今後の我が国経済の見通しは、急速に拡大した新型コロナウイルス感染症が世界各国で猛威を振るい、人や物の移動が滞り、国内ではオリンピックの一年延期が正式に決定するなど、政治・経済に大きな影響を与えており、厳しい状況が続くことが見込まれます。当社グループの主力商品の市場環境においても、この未曽有の厄災による影響は未知数であり、今後も苦しい環境で推移するものと予想されます。
このような環境下において当社グループは、国内生産メーカーとしての役割を再認識するとともに、当社の事業を堅実に運営することで関連業界の発展に寄与していきたいと考えております。
コラーゲン・ケーシング事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大による外出の自粛、及び各種イベントの自粛の影響を受けて業務用商材の落ち込みが予想される一方で、生活様式の変化により個人消費向け商材は増加傾向にあるため、状況に応じた受注対応体制を構築してまいります。また、ハム・ソーセージ業界においては、製造コスト圧縮に伴う資材価格の見直しが進み、コラーゲンケーシングの価格競争がさらに加速することが予想されるため、製造部門においては、引き続き生産性向上に努めて製造原価の低減を図ってまいります。
ゼラチン関連事業におきましては、ゼラチンの国内販売は、新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛の影響を受け、自宅での食事摂取機会が増大したことから、食品市場が拡大傾向にあるものの、その他の市場においては、心理的な先行き不安による個人消費の落ち込みが予想されます。また、コラーゲンペプチドの販売は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点より、国を跨ぐ移動の制限により、訪日外国人の減少に伴うインバウンド需要の低下、各国の輸出入の制限などにより、伸び悩みが懸念されます。先行き不透明な状況が続くなか、急な状況変化にも対応できるように一定量の原料及び製品在庫の確保を進めるとともに、取引先との情報交換を強化してまいります。
なお、昨年稼働を開始したコラーゲンペプチド新工場においては、当社製品の特長を生かした高品質・高機能商品の製造開発に取り組み、新規市場開拓に注力してまいります。
化粧品関連事業におきましては、現下の情勢において、前述の外出自粛傾向により通信販売市場は引き続き拡大する一方、同様に心理的な先行き不安により、消費マインドの低下が懸念されるなかで売上の確保を至上命題とし、他社との差別化を図るとともに、既存顧客とのより良い関係を構築することを目的とした営業活動を推進し、顧客ニーズに合致した販売戦略の構築に努めてまいります。
皮革関連事業におきましては、既に落ち込んだ市場において、皮革業界一丸となってこの難局を乗り越えていくことが重要であると考えております。当社は、甲革、製革、靴、衣料、底材加工などの皮革関連の全方位体制の企業として、他社との情報収集及び協力体制の一層の強化に取り組むとともに、与信管理にも注力してまいります。
食品その他事業におきましては、イタリア食材部門においては、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、外食産業が休業要請等により厳しい状況のなかで、スーパー等への小売り販売の強化、生活様式の変化により個人向け食品市場拡大の傾向がみられることから、個人向けの通信販売の立ち上げなどで新たな主軸商流の構築に努めてまいります。有機穀物の貿易部門においては、海外サプライヤーとの連絡を密にし、供給体制の維持に努めてまいります。バイオ関連部門においては、国内外の研究開発活動が停滞傾向にあるものの、iMatrixシリーズのラインアップの充実を図り、今後も再生医療分野に引き続き注力してまいります。
なお、当社が参画している「千住大橋周辺地区まちづくり計画」は順調に進捗しており、ポンテグランデTOKYO全体の賑わい感は増しております。引き続き同地区の認知度向上を図り、資産価値の向上に取り組んでまいります。
また、大阪なんば地区所有地においては、本地での最大限の事業収益を目指し、本格的な開発に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 開発力、技術力等で将来性が不明確であるものについて
当社グループは、コラーゲン・ケーシング、ゼラチン、ペプタイド、コラーゲン化粧品、リンカー、iPS細胞関連等医療用器材など製造販売する製品は、当社の研究所を中心とした開発に負うところが大きく、今後とも各事業における開発には従来通り注力してまいりますが、安価品や新規参入者で競争が激化している経済情勢下において、開発品が良質であっても必ずしも競合に対して優位に立てるとは限りません。
(2) 法的規制に係る影響について
当社グループの販売する製品の一部及び製造する原料の多くは輸入品であり、その多くは関税対象品目であります。また、国内外において販売する製品は、その用途による種々の規格や規制を順守したものでありますが、さまざまな貿易協定などによる関税率に関する法律の改廃、原料及び製品に対する新規の規則や規程を含む法的な改廃変更により、当社グループの取引が影響を受ける可能性があります。
