第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「経営理念」に従い、責任と熱意を持ってモノ造りに挑戦し、顧客の信頼を勝ち得ることに喜びを感じ、様々な社会的責任を果たすことで、21世紀に貢献できる企業グループを目指しております。

経営理念

心が触れ合うモノ造り 信頼と喜びの行動で 21世紀に貢献する。

・経営品質を高め、顧客・株主・社会から期待され、信頼されるグローバルな企業として発展する。

・お客様に喜んでいただける商品、もしくは価値を提供することで、社会に貢献する。

・自由闊達で、常に新しいことに挑戦する企業風土をつくる。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、2018年より中期経営計画(NICHIRIN Growth Strategy 2020:NGS2020[2015年~2020年])のフェーズⅡ[2018年~2020年]に取り組み、本年はその最終年度を迎えます。

NGS2020における「6つの全体戦略」と改革領域は次のとおりであります。

 

・NGS2020における「6つの全体戦略」と改革領域

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(3)目標とする経営指標

フェーズⅠの最終年度(2017年)、フェーズⅡ(2018年~2020年)の経営成績および2020年の連結経営目標は次のとおりであります。

2019年以降の世界経済の減速、北米・欧州地域の経営環境の厳しさ、当社グループにおける大型プロジェクトの遂行などが利益を圧迫することとなり、また、中国子会社間での生産移転・英国子会社の本年6月末での生産停止に伴う特別損失の計上により2019年は減収減益となりました。

2020年の連結経営目標については、現在の経営環境および年初からの新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受けた中国政府の春節(旧正月)連休の延長決定と工場稼働中止が長引くことに伴う中国主要顧客の生産計画の見直しなどの懸念も考慮したものであります。

(単位:百万円)

2017年実績

2018年実績

2019年実績

2020年連結経営目標

従前の目標値

(2018年2月14日)

新たな目標値

売上高

59,375

62,413

61,073

60,500以上

62,000

営業利益

8,516

8,449

6,219

8,700以上

6,300

経常利益

8,629

8,512

6,243

8,700以上

6,300

親会社株主に帰属
する当期純利益

4,883

4,644

2,748

5,400以上

3,300

(注)1.為替レートについて、従前の目標値は1US$=110円としておりましたが、新たな目標値は1US$=107円としております。

2.2020年連結経営目標(新たな目標値)は、2020年2月14日付決算短信にて開示した2020年の通期連結業績予想によるものですが、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大および相次ぐ自動車メーカーの操業停止を踏まえ、2020年3月23日付適時開示にて2020年の通期連結業績予想を未定に修正しております。

 

(4)経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題

フェーズⅡでは、製品群の転換(電動化によるパワーステアリング用ホースの減少)の影響を最小限にするべく、新規事業であるIHX(カーエアコン用内部熱交換器)の拡販、国内および海外メーカーへの新規受注活動に取り組むとともに、ベトナム・インドネシア子会社の事業強化、中国での環境問題対応と事業拡大を狙いとして中国子会社間での生産移転、インド合弁事業の開始などの大型プロジェクトを進めております。

北米・欧州地域では、主要顧客の英国およびトルコ工場の同時閉鎖決定、主要顧客の販売減(特にセダン車の販売不振)の影響など経営環境も厳しさを増しております。

このような環境下、英国子会社の2020年6月末での生産停止とスペイン子会社への商権移管など効率的な再編、北米子会社の業績改善にも着手しております。

間接部門の効率化については、グローバルワンシステムの導入を計画的に進め、多様性に満ちた人材登用による企業の活性化への取り組みも確実に実行しております。

本年は北米・欧州地域での改革的取り組みによる業績改善はもちろん、上海日輪汽車配件有限公司から蘇州日輪汽車部件有限公司への全面移管、インド合弁会社(ニチリン インペリアル オートパーツ インディア プライベート リミテッド)の本格稼働、新たに設置したグローバル イノベーション推進部によるモノ造りの要素技術開発と工程設計も重視した新規商品開発に努め、新たな柱となる新規商品開発のスピード化を図ってまいります。

グループ全体のクオリティを高め、その期待に応えられる企業集団に成長していくため、「6つの全体戦略」を年度毎に「重点施策・経営課題」として短期経営計画に落とし込み確実に遂行することで、「事業(Structure)」、「しくみ(System)」、「人(Skill)」の変革と「企業価値(Business Value)の向上」に取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載しました事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしも事業展開上のリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に務める方針であります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年12月31日)現在、入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。

 

