第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

 

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調のなかで推移しました。一方で、中国を始めとするアジア新興国経済の減速傾向が国内経済にも波及することが懸念されており、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

このような状況の中で、当社グループは主力商品であるコラーゲン・ケーシング、ゼラチン関連商品をはじめ、化粧品関連商品、皮革関連商品に関するコスト削減、効率的な設備投資等、さらなる利益成長に向けて一層強固な事業構築に努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は42,047百万円(前期比1.3%減)となりました。利益面では、原料価格やエネルギーコストの低減などにより営業利益は2,156百万円(同6.5%増)、経常利益は1,856百万円(同4.2%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は1,144百万円(同10.3%増)となりました。

セグメントの状況につきましては以下の通りであります。
 なお、営業利益は、セグメント間の内部取引による損益を振替消去した後の金額であり、セグメント利益(セグメント情報)は、これを振替消去する前の金額であります。

① コラーゲン・ケーシング事業

コラーゲン・ケーシング部門は、国内外ともに価格競争激化の影響を受けて厳しい環境で推移しました。国内営業部門は、高騰していた天然腸価格の値下げによる羊腸への一部回帰の動きを受け苦戦したものの、コンビニエンスストア向けをはじめとしたフランクサイズは好調に推移しました。また、輸出営業部門は、競合他社の攻勢などによりコラーゲン・ケーシング市場の競争が激化するなかで、新規市場の開拓に取り組みました。

この結果、コラーゲン・ケーシング事業の売上高は、9,263百万円(前期比10.2%減)、営業利益は1,865百万円(同10.1%減)、セグメント利益は、1,365百万円(同5.8%減)となりました。

② ゼラチン関連事業

ゼラチン部門は、新規ゼラチンの提案活動を積極的に行うなど売り上げの拡大に努めました。その結果、健康食品ソフトカプセル用途、グミキャンディ用途、コンビニエンスストア向け惣菜用途の売り上げが好調に推移しました。ペプタイド部門は、健康志向の高まる東南アジアを中心に海外向けの販売に注力することで好調に推移しました。製造部門においては、原料価格やエネルギーコストの減少傾向を背景に堅調に推移しました。

この結果、ゼラチン関連事業の売上高は、8,286百万円(前期比10.4%増)、営業利益及びセグメント利益は572百万円(同973.0%増)となりました。

③ 化粧品関連事業

化粧品部門は、リニューアル商品の販売促進に注力するとともに、初回お試し品の見直しを行うことで新規顧客の獲得を図りましたが、厳しい状況で推移しました。健康食品部門は、インフォマーシャルを活用した販売促進が功を奏し堅調に推移しました。

この結果、化粧品関連事業の売上高は、3,469百万円(前期比0.6%増)となりました。また、営業利益については積極的な広告宣伝投資もあり166百万円(同45.7%減)、セグメント利益は、57百万円(同68.2%減)となりました。

④ 皮革関連事業

車輛部門は、主力取引先を中心とした売上拡大に注力し順調に推移しました。一方、靴・袋物部門は、紳士靴用革は堅調に推移したものの、婦人靴用革は、スニーカー、カジュアル傾向を背景に売り上げは減少しました。

この結果、皮革関連事業の売上高は、11,096百万円(前期比0.4%減)、営業利益は301百万円(同3.8%減)、セグメント利益は、239百万円(同8.2%減)となりました。

⑤ 賃貸・不動産事業

賃貸・不動産部門は、東京都足立区、大阪市浪速区ともに堅調に推移しました。

この結果、賃貸・不動産事業の売上高は、697百万円(前期比0.4%減)、営業利益は514百万円(同2.8%減)、セグメント利益は、1,195百万円(同11.0%減)となりました。

 

⑥ 食品その他事業

食品その他事業部門は、穀物、イタリア食材については順調に推移したものの、輸入建材等の売り上げは減少しました。また、BSE検査キット、iMatrix‐511は順調に推移しました。リンカー・化成品は厳しい市場環境のなかで製品開発に注力しましたが、売り上げは減少しました。