(3) 大規模災害等の影響について
地震、津波、洪水、台風等の自然災害や火災、停電等の事故、感染症の拡大により、当社グループの事業拠点や原料調達先などが事業を正常に継続できなくなった場合、製品の生産・供給に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。特に、当社グループの主要事業であるコラーゲン・ケーシング及びゼラチン、ペプタイドの生産工場は静岡県に所在しており、富士山噴火などの大きな自然災害が発生した場合においては、当社グループの重要な生産拠点に甚大な被害を与える可能性があります。
また、今般の新型コロナウイルス感染症拡大に対しては、従業員の安全確保を最優先とし生産・販売活動への影響を最小限にとどめるとの基本方針のもと、在宅勤務や時差出勤、営業時間の短縮、事業所内での衛生管理の強化などの感染予防措置を講じながら、事業の安定的な継続に努めております。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響は、概ね2020年9月まで続くものと想定しておりますが、感染症の流行が深刻化した場合、従業員の罹患により生産・販売活動が停止する恐れがあるほか、社会全体の消費動向の変化によって当社グループ製品に対する需要が減退する可能性もあり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(4) 金利上昇のリスクについて
当社グループは、低金利が続く金融情勢を勘案し、主に固定金利での資金調達を行っているほか、変動金利での借入については金利スワップ等でヘッジし、金利の上昇リスクを一定の割合まで低減させております。ただし、急激な金利上昇があった場合においては、当社グループの経営成績に影響を及ぼすことが考えられます。
(5) 為替による価格変動リスクについて
当社グループには、原料及び製品の輸入と製品の輸出があり、為替相場の変動による影響を受けます。これらの取引においては、為替予約等のヘッジ手段を利用してリスクの軽減を図っておりますが、外国為替相場の急激な変動が当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(6) 原料価格の変動リスクについて
当社グループが販売する製品に係る原料としては牛皮・豚皮・魚皮・鱗が多く使用されています。調達先の複数化などの安定的な原料調達によって販売価格の維持に努めておりますが、当該原料市場の需給動向により原料価格が高騰し、この価格の変動が経営成績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの製品は、原料は同じでも多岐にわたる製品を製造して複数の異なる市場や業界に販売することから、原料の価格変動リスクを必ずしも転嫁できない場合があり、原料価格の上昇局面では製造コストのみ増加して当社グループの経営成績に影響を与える場合があります。
(7) 設備投資に係るリスクについて
当社グループは、事業の競争力強化のために生産設備をはじめとする様々な設備投資を行っております。設備投資の実行にあたっては、市場環境の調査などフィージビリティスタディを行って、採算性や投資回収期間の妥当性を慎重に検討し可否を判断しておりますが、市場規模が当初の前提条件から大きく縮小し生産能力が過大となった場合は、事業の収益が悪化して投資額の回収が困難となり、設備等の減損や除却損を計上するなど経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 原料、製品等の在庫に係るリスクについて
当社グループは、各製品の需要動向の予測に基づいて生産計画を立案し、原料等の調達及び生産管理を行っております。しかしながら、需要が縮小し在庫が長期滞留する場合や製品販売価格が大きく下落する場合は、棚卸資産の評価損や廃棄損を計上するなど当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 不動産開発に係るリスクについて
当社グループは、東京と大阪の皮革製造工場の跡地の再開発を進めております。いずれも土地整備等は完了し、暫定利用も含めほぼ順調に運用されている状況であります。今後も再開発計画の達成また完了を目指し、鋭意この開発事業を推進してまいりますが、不動産開発事業であることから想定外の多額の特別損失や特別利益を計上など当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 製品品質に係るリスクについて
当社グループは、製品製造に関してはそれぞれの製造における法令・規制を順守することはもちろん、製造に使用される原料をはじめ副資材、設備また工程等の厳しい管理を行う一方、出荷前には製品の品質検査、並びに不良品や規格外品の選別を行い当社グループの製品への顧客満足度を最重要視しています。
