第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度(平成29年1月1日~平成29年12月31日)における世界経済は、米国においては、雇用・所得環境の改善が続き、個人消費は底堅く推移しています。企業収益も、内外需の回復に伴い改善しており、設備投資も持ち直しつつあります。これら堅調に推移する経済を背景に、平成29年には3回の金利引き上げが行われ、さらに年末には大規模減税を柱とする税制改革法が成立しました。

欧州においては、英国のEU離脱交渉やカタルーニャ独立運動等で不透明感は残るものの、南欧諸国も含め堅調な景気の回復が続いており、ECBによる金利引き上げを含む金融政策の正常化時期に注目が集まっています。

中国においては、製品輸出が底入れし国内の在庫調整も進展、また、政府によるインフラ投資効果もあり、足元の景気は持ち直しつつあります。一方、環境規制の強化や投資の過熱を懸念した政府による金融市場の引き締めによる景気の冷え込みが懸念されております。

アセアン地域においては、中国の景気の底入れによる輸出の伸びを背景に雇用環境も改善されつつあることから、景気は緩やかな回復傾向にあります。

日本経済は、雇用環境は改善傾向にあり、消費マインドにもやや明るさが見られました。また、平成28年末以降の円安や世界経済の拡大を背景とした輸出の増加により、企業業績も堅調に推移しており、景気は緩やかに回復しております。一方、米国の貿易政策や北朝鮮情勢については、日本にとっての懸念材料となっております。

 

当社グループの主要事業分野である日本自動車業界に関する状況は、次のとおりであります。

当連結会計年度における国内自動車市場は、国内販売の回復傾向が鮮明になり、海外需要に伴う完成車輸出も堅調に推移していることより、国内生産は増加に転じることとなりましたが、9月以降は一部自動車メーカーの無資格検査問題により伸びを欠くこととなりました。引き続き日本国内の生産は、燃費の良い軽自動車や小型車、また実用的なミニバンを中心に行われております。

この結果、当連結会計年度における国内四輪車販売台数は、前年比5.3%増の523万台、四輪車輸出台数は、前年比1.5%増の470万台、国内四輪車生産台数は、前年比5.2%増の968万台となりました。一方、国内乗用車メーカー8社の海外生産台数は、米国でやや陰りが見られるものの中国での堅調さを背景に、前年比4.1%増の1,927万台となりました。

このような環境のなか、当連結会計年度の売上高は59,375百万円(前連結会計年度50,992百万円)、継続的な生産性改善や原価低減活動により営業利益は8,516百万円(前連結会計年度6,618百万円)、経常利益は8,629百万円(前連結会計年度6,343百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,883百万円(前連結会計年度3,644百万円)となり、5期連続で最高益を更新しました。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

 

① 日本

顧客の国内販売は回復傾向が鮮明になり、海外需要も堅調に推移していることより、売上高は31,651百万円(前連結会計年度28,781百万円)、また、引き続き原価低減活動に取り組んでいることより、営業利益は2,323百万円(前連結会計年度1,562百万円)となりました。

② 北米

雇用の安定とガソリン安を背景に堅調に推移してきた北米市場にも、やや陰りが見られるようになり、売上高は12,464百万円(前連結会計年度13,103百万円)、営業利益は658百万円(前連結会計年度927百万円)となりました。

③ 中国

景気には緩やかな回復が見られ、中国市場は小型車減税が縮小されたものの、SUV車の需要増による好調が持続しており、売上高は11,452百万円(前連結会計年度9,175百万円)となりました。営業利益は従来からの生産性改善活動に量産効果が加わり、1,887百万円(前連結会計年度1,109百万円)となりました。

④ アジア

二輪用ブレーキホースの販売に加え、新しく商品投入したフューエルホースの販売が堅調に推移しており、さらに政治不安により低迷していたタイ市場の回復もあり、売上高は14,240百万円(前連結会計年度11,683百万円)、営業利益は3,752百万円(前連結会計年度2,806百万円)となりました。

