今後のわが国経済の見通しは、一部に弱さがみられるものの、雇用・所得環境の改善が続くなか、緩やかな回復が持続することが期待されます。一方、世界経済は、米中間の通商問題の動向や中国経済の先行き、海外経済の動向と政策に関する不確実性など、先行きの不透明な状況が続いております。また、当社グループの主力商品の市場環境は、競争の激化が進むなど厳しい状況が続いており、今後も苦しい環境で推移するものと予想されます。
このような経営環境下において当社グループは、業績改善及び事業拡大を図るべく、次の課題に取り組んでまいります。
コラーゲン・ケーシング事業におきましては、各工程における生産性の向上に注力し、製造原価の低減を図ってまいります。また、収益性を意識した販売戦略を構築しつつ新市場開拓を視野に入れた新製品開発等に取り組み、収益の改善に努めてまいります。
ゼラチン関連事業におきましては、安価な原材料の安定確保のために、原材料供給地域の多角化を図るとともに、魚原料につきましては、魚種の多様化に取り組んでまいります。また、コラーゲン市場の伸張に対応するため、製造部門及び研究開発部門との連携を密にして新たな訴求ポイントの構築を図り、競合他社との差別化を推し進めてまいります。
化粧品関連事業におきましては、コラーゲン原料メーカーとしての強みを活かし、他社との差別化を図るため、引き続きブランディングの構築とその浸透に注力してまいります。
皮革関連事業におきましては、カジュアル製品の台頭により革靴のニーズが減少するなかで、長年に亘り業界を牽引してきた当社の強みを活かした取引会社との協力体制をより強化し、収益の確保に努めてまいります。
食品その他事業におきましては、穀物・イタリア食材関連部門は、新たな商材の開拓に注力してまいります。また、バイオ関連部門では、iMatrixシリーズのラインアップを順調に増やしており、製造能力の強化が課題となっております。当社グループは、今後も市場拡大が期待される再生医療分野に引き続き注力してまいります。
なお、当社が参画している「千住大橋駅周辺地区まちづくり計画」は市場動向を見極めながら推進しております。従来からの下町へのイメージは、若年層を中心に住みたい街へと高まりつつあり、ポンテグランデTOKYO街全体の賑わい感は増しております。今後は、同地区の認知度向上を図り、資産価値の増大に努めてまいります。
なお、会社法施行規則第118条第3号に定める「株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下「会社の支配に関する基本方針」といいます。) その内容は以下の通りです。
(1) 会社の支配に関する基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念や当社企業価値の様々な源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。
一方、当社の株式は上場株式であることから株主の在り方は、市場での自由な取引を通じて決まるものであり、当社の支配権の移転を伴う買収行為がなされた場合にこれに応じるか否かの判断は最終的には株主の皆様全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て当社の企業価値及び株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
このような、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのある大量買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
(2) 基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社は、1907年(1907年)の創業以来、企業価値向上の取り組みを行ってまいりました。
当社は、「確かな技術を基に、『お客さまのニーズ』に合致する高品質の製品を提供し、『顧客満足度』を高めること」を通じて、企業の存在価値と企業価値の向上に継続的に取り組み、社会的貢献と企業の利益創出の同時実現を目指して、社会の信頼を確保することを経営理念としております。「企業価値の向上」を実現するため、長年にわたり差別性の高い高付加価値商品の研究開発と製品化に経営資源を重点投入してまいりました。
また、この経営のベースとなったのは長い期間をかけて築きあげてきたお客様始め取引先等のステークホルダーとの密接な信頼関係であり、その維持・向上が今後とも大切であると考えております。
一方、当社はコーポレート・ガバナンスの強化を経営の最重要課題と認識しており、健全かつ透明性の高い経営体制の確保並びに経営の意思決定の迅速化と効率化に努め、株主をはじめ全てのステークホルダーにとっての企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能する体制づくりに取り組んでおります。
