(1) 経営方針と経営戦略
当社グループは「ゴムからはじまる、未来がひろがる」を合言葉に、創業以来ものづくりで培った設計・試作・評価・量産のノウハウを集結させ、今までに無い価値の創造に挑戦し社会に提案し続ける企業を目指しております。
現在の経営方針は2021年2月24日発表の中期経営計画(2021-2023年度)で掲げたとおりであり、以下の目標の達成を目指し、グループ一丸となって取り組んでおります。
(目標)2023年度:連結売上高800億円、経常利益率7%、ROE8%、連結配当性向30%
当社グループは、経営環境への変化に対して以下の如く鋭意取り組んでおります。
①CASE対応
自動車業界の大変革に対応出来る開発体制を構築し、競争力のあるCASE対応製品群を拡充。
②ESG対応
環境プロジェクト部門を新設し、ゴム廃棄物、CO2排出量の大幅削減を目指す。
③DX推進
DX戦略課を新設しDX先進企業を目指す。
④グローバライゼーション対応
アセアン・インド地区、中国地区にエリア制を導入し、現地完結型のスピード経営を推進。
欧州地区は当社プレゼンスを維持しつつ、アライアンスにより競争力を強化。
⑤新規事業開拓
基盤技術を活かし、ライフサイエンス部門を自動車関連と並ぶ柱に育てる。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
当社グループは、国内外10か国に工場および事業所を保有しており、各国の政治体制下における政策、及び経済状況の影響を受ける可能性があります。これに対し、積極的に情報収集を進め、さまざまなケースを想定して対策を講ずるべく努めております。
当社グループは、自動車関連部品が売上高の8割以上を占めるため、自動車メーカー及び一次部品メーカーの経営戦略、生産動向の影響を受けることになります。特に、自動車メーカーのEV化、一次部品メーカーの統合やグローバル生産体制の見直しは、当社グループの需要動向に大きな影響を及ぼす可能性があります。顧客から当社への要請・ニーズの変化等を想定し、日常的な情報収集を進め、必要な技術開発投資などを適切に判断しながら対応策を検討しております。
当社グループが推進する戦略的提携や合弁事業は、パートナーの経営方針や経営環境の変化により維持できなくなる場合があり、その場合には当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、パートナーと常に良好なコミュニケーションを維持しながら情報交換や必要な交渉に努め、不測の事態の回避を図ると同時に、状況の変化に即応できる態勢を維持しております。
当社グループは多数の外部の取引先から原材料及び部品を購入しており、原材料及び部品の高騰、供給逼迫、さらには取引先の廃業などによって影響を被る可能性があります。これに対し、取引先との良好な関係を維持しつつ、製造原価の低減に資する選択的購入や切り替え、災害等の不測の事態における安定調達を目的として、継続的に取引先の拡充や適正化を進めると同時に、取引先の経営状況の把握や必要な支援の提供等にも努めております。
当社グループは海外に多くの取引先や提携先を持ち、事業所を展開しておりますため、為替レートの変動によって当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、継続的に変動を注視するとともに、必要に応じてネッティングや予約等の施策を講じ、可能な限りマイナスインパクトを軽減するべく努めております。
当社グループが保有する、自社製品に関連する多数の特許及び商標等の知的財産が広範囲にわたって保護できない場合、あるいは不当に侵害された場合には、事業活動が影響を被る可能性があります。これに対し、常に侵害に当たる事実の把握に努めており、そのような事実を認めた場合には適切な対抗手段を取れる体制を整えております。
大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、当社グループの業績と財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。これに対し、設計から製品のリリースまでの全プロセスにおいて顧客や取引先との密なる連携に基づく工程並びに機能、品質の作りこみを常に心掛けております。また、万一の事態においては迅速なリカバリーと供給体制の維持に努めます。
自動車部品業界は広範囲な環境その他の法的規制に服しており、これらの規制を遵守するための費用が当社グループの事業にとって重大な金額となる可能性もあります。これに対し、日常的に情報の取得に努め、材料変更、工法・設備の改良、生産地変更など、負担軽減に向けた対応策を講じております。
当社グループは、事業活動を通して得意先、取引先等の個人情報や機密情報を入手することがあり、また営業上・技術上の機密情報を保有しております。万一、サイバー攻撃その他によって情報セキュリティの仕組みが無効化し、これらの情報が流出または破壊された場合や、システムの停止等に陥った場合には、当社グループの業績や財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、万全のセキュリティを企図したグループ・ネットワークを構築し、日々の進化を図るとともに、グループ内の情報セキュリティ教育・啓蒙にも努めております。
(災害・戦争・社会インフラ麻痺等の影響)