⑤ 欧州

平成28年10月にハッチンソン ニチリン ブレーキ ホーシーズを子会社化したこと、顧客からの受注が堅調に推移していることより、売上高は5,938百万円(前連結会計年度3,102百万円)となりましたが、子会社化によって生じたのれん償却費もあり、営業利益は121百万円(前連結会計年度117百万円)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,551百万円増加し、当連結会計年度末は15,334百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシユ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金は7,228百万円の増加(前連結会計年度は5,670百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益8,499百万円(資金の増加)および減価償却費1,655百万円(資金の増加)、売上債権の増加1,936百万円(資金の減少)、法人税等の支払い1,676百万円(資金の減少)等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金は2,276百万円の減少(前連結会計年度は2,214百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,482百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金は1,421百万円の減少(前連結会計年度は1,257百万円の減少)となりました。これは主に、借入金の純減少額227百万円、配当金の支払い397百万円、非支配株主への配当金の支払い795百万円によるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

前年同期比(%)

日本 (百万円)

19,025

106.4

北米 (百万円)

12,552

95.7

中国 (百万円)

9,217

142.7

アジア(百万円)

13,071

121.2

欧州 (百万円)

5,840

187.3

合計 (百万円)

59,706

116.3

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当社グループの主要製品である自動車用ホースは、基本的には販売先からの受注による受注生産であり、必要なものを必要な時に納入する「ジャスト・イン・タイム」の定時・定量納入方式を特徴としております。

 しかし、販売先より提示を受ける納入内示と実際の納入は、時期、数量が異なるとともに確定受注から納期までは極めて短い期間であります。従って、現実的には販売先からの四半期および翌月の生産計画の内示を基に、過去の実績・当社の生産能力を勘案した見込生産的な生産形態を採っております。

 このような理由により、受注高および受注残高を算出することが困難でありますので、その記載を省略しております。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

前年同期比(%)

日本 (百万円)

18,998

108.1

北米 (百万円)

12,462

95.3

中国 (百万円)

9,080

139.0

アジア(百万円)

13,052

121.2

欧州 (百万円)

5,781

190.0

合計 (百万円)

59,375

116.4

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「経営理念」に従い、責任と熱意を持ってモノ造りに挑戦し、顧客の信頼を勝ち得ることに喜びを感じ、様々な社会的責任を果たすことで、21世紀に貢献できる企業グループを目指しております。

経営理念

心が触れ合うモノ造り 信頼と喜びの行動で 21世紀に貢献する。

・経営品質を高め、顧客・株主・社会から期待され、信頼されるグローバルな企業として発展する。

・お客様に喜んでいただける商品、もしくは価値を提供することで、社会に貢献する。

・自由闊達で、常に新しいことに挑戦する企業風土をつくる。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、2015年より中期経営計画(NICHIRIN Growth Strategy 2020:NGS2020[2015年~2020年])に取り組んでおります。

中期経営計画では、創立100周年(2014年)を新たなスタートと位置づけ、オリンピックイヤーである2020年をゴールとして、「ビジョン(目指す姿)」と「2020年連結経営指針」を示すと同時に、中期経営計画期間(6年間)で取り組むべき「6つの全体戦略」と「重点施策」の確実な遂行により、「事業」「しくみ」「人」の変革と「企業価値」の向上に取り組んでおります。

 

・NGS2020における「6つの全体戦略」と改革領域

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(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

中期経営計画(NGS2020)では、「ビジョン(めざす姿)」を明確にし、「2020年連結経営指針」を次のとおり定めております。

 

・ビジョン(「NGS2020」のめざす姿)

目まぐるしく変化する時代のニーズを的確にとらえ、持続的に「新たな価値」を創造し、提供し続ける企業集団

 

・2020年連結経営指針

売上高

30増(2013年比)

営業利益率

安定して8%以上を確保

親会社株主に帰属する当期純利益率

安定して5%以上を確保

自己資本比率

50%以上

 

中期経営計画期間(2015年~2020年)の最初の3年間(フェーズⅠ[2015年~2017年])の業績は次のとおりであります。

(単位:百万円)

