当連結会計年度におけるグローバルの経済情勢を見ますと、米国並びにEU圏が概ね安定的に推移し、中国やアセアンで減速気味ながら成長が持続する一方、ロシアや中南米では引き続き失速感が影を落とすなど、各エリアでさまざまな様相を呈しました。
我が国におきましては、熊本地震の影響、英国のEU離脱や米国大統領選の余波などによって為替レート、株価が混乱気味に推移した部分もありましたが、雇用情勢並びに個人消費の改善を背景に、総じて緩やかな回復基調を維持しました。
このような環境の下、当社グループの主要顧客先である自動車産業におきましては、エリア毎の経済情勢による強弱はあるものの、グローバル全体で生産を伸張させております。
当社グループの受注状況は、自動車関連が堅調に推移する一方、建機向け等の伸び悩みや円高基調による換算の影響を受け、連結売上高は前年同期比2.2%減の706億63百万円となりました。損益面では、営業利益が製造並びに管理のコスト増、タイにおけるホース事業の負荷等によって前年同期比4.1%減の30億97百万円、経常利益が同0.1%減の33億65百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前年同期に子会社の固定資産減損等がありましたため、同8.6%増の21億37百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
国内外における受注は概ね堅調ながら、為替換算の影響を受けて売上高は前年同期比0.2%減の325億44百万円となりました。セグメント利益については、海外拠点における事業立ち上げ負担等もあって製造コストが増加し、前年同期比33.7%減の27億34百万円となりました。
国内の売上の減少及び為替換算の影響を受けて、売上高は前年同期比8.4%減の256億58百万円となりました。一方、セグメント利益については、韓国及び中国の子会社の利益増等により前年同期比18.4%増の29億93百万円となりました。
主に国内トラック及び小型建機関連の受注の堅調を反映し、売上高は前年同期比7.6%増の64億77百万円、セグメント利益については前年同期比740.7%増の24百万円となりました。
国内外の受注の堅調により、売上高は前年同期比11.1%増の33億24百万円となりました。一方、損益面ではタイの事業推進に係る負荷等により、3億54百万円の損失となりました(前年同期は6億52百万円の損失)。
国内外における受注の減少により、売上高は前年同期比10.8%減の33億21百万円となりました。セグメント利益については、開発に係る負担等もあって製造コストが増加し、前年同期比27.1%減の3億35百万円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億51百万円減少し、81億72百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は67億38百万円(前年同期は66億79百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益32億62百万円、減価償却費45億2百万円による資金の増加と、売上債権の増加14億30百万円、法人税の支払額6億39百万円等の資金の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は57億23百万円(前年同期は69億6百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得が57億27百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は11億63百万円(前年同期は1億71百万円の収入)となりました。これは主に借入金の返済が調達を5億5百万円上回ったこと、リース債務の返済が1億41百万円、自己株式の取得が1億18百万円、配当金の支払が3億33百万円あったことによるものです。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 |
前年同期比(%) |
|
機能品(百万円) |
32,160 |
101.6 |
|
防振(百万円) |
25,569 |
91.2 |
|
金属加工(百万円) |
6,439 |
107.7 |
|
ホース(百万円) |
3,278 |
112.3 |
|
新事業(百万円) |
3,305 |
87.6 |
|
合計(百万円) |
70,753 |
97.8 |
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
機能品 |
32,374 |
102.6 |
2,739 |
102.3 |
|
防振 |
25,756 |
92.5 |
2,233 |
95.5 |
|
金属加工 |
6,439 |
108.5 |
474 |
104.0 |
|
ホース |
3,225 |
111.2 |
245 |
95.0 |
|
新事業 |
3,297 |
87.6 |
291 |
91.1 |
|
合計 |
71,094 |
98.7 |
5,985 |
