(1)業績
当連結会計年度(平成28年1月1日~平成28年12月31日)における世界経済は、米国においては、雇用や個人消費を取り巻く環境は良好で、景気は好調に推移しております。11月の大統領選挙でのトランプ氏の勝利後は、保護貿易や移民政策等への批判があるものの、大規模減税やインフラ投資等の経済政策に対する新政権への期待感から、金融市場ではドル高、米国株高が進行しており、FRBによる金利引き上げペースも早まることが予想されています。欧州においては、引き続きテロの脅威、難民流入等の地政学的リスクはあるものの、ECBによる金融緩和策が継続されていること、ユーロ安が輸出関連企業の業績回復に寄与していることより、緩やかに景気の回復が見られました。一方、イギリスでは6月の国民投票においてEU離脱派が勝利したほか、欧州各地で反EU感情の高まりがあり、今後の政治や経済に対する不透明感が高まっております。
中国では、製造業の設備投資、製品輸出等が減速する中、過剰生産能力や過剰債務の問題が顕在化しつつあり、政府による景気刺激策が実施されていますが、効果は限定的なものとなっております。さらに、米国新政権の保護貿易政策は中国にとってリスク要因となることが予想され、輸出の下振れが懸念されております。なお、自動車市場については、小型車減税の効果もあり、好調に推移しております。アセアン地域においては、中国の景気減速の影響を受け、地域差はあるものの全体として景気は減速しております。
日本経済は、年初から円高の進行や株式市場の低迷、中国経済や新興国経済の減速に伴い、景気の先行きに懸念が広がりました。しかし、11月以降は米国新政権の経済政策への期待感から株価は回復し、急激に円安が進行しました。依然として、不透明感はあるものの景気改善が期待されています。一方、個人消費は緩やかな雇用環境の改善がありましたが、根強い節約志向により停滞感がみられました。年初1月には日銀によるマイナス金利政策の導入、8月には政府による大規模経済対策が発表されましたが、現状その効果は限定的なものとなっております。
当社グループの主要事業分野である日本自動車業界に関する状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度における国内自動車市場は、年初からの円高や株式市場の低迷による日本経済への不透明感から販売動向に陰りが出ました。秋以降は新車投入による改善がありましたが、国内販売は5年ぶりに5百万台を割り込む結果となりました。引き続き日本国内の生産は燃費の良い小型車や実用的なミニバンを中心に行われておりますが、軽自動車に関しては燃費不正問題もあって低調に推移しました。
この結果、当連結会計年度における国内四輪車販売台数は、前年比1.5%減の497万台、四輪車輸出台数は、前年比1.2%増の463万台、国内四輪車生産台数は、前年比0.8%減の920万台となりました。一方、国内乗用車メーカー8社の海外生産台数は、北米、中国市場における堅調さを背景に、前年比5.1%増の1,850万台となりました。
このような環境のなか、当連結会計年度の売上高は、50,992百万円(前連結会計年度50,851百万円)、継続的な生産性改善や原価低減活動により営業利益は6,618百万円(前連結会計年度5,764百万円)、経常利益は6,343百万円(前連結会計年度5,849百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,644百万円(前連結会計年度3,322百万円)となり、4期連続で最高益を更新しました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
① 日本
当社顧客向け国内販売が堅調に推移したことに加え、VW向け販売が好調に推移しましたが、年初からの円高により外貨建て売上が影響を受けたこともあり、売上高は28,781百万円(前連結会計年度28,726百万円)、営業利益は1,562百万円(前連結会計年度1,613百万円)となりました。
② 北米
自動車市場は、ガソリン安を背景に昨年来の好調を維持しており、USドル建て売上高は伸びたものの、円高の影響により売上高は13,103百万円(前連結会計年度13,830百万円)となりました。営業利益はロボット化による生産性改善、不採算となっていた曲管ホースの日本子会社への生産移管や西海岸港湾ストライキのあった昨年より物流費削減の効果もあり927百万円(前連結会計年度567百万円)となりました。
③ 中国
経済が減速する中、自動車市場では小型車減税とSUV車の需要増により販売台数は下支えされており、元建て売上高は伸びたものの、円高の影響により売上高は9,175百万円(前連結会計年度9,319百万円)となりました。営業利益は生産性改善活動による効果もあり、1,109百万円(前連結会計年度1,012百万円)となりました。
④ アジア
二輪車市場、四輪車市場ともに内需に陰りがあるものの、二輪用ブレーキホースの販売に加え新しく商品投入したフューエルホースの販売増やベトナムでのGM向け売上が好調に推移したことから、売上高は11,683百万円(前連結会計年度11,822百万円)、営業利益は2,806百万円(前連結会計年度2,743百万円)となりました。
⑤ 欧州
欧州メーカーからの受注により堅調に推移していること、10月よりハッチンソン ニチリン ブレーキ ホーシーズを子会社化したことより、売上高は3,102百万円(前連結会計年度2,607百万円)、営業利益は117百万円(前連結会計年度80百万円)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,020百万円増加し、当連結会計年度末は11,782百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシユ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は5,670百万円の増加(前連結会計年度は5,481百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益6,353百万円(資金の増加)および減価償却費1,504百万円(資金の増加)、売上債権の増加1,076百万円(資金の減少)、法人税等の支払い1,515百万円(資金の減少)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は2,214百万円の減少(前連結会計年度は1,388百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,772百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は1,257百万円の減少(前連結会計年度は1,503百万円の減少)となりました。これは主に、借入金の純減少額306百万円、配当金の支払い353百万円、非支配株主への配当金の支払い596百万円によるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