2015年実績

2016年実績

2017年実績

売上高

50,851

50,992

59,375

営業利益

5,764

6,618

8,516

(率)

11.3%

13.0%

14.3%

経常利益

5,849

6,343

8,629

(率)

11.5%

12.4%

14.5%

親会社株主に帰属する当期純利益

(率)

3,322

6.5%

3,644

7.1%

4,883

8.2%

自己資本比率

48.8%

50.3%

53.0%

 

・2020年連結経営目標

本年よりフェーズⅡ(2018年~2020年)を迎えるにあたり、中期経営計画(NGS2020)策定時に設定した2020年連結経営指針での営業利益率(安定して8%以上を確保)、親会社株主に帰属する当期純利益率(安定して5%以上を確保)、自己資本比率50%以上についても既に達成していることも踏まえ、次のとおり、新たに最終年度である2020年の連結経営目標を設定しております。

(単位:百万円)

売上高

60,500以上

営業利益

8,700以上

経常利益

8,700以上

親会社株主に帰属する当期純利益

5,400以上

 

(4)経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題

フェーズⅠでは、新規事業での拡販、既存商品の拡大、ロボットの活用等による生産性改善、ニチリングループ全体での世界最適生産活動に取り組むとともに、中長期的な視点での改革にチャレンジしてまいりました。

フェーズⅡにおける製品群の転換(電動化によるパワーステアリング用ホースの減少)の影響は連結売上高で48億円程度の減少と見込んでおります。この影響を最小限にするため、新規事業であるIHX(カーエアコン用熱交換パイプ)の拡販および国内および海外メーカーの新規受注活動等に取り組み、減少分を補完する目途はつきつつありますが、中国新会社の設立による工場建設と新会社への事業移転、ベトナム・インドネシア子会社の工場拡張、急速に進みつつある自動車のEV化への対応等利益圧迫要因もあり、これらの重要課題に集中的に対応していく必要があります。

このような環境下、フェーズⅡにおいては、規模の拡大をむやみに追い求めるのではなく、2017年の連結業績を基準に、これを後退させることなく、安定した利益の確保に注力してまいります。

グループ全体のクオリティを高め、その期待に応えられる企業集団に成長していくため、「6つの全体戦略」をブレークダウンした「重点施策」を年度ごとの短期経営計画に落とし込み、着実に遂行することで、「事業(Structure)」、「しくみ(System)」、「人(Skill)」の変革と「企業価値(Business Value)の向上」に取り組んでまいります。

・6つの全体戦略と重点施策(フェーズⅡ)

改革領域

全体戦略

重点施策

事業
Structure

1.成長分野の強化・拡大

■重点拡販商品への注力(IHX・樹脂リキッド・成型ホースなど)   

■既存・新規顧客への拡販強化

■欧米メーカー比率のアップ(スペイン子会社とのシナジー)

■市場拡大への適切な対応   

2.新たな事業の創造

■専門チームの設置による用途開発と確実な種まき   

(次世代の柱となる商品の上市)

■環境分野等での開発案件への注力

■産業用設備分野(要素技術のビジネス化)

3.収益構造の改革・利益体質の強化

■選択と集中による経営資源の最適活用

■工場・事務間接部門の効率化

(ルーチン業務の徹底した標準化)

■技術開発のスピードアップ

◎開発業務の重点集中

■モノ造り改革と内部コストの圧縮

◎内外製の分担見直しによる効率化、および設備投資のミニマイズ化(垂直立上げの推進)

◎次世代工法の確立

◎次世代製造設備の開発(要素技術開発による競争力強化)

◎材料革命

◎樹脂技術の蓄積と活用(樹脂メーカーとのコラボ)

■中期購買活動方針に基づく変動費比率の低減

◎ポテンシャルサプライヤーの優先

◎サプライヤー情報の一元化

◎海外調達・現地調達の拡大

■「きわだち品質」活動推進による顧客満足度向上

(グループQMS強化)

■戦略的活動による構造改革

(世界最適生産・拠点間シナジーの糾合)