これらの品質管理に加え、万一に備えて生産物賠償責任保険(PL保険)他に加入しておりますが、場合によってはPL保険他で賠償すべき金額すべてをカバーできる保証はなく、当社グループの信用喪失並びに経営成績への影響を与える可能性があります。
(11) 特許・知的財産権に係るリスクについて
当社グループで開発した独自技術及び知識は特許権を取得する等厳格な管理により、外部への漏洩また外部からの侵害に備えている一方で、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意しております。しかし、場合によっては双方が知的財産権を争う事態となり、結果として知的財産侵害とされて賠償の責を負わされる可能性も全く否定はできず、結果として当社グループの経営成績に影響を及ぼすことがないとは限りません。
(12) 海外事業に係るリスクについて
当社グループは、アジア、欧州、北米など幅広い地域において販売及び生産活動を展開しておりますが、現地における予期できない法令等の変更や、政治または経済的な混乱などによって当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(13) 取引先の信用リスクについて
当社グループは事業を展開するに当たり、国内外の多数の販売先に対して信用供与を行っております。信用供与にあたっては、販売先の財務状況を定期的にチェックし、必要に応じて担保・保証の取得や保険の付保などによって信用リスクの最小化に努めておりますが、それらの債権保全策を講じていない販売先の倒産などにより売掛債権を回収できなくなる可能性があります。また、仕入先の信用不安などにより原材料や商品などを安定的に調達できなくなる場合も想定され、当社グループの経営成績に影響を及ぼすことも考えられます。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度の我が国経済は、生産や輸出に弱さがみられたものの、個人消費の持ち直しや雇用情勢の着実な改善が続くなど、緩やかな回復が継続しました。海外経済については、米中通商問題を巡る動向、英国のEU離脱、中東情勢等、日本経済への影響が懸念される状況となりましたが、全体としては緩やかな回復基調がみられました。しかし、昨年12月に中国で発生した新型コロナウイルス感染症が急速に世界中に広がった影響は計り知れず、世界的に先行き不透明な状況が続いていることから、今後の世界経済は大きく落ち込むことが予想されます。
このような状況のなかで当社グループは、引き続き顧客満足度の向上に努め、前年度不調であったコラーゲン・ケーシング事業における収益改善施策に取り組むとともに、旺盛な需要があるコラーゲンペプチドの販売強化に努めることで業績拡大に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、42,410百万円(前年同期比2.8%減)となりました。営業利益は、1,856百万円(同123.3%増)、経常利益は、1,733百万円(同105.4%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、1,271百万円(同638.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、営業利益は、セグメント間の内部取引による損益を振替消去した後の金額であり、セグメント利益(セグメント情報)は、これを振替消去する前の金額であります。
(コラーゲン・ケーシング事業)
コラーゲン・ケーシング部門は、国内需要が引き続き低迷するなかで、さまざまな拡販に向けた取り組みを実施したものの、大きな成果は得られず国内販売は厳しい状況で推移しました。輸出販売は、競合他社との価格競争が激化するなかで、シェア拡大に努めるとともに、より付加価値の高い商品の拡販を推進するなど、収益改善施策に注力しました。また、製造部門におきましては、生産効率が大きく改善し原価が低減しました。
この結果、コラーゲン・ケーシング事業の売上高は、9,585百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益は、906百万円(前連結会計年度の営業損失は108百万円)となり、セグメント利益は664百万円(前連結会計年度のセグメント損失は800百万円)となりました。
(ゼラチン関連事業)
ゼラチン部門は、ソフトカプセルなどの健康食品市場、コンビニエンスストア向け惣菜用途市場、グミキャンディを中心とした菓子市場で堅調に推移しました。原料取引におきましては、アフリカ豚コレラの影響により、豚皮ゼラチンの価格高騰が続いており、輸入販売は大幅に減少しました。ペプタイド部門は、国内販売につきましては、インバウンド需要の伸長を背景に堅調に推移しました。輸出販売につきましては、魚原料不足が解消してきており、健康食品用途や医療用途で好調に推移しました。
なお、コラーゲンペプチド新工場は、2019年8月に完成し稼働を始めており、高付加価値商品の製造開発に取り組んでおります。
