文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、将来の朝日ラバーグループ全体が目指していく姿として、2020年を見据えたビジョン「AR-2020 VISION」を定めました。これは、①技術革新を基盤に、新しい価値を創造し続ける企業になる。②現在の仕事に慢心せず、常に変革を求め、経営環境の変化に応じ継続的に磨きをかける。③人財こそが、事業運営の要とし、人材の育成を行う。という3つの姿です。
この「AR-2020 VISION」の最終年度である2020年3月期に向けて、2017年4月からスタートの三ヵ年の中期経営計画「V-2計画」を策定しました。中期経営方針として「AR-2020 VISIONに通ずる質的成長を求めて広く社会に貢献する」を掲げ、定量目標は連結売上高70~80億円、連結営業利益率8%以上としました。当社グループの事業がグローバル環境に影響されるようになり、先行きの見通しにくい中で、これからの三年間は、着実に利益を創出できるようにゴムの基礎技術と製品力を磨いて質的な成長を目指します。また、重点事業分野を車載・照明、医療・ライフサイエンス、その他の3つに再編しました。ゴムの持つ可能性を追求し、それぞれの競争力の源泉となる他社に真似のできない独自のコア技術を磨き、市場やお客様に満足いただける製品開発を強力に推進します。
当連結会計年度は「V-2計画」の初年度として、グループ全社で取り組みを進めた結果、当初予想を上回る業績を達成することができました。
当社独自の技術を応用して市場のニーズに応える製品づくりを絶え間なく進めていくことが、当社の継続的な成長を支える最重要な取り組みとなりますが、市場動向やお客様の事業展開といった社外要因と、当社技術の進化の進捗度合を踏まえた開発を計画どおり進めていくことが課題ととらえています。そのため、大学や公的機関との共同研究開発を積極的に進めており、この「V-2計画」では継続的に成長していくことができる質的成長の基盤を構築していきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
(1)海外展開におけるリスク
当社グループは、海外子会社4社を含み、北米、欧州、アジアを中心に販売活動を展開しております。グローバルな販売活動を展開するうえで、法的規制や政情不安などによる影響を受けるリスクを完全に回避できる保証はありません。また、為替変動による売上高の変動など、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)本社及び福島工場等の不動産を保有することによる地価変動に係わるリスク
埼玉県さいたま市の本社および生産拠点である福島県西白河郡の福島工場と第二福島工場、福島県白河市の白河工場と白河第二工場の立地する土地は、当社グループが保有しております。周辺環境の変化などにより大幅に地価が変動し、資産価値に影響を受ける可能性があり、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3)品質不具合が流出した場合の製造物責任法による損害賠償責任発生のリスク
当社グループでは、顧客に提供する製品の品質には、製品設計、工程管理、検査体制に至るまで、万全の体制を整えるべく努力しております。しかし、万一、顧客に納品した製品に不具合があり、それが最終製品として市場に流出し、検証の結果、当社製品による不具合が認められ、製造物責任法による損害賠償責任が発生した場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4)生産拠点である各工場の閉鎖または操業停止のリスク
当社グループの生産拠点は、福島県西白河郡の福島工場と第二福島工場、福島県白河市の白河工場と白河第二工場及び中国広東省東莞市の工場であり、火災、地震、その他の災害等により工場が閉鎖もしくは操業停止する可能性があります。この場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(5)原材料市況の変化によるリスク
当社グループの製品は、ゴム原料およびその添加物を仕入れ、加工し、製品として販売しています。こうした原材料の価格は、グローバルな市況の変化に影響を受け変動することがあります。この場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(6)新製品・開発製品の納品時期の遅れによる、期間の売上高及び利益が変動するリスク
当社グループでは、新製品・開発製品を市場供給するために、日々、創意工夫と改善努力を積み上げる企業風土を醸成し、顧客に満足していただける製品を提供できるよう取組んでおります。こうした新製品・開発製品の受注は、顧客との綿密な打合せによりスケジュール化され量産が開始されますが、当社グループ内の設計や工程に関わる問題、顧客の生産計画・販売計画に起因する製品の量産開始と納品時期が遅れ、計画していた期間内の売上高および利益が変動することがあります。この場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(7)当社製品を最終的に採用された顧客の販売戦略による売上高及び利益が変動するリスク
当社製品は、そのほとんどがゴム部品として顧客のもとで最終製品として組み込まれ、市場へと展開されます。この最終製品の販売動向については顧客に依存するものであり、顧客の販売戦略上、計画していた販売数量に変動が生じることがあります。この場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。こうした変動を少なくするよう事前に顧客との綿密な調整を重ね、当社グループの販売戦略を立案させていくよう取組んでまいります。
