第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

回次

第141期

中間連結会計期間

第142期

中間連結会計期間

第141期

会計期間

自 2024年1月 1日

至 2024年6月30日

自 2025年1月 1日

至 2025年6月30日

自 2024年 1月 1日

至 2024年12月31日

売上高

(百万円)

36,283

35,732

71,356

経常利益

(百万円)

6,122

4,327

10,382

親会社株主に帰属する中間(当期)純利益

(百万円)

3,827

3,017

6,171

中間包括利益又は包括利益

(百万円)

8,075

541

10,318

純資産

(百万円)

63,656

62,457

63,857

総資産

(百万円)

83,556

82,211

82,978

1株当たり中間(当期)純利益

(円)

284.28

229.02

461.82

潜在株式調整後1株当たり中間(当期)純利益

(円)

自己資本比率

(%)

68.4

68.0

68.4

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

5,978

4,659

8,670

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

3,122

1,658

6,213

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

3,095

2,364

5,766

現金及び現金同等物の中間期末(期末)残高

(百万円)

21,222

20,812

17,960

 (注)1.当社は中間連結財務諸表を作成しておりますので、提出会社の主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.潜在株式調整後1株当たり中間(当期)純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

 

2【事業の内容】

当中間連結会計期間において、当社グループ(当社および当社の関係会社)が営む事業の内容について、重要な変更はありません。

また、主要な関係会社における異動は、以下のとおりであります。

当中間連結会計期間より、北米セグメントにおいて、ATCO PRODUCTS LLC.の全持分を取得し、当社の子会社として「NICHIRIN ATCO TEXAS, INC.」に組織形態および商号変更のうえ、連結の範囲に含めております。

 

第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

当中間連結会計期間(2025年1月1日~6月30日)における世界経済は、米国の底堅い景気推移や欧州での回復が見られる一方、中国では不動産市場の低迷や対米輸出の減少が続きました。ウクライナ・中東情勢に加え、米国トランプ政権の関税政策が関係諸国に及ぼす影響が懸念されており、依然として先行きは不透明な状況が続いています。

米国においては、インフレの持続や政策金利の据え置きにより個人消費には鈍化の兆しが見られましたが、企業部門も含めた景気は底堅く推移しました。トランプ政権による関税政策は、米国製造業の再興が期待される一方で、インフレの加速も懸念されており、8月以降の景気の動向が注目されています。

欧州においては、エネルギー価格の安定によりインフレにも落ち着きが見られ、金利引き下げが継続されるなかで、景気は緩やかに回復しました。一方で、米国の関税政策により輸出は減少しており、8月以降に適用される新たな相互関税による経済に与える影響が注目されています。

中国においては、不動産市場の低迷や米国の敵対的な関税政策により対米輸出が減少した一方、政府主導の景気刺激策によりハイテク産業分野への投資が拡大し、米国以外への輸出は堅調に推移し、景気の下支えとなりました。米中間の貿易問題の解決には、政治的な背景があるため、先行き不透明な状況が続いています。

アジアにおいては、インフレの落ち着きとともに内需が堅調に推移し、輸出の回復もあり経済成長を後押ししました。一方で、米中間の緊張や米国の関税政策による不確実性が景気の懸念材料となっています。

日本経済は、円安と人手不足が続くなか、インバウンド需要や賃上げを背景とした個人消費の回復、設備投資の持ち直しに支えられ、景気は堅調に推移しました。一方で、米国の関税政策の影響により自動車を中心に輸出は減少しました。8月以降に適用される新たな相互関税による為替や景気の動向が懸念されています。

当社グループの主要事業分野である日本自動車業界に関する状況は、次のとおりであります。

自動車の生産販売は、米国向け輸出では関税の影響により減少した一方、国内では前年の能登半島地震や認証不正問題による出荷停止から回復が進み、前年比で増加となりました。中国市場では現地メーカーの急成長により、日系メーカーの販売低迷が続いています。各国で進むEVシフトに対しては、HVを含めた柔軟な生産体制の構築と収益確保が求められており、米国の関税政策への対応も引き続き重要な課題となっています。

この結果、当中間連結会計期間における国内乗用車メーカー8社の国内四輪車販売台数は、前年同期比10.6%増の214万台、四輪車輸出台数は、前年同期比1.1%増の193万台となり、国内四輪車生産台数は、前年同期比7.2%増の396万台となりました。また、海外生産台数は、前年同期比2.3%減の797万台となりました。