この結果、ゼラチン関連事業の売上高は、9,970百万円(前期比0.4%増)、営業利益は、875百万円(同1.6%増)、セグメント利益は883百万円(同1.5%増)となりました。
(化粧品関連事業)
化粧品部門は、成長基調が続く通信販売市場のなかで、広告宣伝に注力するとともに新商品発売による新たなターゲットの開拓に努めました。上半期においては新規顧客が増加し好調に推移したものの、消費税増税の影響を受けて下半期は苦戦しました。一方、健康食品部門は、広告宣伝の効果があり引き続き好調に推移しました。
この結果、化粧品関連事業の売上高は、4,639百万円(前期比5.3%増)、営業利益は、308百万円(同15.4%増)、セグメント利益は180百万円(同25.8%増)となりました。
(皮革関連事業)
靴・袋物部門は、紳士靴の売上は順調に推移したものの、婦人靴用革、輸入靴及び底材用革は、需要の陰りの影響で苦戦しました。車輌部門は、主要顧客向けの裁断品及び薬品の販売については順調に推移しましたが、クラスト(生地)の販売は、中国の景気減速の影響を受けて低調に推移しました。また、第4四半期におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたことなどにより売上は減少しました。
この結果、皮革関連事業の売上高は、9,569百万円(前期比11.7%減)、営業利益は、販管費の削減に努めたことにより398百万円(同5.3%増)、セグメント利益は335百万円(同3.6%増)となりました。
(賃貸・不動産事業)
再開発中の東京都足立区の土地賃貸事業は、大規模商業施設、保育所、フットサルコート、駐車場用地のほか、一部を仮設学校用地として足立区に期限付きで賃貸しております。また、大阪市浪速区の土地賃貸事業は、既存契約から切り替え、同土地の新規事業の着手に先立ち、埋蔵文化財の発掘調査を行っております。
この結果、賃貸・不動産事業の売上高は、740百万円(前期比4.7%減)、営業利益は、582百万円(同4.7%減)、セグメント利益は1,016百万円(同31.5%減)となりました。
(食品その他事業)
バイオ関連事業は、再生医療の進捗に伴い順調に推移しました。有機穀物、BSE検査キット、リンカー製品については堅調に推移したものの、イタリア食材、フィルム関連の販売は苦戦しました。
この結果、食品その他事業の売上高は、7,906百万円(前期比6.5%減)、営業利益は、円高傾向の影響もあり、238百万円(同32.3%増)、セグメント利益は229百万円(同34.1%増)となりました。
当連結会計年度末における総資産は67,652百万円となり、前連結会計年度末と比べ257百万円減少しました。これは主に商品及び製品が468百万円、原材料及び貯蔵品が647百万円増加した一方、受取手形及び売掛金が933百万円、投資有価証券が547百万円減少したことなどによるものです。なお、コラーゲンペプチド製造工場の完成に伴い、建設仮勘定3,419百万円を有形固定資産等へ振り替えております。
連結会計年度末における負債は、39,124百万円となり、前連結会計年度末と比べ878百万円減少しました。これは主に長期借入金が1,069百万円増加しましたが、短期借入金が1,945百万円減少したことなどによるものです。
当連結会計年度末における純資産は、28,528百万円となり、前連結会計年度末と比べ621百万円増加し、自己資本比率は、41.4%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ58百万円増加し、4,007百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ税金等調整前当期純利益が1,608百万円(前期比92.4%増)の増益となりましたが、たな卸資産が大きく増加し、法人税等の支払額が減少した結果、135百万円(同6.7%減)収入が減少し、1,898百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ有形固定資産の取得による支出が減少し、土地売却代金の一部が入金したことにより、2,910百万円(同91.2%減)支出が減少し、280百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ長期借入金が増加したものの、短期借入金を圧縮したことにより、1,539百万円の支出(前連結会計年度は、29百万円の収入)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入金額によっており、消費税等は含まれておりません。
製品の性質上受注生産は行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10以上の相手先の該当がないので記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」の「会計方針に関する事項」に記載のとおり重要な資産の評価方法、重要な引当金の計上基準等においての継続性、網羅性、厳格性を重視して処理計上しております。また、繰延税金資産においては将来の回収可能性を十分に検討した上で計上しております。
なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」の(追加情報)に記載の通り、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積もりに関し、当社グループは、連結財務諸表及び財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響を概ね2020年9月まで続くものと想定し、会計上の見積もり(繰延税金資産の回収可能性、貸倒引当金の計上、固定資産の減損等)を行っております。
しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度は、コラーゲン・ケーシング事業をはじめ、ゼラチン・ペプタイド、化粧品、皮革など事業セグメントごとに国内外の新規顧客の確保、販売活動に注力し、拡販とともに利益体質の強化に努めてまいりました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ1,241百万円減少し、42,410百万円(前年同期比2.8%減)となりました。
主な要因といたしましては、コラーゲン・ケーシング事業において、海外市場の拡販施策により販売数量を伸ばし、ゼラチン関連事業では、ソフトカプセル用のゼラチン、健康食品市場の活況を背景にペプタイドが好調に推移し、また、化粧品関連事業の「ニッピコラーゲン100」が当連結会計年度におきましても続伸いたしましたものの、皮革関連事業において、車両用革が米中貿易摩擦などによる世界経済の減速、また、新型コロナウイルス感染症の影響による自動車関連メーカーの減産などで大きく落ち込みました。また、新型コロナウイルス感染症の影響は、靴用革、国産靴、輸入靴の販売、イタリア食材の輸入販売などにも大きく影響したことにより減収となりました。
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ1,024百万円増加し、1,856百万円(同123.3%増)となり、当連結会計年度における経常利益は前連結会計年度に比べ889百万円増加し、1,733百万円(同105.4%増)となりました。
主な要因といたしましては、コラーゲン・ケーシング事業においては、採算性の低い海外市場での価格改定、また、在庫削減を意図した生産調整が終わり、生産効率が大きく改善したことで収益の回復が見られたこと、また、ゼラチン関連事業においては、新工場の稼働で償却費の負担が増えたものの、健康食品向けのコラーゲンペプチドが国内外で販売を伸ばしたことに加え、販売価格の見直し、また、魚由来コラーゲンペプチドの原料価格が安定してきたことなどにより増益となりました。
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,098百万円増加し、1,271百万円(同638.4%増)となりました。
主な要因といたしましては、特別損失として、大阪市浪速区の賃貸用土地の再開発に先立ち、埋蔵文化財の調査費用110百万円を計上したものの、経常利益が増加したこと及び連結子会社の業績改善による同社の税効果額を見直した結果、税金費用が減少したことで増益となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの各事業は、国内外市場で製品の販売を行う一方、製品原料や関連資材の買い付けも行っております。このため、それぞれの市場動向や規制、さらに海外の場合は、特に外国為替相場等の大きな変動も各事業の業績に大きな影響を与える場合があります。
また、今般の新型コロナウイルス感染症拡大により、外出自粛やサプライチェーンの混乱で、個人消費や企業活動が停滞し、国内外の経済に深刻な影響を及ぼしております。当社グループにおきましては、コラーゲン・ケーシング事業における業務用フランク用途の販売、ゼラチン関連事業におけるインバウンド激減に伴う健康食品用途のコラーゲンペプチドの販売、また、皮革関連事業での輸入靴及び婦人靴用革の需要減と自動車ハンドル用革の各国における自動車減産による需要減、そして食品その他の事業では、外食産業向けイタリア食材の販売減などが懸念されます。
そのほか当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 戦略的現状と見通し
コラーゲン・ケーシング、ゼラチン関連、化粧品関連、皮革関連などの各セグメントにおきましては、顧客や市場ニーズを取り入れた新商品開発により一層の高付加価値商品を投入するとともに、宣伝広告等により商品や企業の知名度の向上を図ってまいります。生産面では、工程の見直しなど、さまざまなコスト低減方法を常に模索し、販売面では、拡販と適正な販売価格の徹底を図りながら、収益体制の改善、強化に努めてまいります。