当社グループは国内外に広く事業を展開しており、地震や津波等の自然災害、戦争、電力不足等の社会インフラの麻痺、伝染病、パンデミック、テロ、ストライキ等の事象が発生した地域においては、原材料や部品の調達、生産活動、製品の販売及び物流などに遅延や停滞が生じる可能性があります。そのような場合には、当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、日常的に情報の収集と共有を進めているほか、万一の事態においては危機対策本部を設け、「安全最優先」の基本方針に則って従業員の安全・安心を守ると同時に、グループ内の連携と相互支援を強めるなど、経営への影響を最小限にとどめるよう努めております。
当社グループは国内外に広く事業を展開しており、今後、新型コロナウイルス感染症が収束に向かわず国内外の社会・経済がさらなる混乱に陥る場合には、自動車関連の受注の減少、原材料や部品の調達の停滞等により、当社グループの業績と財務状況が大きな影響を被る可能性があります。これに対し、さらなる固定費圧縮、原価低減に向けた改善・合理化推進によって、受注減少下においても利益確保が可能な体質への改善努力を継続いたします。また、従業員および家族の安全を確保するため、テレワークや時差出勤の推奨や、安全・安心な作業環境の整備を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるグローバルの経済情勢は、新型コロナウイルス感染症の拡大により経済が大きく落ち込みました。中国など、比較的順調に回復した地域もありますが、引き続き不透明な状況が続いております。
当社グループの主要顧客先である自動車産業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に生産が落ち込みましたが、米国、中国の自動車販売の復調等により、昨年後半から受注が回復してきました。
このような状況を受け、当社グループの受注は回復傾向にありますが、2020年前半までの新型コロナウイルス感染症による受注の落ち込みが大きく、連結売上高は前年同期比15.5%減の632億14百万円となりました。しかし損益につきましては、受注の大幅な減少に対し、損益分岐点売上高を引き下げるべく、生産工程の合理化、多能工化、間接業務の効率化、人員配置の適正化等、あらゆる改善活動に取り組んだ結果、収益力は確実に向上し、黒字回復しております。営業利益は前年同期比21.1%減の6億93百万円、経常利益は同46.6%増の14億35百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同305.7%増の12億54百万円となっております。
セグメントの経営成績は次のとおりです。
国内、海外ともに堅調に受注が回復してきておりますが、2020年前半までの新型コロナウイルス感染症による受注の落ち込みが大きく、売上高は前年同期比12.1%減の280億62百万円となりました。セグメント損益については、生産合理化、経費削減等の体質改善によって、前年同期比68.5%増の25億41百万円の利益となりました。
受注は回復傾向にあるものの、2020年前半までの新型コロナウイルス感染症による受注の落ち込みが大きく、また回復が遅い製品もあったことから、売上高は前年同期比19.0%減の237億89百万円となりました。セグメント損益については、生産合理化、経費削減等の体質改善の効果もありましたが、売上減少の影響により、前年同期比48.7%減の11億9百万円の利益となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響による受注の落ち込みからの回復が遅く、売上高は前年同期比22.7%減の54億84百万円となりました。セグメント損益については、生産合理化、経費削減等の体質改善が遅れ5億63百万円の損失となりました(前年同期は1億71百万円の損失)。
受注は回復傾向にあるものの、2020年前半までの新型コロナウイルス感染症による受注の落ち込みが大きく、売上高は前年同期比8.7%減の35億21百万円となりました。セグメント損益については、売上高の減少により1億55百万円の損失となりました(前年同期は81百万円の損失)。
受注は回復傾向にあるものの、2020年前半までの新型コロナウイルス感染症による受注の落ち込みが大きく、売上高は前年同期比10.8%減の29億18百万円となりました。セグメント損益については、生産合理化、経費削減等の体質改善の効果もありましたが、売上減少の影響により、前年同期比6.6%減の2億72百万円の利益となりました。
財政状態の状況は次のとおりです。
総資産は、前連結会計年度末に比べて14億28百万円減少し、638億17百万円となりました。
主な要因は、現金及び預金の減少等による流動資産の減少1億4百万円、設備投資の抑制に伴う有形固定資産の減少等による固定資産の減少13億24百万円によるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べて18億8百万円減少し、314億96百万円となりました。
主な要因は、電子記録債務の減少等による流動負債の減少14億41百万円によるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べて3億80百万円増加し、323億21百万円となりました。
