
西川ゴムグループ2020年ビジョン最終年度である当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により自動車業界においても全世界での減産や操業停止を余儀なくされ、大変厳しい状況となりました。そのため、残念ながら当初掲げておりました数値目標の連結売上高1,000億円・連結営業利益率10%・連結総資本営業利益率(ROA) 10%は未達に終わったものの、この10年間で海外市場への成長戦略を重点的に展開した結果、当社グループは連結売上高で1,000億円に迫る企業に成長いたしました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が未だ収束しない中、当社グループは未達となりました数値目標を再度掲げ、さらにSDGs/ESGの非財務目標を加え、新たな中長期戦略として「西川ゴムグループ 2025年中長期経営計画」を設定いたしました。今後は当社グループが対処すべき経営課題を解決すべく、中長期経営方策を展開し、企業価値の向上を目指します。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには以下のようなものがあります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
当社は、グループ全体のリスク管理の基本方針および体制と対応を「リスク管理規則」において定め、その基本方針および体制と対応に基づき、西川ゴムグループを取り巻くリスクへの予防措置とリスクが顕在化したときの対応措置を定めております。
なお、本項に記載した事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの主要得意先は国内外の自動車メーカーであり、国内外の自動車の生産台数および販売台数の影響を受けます。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大および半導体等の世界的な材料供給不足懸念により、国内外の自動車メーカーにおいては生産調整がなされております。そのため、当社グループも生産調整を行なっており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大および半導体等の世界的な材料供給不足がさらに続く場合、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業展開する国や地域において、地震や豪雨等の自然災害が発生した場合、当社グループの事業活動、業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社は災害発生時における災害対策および事業継続計画(BCP)の策定、安否確認システムの導入、衛星電話の設置、防災訓練等の対策を講じており、グループ会社においても個々に各種対策を講じております。また、生産現場においては、地震への減災対策、土砂災害、二次災害の防止対策を進めております。これらの事前対策により災害による被害の最小化、当社グループの業績および財政状況に対する影響の低減に努めております。
当社グループの取引には外国通貨も使用しており、なるべく為替変動の影響を受けないよう使用する各通貨のバランスをとっておりますが、市場状況の変化によって大幅な通貨変動の影響を受けた場合、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要顧客である自動車メーカーはグローバル化に伴い世界同一品質および同一価格確保のため、あるいはグローバル展開車種増加のため、世界規模での一括発注を進めています。当社グループの生産および販売も、国内、北米、欧州、アジア等グローバルに展開しておりますが、その殆ど全ての地区で競合他社と受注競争をしております。その結果、熾烈な価格競争により利益を圧迫することで、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、米国、タイ、中国、インド、メキシコ、インドネシア等に海外進出を行っており、当該地域における経済環境、市場動向等を検討し、計画的に事業展開していく予定ですが、進出国の政治的、経済的事情による影響を受け、事業の一時的縮小または中断などによる利益減少を招き、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、メキシコの連結子会社ニシカワ・シーリング・システムズ・メキシコ S.A. DE C.V.は新規車種の生産準備活動に係る費用負担の増加、生産スケジュールの遅れ、および新型コロナウイルス感染症の拡大による工場の一時的な閉鎖による販売数量の減少が生じており、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、原材料および部品を複数のグループ外供給元から調達しておりますが、原材料価格の上昇や、資材の供給バランスによる影響で品不足が発生する場合、製品原価の上昇につながり、これらを販売価格に十分に転嫁できない場合、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、全ての役員および社員に対し、情報の取り扱いに関する規則を定め、高い情報セキュリティレベルを確保することを重要事項と認識しております。当社グループは、情報共有や業務の効率化のため、情報システムを構築・運営するとともに、情報システム運営上の安全性確保のため、サイバーセキュリティリスクも考慮し、情報システム管理基準を定め、危機管理対応の徹底に取り組んでおります。しかし、こうした対策を行ったとしても、不正アクセス、サイバー攻撃等による機密情報・個人情報の漏洩、機器の破損による情報システムの停止等のリスクを完全に回避できるものではなく、被害の規模によっては当社グループの業績および財政状況、ならびに社会的信用の失墜や訴訟等により企業ブランド価値に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、当社グループ含め、情報管理に対する啓蒙活動を行うとともに、近年高度化、巧妙化しているサイバー攻撃への対応を強化し、情報管理体制の維持・強化等を推進しております。