(8)法規制の変更による環境対応のリスク
当社グループでは、ISO14001を取得し、特に環境対応において経営の重要課題と認識し、全ての業務において環境への配慮を念頭においた活動を続けております。ゴム製品を生産している当社工場内では、適正管理下において一部使用している削減対象物質については削減計画を立案し、代替物質の検証も行いながら、顧客に満足していただける製品の提供を目指しています。しかし、環境に関する法規制の変更等により、現在は許可されている物質の使用が認められなくなった場合、製品性能を損なわないための代替物質で補う必要があります。この場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(9)知的財産に関するリスク
知的財産の保護は当社グループの事業展開において非常に重要であり、知的財産権保護のための体制を整備しその対策を実施しておりますが、他社との間に知的財産を巡って紛争が生じたり、他社から知的財産の侵害を受けたりする可能性があります。また、新製品・開発製品の市場投入を進める上で、特許の不成立や取得した特許を適切に保護できない場合、想定より早く他社の市場参入を招く可能性があり、この場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、上記中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当社グループは、2020年を見据えたビジョン「AR-2020 VISION」を策定し、2017年4月から第12次中期経営計画「V-2計画」をスタートしております。中期経営方針として「AR-2020 VISIONに通ずる質的成長を求めて広く社会に貢献する」を掲げ、継続的な成長を可能にする強固な事業基盤を整備し、ゴムの基礎技術と製品力を磨いて質的な成長を目指しております。
重点事業分野を車載・照明、医療・ライフサイエンス、その他の3つとし、車載・照明分野では感性認知支援領域、医療・ライフサイエンス分野ではウェアラブル領域、そしてその他分野では再生エネルギー領域における研究開発を順調に進め、ともに当連結会計年度の目標に沿った成果が得られました。
また、2017年2月に竣工した白河第二工場も本稼働となり、コア技術と朝日ラバーグループ全体の生産配置の適正化を行いながら、工場の特長に合わせた最適なものづくり環境のもと、更にお客様のご要望に対応することが出来ました。
この結果、当連結会計年度の業績は、連結売上高は75億3千4百万円(前期比15.7%増)となりました。利益面では、販売の増加、原価低減活動の継続実施等により連結営業利益は5億6千1百万円(前期比18.0%増)、連結経常利益は5億8千9百万円(前期比20.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億5千9百万円(前期比34.6%増)となりました。
当社グループは第12次中期経営計画の定量目標として連結売上高70億円~80億円、連結営業利益率8%以上を掲げております。当連結会計年度は各重点事業分野における開発活動が実り、連結売上高は目標とするレンジの中に入ることができました。また、質的な成長を求めた付加価値の高い製品開発や原価低減活動により、連結営業利益率においても、当連結会計年度は7.4%に高まりました。これからも引き続きゴムの持つ可能性を追求し、それぞれの競争力の源泉となる他社に真似のできない独自のコア技術を磨き、市場やお客様に満足いただける製品開発を推進してまいります。
セグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容は、次のとおりであります。
工業用ゴム事業
工業用ゴム事業では、自動車関連製品の受注が海外向けを中心に引き続き好調に推移いたしました。中でも、自動車内装照明用のASA COLOR LEDは、当初予測を上回る受注が継続したため、先行的に生産能力増強を含めた対応を実施しました。また、スポーツ用ゴム製品である卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品も引き続き受注が好調に推移いたしました。
この結果、工業用ゴム事業の連結売上高は63億6千6百万円(前期比19.9%増)となりました。またセグメント利益は6億9千3百万円(前期比42.6%増)となりました。
医療・衛生用ゴム事業
医療・衛生用ゴム事業では、新旧製品の入れ替え時期に相当し、既存品の受注減少により販売が減少いたしました。また、プレフィルドシリンジガスケットにおいて、設計変更対応のため、同じく販売が減少いたしました。どちらも計画に沿って着実に対応をすることにより販売回復を見込むものであります。
この結果、医療・衛生用ゴム事業の連結売上高は11億6千8百万円(前期比2.9%減)となりました。セグメント利益は1億8千5百万円(前期比24.9%減)となりました。
(2)財政状態
(資産の状況)
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べて5億9千4百万円増加し、105億8百万円となりました。この主な増加要因は、工業用ゴム事業の売上増加に伴い流動資産の「電子記録債権」、「仕掛品」が増加、自動車関連ゴム製品の生産能力増強による有形固定資産の「機械装置及び運搬具」が増加及び投資その他資産の「投資有価証券」の増加によるものであります。
(負債の状況)