この結果、食品その他事業の売上高は、9,233百万円(前期比2.9%減)、営業利益は286百万円(同8.7%減)、セグメント利益は、277百万円(同8.8%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ334百万円増加し、3,886百万円となりました。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,855百万円、減価償却費1,252百万円、売上債権の減少1,372百万円、仕入債務の減少1,419百万円、法人税等の支払額372百万円などにより、2,686百万円の収入(前連結会計年度は、2,297百万円の収入)となりました。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、コラーゲン・ケーシング増産ラインを主とした設備投資による支出2,950百万円、関連会社株式の取得による支出76百万円などにより、2,997百万円の支出(前連結会計年度は、2,813百万円の支出)となりました。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金による収入7,130百万円、長期借入金の返済による支出5,343百万円、社債償還による支出670百万円、セール・アンド・割賦バック取引による収入138百万円、長期未払金の返済による支出573百万円などにより、645百万円の収入(前連結会計年度は、484百万円の支出)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

 

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

コラーゲン・ケーシング事業

8,313

2.94

ゼラチン関連事業

4,865

△1.45

化粧品関連事業

244

16.66

皮革関連事業

263

△2.45

食品その他事業

108

156.12

合計

13,794

1.92

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

ゼラチン関連事業

2,831

9.31

化粧品関連事業

678

△8.15

皮革関連事業

10,053

0.82

食品その他事業

7,710

△4.3

合計

21,273

△0.39

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、仕入金額によっており、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注実績

製品の性質上受注生産は行なっておりません。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

コラーゲン・ケーシング事業

9,263

△10.1

ゼラチン関連事業

8,286

10.4

化粧品関連事業

3,469

0.6

皮革関連事業

11,096

△0.4

賃貸・不動産事業

697

△0.4

食品その他事業

9,233

△2.9

合計

42,047

△1.3

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10以上の相手先の該当がないので記載を省略しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

 

今後のわが国経済の見通しは、為替の変動、アジアなど新興国経済の減速感及び予定されている消費税増税などにより、不透明な状況が見込まれます。

このような状況下において、当社グループは、「ものづくり」マインドをさらに深耕させ、業績拡大に取り組んでまいります。

コラーゲン・ケーシング事業におきましては、新設した富士宮第2工場の安定稼働に努めてまいります。国内営業部門は、ソーセージ生産量の頭打ちと天然羊腸使用製品の割合増加により苦戦が予想されますが、コンビニエンスストア向け商材の拡販とコラーゲン・ケーシングの特性を生かした業務用の商品提案に注力してまいります。海外営業部門は、製造ライン増設により安定した供給能力を背景に、新規市場の開拓に努めるとともに、有力ユーザーへの販促活動の強化に取り組んでまいります。

ゼラチン関連事業におきましては、堅調な動きを見せる国内需要のさらなる囲い込みを図るため、新規商材の提案活動による顧客の開拓に注力してまいります。また、健康食品関連の伸びが期待できる海外需要の獲得に向け、海外食品展示会への出展などによる積極的なPR活動に努め、海外事業の拡大を図ってまいります。

化粧品関連事業におきましては、競争が激化する化粧品・健康食品業界において、当社バイオマトリックス研究所の研究成果を背景とした当社製品の優位性を周知し、他社製品との差別化を推し進め、顧客の新規獲得と既存顧客の定着を図ってまいります。

皮革関連事業におきましては、靴・袋物部門は、海外商品の攻勢による皮革業界の再編成に対する万全の対応を図るべく、顧客先との連携強化に努めてまいります。また、車輛部門は、東南アジア・新興国などの成長が望める市場に参入するため、海外販社との販売協力及び海外工場への技術指導などによる事業環境の強化を図り、販売量の増大を目指してまいります。

その他事業におきましては、iPS細胞関連事業に引き続き注力してまいります。国立大学法人大阪大学と共同で設立した販社にて国内外の大学・研究機関向けへの販売体制を強化するとともに、より安定した生産能力の向上を目指してまいります。

なお、当社が参画している「千住大橋駅周辺地区まちづくり計画」は順調に推移し、街は賑わいを見せております。当社保有地につきましては引き続き効果的な暫定利用を行い、収益の確保に努めてまいります。また、今後の開発計画は建材の高止まりが予想されますが、柔軟に対応してまいります。

なお、会社法施行規則第118条第3号に定める「株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下「会社の支配に関する基本プラン」といいます。)内容は次のとおりです。

(1) 会社の支配に関する基本プランの内容

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念をはじめ当社の財務基盤や事業内容等の企業価値の様々な源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者でなければならないと考えております。
 一方、金融商品取引所に上場する株式会社としての当社の株主の在り方は、市場での自由な取引を通じて決まるものであり、当社の支配権の移転を伴う買収行為がなされた場合に、これに応じるか否かの判断も最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。