(1)自動車産業から受ける影響について

 当社グループの事業は、自動車産業への依存度が90%以上であり、特定の自動車メーカーの系列に属さないものの、自動車業界の動向、顧客企業の業績ならびに顧客の調達方針変更、また、自動車技術の革新等に伴う既存部品の変化などにより、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)製品の欠陥

 当社グループでは、製品の品質は事業を維持、発展させるためのもっとも重要なものの1つであると考え、世界基準や取引先の厳しい品質管理基準を遵守するため各種の施策や対策を実施し、製品品質の維持・向上に最大限の注意を払い製造販売しております。しかしながら、自動車の不具合の原因が当社グループの供給した製品の欠陥にある場合、リコール等の処置がなされることがあります。当社グループにおいては、製品の品質確保に万全を期してはおりますが、このような事態が発生した場合、契約上も、法律上もリコール等の処置にかかわる費用を負担しなければならないことがあります。リコール等による多額の費用の発生や顧客満足度の低下は当社グループの評価を下げると共に、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)為替レートの変動

 当社グループは、日本、北米、中国、アジア、欧州の各事業拠点において生産と販売を行っており、海外取引のウエイトは高まっております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表においては円換算されております。これらの項目は、現地通貨における価値が変わらなくても、換算時の為替レートの変動の影響を受け、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料価格の変動

 当社グループは、製品製造にあたり合成ゴム、補強糸、金属およびゴム部品等の材料を購入しており、これらの価格は原油や金属などの国際相場により大きく変動することがあり、購入価格に影響を受けます。当社グループにおいては、生産改善や経費削減などの原価低減に取り組んでおりますが、原材料価格の著しい変動は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)原材料および部品の特定仕入先への依存

 当社グループが製造において使用する一部の原材料・部品については、品質、価格、納期などから特定の仕入先に依存しているものがあります。効率的かつ低コストで供給を受け続けられるかどうかは、当社グループがコントロールできないものも含めて、多くの要因に影響されますが、仕入先の生産体制、技術・研究開発力や経営状態によっては、当社グループの生産に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)地震等の災害の影響

 地震など大規模な自然災害や人的災害が万一発生した場合は、当社グループはもとより発生地域によっては、顧客または仕入先の生産設備等の被害やサプライチェーンの混乱等による生産への影響が予想されます。当社グループは、こうした事態に対処するため、その被害を最小限にくい止めるための体制の整備に努めておりますが、災害の規模により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)国際的活動および海外進出に潜在するリスクについて

 当社グループの生産および販売活動は、日本をはじめとする海外10ヵ国にわたっています。これら海外市場への事業進出には、以下のようなリスクが内在しており、当該事象が当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・予期しない法律または規制の変更による投資機会の逸失、製造・販売の中止、コスト負担の増加等

・不利な政治的または経済的要因の発生

・戦争、テロ、疾病などによる社会的混乱に伴う材料調達、生産、販売および輸送の遅延や中止

 

(8)法規制等に関するリスク

 当社グループは、事業活動を行っている各国において、投資、貿易、為替管理、独占禁止、環境保護等の各種関係法令の適用を受けております。当社グループは、こうした法令および規制を遵守し、公正な企業活動に努めておりますが、万一法令・規制違反を理由とする訴訟や法的手続きにおいて、当社グループにとって不利な結果が生じた場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)退職給付債務に係る影響について

 当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。このため、実際の金利水準が変動した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)情報システム障害による影響に関して

 当社グループの事務処理において、情報システムの重要性は日増しに高まっており、トラブル発生の場合には、販売・生産などの業務への影響が予想されます。当社グループでは、トラブル回避のため、セキュリティを高めるなどシステムやデータ保護に努めておりますが、災害などの外的要因やウイルスなどにより情報システム障害が発生した場合、その規模によっては、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

(11)保有有価証券の時価下落によるリスク

 当社グループは、主として取引先との安定的な関係を維持するため取引先等の株式を保有しており、急激な株式市場の悪化により、損益の悪化、また、純資産を減少させる可能性があります。

(12)固定資産の減損

 当社グループは、事業環境が大幅に悪化するなどの場合は、減損損失が発生し、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度(2019年1月1日~2019年12月31日)における世界経済は、米国においては、雇用・所得環境は緩やかな改善が続いており、さらにFRBの予防的な利下げ政策の効果もあり、内需は引き続き堅調に推移する一方で、中国向け輸出での大幅な減少をはじめ世界的な需要の減速により、製造業の生産は低調に推移しております。また、米国の関税引き上げに端を発した米中貿易協議については、2019年12月にて一部の合意があり、今後の協議にも世界的な注目が集まっております。