当連結会計年度末の負債は前連結会計年度末に比べて1億3千8百万円増加し、61億8千3百万円となりました。この主な増加要因は、売上の増加及び補助金収入等により借入金返済が進み借入金残高が減少したものの、工業用ゴム事業の売上増加に伴う流動負債の「電子記録債務」が増加したこと及び下期後半に設備投資があったことで設備関係未払金が増加したことから、流動負債の「その他」の増加によるものであります。
(純資産の状況)
当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末に比べて4億5千5百万円増加し、43億2千4百万円となりました。この主な増加要因は、当連結会計年度の利益計上に伴う「利益剰余金」の増加及びその他有価証券評価差額金の増加によるものであります。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益計上による収入があったものの、主に工業用ゴム事業において積極的な設備投資と有利子負債の圧縮及び法人税等の支払額増加等により連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度に比べ1億2千1百万円減少の11億6千4百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、11億2千6百万円の収入(前期は16億1千7百万円の収入)となりました。
これは主に、たな卸資産の増加1億7千4百万円(前期は2億2千6百万円の増加)があったものの、税金等調整前当期純利益5億8千7百万円(前期は4億6千9百万円の利益)、減価償却費4億1千7百万円(前期は4億1千8百万円)及び仕入債務の増加1億8千1百万円(前期は2億8千7百万円の増加)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、8億1百万円の支出(前期は15億2千5百万円の支出)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出5億5千9百万円(前期は13億8千万円の支出)及び投資有価証券の取得による支出3億2千4百万円(前期は1百万円の支出)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、4億4千7百万円の支出(前期は4億2百万円の収入)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入11億円(前期は13億円の収入)があったものの、長期借入金の返済による支出11億6千1百万円(前期は11億5千4百万円の支出)、短期借入金の純減少額3億3百万円(前期は3億3百万円の純増加額)によるものであります。
また、当社グループでは各事業の受注状況に基づき、生産能力を検討し設備投資を実施、また新たな事業分野への研究開発投資を積極的に実施しております。その必要資金については財政状態の良化を鑑みながら、主に売上代金及び金融機関からの借入金による調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は31億8千2百万円となっております。
(4)生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
工業用ゴム事業(千円) |
6,429,300 |
20.4 |
|
医療・衛生用ゴム事業(千円) |
1,163,900 |
△8.1 |
|
合計(千円) |
7,593,200 |
14.9 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
工業用ゴム事業 |
6,390,324 |
16.1 |
629,643 |
3.9 |
|
医療・衛生用ゴム事業 |
1,079,318 |
△15.8 |
108,963 |
△44.9 |
|
合計 |
7,469,643 |
10.1 |
738,606 |
△8.1 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
工業用ゴム事業(千円) |
6,366,546 |
19.9 |
|
医療・衛生用ゴム事業(千円) |
1,168,180 |
△2.9 |
|
合計(千円) |
7,534,726 |
15.7 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
日亜化学工業株式会社 |
1,248,492 |
19.2 |
1,548,362 |
20.6 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計上の判断・見積りの度合いが高いものとして以下のものがあります。
(収益の認識)
当社グループの売上高は、顧客への出荷日をもって計上しております。また、売上高のうち金型の売上高は、顧客指定の手続きを経て、検収が確定したものを計上しております。
(有価証券)
時価のあるものについては、決算期末日の市場価格等に基づく時価法、時価のないものについては移動平均法による原価法により算出しております。また、時価のある有価証券については、時価が取得原価を50%以上下回った場合、ないしは時価が取得原価を30%以上50%未満の範囲で下回っており、かつ過去の時価の趨勢から回復可能性がないものと判断される場合に、時価が著しく下落したものとして減損処理をしております。
(貸倒引当金)
当社グループは債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(退職給付に係る負債)
従業員の退職給付に備えるため、当社及び一部の連結子会社は、当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産額に基づき計上しております。