しかしながら、株式の大量買付行為や買付提案の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、対象会社の株主や取締役会が買付行為や買付提案の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提示するために合理的に必要十分な時間や情報を提供することのないもの、買付条件等が対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に照らして著しく不十分または不適当であるもの、対象会社の企業価値の維持・増大に必要不可欠なステークホルダーとの関係を破壊する意図のあるもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
 当社は、上記の例を含め、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのある大量買付等を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

 

(2) 会社の支配に関する基本プランの実現に資する特別な取組み

当社は、1907年(明治40年)に皮革生産の国産化を促進し、皮革の国内自給体制の確保を目的に設立され、皮革産業を通じて経済の進展と国民生活の向上に寄与してまいりました。
 当社は、「確かな技術を基に、『お客さまのニーズ』に合致する高品質の製品を提供し、『顧客満足度』を高めること」を通じて、企業の存在価値と企業価値の向上に継続的に取り組み、社会的貢献と企業の利益創出の同時実現を目指して、社会の信頼を確保することを経営理念としております。「企業価値の向上」を実現するため、永年にわたり差別性の高い高付加価値商品の研究開発と製品化に経営資源を重点投入しており、その結果は、コラーゲン・ケーシング、コラーゲン化粧品、医薬用コラーゲン・ペプチド等々として、当社事業の根幹を形成するに至っております。また、この経営のベースとなったのは長い期間をかけて築きあげてきたお客様始め取引先等のステークホルダーとの密接な信頼関係であり、その維持・向上が今後とも大切であると考えております。当社は今後とも、「品質」にこだわり、ステークホルダーの皆様と共に歩むという一貫した思想のもと、当社の強みであるバイオマトリックス研究をさらに深耕させ、様々な高機能商品の開発を推進することで、事業領域の拡大と高収益体質化を図り、企業価値の最大化を目指してまいります。

(3) 会社の支配に関する基本プランに照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取組みの概要

当社は会社の支配に関する基本プランに照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取組みとして「当社株式の大量買付行為に関する対応策」(以下「本プラン」といいます。)を導入しております。
 その概要は以下の通りです。

a.本プラン導入の目的
 本プランは、会社の支配に関する基本プランに照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして導入するものです。

b.本プランの対象となる当社株式の買付
 本プランの対象となる大量買付とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいい、かかる買付行為を行う者を大量買付者といいます。

c.特別委員会の設置
 本プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性・合理性を担保するため、特別委員会規程に基づき、特別委員会を設置いたします。特別委員会の委員は3名以上とし、公正で中立的な判断を可能とするため、当社の業務執行から独立している社外取締役、社外監査役または社外有識者のいずれかに該当する者の中から選任します。

d.大量買付ルールの概要

(ⅰ)大量買付者による当社に対する意向表明書・必要情報の提出

 大量買付者が大量買付行為を行おうとする場合には、大量買付行為または大量買付行為の提案に先立ち、大量買付ルールに従う旨の誓約を含む大量買付の内容等を記載した意向表明書を、当社の定める書式により当社取締役会に提出していただき、当社取締役会は、意向表明書を受領した日の翌日から起算して10営業日以内に、大量買付者に対して、大量買付行為に関する情報(以下「必要情報」といいます。)として当社取締役会への提出を求める事項について記載した書面(以下「必要情報リスト」といいます。)を交付し、大量買付者には、必要情報リストに従い、必要情報を当社取締役会に書面にて提出していただきます。

 また、当社取締役会は、大量買付者に対して、適宜合理的な期限を定めた上で(最初に大量買付情報を受領した日から起算して60日を上限とします。)、必要情報が揃うまで追加的に情報提供を求めることがあります。

(ⅱ)当社取締役会による必要情報の評価・検討等
 当社取締役会は、大量買付者が当社取締役会に対し必要情報の提出を完了した後、対価を現金(円貨)のみとする公開買付による当社全株式の買付の場合は最長60日間またはその他の大量買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間として設定し、提供された必要情報を十分に評価・検討し、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ公表いたします。

 

(ⅲ)取締役会の決議及び株主総会の開催
 当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重し、対抗措置の必要性、相当性等を十分検討したうえで対抗措置発動または不発動等に関する会社法上の機関としての決議を行うものとします。また、当社取締役会は、特別委員会が対抗措置の発動について勧告を行い、発動の決議について株主総会の開催を要請する場合には、当社株主総会を開催する場合があります。