前年同期比(%) |
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日本 (千円) |
17,876,026 |
104.7 |
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北米 (千円) |
13,110,120 |
95.3 |
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中国 (千円) |
6,457,245 |
100.0 |
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アジア(千円) |
10,781,653 |
99.7 |
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欧州 (千円) |
3,118,382 |
119.6 |
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合計 (千円) |
51,343,427 |
101.3 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当社グループの主要製品である自動車用ホースは、基本的には販売先からの受注による受注生産であり、必要なものを必要な時に納入する「ジャスト・イン・タイム」の定時・定量納入方式を特徴としております。
しかし、販売先より提示を受ける納入内示と実際の納入は、時期、数量が異なるとともに確定受注から納期までは極めて短い期間であります。従って、現実的には販売先からの四半期および翌月の生産計画の内示を基に、過去の実績・当社の生産能力を勘案した見込生産的な生産形態を採っております。
このような理由により、受注高および受注残高を算出することが困難でありますので、その記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
前年同期比(%) |
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日本 (千円) |
17,577,075 |
103.4 |
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北米 (千円) |
13,072,013 |
94.8 |
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中国 (千円) |
6,531,827 |
97.8 |
|
アジア(千円) |
10,767,750 |
99.9 |
|
欧州 (千円) |
3,043,573 |
116.7 |
|
合計 (千円) |
50,992,240 |
100.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
当社グループでは、2015年より中期経営計画(NICHIRIN Growth Strategy 2020:NGS2020)に取り組んでおります。
中期経営計画期間(2015年~2017年~2020年)においては、自動車・住設分野における技術・機能、また、顧客に求められるものが大きく変化するなど、当社グループの製品群にも大きな転換がおとずれ、また、既存事業分野の成長ペースも弱まるなど、事業環境は大きく変化するものと思われます。
このような環境変化を俊敏にとらえ、成り行きの成長ではなく、「失敗を恐れず、高い目標に挑戦する」こと、また、「規模よりもむしろ質重視の経営」を進めることにより、目まぐるしく変化する時代のニーズを的確にとらえ、持続的に「新たな価値」を創造し、提供し続ける企業集団をめざしてまいります。
2017年は、中期経営計画(NGS2020)のハーフターンであり、また、フェーズⅠ(2015年~2017年)の最終年であります。ゴールである2020年、そして、フェーズⅡ(2018年~2020年)に備え、更なる進化と新たな成長を確実なものとすべく、「NGS2020」に示された「6つの全体戦略」をブレークダウンした「重点施策」を年度毎の短期経営計画に落とし込み、着実に遂行することで、「事業(Structure)」、「しくみ(System)」、「人(Skill)」の変革と「企業価値(Business Value)の向上」に取り組んでまいります。
・ビジョン(「NGS2020」のめざす姿)
目まぐるしく変化する時代のニーズを的確にとらえ、持続的に「新たな価値」を創造し、提供し続ける企業集団
・2020年連結経営指針
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売上高 |
30%増(2013年比) |
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営業利益率 |
安定して8%以上を確保 |
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当期純利益率 |
安定して5%以上を確保 |
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自己資本比率 |
50%以上 |
・6つの全体戦略と重点施策
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改革領域 |
全体戦略 |
重点施策 |
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事業 Structure |
1.成長分野の強化・拡大 |
・市場拡大への適切な対応 ・既存商品の適用範囲の拡大 ・既存商品と周辺部品のモジュール化 ・重点拡販商品への注力 |
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2.新たな事業の創造 |
・専門チームの設置による用途開発と確実な種まき ・注力商品分野の拡大(安全装置分野、環境代替エネルギー分野等) |
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3.収益構造の改革・利益体質の強化 |