98.9 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 |
前年同期比(%) |
|
機能品(百万円) |
32,077 |
101.5 |
|
防振(百万円) |
25,610 |
91.4 |
|
金属加工(百万円) |
6,420 |
107.6 |
|
ホース(百万円) |
3,232 |
111.7 |
|
新事業(百万円) |
3,321 |
89.2 |
|
合計(百万円) |
70,663 |
97.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは『 Yes,We Do! 』という創業の精神に基づき、お客様の要請に応えることが即ち社会の要請に応えることであると考え、厳しい競争環境に直面しながらも、主力である自動車関連部品を中心に、さまざまな分野の高品質製品を供給しつづけることによって業界内に独自の地位を築いてまいりました。
平成25年12月に創業60周年を迎えた当社グループは、これを節目に『新しい価値創造に挑戦し、夢あふれる未来づくりに貢献する』という企業理念を掲げ、将来に向けての経営ビジョンの推進を図っております。今後も、既存の枠内にとどまることなく、ものづくりの進化と主力事業のグローバル展開、新規事業の開拓に注力することにより、引き続きお客様を始めとする全てのステークホルダーに対して社会的責任を果たしていく所存です。
当社グループでは平成28年度に本体の構造改革(FRP=Fukoku Revival Plan)を核に据えた3ヵ年の中期経営計画を策定しており、工法改革等の抜本的な収益性の向上並びに強固なグローバル経営基盤の構築を推し進めながら、平成31年度に連結売上高840億円、経常利益率6%の達成を目指しております。
当社グループの事業は自動車関連を始め、建機、鉄道、OA、医療などのさまざまな分野でグローバル展開している国内外メーカーに製品を供給することで成り立ち、目まぐるしく変化する世界情勢と最適地生産・調達の流れの中で、熾烈な競争にさらされております。
足下の経済情勢を見ますと、日本国内は企業業績の回復や雇用環境の改善によって比較的安定した景況を示し、欧米を中心とした先進国も概ね堅調を維持しておりますが、一方で米国の大統領選や英国のEU離脱、中国や新興国の経済の変動、戦争やテロにつながる地政学的リスク等が各国の政治・経済にさまざまな影響を与えており、不透明感を拭えない状況が続いております。
自動車産業はグローバルベースで生産を伸張させておりますが、各メーカーとも脱化石燃料車の開発、部品の共通化、新興国市場への参入など、新たな競争構造への対応を迫られており、国内の各メーカーもリーマンショック以降の変化の中、従来の枠組みを超えたビジネスへの適応を模索し続けてきました。近年は円安基調が続いたほか、TPP等の新たな貿易構造への期待も生じ、国内外の事業バランスも調整局面に入っておりましたが、保護主義を標榜する米国トランプ新政権が誕生したこと等を受けて不確実性が増す中、各社とも今後のグローバル事業戦略の方向性を再確認せざるをえない現状です。
長期的・持続的な発展を目指す当社グループとしましても、このような目まぐるしい変化に追随していくため、アジア・アセアンに加えて東欧や中米に拠点を拡げてきたほか、事業の再編や管理体制の継続的整備、ものづくりの体質強化に向けたFRPの推進などに取り組んでおります。そのため、投資の先行とコスト増の影響を被っておりますが、『新しい価値創造に挑戦し、夢あふれる未来づくりに貢献する』という企業理念に則して新技術・新商品の開発や原価低減に注力し、引き続き世界中のお客様の要望に応える商品並びにサービスの充実を図ってまいります。
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大量買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大量買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。
ただし、株式の大量買付提案の中には、例えばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大量買付提案者との交渉などを行う必要があると考えています。
当社は、多数の株主及び投資家の皆様に中長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させるため、ⅰ)企業理念・経営ビジョンの実現による中長期的な企業価値向上、ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化、ⅲ)安全で高品質な製品の提供、に取組んでおります。
これらの取組みは、株主及び投資家の皆様をはじめ、お得意先、お取引先、従業員あるいは地域社会等のすべてのステークホルダーから評価され、そして、そのことが株主価値の最大化に資するものであると考えております。