(ⅳ)大量買付行為待機期間
 大量株主検討期間を設けない場合は、取締役会評価期間終了までを、また株主検討期間を設ける場合には取締役会評価期間と株主検討期間をあわせた期間の終了までを大量買付行為待機期間とします。そして大量買付行為待機期間においては、公開買付の開始を含む大量買付行為は実施できないものとします。
従って、大量買付行為は、大量買付行為待機期間の経過後にのみ開始できるものとします。

(ⅴ)大量買付行為が実施された場合の対応
 大量買付者が大量買付ルールを遵守した場合には、仮に当社取締役会が当該大量買付行為に反対であったとしても、当該大量買付行為についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大量買付行為に対する対抗措置は講じません。
 ただし、大量買付者が大量買付ルールを遵守しなかった場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当等、法令等及び当社定款が認める対抗措置を講じることにより大量買付行為に対抗する場合があります。 具体的にいかなる手段を講じるかについては、その時点で当社取締役会が最も適切と判断したものを選択することとします。例えば新株予約権の無償割当を行う場合には、議決権割合が一定以上の特定株主グループに属さないことを新株予約権の行使条件とするなど、対抗措置としての効果を勘案した行使期間及びその他の行使条件を設けることがありますが、この場合、大量買付者が有する新株予約権の取得の対価として金銭を交付することは想定しておりません。

e.本プランの有効期限等
 本プランの有効期限は、平成30年6月開催予定の当社第171回定時株主総会終結の時までとします。ただし、本プランは、有効期間中であっても、株主総会または取締役会の決議により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。
 なお、本プランの詳細につきましては、当社インターネットホームページにその開示資料を掲載しておりますのでご参照ください(http://www.nippi-inc.co.jp/)。

(4) 本プランの合理性について (本プランが会社の支配に関する基本プランに沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて)

本プランは、大量買付行為が行われる際に、株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が提案するために必要かつ十分な情報や時間を確保する等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みであり、まさに会社の支配に関する基本プランに沿うものであります。
 また、本プランは、a.買収防衛策に関する指針の要件を充足していること及び経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容を踏まえたものになっていること、b.株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること、c.株主総会での承認により発効しており、株主意思を反映するものであること、d.独立性の高い社外者のみから構成される特別委員会の勧告を最大限尊重するものであること、e.デッドハンド型及びスローハンド型の買収防衛策ではないこと等、会社の支配に関する基本プランに沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

 

4 【事業等のリスク】

 

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 開発力、技術力等で将来性が不明確であるものについて

当社グループは、コラーゲン・ケーシング、ゼラチン、ペプタイド、コラーゲン化粧品、リンカー、iPS細胞関連等医療用基材など製造販売する製品は、当社の研究所を中心とした開発に負うところが大きく、今後とも各事業における開発には従来通り注力してまいりますが、安価品や新規参入者で競争が激化している経済情勢下において開発品が良質であっても必ずしも市場において優位に立てるとは限りません。

(2) 法的規制に係る影響について

当社グループの販売する製品の一部及び製造販売する原料の一部は輸入品であり、関税対象品目であります。また、製造販売品はその用途による種々の規格や規制を順守したものであります。しかし、関税率に関する法律の改廃、製品自体に対する新規の規則や規程を含む法的な改廃変更により、当社グループの取引が影響を受ける可能性があります。

(3) 自然災害発生における影響について

当社グループの主要事業であるコラーゲン・ケーシング及びゼラチン、ペプタイドの生産工場は静岡県に所在しており、休火山ではありますが、富士山噴火が発生した場合においては、当社グループの重要な生産拠点に甚大な被害を与える可能性があります。

(4) 為替による価格変動について

当社グループには、原料及び製品の輸入と製品の輸出があり、これらの取引においては、外国為替の変動による価格変動が経営成績に影響を与える可能性があります。

(5) 金融市場の動向

当社グループは、資金調達時に金利変動リスクに対して金利スワップ等でヘッジし、一定の割合まで低減しておりますが、急激な金利の上昇があった場合において、経営成績及び財政状態に影響を及ぼすことが考えられます。

(6) 原料価格の変動リスクについて

当社グループが販売する製品に係る原料としては牛皮・豚皮・魚皮・鱗が多く使用されています。調達先を複数化するなどして安定的な原料の調達や価格維持に努めておりますが、当該原料市場の需給動向により原料価格が高騰し、原料価格の変動が経営成績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの製品は、原料は同じでも製品として販売する市場は複数の異なる市場や業界に亘ることから原料の価格動向を必ずしも反映できない場合があり、原料価格の上昇局面では製造コストのみ増加して経営成績に影響を与える場合があります。