 欧州においては、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移する一方で、外需の減速や製造業における在庫調整により景気の回復は緩慢なものとなっております。英国に関しては、EUからの離脱協定案が2019年12月の英議会で承認されたことにより「合意あり離脱」が実現することとなったものの、個人消費や設備投資の低迷から引き続き景気は低調に推移しております。

 中国においては、輸出は関税の引き上げを行った米国向けで大幅に縮小したほか、他地域でも景気の停滞を背景に横ばいで推移しており、国内景気は製造業を中心に減速、内需も減少しつつあり、政府による内需刺激策の効果が期待されております。

 アセアン地域においては、米中貿易摩擦を背景とした中国からの生産移管や代替輸出でベトナムからの輸出が伸びるなど、地域差はありますが製造業を中心に堅調に推移しております。

 日本経済は、雇用環境が引き続き好調に推移し、個人消費にも緩やかな回復が見られました。10月からの消費税増税後も、一時的な反動減が見られるものの、政府の景気下支え策により景気落ち込みの長期化は回避できると見込まれております。一方、企業の経営成績は、人手不足に伴う省力化やデジタル化関連の投資については堅調に推移しておりますが、米中貿易摩擦や中国経済の減速等の外部環境の悪化により輸出と生産の下振れが生じており、製造業には減速感がみられました。

 当社グループの主要事業分野である日本自動車業界に関する状況は、次のとおりであります。

 当連結会計年度における国内自動車市場は、国内販売は一部メーカーで完成車検査問題の影響が続きましたが、販売が好調な軽自動車により堅調に推移しました。海外需要に伴う完成車輸出もメーカーによって差はあるものの概ね堅調に推移し、国内生産全体でも昨年並みの推移となっております。引き続き日本国内の生産は、燃費の良い軽自動車・小型車、また実用的なミニバンを中心に行われており、安全技術を強化したモデルが人気を集めております。

 この結果、当連結会計年度における国内乗用車メーカー8社の国内四輪車販売台数は、前年比1.5%減の469万台、四輪車輸出台数は、前年比0.6%増の460万台となり、国内四輪車生産台数は、前年比0.2%減の921万台となりました。一方、国内乗用車メーカー8社の海外生産台数は、セダン車の需要が低迷する米国を中心に生産台数が伸びず、前年比4.5%減の1,858万台となりました。

 このような環境のなか、当連結会計年度の売上高は61,073百万円(前連結会計年度62,413百万円)、営業利益は6,219百万円(前連結会計年度8,449百万円)、経常利益は6,243百万円(前連結会計年度8,512百万円)となりました。また、2019年末で生産停止となった上海日輪汽車配件有限公司および2020年6月末で生産停止となるニチリン ユー・ケー・リミテッドにおける特別損失(固定資産減損損失および特別退職金)の影響もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は2,748百万円(前連結会計年度4,644百万円)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

日本

北米子会社向けの部品供給が減少した一方、中国、アジア子会社向けの設備売上が増加したこと、国内販売が堅調に推移したことにより、売上高は33,160百万円(前連結会計年度33,051百万円)、営業利益は2,204百万円(前連結会計年度2,343百万円)となりました。

 

北米

北米市場は、好調な企業の経営成績や雇用の安定を背景に堅調に推移しておりますが、日系企業が得意としてきたセダン車の需要が減少し、小型トラック・SUV車の需要が増加する傾向が強まっております。また、北米子会社では、新商品であるIHX(カーエアコン用内部熱交換器)の量産が開始された一方で、主力製品であったパワーステアリング用ホースの需要が減少したことにより、売上高は10,210百万円(前連結会計年度11,908百万円)、売上減少に伴う限界利益の減少に加え、中国材料の追加関税の増加、メキシコでの最低賃金の増加があり、営業損失は21百万円(前連結会計年度は営業利益534百万円)となりました。

中国

中国市場では、米中貿易摩擦により経済の減速傾向が強まっており、新車販売台数も前年割れの状況が続きました。また、北米向け等へのエアコン用管体の輸出も減少傾向にあることから、売上高は11,058百万円(前連結会計年度11,936百万円)、蘇州日輪汽車部件有限公司の生産移管準備費用の増加があり、営業利益は867百万円(前連結会計年度1,802百万円)となりました。

 