当社取締役会は、当社株式等の大量買付行為等を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にし、株主及び投資家の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報及び時間、並びに大量買付行為等を行おうとする者との交渉の機会を確保するために、平成27年6月26日開催の第62回定時株主総会において、当社株式等の大量買付行為等に関する対応策(以下「買収防衛策」といいます。)の継続について、株主の皆様のご承認をいただきました。
当社の買収防衛策の主な内容は、当社の株式等保有割合が20%以上となるような買付等を行う者または提案する者に対して、ⅰ)買付行為の前に、当社取締役会に対して、買付等の内容検討に必要な情報及び当社が定める手続きを遵守する旨の誓約文を提出すること、ⅱ)その後、当社取締役会から独立した第三者により構成される独立委員会が、その買付等の内容と当社取締役会の事業計画等を比較検討する期間を設けるとともに、当社が定める手続きを遵守しなかった場合または当社の企業価値・株主共同の利益を害するおそれがある場合等には、新株予約権の無償割当ての方法による対抗措置を講じるというものであります。
なお、この買収防衛策の詳細については、平成27年5月15日付けで「当社株式等の大量買付行為等に関する対応策(買収防衛策)の継続について」として公表いたしております。このプレスリリースの全文は、インターネット上の当社ウェブサイト(アドレスhttp://www.fukoku-rubber.co.jp/)に掲載しておりますのでご参照下さい。
それは、ⅰ)企業理念・経営ビジョンの実現による中長期的な企業価値向上、ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化、ⅲ)安全で高品質な製品の提供といった取組みを事業の重要な課題として推し進めることが、更なる高収益事業構造の構築ひいては企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するものであると考えること、及び、買収防衛策は、企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって導入されたものでありますので、いずれも当社基本方針に沿うものと考えます。
以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
日本国内及び海外展開先の経済状況の変化によって、当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。
当社グループは、自動車メーカーや1次部品メーカーに対する売上が多数を占め、自動車産業に大きく依存した状況にあり、自動車産業の景況の変化によって当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。
当社グループは、従来より積極的に海外への事業拡大を図っておりますが、進出した地域の固有の事情、あるいは各国の体制や法律の変化等によって計画に支障をきたした場合には、当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。
当社グループが推進する戦略的提携や合弁事業は、パートナーの経営方針や経営環境の変化によって維持できなくなる場合があり、そのことによって当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。
当社グループは多数の外部の取引先から原材料及び部品を購入しており、原材料及び部品の高騰などによって当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。
当社グループは海外に多くの取引先や提携先を持ち、事業所を展開しておりますため、為替レートの変動によって当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。
当社グループは長年にわたり、自社製品に関連する多数の特許及び商標を保有しております。このような知的財産が広範囲にわたって保護できない場合、あるいは不当に侵害された場合には、事業活動が影響を被る可能性があります。
大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、当社グループの業績と財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
自動車部品業界は広範囲な環境その他の法的規制に服しております。そのため、これらの規制を遵守するための費用が当社グループの事業にとって重大な金額となる可能性もあります。
当社グループは国内外に広く事業を展開しており、地震や津波等の自然災害、戦争、電力不足等の社会インフラの麻痺、伝染病、テロ、ストライキ等の事象が発生した地域においては、原材料や部品の調達、生産活動、製品の販売及び物流などに遅延や停滞が生じる可能性があります。そのような場合には、当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。
技術供与契約
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契約締結先 |
