第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

今後のわが国経済の見通しは、政府の経済政策による下支えなどもあり、企業収益や雇用・所得環境の改善が続くなかで国内景気は引き続き緩やかな回復基調で推移することが期待されます。一方、海外経済の不確実性や地政学的リスクの高まりなどもあり、先行きは不透明な状況で推移するものと予想されます。

このような状況下において当社グループは、商品づくりの原点に立ち返り、顧客満足度、付加価値の高い商品開発に取り組むとともに、市場競争力の強化を推し進め、業績拡大を図ってまいります。

コラーゲン・ケーシング事業におきましては、国内営業部門は天然羊腸への回帰傾向が続き依然として苦戦することが予想されますが、新規顧客の開拓、既存顧客へのサポートの充実、提案型営業の実践に注力して売上の拡大に努めてまいります。海外営業部門は競合他社との価格競争が続くなかで顧客の要求事項がさらに厳しくなることが予想されます。製造部門と連携を密にし顧客対応を充実し収益力の強化に努めてまいります。

ゼラチン関連事業におきましては、ゼラチン部門はグミ、ソフトカプセル用途向けを中心として堅調に推移し、ペプタイド部門は東南アジアを中心とした健康志向、認知度向上により順調に推移することが予想されます。これらの需要を取り込むべく展示会等での出展を通じて新規製品の紹介、販売活動に注力し売上の拡大に努めてまいります。

化粧品関連事業におきましては、化粧品、健康食品の通信販売市場はインターネットによる手法が主流となり拡大するものと予想されます。当社は引き続き、様々な媒体で商品の優位性のPR活動に注力し、認知度向上、顧客の獲得、競合製品との差別化を図り収益の拡大に取り組んでまいります。

皮革関連事業におきましては、靴・袋物部門は消費者の嗜好の変化により革靴市場は厳しい環境が続くことが予想されます。変化する皮革業界のなかで、国内外の革の原反から製甲・靴・衣料・底材加工に至る皮革関連の全方位体制を強化し、収益の拡大を図ってまいります。車輌部門は獲得した対象車種への安定した供給体制維持に取り組み、さらなる新規車種の獲得を図り、販売量の増大を目指してまいります。

その他事業におきましては、バイオ関連部門は今後の市場の増大が見込まれる再生医療分野に引き続き注力してまいります。穀物・イタリア食材関連部門は消費者の健康志向が続くなか、新規顧客の獲得、新たな商材への取り組みに注力してまいります。

なお、当社が参画している「千住大橋駅周辺地区まちづくり計画」は順調に推移しております。今後の当社保有地での開発計画につきましては、建設コストなどを考慮して、柔軟に対応し暫定利用を行いながら収益の確保に努めてまいります。

なお、会社法施行規則第118条第3号に定める「株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下「会社の支配に関する基本方針」といいます。) その内容は以下の通りです。

 

(1) 会社の支配に関する基本方針の内容

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念や当社企業価値の様々な源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。

一方、当社の株式は上場株式であることから株主の在り方は、市場での自由な取引を通じて決まるものであり、当社の支配権の移転を伴う買収行為がなされた場合にこれに応じるか否かの判断は最終的には株主の皆様全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て当社の企業価値及び株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

このような、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのある大量買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

 

(2) 基本方針の実現に資する特別な取り組み

当社は、1907年(明治40年)の創業以来、企業価値向上の取り組みを行ってまいりました。

当社は、「確かな技術を基に、『お客さまのニーズ』に合致する高品質の製品を提供し、『顧客満足度』を高めること」を通じて、企業の存在価値と企業価値の向上に継続的に取り組み、社会的貢献と企業の利益創出の同時実現を目指して、社会の信頼を確保することを経営理念としております。「企業価値の向上」を実現するため、永年にわたり差別性の高い高付加価値商品の研究開発と製品化に経営資源を重点投入してまいりました。

また、この経営のベースとなったのは長い期間をかけて築きあげてきたお客様始め取引先等のステークホルダーとの密接な信頼関係であり、その維持・向上が今後とも大切であると考えております。