当社グループは「品質第一」に徹し品質マネジメントシステムの徹底遵守と継続的改善を行っております。当社グループの製品は主として自動車の各シール部分に装着される場合が多く、自動車のボディーやドア、ガラスの建付け等相手部品との出来栄えや組合せで機能するもので、部品相互の関係で予期せぬ不具合が発生した場合、製品の不具合による損害賠償発生等により、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 重要な訴訟等の発生
当社グループを相手とした訴訟が提起され、当社の主張と相違する結果となった場合、その請求内容等によっては、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、法令および社内の諸規定等を遵守するため、グローバル・コンプライアンス管理体制の強化を図り、定期的なコンプライアンス教育を実施する等、活動を推進しております。
(10) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大について
当社グループの従業員に新型コロナウイルス感染症が拡大した場合、一時的に操業を停止するなど、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではこれらのリスクに対応するため、2020年1月より管理本部長を委員長とし、当社取締役を委員とする新型コロナウイルス感染症対策のリスク管理委員会を定期的に開催し、以後①日々の出勤前における検温、勤務中・通勤時のマスク着用、手指消毒・除菌清掃および換気の徹底、発熱等の風邪症状時における出社制限、リモート会議の活用など、従業員の安全と健康を最優先とした対応の徹底、②生産、原材料、部品の調達などの当社グループ全ての状況把握、③感染者が発生した場合のBCP対策等の施策を実施し、新型コロナウイルス感染症の影響の極小化を図っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、企業活動や個人消費が制限され、経済活動は大きく減退いたしました。現状、感染状況を見極めながら段階的に経済活動の再開が進んでおりますが、景気は基調として持ち直しつつあるものの、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
自動車業界におきましては、国内自動車生産台数は減少傾向に推移したほか、海外自動車生産台数においても、北米、中国、東南アジアのすべてにおいて、また海外全体としても前期比で減少しました。
このような状況の中、当連結会計年度における売上高は80,234百万円(前期比17.5%減)となりました。利益につきましては、営業利益は4,735百万円(前期比30.9%減)、経常利益は6,021百万円(前期比19.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2,697百万円(前期比39.9%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(日本)
自動車生産台数が前年比で減少した結果、売上高は44,449百万円(前期比16.3%減)となりました。また、営業利益は1,431百万円(前期比51.1%減)となりました。
(北米)
米国、カナダおよびメキシコともに自動車生産台数が前年比で減少した結果、売上高は20,086百万円(前期比24.5%減)となりました。また、営業損失は454百万円(前期営業損失36百万円)となりました。
(東アジア)
自動車生産台数はほぼ前期並みに回復し、売上高は13,303百万円(前期比2.0%減)となりました。また、営業利益は原価低減活動が奏功し、2,232百万円(前期比83.8%増)となりました。
(東南アジア)
経済回復の遅れが影響し、自動車生産台数は前年比で大幅に減少した結果、売上高は7,350百万円(前期比35.6%減)となりました。また、営業利益は1,543百万円(前期比51.1%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が5,860百万円(前年同期は7,634百万円)と減少しましたが、長期借入れによる収入により、前連結会計年度末に比べ8,772百万円増加し、34,061百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、主として助成金の受取額などにより、6,385百万円(前年同期に得られた資金は10,446百万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、主として有形固定資産の取得による支出などにより、3,060百万円(前年同期に使用した資金は6,540百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は、長期借入れによる収入などにより、6,077百万円(前年同期に使用した資金は852百万円)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
ⅰ 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 生産実績には、外注先に委託した生産分を含んでおります。
2 金額は、販売価額により表示しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
ⅱ 受注実績
当社グループは、各自動車メーカーをはじめとして納入先より四半期毎および翌月の生産計画の内示を受け、見込生産を行っているため、受注実績に該当する事項はありません。
ⅲ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループを取り巻く環境は、従来以上に大きくかつ急激に変化しており、先行き不透明感が一層色濃くなっています。「西川ゴムグループ2025年中長期経営計画」は大きく変化する経営環境にしなやかに対応し、変化をチャンスに変えてたくましい成長を遂げるために、中長期的な当社グループの目指す姿・進むべき方向性を示し、下記の財務KPIを主要な目標として取り組んでおります。