内容 |
有効期間 |
対価 |
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河北富躍鉄路装備有限公司(中国) |
鉄道用ゴム部品の製造技術 |
自平成21年10月13日 |
売上高の一定割合 |
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南京富国勃朗峰橡胶有限公司(中国) |
鉄道用ゴム部品の製造技術 |
自平成22年11月15日 |
売上高の一定割合 |
当連結会計年度の研究開発活動は、自動車分野の重点商品を中心として、産業機械、OA機器など成長産業分野の商品開発活動を実施しております。また、新素材や新技術の研究とその用途開発にも積極的に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の総額は、17億27百万円となっております。
セグメント別の新規研究開発活動の結果を示すと、次のとおりであります。
① 国内部品メーカー向けに、エンジン点火系シールを新たに受注いたしました。
② 国内部品メーカー向けに、温度調整用装置のLLC流量制御バルブの量産を新たに開始いたしました。
③ 韓国・自動車電池メーカー向けに、防水用シールの量産を新たに開始いたしました。
④ 北米車向けにエンジン吸気システムの配管長切り替えバルブを新たに受注いたしました。
⑤ 国内部品メーカー向けに、ウォーターポンプ用ブッシュの量産を新たに開始いたしました。
⑥ 国内部品メーカー向けに、ハイブリッド車用冷却装置の多機能パッキンを新たに受注いたしました。
⑦ 国内部品メーカー向けに、樹脂ブーツの量産を新たに開始いたしました。
① 当社北米子会社で生産する、日系部品メーカー向け樹脂ブーツの量産を新たに開始いたしました。
② 当社メキシコ子会社で生産する、日系部品メーカー向け樹脂ブーツの量産を新たに開始いたしました。
③ 当社中国子会社で生産する、日系部品メーカー向け樹脂ブーツの量産を新たに開始いたしました。
④ 当社チェコ子会社で生産する、日系部品メーカー向け樹脂ブーツの量産を新たに開始いたしました。
① 国内商用車メーカー向けに、ディーゼル微粒子捕集フィルター支持用防振部品を新たに受注いたしました。
② 国内自動車メーカー向けに、ガソリンエンジン用ダンパープーリーの量産を新たに開始いたしました。
③ 国内自動車メーカー向けに、ハイブリッドエンジン用ダンパープーリーの量産を新たに開始いたしました。
④ 国内自動車メーカー向けに、ディーゼルエンジン用ビスカスダンパーを新たに受注いたしました。
① 国内建機メーカー向けに、キャビン用小型液封マウントの開発を新たに開始いたしました。
② 海外建機メーカー向けに、キャビン用液封マウントの開発を新たに開始いたしました。
③ 国内鉄道車両メーカー用防振ゴムを新たに受注いたしました。
① 当社タイ子会社で生産する、日系商用車メーカー向けに、サスペンション用ロッドの量産を新たに開始いたしました。
② 当社タイ子会社で生産する、日系商用車メーカー向けに、サスペンション用ブッシュの量産を新たに開始いたしました。
③ 当社タイ子会社で生産する、欧州系新規建機メーカー向けに、エンジンマウントを新たに受注いたしました。
④ 当社タイ子会社で生産する、欧米系自動車メーカー向けに、ガソリンエンジン用ダンパープーリーを新たに受注いたしました。
⑤ 当社タイ子会社で生産する、日系自動車メーカー向けに、ガソリンエンジン用ダンパープーリーを新たに受注いたしました。
ライフサイエンス関連事業の拡大を目標として、当社にとって新たな商品であるマイクロ流路チップの商品化のため、新たに研究拠点を立ち上げました。
以下に記載される全ての財務情報は、当有価証券報告書において開示される連結財務諸表に基づいております。また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社が連結財務諸表を作成する際の会計基準、および当社の重要な判断と見積りに大きな影響を与える会計方針については「第5 経理の状況」を参照願います。
当連結会計年度末の総資産は、前年同期比13億5百万円(2.0%)増の651億53百万円となりました。うち流動資産は同7億52百万円(2.2%)増の352億15百万円、固定資産は同5億52百万円(1.9%)増の299億38百万円となっております。流動資産の増加は、電子記録債権の増加等によるものです。また固定資産の増加は、設備投資に伴う機械装置及び運搬具等の有形固定資産の増加等によるものです。
当連結会計年度末の負債の合計は、前年同期比5億22百万円(1.8%)増の294億40百万円となりました。うち流動負債は同10億14百万円(4.6%)増の231億93百万円、固定負債は同4億91百万円(7.3%)減の62億47百万円となっております。流動負債の増加は、主として電子記録債務の増加等によるものです。また固定負債の減少は、長期借入金の減少等によるものです。