なお、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産については、将来の課税所得の十分性やタックスプランニングについて十分に検討のうえ、将来の税金負担を軽減させる効果を有する将来減算一時差異等についてのみ、繰延税金資産を計上しております。
該当事項はありません。
当社グループは2014年に「AR-2020 VISION」として、①技術革新を基盤に、新しい価値を創造し続ける企業になる。②現在の仕事に慢心せず、常に変革を求め、経営環境の変化に応じ継続的に磨きをかける。③人財こそが、事業運営の要とし、人材育成を行う。という長期ビジョンを掲げ、中期経営計画、単年度経営計画、事業計画を策定して各個人ごとの目標管理へとつなげて活動を推進してきました。2017年から始まった「V-2計画」においては、中期経営方針として、「AR-2020 VISIONに通ずる質的成長を求めて広く社会に貢献する」という方針のもと、第12次中期計画のスローガンとして、弾性無限への挑戦を掲げ、研究開発においてもゴムの可能性を追求する活動を行ってまいりました。
現在の研究開発は、当社工場の技術グループおよび子会社である株式会社朝日FR研究所(ASAHI FR R&D)において、工業用ゴム事業、医療・衛生用ゴム事業の研究開発を推進しております。
株式会社朝日FR研究所は、継続的に3つのコア技術「色と光のコントロール技術」、「素材変性技術」、「表面改質およびマイクロ加工技術」の深掘りを行っております。
当連結会計年度におきましては、埼玉大学と共同開発する2015年度から3カ年で戦略的基盤技術高度化支援事業の推進、平成29年度埼玉県新技術・製品化開発費補助金事業に採択、福島県産総研連携再生可能エネルギー等研究開発補助事業補助金の研究テーマとして採択、埼玉県産学連携研究開発プロジェクト補助金の2年目を産総研と共に推進等、外部研究機関・企業等との連携を深めてまいりました。
株式会社朝日FR研究所の研究員は9名、これは全従業員の1.8%であります。当連結会計年度におけるセグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は162,272千円であります。なお、研究開発活動については、特定のセグメントに関連付けられないため、セグメント別の記載はおこなっておりません。
1.工業用ゴム事業
株式会社朝日FR研究所と当社技術グループが連携して、研究開発から量産までのフェーズに合わせて素材開発、製品開発、生産技術開発を行っております。当連結会計年度の主な研究成果並びに開発状況は次の通りです。
(1) ASA COLOR LED
ASA COLOR LEDの調色・色調管理技術は、自動車用の電装・カーオーディオメーカー・キースイッチなどのバックライト照明に広く使われております。グローバル市場の拡大や環境変化に対応するため、新しいLEDパッケージに適合する新製品を開発するなど、「色と光のコントロール技術」を継続的に進化させました。
また、前述の埼玉大学と進めている、色のバラツキが少なく、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LEDの蛍光体層開発は着実な成果を上げながら最終年度を終了し、実証実験を繰り返しながら市場展開する段階に至りました。
(2) ASA COLOR RESIST INK
主にLED照明器具用として、電子部品の基板に塗布して光を高反射する白色インクの開発を進めております。今期も多くのお客様に評価して頂き、採用拡大に向けての積極的な活動を展開しました。
また経済産業省が推進する新市場創造型標準化制度に関しては引き続き、関連する業界団体方々と原案作成委員会にて日本工業規格(JIS)の取得に向けた活動を推進しております。
(3) 表面改質技術
①RFIDタグ用ゴム製品
「表面改質およびマイクロ加工技術」の一つである分子接着・接合技術を用いたRFIDタグは、ゴムの弾力性や防水性などを生かした分野に採用されております。市場要求に沿った研究開発を繰り返しながら、実用範囲の拡大につなげております。
②マイクロ流体デバイス
ライフサイエンス分野におけるマイクロ流体デバイスは、診断並びに再生医療分野等において複数のお客様と共同研究開発を継続しております。併せて細胞培養用途では、大学等の研究機関と接合技術を生かした培養容器改良も始めており、それぞれの開発計画に沿った活動を着実に前進させております。要素技術を生かして新たに製品化した、PTFEラミネートシートや、超薄膜シリコーンシートとともに、早期実用化に向けた活動を推進してまいります。
③PPD(プチペルチェデバイス)
高熱伝導率で柔軟性があるゴムとペルチェ素子との複合製品は、多くのお客様に標準モデルを供給して実証実験を行いました。ゴムだから成し得る機能を求めて、従来品との差別化につながる開発を進めてまいります。
(ペルチェ素子とは、直流電流を流すことによって一方の面から他方の面に熱を移動させる効果のある熱電変換デバイスで、冷却と加熱及び温度制御を行うことができる半導体素子のことです。)
2.医療・衛生用ゴム事業
高信頼性・高衛生性ゴム製品の研究開発を行っております。当連結会計年度の主な研究成果並びに開発状況は次の通りです。
(1) ディスポーザブル医療製品
プレフィルドシリンジガスケットは、引き続き素材変性技術による材料開発と生産技術開発を推進しました。併せて独自の表面改質技術による低摺動コーティング材を組み合わせ、実用化に向けて更に前進いたしました。
薬液混注用ゴム栓は、必要な特性を実現する材料および製造技術を開発し、その高い信頼性からお客様への納入実績が増加してきております。
これからも医療機器市場に対する安心・安全を高める活動を積極的に推進してまいります。