第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度における経済情勢を見ますと、米国・欧州が比較的安定した景況を示す一方で、中国経済の減速懸念やイスラム圏発の地政学的リスクが鮮明となり、アセアンや南米の失速感が引き続き影を落とすなど、各エリアで様々な様相を呈しました。我が国におきましては、総じて緩やかな回復基調を維持したものの、中国市場への警戒感によって株価や為替が揺れ動く中、足元では海外需要のさらなる鈍化、原油安の今後の帰趨や国際金融市場の混乱などに対する懸念から、先行きの不透明感が増しております。

このような状況下、当社グループの主要顧客先である自動車産業におきましては、エリア毎の経済情勢による強弱はあるものの、グローバル全体の需要増に対応するため、引き続き生産を伸張させております。

当社グループの受注状況は、大型建機向け等の伸び悩みが見られる中、自動車産業の堅調を背景に全体としては順調に推移し、連結売上高は前年同期比3.1%増の722億16百万円と4期連続で過去最高を更新しました。一方、損益面では、営業利益が防振その他の事業の製造原価増等により前年同期比6.5%減の32億29百万円、経常利益が為替差益の減少等によって同18.1%減の33億70百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が子会社の固定資産減損等によって同29.4%減の19億68百万円と、いずれも減益となっております。

 

セグメントの業績は次の通りです。
  機能品事業

国内外における受注の好調を反映し、売上高は前年同期比5.3%増の363億18百万円、セグメント利益は同31.6%増の45億87百万円となりました。

防振事業

建機メーカー向けはやや低調ながら、カーメーカー向けの堅調に支えられて売上高は前年同期比1.2%増の280億15百万円となりました。またセグメント利益は、国内事業の製品構成の変化やアセアンにおける製造原価の上昇等の影響もあり、同11.9%減の25億29百万円となりました。

金属加工事業

主に建機メーカー向けの不調により、売上高は前年同期比2.6%減の60億19百万円となりました。またセグメント利益は、子会社の構造改革等の負担も加わり、前年同期比84.3%減の2百万円となりました。

その他

主に建機メーカー向けの不調により、国内ホース事業の受注が振るわず、売上高は前年同期比0.8%減の29億92百万円となりました。また、損益面ではアセアンにおけるホース事業推進の負担が大きく影響し、6億52百万円の損失となりました(前年同期は24百万円の利益)。

 

なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億90百万円減少し、86億24百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は66億79百万円(前年同期は60億84百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益29億40百万円、減価償却費46億64百万円による資金の増加と、たな卸資産の増加5億20百万円、法人税の支払額8億59百万円等の資金の減少によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は69億6百万円(前年同期は52億7百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得が66億4百万円あったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は1億71百万円(前年同期は1億39百万円)となりました。これは主に借入金の調達が返済を15億91百万円上回ったこと、リース債務の返済が3億84百万円、自己株式の取得が6億36百万円、配当金の支払が3億39百万円あったことによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成27年4月1日
 至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

機能品(百万円)

35,431

105.4

防振(百万円)

28,048

100.7

金属加工(百万円)

5,977

97.3

報告セグメント計(百万円)

69,457

102.7

その他(百万円)

2,919

99.5

合計(百万円)

72,377

102.6

  (注)1.金額は販売価格によっております。

 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比
(%)

受注残高(百万円)

前年同期比
(%)

機能品

35,332

107.0

2,998

99.5

防振

27,839

100.7

2,338

99.5

金属加工

5,935

97.2

456

93.4

報告セグメント計

69,107

103.5

5,793

99.0

その他

2,900

100.9

258

98.6

合計

72,008

103.4

6,051

99.0

  (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成27年4月1日
 至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

機能品(百万円)

35,339

106.0

防振(百万円)

28,015

101.2

金属加工(百万円)

5,967

97.3

報告セグメント計(百万円)

69,322

103.2

その他(百万円)

2,893

99.4

合計(百万円)

72,216

103.1

   (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

(1)営業上の対処する課題について

 当社グループの事業は、自動車産業を始めとして建機、鉄道、OA、医療など、グローバルに展開している国内外メーカーに製品を供給することで成り立ち、目まぐるしく変化する世界情勢と最適地生産・調達の流れの中で、熾烈な競争にさらされております。