一方、当社はコーポレート・ガバナンスの強化を経営の最重要課題と認識しており、健全かつ透明性の高い経営体制の確保並びに経営の意思決定の迅速化と効率化に努め、株主をはじめ全てのステークホルダーにとっての企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能する体制づくりに取り組んでおります。

 

(3) 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取り組みの概要

当社は会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取り組みとして「当社株式の大量買付行為に関する対応策」(以下「本プラン」といいます。)を導入しております。その概要は以下の通りです。

a.本プラン導入の目的

  本プランは、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みとして導入するものです。

b.本プランの対象となる当社株式の買付

  本プランの対象となる当社株式の買付行為とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすること及び結果として同様になることを目的とする当社株券等の買付行為とします。また、この買付行為を大量買付行為といい、かかる買付行為を行う者を大量買付者といいます。

c.特別委員会の設置

  本プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性・合理性を担保するため、特別委員会規程に基づき、特別委員会を設置いたします。特別委員会の委員は3名以上とし、公正で中立的な判断を可能とするため、当社の業務執行から独立している社外取締役または社外監査役のいずれかに該当する者の中から選任します。

d.大量買付ルールの概要

(ⅰ)大量買付者によるる意向表明書の当社への事前提出

 大量買付者が大量買付行為を行おうとする場合には、大量買付行為または大量買付行為の提案に先立ち、まず、大量買付ルールに従う旨の法的拘束力を有する誓約文言を含む大量買付の内容等を日本語で記載した意向表明書を、当社の定める書式により当社取締役会に提出していただきます。

(ⅱ)大量買付者から当社への必要情報の提供

 当社取締役会は、意向表明書を受領した日の翌日から起算して10営業日以内に、大量買付者に対して、大量買付行為に関する情報(以下「必要情報」といいます。)のリストを記載した書面(以下「必要情報リスト」といいます。)を交付します。そして、大量買付者には、必要情報リストの記載に従い、必要情報を当社取締役会に書面にて提出していただきます。また、当社取締役会は、大量買付者に対して、適宜合理的な期限を定めた上で(最初に大量買付情報を受領した日から起算して60日を上限とします。)、必要情報が揃うまで追加的に情報提供を求めることがあります。

(ⅲ)当社取締役会による必要情報の評価・検討等

   当社取締役会は、大量買付行為の評価等の難易度に応じ、大量買付者が当社取締役会に対し必要情報の提出を完了した後、対価を現金(円貨)のみとする公開買付による当社全株式の買付の場合は最長60日間、その他の大量買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間として設定し、提供された必要情報を十分に評価・検討し、特別委員会からの勧告を最大限尊重した上で、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ公表いたします。

 

(ⅳ)大量買付行為が実施された場合の対応方針

   大量買付者が大量買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大量買付行為に反対であったとしても、当該大量買付行為についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大量買付行為に対する対抗措置は講じません。大量買付者の買付提案に応じるか否かは、株主の皆様において、当該買付提案及び当社が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等をご考慮の上、ご判断いただくことになります。

   大量買付者が大量買付ルールを遵守しなかった場合及び同ルールが遵守されている場合でも、当該大量買付行為が結果として当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当等、会社法その他法律及び当社定款が認める対抗措置を講じることにより大量買付行為に対抗する場合があります。

   具体的にいかなる手段を講じるかについては、その時点で当社取締役会が最も適切と判断したものを選択することとします。

(ⅴ)取締役会の決議及び株主総会の開催

   当社取締役会は、対抗措置の発動の是非について判断を行う場合は、特別委員会の勧告を最大限尊重し、対抗措置の必要性、相当性等を十分検討した上で対抗措置発動または不発動等に関する会社法上の機関としての決議を行うものとします。

   また、当社取締役会は、特別委員会が対抗措置の発動について勧告を行い、発動の決議について株主総会の開催を要請する場合には、株主の皆様に本プランによる対抗措置を発動することの可否を十分にご検討いただくための期間(以下、「株主検討期間」といいます。)として最長60日間の期間を設定し、当該株主検討期間中に当社株主総会を開催する場合があります。