また、賃貸・不動産事業におきましては、東京都足立区の千住地区と大阪市浪速区の難波所有地での工場跡地の再開発は計画に基づき一歩ずつ前進しております。すでに事業化が完了した一部に加え、当連結会計年度においても新たに商業施設計画が決定しており、残る所有地においても早期の本格的な事業化を目指し、収益性を十分考慮した運用を行ってまいります。なお、2020年4月27日に東京都足立区の千住地区の再開発用土地を一部売却いたしましたが、これも当該地区の再開発に資するものであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料・商品などの仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、資金の流動性に関する新型コロナウイルス感染症の影響についての対応としては、現在は未使用の状況にあるコミットメントライン枠の活用があります。また、2020年4月27日土地売却に伴い、短期的には手許現預金は、高水準の状態にあります。不確実性の高い新型コロナウイルス感染症の影響が収束するまでの間、手許現預金は、高い水準を維持いたします。なお、資金調達に影響を及ぼす財務制限条項等への抵触リスクは、現状においては非常に低いと判断しております。
また、2019年8月にコラーゲンペプチド工場が稼働しておりますが、建設資金につきましては、既に決済されており、調達した建設資金の弁済につきましても手許現預金及び営業キャッシュ・フローなどで履行できる見込みです。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、100年間に亘り、皮革事業において我が国のリーディングカンパニーとして製造・販売を行ってまいりました。その間、皮革事業で培った技術・知識・経験を礎に研究開発を重ね、新たにゼラチン・ぺプタイド事業を国内トップクラスに、また、コラーゲン・ケーシング事業を国内で唯一、世界の四大メーカーの一角を占めるまでに、さらには、コラーゲン基礎化粧品「スキンケアジェル」と健康食品「ニッピコラーゲン100」の事業を当社主力事業のひとつに育成してまいりました。また、バイオマトリックス研究所で長年培った生体工学技術を生かし、医療分野への進出を果たしましたが、今後は、主力事業の一角になるべく注力してまいります。これらの事業を更に充実拡大させ、以て当社の企業理念である社会貢献にこれまで以上に繋げていくことです。それを実現させる為に、既存の知財に加え、新たな事業で得た技術・経験を生かし、また、顧客や社会の要望に応えられる高付加価値商品を世に送り出して行かねばなりません。
このように、既存事業の改良改善、さらには新規開発の取り組みを実行しつつ、企業体質の強化を図るとともに、これらを通じて社会への貢献を図ってまいります。
また、新型コロナウイルス感染症拡大による個人消費の冷え込みや、外出自粛要請等の各種規制による消費者の購買行動の変化などが、国内外における経済活動へ甚大な影響を及ぼしており、厳しい景気後退が懸念されております。このような状況のもと、当社は、引き続き生産コスト低減の施策を講じて競争力のある商品づくりに取り組んでいくとともに、社会全体の変容に対応しながら市場ニーズを的確に捉えた高付加価値商品を投入し、収益基盤の拡充を図ってまいります。
見通しにつきましては、第2四半期までは新型コロナウイルス感染症の影響による減収を見込んでおります。
コラーゲン・ケーシング事業は、外食など業務用向け販売の落ち込みが予想されますが、引き続き製造コストの低減や販売価格の見直しなど収益の改善に注力してまいります。
ゼラチン関連事業は、家庭用商材の需要は増加すると見込まれる一方、業務用商材は不振が続くと予想されます。逼迫していた魚原料の需給が落ち着き、価格も安定的に推移しており、今後も高付加価値商品の開発や顧客への新規提案などに注力して、収益基盤を確実に強化してまいります。
化粧品関連事業は、感染症の影響が続く中での通信販売という販売形態の強みを活かし、ニーズに呼応した新商品の開発、拡販に努め、継続率の向上と新規顧客の獲得を目指してまいります。
皮革関連事業は、輸入靴及び婦人靴用革の需要減により厳しい状況が続くと見込まれます。また、自動車ハンドル用革は、各国における自動車減産に伴う減収が予想されますが、今後、取扱品目の選択集中等を行い、事業全体の一層の効率化を図ってまいります。食品その他の事業の中では、外食など業務用向けのイタリア食材の販売が減少すると予想されますが、市場の動向に応じた工夫等で対応してまいります。一方、再生医療関連については、今後も市場が拡大していくものと見込んでおり、その中で基材となる細胞外マトリックス関連商品の開発、販売を引き続き推進してまいります。
そのほか、本社所在地である東京都足立区千住における土地再開発事業の一環として、当社所有の一部不動産を集合住宅用地として譲渡し、これを機に再開発を加速してまいります。また、大阪市浪速区の土地賃貸事業は、開発計画に沿って推進してまいります。
そのほか当社グループとしての問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(固定資産の譲渡)