財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における資産の額は、115,616百万円と、前連結会計年度末に比べ11,773百万円の増加となりました。これは主に現預金、有価証券、投資有価証券、退職給付に係る資産の増加によるものです。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債の額は、44,405百万円と、前連結会計年度末に比べ6,563百万円の増加となりました。これは主に長期借入金の増加によるものです。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の額は、71,211百万円と、前連結会計年度末に比べ5,209百万円の増加となりました。これは主にその他有価証券評価差額金の増加によるものです。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ17,033百万円減少し、80,234百万円(前期比17.5%減)となりました。
海外におきましては、北米では経済活動の制限により自動車販売が落ち込み減収となりました。東南アジアでは、経済活動の遅れにより減収となりました。一方東アジアでは他地域に先行して生産活動の正常化が進み前期並みとなりました。
国内におきましても、自動車生産台数が前年を下回り、また、消費低迷の影響が重なり、当社売上高も減少となりました。
なお、セグメント別の売上高につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ2,113百万円減少し、4,735百万円(前期比30.9%減)となりました。これは日本、北米および東南アジアの売上高の減少などによるものです。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ1,468百万円減少し、6,021百万円(前期比19.6%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,788百万円減少し、2,697百万円(前期比39.9%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ⅰ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は34,061百万円となり、前連結会計年度に比べ8,772百万円増加いたしました。キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
ⅱ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは現在、必要な運転資金および設備投資資金については、自己資金または借入等により資金調達することとしております。当連結会計年度末において、短期借入金の残高は6,451百万円、長期借入金の残高は13,588百万円であります。
当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金および設備投資資金を調達していく考えであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当連結会計年度において、当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益、費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社グループにおける研究開発活動は、当社が一元的に行っております。自動車や住宅の快適居住空間をシール&フォームエンジニアリングで支えるブランドカンパニーとして、先端技術の開発や設計ノウハウの集積を行うとともに、既存分野・概念にとらわれない幅広い技術開発にチャレンジし続けています。
当連結会計年度中の主な研究開発活動
(1) 自動車用部品
自動車市場に向けては「ドアシール技術開発」と「防音製品技術開発」を2本柱展開として、これらを益々拡大・発展させて売上向上に繋ぐべく、製品設計・材料開発・評価技術開発等の幅広い活動を鋭意進めております。
当連結会計年度は、これまでの蓄積技術・ノウハウを基に、ウェザーストリップの新スタンダードを確立する開発活動を進め、従来からの課題であった走行時の異音防止と耐摩耗性向上の背反両立をなす新塗膜を開発しました。これにより走行時の車体ねじれによるきしみ音などを防止しつつ、耐摩耗性は従来比2倍以上(当社データ)を達成しております。この技術は車体に対する自然な曲線追従やドアの閉まりやすさ向上にも寄与しており、シール起因による快適性を大幅に向上しています。今後もこのようなレベルアップ活動を推進し、全製品群での幅広い受注を展開してまいります。
基幹に位置付けられるドアホールシールは、音性能を向上させて開発完了した新仕様に対して、各得意先向けの適用開発を順次展開するとともに、受注車種に対する生産準備活動を着実に進めております。またその一方で、新たな機能の追加、他の既存製品への活用およびドア部以外への展開拡大、さらには新製品展開を図るべく、ベンチマーク活動の充実・発泡技術の深耕や異種材料との複合化・異領域の研究・新発想推進などを継続実施しております。
(2) 一般産業資材
住宅市場に向けても、得意先動向である住宅長期保証に対応したシール製品開発や機能性を向上させたシール製品開発をコア技術である「押出」「発泡」を基軸に進めております。今後も引き続き材料、製品仕様の双方から開発を展開し、新規顧客開拓や各得意先要望対応による受注アップにより、棟当たり単価を向上させる活動を確実に進めてまいります。
当連結会計年度において当社が支出した研究開発費の総額は
なお、当社グループのセグメントは地域別に構成されており、研究開発活動の全てを日本で行っているため、セグメントごとの研究開発活動の状況につきましては記載を省略しております。