・選択と集中による経営資源の最適活用 ・工場・事務間接部門の効率化 ・技術開発のスピードアップ ・モノ造り改革 ・購買・生産管理面での改革 ・「きわだち品質」活動継続による顧客満足度向上 ・戦略的活動による構造改革 |
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しくみ System |
4.グローバルな経営管理改革 |
・グローバルな経営管理の仕組み構築 ・連結業績管理の強化、各子会社の原価管理精度向上 ・連結資金管理の強化 ・投資の効率性、財務の健全性、株主還元に留意した財務戦略 |
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人 Skill |
5.グローバル人材の確保と育成 |
・グループでの賃金・人事制度、育成制度、能力基準の統合 ・グループ各社での現地人役員・管理職の登用 ・女性の登用(総合職の採用・海外出向の検討) |
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企業価値向上Business Value |
6.信頼される企業活動・社会への貢献 により、企業価値を高める |
・CSR「企業の社会的責任」、ESG「環境(Environment)・社会(Society)・企業統治(Governance)」、BCP「事業継続計画」への取り組み強化 ・グループ各社のガバナンスと内部統制の強化 ・女性管理職比率向上に向けた制度準備 ・財務面での目標設定と株主還元 |
有価証券報告書に記載しました事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしも事業展開上のリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に務める方針であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年12月31日)現在、入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。
(1)自動車産業から受ける影響について
当社グループの事業は、自動車産業への依存度が90%以上であり、特定の自動車メーカーの系列に属さないものの、自動車業界の動向、顧客企業の業績ならびに顧客の調達方針変更、また、自動車技術の革新等に伴う既存部品の変化などにより、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)製品の欠陥
当社グループでは、製品の品質は事業を維持、発展させるためのもっとも重要なものの1つであると考え、世界基準や取引先の厳しい品質管理基準を遵守するため各種の施策や対策を実施し、製品品質の維持・向上に最大限の注意を払い製造販売しております。しかしながら、自動車の不具合の原因が当社グループの供給した製品の欠陥にある場合、リコール等の処置がなされることがあります。当社グループにおいては、製品の品質確保に万全を期してはおりますが、このような事態が発生した場合、契約上も、法律上もリコール等の処置にかかわる費用を負担しなければならないことがあります。リコール等による多額の費用の発生や顧客満足度の低下は当社グループの評価を下げると共に、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)為替レートの変動
当社グループは、日本、北米、中国、アジア、欧州の各事業拠点において生産と販売を行っており、海外取引のウエイトは高まっております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表においては円換算されております。これらの項目は、現地通貨における価値が変わらなくても、換算時の為替レートの変動の影響を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料価格の変動
当社グループは、製品製造にあたり合成ゴム、補強糸、金属およびゴム部品等の材料を購入しており、これらの価格は原油や金属などの国際相場により大きく変動することがあり、購入価格に影響を受けます。当社グループにおいては、生産改善や経費削減などの原価低減に取り組んでおりますが、原材料価格の著しい変動は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)原材料および部品の特定仕入先への依存
当社グループが製造において使用する一部の原材料・部品については、品質、価格、納期などから特定の仕入先に依存しているものがあります。効率的かつ低コストで供給を受け続けられるかどうかは、当社グループがコントロールできないものも含めて、多くの要因に影響されますが、仕入先の生産体制、技術・研究開発力や経営状態によっては、当社グループの生産に影響を及ぼす可能性があります。
(6)地震等の災害の影響
地震など大規模な自然災害や人的災害が万一発生した場合は、当社グループはもとより発生地域によっては、顧客または仕入先の生産設備等の被害による生産への影響が予想されます。当社グループは、こうした事態に対処するため、その被害を最小限にくい止めるための体制の整備に努めておりますが、災害の規模により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)国際的活動および海外進出に潜在するリスクについて
当社グループの生産および販売活動は、日本をはじめとする海外10ヵ国にわたっています。これら海外市場への事業進出には、以下のようなリスクが内在しており、当該事象が当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・予期しない法律または規制の変更による投資機会の逸失、製造・販売の中止、コスト負担の増加等
・不利な政治的または経済的要因の発生
・戦争、テロ、疾病などによる社会的混乱に伴う材料調達、生産、販売および輸送の遅延や中止
(8)法規制等に関するリスク
当社グループは、事業活動を行っている各国において、投資、貿易、為替管理、独占禁止、環境保護等の各種関係法令の適用を受けております。当社グループは、こうした法令および規制を遵守し、公正な企業活動に努めておりますが、万一法令・規制違反を理由とする訴訟や法的手続きにおいて、当社グループにとって不利な結果が生じた場合、当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)退職給付債務に係る影響について