(3) 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取り組みの概要
当社は会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取り組みとして「当社株式の大量買付行為に関する対応策」(以下「本プラン」といいます。)を導入しております。その概要は以下の通りです。
a.本プラン導入の目的
本プランは、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みとして導入するものです。
b.本プランの対象となる当社株式の買付
本プランの対象となる当社株式の買付行為とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすること及び結果として同様になることを目的とする当社株券等の買付行為とします。また、この買付行為を大量買付行為といい、かかる買付行為を行う者を大量買付者といいます。
c.特別委員会の設置
本プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性・合理性を担保するため、特別委員会規程に基づき、特別委員会を設置いたします。特別委員会の委員は3名以上とし、公正で中立的な判断を可能とするため、当社の業務執行から独立している社外取締役または社外監査役のいずれかに該当する者の中から選任します。
d.大量買付ルールの概要
(ⅰ)大量買付者によるる意向表明書の当社への事前提出
大量買付者が大量買付行為を行おうとする場合には、大量買付行為または大量買付行為の提案に先立ち、まず、大量買付ルールに従う旨の法的拘束力を有する誓約文言を含む大量買付の内容等を日本語で記載した意向表明書を、当社の定める書式により当社取締役会に提出していただきます。
(ⅱ)大量買付者から当社への必要情報の提供
当社取締役会は、意向表明書を受領した日の翌日から起算して10営業日以内に、大量買付者に対して、大量買付行為に関する情報(以下「必要情報」といいます。)のリストを記載した書面(以下「必要情報リスト」といいます。)を交付します。そして、大量買付者には、必要情報リストの記載に従い、必要情報を当社取締役会に書面にて提出していただきます。また、当社取締役会は、大量買付者に対して、適宜合理的な期限を定めた上で(最初に大量買付情報を受領した日から起算して60日を上限とします。)、必要情報が揃うまで追加的に情報提供を求めることがあります。
(ⅲ)当社取締役会による必要情報の評価・検討等
当社取締役会は、大量買付行為の評価等の難易度に応じ、大量買付者が当社取締役会に対し必要情報の提出を完了した後、対価を現金(円貨)のみとする公開買付による当社全株式の買付の場合は最長60日間、その他の大量買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間として設定し、提供された必要情報を十分に評価・検討し、特別委員会からの勧告を最大限尊重した上で、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ公表いたします。
(ⅳ)大量買付行為が実施された場合の対応方針
大量買付者が大量買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大量買付行為に反対であったとしても、当該大量買付行為についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大量買付行為に対する対抗措置は講じません。大量買付者の買付提案に応じるか否かは、株主の皆様において、当該買付提案及び当社が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等をご考慮の上、ご判断いただくことになります。
大量買付者が大量買付ルールを遵守しなかった場合及び同ルールが遵守されている場合でも、当該大量買付行為が結果として当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当等、会社法その他法律及び当社定款が認める対抗措置を講じることにより大量買付行為に対抗する場合があります。
具体的にいかなる手段を講じるかについては、その時点で当社取締役会が最も適切と判断したものを選択することとします。
(ⅴ)取締役会の決議及び株主総会の開催
当社取締役会は、対抗措置の発動の是非について判断を行う場合は、特別委員会の勧告を最大限尊重し、対抗措置の必要性、相当性等を十分検討した上で対抗措置発動または不発動等に関する会社法上の機関としての決議を行うものとします。
また、当社取締役会は、特別委員会が対抗措置の発動について勧告を行い、発動の決議について株主総会の開催を要請する場合には、株主の皆様に本プランによる対抗措置を発動することの可否を十分にご検討いただくための期間(以下、「株主検討期間」といいます。)として最長60日間の期間を設定し、当該株主検討期間中に当社株主総会を開催する場合があります。