 足元の経済情勢を見ますと、日本国内は企業業績の回復や雇用環境の改善が続いており、欧米を中心とした先進国の景況も概ね堅調を維持しておりますが、一方で地政学的リスクの高まり、中国経済の変調や新興国経済の鈍化傾向、原油価格の極端な下落等が各国経済に様々な影響を与えており、引き続き不安定な様相を呈しています。

 自動車産業はグローバルベースで生産を伸張させつつありますが、各メーカーとも新興国市場への参入、部品の共通化、HVやEV、燃料電池車の開発など、新たな競争構造への対応を迫られております。円高と震災を経てサプライチェーンの再編および海外シフトを進めてきた日本のメーカーも、空洞化懸念に悩まされつつ、新たに伸びゆく地域において従来の枠組みを超えたビジネスに適応してきました。近年は円安基調が続いたほか、TPPなどの新たな貿易構造への期待も生じ、国内外のバランスも調整局面に入っておりましたが、グローバル事業展開の重要性は今後も変わらないものと予想されます。

 長期的・持続的な発展を目指す当社グループとしましても、このような流れに追随していくため、アジア・アセアン中心の体制に加えて東欧、中米にも拠点を拡げ、グローバル事業の再編や管理体制の整備、本体の体質強化に向けたFRP(Fukoku Revival Plan)の推進などに取り組んでおります。そのため、投資の先行とコスト増の影響を被っておりますが、『新しい価値創造に挑戦し、夢あふれる未来づくりに貢献する』という企業理念に則し、新技術・新商品の開発、原価低減に注力して、引き続き世界中のお客様の要望に応えられる商品並びにサービスの充実を図ってまいります。

 

(2)会社の支配に関する基本方針について
①基本方針の内容

 当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大量買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大量買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。

 ただし、株式の大量買付提案の中には、例えばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。

 そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大量買付提案者との交渉などを行う必要があると考えています。

②具体的な取組み
イ.基本方針の実現に資する特別な取組み

 当社は、多数の株主及び投資家の皆様に中長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させるため、ⅰ)企業理念・経営ビジョンの実現による中長期的な企業価値向上、ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化、ⅲ)安全で高品質な製品の提供、に取組んでおります。

 これらの取組みは、株主及び投資家の皆様をはじめ、お得意先、お取引先、従業員あるいは地域社会等のすべてのステークホルダーから評価され、そして、そのことが株主価値の最大化に資するものであると考えております。

ロ.不適切な支配の防止のための取組み

 当社取締役会は、当社株式等の大量買付行為等を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にし、株主及び投資家の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報及び時間、並びに大量買付行為等を行おうとする者との交渉の機会を確保するために、平成27年6月26日開催の第62回定時株主総会において、当社株式等の大量買付行為等に関する対応策(以下「買収防衛策」といいます。)の継続について、株主の皆様のご承認をいただきました。

 当社の買収防衛策の主な内容は、当社の株式等保有割合が20%以上となるような買付等を行う者または提案する者に対して、ⅰ)買付行為の前に、当社取締役会に対して、買付等の内容検討に必要な情報及び当社が定める手続きを遵守する旨の誓約文を提出すること、ⅱ)その後、当社取締役会から独立した第三者により構成される独立委員会が、その買付等の内容と当社取締役会の事業計画等を比較検討する期間を設けるとともに、当社が定める手続きを遵守しなかった場合または当社の企業価値・株主共同の利益を害するおそれがある場合等には、新株予約権の無償割当ての方法による対抗措置を講じるというものであります。

 なお、この買収防衛策の詳細については、平成27年5月15日付けで「当社株式等の大量買付行為等に関する対応策(買収防衛策)の継続について」として公表いたしております。このプレスリリースの全文は、インターネット上の当社ウェブサイト(アドレスhttp://www.fukoku-rubber.co.jp/)に掲載しておりますのでご参照下さい。

③上記②の取組みについての取締役会の判断

イ.当社取締役会は、上記②の取組みが当社の上記①の基本方針に沿って策定され、当社の企業価値・株主共同の利益を確保するための取組みであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではないと考えます。

 それは、ⅰ)企業理念・経営ビジョンの実現による中長期的な企業価値向上、ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化、ⅲ)安全で高品質な製品の提供といった取組みを事業の重要な課題として推し進めることが、更なる高収益事業構造の構築ひいては企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するものであると考えること、及び、買収防衛策は、企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって導入されたものでありますので、いずれも当社基本方針に沿うものと考えます。