当連結会計年度末における純資産は、前年同期比7億82百万円(2.2%)増の357億12百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益21億37百万円の計上による利益剰余金の増加と、為替換算調整勘定が円高の影響により前連結会計年度末の14億77百万円から4億67百万円に減少したこと及び1億18百万円の自己株式の取得等によるものです。非支配株主持分は、非支配株主に帰属する当期純利益2億50百万円の計上及び為替換算調整勘定の減少により、前年同期比75百万円(3.5%)増の22億26百万円となりました。
上記の結果、自己資本比率は前年同期比0.1ポイント増の51.4%、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産は前年同期比57.52円増の2,021.71円となりました。
当連結会計年度(以下「当期」という)における当社グループの経営成績は減収減益となりました。
中国及びアセアンの成長は減速気味、その他の新興国も低調でしたが、米国やヨーロッパが安定的に推移し、日本国内も概ね堅調を維持しました。そのような状況の中、自動車生産はグローバルで伸び続けており、当社グループの主力商品群の受注も概ね堅調に推移しましたが、円高基調による換算のマイナスをカバーできず、連結売上高は前年同期比2.2%減の706億63百万円となりました。
損益面では、引き続きグローバル事業体制の構築に積極的に取り組み、その負荷が事業セグメントごとの収益を浮き沈みさせる中、全体として売上原価が増加したことにより、営業利益は前年同期比4.1%減の30億97百万円、経常利益は同0.1%減の33億65百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前期にホース事業の減損等がありましたため、同8.6%増の21億37百万円となりました。これにより、1株当たりの当期純利益は前年同期比11.47円増の128.15円となっております。
なお、セグメント別の業績分析につきましては、「1.業績等の概要」を参照願います。
当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比59百万円増の67億38百万円となりました。税金等調整前当期純利益が32億62百万円(前年同期は29億40百万円)と増加し、さらに売上債権が前年同期の9百万円の減少から14億30百万円の増加になったこと及び減価償却費が45億2百万円(前年同期は46億64百万円)と減少したこと等が主な要因となります。なお法人税等の支払額は6億39百万円(前年同期は8億59百万円)となっております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比11億82百万円減の57億23百万円の支出となりました。有形固定資産の取得による支出が57億27百万円(前年同期は66億4百万円)に減少したことが主たる要因となります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主として長期借入れによる収入が18億18百万円(前年同期は28億円)に減少したことと、短期借入れによる収入が5億71百万円(前年同期は13億87百万円)となったことが主要因で、前年同期の1億71百万円の収入に対して11億63百万円の支出となりました。なお配当金の支払額は前年同期比5百万円減の3億33百万円となっております。
現金及び現金同等物に係る換算差額は、円高の影響により3億3百万円の減少要因となりました。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べて4億51百万円減少し、81億72百万円となりました。
当社グループは収益の多くの部分を自動車産業に依存しておりますが、2008年のリーマンショックを機に、先進国の自動車メーカーの市場戦略は大きな変化を迫られることとなりました。新興国を中心とした市場への拡販の成否が鍵となり、日系メーカーも世界的な市場再編への対応を急ぐ中、震災や円高等のインパクトで国内空洞化の不安にさらされ、一時はアベノミクス効果による円安と株価の回復、国内景況の安定化に明るさを見出しておりましたが、その後も中国経済の変動や米国トランプ政権の誕生によってSCM戦略の見直しを迫られるなど、複雑な様相を呈しております。同時に、ハイブリッド車や電気自動車が普及し、IoT化や自動運転の実用化が加速し始めるなど、技術的にも大きな「潮目」を迎えつつあります。
当社グループといたしましても、このような変化を見据えつつ確固とした企業理念の制定、10年先を目指した経営ビジョンの構築、3ヵ年中期計画の策定等を行い、目まぐるしい市場と顧客の動きに対応するためのグローバル化戦略を推進してきました。現在はアセアン、中国、韓国、インド、北米、メキシコ、チェコに拠点を築き、主要エリアの市場の成長に追随していく体制を整え、計画的に拡販を進めつつあります。このため拠点の増設や再整備、商品群の海外展開、R&Dを始めとする本社機能の強化等のコストが負担となっている状況ですが、引き続き既存事業の拡大と改善によって収益を確保しながら、新たな分野への投資並びに一層の高収益体質の獲得に向けた取り組みを継続してまいります。