(ⅵ)大量買付行為待機期間
株主検討期間を設けない場合は、意向表明書が当社取締役会に提出された日から取締役会評価期間終了までを、また株主検討期間を設ける場合には取締役会評価期間と株主検討期間を合わせた期間終了までを大量買付行為待機期間とします。そして大量買付行為待機期間においては、大量買付行為は実施できないものとします。従って、大量買付行為は、大量買付行為待機期間の経過後にのみ開始できるものとします。
e.本プランの有効期限等
本プランは、2018年6月開催の当社第171回定時株主総会における株主の皆様の承認をもって発効することとし、有効期限は本株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとします。
ただし、本プランは、株主総会において継続が承認され発効した後であっても、当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、または、当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。
なお、本プランの詳細につきましては、当社ホームページにその開示資料を掲載しておりますのでご参照ください(https://www.nippi-inc.co.jp/)。
(4) 本プランの合理性について (本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて)
本プランは、当社株式に対する大量買付行為がなされた際に、当該大量買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、または株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入・継続したものであります。
また、本プランは、①買収防衛策に関する指針の要件を充足していること(経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」及び東京証券取引所が2015年6月1日に公表した「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5いわゆる買収防衛策」の内容を踏まえたものになっていること)、②株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入・継続されていること、③株主意思を反映するものであること、④独立性の高い社外者の判断の重視、⑤デッドハンド型及びスローハンド型買収防衛策ではないこと等、会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 開発力、技術力等で将来性が不明確であるものについて
当社グループは、コラーゲン・ケーシング、ゼラチン、ペプタイド、コラーゲン化粧品、リンカー、iPS細胞関連等医療用器材など製造販売する製品は、当社の研究所を中心とした開発に負うところが大きく、今後とも各事業における開発には従来通り注力してまいりますが、安価品や新規参入者で競争が激化している経済情勢下において開発品が良質であっても必ずしも市場において優位に立てるとは限りません。
(2) 法的規制に係る影響について
当社グループの販売する製品の一部及び製造する原料の多くは輸入品であり、その多くは関税対象品目であります。また、販売する製品は、その用途による種々の規格や規制を順守したものでありますが、さまざまな貿易協定などによる関税率に関する法律の改廃、製品自体に対する新規の規則や規程を含む法的な改廃変更により、当社グループの取引が影響を受ける可能性があります。
(3) 自然災害発生における影響について
当社グループの主要事業であるコラーゲン・ケーシング及びゼラチン、ペプタイドの生産工場は静岡県に所在しており、富士山噴火などの大きな自然災害が発生した場合においては、当社グループの重要な生産拠点に甚大な被害を与える可能性があります。
(4) 為替による価格変動について
当社グループには、原料及び製品の輸入と製品の輸出があり、これらの取引においては、外国為替相場の変動が経営成績に影響を与える可能性があります。
(5) 金融市場の動向
当社グループは、資金調達時に金利変動リスクに対して金利スワップ等でヘッジし、金利上昇を一定の割合まで低減させております。ただし、急激な金利上昇があった場合においては、経営成績及び財政状態に影響を及ぼすことが考えられます。
(6) 原料価格の変動リスクについて