(7) 不動産開発に係るリスクについて

当社グループは、東京と大阪の皮革製造工場の跡地の再開発を進めています。大阪地区における開発はほぼ完了し運用局面にあります。また、東京地区においても順調に推移している状況であります。とは言え、特に東京地区の更なる開発の推進または運用局面で多額の特別損失や特別利益を計上する可能性があります。

(8)製品品質のリスク

当社グループは、製品製造に関しては夫々の製造における法令・規制を順守する事は勿論、製造に使用される原料を始め副資材、設備また工程等厳しい管理を行う一方、出荷前には製品の品質検査、並びに不良品や規格外品の選別を行い当社グループの製品への顧客満足度を最重要視しています。
 これらの品質管理に加え、万一に備えて生産物賠償責任保険(PL保険)他に加入しておりますが、場合によってはPL保険他で賠償すべき金額全てをカバーできる保証はなく、信用喪失並びに経営成績への影響を与える可能性があります。

(9)特許・知的財産権のリスク

当社グループで開発した独自技術及び知識は特許権を取得する等厳格な管理により、外部への漏洩また外部からの侵害に備えている一方で、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意しております。しかし、場合によっては双方が知的財産権を争う事態となり、結果として知的財産侵害とされて賠償の責を負わされる可能性も全く否定は出来ず、結果として経営成績に影響を及ぼす事が無いとは限りません。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

 

当連結会計年度の研究開発活動は、新規製品と新技術の開発、既存製品の改良及び高付加価値化のためにコラーゲン、ゼラチン、ラミニンに代表される細胞外マトリックスを対象として、生化学、分子生物学、細胞生物学、栄養学、生理学等の基礎研究及び再生医療分野向けの応用開発を行っております。

具体的な研究開発項目につきましては、以下の通りであります。

(1) 大阪大学、京都大学との共同研究から生まれたiPS,ES細胞を効率良く培養できる新規細胞培養基質「iMatrix511」並びに臨床用にも用いることのできる「iMatrix511MG」を市場に供給しております。本年1月には、大阪大学とベンチャー「株式会社マトリクソーム」を共同で立ち上げ、さらに大阪大学内に寄付講座マトリクソームを設置いたしました。これら組織と緊密に連携して研究開発を進め、再生医療の基盤を支える製品をを国内外の研究者、医師、製薬企業に提供していきたいと考えております。

(2) 安全性の高い医療用コラーゲン、化粧品用コラーゲンの素材開発及び用途開発を行っております。また、医療用に用いることのできるメディゼラチンを開発し、いくつかの疾患に対応する製品の開発を行っております。製品開発、研究用コラーゲン、ゼラチン試薬の開発製造も行っております。

(3) コラーゲン健康食品については、コラーゲン経口摂取に関するヒト効能試験を行い、有望な結果を得ており、作用メカニズムに関しても研究を行っております。また、新機能を付加したコラーゲン・ペプチド製品の開発を進めております。

(4) 狂牛病検査キット(ニッピブルBSE検査キット)につきましては、平成20年度より営業活動を開始し、その性能性と操作性の良さが受け入れられ、本年は国内市場をほぼ独占しております。また、同時に開発したバイオマッシャー等理化学器具も販売をしております。

(5) 当研究所の研究能力を活用して、ペプチド・シークエンス、アミノ酸分析、コラーゲン各種分析等の受託研究を受注し、国内外の企業、研究機関から高く評価されております。

(6) 当社で発見しました新規コラーゲン分解酵素(コラゲナーゼ)の組み換え蛋白質製造法を確立し、移植医療への応用のための研究開発を行っております。また、研究用試薬としても販売をしております。

(7) 医薬品に用いる抗体組み換え蛋白質の効率の良い製造法を開発し、基本特許として知的財産化しました。さらに実証実験を含めた開発を進め、創薬研究に貢献したいと考えております。

 

上記のほか、化学架橋性ポリ塩化ビニルを用いた電線被膜、遮熱塩ビフィルム、耐熱マスキングフィルム等の既存製品販売のほか、ユーザー様の改良・改善の要望への対応を行っております。また、新製品として防汚フロアーマーキングフィルム、自動車用消音テープ他の開発を行っております。また、他企業と共同で防虫用フィルムの開発も行っております。