(ⅵ)大量買付行為待機期間

   株主検討期間を設けない場合は、意向表明書が当社取締役会に提出された日から取締役会評価期間終了までを、また株主検討期間を設ける場合には取締役会評価期間と株主検討期間を合わせた期間終了までを大量買付行為待機期間とします。そして大量買付行為待機期間においては、大量買付行為は実施できないものとします。従って、大量買付行為は、大量買付行為待機期間の経過後にのみ開始できるものとします。

e.本プランの有効期限等

  本プランは、平成30年6月開催の当社第171回定時株主総会における株主の皆様の承認をもって発効することとし、有効期限は本株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとします。

  ただし、本プランは、株主総会において継続が承認され発効した後であっても、当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、または、当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。

  なお、本プランの詳細につきましては、当社ホームページにその開示資料を掲載しておりますのでご参照ください(http://www.nippi-inc.co.jp/)。

 

(4) 本プランの合理性について (本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて)

本プランは、当社株式に対する大量買付行為がなされた際に、当該大量買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、または株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とするにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入・継続したものであります。

また、本プランは、①買収防衛策に関する指針の要件を充足していること(経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」及び東京証券取引所が平成27年6月1日に公表した「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5いわゆる買収防衛策」の内容を踏まえたものになっていること)、②株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入・継続されていること、③株主意思を反映するものであること、④独立性の高い社外者の判断の重視、⑤デッドハンド型及びスローハンド型買収防衛策ではないこと等、会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

2 【事業等のリスク】

 

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 開発力、技術力等で将来性が不明確であるものについて

当社グループは、コラーゲン・ケーシング、ゼラチン、ペプタイド、コラーゲン化粧品、リンカー、iPS細胞関連等医療用器材など製造販売する製品は、当社の研究所を中心とした開発に負うところが大きく、今後とも各事業における開発には従来通り注力してまいりますが、安価品や新規参入者で競争が激化している経済情勢下において開発品が良質であっても必ずしも市場において優位に立てるとは限りません。

(2) 法的規制に係る影響について

当社グループの販売する製品の一部及び製造販売する原料の一部は輸入品であり、その多くは関税対象品目であります。また、製造販売品はその用途による種々の規格や規制を順守したものであります。しかし、関税率に関する法律の改廃、製品自体に対する新規の規則や規程を含む法的な改廃変更により、当社グループの取引が影響を受ける可能性があります。

(3) 自然災害発生における影響について

当社グループの主要事業であるコラーゲン・ケーシング及びゼラチン、ペプタイドの生産工場は静岡県に所在しており、富士山噴火が発生した場合においては、当社グループの重要な生産拠点に甚大な被害を与える可能性があります。

(4) 為替による価格変動について

当社グループには、原料及び製品の輸入と製品の輸出があり、これらの取引においては、外国為替相場の変動が経営成績に影響を与える可能性があります。

(5) 金融市場の動向

当社グループは、資金調達時に金利変動リスクに対して金利スワップ等でヘッジし、一定の割合まで低減したり、急激な金利の上昇があった場合において、経営成績及び財政状態に影響を及ぼすことが考えられます。

(6) 原料価格の変動リスクについて

当社グループが販売する製品に係る原料としては牛皮・豚皮・魚皮・鱗が多く使用されています。調達先を複数化するなどして安定的な原料の調達や価格維持に努めておりますが、当該原料市場の需給動向により原料価格が高騰し、原料価格の変動が経営成績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの製品は、原料は同じでも製品として販売する市場は複数の異なる市場や業界に亘ることから原料の価格動向を必ずしも反映できない場合があり、原料価格の上昇局面では製造コストのみ増加して経営成績に影響を与える場合があります。

(7) 不動産開発に係るリスクについて

当社グループは、東京と大阪の皮革製造工場の跡地の再開発を進めています。いずれも土地整備等は完了し、暫定利用も含めほぼ順調に運用されている状況であります。今後も再開発計画の達成また完了を目指し、鋭意この開発事業を推進して参りますが、不動産開発事業であることから想定外の多額の特別損失や特別利益を計上する可能性があります。

(8)製品品質のリスク

当社グループは、製品製造に関しては夫々の製造における法令・規制を順守する事は勿論、製造に使用される原料を始め副資材、設備また工程等厳しい管理を行う一方、出荷前には製品の品質検査、並びに不良品や規格外品の選別を行い当社グループの製品への顧客満足度を最重要視しています。