当社グループが販売する製品に係る原料としては牛皮・豚皮・魚皮・鱗が多く使用されています。調達先を複数化するなどして安定的な原料の調達や価格維持に努めておりますが、当該原料市場の需給動向により原料価格が高騰し、原料価格の変動が経営成績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの製品は、原料は同じでも製品として販売する市場は複数の異なる市場や業界に亘ることから原料の価格動向を必ずしも反映できない場合があり、原料価格の上昇局面では製造コストのみ増加して経営成績に影響を与える場合があります。
(7) 不動産開発に係るリスクについて
当社グループは、東京と大阪の皮革製造工場の跡地の再開発を進めています。いずれも土地整備等は完了し、暫定利用も含めほぼ順調に運用されている状況であります。今後も再開発計画の達成また完了を目指し、鋭意この開発事業を推進して参りますが、不動産開発事業であることから想定外の多額の特別損失や特別利益を計上する可能性があります。
(8) 製品品質のリスク
当社グループは、製品製造に関しては夫々の製造における法令・規制を順守する事は勿論、製造に使用される原料を始め副資材、設備また工程等厳しい管理を行う一方、出荷前には製品の品質検査、並びに不良品や規格外品の選別を行い当社グループの製品への顧客満足度を最重要視しています。
これらの品質管理に加え、万一に備えて生産物賠償責任保険(PL保険)他に加入しておりますが、場合によってはPL保険他で賠償すべき金額全てをカバーできる保証はなく、信用喪失並びに経営成績への影響を与える可能性があります。
(9) 特許・知的財産権のリスク
当社グループで開発した独自技術及び知識は特許権を取得する等厳格な管理により、外部への漏洩また外部からの侵害に備えている一方で、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意しております。しかし、場合によっては双方が知的財産権を争う事態となり、結果として知的財産侵害とされて賠償の責を負わされる可能性も全く否定は出来ず、結果として経営成績に影響を及ぼす事が無いとは限りません。
(10) 海外事業に係るリスクについて
当社グループは、アジア、欧州、北米など幅広い地域において販売及び生産活動を展開しておりますが、現地における予期できない法令等の変更や、政治または経済的な混乱などによって経営成績に影響を与える可能性があります。
(11) 取引先の信用リスクについて
当社グループは事業を展開するに当たり、国内外の多数の販売先に対して信用供与を行っており、販売先の倒産などにより売掛債権を回収できなくなる可能性があります。また、仕入先の信用不安などにより原材料や商品などを安定的に調達できなくなる場合も想定され、経営成績に影響を及ぼすことも考えられます。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあり、内外需ともに緩やかな回復基調が続きました。一方、海外経済については、概ね緩やかな回復傾向で推移したものの、貿易不均衡による通商問題の動向、中国経済の先行き、政策に関する不確実性など、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況のなかで当社グループは、商品づくりの原点に立ち返り、顧客満足度の向上に努め、付加価値の高い商品開発に取り組むとともに、市場競争力の強化と業績拡大に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、43,651百万円(前期比3.6%増)となりました。営業利益は、コラーゲン・ケーシングの価格競争激化及びコラーゲンペプチドの魚由来原料の価格高騰を起因とする製造原価の高止まりが続いたことなどにより、831百万円(同58.6%減)、経常利益は、843百万円(同54.5%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、172百万円(同81.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、営業利益は、セグメント間の内部取引による損益を振替消去した後の金額であり、セグメント利益(セグメント情報)は、これを振替消去する前の金額であります。
(コラーゲン・ケーシング事業)
コラーゲン・ケーシング部門は、国内ソーセージ市場の停滞が続くなかで顧客の天然羊腸ケーシングへの志向性の高まりもあり、国内販売は前期に引き続き伸び悩みました。一方で、輸出販売は在庫削減を意図した拡販施策に注力した結果、売上げは伸張したものの、競合他社との激しい価格競争により収益面では厳しい状況で推移しました。また、製造部門におきましては、新工場の償却費に加え、在庫調整や自然災害などの影響を受けて稼働率が低下し、生産価格が上昇しました。
この結果、コラーゲン・ケーシング事業の売上高は、9,242百万円(前期比5.6%増)、営業損失は108百万円(前連結会計年度の営業利益は775百万円)、セグメント損失は800百万円(前連結会計年度のセグメント利益は123百万円)となりました。
(ゼラチン関連事業)