ロ.当社の買収防衛策は、取締役会の恣意的な判断を排するため、当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会を設置し、独立委員会の勧告を最大限尊重して買収防衛策を発動すること等が定められており、取締役の地位の維持を目的とするものではありません。

 

4【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

国内及び海外の経済状況の変化
 日本国内及び海外展開先の経済状況の変化によって、当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。

自動車産業への依存
 当社グループは、自動車メーカーや1次部品メーカーに対する売上が多数を占め、自動車産業に大きく依存した状況に
あり、自動車産業の景況の変化によって当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。

海外事業の拡大
 当社グループは、従来より積極的に海外への事業拡大を図っておりますが、進出した地域の固有の事情、あるいは各国
の体制や法律の変化等によって計画に支障をきたした場合には、当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があ
ります。

戦略的提携と合弁事業
 当社グループが推進する戦略的提携や合弁事業は、パートナーの経営方針や経営環境の変化によって維持できなくなる
場合があり、そのことによって当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。

原材料及び部品の外部業者への依存
 当社グループは多数の外部の取引先から原材料及び部品を購入しており、原材料及び部品の高騰などによって当社グル
ープの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。

為替変動
 当社グループは海外に多くの取引先や提携先を持ち、事業所を展開しておりますため、為替レートの変動によって当社
グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。

知的財産の保護
 当社グループは長年にわたり、自社製品に関連する多数の特許及び商標を保有しております。このような知的財産が広
範囲にわたって保護できない場合、あるいは不当に侵害された場合には、事業活動が影響を被る可能性があります。

製造物責任
 大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、当社グループの業績と財務状況に重大な影響を及
ぼす可能性があります。

環境規制
 自動車部品業界は広範囲な環境その他の法的規制に服しております。そのため、これらの規制を遵守するための費用が
当社グループの事業にとって重大な金額となる可能性もあります。

災害・戦争・社会インフラ麻痺等の影響
 当社グループは国内外に広く事業を展開しており、地震や津波等の自然災害、戦争、電力不足等の社会インフラの麻
痺、伝染病、テロ、ストライキ等の事象が発生した地域においては、原材料や部品の調達、生産活動、製品の販売及び物
流などに遅延や停滞が生じる可能性があります。そのような場合には、当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能
性があります。

ストック・オプション
 当社はストック・オプション制度を導入し、役員及び従業員の会社業績の向上に対する意欲や士気を高めることを目的
として、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使され新株が発行された場合には、当社の1株当たり
の株式価値は希薄化する可能性があります。また、行使時の株価次第では短期的な需給バランスの変動が発生し、株価形
成に影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 当社の主な技術援助契約は次のとおりであります。

技術供与契約

契約締結先

内容

有効期間

対価

河北富躍鉄路装備有限公司(中国)

鉄道用ゴム部品の製造技術

自平成21年10月13日

至平成41年10月12日

売上高の一定割合

南京富国勃朗峰橡胶有限公司(中国)

鉄道用ゴム部品の製造技術

自平成22年11月15日

至平成42年11月14日

売上高の一定割合

 

6【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、自動車分野の重点商品を中心として、産業機械、OA機器など成長産業分野の商品開発活動を実施しております。また、新素材や新技術の研究とその用途開発にも積極的に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の総額は、17億31百万円となっております。

セグメント別の新規研究開発活動の結果を示すと、次の通りであります。

 

  [機能品セグメント]

(1) 自動車部品の開発

① 欧州系スポーツ車向けに、ブレーキ部品を新たに受注いたしました。

② 米国自動車部品メーカー向けに、ブレーキ部品を新たに受注いたしました。

③ 国内部品メーカー向けに、車高調整装置の空気流量制御バルブの量産を新たに開始いたしました。

④ 国内部品メーカー向けに、車高調整装置の空気吸入バルブの量産を新たに開始いたしました。

⑤ 国内部品メーカー向けに、揮発ガソリン供給装置の圧力調整弁の量産を新たに開始いたしました。

⑥ 欧州系スポーツ車向けに、揮発ガソリン供給装置の圧力調整弁の量産を新たに開始いたしました。

⑦ 北米車向けに、揮発ガソリンの漏れを感知する装置のダイアフラムの量産を新たに開始いたしました。

⑧ 北米車向けに、揮発ガソリンの漏れを感知する装置のバルブの量産を新たに開始いたしました。

 