これらの品質管理に加え、万一に備えて生産物賠償責任保険(PL保険)他に加入しておりますが、場合によってはPL保険他で賠償すべき金額全てをカバーできる保証はなく、信用喪失並びに経営成績への影響を与える可能性があります。

(9)特許・知的財産権のリスク

当社グループで開発した独自技術及び知識は特許権を取得する等厳格な管理により、外部への漏洩また外部からの侵害に備えている一方で、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意しております。しかし、場合によっては双方が知的財産権を争う事態となり、結果として知的財産侵害とされて賠償の責を負わされる可能性も全く否定は出来ず、結果として経営成績に影響を及ぼす事が無いとは限りません。

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

 (1) 経営成績等の状況の概況

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の持ち直し、企業収益・雇用情勢の改善が続くなど景気は緩やかな回復基調で推移しました。世界経済についても、景気は緩やかな回復傾向が続いているものの、不安定な国際情勢や主要各国における政策の不確実性などにより先行きの不透明な状況が続いております。

このような状況のなかで当社グループは、主力商品であるコラーゲン・ケーシング、ゼラチン関連商品をはじめ、化粧品関連商品、皮革関連商品に関するコスト削減、効率的な設備投資等、さらなる利益増大に向けて一層強固な事業構築に努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は、42,137百万円(前期比8.1%増)となりました。営業利益は、広告費などの販売費及び一般管理費の増加などにより、2,006百万円(同14.9%減)、経常利益は、1,854百万円(同14.8%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、税金費用の影響もあり、949百万円(同49.9%減)となりました。

なお、在外子会社の日皮(上海)貿易有限公司及び海寧日皮皮革有限公司は、自動車ハンドル用革の事業が国内中心から海外中心に展開していくなかで、今後、同事業での重要な役割が期待されていること、また、総資産、売上高、純利益及び利益剰余金などの重要性が増したことから、当連結会計年度より連結の範囲に含めております。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、営業利益は、セグメント間の内部取引による損益を振替消去した後の金額であり、セグメント利益(セグメント情報)は、これを振替消去する前の金額であります。

 

(コラーゲン・ケーシング事業)

コラーゲン・ケーシングは、国内外ともに競争激化の影響を受けて厳しい環境で推移しました。国内営業部門は、天然羊腸への回帰の傾向がおさまらず、引き続き軟調に推移しました。また、海外営業部門は、競合他社の攻勢などによりコラーゲン・ケーシング市場の競争が激化するなかで、既存の大市場での売上拡大に注力するとともに新規市場の獲得や停滞市場の回復に努めました。

この結果、コラーゲン・ケーシング事業の売上高は、8,752百万円(前期比2.5%増)となりました。営業利益は、海外市場における価格競争激化の影響もあり775百万円(同45.1%減)、セグメント利益は123百万円(同83.8%減)となりました。

(ゼラチン関連事業)

ゼラチン部門は、コンビニエンスストアを主要とする惣菜用途の売上が減少したものの、健康食品ソフトカプセル用途、グミキャンディ用途は堅調に推移しました。ペプタイド部門は、国内のテレビ番組でコラーゲンが取り上げられて再び注目されたこと、海外市場、特に東南アジアでコラーゲンの認知度が高まってきたことなどにより、国内外ともに好調に推移しました。一方、製造部門は、魚、ブタなどの原料価格上昇の影響を受けて軟調に推移しました。

この結果、ゼラチン関連事業の売上高は、9,521百万円(前期比11.3%増)、営業利益及びセグメント利益は1,104百万円(同3.3%減)となりました。

(化粧品関連事業)

化粧品部門は、通販化粧品市場におけるアンチエイジング分野での競争激化が続くなかで、新商品発表会を開催するなど積極的な情報発信を行うとともに、WEB経由での販路拡大のための販促活動に注力しました。健康食品部門は、健康志向を背景に消費者のコラーゲンへの関心が高まり「ニッピコラーゲン100」の売上が好調に推移しました。また、広告効率の改善、新規顧客の獲得が順調に推移しました。