◎北米・欧州拠点の戦略的改革

◎中国リスクへの対応(強まる環境リスクへの先手対応)

◎ベトナム新工場建設

しくみ

System

4.グローバルな経営管理改革

■グローバルな経営管理システムの導入推進による間接部門の効率化と連結業績管理の強化

(生産管理、財務管理、スペイン子会社との統合システムの確立)

■連結資金管理の強化

■投資の効率性、財務の健全性、株主還元に留意した財務戦略

Skill

5.グローバル人材の確保と育成

・グループ社員能力の可能性を最大限に高める

・多様性のある人材登用による企業の活性化と競争力強化

■グループでの賃金・人事制度、育成制度、能力基準の統合志向

(人材情報の可視化による計画的な人材育成と戦略的人事対応)

■グループ各社での現地人役員・管理職の登用

■多様性に満ちた人材登用による企業の活性化と競争力強化

◎国内における外国人比率アップ(2022年 主要部門で 15%)

◎国内における女性の登用

(総合職の採用・海外出向の検討)

(女性の登用により、女性比率 2022年主要部門で 20%)

企業価値向上Business Value

6.信頼される企業活動・社会への貢献により、企業価値を高める

・説明責任を果たし透明性のある信頼される企業

・環境保全やCSR活動を通じた社会的責任

■CSR「企業の社会的責任」、ESG「環境(Environment)・社会 (Society)・企業統治(Governance)」、BCP「事業継続計画」への取組強化を継続

■グループ各社のガバナンス・内部統制の継続的改善と強化

■女性管理職比率向上に向けた制度準備

■財務面での目標設定と株主還元

 

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載しました事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしも事業展開上のリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に務める方針であります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年12月31日)現在、入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。

 

(1)自動車産業から受ける影響について

 当社グループの事業は、自動車産業への依存度が90%以上であり、特定の自動車メーカーの系列に属さないものの、自動車業界の動向、顧客企業の業績ならびに顧客の調達方針変更、また、自動車技術の革新等に伴う既存部品の変化などにより、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)製品の欠陥

 当社グループでは、製品の品質は事業を維持、発展させるためのもっとも重要なものの1つであると考え、世界基準や取引先の厳しい品質管理基準を遵守するため各種の施策や対策を実施し、製品品質の維持・向上に最大限の注意を払い製造販売しております。しかしながら、自動車の不具合の原因が当社グループの供給した製品の欠陥にある場合、リコール等の処置がなされることがあります。当社グループにおいては、製品の品質確保に万全を期してはおりますが、このような事態が発生した場合、契約上も、法律上もリコール等の処置にかかわる費用を負担しなければならないことがあります。リコール等による多額の費用の発生や顧客満足度の低下は当社グループの評価を下げると共に、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)為替レートの変動

 当社グループは、日本、北米、中国、アジア、欧州の各事業拠点において生産と販売を行っており、海外取引のウエイトは高まっております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表においては円換算されております。これらの項目は、現地通貨における価値が変わらなくても、換算時の為替レートの変動の影響を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料価格の変動

 当社グループは、製品製造にあたり合成ゴム、補強糸、金属およびゴム部品等の材料を購入しており、これらの価格は原油や金属などの国際相場により大きく変動することがあり、購入価格に影響を受けます。当社グループにおいては、生産改善や経費削減などの原価低減に取り組んでおりますが、原材料価格の著しい変動は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)原材料および部品の特定仕入先への依存

 当社グループが製造において使用する一部の原材料・部品については、品質、価格、納期などから特定の仕入先に依存しているものがあります。効率的かつ低コストで供給を受け続けられるかどうかは、当社グループがコントロールできないものも含めて、多くの要因に影響されますが、仕入先の生産体制、技術・研究開発力や経営状態によっては、当社グループの生産に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)地震等の災害の影響

 地震など大規模な自然災害や人的災害が万一発生した場合は、当社グループはもとより発生地域によっては、顧客または仕入先の生産設備等の被害による生産への影響が予想されます。当社グループは、こうした事態に対処するため、その被害を最小限にくい止めるための体制の整備に努めておりますが、災害の規模により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)国際的活動および海外進出に潜在するリスクについて