主な要因は、利益剰余金の増加10億88百万円、為替換算調整勘定の減少5億62百万円等によるものです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億8百万円減少し、86億68百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は47億54百万円(前年同期は43億89百万円)となりました。これは主に減価償却費43億44百万円、税金等調整前当期利益14億17百万円による資金の増加等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は40億26百万円(前年同期は64億51百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得が43億25百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は8億59百万円(前年同期は12億74百万円の収入)となりました。これは主に借入の返済が収入を5億85百万円上回ったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。なお、当該課税所得を見積るにあたって、前提とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
b.退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。
c.固定資産の減損
固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、将来キャッシュ・フローを見積り、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前年同期比14億28百万円(2.2%)減の638億17百万円となりました。うち流動資産は同1億4百万円(0.3%)減の362億18百万円、固定資産は同13億24百万円(4.6%)減の275億99百万円となっております。流動資産の減少は、借入金の返済等による現金及び預金の減少等によるものです。固定資産の減少は、設備投資の抑制に伴う建物及び構築物、機械装置及び運搬具等の有形固定資産の減少等によるものです。
当連結会計年度末の負債の合計は、前年同期比18億8百万円(5.4%)減の314億96百万円となりました。うち流動負債は同14億41百万円(5.8%)減の232億70百万円、固定負債は同3億67百万円(4.3%)減の82億25百万円となっております。流動負債の減少は、主として仕入債務の減少等によるものです。これは新型コロナウイルス感染症の影響による受注の落ち込みに対して原材料等の仕入れを抑制したこと等により仕入債務が減少したことによるものです。また固定負債の減少は、長期借入金の減少等によるものです。これは新型コロナウイルス感染症の影響による不測の事態に備えて前連結会計年度に調達した借入金の返済が進んだことによるものです。
純資産
当連結会計年度末における純資産は、前年同期比3億80百万円(1.2%)増の323億21百万円となりました。その主な要因は、あらゆる改善活動に取り組んだ結果の収益力向上による利益剰余金の増加が、為替換算調整勘定の減少を上回ったことによるものです。為替換算調整勘定は主としてタイバーツ及びインドネシアルピアの為替変動の影響により前連結会計年度末の1億88百万円から△3億74百万円に減少しました。非支配株主持分は、非支配株主に帰属する当期純損失67百万円の計上による減少と、支払配当金による減少により、前年同期比2億11百万円(8.6%)減の22億35百万円となりました。
上記の結果、自己資本比率は前年同期比1.9ポイント増の47.1%、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産は前年同期比33.60円増の1,814.33円となりました。
当連結会計年度(以下「当期」という)は新型コロナウイルス感染症感染拡大により、世界経済に多大な影響を与えました。それは当社の主要顧客先である自動車産業も例外ではなく、昨年前半は当社グループの受注が大きく落ち込むことになりました。
当社グループは前年より体質改善に取り組んでおりましたが、このように受注が落ち込む中、更なる体質改善を進めるべく、生産工程の合理化、多能工化、間接業務の効率化、人員配置の適正化等により、損益分岐点売上高の引き下げに取り組みました。第2四半期においては売上の減少により損失を計上しておりましたが、これらの取り組みが功を奏し、昨年後半からの受注の回復に伴って通期では利益を確保するに至りました。
当期の業績につきましては、連結売上高が前年同期比15.5%減の632億14百万円、営業利益は前年同期比21.1%減の6億93百万円となりましたが、損益分岐点を引き下げる取り組みにより収益力は確実に向上しており、経常利益は前年同期比46.6%増の14億35百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は305.7%増の12億54百万円となりました。これにより、1株当たりの当期純利益は75.69円(前年同期は18.67円)となっております。
なお、セグメント別の業績分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」を参照願います。
当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比3億65百万円増の47億54百万円となりました。経常利益の増加が主な要因となります。経常利益の増加は、損益分岐点売上高を引き下げるべく、生産工程の合理化、多能工化、間接業務の効率化、人員配置の適正化等、あらゆる改善活動に取り組んだ結果によるものです。なお法人税等の支払額は5億1百万円(前年同期は5億96百万円)となっております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比24億25百万円減の40億26百万円の支出となりました。有形固定資産の取得による支出の減少が主な要因となります。これは新型コロナウイルス感染症による受注の落ち込みに対して、設備投資を抑制したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、8億59百万円の支出(前年同期は12億74百万円の収入)となりました。前連結会計年度は営業活動によるキャッシュ・フローの減少分を補うため金融機関からの借入による資金調達によって財務活動によるキャッシュ・フローは収入となりましたが、当連結会計年度は借入金の返済が収入を上回り5億85百万円の支出となったことが主な要因となります。