アジア

ABS化による二輪用ブレーキホースの販売増に加え、フューエルホースの販売が堅調に推移しており、売上高は17,157百万円(前連結会計年度15,700百万円)、営業利益は3,662百万円(前連結会計年度3,739百万円)となりました。

 

欧州

需要低迷に伴い、日系メーカー、欧州メーカーとも生産を減少させており、売上高は5,345百万円(前連結会計年度5,809百万円)、新モデル立ち上げに伴う特別費用の発生(生産遅れに伴う臨時雇用者の増員、緊急便の多用等)があり、営業損失は289百万円(前連結会計年度は営業損失20百万円)となりました。なお、欧州事業の再編による採算性改善に向け、2019年9月に当社にて欧州経営改善室を設置致しました。

 

②財政状態の状況

 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

(流動資産)
 当連結会計年度末における流動資産の残高は35,390百万円(前連結会計年度末36,649百万円)となり、1,259百万円減少しました。主な減少内容は、現金及び預金の減少1,972百万円、受取手形及び売掛金の増加189百万円、電子記録債権の減少287百万円、たな卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)の増加470百万円、その他(未収入金等)の増加342百万円などによるものであります。

 

(固定資産)
 当連結会計年度末における固定資産の残高は24,935百万円(前連結会計年度末20,903百万円)となり、4,032百万円増加しました。主な増加内容は、有形固定資産の増加3,775百万円などによるものであります。

 

(流動負債)
 当連結会計年度末における流動負債の残高は14,459百万円(前連結会計年度末13,926百万円)となり、533百万円増加しました。主な増加内容は、支払手形及び買掛金の減少186百万円、電子記録債務の減少473百万円、短期借入金の増加399百万円、その他(未払金等)の増加724百万円などによるものであります。

 

(固定負債)
 当連結会計年度末における固定負債の残高は5,998百万円(前連結会計年度末5,952百万円)となり、45百万円増加しました。主な増加内容は、長期借入金の増加95百万円、退職給付に係る負債60百万円の増加、繰延税金負債の減少319百万円、その他(長期未払金等)の増加206百万円などによるものであります。

 

(純資産)
 当連結会計年度末における純資産の残高は39,869百万円(前連結会計年度末37,674百万円)となり、2,195百万円増加しました。主な増加内容は、利益剰余金の増加1,959百万円、自己株式の増加による減少234百万円、その他有価証券評価差額金の増加103百万円、為替換算調整勘定の減少186百万円、非支配株主持分の増加540百万円などによるものであります。

 なお、自己資本比率は56.0%となり、前連結会計年度末と比べ0.1%増加しております。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,620百万円減少し、当連結会計年度末は11,590百万円となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシユ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金は5,134百万円の増加(前連結会計年度は7,759百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前純利益5,364百万円(資金の増加)および、減価償却費1,874百万円(資金の増加)、たな卸資産の増加491百万円(資金の減少)、仕入債務の減少651百万円(資金の減少)、法人税等の支払い1,633百万円(資金の減少)等によるものであります。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金は5,876百万円の減少(前連結会計年度は5,933百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5,079百万円、無形固定資産の取得による支出223百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金は1,806百万円の減少(前連結会計年度は2,434百万円の減少)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額401百万円、配当金の支払い789百万円、非支配株主への配当金の支払い1,053百万円、自己株式の取得による支出251百万円等によるものであります。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

前年同期比(%)

日本 (百万円)

20,259

97.7

北米 (百万円)

10,177

86.2

中国 (百万円)

9,772

97.6

アジア(百万円)

15,730

106.4

欧州 (百万円)

5,313

93.3

合計 (百万円)

61,253

97.2

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当社グループの主要製品である自動車用ホースは、基本的には販売先からの受注による受注生産であり、必要なものを必要な時に納入する「ジャスト・イン・タイム」の定時・定量納入方式を特徴としております。

 しかし、販売先より提示を受ける納入内示と実際の納入は、時期、数量が異なるとともに確定受注から納期までは極めて短い期間であります。従って、現実的には販売先からの四半期および翌月の生産計画の内示を基に、過去の実績・当社の生産能力を勘案した見込生産的な生産形態を採っております。

 このような理由により、受注高および受注残高を算出することが困難でありますので、その記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

前年同期比(%)

日本 (百万円)

20,412

99.1

北米 (百万円)

10,166

85.7

中国 (百万円)

9,616

98.3

アジア(百万円)

15,576

107.8

欧州 (百万円)

5,301

92.8

合計 (百万円)