 当社グループの生産および販売活動は、日本をはじめとする海外10ヵ国にわたっています。これら海外市場への事業進出には、以下のようなリスクが内在しており、当該事象が当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・予期しない法律または規制の変更による投資機会の逸失、製造・販売の中止、コスト負担の増加等

・不利な政治的または経済的要因の発生

・戦争、テロ、疾病などによる社会的混乱に伴う材料調達、生産、販売および輸送の遅延や中止

 

(8)法規制等に関するリスク

 当社グループは、事業活動を行っている各国において、投資、貿易、為替管理、独占禁止、環境保護等の各種関係法令の適用を受けております。当社グループは、こうした法令および規制を遵守し、公正な企業活動に努めておりますが、万一法令・規制違反を理由とする訴訟や法的手続きにおいて、当社グループにとって不利な結果が生じた場合、当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)退職給付債務に係る影響について

 当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。このため、実際の金利水準が変動した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10)情報システム障害による影響に関して

 当社グループの事務処理において、情報システムの重要性は日増しに高まっており、トラブル発生の場合には、販売・生産などの業務への影響が予想されます。当社グループでは、トラブル回避のため、セキュリティを高めるなどシステムやデータ保護に努めておりますが、災害などの外的要因やウイルスなどにより情報システム障害が発生した場合、その規模によっては、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

(11)保有有価証券の時価下落によるリスク

 当社グループは、主として取引先との安定的な関係を維持するため取引先等の株式を保有しており、急激な株式市場の悪化により、損益の悪化、また、純資産を減少させる可能性があります。

(12)固定資産の減損

 当社グループは、事業環境が大幅に悪化するなどの場合は、減損損失が発生し、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

(1)当社が技術援助等を受けている契約

 該当事項はありません。

(2)当社が技術援助等を与えている契約

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

和承R&A

大韓民国

自動車用エアコンディショニングホース製造に関する技術

平成28年3月5日から

平成31年3月4日まで

自動車用ブレーキホース製造に関する技術

平成28年3月5日から

平成31年3月4日まで

自動車用パワーステアリングホース製造に関する技術

平成28年3月5日から

平成31年3月4日まで

 (注)上記についてはロイヤリティーとして純売上高の一定割合を受け取っております。

 

(3)合弁契約

当社は平成29年5月26日、取締役会において、上海北蔡工業有限公司との間で中国に合弁会社を設立することを決議し、両社は平成29年5月31日に合弁契約を締結いたしました。

1.合弁契約の目的

 当社は平成8年12月3日、中国上海市浦東新区北蔡鎮において、上海北蔡工業有限公司と合弁会社「上海日輪汽車配件有限公司」(以下「上海日輪」という。)を設立しております。上海日輪の業容は拡大しており、今後の受注拡大対応に向けた生産能力の強化も必要となりますが、設立後20年を経過していることより、その所在地域の都市化も進み、工場用地の拡大も困難な状況にあります。また、将来的な都市計画によっては、移転問題や環境問題への対応も懸念されます。今般、これら課題に先んじて対応するべく、江蘇省常熟市に、上海北蔡工業有限公司と新たな合弁会社を設立し、新工場を建設、上海日輪の事業を順次移管し、一層の業容拡大を図ることを計画し、合弁会社を設立することといたしました。

 なお、最終的に上海日輪の全事業を移管後には、同社の清算を予定しております。

 

2.合弁会社の概要

(1)名称

蘇州日輪汽車部件有限公司

(2)所在地

中華人民共和国 江蘇省 常熟市

(3)代表者

董事長 胡 建華(上海北蔡 董事長)

(4)事業内容

自動車・二輪車用各種ホース等の製造・販売

(5)資本金

US$ 1,400万相当元(88,810千中国元)

(6)決算期

12月

(7)設立年月日

平成29年12月19日

(8)持分比率

当社72%、上海北蔡工業有限公司28%

 