ゼラチン部門は、健康食品及びグミキャンディ市場の価格競争が進むなかで、付加価値の高い商品の開発に努め、競合他社との差別化に取り組んだ結果、ソフトカプセル用途、グミキャンディ用途は好調に推移しました。また、コンビニエンスストア向けゼラチンは、新規用途の提案活動を積極的に行うことで採用地域の拡大に努め、順調に推移しました。ペプタイド部門は、世界的にコラーゲン市場が伸張し、健康食品用途を中心に医薬用途なども好調に推移しましたが、魚由来のコラーゲンペプチドは需要急増に伴う原料不足により価格が高騰し、採算面では軟調に推移しました。
この結果、ゼラチン関連事業の売上高は、9,932百万円(前期比4.3%増)、営業利益は861百万円(同22.0%減)、セグメント利益は870百万円(同21.2%減)となりました。
(化粧品関連事業)
化粧品部門は、近年拡大し続けている通信販売市場のなかで、WEB経由での新規顧客の獲得及び販売促進に注力しPR活動の充実と拡大に努めた結果、ブランドの認知度が向上するとともに顧客数の回復が見え始めました。健康食品部門は、健康志向の高まりを背景に、引き続き「ニッピコラーゲン100」が好調に推移しました。なお、広告宣伝への投入額は若干拡大しましたが、売上高の伸張及び広告効率の向上により利益率の改善がみられました。
この結果、化粧品関連事業の売上高は、4,407百万円(前期比10.0%増)、営業利益は、267百万円(同13.3%増)、セグメント利益は143百万円(同31.8%増)となりました。
(皮革関連事業)
靴・袋物部門は、婦人靴用革及び輸入靴で不調が続くなかで、原皮買付から仕上がりに至るまでの丁寧な対応に注力することで品質及び供給の安定化に努めた結果、国内大手紳士靴メーカーを中心とした紳士靴用革が順調に推移しました。車輌部門は、主要顧客の受注に対応した良品質の製品を安定的に供給することに注力した結果、売上げは順調に推移しましたが、約定に基づく価格改定により利益率が低下しました。
この結果、皮革関連事業の売上高は、10,834百万円(前期比4.2%減)、営業利益は、378百万円(同32.2%減)、セグメント利益は324百万円(同37.1%減)となりました。
(賃貸・不動産事業)
再開発中の東京都足立区の土地賃貸事業は、大規模商業施設、保育所、フットサルコート、駐車場用地のほか、一部を仮設学校用地として足立区に期限付きで賃貸しております。また、大阪市浪速区の土地賃貸事業は、駐車場用地として引き続き賃貸しております。
この結果、賃貸・不動産事業の売上高は、776百万円(前期比0.2%増)、営業利益は、611百万円(同0.4%増)、セグメント利益は1,483百万円(同3.1%増)となりました。
(食品その他事業)
穀物部門は、健康志向を背景とした有機穀物への需要が高まるなかで、新規顧客の獲得に注力し好調に推移しました。イタリア食材、肥料、iPS細胞関連、リンカー製品についても販売は堅調に推移したものの、為替などの影響もあり利益率は低下しました。
この結果、食品その他事業の売上高は、8,457百万円(前期比8.8%増)、営業利益は、180百万円(同4.1%減)、セグメント利益は171百万円(同4.5%減)となりました。
当連結会計年度末における総資産は67,910百万円となり、前連結会計年度末と比べ674百万円減少しました。これは主に建設中のコラーゲンペプチド製造工場に係る建設仮勘定の増加等により有形固定資産が1,342百万円増加した一方で、その支払いにより現金及び預金が1,171百万円減少したほか、商品及び製品が771百万円、投資有価証券が415百万円減少したことによるものです。
連結会計年度末における負債は、40,003百万円となり、前連結会計年度末と比べ414百万円減少しました。これは主に長期借入金が985百万円増加した一方で、未払法人税が405百万円、設備関係支払手形などのその他流動負債が1,242百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末における純資産は、27,907百万円となり、前連結会計年度末と比べ259百万円減少し、自己資本比率は、40.4%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ1,171百万円減少し、3,948百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ税金等調整前当期純利益が835百万円(前期比51.5%減)の減益となりましたが、売上債権、たな卸資産が大きく減少した結果、317百万円(同18.5%増)収入が増加し、2,034百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ有形固定資産の取得による支出が大幅に増えた結果、2,587百万円(同429.5%増)支出が増加し、3,190百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ短期借入金は純減したものの、長期借入による収入が増加したことなどにより、29百万円の収入(前連結会計年度は、590百万円の支出)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入金額によっており、消費税等は含まれておりません。