(2) 産業用品(非自動車部品)の開発

① 測量用マイクロモータの量産を新たに開始いたしました。

② ハンディータイプ吸入器用圧電振動子と駆動回路の量産を新たに開始いたしました。

③ 国内産業機械向けに、樹脂ブーツの量産を新たに開始いたしました。

 

(3) 海外生産品の支援事業

① 当社中国子会社で生産する、車高調整装置のブッシュの量産を新たに開始いたしました。

② 当社メキシコ子会社で生産する、日系部品メーカー向け樹脂ブーツの開発を新たに開始いたしました。

③ 当社中国子会社で生産する、日系部品メーカー向け樹脂ブーツの量産を新たに開始いたしました。

④ 当社インドネシア子会社で生産する、日系部品メーカー向けの樹脂ブーツの量産を新たに開始いたしました。

⑤ 当社チェコ子会社で生産する、日系部品メーカー向けの樹脂ブーツの開発を新たに開始いたしました。

⑥ 当社ベトナム子会社で生産する、吸気系部品のクッションの量産を新たに開始いたしました。

 

(4) 要素技術

  ライフサイエンス関連事業領域の拡大を目標として、当社にとって新たな商品であるマイクロ流路チップの量産化技術を開発いたしました。

  [防振セグメント]

(1) 自動車部品の開発

① 国内自動車メーカー向けに、ダイナミックダンパーを新たに受注いたしました。

② 国内自動車メーカー向けに、ガソリンエンジン用ダンパープーリーの量産を新たに開始いたしました。

③ 米国自動車メーカー向けに、ガソリンエンジン用ダンパープーリーの量産を新たに開始いたしました。

 

(2) 産業用品(非自動車部品)の開発

① 海外鉄道車両向けに、鉄道用防振ゴム製品を新たに受注いたしました。

② 国内家具メーカー向けに、椅子用防振製品の量産を新たに開始いたしました。

③ 海外建機メーカー向けに、キャビン用マウントを新たに受注いたしました。

 

(3) 海外生産品の支援事業

① 当社インドネシア子会社で生産する、乗用車メーカー向けのマフラーマウントを新たに受注いたしました。

② 当社中国子会社で生産する、商用車メーカー向けのキャビン用マウントの量産を新たに開始いたしました。

③ 当社インドネシア子会社で生産する、日系部品メーカー向けのトーションダンパーの量産を新たに開始いたしました。

④ 当社インド子会社で生産する、日系自動車メーカー向けのディーゼルエンジン用ダンパープーリーを新たに受注いたしました。

⑤ 当社タイ子会社で生産する、日系自動車メーカー向けのガソリンエンジン用ダンパープーリ-を新たに受注いたしました。

⑥ 当社インドネシア子会社で生産する、日系自動車メーカー向けのガソリンエンジン用ダンパープーリーを新たに受注いたしました。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

以下に記載される全ての財務情報は、当有価証券報告書において開示される連結財務諸表に基づいております。また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

当社が連結財務諸表を作成する際の会計基準、および当社の重要な判断と見積りに大きな影響を与える会計方針については「第5 経理の状況」を参照願います。

 

(1)財政状態の分析
①資産

当連結会計年度末の総資産は、前年同期比12百万円(0.0%)増の638億48百万円となりました。うち流動資産は同3億62百万円(1.0%)減の344億62百万円、固定資産は同3億75百万円(1.3%)増の293億85百万円となっております。流動資産の減少は、現金及び預金並びに受取手形及び売掛金の減少等によるものです。また固定資産の増加は、設備投資に伴う機械装置及び運搬具等の有形固定資産の増加によるものです。

②負債

当連結会計年度末の負債の合計は、前年同期比55百万円(0.2%)増の289億17百万円となりました。うち流動負債は同5億68百万円(2.5%)減の221億79百万円、固定負債は同6億24百万円(10.2%)増の67億38百万円となっております。流動負債の減少は、主として営業債務の減少等によるものです。また固定負債の増加は、長期借入金並びに退職給付に係る負債の増加等によるものです。

