現在、必要な運転資金および設備投資資金については、自己資金または借入等により資金調達することとしております。当連結会計年度末において、短期借入金の残高は11,253百万円、長期借入金の残高は1,390百万円であります。

当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金および設備投資資金を調達していく考えであります。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の今後の広がり方や収束時期等を正確に予測することは困難な状況にありますが、繰延税金資産の回収可能性の評価等の将来課税所得等の見積を要する会計処理に際して、現在生じている国内外の経済活動の停滞は中期的に影響すると仮定しております。ただし、当該仮定は当連結会計年度末時点における最善の見積りであると判断していますが、想定以上に影響が長期化あるいは拡大した場合には、繰延税金資産の回収可能性の評価等の、重要な会計上の見積りおよび判断に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、当社が一元的に行っております。自動車や住宅の快適居住空間をシール&フォームエンジニアリングで支えるブランドカンパニーとして、先端技術の開発や設計ノウハウの集積を行うとともに、既存分野・概念にとらわれない幅広い技術開発にチャレンジし続けています。

 

当連結会計年度中の主な研究開発活動

(1) 自動車用部品

自動車市場に向けては「シール製品開発」と「防音製品開発」を2本柱展開として、これらを益々拡大・発展させて売上向上に繋ぐべく、製品設計・材料開発・評価技術開発等の幅広い活動を鋭意進めております。

 ①シール製品開発

今期は、ガラス周りのグラスランチャンネルを初めとしたスタティックシール部品開発を重点に開発展開しております。昨年新開発した高意匠性ヒドングラスランチャンネルの拡大展開や、グラスランチャンネルの防音特性評価技術等、特に後者は国内外で複数の特許登録を早期に受けるなど、その先進性が大きく認められています。一方、ドア周りのダイナミックシールにおいても、これまでの蓄積技術・ノウハウを基にドア閉まり向上や車輌バリエーションを超えてのシール共通化など、得意先ニーズに応える設計開発によりドアアウター/インナーシールを進化させており、全製品群において幅広く得意先の受注を獲得しております。

 ②防音製品開発

基幹に位置付けられるドアホールシールは、音性能を向上させて開発完了した新仕様に対して、各得意先向けの適用開発を順次展開中で、当期はその成果として複数の量産車種で受注をしております。またその一方で、新たな機能の追加、他の既存製品への活用およびドア部以外への展開拡大を図るべく、ベンチマーク活動の充実・発泡技術の深耕や異種材料との複合化・異領域の研究・新発想推進などを継続実施しております。

 

(2) 一般産業資材

住宅市場に向けても、得意先動向である住宅長期保証に対応したシール製品開発や機能性を向上させたシール製品開発をコア技術である「押出」「発泡」を基軸に進めております。今後も引き続き材料、製品仕様の双方から開発を展開し、新規顧客開拓や各得意先要望対応による受注アップにより棟当たり単価を向上させる活動を確実に進めてまいります。

 

当連結会計年度において当社が支出した研究開発費の総額は480百万円であります。

なお、当社グループのセグメントは地域別に構成されており、研究開発活動の全てを日本で行っているため、セグメントごとの研究開発活動の状況につきましては記載を省略しております。