3.合弁相手先の概要

(1)名称

上海北蔡工業有限公司

(2)所在地

中華人民共和国 上海市 浦東新区 北蔡鎮

(3)代表者

董事長 胡 建華

(4)事業内容

投資・企業資産管理

(5)資本金

1億元

(6)設立年月日

平成5年9月17日

(7)純資産

6.01億元

(8)総資産

7.27億元

(9)大株主及び持株比率

上海市浦東新区北蔡鎮人民政府  90%
上海北蔡資産管理有限公司    5%
上海浦東華麗工貿公司      5%

(10)上場会社と当該会社の関係

資本関係

該当事項はありません。

人的関係

該当事項はありません。

取引関係

該当事項はありません。

関連当事者への該当状況

該当事項はありません。

 

4.日程

(1)取締役会決議日

平成29年5月26日

(2)契約締結日

平成29年5月31日

(3)合弁会社設立日

平成29年12月19日

 

(参考)

1.上海日輪の概要

(1)名称

上海日輪汽車配件有限公司

(2)所在地

中華人民共和国 上海市 浦東新区 北蔡鎮

(3)代表者

董事長 朱 宝家

(4)事業内容

自動車・二輪車用各種ホース等の製造・販売

(5)資本金

3,788万元

(6)決算期

12月

(7)設立年月日

平成8年12月3日

(8)持分比率

当社72%、上海北蔡工業有限公司28%

 

 

6【研究開発活動】

当社グループは、国内および世界市場における競争力を強化し、顧客ニーズである自動車の安全性向上や快適さを追求する製品、環境に優しい製品を開発するとともに、商品開発力で世界の顧客から期待される自動車用ホースのLeading Companyを目指しております。また、自動車用ホースのみでなく、家電、住宅分野などでも、新製品や新技術の開発に積極的に取り組んでおります。

主要製品であります自動車用ホース分野に関して、エアコン関連では、新商品のIHX(内部熱交換器)の量産が始まり、三菱自動車向けの納入を開始しました。液圧ブレーキホースでは、ブラケットと中間口金具を固定する新技術を取り入れ、本田N-BOX用として量産を開始しました。また、新ホース生産ラインを構築し、四輪用ブレーキホースの増産対応が出来る様、製造ラインを改造しました。燃料用ホースにおいては、燃料透過の法規制が厳しくなり、この要求に応えるべく、現在開発を推進中です。

非自動車分野においては、トイレ用ホースの樹脂継手仕様の量産を開始しました。また、金属用継手の安価仕様は開発完了済で、樹脂継手仕様は今後、拡大展開していく予定です。

当連結会計年度の研究開発費の総額は1,087百万円(前連結会計年度1,013百万円)であり、日本で研究開発活動を行っております。

 

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
 連結財務諸表の作成においては、資産・負債および収益・費用の適正な開示を行うため、貸倒引当金、退職給付に係る負債、賞与引当金などに関する引当については、過去の実績や当該事象の状況に照らし合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、また価値の下落した投資有価証券の評価や繰延税金資産の計上については、将来の回復可能性や回収可能性などを考慮して計上しております。但し、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、見積りと異なる場合があります。
 当社グループが採用しております会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」および「重要な会計方針」に記載のとおりであります。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度(平成29年1月1日~平成29年12月31日)における国内自動車市場は、国内販売の回復傾向が鮮明になり、海外需要に伴う完成車輸出も堅調に推移していることより、国内生産は増加に転じることになりましたが、9月以降は一部自動車メーカーの無資格検査問題により伸びを欠くこととなりました。この結果、当連結会計年度における国内四輪車販売台数は、前年比5.3%増の523万台、四輪車輸出台数は、前年比1.5%増の470万台、国内四輪車生産台数は、前年比5.2%増の968万台となりました。一方、国内乗用車メーカー8社の海外生産台数は、米国でやや陰りが見られるものの中国での堅調さを背景に、前年比4.1%増の1,927万台となりました。