③純資産

当連結会計年度末における純資産は、前年同期比42百万円(0.1%)減の349億30百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益19億68百万円の計上による利益剰余金の増加と、為替換算調整勘定が円高の影響により前連結会計年度末の24億72百万円から14億77百万円に減少したこと及び6億36百万円の自己株式の取得等によるものです。非支配株主持分は、非支配株主に帰属する当期純利益2億4百万円の計上及び為替換算調整勘定の減少により、前年同期比11百万円(0.5%)減の21億51百万円となりました。

上記の結果、自己資本比率は前年同期比0.1ポイント減の51.3%、期末発行済株式総数に基づく1株当り純資産は前年同期比61.38円増の1,964.19円となりました。

(2)経営成績の分析

当連結会計年度(以下「当期」という)における当社グループの経営成績は増収減益となりました。

中国その他の新興国の成長は鈍化しましたが、米国は好調を維持し、ヨーロッパでも緩やかな回復傾向が見られ、日本国内も、終盤に為替や株価の不安定化が影を落としましたが、概ね堅調に推移しました。そのような状況の中、当社グループの主力商品群も自動車関連を中心にグローバルで受注を伸張させ、連結売上高は前年同期比3.1%増の722億16百万円となりました。単体の売上は頭打ちながら海外の伸びでカバーし、4期連続で過去最高を更新した格好です。

損益面では、引き続きグローバル事業体制の構築に積極的に取り組み、その負荷が事業セグメントごとの収益を浮き沈みさせる中、全体として売上原価が増加したことにより、営業利益は前年同期比6.5%減の32億29百万円となりました。また、経常利益は為替差損益のマイナス影響を受けて同18.1%減の33億70百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は子会社のホース事業の減損等もあって同29.4%減の19億68百万円となりました。これにより、1株当たりの当期純利益は前年同期比45.31円減の116.68円となっております。

なお、セグメント別の業績分析につきましては、「1.業績等の概要」を参照願います。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比5億94百万円増の66億79百万円となりました。減価償却費が46億64百万円(前年同期は38億22百万円)と増加し、さらに売上債権が前年同期の12億9百万円の増加から9百万円の減少になったこと及び税金等調整前当期純利益が29億40百万円(前年同期は42億68百万円)と減少したこと等が主な要因となります。なお法人税等の支払額は8億59百万円(前年同期は13億59百万円)となっております。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比16億98百万円減の69億6百万円の支出となりました。有形固定資産の取得による支出が66億4百万円(前年同期は49億95百万円)に増加したことが主たる要因となります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主として長期借入れによる収入が28億円(前年同期は20億円)に増加したことと自己株式の取得による支出が6億36百万円(前年同期は0百万円)となったことが主要因で前年同期比31百万円増の1億71百万円となりました。なお配当金の支払額は前年同期比4百万円減の3億39百万円となっております。

現金及び現金同等物に係る換算差額は、円高の影響により2億35百万円の減少要因となりました。

この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べて2億90百万円減少し、86億24百万円となりました。

 

(4)戦略的現状と見通し

当社グループは収益の多くの部分を自動車産業に依存しておりますが、2008年のリーマンショックを機に、先進国の自動車メーカーの市場戦略は大きな変化を迫られることとなりました。今後の成長が期待される新興国を中心とした市場への拡販の成否が鍵となり、日系メーカーも世界的な市場再編への対応を急ぐ中、震災や円高等のインパクトで国内空洞化の不安にさらされ、その後はアベノミクス効果による円安と株価の回復、国内景況の安定化に明るさを見出しておりましたが、足下では中国経済の変動や欧米の金融政策の影響等を受け、再び円高傾向が頭をもたげるなど、踊り場的様相を呈しております。

当社グループといたしましても、このような変化を見据えつつ確固とした企業理念の制定、10年先を目指した経営ビジョンの構築、3ヵ年中期計画の再確認等を行い、目まぐるしい市場と顧客の動きに対応するためのグローバル化戦略を推進してきました。アセアン、中国、韓国、北米、インドに加え、近年はチェコとメキシコにも橋頭堡を築き、主要エリアを押さえながら事業を立上げて、グローバル市場の成長に追随していく体制を整えつつあります。このため拠点の増設や再整備、商品群の海外展開、R&Dを始めとする本社機能の強化等のコストが負担となっている状況ですが、引き続き既存事業の拡大と改善によって収益を確保しながら、新たな分野への投資並びに一層の高収益体質の獲得に向けた取り組みを継続してまいります。