当社は、2020年3月27日開催の取締役会において、東京都足立区千住地区の当社保有不動産の一部を集合住宅用地として譲渡することを決議し、2020年3月27日に譲渡契約を締結し、2020年4月27日に物件の引き渡しを完了しております。
なお、詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照ください
(連結子会社の吸収合併)
当社は、2020年1月10日開催の取締役会において、経営資源の集約、効率的な組織運営を図ることを目的として、当社の連結子会社である鳳凰事業株式会社とニッピコラーゲン工業株式会社の両社を吸収合併することを決議し、同日付けで合併契約を締結いたしました。なお、2020年4月1日を合併期日として、吸収合併を完了しております。
(1) 引継資産・負債の状況
当社は、鳳凰事業株式会社及びニッピコラーゲン工業株式会社の2020年3月31日現在の貸借対照表その他同日現在の計算を基礎として資産、負債及び権利義務を合併期日において引継いでおります。
① 鳳凰事業株式会社
② ニッピコラーゲン工業株式会社
なお、その他の詳細は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照ください。
(賃貸借契約の締結)
当社は、2019年10月1日開催の取締役会において、大阪市浪速区難波中二丁目所在の当社所有地の一部を対象に南海電気鉄道株式会社と一般定期借地権設定契約を締結し、南海電気鉄道株式会社が Centara Osaka 特定目的会社に転貸することを決議いたしました。
賃借人の概要
転借人の概要
開発概要等(予定)
(注)基本計画に基づく建物概要であり、今後の実施設計並びに関係官庁との協議等により上記計画に変更が生じる場合があります。
当連結会計年度の研究開発活動は、新規製品と新技術の開発、既存製品の効能研究及び高付加価値化のためにコラーゲン、ラミニンに代表される細胞外マトリックス成分を対象として、積極的に行いました。また、再生医療・組織工学、細胞培養関連製品の開発、化粧品開発のための皮膚科学、コラーゲンの経口摂取の栄養学などの研究開発を行っております。
具体的な研究開発項目につきまして、以下にいくつか例を挙げます。
(1) iPS細胞及びES細胞を効率よく未分化の状態で培養できる細胞培養基質「iMatrix511」及びその臨床用グレード製品「iMatrix511MG」を製造しております。「iMatrix-511」は、iPS/ES細胞から分化させた神経細胞や様々な細胞の培養基質としても使用されています。さらに多くの細胞を培養するための511以外のラミニン分子についても開発中です。2018年2月に心筋細胞の純化・維持培養に適した「iMatri-221」を販売して、現在、511、411、221の3種類を取り扱っております。今後、さらに複数種のラミニンを販売予定です。
2016年1月に大阪大学と立ち上げたベンチャー株式会社マトリクソーム及び2017年4月から大阪大学蛋白研究所に寄附研究部門マトリクソーム科学(ニッピ)研究室を設置いたしており、これら組織と緊密に連携して研究開発を進め、再生医療の基盤を支える製品を国内外の研究者、医師、製薬企業に提供していきたいと考えております。
(2) 安全性の高い組織工学・再生医療用コラーゲン、化粧品用コラーゲンの素材開発及び用途開発を行っております。また、ウイルスクリアランス試験を実施して低エンドトキシンである医療用途にも適用可能なコラーゲンとメディゼラチンを開発しております。同時に、各種研究試薬用コラーゲン、ゼラチンの応用開発も行っております。
(3) コラーゲン経口摂取の効果については、ヒト効能試験を行い、皮膚のシワ改善などにおいて効果を確認しており、分子や細胞への作用メカニズムに関しても研究を行っております。ジペプチドPro-Hypを多く含むペプチドDFF-01や、生姜に含まれる酵素を用いてXaa-4Hyp-Glyという配列のトリペプチドが多く含まれるペプチドGFF-01を販売するとともに、その生理的作用を研究しております。
(4) 医薬品に用いる抗体組み換え蛋白質の効率の良い製造法spERtテクノロジーを開発し、基本特許として知的財産化しました。さらに実証実験を含めた開発を進め、抗体医薬開発企業と共同開発を目指したいと考えております。
(5) 当研究所の研究能力を活用して、アミノ酸組成分析、コラーゲン各種分析等の受託研究を受注し、国内外の企業、研究機関から高く評価されております。
(6) 動物用のコラーゲンペプチドサプリメントとして、イヌ向けの「あしたも走ろっ。」、ネコ向けの「あしたも遊ぼっ。」を開発し、販売しております。
上記のほか、化学架橋性ポリ塩化ビニルを用いた機能性ケミカル製品の開発も行っております。
当連結会計年度の研究開発費の金額は、
また、事業のセグメント別の研究開発費は、バイオマトリックス研究所において各セグメントの総合的、横断的研究開発活動を行っていること、また、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象としていないことから区分しておりません。