当連結会計年度の研究開発費の金額は、109百万円であります。
 なお、研究開発費の金額の内容は、研究開発のために新規に購入、支出した直接的費用であり、人件費、減価償却費等の費用は含めておりません。
 また、事業のセグメント別の研究開発費は、バイオマトリックス研究所において各セグメントの総合的、横断的研究開発活動を行っていること、また、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象としていないことから区分しておりません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」の「会計方針に関する事項」に記載のとおり重要な資産の評価方法、重要な引当金の計上基準等においての継続性、網羅性、厳格性を重視して処理計上しております。また、繰延税金資産においては将来の回収可能性を十分に検討した上で計上しております。

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、コラーゲン・ケーシング、化粧品、ゼラチン、ペプタイド等のコラーゲン関連商品、皮革関連商品、穀物や食料品などの輸入商品等その他の各事業で拡販施策の展開を図り、利益体質の強化に努めてまいりました。
 当連結会計年度においては、ゼラチン、ペプタイドが好調に推移したものの、ソーセージ業界の天然羊腸への回帰、また、WHO発表の加工食肉に関するレポートなどの影響もあり、コラーゲン・ケーシングが苦戦したことなどで売上高は減少いたしました。一方で、為替の影響はあるものの、原料価格が落ち着きを取り戻し、原油・天然ガスの価格下落により製造コストが低減傾向で推移するなどし、収益は前連結会計年度を僅かに上回りました。この結果、売上高は、42,047百万円(前期比1.3%減)、営業利益は、2,156百万円(同6.5%増)、経常利益は、1,856百万円(同4.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,144百万円(同10.3%増)となりました。

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの各事業は、主に日本国内の顧客を対象として販売しております。このため、日本国内の景気動向に大きく影響を受けております。また、製品や原材料の輸入比率が高いため為替動向が業績に与える影響が大きくなっています。輸出比率の高いコラーゲン・ケーシングは、円建ての輸出契約を増やしておりますが、為替動向が業績に与える影響があります。

(4) 戦略的現状と見通し

当社が参画している「千住大橋駅周辺地区まちづくり」開発計画におきましては、都市計画道路11号線が全面開通、マンションなどの住宅は4街区において入居が完了し、さらに駅前街区におきましても地域密着型商業施設が開業をみております。今後は、未開発街区における具体的な開発計画の着実な推進に取り組み、安定的な収益確保に努めてまいります。

また、コラーゲン・ケーシング、ゼラチン関連、化粧品関連、皮革関連などの各事業におきましても新商品開発により一層注力し、顧客ニーズに対応した高付加価値商品を投入するとともに宣伝広告などにも力を入れ、製造コストの削減や販売価格の見直しを行い高収益体制の強化を図ってまいります。

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、2,686百万円のキャッシュを得ております。投資活動によるキャッシュ・フローでは、静岡県富士宮市のケーシング増産ラインの建設による支出などにより2,997百万円のキャッシュを支出しました。財務活動によるキャッシュ・フローでは、長期借入れによる収入などにより645百万円のキャッシュを得ております。この結果、現金及び現金同等物は、334百万円の増加して3,886百万円となりました。

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社は、皮革事業において100年間に亘り我が国のリーディングカンパニーとして製造・販売を行ってまいりました。その間、皮革事業で培った技術・知識・経験を基に研究開発を重ね、新たにゼラチン・ぺプタイド事業を国内トップクラスに、また、コラーゲン・ケーシング事業を国内で唯一、世界の四大メーカーの一角を占めるまでに、更には、コラーゲン化粧品と健康食品コラーゲン100の事業を当社主力事業に育成してまいりました。

現在の当社の課題は、先ずはこれらの事業を更に充実拡大させ、以て当社の企業理念である社会貢献にこれまで以上に繋げていくことです。それを実現させる為に、既存の知財に加え新たな事業で得た技術・経験を生かし、また、顧客や社会の要望に応えられる高付加価値商品を世に送り出して行かねばなりません。

上述に加え、東京都足立区と大阪府浪速区で工場跡地の開発事業を推進しており、特に前者においては新たな街“ポンテグランデTOKYO”が広がりを見せております。今後は、当該両地区での開発事業の完了や当社資産の収益性の改善を図ってまいります。

また、新たな事業としては、再生医療分野で大きな注目を浴びているiPS細胞関連事業で、国立大学法人大阪大学と合弁企業「株式会社マトリクソーム」を設立し、既存のiPS細胞培養基質である「iMatrix511」及び新規研究開発品を国内外で販売してまいります。

このように、既存事業の改良改善、さらには新規開発の取り組みを実行しつつ、企業体質の強化を図るとともに、これらを通じて社会への貢献を図ってまいります。