この結果、化粧品関連事業の売上高は、4,008百万円(前期比15.2%増)、営業利益は236百万円(同10.3%増)、セグメント利益は108百万円(同28.5%増)となりました。

 

(皮革関連事業)

靴・袋物部門は、紳士靴用革は堅調に推移したものの、婦人靴用革は苦戦が続いております。一方、車輌部門は、主要顧客向けの品質安定クラストの選定に注力し、順調に推移しました。

なお、在外子会社の日皮(上海)貿易有限公司及び海寧日皮皮革有限公司を当連結会計年度より連結の範囲に含めていることから、売上高、営業利益はともに増加しております。

この結果、皮革関連事業の売上高は、11,308百万円(前期比19.2%増)、営業利益は557百万円(同100.7%増)、セグメント利益は515百万円(同71.0%増)となりました。

(賃貸・不動産事業)

賃貸・不動産は、東京都足立区、大阪市浪速区ともに堅調に推移しました。

この結果、賃貸・不動産事業の売上高は、775百万円(前期比0.2%増)、営業利益は609百万円(同1.4%増)、セグメント利益は1,439百万円(同0.7%増)となりました。

(食品その他事業)

大豆を主力とした穀物部門は健康志向を背景に売上が好調に推移しました。iPS細胞関連事業は順調に推移しました。イタリア食材、BSE検査キット、輸入建材などは、各市場の不調を受けて減少しました。

この結果、食品その他事業の売上高は、7,771百万円(前期比4.6%減)、営業利益は187百万円(同9.9%増)、セグメント利益は179百万円(同10.1%増)となりました。

  

当連結会計年度末における総資産は69,026百万円となり、前連結会計年度末と比べ3,743百万円増加しました。これは主に現金及び預金、受取手形及び売掛金、商品及び製品の増加によるものです。

なお、期首に在外子会社の日皮(上海)貿易有限公司及び海寧日皮皮革有限公司を連結の範囲に含めたことにより、資産が1,699百万円増加しております。

当連結会計年度末における負債は、40,858百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,675百万円増加しました。これは主に支払手形及び買掛金、短期借入金、設備関係支払手形の増加及び長期借入金の減少によるものです。

なお、期首に在外子会社の日皮(上海)貿易有限公司及び海寧日皮皮革有限公司を連結の範囲に含めたことにより、負債が1,339百万円増加しております。

当連結会計年度末における純資産は、28,167百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,067百万円増加し、自己資本比率は、40.1%となりました。

なお、期首に在外子会社の日皮(上海)貿易有限公司及び海寧日皮皮革有限公司を連結の範囲に含めたことにより、純資産が303百万円増加しております。

   

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ1,027百万円増加し、5,120百万円となりました。

なお、在外子会社の日皮(上海)貿易有限公司及び海寧日皮皮革有限公司を連結の範囲に含めたことによる増加分489百万円が含まれております。

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ税金等調整前当期純利益が612百万円(前期比26.2%減)の減益となったことにより、536百万円(同23.8%減)収入が減少し、1,717百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ有形固定資産の取得による支出が1,196百万円減少した一方で、補助金受取額が314百万円減少したことなどにより、818百万円(同57.6%減)支出が減少し、602百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ短期借入金が増加したものの、長期借入金、社債、リース債務、長期未払金が減少したことなどにより、18百万円(同3.0%減)支出が減少し、590百万円の支出となりました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

コラーゲン・ケーシング事業

8,597

△2.6

ゼラチン関連事業

5,225

10.6

化粧品関連事業

200

△6.7

皮革関連事業

362

19.6

食品その他事業

192

18.4

合計

14,578

 2.4

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。

 

b. 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

ゼラチン関連事業

3,604

27.0

化粧品関連事業

964

26.7

皮革関連事業

9,949

21.0

食品その他事業

6,175

△6.6

合計

20,694

12.3

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、仕入金額によっており、消費税等は含まれておりません。

 

c. 受注実績

製品の性質上受注生産は行っておりません。

 

d. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

コラーゲン・ケーシング事業

8,752

2.5

ゼラチン関連事業

9,521

11.3

化粧品関連事業

4,008

15.2

皮革関連事業

11,308

19.2

賃貸・不動産事業

775

0.2

食品その他事業

7,771

△4.6

合計

42,137

8.1

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10以上の相手先の該当がないので記載を省略しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」の「会計方針に関する事項」に記載のとおり重要な資産の評価方法、重要な引当金の計上基準等においての継続性、網羅性、厳格性を重視して処理計上しております。また、繰延税金資産においては将来の回収可能性を十分に検討した上で計上しております。

しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度は、コラーゲン・ケーシング事業をはじめ、ゼラチン・ペプタイド、化粧品、皮革など事業セグメントごとに国内外の新規顧客の確保、販売活動に注力し、拡販とともに利益体質の強化に努めてまいりました。

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ3,160百万円増加し、42,137百万円(前年同期比8.1%増)となりました。

主な要因といたしましては、コラーゲン・ケーシング事業においては、国内市場では天然羊腸への回帰により苦戦しましたが、海外市場の獲得に注力した結果、販売数量を伸ばしました。ゼラチン関連事業は惣菜用ゼラチンが軟調だったものの、ペプタイドが健康食品市場の活況を背景に好調に推移し、また、化粧品関連事業の「ニッピコラーゲン100」の販売が伸張いたしました。また、皮革関連事業の車輌用革は一部顧客との取引が減少したものの、車輌用革取引が主体である在外子会社の日皮(上海)貿易有限公司及び海寧日皮皮革有限公司を当連結会計年度から連結の範囲に含めたことにより、前年同期と比べ増収となりました。

当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ350百万円減少し、2,006百万円(同14.9%減)となりました。また、当連結会計年度における経常利益は前連結会計年度に比べ322百万円減少し、1,854百万円(同14.8%減)となりました。

主な要因といたしましては、皮革関連事業において、日皮(上海)貿易有限公司及び海寧日皮皮革有限公司を当連結会計年度より連結の範囲に含めたことにより増益となったものの、ゼラチン関連事業においては、輸入為替などの影響により原料費が上昇し、化粧品関連事業においては、広告宣伝費、販売促進費、宅急便の値上がりなどにより支払運搬費などが増加しました。また、コラーゲン・ケーシング事業においては、国内市場の天然羊腸への回帰、海外市場では厳しい価格競争の激化に直面し、輸出価格が低調に推移したこと、天然ガス等のエネルギー料金が値上がりしたことなどにより生産コストが上昇いたしました。これらにより全体として利益は前連結会計年度を下回りました。

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益が476百万円減少し、特別損失が187百万円増加したことにより、税金等調整前当期純利益が612百万円減少いたしました。さらに前連結会計年度の法人税等は有税引当の戻りにより軽減されていたため、当連結会計年度の税金費用は、320百万円増加いたしました。

以上の結果、前連結会計年度に比べ945百万円減少し、949百万円(同49.9%減)となりました。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの各事業は、国内外市場で製品の販売を行う一方、製品原料や関連資材の買い付けを行っております。このため、夫々の市場動向や規制、また、特に外国為替相場等の大きな変動が各事業の業績に大きな影響を与える場合があります。

そのほか当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

④ 戦略的現状と見通し

コラーゲン・ケーシング、ゼラチン関連、化粧品関連、皮革関連などの各事業におきましては、顧客や市場ニーズを取り入れた新商品開発により一層の高付加価値商品を投入するとともに、宣伝広告等により商品や企業の知名度の向上を図ってまいります。一方では、製造コストの低減や販売価格の見直しを行いつつ、高収益体制の強化に努めてまいります。

また、賃貸・不動産事業におきましては、東京都足立区の千住地区と大阪市浪速区の難波所有地での工場跡地の開発事業が着実に進捗しており、一部は商業施設化しておりますが、残る区画についても早期の本格的な事業化を目指し、収益性を十分考慮した運用を行ってまいります。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、平成31年3月完成予定のコラーゲンペプチド工場の建設資金約3,300百万円につきましては、既に15百万円支出しており、今後の設備資金の決済につきましては、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金により調達できる見通しであります。