このような環境のなか、当連結会計年度の売上高は、59,375百万円と前連結会計年度(50,992百万円)に比べ16.4%の増収となりました。

(営業利益)

ロボット化による生産性改善活動のほか、特に中国では量産効果が加わったことにより、当連結会計年度の営業利益は8,516百万円と前連結会計年度(6,618百万円)に比べ28.7%の増益となりました。

(税金等調整前当期純利益)

営業利益8,516百万円に対し、受取利息106百万円等の計上により、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は8,499百万円と前連結会計年度(6,353百万円)に比べ33.8%の増益となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益

税金等調整前当期純利益8,499百万円から、税金費用2,207百万円と非支配株主に帰属する当期純利益1,409百万円を控除し、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は4,883百万円と前連結会計年度(3,644百万円)に比べ34.0%の増益となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの事業は、自動車産業への依存度が90%以上であり、自動車業界の動向、顧客企業の業績や調達方針の変更などにより、経営成績に重要な影響を受ける可能性があります。

 その他の要因につきましては、「第2 事業の状況」の「4.事業等のリスク」に記載しております。

 

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①財政状態の分析

(流動資産)
 当連結会計年度末における流動資産の残高は37,787百万円(前連結会計年度末32,142百万円)となり、5,645百万円増加しました。主な増加内容は、現金及び預金の増加3,393百万円、受取手形及び売掛金の増加1,896百万円、電子記録債権の増加210百万円、たな卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)の増加405百万円、その他(未収入金等)の減少239百万円などによるものであります。

(固定資産)
 当連結会計年度末における固定資産の残高は17,875百万円(前連結会計年度末16,743百万円)となり、1,131百万円増加しました。主な増加内容は、有形固定資産の増加834百万円、投資有価証券の増加454百万円などによるものであります。

(流動負債)
 当連結会計年度末における流動負債の残高は14,217百万円(前連結会計年度末13,128百万円)となり、1,089百万円増加しました。主な増加内容は、支払手形及び買掛金の増加522百万円、電子記録債務の増加421百万円、未払法人税等の増加503百万円、その他(未払金等)の減少230百万円などによるものであります。

(固定負債)
 当連結会計年度末における固定負債の残高は6,699百万円(前連結会計年度末6,657百万円)となり、42百万円増加しました。主な増加内容は、長期借入金の減少134百万円、繰延税金負債の増加325百万円、その他(長期未払金等)の減少88百万円などによるものであります。

(純資産)
 当連結会計年度末における純資産の残高は34,745百万円(前連結会計年度末29,100百万円)となり、5,645百万円増加しました。主な増加内容は、利益剰余金の増加4,568百万円、その他有価証券評価差額金の増加295百万円、為替換算調整勘定の増加67百万円、非支配株主持分の増加727百万円などによるものであります。

なお、自己資本比率は53.0%となり、前連結会計年度末と比べ2.7%増加しております。

 

②キャッシュフローの分析

 キャッシュ・フローについては「第2 事業の状況」の「1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりでありますが、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フロー7,228百万円の増加から、投資活動によるキャッシュ・フロー2,276百万円を差し引いたフリーキャッシュ・フローは4,951百万円の増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益8,499百万円(資金の増加)、減価償却費1,655百万円(資金の増加)、売上債権の増加1,936百万円(資金の減少)、法人税等の支払額1,676百万円(資金の減少)などにより営業活動による資金は7,228百万円増加し、一方、投資活動による資金の減少2,276百万円の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出2,482百万円に使用したためであります。また、財務活動では、借入金の純減少227百万円および配当金の支払い397百万円、非支配株主への配当金の支払い795百万円により、1,421百万円の減少となりました。その結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,551百万円増加し、15,334百万円となりました。

 また、財務政策につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローの拡大および効率的な設備投資の実施により、安定した運転資金の確保ならびに財務体質の向上を図る所存であります。なお、当社グループにおいては、流動性を確保するため金融機関との間で、当座貸越契約2,580百万円(当連結会計年度末の未使用残高は2,580百万円)を締結しております。