このような環境のなか、当中間連結会計期間の売上高は35,732百万円(前年同期36,283百万円)、営業利益は4,917百万円(前年同期4,882百万円)、経常利益は4,327百万円(前年同期6,122百万円)となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は3,017百万円(前年同期3,827百万円)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

日本

国内向け販売高は顧客への価格転嫁も含め回復した一方、北米、中国向け輸出の減少により、売上高は17,133百万円(前年同期17,168百万円)、営業利益は1,375百万円(前年同期1,895百万円)となりました。

 

 

北米

北米市場は、引き続きHVの需要は好調であるが、一部顧客における販売低迷の影響を受け、売上高は6,940百万円(前年同期7,798百万円)、追加関税の影響もあり営業利益は547百万円(前年同期729百万円)となりました。

 

中国

現地メーカーへの販売は堅調である一方、日系メーカーの長引く販売低迷により、売上高は4,949百万円(前年同期5,682百万円)、人員削減効果もあり営業利益は669百万円(前年同期660百万円)となりました。

 

アジア

アジア市場は概ね堅調に推移したものの、北米向け輸出の減少により、売上高は12,142百万円(前年同期12,382百万円)、営業利益は1,645百万円(前年同期1,957百万円)となりました。

 

欧州

欧州メーカー向け販売増加により、売上高は4,127百万円(前年同期3,610百万円)、営業利益は99百万円(前年同期23百万円)となりました。なお、BMWへの2輪車向け製品の納入が開始されました。

 

②財政状態の状況

(流動資産)

当中間連結会計期間末における流動資産の残高は49,684百万円(前連結会計年度末51,151百万円)となり、1,466百万円減少しました。主な内容は、電子記録債権の減少163百万円、棚卸資産の減少716百万円、現金及び預金の減少76百万円などによるものであります。

 

(固定資産)

当中間連結会計期間末における固定資産の残高は32,526百万円(前連結会計年度末31,826百万円)となり、699百万円増加しました。主な内容は、有形固定資産の減少455百万円、投資有価証券の減少450百万円、のれんの増加1,656百万円などによるものであります。

 

(流動負債)

当中間連結会計期間末における流動負債の残高は13,538百万円(前連結会計年度末13,507百万円)となり、31百万円増加しました。主な内容は、買掛金の増加154百万円、電子記録債務の減少269百万円、未払法人税等の減少392百万円、その他(未払金等)の増加460百万円などによるものであります。

 

(固定負債)

当中間連結会計期間末における固定負債の残高は6,215百万円(前連結会計年度末5,613百万円)となり、601百万円増加しました。主な内容は、長期借入金の減少60百万円、リース債務の増加922百万円、繰延税金負債の減少202百万円などによるものであります。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産の残高は62,457百万円(前連結会計年度末63,857百万円)となり、1,399百万円減少しました。主な内容は、その他有価証券評価差額金の減少318百万円、為替換算調整勘定の減少2,245百万円、非支配株主持分の減少568百万円などによるものであります。

なお、自己資本比率は68.0%となり、前連結会計年度末と比べて0.4%減少しております。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,851百万円増加し、20,812百万円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は4,659百万円の増加(前年同期比1,319百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益4,770百万円(資金の増加)、減価償却費1,515百万円(資金の増加)、売上債権の減少63百万円(資金の増加)、棚卸資産の減少額525百万円(資金の増加)、仕入債務の減少額544百万円(資金の減少)、法人税等の支払額1,558百万円(資金の減少)等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は1,658百万円の増加(前年同期比4,780百万円の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,098百万円(資金の減少)、定期預金の純増減額2,729百万円(資金の増加)、投資有価証券の売却による収入424百万円(資金の増加)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出667百万円(資金の減少)等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は2,364百万円の減少(前年同期比731百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出171百万円(資金の減少)、配当金の支払額1,330百万円(資金の減少)、非支配株主への配当金の支払額672百万円(資金の減少)等によるものであります。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針、経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、660百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(7) 主要な設備

前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設、除却等のうち、当中間連結会計期間に完了したものは次のとおりであります。

重要な設備の除却等

会社名

所在地

セグメントの名称

設備の内容

投資総額

(百万円)

完了年月

提出会社

東京支社

東京都

世田谷区

日本

社宅用

土地・建物

147

2025年3月

 

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。