製品の性質上受注生産は行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10以上の相手先の該当がないので記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」の「会計方針に関する事項」に記載のとおり重要な資産の評価方法、重要な引当金の計上基準等においての継続性、網羅性、厳格性を重視して処理計上しております。また、繰延税金資産においては将来の回収可能性を十分に検討した上で計上しております。
しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度は、コラーゲン・ケーシング事業をはじめ、ゼラチン・ペプタイド、化粧品、皮革など事業セグメントごとに国内外の新規顧客の確保、販売活動に注力し、拡販とともに利益体質の強化に努めてまいりました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ1,514百万円増加し、43,651百万円(前年同期比3.6%増)となりました。
主な要因といたしましては、皮革関連事業は、輸入靴の販売が大きく減少し、車輌用革は、原皮相場の下落に伴い、価格改定を余儀なくされ減収となりましたものの、コラーゲン・ケーシング事業においては、海外市場の拡販施策により販売数量を伸ばし、ゼラチン関連事業は、グミ用、ソフトカプセル用のゼラチン、健康食品市場の活況を背景にペプタイドが好調に推移し、また、化粧品関連事業の「ニッピコラーゲン100」が当連結会計年度におきましても続伸いたしました。これらを主な要因といたしまして、増収となりました。
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ1,174百万円減少し、831百万円(同58.6%減)となり、当連結会計年度における経常利益は前連結会計年度に比べ1,010百万円減少し、843百万円(同54.5%減)となりました。
主な要因といたしましては、コラーゲン・ケーシング事業においては、海外市場の在庫削減を意図した拡販により販売数量は伸びたものの、厳しい価格競争の激化に直面し、輸出価格が低調に推移したこと、生産面では、夏場の落雷被害や台風、長雨の影響などにより稼働率が大きく低下したこと、また、新工場の償却負担の増加により製造コストが上昇いたしました。ゼラチン関連事業においては、コラーゲン・ペプチドが健康志向を背景に伸張しましたが、主力の魚由来原料が超過需要により逼迫し、価格が高騰し製造原価を押し上げました。これらを主な要因といたしまして、減益となりました。
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ777百万円減少し、172百万円(同81.9%減)となりました。
主な要因といたしましては、特別利益が29百万円減少し、特別損失が151百万円減少したことにより、税金等調整前当期純利益が888百万円減少し、835百万円となりました。また、法人税等は、課税所得の減少により422百万円減少したものの、法人税等調整額は、繰延税金資産の取り崩しにより316百万円増加いたしました。これらを主な要因といたしまして、減益となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの各事業は、国内外市場で製品の販売を行う一方、製品原料や関連資材の買い付けを行っております。このため、それぞれの市場動向や規制、また、特に外国為替相場等の大きな変動が各事業の業績に大きな影響を与える場合があります。
そのほか当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 戦略的現状と見通し
コラーゲン・ケーシング、ゼラチン関連、化粧品関連、皮革関連などの各セグメントにおきましては、顧客や市場ニーズを取り入れた新商品開発により一層の高付加価値商品を投入するとともに、宣伝広告等により商品や企業の知名度の向上を図ってまいります。生産面では、工程の見直しなど、さまざまなコスト低減方法を模索し、販売面では適正な価格の見直しを行い、収益体制の改善、強化に努めてまいります。