現金及び現金同等物に係る換算差額は、主にタイバーツ及びインドネシアルピアの為替変動の影響により77百万円の減少となりました。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べて2億8百万円減少し、86億68百万円となりました。
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資並びに配当金の支払いであります。これらの資金需要につきましては、自己資金及び金融機関からの借入による資金調達にて対応していくことを基本方針としております。
また、突発的な資金需要に備え、当社は主要な取引銀行との間で合計40億円のコミットメントライン契約を締結し、手許流動性リスクに備えております。なお、これについて当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
当連結会計年度末における有利子負債は121億33百万円となっており、前連結会計年度末に比べ8億16百万円減少しております。
キャッシュ・フローの状況の詳細については、「c.キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。
「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載致しましたとおり、当社グループは2023年度に、連結売上高800億円、経常利益率7%、ROE8%の目標を達成するため、既存事業のさらなる拡販、新規事業の創出、および合理化推進や生産性向上に取り組んでおります。
中期経営計画の初年度となる2022年3月期の業績予想としては、2021年5月14日発表の決算短信にて公表のとおり、売上高700億円、営業利益33億円、経常利益35億円、当期純利益22億円を掲げており、現時点での滑り出しは好調と認識しております。
技術供与契約
当社グループは、技術開発本部と事業統括本部を始めとする関連部門とが相互に連携しながら、配合、接着、表面改質、評価・解析など独自の技術を活かした新製品のスピーディな開発を推進しております。2020年4月には、事業毎に分かれていた技術部門を技術開発本部に統合して、市場の変化に対応した商品の開発に最適な新体制に移行いたしました。また、新素材や新技術の研究とその用途開発、並びに塩素や溶剤、CO2等の環境負荷を低減する材料や工法にも積極的に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の総額は、1,390百万円となっております。
自動車分野においては、電動ウォーターポンプ用グロメット、ディスクブレーキ用ピストンシール、冷却装置用 バルブ、冷却装置用パッキン、等速ジョイント用ブーツ等を国内外の顧客向けに開発しております。また、CASE時代にも対応し、EV車バッテリーの熱マネジメント用のバルブやシール等の開発も進めています。
特に当社の主軸商品であるワイパーブレードラバーにおいては、顧客毎に異なるワイパーブレード構造や押し付け力性能に応じたラバー形状を最適設計するシミュレーションツールを開発し、その性能評価を自社で実施することにより、開発期間の短縮を実現いたしました。さらに、自動車の電動化により静粛性などの快適なドライビング環境への要求が高まる中、異音等を大幅に低減するラバー、軽量化を狙った樹脂製ウインドシールド対応のラバー、自動運転に必要な光学センサー用の特殊ラバー等を開発しております。
自動車分野においては、クランクシャフト用ダンパープーリー、車体用ブッシュ等の各種防振ゴム等を国内外の顧客向けに開発しております。一般産業分野においては、建機のキャビン用液封マウント、林業用機械のキャビン用小型液封マウント、エレベーター用防振ゴム、鉄道軌道用防振ゴム、鉄道関連の駆動装置用緩衝ゴム等を国内外の顧客向けに開発しております。
CASE時代に対応した商品についても、EV電池用緩衝材、車載用ECU用防振ゴム等の開発に積極的に取り組んでおります。この他、宇宙関連の電子制御用防振ゴム等、新たな分野においても開発を行っております。
長寿命、高い防振性能等、昨今増加している顧客ニーズにお応えするため、新材料、新形状を積極的に採用し、新しい付加価値をご提供できるよう開発を進めております。
OA製品では、配合技術、接着技術を駆使して、インクジェット・プリンターの大容量タンク向けシール部品、オフィスの高級機種プリンター向けローラーを開発しました。
医療関連分野においては、培養バッグと培地、さらに細胞培養技術を組み合わせることにより、付加価値の向上を図り、製品化・拡販を目指しております。培養バッグでは、新規培養器材や極低温下での耐衝撃性に優れた細胞凍結保存用バッグ等も開発しております。その他、2020年には細胞培養技術と液体培地評価技術を基に専用開発した液体培地により細胞培養上清やエクソソームの製造を開始し、化粧品原料として採用されております。また、薬剤耐性菌の迅速な検出に貢献できる検査キットである、RaST-TAS®の開発も継続しております。
モータ製品においては、高機能レンズ市場向けに高速・高トルクのアクチュエーターを装備した超音波モータ、除菌液やアロマの噴霧器に使用される圧電セラミックス振動子を開発しております。