61,073

97.9

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
 連結財務諸表の作成においては、資産・負債および収益・費用の適正な開示を行うため、貸倒引当金、退職給付に係る負債、賞与引当金などに関する引当については、過去の実績や当該事象の状況に照らし合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、また価値の下落した投資有価証券の評価や繰延税金資産の計上については、将来の回復可能性や回収可能性などを考慮して計上しております。但し、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、見積りと異なる場合があります。
 当社グループが採用しております会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」および「重要な会計方針」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の分析

(売上高)

当連結会計年度(2019年1月1日~2019年12月31日)における国内自動車市場は、国内販売は一部メーカーで完成車検査問題の影響が続きましたが、販売が好調な軽自動車により堅調に推移しました。海外需要に伴う完成車輸出もメーカーによって差はあるものの概ね堅調に推移し、国内生産全体でも昨年並みの推移となっております。この結果、当連結会計年度における国内乗用車メーカー8社の国内四輪車販売台数は、前年比1.5%減の469万台、四輪車輸出台数は、前年比0.6%増の460万台となり、国内四輪車生産台数は、前年比0.2%減の921万台となりました。一方、国内乗用車メーカー8社の海外生産台数は、セダン車の需要が低迷する米国を中心に生産台数が伸びず、前年比4.5%減の1,858万台となりました。

このような環境のなか、当連結会計年度の売上高は、61,073百万円と前連結会計年度(62,413百万円)に比べ2.1%の減収となりました。

(営業利益)

主力製品であったパワーステアリング用ホースの需要が減少し、新規製品であるIHX(カーエアコン用内部熱交換器)の需要が増加する等、生産品種の変更により変動費が増加しました。また、北米における中国材料の追加関税の増加およびメキシコでの最低賃金の増加、中国における蘇州日輪汽車部件有限公司の生産移管準備費用の増加、欧州における新モデル立ち上げに伴う特別費用の発生があり、当連結会計年度の営業利益は、6,219百万円と前連結会計年度(8,449百万円)に比べ26.4%の減益となりました。

(税金等調整前当期純利益)

営業利益6,219百万円に対し、為替差損246百万円や2019年末で生産停止となった上海日輪汽車配件有限公司および2020年6月末で生産停止となるニチリン ユー・ケー・リミテッドにおける特別損失(固定資産減損損失62百万円および特別退職金758百万円)の影響もあり、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は5,364百万円と前連結会計年度(8,224百万円)に比べ34.8%の減益となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益

税金等調整前当期純利益5,364百万円から、税金費用1,437百万円と非支配株主に帰属する当期純利益1,178百万円を控除し、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2,748百万円と前連結会計年度(4,644百万円)に比べ40.8%の減益となりました。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの事業は、自動車産業への依存度が90%以上であり、自動車業界の動向、顧客企業の業績や調達方針の変更などにより、経営成績に重要な影響を受ける可能性があります。

 その他の要因につきましては、「第2 事業の状況」の「2.事業等のリスク」に記載しております。

 

④資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資本の財源および資金の流動性については、主に営業活動によるキャッシュ・フロー、自己資金および金融機関からの借入金にて賄われております。

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、連結子会社での積極的な投資により11,590百万円となり、前連結会計年度末から2,620百万円減少したものの、十分な流動性を確保していると認識しております。

 

⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2015年より中期経営計画(NICHIRIN Growth Strategy 2020:NGS2020[2015年~2020年])に取り組んでおります。

(フェーズⅠ[2015年~2017年]の状況)

 中期経営計画(NGS2020)策定時(2014年11月)において、「2020年連結経営指針」を示して取り組んだ結果、フェーズⅠの経営成績に示す通り、売上高580億円以上(30%増[2013年比])、営業利益率(安定して8%以上を確保)、親会社株主に帰属する当期純利益率(安定して5%以上を確保)、自己資本比率50%以上を達成しております。

・2020年連結経営指針[中期経営計画(NGS2020)策定時]

売上高

30増(2013年比)

営業利益率

安定して8%以上を確保

親会社株主に帰属する当期純利益率

安定して5%以上を確保

自己資本比率

50%以上

 

・フェーズⅠ(2015年~2017年)の経営成績

(単位:百万円)

 

フェーズⅠ

2015年実績

2016年実績

2017年実績

売上高

50,851

50,992

59,375

営業利益

5,764

6,618

8,516

(率)

11.3%

13.0%

14.3%

経常利益

5,849

6,343

8,629

(率)

11.5%

12.4%

14.5%

親会社株主に帰属する当期純利益

(率)