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

当社は、皮革事業において100年間に亘り、我が国のリーディングカンパニーとして製造・販売を行ってまいりました。その間、皮革事業で培った技術・知識・経験を基に研究開発を重ね、新たにゼラチン・ぺプタイド事業を国内トップクラスに、また、コラーゲン・ケーシング事業を国内で唯一、世界の四大メーカーの一角を占めるまでに、更には、コラーゲン化粧品と健康食品「ニッピコラーゲン100」の事業を当社主力事業に育成してまいりました。

現在の当社の課題は、先ずはこれらの事業を更に充実拡大させ、以て当社の企業理念である社会貢献にこれまで以上に繋げていくことです。それを実現させる為に、既存の知財に加え新たな事業で得た技術・経験を生かし、また、顧客や社会の要望に応えられる高付加価値商品を世に送り出して行かねばなりません。

また、新たな事業としては、再生医療分野で大きな注目を浴びているiPS細胞関連事業で、国立大学法人大阪大学と合弁企業「株式会社マトリクソーム」において、既存のiPS細胞培養基質である「iMatrix511」及び新規研究開発品を国内外で販売してまいります。

このように、既存事業の改良改善、さらには新規開発の取り組みを実行しつつ、企業体質の強化を図るとともに、これらを通じて社会への貢献を図ってまいります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

 

当連結会計年度の研究開発活動は、新規製品と新技術の開発、既存製品の改良及び高付加価値化のためにコラーゲン、ゼラチン、ラミニンに代表される細胞外マトリックスを対象として、生化学、分子生物学、細胞生物学、栄養学、生理学等の基礎研究及び再生医療分野向けの応用開発を行っております。

具体的な研究開発項目につきましては、以下の通りであります。

(1) 大阪大学、京都大学との共同研究から生まれたiPS,ES細胞を効率良く培養できる新規細胞培養基質「iMatrix511」並びに臨床用にも用いることのできる「iMatrix511MG」を市場に供給しております。平成28年1月には、大阪大学とベンチャー「株式会社マトリクソーム」を共同で立ち上げ、さらに大阪大学内に寄付講座マトリクソームを設置いたしました。これら組織と緊密に連携して研究開発を進め、再生医療の基盤を支える製品をを国内外の研究者、医師、製薬企業に提供していきたいと考えております。

(2) 安全性の高い医療用コラーゲン、化粧品用コラーゲンの素材開発及び用途開発を行っております。また、医療用に用いることのできるメディゼラチンを開発し、いくつかの疾患に対応する製品の開発を行っております。製品開発、研究用コラーゲン、ゼラチン試薬の開発製造も行っております。

(3) コラーゲン健康食品については、コラーゲン経口摂取に関するヒト効能試験を行い、有望な結果を得ており、作用メカニズムに関しても研究を行っております。また、新機能を付加したコラーゲン・ペプチド製品の開発を進めております。

(4) 狂牛病検査キット(ニッピブルBSE検査キット)につきましては、平成20年度より営業活動を開始し、その性能性と操作性の良さが受け入れられ、本年は国内市場を独占しております。また、同時に開発したバイオマッシャー等理化学器具も販売をしております。

(5) 当研究所の研究能力を活用して、ペプチド・シークエンス、アミノ酸分析、コラーゲン各種分析等の受託研究を受注し、国内外の企業、研究機関から高く評価されております。

(6) 当社で発見しました新規コラーゲン分解酵素(コラゲナーゼ)の組み換え蛋白質製造法を確立し、移植医療への応用のための研究開発を行っております。また、研究用試薬としても販売をしております。

(7) 医薬品に用いる抗体組み換え蛋白質の効率の良い製造法を開発し、基本特許として知的財産化しました。さらに実証実験を含めた開発を進め、創薬研究に貢献したいと考えております。

 

上記のほか、化学架橋性ポリ塩化ビニルを用いた電線用コンパウンド、耐熱マスキングフィルム等既存製品の販売を行い、また、他社との共同開発により、防汚性溶接棒、路面用フロアーマーキングフィルム、透明防虫フィルム等の機能性ケミカル製品の開発も行っております。

当連結会計年度の研究開発費の金額は、462百万円であります。
 また、事業のセグメント別の研究開発費は、バイオマトリックス研究所において各セグメントの総合的、横断的研究開発活動を行っていること、また、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象としていないことから区分しておりません。