また、賃貸・不動産事業におきましては、東京都足立区の千住地区と大阪市浪速区の難波所有地での工場跡地の開発事業が着実に進捗しており、一部は商業施設化しておりますが、残る区画についても早期の本格的な事業化を目指し、収益性を十分考慮した運用を行ってまいります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、2019年夏頃稼動予定のコラーゲンペプチド工場の建設資金約3,180百万円につきましては、既に2,683百万円支出しており、今後の設備資金の決済につきましては、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金により調達できる見通しであります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、皮革事業において100年間に亘り、我が国のリーディングカンパニーとして製造・販売を行ってまいりました。その間、皮革事業で培った技術・知識・経験を礎に研究開発を重ね、新たにゼラチン・ぺプタイド事業を国内トップクラスに、また、コラーゲン・ケーシング事業を国内で唯一、世界の四大メーカーの一角を占めるまでに、更には、コラーゲン基礎化粧品「スキンケアジェル」と健康食品「ニッピコラーゲン100」の事業を当社主力事業のひとつに育成してまいりました。
これらの事業を更に充実拡大させ、以て当社の企業理念である社会貢献にこれまで以上に繋げていくことです。それを実現させる為に、既存の知財に加え新たな事業で得た技術・経験を生かし、また、顧客や社会の要望に応えられる高付加価値商品を世に送り出して行かねばなりません。
このように、既存事業の改良改善、さらには新規開発の取り組みを実行しつつ、企業体質の強化を図るとともに、これらを通じて社会への貢献を図ってまいります。
そのほか当社グループとしての問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、新規製品と新技術の開発、既存製品の効能研究及び高付加価値化のためにコラーゲン、ラミニンに代表される細胞外マトリックス成分を対象として、積極的に行いました。また、再生医療・組織工学、細胞培養関連製品の開発、化粧品開発のための皮膚科学、コラーゲンの経口摂取の栄養学などの研究開発を行っております。
具体的な研究開発項目につきまして、以下にいくつか例を挙げます。
(1) iPS細胞及びES細胞を効率よく未分化の状態で培養できる細胞培養基質「iMatrix511」及びその臨床用グレード製品「iMatrix511MG」を製造しております。「iMatrix-511」は、iPS/ES細胞から分化させた神経細胞や様々な細胞の培養基質としても使用されています。さらに多くの細胞を培養するための511以外のラミニン分子についても開発中です。2018年2月に心筋細胞の純化・維持培養に適した「iMatri-221」を販売して、現在、511、411、221の3種類を取り扱っております。今後、さらに複数種のラミニンを開発予定です。
2016年1月に大阪大学と立ち上げたベンチャー株式会社マトリクソーム、および2017年4月から大阪大学蛋白研究所に寄附研究部門マトリクソーム科学(ニッピ)研究室を設置いたしており、これら組織と緊密に連携して研究開発を進め、再生医療の基盤を支える製品を国内外の研究者、医師、製薬企業に提供していきたいと考えております。
(2) 安全性の高い組織工学・再生医療用コラーゲン、化粧品用コラーゲンの素材開発及び用途開発を行っております。また、ウイルスクリアランス試験を実施して低エンドトキシンである医療用途にも適用可能なコラーゲンとメディゼラチンを開発しております。同時に、各種研究試薬用コラーゲン、ゼラチンの応用開発も行っております。
(3) コラーゲン経口摂取の効果については、ヒト効能試験を行い、皮膚のシワ改善などにおいて効果を確認しており、分子や細胞への作用メカニズムに関しても研究を行っております。ジペプチドPro-Hypを多く含むペプチドDFF-01や、生姜に含まれる酵素を用いてXaa-4Hyp-Glyという配列のトリペプチドが多く含まれるペプチドGFF-01を販売するとともに、その生理的作用を研究しております。
(4) 医薬品に用いる抗体組み換え蛋白質の効率の良い製造法spERtテクノロジーを開発し、基本特許として知的財産化しました。さらに実証実験を含めた開発を進め、抗体医薬開発企業と共同開発を目指したいと考えております。
(5) 当研究所の研究能力を活用して、ペプチドアミノ酸配列分析、アミノ酸組成分析、コラーゲン各種分析等の受託研究を受注し、国内外の企業、研究機関から高く評価されております。
(6) 動物用のペットサプリメントとして、イヌ向けのコラーゲンペプチドを用いた「あしたも走ろっ。」を開発し、販売しております。
上記のほか、化学架橋性ポリ塩化ビニルを用いた機能性ケミカル製品の開発も行っております。
当連結会計年度の研究開発費の金額は、
また、事業のセグメント別の研究開発費は、バイオマトリックス研究所において各セグメントの総合的、横断的研究開発活動を行っていること、また、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象としていないことから区分しておりません。