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。このため、実際の金利水準が変動した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)情報システム障害による影響に関して
当社グループの事務処理において、情報システムの重要性は日増しに高まっており、トラブル発生の場合には、販売・生産などの業務への影響が予想されます。当社グループでは、トラブル回避のため、セキュリティを高めるなどシステムやデータ保護に努めておりますが、災害などの外的要因やウイルスなどにより情報システム障害が発生した場合、その規模によっては、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(11)保有有価証券の時価下落によるリスク
当社グループは、主として取引先との安定的な関係を維持するため取引先等の株式を保有しており、急激な株式市場の悪化により、損益の悪化、また、純資産を減少させる可能性があります。
(12)固定資産の減損
当社グループは、事業環境が大幅に悪化するなどの場合は、減損損失が発生し、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)当社が技術援助等を受けている契約
該当事項はありません。
(2)当社が技術援助等を与えている契約
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相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約期間 |
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和承R&A |
大韓民国 |
自動車用エアコンディショニングホース製造に関する技術 |
平成28年3月5日から 平成31年3月4日まで |
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自動車用ブレーキホース製造に関する技術 |
平成28年3月5日から 平成31年3月4日まで |
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自動車用パワーステアリングホース製造に関する技術 |
平成28年3月5日から 平成31年3月4日まで |
(注)上記についてはロイヤリティーとして純売上高の一定割合を受け取っております。
当社グループは、国内および世界市場における競争力を強化し、顧客ニーズである自動車の安全性向上や快適さを追求する製品、環境に優しい製品を開発するとともに、商品開発力で世界の顧客から期待される自動車用ホースのLeading Companyを目指しております。また、自動車用ホースのみでなく、家電、住宅分野などでも、新製品や新技術の開発に積極的に取り組んでおります。
主要製品であります自動車用ホース分野に関して、液圧ブレーキホースでは、新規ユーザーとして富士重工業への納入を開始しました。また、SUSメッシュホースの新仕様の開発も完了し、今後北米市場向けでの採用に向けた取組みを行う予定です。エアコン関連では、IHX(内部熱交換器)の開発が完了し、複数のメーカーとの受注を確定出来ました。燃料用ホースにおいては、バイオフューエル仕様の開発を完了させ、2017年から納入を開始します。
非自動車分野においては、トイレ用ホースの樹脂継手仕様を開発し、2017年度に量産を開始します。
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,013百万円(前連結会計年度980百万円)であり、日本で研究開発活動を行っております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成においては、資産・負債および収益・費用の適正な開示を行うため、貸倒引当金、退職給付に係る負債、賞与引当金などに関する引当については、過去の実績や当該事象の状況に照らし合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、また価値の下落した投資有価証券の評価や繰延税金資産の計上については、将来の回復可能性や回収可能性などを考慮して計上しております。但し、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用しております会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」および「重要な会計方針」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度(平成28年1月1日~平成28年12月31日)における国内自動車市場は、年初からの円高や株式市場の低迷による日本経済への不透明感から販売動向に陰りが出ました。秋以降は新車投入による改善がありましたが、国内販売は5年ぶりに5百万台を割り込む結果となりました。この結果、当連結会計年度における国内四輪車販売台数は、前年比1.5%減の497万台、四輪車輸出台数は、前年比1.2%増の463万台、国内四輪車生産台数は、前年比0.8%減の920万台となりました。一方、国内乗用車メーカー8社の海外生産台数は、北米、中国市場における堅調さを背景に、前年比5.1%増の1,850万台となりました。
このような環境のなか、当連結会計年度の売上高は、50,992百万円と前連結会計年度(50,851百万円)に比べ0.3%の増収となりました。
(営業利益)
年初からの円高に伴う影響はありましたが、ロボット化による生産性改善活動、生産移管による不採算部門の解消、その他物流費削減の効果もあり、当連結会計年度の営業利益は6,618百万円と前連結会計年度(5,764百万円)に比べ14.8%の増益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
営業利益6,618百万円に対し、為替差損389百万円等の発生により、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は6,353百万円と前連結会計年度(6,163百万円)に比べ3.1%の増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益6,353百万円から、過年度法人税等△177百万円を含む税金費用1,750百万円と非支配株主に帰属する当期純利益958百万円を控除し、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、3,644百万円と前連結会計年度(3,322百万円)に比べ9.7%の増益となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの事業は、自動車産業への依存度が90%以上であり、自動車業界の動向、顧客企業の業績や調達方針の変更などにより、経営成績に重要な影響を受ける可能性があります。