3,322

6.5%

3,644

7.1%

4,883

8.2%

自己資本比率

48.8%

50.3%

53.0%

 

(フェーズⅡ[2018年~2020年]の状況)

 当社グループは、フェーズⅠ[2015年~2017年]の活動成果を踏まえ、2018年よりフェーズⅡ[2018年~2020年]に取り組み、本年はその最終年度を迎えます。

 フェーズⅡ期間における当社グループの経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題」をご参照下さい。

 なお、フェーズⅡの初年度(2018年)および第2年度(2019年)の経営成績は次のとおりであります。

(単位:百万円)

指標

2018年計画

2018年実績

計画比

売上高

59,500

62,413

2,913増

(4.9%増)

営業利益

(率)

8,500

14.3%

8,449

13.5%

51減

 

(0.6%減)

 

経常利益

(率)

8,500

14.3%

8,512

13.6%

12

 

(0.1%増)

 

親会社株主に帰属する当期純利益

(率)

5,000

8.4%

4,644

7.4%

356減

 

(7.1%減)

 

自己資本比率

55.9%

 

 

 

 親会社株主に帰属する当期純利益については、ベトナムにおける固定資産減損、過年度法人税の特別要因により計画未達となりましたが、売上高・営業利益・経常利益については、概ね計画を達成しております。

 

(単位:百万円)

指標

2019年計画

2019年実績

計画比

売上高

61,000

61,073

73増

(0.1%増)

営業利益

(率)

7,000

11.5%

6,219

10.2%

781減

 

(11.2%減)

 

経常利益

(率)

7,000

11.5%

6,243

10.2%

757

 

(10.8%減)

 

親会社株主に帰属する当期純利益

(率)

3,500

5.7%

2,748

4.5%

752減

(21.5%減)

自己資本比率

56.0

 

 

(注)2019年計画は上期実績を踏まえ、2019年8月9日に修正した通期予想であります。

 

 2019年は世界経済の減速、北米・欧州地域の経営環境の厳しさ、当社グループにおける大型プロジェクトの遂行などが利益を圧迫することとなり、また、中国子会社間での生産移転・英国子会社の本年6月末での生産停止に伴う特別損失の計上もあり、減収減益となりました。

 なお、NGS2020策定時の2020年連結経営指針(営業利益率 安定して8%以上を確保、親会社株主に帰属する当期純利益率 安定して5%以上を確保、自己資本比率 50%以上)については、ほぼ達成している状況にあります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)当社が技術援助等を受けている契約

 該当事項はありません。

(2)当社が技術援助等を与えている契約

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

和承R&A

大韓民国

自動車用エアコンディショニングホース製造に関する技術

2019年3月5日から

2022年3月4日まで

自動車用ブレーキホース製造に関する技術

2018年12月5日から

2023年12月4日まで

2019年3月5日から

2022年3月4日まで

自動車用パワーステアリングホース製造に関する技術

2019年3月5日から

2022年3月4日まで

(注) 上記についてはロイヤリティーとして純売上高の一定割合を受け取っております。

 

 

5【研究開発活動】

当社グループは、国内および世界市場における競争力を強化し、顧客ニーズである自動車の安全性向上や快適さを追求する製品、環境に優しい製品を開発するとともに、商品開発力で世界の顧客から期待される自動車用ホースのLeading Companyを目指しております。また、自動車用ホースのみでなく、家電、住宅分野などでも、新製品や新技術の開発に積極的に取り組んでおります。

主要製品であります自動車用ホース分野に関して、エアコン関連では、新規高圧仕様及び冷凍車用高圧仕様(高耐久仕様)の量産が始まり、また、今後の主力製品と位置づけされているIHX(カーエアコン用内部熱交換器)は、受注拡大に伴い、生産量もUPしております。液圧ブレーキホースでは、GM向けに新ホース仕様の納入が始まり、現在も受注品番拡大を目指して推進しております。燃料用樹脂ホースは、海外子会社でのAss'yが着実に進められております(タイを皮切りにインド、ベトナムと展開予定です)。今後益々、樹脂化のニーズは強くなる傾向であり、現在、クイックジョイント、ホース、配管類の樹脂化に注力しています。

非自動車分野においては、水道ホース用の口金具として従来品よりも安価な銅パイプニップル仕様を投入しました。現在、水道配管用にも樹脂製クイックジョイントの開発を推進しております。

当連結会計年度の研究開発費の総額は1,136百万円(前連結会計年度1,129百万円)であり、日本で研究開発活動を行っております。