その他の要因につきましては、「第2 事業の状況」の「4.事業等のリスク」に記載しております。
(4)経営戦略の現状と見通し
当社グループでは、2015年を初年度とする中期経営計画(NGS2020)に取り組んでおります。
「NGS2020(2015年~2017年~2020年)」では、オリンピックイヤーである2020年をひとつのゴールと設定し、ビジョン(めざす姿)を明確にし、「2020年連結経営指針」を示しております。
「NGS2020」に示された「6つの全体戦略」をブレークダウンした「重点施策」を年度毎の短期経営計画に落とし込み、着実に遂行することで、「事業(Structure)」、「しくみ(System)」、「人(Skill)」の変革と「企業価値(Business Value)の向上」に取り組んでまいります。
なお、初年度(2015年)実績および2016年実績は下記のとおりであります。4期連続での最高益を更新しており、更なる進化と新たな成長を確実なものとすべく邁進してまいります。
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(百万円) |
2015年実績 |
2016年実績 |
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売上高 |
50,851 |
50,992 |
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営業利益 |
5,764 |
6,618 |
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経常利益 |
5,849 |
6,343 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
3,322 |
3,644 |
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は32,142百万円(前連結会計年度末28,213百万円)となり、3,928百万円増加しました。主な増加内容は、現金及び預金の増加2,231百万円、受取手形及び売掛金の増加990百万円、電子記録債権の増加182百万円、たな卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)の増加483百万円、繰延税金資産の減少240百万円、その他(未収入金等)の増加279百万円などによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は16,743百万円(前連結会計年度末16,852百万円)となり、109百万円減少しました。主な減少内容は、有形固定資産の増加441百万円、のれんの増加194百万円、投資有価証券の減少709百万円などによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は13,128百万円(前連結会計年度末12,336百万円)となり、791百万円増加しました。主な増加内容は、支払手形及び買掛金の増加716百万円、電子記録債務の増加278百万円、その他(未払金等)の減少215百万円などによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は6,657百万円(前連結会計年度末6,941百万円)となり、283百万円減少しました。主な減少内容は、長期借入金の減少227百万円、その他の減少141百万円などによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は29,100百万円(前連結会計年度末25,788百万円)となり、3,311百万円増加しました。主な増加内容は、利益剰余金の増加3,290百万円、その他有価証券評価差額金の減少152百万円、為替換算調整勘定の減少545百万円、非支配株主持分の増加681百万円などによるものであります。
なお、自己資本比率は50.3%となり、前連結会計年度末と比べ1.5%増加しております。
②キャッシュフローの分析
キャッシュ・フローについては「第2 事業の状況」の「1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりでありますが、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フロー5,670百万円の増加から、投資活動によるキャッシュ・フロー2,214百万円を差し引いたフリーキャッシュ・フローは3,456百万円の増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益6,353百万円(資金の増加)、減価償却費1,504百万円(資金の増加)、売上債権の増加1,076百万円(資金の減少)、法人税等の支払額1,515百万円(資金の減少)などにより営業活動による資金は5,670百万円増加し、一方、投資活動による資金の減少2,214百万円の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出1,772百万円に使用したためであります。また、財務活動では、借入金の純減少306百万円および配当金の支払い353百万円、非支配株主への配当金の支払い596百万円により、1,257百万円の減少となりました。その結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,020百万円増加し、11,782百万円となりました。
また、財務政策につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローの拡大および効率的な設備投資の実施により、安定した運転資金の確保ならびに財務体質の向上を図る所存であります。なお、当社グループにおいては、流動性を確保するため金融機関との間で、特定融資枠契約(コミットメントライン契約)500百万円(当連結会計年度末の未使用残高は500百万円)および当座貸越契約2,580百万円(当連結会計年度末の未使用残高は2,580百万円)を締結しております。